JP4655178B2 - モーターユニット及びディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモーターユニット及びディスクドライブ装置についての技術分野に関する。詳しくは、駆動モーターと該駆動モーターによって回転されるディスクテーブルとを有するモーターユニット及び該モーターユニットを備えたディスクドライブ装置についての技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録や再生を行うディスクドライブ装置があり、このようなディスクドライブ装置には、駆動モーターと該駆動モーターによって回転されるディスクテーブルとを有するモーターユニットを備えるものがある。
【0003】
従来のディスクドライブ装置におけるモーターユニットの一例を図11に示す。
【0004】
駆動モーターの図示しないステーター部にはモーター軸aが回転自在に支持され、該モーター軸aの軸方向における略中央部にローターケースbが圧入によって固定されている。ローターケースbは板状の金属材料が加工されて形成され、略円板状を為す基部cと該基部cの外周縁から垂設されたマグネット取付部dと基部cの中心部から上方へ突出された円筒状を為す被固定部eとが一体に形成されて成る。マグネット取付部dの内面には、ステーター部のステーターコイルに対向して位置されるマグネットfが取り付けられている。
【0005】
ローターケースbとマグネットfを有するローター部は、ローターケースbの被固定部eにモーター軸aが圧入されることによって該モーター軸aに固定されている。
【0006】
ディスクテーブルgはモーター軸aの上端側に固定されている。ディスクテーブルgは、中央部に設けられディスク状記録媒体xの中心孔に挿通されるセンターリング突部hと該センターリング突部hの下端部周面から張り出されディスク状記録媒体xが載置されるテーブル部iとが樹脂材料によって一体に形成されて成る。
【0007】
センターリング突部hの中心部には、上方に開口されたヨーク配置凹部jが形成されている。センターリング突部hの中心部には、下方へ突出された補強用突部kが一体に設けられている。
【0008】
ディスクテーブルgには、ヨーク配置凹部jの底面と補強用突部kの下面との間を貫通する圧入孔lが形成されている。
【0009】
ディスクテーブルgは、圧入孔kにモーター軸aが圧入されることによって該モーター軸aに固定されている。
【0010】
ディスクテーブルgのヨーク配置凹部jにはヨークmが配置され、該ヨークmはディスクテーブルgの圧入孔kから上方へ突出されたモーター軸aに圧入によって固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスクドライブ装置にあっては、モーター軸とディスクテーブルとの間の十分な締結力(圧入力)が確保されないと、ディスク状記録媒体に対する情報信号の記録時又は再生時に共振が生じて光学ピックアップのフォーカスエラーが生じたり、たわみ加重が大きくなりディスクテーブルに装着されたディスク状記録媒体に大きな面ぶれが発生してディスクドライブ装置の適正な動作を確保できないおそれがある。
【0012】
上記した従来のディスクドライブ装置にあっては、ディスクテーブルgにヨーク配置凹部jが形成されている分、モーター軸aが圧入される部分の面積が小さくなることから、ディスクテーブルgとモーター軸aとの間の締結力を増強するために、中心部に下方へ突出する補強用突部kを設けてモーター軸aが圧入される面積を大きくしている。
【0013】
ところが、従来のディスクドライブ装置にあっては、補強用突部kを設ける分のモーター軸aの軸方向におけるスペースが必要となり、その分、モーターユニットが大型となってしまうという問題がある。
【0014】
また、ディスクテーブルgに補強突部kを設けて締結力の増強を図っているものの、ディスクテーブルgが樹脂材料によって形成されているため、特に、近年のディスク状記録媒体xの回転速度の高速化が進む中では、この高速化に耐え得るほどの十分な締結力を確保しているとは言えない。
【0015】
さらに、ディスクテーブルgのテーブル部iにディスク状記録媒体xが装着された状態においては、ディスクテーブルgがディスク状記録媒体xから荷重を受けるが、図11に示すディスク状記録媒体xの荷重点(作用点)Pの支点Qからの距離L1が長いため、生じるモーメントが大きくモーター軸aがディスク状記録媒体xによるたわみ荷重の影響を受け易い。
【0016】
