JP2001212740A - 眼鏡レンズ加工方法と、その装置 - Google Patents

眼鏡レンズ加工方法と、その装置

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JP2001212740A
JP2001212740A JP2000025346A JP2000025346A JP2001212740A JP 2001212740 A JP2001212740 A JP 2001212740A JP 2000025346 A JP2000025346 A JP 2000025346A JP 2000025346 A JP2000025346 A JP 2000025346A JP 2001212740 A JP2001212740 A JP 2001212740A
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Japan
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lens
grindstone
rotating shaft
rotation axis
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JP2000025346A
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English (en)
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Masafumi Kishimoto
雅文 岸本
Seiji Kihara
誠二 木原
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GRAND SEIKO KK
Shigiya Machinery Works Ltd
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GRAND SEIKO KK
Shigiya Machinery Works Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストレート砥石b1やテーパ砥石b2を使用
して合理的に眼鏡レンズの周縁を加工する。 【解決手段】 砥石回転軸41とレンズ回転軸8a、8
bとの相対位置及び相対角度θrを機械的に変位させる
加工装置を形成し、砥石回転軸41にストレート砥石b
1及び又はテーパ砥石b2を固定し、一方、レンズ回転
軸8a、8bに生地レンズReを把持させて実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼鏡レンズの周縁加
工方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】砥石を回転させるための砥石回転軸と、
生地レンズを把持して送り回転させるためのレンズ回転
軸とを備えた眼鏡レンズの周縁加工装置は従来より存在
している。この加工装置では、砥石回転軸とレンズ回転
軸との相対位置は機械的に変更されるようになされてい
るが、これらの相対角度はゼロであるか、或いはゼロ以
外の特定角度に固定されている。
【0003】この加工装置で眼鏡レンズを加工する際、
上記相対角度がゼロであるときは砥石回転軸に粗加工用
のストレート砥石と仕上げ加工用のストレート砥石とを
固定して、先ず粗加工用のストレート砥石によりヤゲン
を加工する前段階の粗加工を行い、次に仕上げ加工用の
ストレート砥石によりヤゲンを加工するための仕上加工
を行うように実施し、一方、上記相対角度がゼロ以外の
特定角度であるときは、砥石回転軸に粗加工用のテーパ
砥石と仕上げ加工用のテーパ砥石とを固定して、先ず粗
加工用のテーパ砥石によりヤゲンを加工する前段階の粗
加工を行い、次に仕上げ加工用のテーパ砥石によりヤゲ
ンを加工するための仕上加工を行うように実施してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の加工装
置では、上記相対角度がゼロであるとき、Vヤゲン形成
時、眼鏡レンズが内側にカーブしている関係上、目的と
するレンズ形状が丸い場合以外は、レンズの内側のカー
ブと、砥石の溝方向は合致しようが無く、砥石とレンズ
の不必要な接触による干渉は避けられない。これを避け
るには、砥石径を小さくすることが有効であるが、砥石
周速度の減少、砥石寿命の減少は避けられない。
【0005】また、、上記相対角度がゼロ以外の特定角
度であるときは、テーパー形状の砥石を使用して、前記
砥石とレンズの不必要な接触による干渉を減少化できる
が、レンズ生地材質、目的面粗度等に合わせるべく、砥
石回転軸に装着する砥石の数を増やすと、レンズ回転軸
に砥石が接触するようになり、これを回避するには砥石
径を非応なく小さくなすことが必要であり、このような
事情により砥石径を小さくなすと、周速の低下による加
工速度の低下、及び、砥石寿命が短くなることが明らか
である。このことは、特願昭1833014(弊社出
願)の図を見れば明らかである。
【0006】本発明は、斯かる実状の下、ストレート砥
石とテーパ砥石とを単一の砥石回転軸に固定してこれら
砥石を面倒な操作を要することなく選択的に使用し砥石
とレンズの不必要な接触による干渉を減少し、且つ砥石
径が小さくなされて周速の低下による加工速度の低下、
及び砥石寿命が短くなる等の事態を回避することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る眼鏡レンズの周縁加工装置は、請求項
1に記載したように、砥石回転軸とレンズ回転軸との相
