JP4653893B2 - 二層型経皮吸収製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬物担持層と基剤−吸収促進剤とを含む二層型経皮吸収製剤に関する。より詳細には、基剤中で変性を起こしやすい薬物を有効成分とする場合の二層型経皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薬剤は、標的部位、作用部位における薬物濃度、その代謝と生物学的半減期などの諸要素によって、経口、静脈内、経皮吸収および直腸内などの各種の投与経路を選択し、それに応じた処方で投与される。
しかし、消化液による薬物の破壊や肝での代謝による速やかな薬物の不活性化などの問題や、一度に大量の薬物を血中に移行させることによる重篤な副作用の出現といった問題により、上記のような投与経路では治療用の薬物を投与できない場合があることが知られている。また、薬物の吸収量の厳密な制御、または徐放化が必要とされる場合や、基剤に対する薬物の溶解度によって吸収効率が大きく左右される場合などもあり、上記3つ以外の投与経路として、皮膚から薬物を吸収させ標的部位に到達させるという、全身作用を期待して、皮膚を通して薬物を持続的に供給するドラッグデリバリーシステムが開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このシステムにおいては、適用された薬物は皮膚の角質層などを透過して血中に移行するが、主剤の性質と基剤との組合せによって主剤の吸収の程度が支配され、水溶性の主剤の場合にはほとんど吸収されない。このため、従来は、脂溶性の高いニトログリセリン、エストラジオール、硝酸イソソルビドなどを主剤とする経皮吸収製剤が開発されてきたが、水溶性の薬物(活性成分)を体内で長時間にわたって低濃度に保つことができる製剤の開発が望まれており、本発明者らはすでにL−dopaを主剤とする経皮吸収製剤を開発し、平成10年特許願第207338号で開示している。この製剤は、主剤である水溶性薬物の経皮吸収効率がよい一層型ヒドロゲル製剤であるが、流通過程における保存条件によっては市販された場合に製剤が変色するおそれがあることが明らかになった。
すなわち、上記の製剤は調製後、遮光し低温保存して比較的短い期間内に使用する場合には問題はないが、流通過程における保存条件などを考慮すると、より保存安定性に優れる経皮吸収製剤の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、こうした経皮吸収製剤の保存中に、基剤中における主剤の変性を防止し、保存安定性をさらに向上させるために鋭意検討を重ねた結果、主剤(以下、「薬物」または「主薬」ということがある。)を基剤と吸収促進剤とから分離することによって、主剤の皮膚からの吸収性を維持したままで、製剤の保存安定性を向上させることができることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、主剤含有シートと、主剤の吸収を促進する吸収促進剤と基剤とを含有する吸収促進剤−基剤含有シートとを含む二層型経皮吸収製剤である。前記主剤含有シートは、製剤の総重量に対して、0.5〜15重量%の主剤と、主剤を含有させるための紙または布帛から選ばれる基材とからなるものであることが好ましい。
【0005】
また、前記主剤は、麻薬性の鎮痛作用を有する薬物;非ステロイド系の抗炎症作用を有する薬物;利尿作用を有する薬物;抗精神作用を有する薬物;催眠作用を有する薬物;抗てんかん作用を有する薬物;パ−キンソン用薬として用いる薬物;鎮吐作用を有する薬物;ホルモン類;鎮痛作用を有する薬物;狭心症用薬として用いる薬物;抗不整脈作用を有する薬物;強心作用を有する薬物;カルシウムの感受性の調節作用を有する薬物;抗ヒスタミン作用を有する薬物;抗アレルギー作用を有する薬物;降圧作用を有する薬物;アミノ酸、アミノ酸誘導体、遊離のアミノ基となるべき基を有するペプチドおよびタンパクからなる群から選ばれるものであることが好ましい。
【0006】
前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収促進剤と油脂性基剤または水溶性基剤と、これらを担持するための担持基材とを含むものであることが好ましい。前記油脂性基剤は、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、グリコール類、植物油および動物油からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものであることが好ましく、前記水溶性基剤は、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロースおよびメチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものであることが好ましい。
