JP2002326146A - 眼鏡レンズ周縁加工方法と、眼鏡レンズ研削機、及び眼鏡レンズ面取り砥石 - Google Patents

眼鏡レンズ周縁加工方法と、眼鏡レンズ研削機、及び眼鏡レンズ面取り砥石

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JP2002326146A
JP2002326146A JP2001132233A JP2001132233A JP2002326146A JP 2002326146 A JP2002326146 A JP 2002326146A JP 2001132233 A JP2001132233 A JP 2001132233A JP 2001132233 A JP2001132233 A JP 2001132233A JP 2002326146 A JP2002326146 A JP 2002326146A
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lens
chamfering
spectacle lens
grinding
abrasive
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JP2001132233A
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Tomonori Hayashi
智則 林
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Shigiya Machinery Works Ltd
Original Assignee
GRAND SEIKO KK
Shigiya Machinery Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 面取り量の大きさを適当に確保した上で、特
定の面取り巾の眼鏡レンズ外周方向の変化を一様化させ
る眼鏡レンズ周縁加工方法及び装置を提供する。 【解決手段】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
がコンピュータ数値(CNC)制御装置により制御され
る眼鏡レンズ研削機によるレンズ面取り研削加工におい
て、眼鏡レンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度θ
m1、θm2の相違した2つ以上の砥粒研削面tm1、
tm2を具備した面取り砥石を持った面取り装置を有
し、前記2つ以上の砥粒研削面tm1、tm2のうちの
何れかの1つの砥粒研削面を眼鏡レンズRemのカーブ
値に基づいて選択させ、この選択された砥粒研削面tm
1、tm2で眼鏡レンズRemの外周端面の前隅角部又
は後隅角部を面取り研削させるように実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼鏡レンズ周縁加工
方法と、その装置、及び眼鏡レンズ加工用面取り砥石に
関する。
【0002】
【従来の技術】砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
がコンピュータ数値制御装置により制御され且つレンズ
測定装置を備えたものとなされた眼鏡レンズ研削機によ
るレンズ外周端面の前隅角部又は後隅角部の面取り研削
加工は既に実施されている。この面取り研削加工におい
ては、砥石回転軸に固定された特定傾斜角度のテーパ面
からなる砥粒研削面を備えた単一の面取り砥石により、
眼鏡レンズ全周囲の各点で、レンズ回転軸に対し同一傾
斜角度で適切な面取り量となるように研削される。
【0003】ところで、眼鏡レンズには種々のカーブ値
の前面を有するものが存在し、しかもレンズ回転軸回り
のレンズ半径は一般に長短に変化するものであるため、
前述のように特定傾斜角度のテーパ面からなる砥粒研削
面で面取り研削が行われると、眼鏡レンズの前隅角部又
は後隅角部に形成された面取り部の面取り巾はレンズ回
転軸回りの位置変化に伴って種々に変化し易いものとな
るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の面
取り研削加工を実施した場合、面取り角度が適していな
いのみならず前記前隅角部又は後隅角部の面取り巾が1
つのレンズ上で過大な箇所又は過小な箇所の生じること
があり、これを放置すると、当該レンズを枠入れした後
のその見栄えが損なわれるほか、ヤゲン加工などの前工
程で眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角部に生じた欠けな
どの十分な除去の行われないことがある。
【0005】このような事態の生じたときは、熟練者が
加工後の面取り部を手作業により修正するか、或いは、
面取り加工前にこのような事態の生じることが予見され
るときは眼鏡レンズ研削機による面取り加工を断念し、
手作業のみにより面取りを行うようにしている。
【0006】なお本出願人はこのような事態に対処する
ため特願2000−32200号により、面取り研削中
に砥石回転軸をレンズ回転軸に対し種々異なる角度に傾
斜させて面取り巾を眼鏡レンズ全周において適当な同一
大きさとなすことを内容とする技術を提案している。こ
の技術は高品質な面取り処理が行えるものの、構造複雑
でコスト高となる傾向は否めない。
【0007】本発明は、斯かる実状の下、比較的簡易且
つ安価に、レンズ全周において前記前隅角部の面取り部
の面取り巾を許容範囲内となすことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る眼鏡レンズ研削機では、請求項1に記
載したように、砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
が機械的に制御される眼鏡レンズ研削機において、眼鏡
レンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度の相違した
2つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面
取り装置を有しており、前記2つ以上の砥粒研削面のう