対位置及び相対角度を機械的に変位させるものであっ
て、砥石回転軸にはストレート砥石及び又はテーパ砥石
が同体状に固定される構成となす。
【0008】この加工装置で加工する際は、レンズ回転
軸に生地レンズを把持させてレンズ回転軸の回転を生地
レンズに伝達させる。この状態の下で、砥石回転軸と同
体状に回転されるストレート砥石やテーパ砥石を生地レ
ンズに当接させて眼鏡レンズの周縁加工を行う。
【0009】この加工に於いて、砥石回転軸とレンズ回
転軸との相対位置及び相対角度は必要に応じて機械的に
変化される。そして、このことが単一の砥石回転軸に固
定されたストレート砥石やテーパ砥石の使用による眼鏡
レンズの加工を可能となす。この際、テーパ砥石の周面
のテーパは特定のものに限定されない。また砥石回転軸
にストレート砥石及び又はテーパ砥石を固定して眼鏡レ
ンズを加工することは、簡易な構造の下で、眼鏡レンズ
加工に使用される砥石の種類を広汎となし且つ複数種類
の砥石群のそれぞれの砥石の特性を活かした加工を簡便
に行えるようになす。
【0010】上記発明は次のように具体的化するのがよ
いのであり、即ち、請求項4に記載したように、砥石回
転軸とレンズ回転軸との相対位置を機械的に変位させる
と共に砥石回転軸をレンズ回転軸に対し特定方向へ機械
的に傾斜させる構成となし、この際、砥石回転軸に粗加
工用のストレート砥石或いはテーパ砥石と、ヤゲン溝の
形成された仕上加工用のテーパ砥石とを同体状に固定さ
せる。
【0011】この加工装置で加工する際は、先ず生地レ
ンズ周縁にストレート砥石或いはテーパ砥石を当接させ
て粗加工を行い、この後、粗加工の終了したレンズ周縁
にテーパ砥石を当接させてヤゲンを形成するように実施
する。
【0012】これによれば、仕上加工中に於ける砥石回
転軸とレンズ回転軸との相対角度(例えば図16A中の
θt1)は、仕上加工用のテーパ砥石に代えてストレー
ト砥石を固定した場合のそれ(例えば図16B中のθt
2)に較べると、テーパ砥石の周面のテーパに関連した
ゼロ以外の比較的小さくなるように調整されるものとな
る。従って、仕上加工に際しての砥石回転軸の傾斜範囲
が小さくなり、砥石回転軸の無駄な動作が抑制される。
なお、テーパ砥石で加工されたヤゲンが仕上加工中にテ
ーパ砥石のヤゲン溝に倣う傾向は、上記相対角度がゼロ
以外に保持される以上、その程度に差異はあるものの、
依然として維持される。
【0013】請求項4記載の発明に於いて、粗加工用の
ストレート砥石を粗加工用のテーパ砥石に変更すること
もできる。これによれば、砥石回転軸に粗加工用のスト
レート砥石と仕上加工用テーパ砥石とを装着した場合に
較べて、眼鏡レンズの加工に於ける砥石回転軸とレンズ
回転軸との相対角度の変位範囲は小さくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る加工装置の一
実施例を示す正面図、図2は前記加工装置の側面図、図
3は前記加工装置の砥石周辺を示す図である。図1及び
図2に於いて、1はケーシングを兼用した箱形の本体フ
レームであり、このフレーム1の上部にはカバー2がヒ
ンジ3を介して開閉自在に装着されている。
【0015】4は本体フレーム1の上部に配置されたス
イング台であり、このスイング台4は後部左右端から後
方へ張り出されたアーム部材4a、4aを有し、このア
ーム部材4a、4a間に支持軸5を橋渡し状に固定され
たものとなされている。そして、支持軸5は本体フレー
ム1の一部1aに固定された左右向きの軸受体6に回転
自在且つ水平摺動自在に支持されている。
【0016】スイング台4の前部左右には張出し部4
b、4cが形成してあって、これらの間は凹み部7とな
されている。そして、右側の張出し部4bには左右向き
の右側レンズ回転軸8aが回転変位自在且つ左右移動自
在に貫装され且つ右端部をチャッキング作動機構9と結
合されており、また左側の張出し部4cには前記右側レ
ンズ回転軸8aと一線状をなすように配置された左右向
きの左側レンズ回転軸8bが回転変位自在に貫装されて
いる。
【0017】この際、チャッキング作動機構9は、スイ
ング台4の内方後部右側に固定されたパルスモータ10
の正逆回転作動によりシンクロベルト伝動部11及び左
右移動力発生部12を介して右側レンズ回転軸8aを左
側或いは右側へ変位させるものとなす。なお、13は右
側張出し部4bの側外面に固定されたカバー部材で、右
側レンズ回転軸8aが右移動されたときに、これの右端
部が外方へ露出しないように覆うものとなす。
【0018】またスイング台4の内方後部左側には左右
各側のレンズ回転軸8a、8bを回転駆動するためのパ
ルスモータ14が固定してあり、このモータ14の出力
軸14aはスイング台4内方の中央部に設けられた横長
の軸受部15に回転自在に支持された中間軸16の左端
部と、歯車伝動機構17を介して結合させてある。そし
て、中間軸16の右端部は右側レンズ回転軸8aにシン
クロベルト伝動部17aを介して結合させ、また中間軸
16の左端部は左側レンズ回転軸8bにシンクロベルト
伝動部17bを介して結合させてある。
【0019】18はスイング台4の左側に形成した横送
り手段で、本体フレーム1に固定されたパルスモータ1
9、このパルスモータ19により回転駆動される横スラ
イド軸をなすネジ軸20、このネジ軸20に螺合された
ナット体21、及び、一端がナット体21に固定され他
端が支持軸5の左端部に回転のみ自在に結合された連結
部材22からなっている。
【0020】23はスイング台4の右側下方に形成した
レンズ径送り手段で、次のようになしてある。即ち、一
端が支持軸5の右端部に回転のみ自在に結合された径送
りアーム24を備えており、このアーム24の他端は案
内手段25を介して一定高さに保持され左右方向への移