【0007】
前記吸収促進剤は、油脂性基剤を使用する場合には、尿素類、ピロリドン誘導体、脂肪酸エステル、精油類、エイゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、米国ネルソン社製)およびその類縁体などからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものであることが好ましい。また、水溶性基剤を使用する場合には、モノテルペン、ジテルペン、およびセスキテルペンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のテルペン類と、炭素数2または3のアルコールとからなるものであることが好ましい。
【0008】
前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収促進剤と基剤との合計量に対して90〜99.9重量%の油脂性基剤と、0.1〜10重量%の吸収促進剤と、全体を100重量%とするに必要な量の他の助剤を含有してなるものであることが好ましい。または、前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収促進剤と基剤との合計量に対して0.5〜25重量%の油脂性基剤と、10〜55重量%の吸収促進剤と、全体を100重量%とするに必要な量の他の助剤を含有してなるものであることが好ましい。
【0009】
前記他の助剤は、炭素数4〜8のジアルキルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキルの少なくとも一方と、水とからなるものであることが好ましく、前記他の助剤は、少なくとも1種以上の炭素数2〜5の多価アルコールをさらに含むものであることが好ましい。
または、前記担持基材は、紙、布帛、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテートまたはこれらの共重合体、キチン、キトサン、豚皮、シリコーン薄膜およびポリビニルピロリドン架橋物からなる群から選ばれるものであることが好ましい。
【0010】
なお、本発明の二層型経皮吸収製剤は、被覆用シートをさらに含んでもよく、こうした被覆用シートは、紙および布帛を除き、上記の担持基材と同一のものを使用することができる。さらに、ゴアテックス(登録商標、ジャパンゴアテックス(株))、エントラント(登録商標、東レ(株)、シンパテックス(登録商標、Sympatex Technologies GmbH)、豚皮、および人工皮膚からなる群から選ばれるものをも好適に使用することができる。
本明細書中では、「製剤の総重量」とは、吸収促進剤および他の助剤を含有する基剤の重量と主剤の重量との合計をいう。また、「担持基材」とは、主剤および吸収促進剤−基剤を担持する材料をいう。「布帛」とは、織布、不織布、および編物を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の二層型経皮吸収製剤は、主剤を含有する主剤含有シートと、主剤の皮膚への移行および皮膚における吸収を促す吸収促進剤−基剤含有シートとを含むものである。通常は、適用部位に主剤含有シートをまず貼付し、その上に吸収促進剤−基剤含有シートを、吸収促進剤−基剤が主剤含有シートと接触するように積層して使用する。
【0012】
まず、主剤含有シートについて説明する。
ここで、主剤含有シートは、製剤の総重量に対して約0.5〜15重量%の主剤を液状または半固体状にし、紙または布帛からなる基材に含浸または塗布して製造されるものである。主剤の量を製剤の総重量の0.5〜15重量%としたのは以下の理由による。0.5重量%未満では、投与量が少なくなるために投与回数が多くなり、投薬の管理が難しくなり、逆に、15重量%を超えると皮膚から吸収しきれない主剤が無駄になること、また、薬物によっては投与量が多くなり過ぎて副作用が出るからである。2〜10重量%とすることがさらに好ましい。薬物にもよるが、約5重量%とすると、投与回数を1日1回程度とすることができ、さらに主剤も無駄なく吸収されるという利点がある。
【0013】
主剤としては、下記のような薬物を使用することができる。具体的には、例えば、モルヒネ及びその塩(例えば塩酸モルヒネ)、フェンタニ−ル、ブプレノルフィン、ジヒドロキシエトルフィン等の麻薬性の鎮痛作用を有する薬物;インドメタシン、イブプロフェン、イブフェナック、アクロフェナック、ジクロフェナック、メフェナム酸、ケトプロフェン、フェニルブタゾン、サリチル酸メチル、ピロキシカム等の非ステロイド系の抗炎症作用を有する薬物;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメサゾン、吉草酸ベタメタゾン、トリアムシノロン、フルオシロアセトニド等のステロイド系の抗炎症作用を有する薬物;
