JP3006356U - 捩り振動吸収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動源に連結するドライブプレートと、被駆
動部材に連結するドリブンプレートと、この両プレート
間に設けた弾性手段とを備えた捩り振動吸収装置におい
て、その弾性手段を長寿命にして、その信頼性を向上す
るものである。 【構成】 この弾性手段１７は、２個の嵌込み部材１
４、１５と、これらの嵌込み部材１４、１５に嵌め込ま
れたゴム部材１３と、相対回転方向に配置したコイルス
プリング９とから構成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はフライホイール、クラッチディスク、または駆動軸系に用いられ、ト ルク変動を有効に吸収することができる捩り振動吸収装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の捩り振動吸収装置は、駆動源に連結するドライブプレートと、 被駆動部材に連結するドリブンプレートと、この両プレート間に、異なる剛性の 弾性手段を適宜組み合わせて装着し、ドライブプレートとドリブンプレートとの 相対的回転変位の度合に応じて弾性手段を弾縮して、振動、騒音等の対策を講じ ている。

【０００３】 図５は従来の捩り振動吸収装置を自動車用クラッチのクラッチディスクに適用 した場合を示す断面図であり、図６は、図５の捩り振動吸収装置を示す概略断面 図である。図において、１は、ドライブプレートであり、このドライブプレート １は、例えば４個の矩形状の収納穴１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、および１Ｄが設けられ、 更に、その外周面で、かつその両側面には、摩擦板２が固定される。そして、こ の摩擦板２は、図示せぬ駆動源に連結したフライホイール（図示せず）とクラッ チ装置のプレッシャープレート（図示せず）との間に、選択的に挟圧される。

【０００４】 ３は、副ドライブプレートであり、この副ドライブプレート３は、例えば４個 の矩形状の収納穴３Ａ、３Ｂ、３Ｃ、および３Ｄが設けられている。そして、こ の副ドライブプレート３は、上記ドライブプレート１に一体に固定されており、 この４個の収納穴１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、および１Ｄと、この副ドライブプレート３ の４個の収納穴３Ａ、３Ｂ、３Ｃ、および３Ｄとは、同一位置に形成させる。

【０００５】 ４は、ドリブンプレートであり、このドリブンプレート４は、例えば４個の矩 形状の収納穴４Ａ、４Ｂ、４Ｃ、および４Ｄが設けられる。５は、このドリブン プレート４の中心部に一体に固定した中空軸であり、この中空軸５には、ドリブ ン側である図示せぬ変速機のシャフトが嵌合する。

【０００６】 ６は、弾性手段であり、この弾性手段６は、その詳細な構成を図６に示すよう に、樹脂ブロック７Ａおよび７Ｂと、これらの樹脂ブロック７Ａと樹脂ブロック ７Ｂとの間に接着のより固定したゴム部材８と、コイルスプリング９とから構成 される。そして、この弾性手段６は、上記ゴム部材８を上記樹脂ブロック７Ａと 樹脂ブロック７Ｂとの間に接着により固定した部材を、コイルスプリング９の中 空部に挿入して構成する。そして、この弾性手段６を、例えば、上記ドライブプ レート１の収納穴１Ａ、副ドライブプレート３の収納穴３Ａ、およびドリブンプ レート４の収納穴４Ａとが一致した空間に嵌め込まれ、弾性により支持される。

【０００７】 なお、その他の３個の弾性手段１０、１１および１２は、それぞれ上記ドライ ブプレート１の収納穴１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、副ドライブプレート３の収納穴３Ｂ、 ３Ｃ、３Ｄ、およびドリブンプレート４の収納穴４Ｂ、４Ｃ、４Ｄとが一致した 空間に嵌め込まれ、弾性により支持される。

【０００８】 そして、上記構成の捩り振動吸収装置は、ドライブプレート１とドリブンプレ ート４との相対的回転変位の度合に応じて弾性手段６、１０、１１、および１２ がそれぞれ弾縮するので、各種の振動、騒音等を吸収することができる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の捩り振動吸収装置では、その弾性手段における樹脂ブロ ックとゴム部材とは、接着により結合されており、その弾性手段におけるゴム部 材が高歪で弾縮する際、接着端面に応力集中が生じ、樹脂ブロックとの接着端面 近傍にゴム亀裂や剥離が生じ易いなどという問題点があった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る捩り振動吸収装置は、駆動源に連結するドライブプレートと、被 駆動部材に連結するドリブンプレートと、この両プレート間に設けた弾性手段と を備え、この弾性手段は、中空状内径部に入れ込み部を設けた２個の離間した嵌 め込み部材と、この２個の離間した嵌込み部材の間に嵌め込み一体化したゴム部 材と、相対回転方向に配置したコイルスプリングとから構成したものである。