動自在に支持されている。ここに、案内手段25は水平
状の板フレーム部材1b上面に起立状に固定された縦向
き支持部材26と、この支持部材26の段付上端面に固
定された丸棒状の案内軌道27と、この案内軌道27に
より左右走行移動自在に案内される輪体28と、径送り
アーム24の前記他端から突出され輪体28を回転自在
に支持する軸部材29とからなる。なお30は径送りア
ーム24が左右走行移動して一定位置に達したことを検
出するためのスイッチである。
【0021】径送りアーム24にはパルスモータ31が
縦向きに固定されると共にこのモータ31により回転駆
動されるレンズ径送り軸であるねじ軸32が下向きに延
出されている。一方では径送りアーム24に固定された
図示しない案内部材により上下方向の変位自在に案内さ
れる縦向き径送り棒33が設けてあり、この径送り棒3
3の下端と、前記ネジ軸32に螺合されたナット体34
とは連結板35で結合されている。
【0022】縦向き径送り棒33の上端には当接部材3
6が固着してあり、この当接部材36はスイング台4の
右張出し部4bから横方へ突出させた突起軸に回動自在
に装着された輪体37を支持するものとなされている。
【0023】このような構成としたレンズ径送り手段2
3は、パルスモータ31の正逆回転作動によりネジ軸3
2が回転されると、これに連動してナット体34及び縦
向き径送り棒33が上下変位され、この径送り棒33の
上下変位が当接部材36及び輪体37を介してスイング
台4及びレンズ回転軸8a、8bを支持軸5回りへ上下
変位させるように作動する。
【0024】38はレンズ径送り手段23の下方に形成
した砥石装置であって、四角筒形となされた砥石支持台
39、砥石40を右端に固定された左右向きの砥石回転
軸41、及び、砥石40を回転させるための駆動手段4
2を備えている。
【0025】この際、砥石支持台39は、前後側面壁部
a1、a2の外方面に一対の支点軸43、43を突設さ
れると共にこれら支点軸43、43と、各支点軸43を
回動自在に支持する軸受部材44を介して、本体フレー
ム1の一部をなす左右向きの板フレーム部材1cに支点
軸43、43回りの揺動自在に支持させ、且つ、前上部
に砥石回転軸41を回転自在に保持するための軸受部4
5を形成したものとなす。そして、砥石40は図3に示
すように、粗加工用の2つのストレート砥石b1と、周
面にV字形溝(ヤゲン溝)gの形成された仕上加工用の
二つのテーパ砥石b2とからなり、これら砥石40は砥
石回転軸41に同芯となされて配置され、且つ砥石回転
軸41に外嵌される左右の挟持端面板41a、41b
と、砥石回転軸41の端面にねじ込まれるボルト41c
を介して脱着自在に固定されている。
【0026】また駆動手段42は、砥石支持台39の底
面壁部cの上面に砥石回転用モータ46を固定し、この
モータ46の出力軸に固定されたプーリ47と砥石回転
軸41の左端に固定されたプーリ48との間に伝動ベル
ト49を掛け回すと共に、この伝動ベルト49を緊張さ
せるためのテンションプーリ50を砥石支持台39に装
設したものとなす。
【0027】51は上記砥石装置38の下方に形成した
砥石揺動送り手段であり、次のようなものとなしてあ
る。即ち、水平状の板フレーム部材1dの上面にモータ
支持片52と軸支持片53とを起立させる。そして、モ
ータ支持片52にステップモータ54を固定させると共
に、このモータ54の出力軸に連結された砥石揺動送り
軸をなすネジ軸55をモータ54から右向きへ延出さ
せ、その右端を軸支持片53に回転自在に支持させる。
このネジ軸55にはナット体56を螺合させると共に、
砥石支持台39の底面壁部cの下面に逆U字形となされ
たフォーク部材57を固定し、ナット体56の外周面の
各側部に設けた係合突起dをフォーク部材57の各側部
のフォーク溝e内に嵌合させる。
【0028】この砥石揺動送り手段51は、ステップモ
ータ54の正逆回転作動によりネジ軸55が回転されて
ナット体56及びフォーク部材57を左右移動させ、こ
の左右移動に連動して砥石支持台39及びこれと一体状
の砥石回転軸41及び砥石40を支点軸43、43回り
に揺動させるように作動する。
【0029】58は砥石装置38の右側に形成した面取
り手段で、面取り砥石装置59と、この装置59を前後
移動させるための砥石前後送り手段60とを備えてい
る。この際、面取り砥石装置59は、装置フレーム61
の後部に縦向き砥石回転軸62を一定高さ位置での回転
自在に装着すると共にこの回転軸62の上端に円錐形の
面取り砥石63を、そして下端にプーリ64を固定し、
また装置フレーム61の前部に砥石駆動用モータ65を
縦向きに固定してこのモータ65の出力軸にプーリ66
を固定し、このプーリ66と前記プーリ64とに伝動ベ
ルト67を掛け回した構成となす。
【0030】砥石前後送り手段60は、本体フレーム1
と同体状に支持部材68を設け、この支持部材68に面
取り砥石装置59の装置フレーム61を案内軌道部kを
介して前後移動自在に案内させ、一方では支持部材68
にステップモータ69を固定させ、このモータ69の正
逆回転作動により装置フレーム61及び面取り砥石63
を前後送り移動させる構成となす。
【0031】以上が本発明に係る加工装置の主要部の構
成であるが、この他にも各部を制御するためのコンピュ
ータ数値制御装置(CNC装置)及び制御に必要なセン
サやスイッチ等を設けるほか、眼鏡レンズフレームの三
次元形状についてのデータを得るためのフレーム測定装
置や、生地レンズのヤゲン予定位置のレンズ光学中心方
向位置及びコバ厚についてのデータを得るためのレンズ
測定装置を設ける。
【0032】次に上記した本発明の加工装置により眼鏡
レンズを加工する際の使用例と処理内容等を、図4及び
図5に示す処理流れ図並びに図6から図14をも参照し