【0014】
ベンドロフルメチアジド、ポリチアジド、メチクロチアジド、トリクロルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ブメタニド等の利尿作用を有する薬物;エモナブリド、ジアゼパム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、プラゼパム、フルジアゼパム、クロナゼパム、クロルプロマジン、レセルピン、トリフルペリド−ル、ハロペリド−ル、モペロン等の抗精神作用を有する薬物;バルビタ−ル、チオペンタ−ル、フェノバルビタ−ル、シクロバルビタ−ル等の催眠作用を有する薬物;エトサクシミド、パルプロ酸ナトリウム、アセタソラミド、メプロバメ−ト等の抗てんかん作用を有する薬物;クロルゾキサゾン、塩酸タリペキソール、レボドパ(以下、「L−dopa」ともいう。)等のパ−キンソン用薬として用いる薬物;
【0015】
トクロプラミド、塩酸メトクロプラミド等の鎮吐作用を有する薬物;アザセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、ラモセトロン、トロピセトロンなどの5−HT受容体拮抗制吐薬;インシュリン、テストステロン、メチルテストステロン、プロゲステロン、エストラジオ−ル等のホルモン類;アスピリン、コデイン、アセトアニリド、アミノピリン等の鎮痛作用を有する薬物;スルファミン、スルファモノメトキシン、スルファメチゾ−ル等のスルファニルアミドの構造をもつ薬物(抗病原微生物作用、降圧利尿作用、糖尿病用薬として使用される薬物に大別される);ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリト−ル;プロバニルニトレ−ト、ジピリダモ−ル、塩酸パパベリン等の狭心症用薬として用いる薬物;アジマリン、ピンドロ−ル、プロプラノロ−ル、キニジン、メキシレチン等の抗不整脈作用を有する薬物; カフェイン、ジゴキシン、ジギトキシン、アムリノン、ミルリノン、ピモベンダン等の強心作用を有する薬物;
【0016】
塩酸ニカルジピン、塩酸ジルチアゼム、ニバジピン、ニフェジピン、ニトレジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニルジピン等のカルシウム拮抗作用を有する薬物;塩酸ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェンベンズアミン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、ジフェニルイミダゾ−ル、クレミゾ−ル等の抗ヒスタミン作用を有する薬物;抗アレルギー作用を有する薬物であるフマル酸ケトチフェン;降圧作用を有する薬物であるクロニジン;その他、タウリン、グリシン、リジン、システイン等をはじめとする各種アミノ酸、これらアミノ酸の誘導体、遊離のアミノ基となるべき基を有するペプチドやタンパク、葉酸およびテトラヒドロ葉酸などの葉酸誘導体等を挙げることができる。
【0017】
本発明の主剤含有シートは、上記のような薬物を適当な溶媒に溶解して液状または半固体状とし、基材に含浸または塗布し、溶媒を留去して製造する。このため、液状の主剤を含浸させる場合には、液体の保持力の大きなものを使用することが好ましい。
上述したように、織布、不織布、および編物からなる布帛は、天然繊維または化学繊維その他の繊維から作られるものであるが、本発明の二層型経皮吸収製剤において使用する布帛は、ある程度の粗さの繊維構造を有するものであればどのようなものも使用することができ、特に限定されない。天然繊維としては、例えば、綿や麻などの植物性繊維を挙げることができ、化学繊維としては、例えば、ビスコースレーヨンなどの再生繊維、アセテート−レーヨンなどの半合成繊維、ナイロンなどの合成繊維を挙げることができる。
【0018】
具体的には、このような基材としては、ガーゼ、ワイパーシート(日本キンバリークラーク(株)製)、油漉紙(ザ・ダイソー(株)製)その他の天然繊維を原料とする不織布などを挙げることができ、これらを使用することが、主剤の担持性とヒドロゲルの移行性とのバランスが良いこと、およびコストの面から好ましい。
次に吸収促進剤−基剤含有シートについて説明する。
本発明の二層型経皮吸収製剤で使用する吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収促進剤と油脂性基剤または水溶性基剤と、これらを担持するための担持基材とを含むものである。
【0019】
一般に、基剤は、日本薬局方に規定もあるように、油脂性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤に分けられるが、このうち、軟膏および坐剤の基剤として使用される疎水性のものを油脂性基剤といい、軟膏剤の基剤として用いられ、極めて水に溶け易いものを水溶性基剤という。
