JP4655511B2 - 圧電式制振装置の構成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子を用いた自動車のトランスミッション等の機械又は装置、その他の機械又は装置の振動・騒音を低減する方法に係る。
自動車等の機械の動力装置(エンジンやモータなど)、その動力伝達装置(トランスミッションなど)又はその他の装置・機械に於いて、機械的な振動が発生する部材、振動が伝達される経路に在る部材又はその他の部材に圧電(或いはピエゾ)素子を取り付け、その圧電効果によって振動エネルギーを吸収することにより又は部材の振動変形を相殺することにより、振動・雑音を低減し、或いは、振動・雑音の伝播を抑える方法又は装置が知られている(例えば、下記の特許文献1−3参照。)。
そのような圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の一つ(特許文献1−2)においては、振動する部材に取り付けられた圧電素子へ、部材の振動と逆位相の電圧を与えることにより、圧電素子を変形させ、その変形力により、部材の変形を相殺し、部材の力学的な振動が抑えられるよう構成されている(アクティブ制振方式)。このアクティブ制振方式が、例えば、自動車のトランスミッションに適用される場合には、自動車の車速、タイヤ及びシャフトの回転数及びギヤの歯数などから、トランスミッションで発生する振動の周波数及び位相をモニターすることができるので、モニターされた部材の振動と逆位相で圧電素子が変形歪みを起こすように、圧電素子に印加される電圧の位相及び周波数が制御される。
圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の別のもの(特許文献3)においては、振動する部材に取り付けられた圧電素子は、一対の電極を介して電気抵抗、コイル及びコンデンサを含む電気回路に接続される(パッシブ制振方式)。この場合には、圧電素子が部材の振動に伴なって変形歪みを起こすと、圧電素子に接続された電極間に電位差が発生し、この電位差によって、回路内に電流が流れるよう構成されている。回路中には抵抗が含まれているので、その抵抗に電流が流れることにより、熱が発生する。即ち、部材の振動エネルギーが、圧電素子において電気エネルギーに変換され、しかる後に、回路の抵抗において電気エネルギーが熱エネルギーに変換されて外気に散逸されることにより、部材の振動・雑音が低減されるようになっている。
上記の如き、圧電素子を用いた振動・雑音低減方法又は装置の一つの利点は、振動等を低減されるべき機械等の完成後に、追加的に圧電素子及びそれに付随する回路等(以下、圧電式制振装置とする。)を装着することができる点である。特に、パッシブ制振方式の圧電式制振装置は、圧電素子と簡単な電気回路のみで完結しているので、原理的には、例えば、完成した機械等の共振しやすい部位の表面に任意に取り付けるだけで、所望の制振効果が期待される。
特開平5−133435号公報 実開平6−32787号公報 特開平10−38029号公報 特開平1−138898号公報
上記の如く、圧電式制振装置は、原理的には、単に、圧電素子を機械等の部材の任意の表面に取り付けるだけで良いはずであるが、実際上は、部材の面の形状と圧電素子の形状が必ずしも一致せず、部材の面上の圧電素子を密着させることができない場合があり、圧電式制振装置の利用可能な範囲が制限されている。例えば、エンジンやトランスミッションなどの回転機械のケース又は筐体は、湾曲した面を有しているところ、通常使用されている板状の圧電素子の表面は、平面である。従って、機械の湾曲した部位に平面状の圧電素子を固定する場合、密着が不完全となり、かくして、部材と素子とでの圧電変換効率が低下し、期待される振動吸収又は低減効果が得られなくなってしまうこととなる。
図3A、Bは、そのような従来の技術に於ける平板状の圧電素子Pを湾曲した部材上の取り付けた状態の断面の例を示している。これらの図において、振動が低減されるべき機械の湾曲した部材10は、例えば、自動車のトランスミッションノイズの放射音源となっているトランスミッションケース又はカバーである(図を明瞭にするために、圧電素子が固定される部位のみ示されている。)。周知の如く、圧電素子の下面B(部材面に接着している側)と上面T(下面Bの反対側)とには、平面電極が貼付され、電極からはそれぞれ電気回路へのリード線(図示せず)が延在している。圧電素子Pは、部材10の表面に対して、接着剤層Aにより、固定されている。