つつ各ステップ毎に説明する。
【0033】ステップ100:図6及び図7を参照して
説明する。ここに図6は眼鏡フレームの正面図、図7は
眼鏡フレームの測定内容等を示し、Aは測定状態の平面
図、Bは測定状態の側面図である。レンズを枠入れされ
るものとなる図6に示す眼鏡フレームMを、図示しない
フレーム測定装置(例えば特開平1−92055号に示
すようなもの)に図7に示す姿勢としてセットし、先ず
右方の眼鏡レンズフレームRfr1のフレームヤゲン溝
m1底部の軌跡について三次元形状を測定する。
【0034】具体的には、任意中心線C0回りの一定角
度毎の測定点P =1、2、3、・・・・・、
n)の動径についての動径角θ0 と、動径長ρ0
(任意中心線COに直交した方向の長さ)と、任意中心
線C0と直交した図7Aに示す任意の測定基準面SK0
から測定点P までの距離h0 を測定し、このデー
タを原測定データ(θ0 、ρ0 、h0 )(
=1、2、3、・・・・・、n)として記憶する。な
お、各図中、CO1は任意中心線C0の通過する点であ
る。
【0035】ステップ101:CNC装置が上記原測定
データ(θ0 、ρ0 、h0 )( =1、2、
3、・・・・・、n)に基づいて眼鏡レンズフレームR
fr1の傾斜角度α、βを計算する。これは傾斜角度
α、βが存在しないとした場合の測定基準面SK0から
測定点P までの距離h0 ′を近似的に求めるため
であり、さらに別言すれば、測定基準面SK0から測定
点P までのレンズ光学中心線S2に沿った方向の距
離h0 ′を近似的に求めるためである。、具体的に
は次のように行う。図8は直交座標上でのデータ処理説
明図である。この図に示すように、原測定データ(θ0
、ρ0 、h0 )( =1、2、3、・・・・
・、n)を各測定点P 毎にXYZ座標上のデータ
(X 、Y 、Z )( =1、2、3、・・・・
・、n)に変換し、また眼鏡レンズフレームRfr1の
幾何学中心(ボクシング中心)BCの位置もXYZ座標
値(BX1、BY1、BZ1)に変換する。この際、仮
想線Kaは眼鏡レンズフレームRfr1の形状をXY面
上に投影したものである。
【0036】このデータの任意な4つの測定点(これら
測定点は成る可く互いに離れたものを選択するのがよ
い)、即ち例えばPi=70、Pi=140、P
i=210、Pi=280 を通る球面K1を特開平8
−174397号に示された手法に準じて算出し、その
対応する球体の中心点KCの座標(KX2、KY2、K
Z2)と半径KRを特定する。この際、図8等に示すよ
うに眼鏡レンズフレームRfr1の左右方向(図6中の
X方向)をX軸に沿わせ、また上下方向(図6中の上下
方向Y)をY軸に沿わせる。これにより、球面K1は眼
鏡レンズレームRfr1のヤゲン溝m1に概ね倣ったも
のとなる。
【0037】次にXYZ座標上で、眼鏡レンズフレーム
Rfr1のボクシング中心BCと球面K1の中心点KC
とを結ぶ直線S1を特定する。この直線S1とZ軸との
交差角でXZ面に投影した角度が眼鏡レンズフレームR
rf1の左右方向Xの傾斜角αとなり、また直線S1と
Z軸との交差角でYZ面に投影した角度が眼鏡レンズフ
レームRfr1の上下方向Yの傾斜角βとなる。
【0038】ステップ102:原測定データ(θ0
、ρ0 、h0 )( =1、2、3、・・・・
・、n)の距離h0 を眼鏡レンズフレームRfr1
の傾斜角α、βで補正する。上記傾斜角α、βは実際上
比較的小さいものであるから、前記測定基準面SK0か
らの補正後の距離h0 ′は次のように算出される。
【0039】即ち、 h0 ′=h0 −(h0 ′α + h0
β) ここに、h0 ′αは傾斜角αのみに起因した距離h
′の補正分であり、h0 ′βは傾斜角βのみに
起因した距離h0 ′の補正分である。
【0040】図9は補正分h0 ′α、h0 ′βの
説明図であり、同図Aは図6の眼鏡レンズフレームRf
r1が傾斜角αだけ傾き、傾斜角βはゼロであるとした
場合にXZ面で縦断した状態を示し、同図Bは図6の眼
鏡レンズフレームRfr1が傾斜角βだけ傾き、傾斜角
αはゼロであるとした場合にYZ面で縦断した状態を示
している。この図から判断されるように、 h0 ′α=ρ0 ×SIN (θ0 )×TAN α h0 ′β=ρ0 ×COS (θ0 )×TAN β となる。
【0041】従って、傾斜角α、βを考慮すると、 h0 ′=h0 −ρ0 ×SIN (θ0 )×TAN
α−ρ0 ×COS (θ0 )×TAN β となる。ここに =1、2、3、・・・・・、n
であり、また計測開始位置の動径長ρ0i=1 は図
6に示してあり、これに対応する動径角はゼロであり、
また動径角θ0 は図6に示す矢印方向へ向かう角度
を正とする。こうして、距離h0 を補正した後の測
定データ(θ0 、ρ0 、h0 ′)( =1、
2、3、・・・・・、n)が得られるのである。
【0042】ステップ103:図1及び図2に示すよう
に、円形の生地レンズReを左右の各レンズ回転軸8
a、8bの内方端に把持させる。この際、生地レンズR
eの光学中心線s2(図7及び図8参照)をレンズ回転
軸8a、8bの回転中心に合致させる。
【0043】具体的には、所要のスイッチ操作をしてモ
ータ10を回転作動させ、右側のレンズ回転軸8aを左
側のレンズ回転軸8bに対し左方へ移動させ、この状態
の下で、公知の処理により生地レンズReの光学中心線
s2上に吸着させた既存のレンズ吸着軸具をレンズ回転
軸8aに嵌着する。この後、モータ10を前とは逆向き
へ回転作動させてレンズ回転軸8aを左方へ移動させ、
生地レンズReの前後面を左右のレンズ回転軸8a、8
bに強固に挟圧させる。
【0044】ステップ104:ヤゲンの位置や角度を決
定づけるものとなる加工モードをCNC装置のスイッチ