こうした油脂性基剤としては、豚脂、牛脂、脂肪油、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、グリコール類、植物油、動物油などを使用することができる。具体的には、炭化水素としては、例えば、炭素数12〜32の炭化水素が挙げられ、種々の炭化水素の混合物である流動パラフィン、分枝状パラフィン(商品名アイソパー)、固形パラフィン、白色ワセリンなどが挙げられる。これらのうちで、固形パラフィンや白色ワセリンなどを使用することが好ましい。
【0020】
高級アルコールとしては、例えば、炭素数12〜30の一価の脂肪族アルコールが挙げられる。具体的には、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルコール、メシルアルコールなどがある。これらの中でも、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどを使用することが好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコール、またはオレイルアルコールを使用することが好ましい。
【0021】
また、高級脂肪酸としては、例えば、炭素数6〜32の直鎖状または分枝状の飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。具体的には、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、エライジン酸、ブラシジン酸などを挙げることができ、ミリスチン酸、オレイン酸などを使用することが好ましい。
【0022】
高級脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数10〜32の脂肪酸と炭素数14〜32の一価の脂肪族アルコールとのエステル、炭素数10〜22の飽和または不飽和の脂肪酸とグリセリンとのエステルおよびこれらのエステルの水素添加物などを挙げることができる。具体的には、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、リグノセリン酸セリルなどの脂肪酸エステル、ラノリン、後述する各種のろう、グリセリルラウレート、グリセリルモノミリスチレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジラウレート、グリセリルジミリスチレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリラウレート、グリセリルトリミリスチレート、グリセリルトリステアレートなどを挙げることができる。グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルトリステアレートを使用することが好ましい。
【0023】
脂肪油としては、ダイズの種子から得たダイズ油、ヤブツバキまたはその近縁植物の種皮を除いた種子から得たツバキ油、ナタネナの種子から得たナタネ油、ラッカセイの種子から得たラッカセイ油、ゴマの種子から得たゴマ油、ベニバナから得られるサフラワー油などの植物油、ミンク油、卵黄油、スクワラン、ヒツジの毛から得た脂肪様物質を精製して得られるラノリン、魚油、鯨油、および肝油などの動物油を挙げることができる。また、上記のような脂肪油に水素を添加した硬化油などを含める場合もある。
ろうとしては、カルナウバヤシの葉から得たカルナウバロウ、トウヨウミツバチまたはヨーロッパミツバチなどのミツバチの巣から得たろうを精製したミツロウ、ミツロウを漂白したサラシミツロウなどを挙げることができる。また、ミツロウと上記のような植物油(日本局方収載の植物油の中、通例、食用に供するもの)とを日本薬局方に従って配合すると、単軟膏となる。
【0024】
ワセリンは、黄色ワセリン、白色ワセリンおよび親水ワセリンの3種類に分けることができる。これらのうち、黄色ワセリンは、石油から得た炭化水素類の混合物を精製したもので、エタノールに溶けにくく、水にはほとんど溶けず、エーテル、石油ベンジンまたはテレビン油に透明またはわずかに不溶分を残して溶ける。白色ワセリンは、石油から得た炭化水素類の混合物を精製したもので、ほとんどすべての薬物と変化なく配合し得るので、種々の軟膏基剤、化粧品基剤として広く用いられる。また、親水ワセリンは、日本薬局方の記載に従ってサラシミツロウとステアリルアルコールとコレステロールと白色ワセリンとを配合して調製することができる。日本薬局方の記載に従ってサラシミツロウとセスキオレイン酸ソルビタンと白色ワセリンを配合すると、白色軟膏となる。
【0025】