そこで、本発明モーターユニット及びディスクドライブ装置は、上記した問題点を克服し、モーターユニット又はディスクドライブ装置の小型化及びモータ軸についての締結力(圧入力)の確保による動作の信頼性の向上を図ることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明モーターユニットは、上記した課題を解決するために、ローターケースと該ローターケースに固定されたマグネットとを有するローター部と、該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、ローター部と一体となって回転されるモーター軸と、鉄系の焼結材料によって形成されると共に圧入によってモーター軸に固定されるヨークと、樹脂材料によって形成されるディスクテーブルとを備え、上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定するようにしたものである。
【0018】
また、本発明ディスクドライブ装置は、樹脂材料によって形成されると共にディスク状記録媒体が装着されて回転されるディスクテーブルと、該ディスクテーブルとともにディスク状記録媒体を挟持してチャッキングするチャッキングプーリーと、チャッキングされたディスク状記録媒体の半径方向へ移動し該ディスク状記録媒体に対してレーザー光を照射する光学ピックアップと、ディスクテーブルを回転させる駆動モーターとを備えたディスクドライブ装置であって、該駆動モータには、マグネットが固定されたローターケースを有するローター部と、該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、ローター部と一体となって回転されるモーター軸とが設けられ、鉄系の焼結材料によって形成されたヨークをモーター軸に圧入によって固定し、上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定するようにしたものである。
【0019】
従って、本発明モーターユニット及びディスクドライブ装置にあっては、モーター軸が圧入された鉄系の焼結材料から成るヨークを介してディスクテーブルがモーター軸に締結される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明モーターユニット及びディスクドライブ装置の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0021】
ディスクドライブ装置1は、外筐2内に所要の各部材及び各機構が配置されて成り、外筐2はカバー体3と前面パネル4とから成る(図1参照)。カバー体3は天面部3aと該天面部3aの両側縁からそれぞれ垂設された側面部3b、3bが一体に形成されて成る。
【0022】
前面パネル4には横長の開口4aが形成され、前面パネル4に開口4aを開閉する扉体5がその上端部を支点として回動自在に支持されている(図1参照)。前面パネル4には、左右に離間して再生用釦、記録用釦、停止用釦、トレー動作用釦等の各種の操作釦6、6、・・・が配置されている。
【0023】
外筐2内にはメカフレーム7が配置されている(図2参照)。メカフレーム7は各種の機構が配置される機構配置面部7aと該機構配置面部7aの両側縁から立設された側部7b、7bとを有し、機構配置面部7aの前端部にカム板や各種のギヤを有するローディング機構8が配置されている。
【0024】
メカフレーム7にはディスクトレー9が前後方向へ移動自在に支持されている(図2及び図3参照)。ディスクトレー9には縦長の挿通孔9aとディスク状記録媒体100が載置されるディスク載置凹部9bとが形成されている。
【0025】
メカフレーム7には側部7b、7b間に架け渡されるようにしてプーリー支持部材10が取り付けられている(図3参照)。プーリー支持部材10の中央部には、図示しないマグネットを有するチャッキングプーリー11が回転自在かつ軸方向に移動自在に支持されている。
【0026】
メカフレーム7の機構配置面部7aには、ベース部材12がその後端部を支点として回動自在に支持されており、該ベース部材12上に図示しない複数のダンパー部材を介してベースシャーシ13が取り付けられている(図2参照)。
【0027】
ベースシャーシ13はピックアップ支持部14とモーター取付部15とが一体に形成されて成り、ピックアップ支持部14には大きな配置孔14aが形成されている(図4参照)。ベースシャーシ13の周縁には取付突部13a、13a、13aが設けられており、該取付突部13a、13a、13aがダンパー部材を介してベース部材12に取り付けられている。