図3Aは、湾曲した部材の面上に単に圧電素子Pを取り付ける場合である。この場合、圧電素子Pの中央領域POは部材10の表面に容易に接触させられるが、縁部PSでは部材10の表面から離れてしまう。縁部PSを部材10に密着させるために更に押し付けると、素子P全体が湾曲してしまうこととなる。この際、押し付け力が(素子の強度に比して)強すぎれば、素子が割れてしまうし、割れずに取り付けられたとしても、図中の矢印の如く、常に曲げモーメントが作用している状態となるので、使用に接着剤が剥がれたり、素子が破損する可能性が高くなる。
図3Bは、圧電素子Pと部材面との形状を一致させるため、部材の表面を切削し、平面状にした場合を示している。この場合、部材面を図示の如く加工できる場合は限られているし(圧電素子Pの適用場所が制限される。)、図示のような加工を施せば、加工部位の断面係数が減少し、剛性が低下するので、かえって、振動が増大したり、加工部位に亀裂又は破損が生じやすくなってしまう。
上記のように、期待される振動吸収又は低減効果が得られるように圧電素子を部材に無理に密着させようとすれば、取付操作中に無理な力がかかり、圧電素子が割れてしまうこともあるし、また、取付後も、圧電素子に常に取付時の応力が作用し、これにより、使用中に容易に破損してしまうこともある。また、圧電素子の形状に合わせて、部材の表面の形状を機械加工すると、機械の完成後に任意の部位に取り付けるだけで良いという圧電式制振装置の一つの利点が損なわれてしまう。また、圧電素子を取り付けたい部位が必ずしも機械加工できるとは限らず、また、切削等の機械加工をすれば、部材の剛性(断面係数)が低下し、振動が増大することとなり得る。
かくして、本発明の解決しようとする一つの課題は、機械又は装置の部材における機械的な振動・雑音を低減する圧電式制振装置の圧電素子を、部材の表面の機械加工を要することなく且圧電素子を破損することなく固定し使用し続けられるように、部材上に取り付けることを特徴とする圧電式制振装置の構成又は製造方法を提供することである。
上記の課題は、機械の部材の振動を低減するべく前記部材の面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて前記部材の面上に取り付けられる圧電素子を含む圧電式制振装置を前記部材上にて構成する方法であって、前記部材の面上にて該面に対し所定の角度にて傾斜し前記面から離れる方向を向いた互いに対向する少なくとも一対の斜面を与える案内部材を設け、前記対向する斜面の間にて、該斜面と当接可能な形状の縁を有する圧電素子を、前記縁を前記斜面に面当接するよう接着剤を介して前記部材の面上に取り付けることを特徴とする方法により達成される。
上記の方法によれば、機械の部材の表面が圧電素子の表面形状と一致していなくても、安定的に、圧電素子を部材表面上に固定できることととなる。上記の方法に於いて、まず、注目されるべき点は、案内部材が互いに対向する一対の斜面を機械の部材面上に構成し、かかる斜面により、圧電素子を受け入れ、部材面上の取り付けられる部位まで取り付けられるべき状態になるよう案内することである。少なくとも一対の斜面は、該面に対し所定の角度にて傾斜し面から離れる方向を向いており、従って、部材に近づくほど、互いに近づくよう構成される。本発明で準備される圧電素子は、その縁が斜面と当接する形状を有するので、かくして、案内部材の斜面に受け入れられ、部材表面から所定の距離にて、圧電素子の縁が案内部材の斜面と面当接し、その場所に位置決めされる。また、部材と圧電素子との位置が案内部材により定まるので、部材と素子との間に、過不足なく接着剤を充填させることができるため、部材と素子との間の機械的振動は良好に伝達されることとなる。更に、接着剤の存在により、従前の如く、素子を部材に押し付けても不要意に素子に曲げモーメントを与えてしまう可能性が低減されることとなり(接着剤は、一般に、硬化前においても、ある程度の粘性を有している。)、圧電素子の破損が回避され、或いは、使用中の耐久性が維持されることとなる。
かくして、上記の如き本発明の方法によれば、機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて部材の表面に取り付けられる圧電素子を含み部材の表面の振動を低減する圧電式制振装置が取り付けられた機械の部材であって、圧電素子は、機械の部材の表面上に取り付けられる際に少なくとも一対の縁部の端面が機械の部材に向いた斜面を有し、該斜面が機械の部材の表面上に設けられた案内部材により与えられる少なくとも一対の面と面当接した状態で接着剤を介して機械の部材の表面上に取り付けられた圧電素子であることを特徴とする機械の部材が提供される。なお、機械の部材の表面上に圧電素子を取り付け固定した後には、案内部材が機械の部材の表面から除去されてよく、その場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。機械の部材は、例えば、自動車のトランスミッションのケース又はその他の振動及び騒音が問題となる任意の機械の部材であってよい。