油脂性基剤を用いた軟膏の硬度を上げるためには、石油から得た固形の炭化水素類混合物であるパラフィンや石油から得た液状の炭化水素類の混合物である流動パラフィンなどを添加すればよい。
また、水溶性基剤としては、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、「HPC」ともいう)、マクロゴール、メチルセルロースなどを挙げることができ、使用感がよいことから、カルボキシビニルポリマー、HPC、マクロゴールを好適に使用することができる。
こうした基剤用化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を適宜選択し組み合わせて使用してもよい。こうした基剤は、軟膏の保存性その他の製剤としての性質を決定付けるものでもある。
【0026】
カルボシキビニルポリマーは、カルボキシル基をもった水溶性のビニルポリマーであり、アクリル酸を主として、これらに少量のショ糖などを配した共重合体である。Goodrich Co. (Cleveland, Ohio, USA)によって開発され、濃化、分散および乳化剤として、934、940、および941の3つのグレードのものが市販されている。分子量は、934および940が2,000〜3,000,000、941が1,000,000〜1,500,000である。ハイビスワコー(和光純薬工業(株)製)の商品名でも市販されている。
【0027】
カルボキシビニルポリマーは、高純度、均一な品質が化粧品や医薬品の製造に良好な再現性を与えること、流動性を失わずに、高度の増粘(濃化)を示すこと、10〜70℃の温度範囲では温度の変化によって粘度が殆ど変わらないこと、エタノールおよびグリセリンに対して親和性が良いこと、バクテリアなどによる生物学的分解を受けにくいこと、適当な中和剤が用いられた場合には、広いpH範囲でゲル安定性を示すこと、そして多くの化粧品および医薬品類に用いられる原材料との親和性が高いといった特性を有する。
マクロゴールは、酸化エチレンと水との重合体であり、下記式
【0028】
【化1】
Figure 0004653893
【0029】
で表される、ポリエチレングリコールの総称である。ポリエチエレングリコール400、1500、4000、6000および20000が日本薬局方に収載されている。これらはいずれも、水、エタノール、有機溶剤に溶けやすく、400は軟膏、錠剤の基剤、乳化剤として、1500も医薬品、化粧品の基剤として用いられ、4000は固形化化粧品の可塑剤または医薬品の軟膏基剤として用いられている。マクロゴール4000と400とを半量ずつ加えて製造したものはマクロゴール軟膏と呼ばれ、水溶性の軟膏基剤として用いられている。
【0030】
HPCは、木材パルプまたはリンターパルプからアルカリセルロースを得て、酸化プロピレンを作用させて粗製HPCとし、弱残により中和した後、熱湯でゲル化精製し、乾燥、粉砕して得られる。HPCは構造中に親水基と親油基とをもち、非イオン性であるため、塩類や酸、アルカリにも安定である。水、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールを加えると、粘性の液となる。適度の界面活性があり、プロピレングリコールなどとの相溶性に優れるため、ローション、クリームなどに用いられる。
上記の基剤のうち、カルボキシビニルポリマーを使用すると、一定の幅の分子量の化合物が選択できることから、軟膏基剤となる組成物の特性を一定にしやすいという利点がある。
【0031】
また、カルボキシビニルポリマーを基剤として多量に使用すると、軟膏が酸性となって皮膚刺激性が出てくるため、使用量を製剤の総重量に対して約0.5〜約2重量%とすることが好ましい。
酸性の基剤溶水溶性高分子を使用した場合には、助剤として後述する中和剤を添加する。HPCなどの中性のものを使用する場合には、中和剤は不要である。中性の基剤用水溶性高分子は、製剤の総重量に対して5〜15重量%の量で使用することが好ましい。5重量%未満では基剤の硬度が低くなって柔らかくなりすぎ、15重量%を超えると基剤が硬すぎて塗布しにくくなるからである。約10重量%とすると、もっともよい使用感が得られる。
【0032】
炭素数2〜5の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価のアルコール、グリセリンなどの3価のアルコールなどを例示することができる。これらの多価アルコールは、単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよいが、プロピレングリコールを使用することが好ましい。プロピレングリコールは、無色透明なシロップ状の液体で、医薬品に多く用いられる有機薬品、水溶性ビタミン類、色素、香料などをよく溶かし、湿潤性があり、かつ殺菌性もある。また、医薬品などに配合するとねばっこさを残さずに皮膚を柔らげ、展性や貼着性を良くするため、軟膏基剤として好適に使用することができることによる。