ちの何れかの1つの砥粒研削面が眼鏡レンズの形状情報
に基づいて選択され、このように選択された砥粒研削面
が眼鏡レンズ外周端面の前隅角部又は後隅角部を面取り
研削するように作動する構成となす。
【0009】この発明によれば、面取り砥石の傾斜角度
の相違した2つ以上の砥粒研削面のうちから、眼鏡レン
ズ形状に関連した最適なものが選択されるようになり、
このことが面取り巾を従来に較べて最適化させるのであ
る。この際、1つの眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角部
の全周囲の面取り加工が1つの砥粒研削面で行われても
よいし、或いは1つの眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角
部の面取り加工範囲をレンズ回転軸回りの複数の角度範
囲に区分し、各区分で最適の傾斜角度の砥粒研削面を選
択するような作動が行われてもよい。
【0010】また請求項2に記載した発明では、砥石回
転軸とレンズ回転軸との相対位置が機械的に制御される
眼鏡レンズ研削機において、眼鏡レンズ前面用又は後面
用どちらかに傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面
を具備した面取り砥石を持った面取り装置を有してお
り、前記2つ以上の砥粒研削面のうちの何れかの1つの
砥粒研削面がレンズ着用者などの意志決定に基づいて選
択され、このように選択された砥粒研削面がレンズ外周
端面の前隅角部又は後隅角部を研削するように作動する
構成となす。眼鏡レンズの面取り箇所の外観は装飾的に
重要であってレンズの形状情報のみから決定されるのが
適当でない場合があり、例えば眼鏡レンズの着用者とか
眼鏡レンズの加工販売者などは装飾的な観点から面取り
傾斜面の傾斜角を決定することがある。本発明によれ
ば、このような眼鏡レンズの着用者とか眼鏡レンズの加
工販売者などの意志決定に基づいて砥粒研削面が選択さ
れるものとなり、眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角部は
この砥粒研削面に対応した傾斜角度で面取り加工され
る。
【0011】本発明に係る眼鏡レンズ研削機によるレン
ズ面取り研削方法では、請求項3に記載したように、砥
石回転軸とレンズ回転軸との相対位置がコンピュータ数
値制御装置により制御される眼鏡レンズ研削機によるレ
ンズ面取り研削加工において、眼鏡レンズ前面用又は後
面用どちらかに傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削
面を具備した面取り砥石を持った面取り装置を有し、前
記2つ以上の砥粒研削面のうちの何れかの1つの砥粒研
削面を眼鏡レンズの形状情報に基づいて選択させ、この
選択された砥粒研削面で眼鏡レンズ外周端面の前隅角部
を面取り研削させるように実施する。
【0012】この発明では面取り砥石の砥粒研削面は傾
斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面のうちから眼鏡
レンズのカーブ値との関連で最適のものが選択されるの
であり、これによりカーブ値の大きいレンズとそれの小
さいレンズとでは異なる傾斜の砥粒研削面が使用される
ようになり、面取り巾の最適化が図られる。
【0013】また請求項3の発明に代えて請求項4に記
載したようになしてもよいのであって、即ち、砥石回転
軸とレンズ回転軸との相対位置がコンピュータ数値制御
装置により制御される眼鏡レンズ研削機によるレンズ面
取り研削加工において、眼鏡レンズ前面用又は後面用ど
ちらかに傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面を具
備した面取り砥石を持った面取り装置を有し、眼鏡レン
ズの外周端面の前隅角部又は後隅角部をレンズ回転軸回
りの適当角度範囲毎の複数に区分し、各角度範囲の前隅
角部又は後隅角部を前記2つ以上の砥粒研削面のうちの
当該区分の眼鏡レンズ形状に関連した何れか1つの特定
の砥粒研削面wで面取り研削させるように実施する。
【0014】この発明では、前記2つ以上の砥粒研削面
のうちの何れか1つの特定の砥粒研削面として、眼鏡レ
ンズの形状情報に関連した最適のものが選択され、この
ことが請求項1記載の発明の場合と同様に面取り巾を最
適化させる。また、1つの眼鏡レンズの前隅角部又は後
隅角部の面取り部の最大面取り巾と最小面取り巾とが大
きく相違するときは、その眼鏡レンズの前隅角部又は後
隅角部の面取り部はレンズ回転軸回りの複数の角度範囲
のそれぞれについてこの範囲に関連した1つの特定の傾
斜の砥粒研削面で面取りされるようになり、従って単一
の眼鏡レンズの面取り部を傾斜角度の異なる複数の砥粒
研削面で研削されることが生じるようになり、面取り巾
のより一層の最適化が図られる。
【0015】この請求項4に記載の発明は次のように具
体化することができるのであって、即ち、請求項5に記
載したように、前記砥粒研削面を、レンズ外周縁の前面
上の外周長さ方向の適当間隔毎の点(周上点)における
特定方向の接線の傾斜角度から特定するようになす。こ
こに、特定方向の接線とは、前記周上点とレンズ回転軸
とを含む面に沿った接線を意味している。そして上記接
線の傾斜角度から特定される眼鏡レンズ形状は眼鏡レン
ズのカーブ値と、前記周上点に対応したレンズ回転軸の
回転中心(眼鏡レンズの加工中は眼鏡レンズの光学中心
と合致している。)回りの半径長さとに依存するもので
ある。
【0016】従って、眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角
部を面取り研削する1つの特定の砥粒研削面は眼鏡レン
ズのカーブ値と、前記周上点に対応したレンズ回転軸の
回転中心回りの半径長さとに関連して特定されることに
帰するのであり、面取り巾の最適化がさらに図れるので
ある。
【0017】また本発明に係る眼鏡レンズ用面取り砥石
は、請求項6に記載したように、回転円盤体の外周部の
前面或いは後面に、面取り傾斜角度の異なる2つ以上の
砥粒研削面、或いは、曲面となされた砥粒研削面を回転
円盤体の回転中心と同心に設けた構成となす。このよう