上記の方法に於いて、接着剤を過不足なく圧電素子と部材との間に充填するために、圧電素子を部材へ向かって押圧し、余剰な接着剤を圧電素子と部材との間から除去するようになっていてよい。既に述べた如く、圧電素子と部材との位置は、案内部材で決定される。従って、圧電素子を案内部材に受容させる前或いは受容させた後に接着剤を多めに適用し、しかる後に、圧電素子を部材へ向かって押圧すれば、部材と素子との間を完全充填することが可能となる。なお、過不足なく接着材を充填できるという点は、機械的振動の伝達に於いて非常に重要であることは理解されるべきである。接着剤が多すぎれば、それだけ、部材と圧電素子間の距離が離れ、振動伝達率が低下するし、接着剤が少なすぎれば、部材と圧電素子間に隙間が生じ、やはり、振動伝達率が低下してしまう。
圧電式制振装置においては、しばしば、複数の圧電素子が機械の部材上に取り付けられる。従って、実質的に同じ状態で複数の圧電素子を取り付けられることが好ましい。従って、上記の本発明の方法において、案内部材が少なくとも一対の斜面を有する一体の案内枠であってよい。案内部材が一体的な部材であれば、対向する斜面の間隔を予め定めておくことができるから、実質的に常に(部材の形状が同じならば)、同様の状態にて、圧電素子を部材面上に取り付けることが可能となる。特に、回転機械の全周に亙って、複数の圧電素子を取り付ける場合に有利である。
更に、案内部材を案内枠の如く構成し、圧電素子の全周に亙って圧電素子の縁と案内部材の斜面とが当接するようにして、圧電素子と案内部材と機械の部材とにより閉じた空間を形成することが好ましい。なぜならば、この場合、圧電素子を部材に向かって押圧する間、閉じた空間に密封された(流動性を有する)接着剤の液圧が圧電素子の面全体に均等に作用することにより圧電素子を圧す力に対抗し、かくして平板状の圧電素子の曲げ変形を回避することができるからである。
上記の場合とは、逆に、機械の部材の任意の種々の形状の部位に圧電素子を取り付ける場合には、取り付けられる部位の形状に応じて、部材と圧電素子(の特に端部)との距離を調節できる方が好ましい。例えば、圧電素子の概ね中央領域は、部材表面に接触するよう位置決めすることにしたしても、部材面のアールによって、素子の端部と部材表面との距離は変化する。従って、上記の本発明に於いては、部材の面上に於ける前記少なくとも一対の斜面の間隔を調節して、圧電素子の面と部材の面との距離を調節するようになっていてよい。これにより、圧電素子を取り付けられる部位の範囲が拡大されることとなる。
従前に於いては、部材の表面が湾曲している場合には、圧電素子を“巧く”取り付けることが困難であった。既に述べた如く、無理に取り付けようとすれば、圧電素子を破損したり、その耐久性を低下させることとなっていた。また、圧電素子の破損や耐久性を避けるべく、あまり強い力をかけない場合には、圧電素子の一方の縁が部材から浮いてしまうといったこともあった。また、取り付けた状態にもばらつきあった。このことは、単に、圧電素子を、接着剤を介して任意の平面状の部材に取り付ける場合(特許文献4)に於いても同様である。
一方、本発明によれば、既に述べた如く、案内部材で圧電素子を位置決めすることにより、部材の面と圧電素子との形状が一致していなくても、圧電素子に無理な力を与えることなく、圧電素子と部材面との接着を安定的に、振動がより良く伝達されるよう行うことが可能となる。その際、圧電素子と部材面との距離が調節できるから、最も効率よく振動が伝わるように、圧電素子を固定することが可能となる。
上記の本発明に於いては、圧電素子の縁を案内部材の斜面と当接するように加工する必要がある。しかしながら、従前の如く、圧電素子を部材面に密着させるために部材面を機械加工するよりは、はるかに、費用面で有利である。しかも、部材面を機械加工すると、部材の剛性が低下し、従って、部材そのものの耐久性が低下してしまう可能性があるが、本発明によれば、そのような振動が除去されるべき対象物の耐久性を損なうといったことがなく有利である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
上記の如き、従前の圧電素子の取り付け過程に於ける問題を解消するべく、本発明に於いては、図1の如く、部材10の表面上に案内部材12を設け、部材面上に対する圧電素子Pの位置決めをして、圧電素子が部材面上に固定される。