【0033】
吸収促進剤は、皮膚からの主剤の吸収を高めるものをいう。本発明においては、吸収促進剤は、上述したような脂溶性の主剤と油脂性の基剤との組み合わせを用いる場合には、通常、経皮吸収製剤に使用されるものであればよく、例えば、尿素、チオ尿素などの尿素類、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1,5−ジメチルピロリドンなどのピロリドン誘導体、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプリン酸イソプロピル、カプロン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル、l−メントール、ローズマリー油、カルダモン油、バジル油、ユーカリ油、スペアミント油、ラベンダー油、イランイラン油、サンダルウッド油などの精油類、エイゾンおよびその類縁体、シクロデキストリン、チオグリコール酸カルシウムなどが挙げられる。主剤および油脂性基剤の皮膚透過性を考慮しつつ、これらとの相溶性などを勘案して適宜選択すればよい。また、水溶性の主剤と水溶性基剤との組み合わせを使用する場合には、モノテルペンと、炭素数2または3のアルコールとからなるものを使用することが主剤の経皮吸収を適度に高める点で好ましい。
【0034】
脂溶性の主剤と油脂性の基剤とを組み合わせた場合には、必要に応じて、例えば、エタノールとl−メントール、1,3−ブチレングリコールとl−メントール、エタノールとl−メントールとローズマリー油、エタノールとl−メントールとラベンダー油、エタノールとl−メントールとサンダルウッド油などを好適に使用することができる。なお、油脂性基剤の皮膚透過性が十分に高い場合には、吸収促進剤を添加する必要はない。
水溶性の主剤と水溶性基剤との組み合わせにおいて使用する炭素数2または3のアルコールとしては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどを挙げることができるが、吸収促進作用の面からエタノールが好ましく、組成物の総重量に対して5〜59重量%の量で使用することが好ましい。エタノール濃度が5重量%未満では主剤の吸収が不充分となり、59重量%を超えると皮膚への大きなダメージが出現するからである。
【0035】
モノテルペンは炭素数10のテルペン化合物の集合をいい、具体的には、ミルセン、リモネン、カンフェンなどの炭化水素類、シトロネロール、ゲラニオール、メントールなどのアルコール類、シトラール、ペリアルデヒドなどのアルデヒド類、メントン、ヨノンなどのケトン類、およびシネオールなどが含まれる。
セスキテルペンは炭素数15のテルペン化合物の集合をいい、ビサボレン、ジンギベレンなどの炭化水素類、ファルネソール、オイデスモール、セドロールなどのアルコール類、シベロンなどのケトン類、その他ヒノキ酸などが含まれる。
【0036】
ジテルペンは炭素数20のテルペン化合物の集合をいい、レチノール、フィトール、などのアルコール類、その他アビエチン酸、ピマル酸、マノイルオキシドなどが含まれる。これらのテルペンからなる群から選ばれるものとしては、d−リモネンまたはl−メントールが好ましい。
これらを使用すると、主剤の吸収増強効果が高くなること、また、清涼感があるため患者が使用するに際しても受け入れやすいという利点がある。d−リモネンおよびl−メントールの含有量は、製剤の総重量に対して、約1〜約5重量%とすることが好ましい。約1重量%未満では、主剤の吸収増強効果および清涼感ともに不充分であり、約5重量%を超えると皮膚に対して刺激性が出てくることによる。約1〜約3重量%とすることが好ましく、約2重量%とすることが、主剤の吸収増強効果と十分な清涼感が得られるという点でさらに好ましい。
【0037】
使用するエタノール濃度とテルペン濃度との組合せは、以下のようにして決定する。ここでは、エタノールとl−メントールの組合せを例にとって説明する。具体的には、ある濃度のエタノールとl−メントールとの組合せを用いて、分配パラメータであるK’値の上昇を観察する。まず、ある濃度のエタノールとl−メントールとの組合せを選択して、そのK’値を測定する。ついで、エタノールの濃度を高めていくとK’値は上昇していくが、ある濃度を超えるとK’値は上昇しなくなる。このことに基づいて、K’値の上昇が見られた組合せの中から、レボドパのドナー溶液から皮膚への分配率を考慮して、エタノール濃度とテルペン濃度の組合せを選択する。
【0038】
例えば、20重量%エタノールと1〜5重量%のl−メントールとの混合液、40重量%エタノールと1〜5重量%のl−メントール、50重量%のエタノールと1〜5重量%のl−メントールの混合液という組合せを比較したときに、20重量%のエタノールと1〜5重量%のl−メントールの組合せで得られたK’値よりも、40重量%のエタノールと1〜5重量%のl−メントールの組合せで得られたK’値が高くなっていたが、50重量%のエタノールとの組合せではK’値に上昇が見られなかったとする。この場合には、約40重量%以下のエタノールと1〜5重量%のl−メントールとの組合せが好ましいということになる。