にすれば、異なる傾斜角度の面取り加工が効率良く行わ
れるものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】〈眼鏡レンズ周縁加工装置の構
成〉図1は本発明に係る眼鏡レンズ研削機の一実施例を
示す正面図、図2は前記研削機の側面図、図3は前記研
削機の研削砥石周辺を示す図である。図1及び図2に於
いて、1はケーシングを兼用した箱形の本体フレームで
あり、このフレーム1の上部にはカバー2がヒンジ3を
介して開閉自在に装着されている。
【0019】4は本体フレーム1の上部に配置されたス
イング台であり、このスイング台4は後部左右端から後
方へ張り出されたアーム部材4a、4aを有し、このア
ーム部材4a、4a間に支持軸5を橋渡し状に固定され
たものとなされている。そして、支持軸5は本体フレー
ム1の一部1aに固定された左右向きの軸受体6に回転
自在且つ水平摺動自在に支持されている。
【0020】スイング台4の前部左右には張出し部4
b、4cが形成してあって、これらの間は凹み部7とな
されている。そして、右側の張出し部4bには左右向き
の右側レンズ回転軸8aが回転変位自在且つ左右移動自
在に貫装され且つ右端部をチャッキング作動機構9と結
合されており、また左側の張出し部4cには前記右側レ
ンズ回転軸8aと一線状をなすように配置された左右向
きの左側レンズ回転軸8bが回転変位自在に貫装されて
いる。
【0021】この際、チャッキング作動機構9は、スイ
ング台4の内方後部右側に固定されたモータ10の正逆
回転作動によりベルト伝動部11及び左右移動力発生部
12を介して右側レンズ回転軸8aを左側或いは右側へ
変位させるものとなす。なお、13は右側張出し部4b
の側外面に固定されたカバー部材で、右側レンズ回転軸
8aが右移動されたときに、これの右端部が外方へ露出
しないように覆うものとなす。
【0022】またスイング台4の内方後部左側には左右
各側のレンズ回転軸8a、8bを回転駆動するためのパ
ルスモータ14が固定してあり、このモータ14の出力
軸14aはスイング台4内方の中央部に設けられた横長
の軸受部15に回転自在に支持された中間軸16の左端
部と、歯車伝動機構17を介して結合させてある。そし
て、中間軸16の右端部は右側レンズ回転軸8aにシン
クロベルト伝動部17aを介して結合させ、また中間軸
16の左端部は左側レンズ回転軸8bにシンクロベルト
伝動部17bを介して結合させてある。
【0023】18はスイング台4の左側に形成した横送
り手段で、本体フレーム1に固定されたパルスモータ1
9、このパルスモータ19により回転駆動される横スラ
イド軸をなすネジ軸20、このネジ軸20に螺合された
ナット体21、及び、一端がナット体21に固定され他
端が支持軸5の左端部に回転のみ自在に結合された連結
部材22からなっている。
【0024】23はスイング台4の右側下方に形成した
レンズ径送り手段で、次のようになしてある。即ち、一
端が支持軸5の右端部に回転のみ自在に結合された径送
りアーム24を備えており、このアーム24の他端は案
内手段25を介して一定高さに保持され左右方向への移
動自在に支持されている。ここに、案内手段25は水平
状の板フレーム部材1b上面に起立状に固定された縦向
き支持部材26と、この支持部材26の段付上端面に固
定された丸棒状の案内軌道27と、この案内軌道27に
より左右走行移動自在に案内される輪体28と、径送り
アーム24の前記他端から突出され輪体28を回転自在
に支持する軸部材29とからなる。なお30は径送りア
ーム24が左右走行移動して一定位置に達したことを検
出するためのスイッチである。
【0025】径送りアーム24にはパルスモータ31が
縦向きに固定されると共にこのモータ31により回転駆
動されるレンズ径送り軸であるねじ軸32が下向きに延
出されている。一方では径送りアーム24に固定された
図示しない案内部材により上下方向の変位自在に案内さ
れる縦向き径送り棒33が設けてあり、この径送り棒3
3の下端と、前記ネジ軸32に螺合されたナット体34
とは連結板35で結合されている。
【0026】縦向き径送り棒33の上端には当接部材3
6が固着してあり、この当接部材36はスイング台4の
右張出し部4bから横方へ突出させた突起軸37aに回
動自在に装着された輪体37を支持するものとなされて
いる。
【0027】このような構成としたレンズ径送り手段2
3は、パルスモータ31の正逆回転作動によりネジ軸3
2が回転されると、これに連動してナット体34及び縦
向き径送り棒33が上下変位され、この径送り棒33の
上下変位が当接部材36及び輪体37を介してスイング
台4及びレンズ回転軸8a、8bを支持軸5回りへ上下
変位させるように作動する。
【0028】38はレンズ径送り手段23の下方に形成
した砥石装置であって、四角筒形となされ本体フレーム
1と同体状に固定された軸受部39、研削砥石40を右
端に固定された左右向きの砥石回転軸41、及び、研削
砥石40を回転させるための駆動手段42を備えてい
る。
【0029】この際、研削砥石40は図3に示すよう
に、粗加工用の2つのストレート砥石b1と、周面にV
字形溝(ヤゲン溝)gの形成された仕上加工用の二つの
ストレートヤゲン砥石b2、b2と、テーパ状の砥粒研
削面tm1、tm2、tm3を具備した2つの面取り砥
石b3a、b3bとからなり、これら砥石b1、b2、
b3a、b3bは砥石回転軸41に同芯となされて配置
され且つ砥石回転軸41にこれの端面にねじ込まれたボ
ルト41bを介して同体状に固定されている。
【0030】この際、b3aは図4に示すレンズRem
の外周端面の前隅角部d1を面取りするための面取り砥
石で、図5Aに示すように、これの砥粒研削面tm1、
tm2の傾斜角度θm1、θm2は異なるものとなされ
ており、半径方向外側の砥粒研削面tm1の傾斜角度θ
m1は例えば56度となし、半径方向内側の砥粒研削面
tm2の傾斜角度θm2は例えば30度となす。
【0031】一方、b3bはレンズRemの外周端面の
後隅角部d2を面取りするための面取り砥石で、図5B
において、これの砥粒研削面tm3の傾斜角度θm3は
例えば55度となす。上記した各傾斜角度θm1、θm
2、θm3は何れもレンズ回転軸8a、8bの回転中心