図1A及びBは、図3と同様に、振動が低減されるべき機械の部材、例えば、自動車のトランスミッションノイズの放射音源となっているトランスミッションケースの面10上に平板状の圧電素子Pを、本発明の教示するところにより、取り付ける過程の部材10と圧電素子Pの模式的な断面を示している(図を明瞭にするために、圧電素子が貼着される部位のみ示されている。)。
図1Aを参照して、本発明の方法においては、まず、機械の部材10の表面上に案内部材12a、12bが配置される。案内部材12a、bは、図示の如く、部材10の表面に対し或る角度にて傾斜し互いに対向した一対の斜面14a、bを有し、従って、斜面の間の距離は、部材の面に近付くにつれて短くなる。また、案内部材は、圧電素子を部材上に固定した後、除去されるので、取り外し可能な任意の方法で部材上に固定されてよい。その際、案内部材の下面は、機械の部材表面に密着できるよう、適宜、加工されてよい。
次いで、案内部材12a、bの間の部材10の表面上に接着剤Aが流動状態で適用され、その上から、圧電素子Pが案内部材12a、bの間に画定される空間へ受け入れられ、図1Bに示されている如く、圧電素子Pは、部材10の表面へ向かって押圧される。ここで、図示の如く、圧電素子Pの案内部材12a、bに接する両縁16a、bは、斜面14a、bと(好ましくは相補的に)当接可能な形状又は面当接する形状に加工されていることが好ましい。この場合、図示の如く、圧電素子Pが部材10の表面に近づくと、或る位置で、圧電素子の両縁16a、bの距離と斜面14a、bとの距離が一致し、面当接した状態で止まり、即ち、位置決めされることとなる。このように圧電素子Pが、位置決めされることで、部材10と圧電素子Pとの距離が定められるので、圧電素子Pを、例えば、無理に押し付けるなどして損傷してしまうことが回避される。即ち、圧電素子Pは、縁で案内部材により支持されることにより、従前の如く(例えば、図3A参照)、縁を押しすぎて素子を曲げてしまうといったことが防止されるのである。
圧電素子Pと部材10との間に介在され、圧電素子Pを固定する接着剤は、例えば、エポキシ系樹脂であってよく、案内部材により圧電素子Pが位置決めされる際に、圧電素子Pと部材10との間の空間を充填するだけの量が与えられるべきである。この点に関し、案内部材12a、bと圧電素子Pと部材10により定められる空間18から適当な逃げ路(図示せず)を設けておくことにより、初めに部材10の面上に与えられる接着剤の量を多めして、圧電素子Pを部材10に向かって加圧する際に、かかる逃げ路から余剰の接着剤が押出されるようにされてよい。かくして、接着剤は、空間18を過不足なく充填されることとなる。また、逃げ路が設けられていなくても、圧電素子Pを部材10に圧し続ける際に、圧電素子の縁16a、bと斜面14a、bとの間が完全に面当接するまでの間に、流動性のある接着剤は、縁16a、bと斜面14a、bとの間を通って排出される。
かくして、接着剤が硬化することにより、図1Bに示されている如く、圧電素子Pは、例えば、中央領域POが部材10上に接した状態で、固定される。ここで、接着剤Aが硬化するまで、案内部材12a、bが、圧電素子の縁の高さを維持するので、部材10の形状が図示の如く湾曲していても、圧電素子Pを変形させずに安定的に固定することができるということは、理解されるべきである。従前の方法であれば、接着剤Aが硬化する間に圧電素子Pがずれてしまったり(一方の縁が浮いてしまったり)、或いは、硬化するまで、力を加えつづけることにより、圧電素子Pを破損してしまっていたところであるが、本発明によれば、そのような不具合は生じないこととなる。なお、図では、接着剤Aは、圧電素子Pが案内部材12a、b上に載置されるよりも先に部材10上に適用されているが、圧電素子Pを案内部材12a、b上に載置した後に、それらの間に注入されてもよいことは理解されるべきであり、そのような場合も本発明の範囲に属する。接着剤が硬化した後、案内部材12a、bは、除去されてよい。
ところで、圧電素子Pを受け入れ位置決めをする案内部材は、図1の如く、少なくとも一対の対向する斜面を与えれば、上記の本発明の目的を達成するが、好ましくは、図2Aの如く、圧電素子Pの全周に亙って、圧電素子Pの縁に係合する斜面22を与える案内枠20のようになっていてよい。この場合、圧電素子Pもその全周に亙って縁が斜面22に面当接するよう斜角が与えられる。圧電素子Pの全周を囲うように斜面が与えられる場合には、圧電素子Pが流動性の接着剤を介して部材10の面に加圧され、縁が斜面に面当接し始めると、かかる加圧に対抗する接着剤の圧力は均等な力で圧電素子Pを保持することになるため、圧電素子Pの変形を回避する上で有利である。また、案内部材の寸法(及び接着剤の量)を適切に設定すれば、圧電素子Pを変形又は損傷させることなく、安定的に部材10上に固定できることとなる。この点に関し、案内枠20を用いれば、複数の圧電素子を、同様の状態にて、即ち、部材との位置関係が常に一定となるように部材10の面上に取り付けることが可能となり、有利である。