【0028】
ピックアップ支持部14には、後述するディスクテーブルに離接する方向、即ち、ディスクテーブルに装着されるディスク状記録媒体100の半径方向へ光学ピックアップ16が移動自在に支持されている。光学ピックアップ16は、移動ベース17と発光素子や受光素子等を含む所要の光学素子と移動ベース17上に支持された2軸アクチュエーター18とを有し、該2軸アクチュエーター18には対物レンズ18aが設けられている。
【0029】
ベースシャーシ13には送りモーター19が取り付けられ、該送りモーター19によってベースシャーシ13に支持された図示しないリードスクリューが回転される。光学ピックアップ16は、移動ベース17に取り付けられた図示しないナット部材がリードスクリューに螺合されると共に移動ベース17の他端部がベースシャーシ13に取り付けられた図示しないガイド軸に摺動自在に支持されている。送りモーター19の駆動によってリードスクリューが回転されると、その回転方向に応じた方向へ光学ピックアップ16がガイド軸に案内されて移動される。
【0030】
モーターユニット20は、駆動モーター21と該駆動モーター21に固定されたディスクテーブル22とを有している(図4及び図5参照)。
【0031】
駆動モーター21はステーター部23と該ステーター部23に対して回転されるローター部24と該ローター部24と一体となって回転される金属材料により形成されたモーター軸25とから成る(図5参照)。
【0032】
ステーター部23は、ベース26に取り付けられた基板27とベース26に取り付けられたハウジング28と該ハウジング28に取り付けられたステーターコイル29、29、・・・とを有している。
【0033】
ベース26の中央部には取付孔26aが形成され、ベース26上に、所定の配線パターンが形成された基板27が留め具30、30、・・・によって取り付けられている。
【0034】
基板27の中央部には、ベース26の取付孔26aより一回り大きな挿入孔27aが形成され、基板27上に、検出素子31、31、・・・が周方向に離間して搭載されている。
【0035】
ハウジング28は軸方向に長い略円筒状を為し、下端寄りの位置に被取付部28aが外方へ突出されて設けられている。ハウジング28は基板27の挿入孔27aに挿入された状態で被取付部28aがベース26の取付孔26aに取り付けられている。
【0036】
ハウジング28の下端部にはスラスト受け32と押さえ板33とが上下に積層された状態で内嵌状に固定されている。
【0037】
ハウジング28の内部には、軸方向に長いメタル軸受34が固定され、該メタル軸受34にモーター軸25が回転自在に支持されている。このようにモーター軸25が支持された状態においては、その下面がスラスト受け32によって受けられる。
【0038】
ステーターコイル29、29、・・・は、それぞれその内部に配置された鉄芯35、35、・・・を囲むようにして巻回されており、ハウジング28の外面に周方向に等間隔に取り付けられている。
【0039】
ローター部24は、ローターケース36と該ローターケース36に取り付けられたマグネット37とから成る。
【0040】
ローターケース36は、板状の金属材料が加工されることにより形成され、略円板状を為す基部36aと該基部36aの外周縁から垂設されたマグネット取付部36bと基部36aの中心部から上方へ突出された円筒状を為す被固定部36cとが一体に形成されて成る。マグネット取付部36bの内面には、マグネット37が取り付けられている。
【0041】
ローターケース36は、被固定部36cにモーター軸25が圧入されることにより該モーター軸25に固定されている。ローターケース36がモーター軸25に固定された状態においては、モーター軸25の上端部が被固定部36cから突出され、マグネット37がステーターコイル29、29、・・・に対向して配置されると共にマグネット37が基板27上に搭載された検出素子31、31、・・・の上側に配置される。ローター部24が回転されるときに、検出素子31、31、・・・によってマグネット37の回転位置が検出される。
【0042】
ディスクテーブル22は、中央部に設けられディスク状記録媒体100の中心孔100aに挿通されるセンターリング突部38と該センターリング突部38の下端部周面から張り出されディスク状記録媒体100の内周縁が載置されるテーブル部39とが樹脂材料によって一体に形成されて成る。
【0043】