に対する角度を云う。各面取り砥石b3a、b3bは回
転円盤体e1の外周面に砥粒部e2を形成したものとな
してある。
【0032】また駆動手段42は、本体フレーム1に固
定されたモータ台43の上面に砥石回転用モータ44を
固定し、このモータ44の出力軸に固定されたプーリ4
5と砥石回転軸41の左端に固定されたプーリ46との
間に伝動ベルト47を掛け回すと共に、この伝動ベルト
47を緊張させるためのテンションプーリ48を装設し
たものとなす。
【0033】以上が本発明に係る加工装置の主要部の構
成であるが、この他にも既に公知のものではあるが、各
部を制御するためのコンピュータ数値制御装置(CNC
装置)及び必要なセンサやスイッチ等を設けるほか、眼
鏡レンズフレームのヤゲン溝の三次元形状についてのデ
ータを得るためのフレームヤゲン溝測定装置や、生地レ
ンズのヤゲン予定位置の、レンズ光学中心線上での位置
や、コバ厚についてのデータを得るためのレンズ測定装
置を設ける。
【0034】〈眼鏡レンズ研削機の使用例その1〉次に
上記した本発明の眼鏡レンズ研削機により眼鏡レンズを
研削加工する際の使用例とこの使用に関連した処理内容
等を、図6に示す流れ図及び、図7〜図14を参照しつ
つ各ステップ毎に説明する。
【0035】ステップs100:図7及び図8を参照し
て説明する。ここに図7は眼鏡フレームの正面図、図8
は眼鏡フレームの測定状況等を示し、Aは平面図、Bは
側面図である。眼鏡レンズを枠入れされる図7に示す眼
鏡フレームMを、図示しないフレーム測定装置(例えば
特開平1−92055号に示すようなもの)にセット
し、眼鏡レンズフレームRfr1のヤゲン溝の底部の三
次元形状を測定する。
【0036】具体的には、眼鏡レンズフレームRfr1
に略直角に交差した任意縦線C0回りの一定角度毎の測
定点P =1、2、3、・・・・・、n)の動径
についての動径角θ0 と、動径長ρ0 (任意縦線
COに直交した方向の長さ)と、任意縦線C0と直交し
た任意の測定基準面から測定点P までの距離h0
を測定し、このデータを原測定データ(θ0 、ρ0
、h0 )(=1、2、3、・・・・・、n)と
してフレーム測定装置のメモリに記憶させる。
【0037】ステップs101:フレーム測定装置のメ
モリーより、原測定データ(θ0 、ρ0 、h
)( =1、2、3、・・・・・、n)を眼鏡レ
ンズ研削機のメモリに転送させる。
【0038】ステップs102:図1に示すように、生
地レンズRemを左右の各レンズ回転軸8a、8bの内
方端に把持させる。この際、生地レンズRemの光学中
心線をレンズ回転軸8a、8bの回転中心に合致させ
る。
【0039】この把持に際しては、公知の処理により生
地レンズRemの光学中心線上に吸着させた既存のレン
ズ吸着軸具をレンズ回転軸8aに嵌着し、この後、モー
タ10を回転作動させてレンズ回転軸8aを左方へ移動
させ、生地レンズRemの前後面を左右のレンズ回転軸
8a、8bに強固に挟圧させる。
【0040】ステップs103:図示しないCNC装置
の入力キーの操作により、処方情報(眼鏡着用者に関す
るもの)やヤゲン加工に必要な情報を入力すると共に、
図10や図11に示す面取り量mrなどの面取り加工に
関する情報を入力する。
【0041】ここに、処方情報とは眼鏡レンズフレーム
Rfr1のどの位置に眼鏡レンズRemの光学中心c1
を位置させるかについての情報である。また面取り量m
rとは、図4Bに示すように眼鏡レンズRemの外周端
面m1と前面mfとの交差線上の点をp1とし、またこ
の点p1を通り光学中心線s1と平行な向きとなされた
直線s2と、前記外周端面m1と面取り傾斜面m0との
交差線との交点をp2とすると、点p1から点p2まで
の距離をいう。
【0042】ステップs104:CNC装置に先のステ
ップs103で入力された情報に基づいて眼鏡レンズフ
レームRfr1における図7に示す光学中心点(瞳孔中
心点)C1を算出させる。
【0043】ステップs105:先のステップs100
で得られた原測定データ(θ0 、ρ0 、h0
=1、2、3、・・・・・、n)を、先のステッ
プs104で得られた点C1回りの前記測定点P
=1、2、3、・・・・・、n)毎の動径について
の動径角θ1 と、動径長ρ1 とを特定し、これら
データを眼鏡フレームヤゲン溝形状データ(θ1
ρ1 、h0 )( =1、2、3、・・・・・、
n)としてCNC装置のメモリに記憶させる。
【0044】ステップs106:CNC装置のスイッチ
操作により自動的な加工を開始させる。
【0045】ステップs107:CNC装置が被加工生
地レンズRemについて、レンズ測定装置(例えば特開
平9−117849号等)により図13に示すように、
レンズ回転軸8a、8bに把持された被加工生地レンズ
Remの動径ρ1 に対応した前面位置K1、後面
位置K2 、及びコバ厚w 等を測定する。ここにk
s0は任意に特定された平面で光学中心線s1に直交す
るものである。そして、このコバ厚w 情報を使用す
ることにより、ヤゲン加工データ(θ1 、ρ1
)( =1、2、3、・・・・・、n)を作成
し、これをメモリに記憶する。ここに、Y はヤゲン
の光学中心線s1方向上の位置情報である。
【0046】また、上記した動径ρ1 に対応した前
面位置K1 や後面位置K2 のほか、入力された面
取り量mrや、面取り砥石b3a、b3bの形状情報な
どから、前面mf側の面取り加工データ(θ1 、ρ
、M1 、θmj)( =1、2、3、・・・
・・、n、j=1、2)と、後面ma側の面取り加工デ
ータ(θ1 、ρ1 、M2 、θm3)(
1、2、3、・・・・・、n)とを作成し、これらをメ
モリに記憶する。ここに、M1 及びM2 は面取り
傾斜面m0の特定点の光学中心線s1方向上の位置情報
で、θmjは使用される砥粒研削面情報である。
【0047】面取り加工データは、CNC装置が図12
に示すような眼鏡レンズRemのカーブ値Cvに対する
面取り角度mkとの対応に関する一覧表に基づいて、い
まから加工する眼鏡レンズRemのカーブCv値から、
面取り砥石b3aの2つの砥粒研削面tm1、tm2か
ら加工に使用すべき1つの砥粒研削面tm1又はtm2
を特定し、この特定された砥粒研削面tm1又はtm2