操作により選択する。ここではマニュアル加工モードを
選択し、さらにフレーム倣いモードで行うものとする。
ここに、フレーム倣いモードとは眼鏡レンズフレームR
fr1の形状を加工の基礎とする処理形式である。
【0045】ステップ105:図示しないCNC装置の
入力キーの操作により、処方情報を入力する。この処方
情報とは眼鏡レンズフレームRfr1のどの位置に光学
中心C1を位置させるかについての情報である。
【0046】図6を参照して説明すると、眼鏡レンズフ
レームRfr1のボクシング中心BCに対し上下方向Y
へ変位させる距離d1を入力すると共に、眼鏡を着用す
る者の瞳孔中心間距離PDを入力する。CNC装置は入
力された瞳孔中心間距離PD及び眼鏡フレームのボクシ
ング中心BC、BC間距離からボクシング中心BCに対
し左右方向へ変位させる距離d2を算出する。こうして
特定される点C1が眼鏡レンズの光学中心点をなす。
【0047】ステップ106:先のステップ102で得
られた補正後の測定データ(θ0 、ρ0 、h0
′)( =1、2、3、・・・・・、n)を、先のス
テップ105で得られた光学中心点C1についての情報
(距離d1、距離d2)や、前記傾斜角α及び傾斜角β
に基づいて、左右方向へ距離d1そして上下方向へ距離
d2だけ座標変換する等により、光学中心線S2回りの
一定角度毎の測定点P =1、2、3、・・・・
・、n)の動径についての動径角θ1 と、動径長ρ
とを特定し、これらデータを眼鏡フレーム形状デ
ータ(θ1 、ρ1 、h0′)( =1、2、
3、・・・・・、n)としてCNC装置のメモリに記憶
させる。
【0048】ステップ107:CNC装置のスイッチ操
作により加工を開始させる。
【0049】ステップ108:CNC装置が被加工生地
レンズReについての生地切れチェックを行う。即ち、
公知の測定手段により被加工生地レンズReのフレーム
形状に沿ってコバ厚を測定する際、測定子が生地レンズ
Reの外周縁より外れて、測定データに特定値以上の変
化が生じた場合に生地切れが生じるとする。
【0050】生地切れが生じないときは、ステップ10
9へ進む。一方、生地切れが生じるときは、許容できる
範囲で入力処方値を打ち直すか、被加工生地レンズRe
をより大径のものに取り替えるようにしなければならな
い。このため、CNC装置による自動的な処理は中止さ
れるのであり、前者の場合は先のステップ105に戻
り、また後者の場合は先のステップ103に戻る。
【0051】ステップ109:図示しない公知のレンズ
測定装置(例えば特開平9−117849号等)により
レンズ回転軸8a、8bに把持された被加工生地レンズ
Reのコバ厚w 等を測定する。具体的には次のよう
に行う。図10は被加工生地レンズReの測定状態を示
し、Aは正面視説明図で、Bは側面視説明図である。こ
の図に示すように、眼鏡フレーム形状データ(θ1
、ρ1 、h0 ′)( =1、2、3、・・・
・・、n)に基づいて、被加工生地レンズReの光学中
心線S2回りの動径角θ1 及び動径長ρ1 により
特定される各測定点(ヤゲン頂部位置)P
1、2、3、・・・・・、n)についての、被加工生地
レンズReの光学中心線S2と直交した任意の測定基準
面SK1から被加工生地レンズRe前面RS1上の測定
点までの距離h1 と、コバ厚w とを測定し、これ
らデータを加工前眼鏡レンズ測定データ(θ1 、ρ
、h1 、w )( =1、2、3、・・・・
・、n)としてCNC装置のメモリに記憶させる。
【0052】ステップ110:ここでは、ステップ10
4で選択した加工モードに基づき、次に移行すべきステ
ップを特定するのであって、この例では図5に示すモー
ドのステップ111へ移行することが決定される。
【0053】ステップ111:加工前眼鏡レンズ測定デ
ータ(θ1 、ρ1 、h1 、w )(
1、2、3、・・・・・、n)のコバ厚w のうち最
大コバ厚w を選出し、図10Bに示すように、この
最大コバ厚w の数値に関連したヤゲン位置の設置値
「1:Y2」を特定する。この設定位置「Y1:Y2」
は最大コバ厚wに関連して、予め複数種類のものが定
められているので、この中から選択する。
【0054】上記設定値「Y1:Y2」は各測定点P
でのコバ厚w 上の厚み方向に於けるヤゲン頂部の位
置を、被加工生地レンズReの前面RS1からの距離Y
K1と、その後面RS2からの距離YK2との比で表示
したものであり、具体的には例えば「3:7」のように
表示される
【0055】ステップ112:先のステップ111で特
定されたヤゲン位置の設定値「Y1:Y2」を使用し
て、各測定点P についてコバ厚w 上に於ける被加
工生地レンズReの前面RS1から仮のヤゲンの予定位
置までの具体的な距離YK1 を次式から算出する。 YK1 =w ×(Y1/(Y1+Y2)) ( =1、2、3、・・・・・、n)
【0056】そして、この距離YK1 と、加工前眼
鏡レンズ測定データ(θ1 、ρ1 、h1 、w
)( =1、2、3、・・・・・、n)のh1
から、各測定点P について基準面SK1から仮のヤ
ゲンの位置までの距離YK3を算出する。即ち、 YK3 =YK1 +h1 =1、2、3、・・・・・、n) この算出データを、仮のヤゲン位置データ(θ1
ρ1 、YK3 )( =1、2、3、・・・・
・、n)として記憶する。
【0057】ステップ113:図11はヤゲンの最終的
な位置を確定するための説明図である。この図に示すよ
うに、ここでは眼鏡フレーム形状データ(θ1 、ρ
、h0 ′)( =1、2、3、・・・・・、
n)の距離h0 ′の基準面SK0と距離YK3
基準面SK1との差値Dを特定の一定値とし、(YK3
+D)とh0 ′との差値Dを各測定点につ
いて算出し、これらの差値Dの平均値Dmを算出す