センターリング突部38の中央部にはモーター軸25より径の大きな嵌合孔38aが形成され、該嵌合孔38aに円筒状を為すヨーク40が圧入によって固定されている。
【0044】
テーブル部39の外周部の上面には、円環状を為すシート41が貼着されている。
【0045】
ヨーク40は、鉄系の焼結材料により形成され、例えば、FCS―7(平和産業株式会社の商品名)、PFA01、PFA03、PFA06(何れも、ポーライト株式会社の商品名)、FE64、FE68(NTN特殊合金株式会社の商品名)、EO(日立粉末冶金株式会社の商品名)が用いられている。ヨーク40は、チャッキングプーリー支持部材10に支持された上記チャッキングプーリー11とディスクテーブル22とによってディスク状記録媒体100がチャッキングされるときにチャッキングプーリー11のマグネットに吸着される被吸着手段としての役割を果たす。
【0046】
ヨーク40の中心孔は圧入孔40aとして形成され、該圧入孔40aにモーター軸25の上端部が圧入されヨーク40がモーター軸25に固定される。
【0047】
以下に、ディスクドライブ装置1の動作について説明する。
【0048】
前面パネル4に設けられたトレー動作用釦(操作釦)6が操作されると、ローディング機構8の動作によりディスクトレー9が開口4aから引き出されディスクトレー9のディスク載置凹部9bにディスク状記録媒体100を載置可能な状態となる。ディスク載置凹部9bにディスク状記録媒体100を載置し、再度、トレー動作用釦6を操作すると、ディスクトレー9が外筐2内に引き込まれる。
【0049】
次に、例えば、再生用釦(操作釦)6を操作すると、ベースシャーシ13がベース部材12の回動動作に伴って回動されてディスクテーブル22が略上方へ移動され、該ディスクテーブル22のセンターリング突部38がディスク状記録媒体100の中心孔100aに挿入される。ベースシャーシ13の回動により、ディスクテーブル22と光学ピックアップ13の2軸アクチュエーター18はディスクトレー9の挿通孔9aから稍上方へ突出される。
【0050】
ディスクテーブル22が略上方へ移動されていくことによりディスク状記録媒体100がディスク載置凹部9bから稍上方へ離間され、このときチャッキングプーリー11に設けられたマグネットによってディスクテーブル22に固定されたヨーク40が吸着され、ディスク状記録媒体100がディスクテーブル22とチャッキングプーリー11とによって挟持されチャッキングされる。
【0051】
ディスク状記録媒体100に対するチャッキングが完了すると、駆動モーター21の駆動によるディスクテーブル22の回転に伴ってディスク状記録媒体100が回転される。同時に、ガイド軸に案内されて光学ピックアップ16がディスク状記録媒体100の内周側から外周側へ移動される。このとき光学ピックアップ16の発光素子からディスク状記録媒体100へ向けてレーザー光が出射され、出射されたレーザー光は対物レンズ18aを介してディスク状記録媒体100に照射され、照射されたレーザー光がディスク状記録媒体100で反射されて戻り光として光学ピックアップ16の受光素子に入射され、図示しない信号処理回路によって信号処理されて情報信号の再生が為される。
【0052】
停止用釦(操作釦)6が操作されると、駆動モーター21の回転が停止されると共に光学ピックアップ16の駆動が停止されて再生動作が終了し、ベース部材12とともにベースシャーシ13が先程とは反対方向へ回動されていく。
【0053】
ベースシャーシ13の回動によりディスク状記録媒体100に対するチャッキングが解除されてディスク状記録媒体100がディスク載置凹部9bに載置され、ベースシャーシ13がディスクトレー9の下方に位置される。
【0054】
再び、前面パネル4に設けられたトレー動作用釦6が操作されると、ディスクトレー9が開口4aから引き出され、ディスク載置凹部9bに載置されているディスク状記録媒体100の取出が可能となる。ディスク載置凹部9bからディスク状記録媒体100を取り出し、再度、トレー動作用釦6を操作すると、ディスクトレー9が外筐2内に引き込まれる。
【0055】
以上に記載した通り、ディスクドライブ装置1にあっては、ディスクテーブル22に鉄系の焼結材料により形成されたヨーク40が圧入され固定されている。
【0056】
焼結材料には、ポーラスと称される微小の空隙40b、40b、・・・が形成されるが、ヨーク40がディスクテーブル22の嵌合孔38aに圧入されると、樹脂材料によって形成されたディスクテーブル22に生じた応力を低下させようとして樹脂材料の一部がヨーク40の表面に形成された空隙40b、40b、・・・に倣うようにして入り込むため(図6参照)、ディスクテーブル22とヨーク40との間で大きな締結力が得られる。