が使用される。ここに、眼鏡レンズRemのカーブ値
は、眼鏡レンズRemの3次元形状に倣う図9に示す球
面体ksの半径を算出させ、数値「533」を球面体k
sの半径(単位mm)で除すことにより得られる。また
面取り角度mkとは、直線s2と面取り傾斜面m0との
挟角をいう。そして面取り角度mk情報とは面取り角度
mkを決定する上で必要な情報であり、例えば主要なも
のとして図12に示すような眼鏡レンズRemのカーブ
値Cvに対する面取り角度mkとの対応に関する一覧表
がある。
【0048】例えば、眼鏡レンズRemのカーブ値Cv
が8であるときは、傾斜角度θm2が30度の砥粒研削
面tm2が使用されて図10Bに示すように面取りされ
る。図10中、眼鏡レンズRemはヤゲン加工が終了し
面取り加工が未加工である状態の断面を示し、またAは
傾斜角度θm1が56度の砥粒研削面tm1で面取り加
工を行った場合を示しており、これによれば面取り巾m
hが眼鏡レンズRemの径に対して過大となる箇所p5
が生じるのである。
【0049】また眼鏡レンズRemのカーブ値Cvが5
であるときは、面取り傾斜角度θm1が56度の砥粒研
削面tm1が使用されて図11Aに示すように面取りさ
れる。図11中、眼鏡レンズRemはヤゲン加工が終了
し面取り加工が未加工である状態の断面を示し、またB
は面取り傾斜角度θm2が30度の砥粒研削面tm2で
面取り加工を行った場合を示しており、これによれば面
取り巾mhが眼鏡レンズRemの径に対して過小となる
箇所p6が生じるのである。
【0050】ステップs108:この後、パルスモータ
19及び横スライド軸20の作動並びにレンズ径送り軸
32の作動によりスイング台4が横スライドした後に降
下し、被加工生地レンズRemは粗加工用の2つのスト
レート砥石b1の何れかへ向けて移動する。そしてヤゲ
ン加工データ(θ1 、ρ1 、Y )( =1、
2、3、・・・・・、n)に基づいてレンズ回転軸8
a、8b、レンズ径送り軸32が作動し、被加工生地レ
ンズRemの粗加工が行われる。
【0051】ステップs109:粗加工の終了後、スイ
ング台4が上昇する。次にステップモータ19及び横ス
ライド軸20の作動によりスイング台4が横スライド
し、粗加工された生地レンズRemは仕上加工用の2つ
のストレート砥石b2の何れかに移動し、再度下降す
る。そしてヤゲン加工データ(θ1 、ρ1 、Y
)( =1、2、3、・・・・・、n)に基づいてレ
ンズ回転軸8a、8b、横スライド軸20及びレンズ径
送り軸32が作動し、これらの作動により、未仕上げ眼
鏡レンズRemの外周端面m0の光学中心線s1回りの
各点のヤゲンnは光学中心線に対し垂直などの特定向き
となされて連続的に加工される。
【0052】ステップs110:仕上げ加工が終了した
後、スイング台4は横スライドされて前面mf側の面取
り加工位置に移動する。またレンズ回転軸8a、8bは
被加工眼鏡レンズRemを把持した状態を保持したまま
回転変位して加工開始位置に復帰する。この後、前面m
f側の面取り加工データ(θ1 、ρ1 、M1
、θmj)( =1、2、3、・・・・・、n、
j=1、2)に基づいてレンズ回転軸8a、8b、横ス
ライド軸20、レンズ径送り軸32が制御され、面取り
砥石b3aは眼鏡レンズRemの外周端面m1の前隅角
部d1を面取り加工するものとなる。
【0053】ステップs111:次に、スイング台4は
横スライドされて後面ma側の面取り加工位置に移動す
ると共に、レンズ回転軸8a、8bは被加工眼鏡レンズ
Remを把持した状態を保持したまま回転変位して加工
開始位置に復帰する。
【0054】この後、後面ma側の面取り加工データ
(θ1 、ρ1 、M2 、θm3)( =1、
2、3、・・・・・、n)に基づいてレンズ回転軸8
a、8b、横スライド軸20、レンズ径送り軸32が制
御され、面取り砥石b3bは眼鏡レンズRemの外周端
面m1の後隅角部d2(図4A参照)を面取り加工する
ものとなる。
【0055】この面取り加工では、眼鏡レンズRemの
カーブ値Cvの如何に拘わらず、例えば傾斜角度θm3
が52度の砥粒研削面tm3が使用されて、図10及び
図11に示すような面取り傾斜面m01が形成される。
なお、後面maの面取り傾斜面m01はその面取り角度
mkを単一に固定しても実際上、不都合は生じない。
【0056】ステップs112:面取り加工が終了した
後、スイング台4は上昇し、眼鏡レンズ研削機は初期状
態に復帰し、次の加工に備えて待機する。
【0057】〈眼鏡レンズ研削機の使用例その1の変形
例その1〉この変形例では前記前隅角部d1の面取り研
削において使用する面取り砥石b3aの砥粒研削面tm
1、tm2を眼鏡レンズRemのカーブ値Cvに依らず
に上記球面体Ksの接線の傾斜角度に依って特定するの
であり、使用例その1の場合と比較して相違する部分に
ついてのみ説明すると、次のとおりである。
【0058】即ち、上記ステップs107では、図9及
び図14において、ヤゲン加工データ(θ1 、ρ1
、Y )( =1、2、3、・・・・・、n)の
(θ1 、ρ1 )で特定される軌跡Yk上の点P
(θ1 、ρ1 )(=1、2、3、・・・・
・、n)を通り光学中心線s1方向へ向かう直線s4
と、ステップs107で算出した球面体Ksの表面とが
交差する点(対応点)p7を特定し、この対応点p7を
通る接線であって、前記点P と光学中心線s1とを
含む面に沿った直線s5の傾斜角度Qを特定する処理を
CNC装置に行わせる。ここに、傾斜角度Qは前記対応
点p7を通り光学中心線s1に沿った直線s4に対する
直線s5の角度である。
【0059】次に各点P について、この傾斜角度Q
の半分の角度Q1を算出させ、これら角度Q1の平均値
を算出させるのであり、この後、90度からこの平均値
を減算させて面取り最適傾斜角度Q2を算出させ、この
面取り最適傾斜角度Q2と二つの砥粒研削面tm1、t
m2の傾斜角度θm1、θm2を比較させ、面取り最適
角度Q2に近い方の傾斜角度θm1又はθm2を有する
砥粒研削面tm1又はtm2を特定させる。なお、この
面取り最適角度Q2が二つの傾斜角度θm1、θm2の
中間値であるときは任意な何れか一方を特定させる。
【0060】そして前記ステップs110では、面取り