る。この平均値Dmは全ての差値D を加算してnで
除したもの(単純平均)とするか、或いはこれをさらに
眼鏡フレーム形状データ(θ1、ρ1 、h0
′)( =1、2、3、・・・・・、n)等に基づ
いて適宜に補正したもの等となす。
【0058】そして、各測定点P について、基準面
SK1からヤゲンの位置までの距離YK4 を次式で
算出する。 YK4 =YK3−Dm ( =1、2、3、・・・・・、n)
【0059】この算出データを眼鏡フレーム形状データ
(θ1 、ρ1 、h0 ′)( =1、2、3、
・・・・・、n)と関連させたもの、即ち(θ1
ρ1 、YK4 )( =1、2、3、・・・・
・、n)を、最終的なヤゲン位置データとする。このヤ
ゲン位置データは、眼鏡レンズフレームRfr1のヤゲ
ン溝m1に合致したものであって仮のヤゲン位置データ
(θ1 、ρ1 、YK3 )(=1、2、3、
・・・・・、n)に出来るだけ近似させたものとなる。
【0060】ステップ114:最終的なヤゲン位置デー
タ(θ1 、ρ1 、YK4 )( =1、2、
3、・・・・・、n)の距離YK4 が、加工前眼鏡
レンズ測定データ(θ1 、ρ1 、h1 、w
)( =1、2、3、・・・・・、n)の距離h1
及びコバ厚w から自動的に定められる許容範囲内
にあるか否かを判別する。それが許容範囲内にあるとき
はステップ115に進み、許容範囲内にないときは先の
ステップ104に戻り、他の加工モード等を選択して、
別のモードによるヤゲンの加工を行うか、或いはステッ
プ111に戻って、先の設定値「Y1:Y2」を変更
し、この設定値に基づいてこれまでの処理を再度行うよ
うにする。
【0061】ステップ115:ここでは眼鏡レンズフレ
ームRfr1のヤゲン溝(最深部)m1に近似的に倣う
ものとなるフレーム倣い球面(先のステップ101で求
められている)K1に基づいて、この球面K1上の眼鏡
レンズ周縁(測定点P の軌跡形状)の各測定点P
に対応した点でその球面K1に接する動径方向の接線の
角度を算出する。
【0062】具体的には、図8に示すXYZ座標上で各
測定点P に対応する球面K1上の点でこの球面K1
と接し、測定点P に対応した動径と光学中心線S2
とを含む面上に存在した接線S3を特定し、この接線S
3と、測定点P に対応した動径と光学中心線S2と
を含む面上に存在し光学中心線S2と直交した直線S4
との交差角Q を算出する。この算出データをヤゲン
位置データ(θ1 、ρ1 、YK4 )(
1、2、3、・・・・・、n)と関連させたもの、即ち
(θ1 、ρ1 、YK4 、Q )( =1、
2、3、・・・・・、n)を最終的な加工データとし、
メモリに記憶する。
【0063】ステップ116:最終的な加工データ(θ
、ρ1 、YK4 、Q )( =1、2、
3、・・・・・、n)が記憶されると、パルスモータ1
9及び横スライド軸20の作動並びにレンズ径送り軸3
2の作動によりスイング台4が横スライドした後に降下
し、被加工生地レンズReは粗加工用の2つのストレー
ト砥石b1の何れかへ向けて移動する。そして最終的な
加工データに基づいてレンズ回転軸8a、8b、レンズ
径送り軸32が作動し、被加工生地レンズReの粗加工
が行われる。
【0064】この粗加工中には砥石回転軸41はレンズ
回転軸8a、8bと同じ向きに保持されるのであり、ま
た被加工生地レンズReはヤゲンが加工される直前の形
状である眼鏡レンズフレームRfr1形状に加工され
る。従って、粗加工後の未仕上げ眼鏡レンズReの周縁
は光学中心線S2に沿ったものとなる。
【0065】ステップ117:粗加工の終了後、スイン
グ台4が上昇する。次にステップモータ19及び横スラ
イド軸20の作動によりスイング台4が横スライドし、
粗加工された生地レンズReは仕上加工用の2つのテー
パ砥石b2の何れかに移動し、再度下降する。そして最
終的な加工データに基づいてレンズ回転軸8a、8b、
横スライド軸20、レンズ径送り軸32及び砥石揺動送
り軸55が作動し、これらの作動によりレンズ回転軸8
a、8bと砥石回転軸41とはゼロ以外の特定の相対角
度となって生地レンズReとテーパ砥石b2とを図3に
示すように当接させ、未仕上げ眼鏡レンズReの周縁の
光学中心線s2回りの各点のヤゲンnは交叉角Q
報に基づいて種々の向きに傾斜されつつ連続的に加工さ
れる。このときの各部の作動の様子は図12に準じた状
態で行われるのであり、図13はこうして加工された眼
鏡レンズを示している。
【0066】この際、粗加工眼鏡レンズReは、図8に
示す各測定点P の最初の動径角θ1i=1 (ゼ
ロ)及び動径長ρ1i=1 の位置から加工を開始さ
れ、各測定点P では横スライド軸20が最終的な加
工データの距離YK4 によりその位置を制御され、
またレンズ回転軸8a、8bに対する砥石揺動送り軸5
5の角度はテーパ砥石b2のテーパと交差角Q とか
ら算出される特定角度となるように制御される。なお、
仕上加工にヤゲン溝gの形成されたストレート砥石b1
を使用するときはレンズ回転軸8a、8bに対する砥石
揺動送り軸55の角度は交叉角Q に一致する。
【0067】従って、仕上げ加工された眼鏡レンズは、
全周囲のヤゲンn頂部がこれの嵌合される眼鏡レンズフ
レームRfr1のヤゲン溝m1に倣うように、しかも眼
鏡レンズ周縁のコバ厚w に適合するように位置され
たものとなされており、また周縁任意位置のヤゲンnの
突出方向f1は、眼鏡レンズフレームRfr1のヤゲン
溝m1に倣うように近似されたフレーム倣い球面K1上
の前記任意位置にて、この任意位置に対応したレンズ光
学中心点C1回りの径方向で接するものとなる接線S3
の向きに合致されたものとなる。
【0068】ステップ118:仕上げ加工が終了した
後、スイング台4は横スライドされて面取り加工位置に