【0057】
また、ともに金属材料により形成されたヨーク40とモーター軸25とが圧入によって固定されるため、ヨーク40とモーター軸25との間でも大きな締結力が得られる。
【0058】
従って、ディスクテーブル22がヨーク40を介してモーター軸25に強固に固定され、ディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録時又は再生時に締結力不足による光学ピックアップのフォーカスエラーが生じるようなことがなく、ディスクドライブ装置1の動作の信頼性を確保することができる。
【0059】
また、上記のように、圧入によってモーター軸25に強固に固定されたヨーク40にディスクテーブル22が固定されるため、ディスクテーブル22のテーブル部39にディスク状記録媒体100が装着された状態においてディスクテーブル22がディスク状記録媒体100から荷重を受けるときに、図7に示すように、モーメントの支点Qがヨーク40とディスクテーブル22の結合点となり、ディスク状記録媒体100の荷重点(作用点)Pから支点Qまでの距離L2が、荷重点Pからモーター軸25とヨーク40との結合点までの距離より短くなる。
【0060】
従って、その分、ディスク状記録媒体100の荷重によって生じるモーメントが小さくなり、モーター軸25がディスク状記録媒体100によるたわみ荷重の影響を受け難く、ディスクドライブ装置1の動作の適正化を図ることができる。
【0061】
さらに、ディスクテーブル22のセンターリング突部38の軸方向における長さ分の全体がヨーク40を介してモーター軸25に固定されるため、従来のディスクドライブ装置のように圧入面積を大きくするための補強用突部を設ける必要がなく、その分、省スペース化によるモーターユニット20及びディスクドライブ装置1の小型化を図ることができる。
【0062】
図8は、ディスクテーブル22側に、ディスク状記録媒体100のチャッキング時に用いる吸着用マグネット42を設けた例を示すものである。
【0063】
ディスクテーブル22の嵌合孔38aには、その下側の略半分にヨーク43が圧入によって固定され、該ヨーク43はモーター軸25に圧入によって固定されている。嵌合孔38aの上側半分には、円筒状を為す吸着用マグネット42が配置されている。吸着用マグネット42は、ディスクテーブル22及びモーター軸25には固定されておらず、例えば、ヨーク43に接着によって固定されている。
【0064】
この場合には、ヨーク43が吸着用マグネット42の磁力を増強するための所謂バックヨークとして機能する。
【0065】
吸着用マグネット42を設ける場合には、チャッキングプーリー11には、マグネットに代えて磁性金属板を設け、ディスク状記録媒体100のチャッキング時には、チャッキングプーリー11の磁性金属板が吸着用マグネット42によって吸着される。
【0066】
このように、ディスクテーブル22に吸着用マグネット42を設け、チャッキングプーリー11に磁性金属板を設ける場合にも、ディスクテーブル22がヨーク43を介してモーター軸25に強固に固定される。
【0067】
図9は、ヨークにローターケースを固定するためのケース固定部を設けた例を示すものである。
【0068】
ディスクテーブル22にはヨーク44が圧入されており、該ヨーク44は下端部が嵌合孔38aから下方へ突出されている。ヨーク44の下面には、周方向に延びるケース固定部44aが一体に設けられ、該ケース固定部44aにローターケース45が、例えば、カシメや接着によって固定されている。
【0069】
ローターケース45は上記ローターケース36と異なり、基部45aとマグネット取付部45bとが一体に形成されて成り、被固定部は設けられていない。ローターケース45は基部45aの内周部がヨーク44に固定されており、基部45aの内周部の上面45cの他に側面45dもヨーク44に接触された状態で固定される。従って、ローターケース45のヨーク44に対する固定面の面積が大きくなる。
【0070】
このように、ケース固定部44aをヨーク44に一体に設けることにより、部品点数の増加を伴わずに、ローターケース45のヨーク44に対する固定面の面積を大きくすることができ、モーターユニット20の機械的強度を強くすることができる。
【0071】
また、さらにローターケース45の固定面の面積を大きくしてモーターユニット20の機械的強度を一層強くするために、ケース固定部44aに加えて、図10に示すように、下端部をディスクテーブル22側に突出させてケース固定部44bをも設けたヨーク44Aを用いることもできる。