砥石b3aはステップs107で特定された砥粒研削面
tm1又はtm2で眼鏡レンズRemの外周端面m1の
前隅角部d1を面取り加工するものとなる。その他の処
理や手順は使用例その1に準ずるものとする。
【0061】〈眼鏡レンズ研削機の使用例その1の変形
例その2〉この変形例では前記前隅角部d1の面取り研
削において使用する面取り砥石b3aの砥粒研削面tm
1、tm2を先の変形例におけるような各点P に対
応した面取り最適角度Q2の全ての平均値に依らず、適
宜に選択した最適角度Q2を使用して特定するのであ
る。
【0062】即ち、ステップs107では各点P
面取り最適角度Q2のうちの最大値と最低値とを特定
し、この最大値と最小値との平均値を算出させる。そし
て、この平均値と二つの傾斜角度θm1、θm2を比較
させ、面取り最適角度Q2に近い方の傾斜角度θm1又
はθm2を有する面取り砥石b3aの砥粒研削面tm1
又はtm2を特定させる。なお、この平均値が二つの傾
斜角度θm1、θm2の中間値であるときは任意な何れ
か一方を特定させる。
【0063】そしてステップs110では、面取り砥石
b3aはステップs107で特定された砥粒研削面tm
1又はtm2で眼鏡レンズRemの外周端面m1の前隅
角部d1を面取り加工するものとなる。その他の処理や
手順は使用例その1に準ずるものとする。
【0064】〈眼鏡レンズ研削機の使用例その2〉上記
した各使用例では前記前隅角部d1の面取り加工におい
て、特定の傾斜角度θm1又はθm2を有する単一の砥
粒研削面tm1、tm2のみで加工したが、この使用例
では必要に応じて異なる傾斜角度θm1、θm2を有す
る複数の砥粒研削面tm1、tm2で面取り加工するも
のであり、先の使用例その1の場合と比較して相違する
部分についてのみ説明すると、次のとおりである。
【0065】即ち、ステップs107では先の変形例そ
の2の場合と同様な、各点P の面取り最適角度Q2
のうちの最大値と最低値とを特定し、この最大値と最小
値との平均値を算出させ、次に、これら最大値及び最低
値と前記平均値とを比較させる。そして、これら最大値
及び最低値の何れもが、前記平均値よりも大きいときは
大きい傾斜角度θm1を有する砥粒研削面tm1を特定
させ、また最大値が平均値よりも大きく且つ最小値が平
均値よりも小さいときは異なる傾斜角度θm1、θm2
を有する二つの砥粒研削面tm1、tm2を特定し、ま
たこれら最大値及び最低値の何れもが、前記平均値より
も小さいときは小さい傾斜角度θm2を有する砥粒研削
面tm2を特定させる。
【0066】またステップs110では、面取り砥石b
3aはステップs107で特定された砥粒研削面tm1
又はtm2或いは、tm1及びtm2で眼鏡レンズRe
mの外周端面m1の前隅角部d1を面取り加工するもの
となる。この際、単一の砥粒研削面tm1又はtm2が
特定された場合は、その砥粒研削面tm1又はtm2で
眼鏡レンズRemの外周端面m1の前隅角部d1を面取
り加工するものとなる。
【0067】そして二つの砥粒研削面tm1及びtm2
が特定された場合は、最大値に対応する光学中心線s1
回りの動径角θ1i=n1と、最小値に対応する光学中
心線s1回りの動径角θ1i=n2との中間の動径 ρ
i=3 を境にして、光学中心線s1回りの360度
範囲を180度づつに二分し、面取り砥石b3aはその
二分された一方の範囲で最大値を含む側については大き
い傾斜角θm1を有する砥粒研削面tm1で面取り加工
し、他方の範囲で最小値を含む側については小さい傾斜
角θm2を有する砥粒研削面tm2で面取り加工するも
のとなる。なお、上記した使用例は一例に過ぎないもの
で、上記以外にも種々に変形して差し支えないものであ
る。
【0068】〈上記実施例の変形例〉上記実施例では面
取り砥石b3aが二つの異なる傾斜角θm1、θm2の
砥粒研削面tm1、tm2を有するものとなしてある
が、これに代えて、3つ以上の異なる傾斜角の砥粒研削
面を有するものとなしてもよいし、或いは、単一の傾斜
角を有する面取り砥石b3aを3つ以上設けてそれぞれ
の面取り砥石b3aの砥粒研削面の傾斜角が相違した構
成となすことも差し支えない。
【0069】この際、1つの眼鏡レンズRemの外周端
面m1の前隅角部d1の面取り加工において、眼鏡レン
ズRemの外周囲の長さ方向を光学中心線回りの適当角
度毎の3つ以上に区分し、各区分における最適の1つの
砥粒研削面をCNC装置に特定させ、この特定された砥
粒研削面でその対応する区分の面取り加工を行わせるよ
うになすことも可能である。
【0070】また面取り砥石b3aを粗加工用のストレ
ート砥石b1や仕上げ加工用のストレート砥石b2を固
定した砥石回転軸41に固定することに代えて、特開2
000−187185号公報に示すように、前記砥石回
転軸41とは別に回転駆動可能で制御移動可能となされ
た付加砥石回転軸を設けて、この軸に固定させるように
なしてもよい。
【0071】また面取り砥石b3aの砥粒研削面の回転
半径面上の形状をr曲面となしてもよいのであり、また
複数の砥粒研削面を設ける場合は、それぞれの砥粒研削
面が異なる曲率でその傾斜角も異なるものとなすのがよ
い。なお、r曲面の砥粒研削面により眼鏡レンズRem
の外周端面m1の前隅角部d1の面取り加工を行ったと
きは、図10C及び図11Cに示すような面取り傾斜面
m03が形成される。
【0072】また眼鏡レンズRemの外周端面m1の後
隅角部d2の面取り加工において、前隅角部d1の場合
に準じて複数の異なる傾斜角度の砥粒研削面を有する面
取り砥石を用意し、適当に選択した特定傾斜角の砥粒研
削面で面取り加工するように実施することも可能であ
る。
【0073】さらには眼鏡レンズの着用者や加工販売者
は装飾的観点から特定面取り角度による面取り加工を希
望することがあるが、面取り加工に使用される特定傾斜
角度の砥粒研削面はこのような希望に基づいて選択され
るようになすことも差し支えない。
【0074】
【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効
果が得られるのである。即ち、請求項1記載の眼鏡レン
ズ研削機によれば、眼鏡レンズの外周端面の前隅角部又
は後隅角部の面取り加工において、面取り砥石における
傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面のうち眼鏡レ
ンズ形状に関連した最適なものが選択されるため、面取
り量の大きさを適当に確保した上で、眼鏡レンズ外周方
向の面取り巾の変化を従来よりも抑制して一様化させる
ことができるのであり、従って面取りされた後の眼鏡レ
ンズを眼鏡フレームに枠入れした後のその外観が向上す
るのであり、またヤゲン加工の終了までに眼鏡レンズの
外周端面の前隅角部又は後隅角部などには砥石粒との接
触による多数の小さな欠け傷が生じやすいのであるが、
このような欠け傷も面取り量が適当大きさに確保される
ため面取り加工に伴って綺麗に除去されるようになるの
である。
【0075】請求項2に記載した眼鏡レンズ研削機によ
れば、眼鏡レンズの面取り傾斜面の面取り角度をレンズ
の形状情報によらずに眼鏡レンズの着用者や加工販売者
などの意志決定に基づいて選択された特定傾斜角度の砥
粒研削面により、面取り加工を行わせることができるも
のである。
【0076】請求項3に記載したレンズ面取り研削方法
によれば、面取り砥石における傾斜角度の相違した2つ
以上の砥粒研削面のうちレンズのカーブ値との関連で最
適のものが選択されるようになり、これにより眼鏡レン
ズの外周端面の前隅角部又は後隅角部の面取り加工にお
いて、請求項1の発明の場合に準じた効果が得られるの
である。またカーブ値をヤゲン加工に使用することか
ら、CNC装置の演算処理を余り増大させることなく面
取り加工を行わせることができるのである。
【0077】請求項4に記載した方法によれば、眼鏡レ
ンズの外周端面の前隅角部又は後隅角部の面取り加工に
おいて面取り砥石における傾斜角度の相違した2つ以上
の砥粒研削面のうち眼鏡レンズ形状に関連した最適な1
つの砥粒研削面が選択されるため、請求項1の発明の場
合に準じた効果が得られるのであり、さらには、単一の
傾斜角度の砥粒研削面で面取りするとしたとき前隅角部
又は後隅角部の面取り部の最大面取り巾と最小面取り巾
とが看過できない程度に大きく相違することになる場合
には、面取り砥石における傾斜角度の異なる複数の砥粒
研削面を使用することにより効果的に対処することがで
きるようになるのである。
【0078】請求項5に記載した方法によれば、眼鏡レ
ンズの外周端面の前隅角部又は後隅角部の面取り加工に
おいて、眼鏡レンズのカーブ値と、このレンズの光学中
心線回りの半径長さとを考慮した最適の砥粒研削面で面
取りさせることができ、請求項4記載の発明による効果
を一層促進させることができる。
【0079】請求項6に記載した面取り砥石によれば、
異なる傾斜角度の面取り加工を効率よく行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る眼鏡レンズ研削機の一実施例を示
す正面図である。
【図2】前記研削機の側面図である。
【図3】前記研削機の砥石周辺を示す図である。
【図4】面取り加工される前の眼鏡レンズを示し、Aは
上半分を示す側面図で、BはAの一部を拡大した側面視
説明図である。
【図5】前記研削機の面取り砥石を示し、Aは眼鏡レン
ズの前面側の面取り砥石の一部側面図で、Bは眼鏡レン
ズの後面側の面取り砥石の一部側面図である。
【図6】前記研削機による眼鏡レンズの研削加工の流れ
図である。
【図7】眼鏡フレームの正面図である。
【図8】眼鏡フレームをフレーム測定機にセットした状
態を示し、Aはセット状態の正面図で、Bはセット状態
の側面図である。
【図9】フレーム測定機の測定データに基づく各種の処
理を説明するための説明図である。
【図10】カーブ値が8の眼鏡レンズの面取り加工を説
明するための図である。
【図11】カーブ値が5の眼鏡レンズの面取り加工を説
明するための図である。
【図12】カーブ値と面取り角度との関係を示す一覧表
である。
【図13】生地レンズにおける眼鏡レンズ外周端面箇所
のコバ厚測定を説明するための図である。
【図14】眼鏡レンズの前面の外周部の接線の傾斜角の
近似値から面取り角度の最適値を特定する際の処理を説
明するための図である。
【符号の説明】
8a レンズ回転軸 8b レンズ回転軸 41 砥石回転軸 Cv カーブ値 P 点 Q 傾斜角度 b3a 面取り砥石 d1 前隅角部 d2 後隅角部 e1 回転円盤体 m1 眼鏡レンズ外周端面 s5 特定方向の接線 tm1 砥粒研削面 tm2 砥粒研削面 Rem 眼鏡レンズ θm1 傾斜角度 θm2 傾斜角度
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月7日(2001.6.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る眼鏡レンズ研削機では、請求項1に記
載したように、砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
が機械的に制御される眼鏡レンズ研削機において、眼鏡
レンズ前面用と後面用などのために傾斜角度の相違した
2つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面
取り装置を有しており、前記2つ以上の砥粒研削面のう
ちの何れかの1つの砥粒研削面が眼鏡レンズの形状情報
に基づいて選択され、このように選択された砥粒研削面
が眼鏡レンズ外周端面の前隅角部又は後隅角部を面取り
研削するように作動する構成となす。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また請求項2に記載した発明では、砥石回
転軸とレンズ回転軸との相対位置が機械的に制御される
眼鏡レンズ研削機において、眼鏡レンズ前面用と後面用
などのために傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面
を具備した面取り砥石を持った面取り装置を有してお
り、前記2つ以上の砥粒研削面のうちの何れかの1つの
砥粒研削面がレンズ着用者などの意志決定に基づいて選
択され、このように選択された砥粒研削面がレンズ外周
端面の前隅角部又は後隅角部を研削するように作動する
構成となす。眼鏡レンズの面取り箇所の外観は装飾的に
重要であってレンズの形状情報のみから決定されるのが