移動すると共に、面取り砥石装置59がステップモータ
65の作動により奥側へ移動する。次に図14に示すよ
うに、加工前レンズ測定データ(θ1 、ρ1 、h
、w )( =1、2、3、・・・・・、n)
に基づいてレンズ回転軸8a、8b、横スライド軸2
0、レンズ径送り軸32が制御され、面取り砥石63は
眼鏡レンズの前面RS1周縁と後面RS2周縁とを別々
に面取りするものとなる。ここに、図14は面取り砥石
装置59及び仕上げ加工生地レンズReとの関係を示す
側面図である。
【0069】ステップ119:面取りが終了した後、ス
イング台4は上昇し、装置は初期状態に復帰し、次の加
工に備えて待機する。
【0070】次に砥石回転軸41、砥石40、レンズ回
転軸8a、8b及び被加工レンズReの相対関係につい
てさらに詳細に説明する。図15は仕上加工中に於ける
テーパ砥石b2のヤゲン溝gと眼鏡レンズReのヤゲン
nとをレンズ回転軸8a、8bに直交した真上方向から
見た図であり、図16は仕上加工の様子を示し、Aはテ
ーパ砥石b2を使用した場合の側面図で、Bはストレー
ト砥石b1を使用した場合の側面図である。
【0071】上記使用例での仕上加工中には、図3に示
すように、砥石回転軸41がレンズ回転軸8a、8bに
対しゼロ以外の相対角度θrとなるように制御される
が、このようになすと、図15に示すように、テーパ砥
石b2のヤゲン溝gが被加工レンズReに形成されるヤ
ゲンnの曲がりに倣う傾向となり、これによりヤゲン溝
gとヤゲンnとの不必要な接触が軽減される傾向とな
り、最終的に形成されたヤゲンnの断面形状は砥石回転
軸41とレンズ回転軸8a、8bとの相対角度θrがゼ
ロの場合に較べてヤゲン溝gの断面形状に一層正確に合
致するものとなる。
【0072】また仕上加工に於いて、上記使用例のよう
にテーパ砥石41を使用した場合と、テーパ砥石41に
代えて、ヤゲン溝gの形成されたストレート砥石b1を
使用した場合とを比較してみる。図16はこの比較を容
易にするため砥石回転軸41を大きく傾斜させ且つ、レ
ンズ回転軸8a、8bに対するヤゲンnの底面nsの傾
斜角θsを特定大きさになした状態としている。テーパ
砥石b2を使用した場合は、この図のAに示すように、
砥石回転軸41とレンズ回転軸8a、8bとの相対角度
がθt1となるが、ストレート砥石b1を使用した場合
は、この図のBに示すように砥石回転軸41とレンズ回
転軸8a、8bとの相対角度がθt2(これはθsに等
しい)となり、相対角度θt1はテーパ砥石b2の周面
のテーパに起因して相対角度θt2よりも小さくなる。
従って、仕上加工に於いてテーパ砥石b2を使用するこ
とは眼鏡レンズReの周縁加工に於ける砥石回転軸41
の傾斜角度範囲を小さくなし、迅速な加工と、空間の有
効利用に寄与するものとなる。
【0073】上記使用例では、仕上加工中に砥石回転軸
41を他の3軸、即ちレンズ回転軸8a、8b、レンズ
径送り軸32及び左右方向のネジ軸20と同時に且つ自
動的に傾斜変位させるようにしたが、これに限定するも
のではなく、例えば粗加工が終了して仕上加工に入る前
に、砥石回転軸41を一定傾斜角度となるように変位さ
せ、仕上加工中には砥石回転軸8a、8bをこの変位後
の傾斜角度に固定させるようになしても差し支えないの
である。
【0074】次に上記実施例の変形例について説明す
る。上記したところでは、砥石回転軸41とレンズ回転
軸8a、8bとの相対角度θrを、砥石回転軸41の傾
斜変位により変更可能となしたが、これに代えて、それ
らの相対角度θrをレンズ回転軸8a、8bのみを変位
可能となして変更可能となしてもよいし或いは、それら
の相対角度θrを砥石回転軸41とレンズ回転軸8a、
8bとの双方を変位可能となして変更可能となしてもよ
い。
【0075】また砥石回転軸41に粗加工用のストレー
ト砥石b1と仕上加工用のテーパ砥石b2とを固定した
が、これに限定するものではない。例えば、砥石回転軸
41に粗加工用のテーパ砥石b2と仕上加工用のストレ
ート砥石b1とを固定してもよいのであり、また砥石回
転軸41に粗加工用のストレート砥石b1と仕上加工用
のストレート砥石b1とを固定してもよい。これらの場
合は、最終加工情報の交叉角Q をそのまま砥石回転
軸41の傾斜角として使用することができる。また砥石
回転軸41に粗加工用のテーパ砥石b2と仕上加工用の
テーパ砥石b2とを固定しても差し支えないのであり、
さらにはストレート砥石b1やテーパ砥石b2の数も任
意に決定して差し支えないのである。
【0076】さらには、最終的な加工情報(θ1
ρ1 、YK4 、Q )(=1、2、3、・・
・・・、n)を変更することにより種々の態様の加工が
可能となるものである。なお、図7中のs6はZ軸に平
行な直線を示し、図9中のS5は直線s1と平行な直線
を示しており、また図15中のc2は砥石40のヤゲン
溝s6の回転中心を示している。
【0077】
【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効
果が得られるのである。即ち、単一の砥石回転軸に固定
されたストレート砥石やテーパ砥石を使用して眼鏡レン
ズの周縁のヤゲンを種々異なる方向へ向かうように加工
することができるのであり、また任意な径のストレート
砥石とか、周面のテーパが異なる種々のテーパ砥石を有
効且つ簡便に使用でき、これにより複数種類の砥石のそ
れぞれの特性を活かした加工が簡易に行えるようにな
る。
【0078】また砥石回転軸とレンズ回転軸との相対角
度をゼロ以外の適当角度に制御することにより、ストレ
ート砥石であるとテーパ砥石であるとに拘わらず、仕上
加工中に於ける砥石のヤゲン溝と、この溝により加工さ
れたレンズと砥石との不必要な接触による干渉が効果的
に回避されるようになって、精度のよい断面形状のヤゲ