【0072】
上記した実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0073】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明モーターユニットは、ローターケースと該ローターケースに固定されたマグネットとを有するローター部と、該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、ローター部と一体となって回転されるモーター軸と、鉄系の焼結材料によって形成されると共に圧入によってモーター軸に固定されるヨークと、樹脂材料によって形成されるディスクテーブルとを備え、上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定したことを特徴とする。
【0074】
従って、ヨークとディスクテーブルの間では、樹脂材料によって形成されたディスクテーブルが焼結材料によって形成されたポーラスと称される空隙に倣うようにして入り込むため大きな締結力が得られ、ヨークとモーター軸との間では、ともに金属材料により形成されたヨークとモーター軸とが圧入によって固定されるため大きな締結力が得られ、これによりディスクテーブルがヨークを介してモーター軸に強固に固定されることから、モーターユニットの機械的強度の大幅な向上を図ることができる。
【0075】
また、ディスクテーブルにディスク状記録媒体が装着されたときに、ディスクテーブルにおけるディスク状記録媒体の荷重点から支点までの距離が短くなるため、ディスク状記録媒体の荷重によって生じるモーメントが小さくなり、モーター軸がディスク状記録媒体によるたわみ荷重の影響を受け難く、モーターユニットの動作の適正化を図ることができる。
また、ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体にヨークを圧入したので、圧入面積を大きくするための補強用突部を設ける必要がなく、その分、省スペース化によるモーターユニットの小型化を図ることができる。
また、上記ヨークに各ケース固定部を一体に設け、該各ケース固定部にローターケースを固定したので、部品点数の増加を伴わずにローターケースのヨークに対する固定面の面積を大きくすることができ、モーターユニットの機械的強度を強くすることができる。
【0078】
また、本発明ディスクドライブ装置は、樹脂材料によって形成されると共にディスク状記録媒体が装着されて回転されるディスクテーブルと、該ディスクテーブルとともにディスク状記録媒体を挟持してチャッキングするチャッキングプーリーと、チャッキングされたディスク状記録媒体の半径方向へ移動し該ディスク状記録媒体に対してレーザー光を照射する光学ピックアップと、ディスクテーブルを回転させる駆動モーターとを備えたディスクドライブ装置であって、該駆動モータには、マグネットが固定されたローターケースを有するローター部と、該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、ローター部と一体となって回転されるモーター軸とが設けられ、鉄系の焼結材料によって形成されたヨークをモーター軸に圧入によって固定し、上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定したことを特徴とする。
【0079】
従って、ヨークとディスクテーブルの間では、樹脂材料によって形成されたディスクテーブルが焼結材料によって形成されたポーラスと称される空隙に倣うようにして入り込むため大きな締結力が得られ、ヨークとモーター軸との間では、ともに金属材料により形成されたヨークとモーター軸とが圧入によって固定されるため大きな締結力が得られ、これによりディスクテーブルがヨークを介してモーター軸に強固に固定されることから、ディスク状記録媒体に対する情報信号の記録時又は再生時に締結力不足による光学ピックアップのフォーカスエラーが生じるようなことがなく、ディスクドライブ装置の動作の信頼性を確保することができる。
【0080】
また、ディスクテーブルにディスク状記録媒体が装着されたときに、ディスクテーブルにおけるディスク状記録媒体の荷重点から支点までの距離が短くなるため、ディスク状記録媒体の荷重によって生じるモーメントが小さくなり、モーター軸がディスク状記録媒体によるたわみ荷重の影響を受け難く、ディスクドライブ装置の動作の適正化を図ることができる。