また、種々の異なる曲率を有する機械の部材面上に圧電素子を取り付ける際には、案内部材の斜面14a、bの間隔を調節することにより、任意に圧電素子Pと部材10との距離又は位置関係を調節することができる。例えば、図1の場合に比して、曲率が大きい場合(曲率半径が小さい場合)には、図2Bの如く、対抗する斜面の距離を近づければ、圧電素子Pを湾曲させることなく部材10に取り付けられることとなる。
上記の図に於いて、互いに面当接する案内部材の斜面と圧電素子の縁とは、ともに平面であるが、圧電素子を受け入れてその位置決めをできる限り、その他の形状であっても良いことは理解されるべきである。また、同様に、互いに対向する案内部材の斜面は、圧電素子を受け入れてその位置決めをできる限り、平行に並べられていなくてもよいことは理解されるべきである。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
図1は、本発明の実施形態による任意の機械の部材上に固定される圧電素子の模式的な断面図を示す。図1Aは、接着剤が適用され、圧電素子が案内部材に受け入れられる状態であり、図1Bは、圧電素子が部材10に向かって押し付けられ、その縁が案内部材の斜面に面当接した状態である。 図2Aは、本発明の実施形態による案内枠の模式的な斜視図である。図2Bは、図1Bと同様の図であって、機械の部材の曲率が図1Bよりも大きい場合の圧電素子の取付状態を示す。 従来の技術に於ける圧電素子が機械の部材上に貼着された状態の模式的な断面図。
符号の説明
10…機械の部材
12a、b…案内部材
14a、b…斜面
16a、b…圧電素子の縁
20…案内枠
22…斜面
P…圧電素子
A…接着剤

Claims (6)

  1. 機械の部材の振動を低減するべく前記部材の湾曲した面上の機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて前記部材の湾曲した面上に取り付けられる平板状の圧電素子を含む圧電式制振装置を前記部材上にて構成する方法であって、
    前記部材の湾曲した面上にて該面に対し所定の角度にて傾斜し前記湾曲した面から離れる方向を向いた互いに対向する少なくとも一対の斜面を与える案内部材を設け、前記対向する斜面の間にて、該斜面と当接可能な形状の縁を有する平板状の圧電素子を、前記縁を前記斜面に面当接し且つ前記平板状の圧電素子と前記湾曲した面との間に接着剤が充填された状態にて、前記圧電素子の前記平板状の形状を維持したまま、前記部材の湾曲した面上に取り付けることを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法であって、前記圧電素子を前記部材へ向かって押圧し、余剰な接着剤を前記圧電素子と前記部材との間から押し出して排除することを特徴とする方法。
  3. 請求項1の方法であって、前記案内部材が前記少なくとも一対の斜面を有する一体の案内枠であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1の方法であって、前記部材の面上に於ける前記少なくとも一対の斜面の間隔を前記部材の湾曲した面の曲率半径に応じて調節して、前記圧電素子の平板状の面と前記部材の湾曲した面との距離を調節することを特徴とする方法。
  5. 機械的振動エネルギーを電気的エネルギーに変換可能な状態にて部材の湾曲した表面に取り付けられる圧電素子を含み前記部材の表面の振動を低減する圧電式制振装置が取り付けられた機械の部材であって、
    前記圧電素子は、平板状であり、且つ、前記機械の部材の湾曲した表面上に取り付けられる際に少なくとも一対の縁部の端面が前記機械の部材に向いた斜面を有し、前記斜面が前記機械の部材の湾曲した表面上に設けられた案内部材により与えられる少なくとも一対の面と面当接し且つ前記平板状の圧電素子と前記機械の部材の湾曲した表面との間に接着剤が充填された状態にて、前記平板状の形状を維持したまま前記機械の部材の湾曲した表面上に取り付けられた圧電素子であることを特徴とする機械の部材。
  6. 請求項5の機械の部材であって、該機械の部材の湾曲した表面上に前記圧電素子を取り付け固定した後、前記案内部材が前記機械の部材の湾曲した表面から除去されていることを特徴とする機械の部材。
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