ンを加工することができる。
【0079】また砥石回転軸とレンズ回転軸との相対角
度を大小に変化させることで、砥石のヤゲン溝を種々の
形状の被加工レンズのヤゲンの曲がりに沿わせ、仕上加
工中に於ける砥石のヤゲン溝と、この溝により加工され
たレンズのヤゲンとの不必要な接触を防止することがで
きる。
【0080】また周面のテーパが異なるテーパ砥石を砥
石回転軸に複数個固定させ、何れかのテーパ砥石を選択
使用することにより、砥石交換を要することなく、砥石
のヤゲン溝を被加工レンズのヤゲンの種々の曲がりに沿
わせることができる。この際、ヤゲンの突出方向やヤゲ
ンの底面傾斜を変化させないように行うことが可能であ
る。
【0081】さらには砥石回転軸が傾斜変位することで
砥石相互の形態上の制約関係が少なくなるため、レンズ
回転軸と砥石との接触が生じ難くなり、また砥石回転軸
に固定される複数の砥石のそれぞれの径を最適となし
て、それぞれの砥石の長寿命化を図ることができる。
【0082】請求項3又は請求項4によれば、砥石回転
軸を傾斜させて砥石回転軸とレンズ回転軸との相対角度
を変化させるので、レンズ回転軸を傾斜させてこの相対
角度を変化させるものに較べてレンズ回転軸回りの構造
が簡易化するのであり、また例えば仕上加工用のテーパ
砥石に代えて仕上加工用のストレート砥石を固定した場
合に較べると、仕上加工中に於ける砥石回転軸の傾斜範
囲を小さくでき、これにより砥石回転軸の無駄な動作を
減少させることができて、迅速な加工を行うことができ
ると共に砥石回転軸周りの空間の有効利用を図ることが
できる。
【0083】砥石回転軸とレンズ回転軸の相対角度をゼ
ロ以外の特定角度に固定した場合に比べ、各砥石の径を
ほぼ合致させることができ、各砥石の周速がほぼ同一と
なり、効率的な切削を行うことができると共に仕上加工
用のテーパ砥石の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工装置の一実施例を示す正面図
である。
【図2】前記加工装置の側面図である。
【図3】前記加工装置の砥石周辺を示す図である。
【図4】前記加工装置による加工の際の処理流れ図であ
る。
【図5】前記加工装置による加工の際の処理流れ図であ
る。
【図6】眼鏡フレームの正面図である。
【図7】眼鏡フレームの測定処理内容等を示し、Aは測
定状態の平面図、Bは測定状態の側面図である。
【図8】直交座標上でのデータ処理の説明図である。
【図9】データ補正の説明図である。
【図10】被加工生地レンズの測定状態を示し、Aは正
面視説明図で、Bは側面視説明図である。
【図11】フレーム倣い加工に於いてヤゲンの位置を確
定するための説明図である。
【図12】本発明装置でヤゲンを加工している様子を示
す図である。
【図13】本発明装置で加工された眼鏡レンズを示す断
面図である。
【図14】面取り砥石装置及びヤゲン加工済みレンズと
の関係を示す側面図である。
【図15】仕上加工中に於ける砥石のヤゲン溝とレンズ
のヤゲンとをレンズ回転軸に直交した真上方向から見た
図である。
【図16】仕上加工の様子を示し、Aはテーパ砥石を使
用した場合の側面図で、Bはストレート砥石を使用した
場合の側面図である。
【符号の説明】
8a、8b レンズ回転軸 41 砥石回転軸 Re レンズ b1 ストレート砥石 b2 テーパ砥石 g ヤゲン溝 θr 相対角度
フロントページの続き (72)発明者 木原 誠二 広島県福山市箕島町5378番地 株式会社シ ギヤ精機製作所内 Fターム(参考) 3C049 AA03 AB01 BA07 BB06 CA03 CA06 CA07 CB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    及び相対角度を機械的に変位させる加工装置を形成し、
    砥石回転軸にストレート砥石及び又はテーパ砥石を固定
    し、一方、レンズ回転軸に生地レンズを把持させて実施
    することを特徴とする眼鏡レンズの周縁加工方法。
  2. 【請求項2】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    を機械的に変位させると共に砥石回転軸をレンズ回転軸
    に対し特定方向へ機械的に傾斜させるものとした加工装
    置を形成し、砥石回転軸に粗加工用のストレート砥石或
    いはテーパ砥石と、ヤゲン溝の形成された仕上加工用の
    テーパ砥石とを固定し、一方、レンズ回転軸に生地レン
    ズを把持させ、先ず生地レンズ周縁に粗加工用のストレ
    ート砥石或いはテーパ砥石を当接させて粗加工を行い、
    この後、粗加工の終了したレンズ周縁にテーパ砥石を当
    接させて、ヤゲンを形成するための仕上加工を行うこと
    を特徴とする眼鏡レンズの周縁加工方法。
  3. 【請求項3】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    及び相対角度を機械的に変位させるものであって、砥石
    回転軸にはストレート砥石及び又はテーパ砥石が同体状
    に固定される構成を特徴とする眼鏡レンズの周縁加工装
    置。
  4. 【請求項4】 砥石回転軸とレンズ回転軸との相対位置
    を機械的に変位させると共に砥石回転軸をレンズ回転軸
    に対し特定方向へ機械的に傾斜させる構成となし、この
    際、砥石回転軸に粗加工用のストレート砥石或いはテー
    パ砥石と、ヤゲン溝の形成された仕上加工用のテーパ砥
    石を同体状に固定させたことを特徴とする眼鏡レンズの
    周縁加工装置。
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