また、ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体にヨークを圧入したので、圧入面積を大きくするための補強用突部を設ける必要がなく、その分、省スペース化による駆動モーターの小型化及びこれによるディスクドライブ装置の小型化を図ることができる。
また、上記ヨークに各ケース固定部を一体に設け、該各ケース固定部にローターケースを固定したので、部品点数の増加を伴わずにローターケースのヨークに対する固定面の面積を大きくすることができ、駆動モーターの機械的強度の向上によるディスクドライブ装置の動作の適正化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図10と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図はディスクドライブ装置の概略斜視図である。
【図2】各機構が配置されたメカフレームとディスクトレーとを示す概略分解斜視図である。
【図3】カバー体を分離して内部構成を示すディスクドライブ装置の概略斜視図である。
【図4】ベースシャーシと光学ピックアップとモーターユニットとを示す拡大斜視図である。
【図5】モーターユニットの拡大断面図である。
【図6】ディスクテーブルとヨークとの結合状態を拡大して示す概念図である。
【図7】要部の構成を示すモーターユニットの概略断面図である。
【図8】吸着用マグネットが設けられたモーターユニットの概略断面図である。
【図9】ケース固定部が設けられたモーターユニットの概略断面図である。
【図10】ディスクテーブル側に突出されたケース固定部が設けられたモーターユニットの概略断面図である。
【図11】従来のモーターユニットの概略断面図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブ装置、11…チャッキングプーリー、13…ベースシャーシ、16…光学ピックアップ、20…モーターユニット、21…駆動モーター、22…ディスクテーブル、23…ステーター部、24…ローター部、25…モーター軸、29…ステーターコイル、36…ローターケース、37…マグネット、38…センターリング突部、40…ヨーク、43…ヨーク、44…ヨーク、44a…ケース固定部、44b…ケース固定部、45…ローターケース、44A…ヨーク、100…ディスク状記録媒体
Claims (2)
- ローターケースと該ローターケースに固定されたマグネットとを有するローター部と、
該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、
ローター部と一体となって回転されるモーター軸と、
鉄系の焼結材料によって形成されると共に圧入によってモーター軸に固定されるヨークと、
樹脂材料によって形成されるディスクテーブルとを備え、
上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、
上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定した
ことを特徴とするモーターユニット。 - 樹脂材料によって形成されると共にディスク状記録媒体が装着されて回転されるディスクテーブルと、該ディスクテーブルとともにディスク状記録媒体を挟持してチャッキングするチャッキングプーリーと、チャッキングされたディスク状記録媒体の半径方向へ移動し該ディスク状記録媒体に対してレーザー光を照射する光学ピックアップと、ディスクテーブルを回転させる駆動モーターとを備えたディスクドライブ装置であって、
該駆動モータには、マグネットが固定されたローターケースを有するローター部と、該ローター部のマグネットに対向して配置された複数のステーターコイルを有するステーター部と、ローター部と一体となって回転されるモーター軸とが設けられ、
鉄系の焼結材料によって形成されたヨークをモーター軸に圧入によって固定し、
上記ヨークが上記ディスクテーブルのセンターリング突部の軸方向における全体に圧入され、上記ディスクテーブルがヨークに外嵌状に固定され、
上記ヨークに周方向に延在する第1のケース固定部と下端部を上記ディスクテーブル側に突出させてなる第2のケース固定部とを一体に設け、上記第1のケース固定部及び上記第2のケース固定部にローターケースを固定した
ことを特徴とするディスクドライブ装置。
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