【００１１】

【作用】

本考案は、ゴム部材が弾縮する際の逃げ場があるため、ゴム部材のへたりを軽 減し、接着端面近傍に応力集中の発生を避けることができ、ゴム部材および接着 端面近傍にゴム亀裂や剥離を回避することができる。

【００１２】

【実施例】

図１は、本考案に係る捩り振動吸収装置に適用した弾性手段の一実施例を示す 概略断面図である。図において、１３は、ゴム部材であり、このゴム部材１３は 、弾縮部１３Ａと、この弾縮部１３Ａの両端に形成した係止部１３Ｂから構成す る。１４および１５は、嵌込み部材であり、この嵌込み部材１４および１５は、 その中空状内径部に入れ込み部１４Ａ、１５Ａが形成されている。この入れ込み 部１４Ａ、１５Ａは、一実施例として、断面が矩形状のリング状突起である。

【００１３】 なお、この２個の離間した嵌込み部材１４および１５の間に、その中空状内径 部に形成した入れ込み部１４Ａ、１５Ａを利用してゴム部材１３を入れ込んで一 体化することができる。この場合、嵌込み部材１４および１５の間に、ゴム部材 １３を入れ込んで一体化する方法としては、加硫成形したゴムを圧入してもよい し、ゴム加硫時に嵌込み部材１４および１５を金型内に予め入れて成形してもよ い。 １６は、弾性手段であり、この弾性手段１６は、上記ゴム部材１３、嵌込み部 材１４および１５、コイルスプリング９から構成する。

【００１４】 上記構成の振動吸収装置の振動吸収動作については、図５および図６において 説明したと同様に動作することは、もちろんであるが、弾性手段１６のゴム部材 １３が弾縮する際、その係止部１３Ｂに逃げることができるため、ゴム部材１３ がへたることなく、しかも、応力集中を低減することができ、ゴム部材１３の亀 裂をなくすことができる。

【００１５】 なお、上記弾性手段１６のゴム部材１３を、嵌込み部材１４および１５に嵌め 込む場合、その入れ込み部１４Ａ、１５Ａを、一実施例として、断面が矩形状の リング状突起としたが、これに限定することなく、図２に示すように断面を半円 形状のリング状突起とした場合、図３に示すように断面を三角形状のリング状突 起とした場合、図４に示すように底面に向かって広がる凹部を形成した場合、な ど数々の形状にしてもよいことは、もちろんである。

【００１６】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、本考案に係る捩り振動吸収装置によれば、ゴム 部材が弾縮する際の逃げ場があるため、ゴム部材にへたりをなくし、しかも、亀 裂も生じにくくすることができる。このため、その弾性手段が長寿命になり、そ の信頼性を向上することができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る捩り振動吸収装置に適用した弾性
手段の一実施例を示す概略断面図である。

【図２】図１に示す弾性手段の他の実施例を示す概略断
面図である。

【図３】図１に示す弾性手段の更に他の実施例を示す概
略断面図である。

【図４】図１に示す弾性手段の更に他の実施例を示す概
略断面図である。

【図５】従来の捩り振動吸収装置を自動車用クラッチの
クラッチディスクに適用した場合を示す断面図である。

【図６】図２の捩り振動吸収装置を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１３ ゴム部材 １４ 嵌込み部材 １５ 嵌込み部材 １６ 弾性手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動源に連結するドライブプレートと、
   被駆動部材に連結するドリブンプレートと、この両プレ
   ート間に設けた弾性手段とを備え、この弾性手段を介し
   て両プレートが所定の相対回転を行う捩り振動吸収装置
   において、 上記弾性手段は、中空状内径部に入れ込み部を設けた２
   個の離間した嵌め込み部材と、この２個の離間した嵌込
   み部材の間に嵌め込み一体化したゴム部材と、相対回転
   方向に配置したコイルスプリングとから構成してなる捩
   り振動吸収装置。