適当でない場合があり、例えば眼鏡レンズの着用者とか
眼鏡レンズの加工販売者などは装飾的な観点から面取り
傾斜面の傾斜角を決定することがある。本発明によれ
ば、このような眼鏡レンズの着用者とか眼鏡レンズの加
工販売者などの意志決定に基づいて砥粒研削面が選択さ
れるものとなり、眼鏡レンズの前隅角部又は後隅角部は
この砥粒研削面に対応した傾斜角度で面取り加工され
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明に係る眼鏡レンズ研削機によるレン
ズ面取り研削方法では、請求項3に記載したように、砥
石回転軸とレンズ回転軸との相対位置がコンピュータ数
値制御装置により制御される眼鏡レンズ研削機によるレ
ンズ面取り研削加工において、眼鏡レンズ前面用と後面
用などのために傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削
面を具備した面取り砥石を持った面取り装置を有し、前
記2つ以上の砥粒研削面のうちの何れかの1つの砥粒研
削面を眼鏡レンズの形状情報に基づいて選択させ、この
選択された砥粒研削面で眼鏡レンズ外周端面の前隅角部
又は後隅角部を面取り研削させるように実施する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また請求項3の発明に代えて請求項4に記
載したようになしてもよいのであって、即ち、砥石回転
軸とレンズ回転軸との相対位置がコンピュータ数値制御
装置により制御される眼鏡レンズ研削機によるレンズ面
取り研削加工において、眼鏡レンズ前面用と後面用など
のためにに傾斜角度の相違した2つ以上の砥粒研削面を
具備した面取り砥石を持った面取り装置を有し、眼鏡レ
ンズの外周端面の前隅角部又は後隅角部をレンズ回転軸
回りの適当角度範囲毎の複数に区分し、各角度範囲の前
隅角部又は後隅角部を前記2つ以上の砥粒研削面のうち
の当該区分の眼鏡レンズ形状に関連した何れか1つの特
定の砥粒研削面wで面取り研削させるように実施する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    が機械的に制御される眼鏡レンズ研削機において、眼鏡
    レンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度の相違した
    2つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面
    取り装置を有しており、前記2つ以上の砥粒研削面のう
    ちの何れかの1つの砥粒研削面が眼鏡レンズの形状情報
    に基づいて選択され、このように選択された砥粒研削面
    がレンズ外周端面の前隅角部又は後隅角部を研削するよ
    うに作動することを特徴とする眼鏡レンズ研削機。
  2. 【請求項2】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    が機械的に制御される眼鏡レンズ研削機において、眼鏡
    レンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度の相違した
    2つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面
    取り装置を有しており、前記2つ以上の砥粒研削面のう
    ちの何れかの1つの砥粒研削面がレンズ着用者などの希
    望に基づいて選択され、このように選択された砥粒研削
    面がレンズ外周端面の前隅角部又は後隅角部を研削する
    ように作動することを特徴とする眼鏡レンズ研削機。
  3. 【請求項3】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    がコンピュータ数値制御装置により制御される眼鏡レン
    ズ研削機によるレンズ面取り研削加工において、眼鏡レ
    ンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度の相違した2
    つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面取
    り装置を有し、前記2つ以上の砥粒研削面のうちの何れ
    かの1つの砥粒研削面を眼鏡レンズの形状情報に基づい
    て選択させ、この選択された砥粒研削面で眼鏡レンズ外
    周端面の前隅角部又は後隅角部を面取り研削させるよう
    に実施することを特徴とする眼鏡レンズ研削機によるレ
    ンズ面取り研削方法。
  4. 【請求項4】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    がコンピュータ数値制御装置により制御される眼鏡レン
    ズ研削機によるレンズ面取り研削加工において、眼鏡レ
    ンズ前面用又は後面用どちらかに傾斜角度の相違した2
    つ以上の砥粒研削面を具備した面取り砥石を持った面取
    り装置を有し、眼鏡レンズの外周端面の前隅角部又は後
    隅角部をレンズ回転軸回りの適当角度範囲毎の複数に区
    分し、各角度範囲の前隅角部又は後隅角部を前記2つ以
    上の砥粒研削面のうちの当該区分の眼鏡レンズ形状に関
    連した何れか1つの特定の砥粒研削面wで面取り研削さ
    せるように実施することを特徴とする眼鏡レンズ研削機
    によるレンズ面取り研削方法。
  5. 【請求項5】 前記砥粒研削面が、眼鏡レンズ外周縁の
    前面上の外周長さ方向の適当間隔毎の点における特定方
    向の接線の傾斜角度から特定されることを特徴とする請
    求項4記載の眼鏡レンズ研削機によるレンズ面取り研削
    方法。
  6. 【請求項6】 回転円盤体の外周部の前面或いは後面
    に、面取り傾斜角度の異なる2つ以上の砥粒研削面、或
    いは、曲面からなる砥粒研削面を回転円盤体の回転中心
    と同心に設けたことを特徴とする眼鏡レンズ加工用面取
    り砥石。
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