【0039】
本発明において使用する助剤は、上述ように、酸性の水溶性基剤を用いた場合にはその中和に使用する中和剤からなる。例えば、上述のカルボキシビニルポリマーを使用した場合には、助剤は、炭素数4〜8のジアルキルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキルからなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の化合物と水とを含むことが好ましい。
炭素数4〜8のジアルキルエタノールアミンとしては、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジイソプロピルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジイソブチルエタノールアミンなどを例示することができる。
【0040】
また、炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキルとしては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチルなどを例示することができる。
基剤としてカルボキシビニルポリマーのような酸性高分子を使用した場合には、ジイソプロピルエタノールアミンと、アジピン酸ジイソプロピルと、水とを助剤として使用する。
これらの化合物は、ジイソプロピルエタノールアミンを約0.5〜約2重量%、アジピン酸ジイソプロピルを約1〜約4重量%として使用することが、カルボキシビニルポリマーの酸性を中和すること、および使用感が良く、肌になめらかなヒドロゲルが得られることから好ましい。ジイソプロピルエタノールアミンを約1重量%、アジピン酸ジイソプロピルを約2重量%で使用することがさらに好ましい。
【0041】
本発明の製剤は、主剤含有シート中に製剤の総重量に対して約0.5〜15重量%の主剤を含み、吸収促進剤−基剤含有シート中に0.5〜25重量%の水溶性基剤、10〜55重量%の吸収促進剤、および他の助剤を全体を100重量%とするに足る量含有してなる。ここで、水溶性基剤、吸収促進剤、主剤、および他の助剤は上述した通りである。
ヒドロゲル含有シートの作製を、基剤用水溶性高分子としてカルボキシビニルポリマーを、吸収増強剤としてl−メントールとエタノールとを使用して行う場合を例にとって説明する。
【0042】
所定量のカルボキシビニルポリマーを所定量の精製水と混和し、一昼夜放置する。水分を吸収してゲル状となったら、適量のプロピレングリコールとジイソプロピルエタノールアミンとアジピン酸ジイソプロピルとを混和する。
吸収促進剤として、所定量のl−メントールを含むエタノールをここに加えて混和し、ついで水を加えて再度混和して表示量となるようにする。こうした得られた基剤を上述した基剤上に塗布して、ヒドロゲル含有シートとする。なお、ヒドロゲル含有シートの基材は、主剤の吸収を効率よく行うために、主剤含有シートよりも一回り大きくしておくことが好ましい。
【0043】
主剤含有シートを、L−dopa主剤として使用して作製する場合を例にとって説明する。
所定量のL−dopaを塩酸に溶解し、この溶解液の一定量を他の容器に移し、上記の主剤含有シート用の基材に含浸させる。この主剤を−25℃のフリーザー中にて凍結させた後に、1〜2時間減圧にして乾燥し、レボドパ含有シートとする。上記のヒドロゲル含有シートとレボドパ含有シートとは、使用まで別々に遮光して保存する。
なお、油脂性基剤を使用する場合には、脂溶性の高い主剤を用いると皮膚からの吸収性を高く保つことができる。また、ステアリルアルコールなどを配合して基剤の硬度を調節することもできる。
【0044】
また、編物を吸収促進剤−基剤含有シートの基材として使用すると、追従性が高いことから製剤の適用部位が広くなるという利点がある。また、上述した吸収促進剤と基剤とを含有する組成物を後述する被覆用シートの上に展延してもよい。水溶性基剤を用いた二層型経皮吸収製剤とした場合には、上記の被覆用シートを吸収促進剤−基剤含有シート用の基材として使用するか、またはこれらのフィルムを被覆層として使用することが、吸収促進剤を含有する基剤の乾燥を防止する上で好ましい。
被覆用シートは、シートの周囲を皮膚に直接貼着させるものであるため、皮膚に対する刺激性の少ない粘着剤を皮膚との接触面に塗布したものであることが好ましい。また、空気は通すが水分は通さない素材で作られたものであることがさらに好ましい。
【0045】
被覆用シートは、このような性質を有する素材で形成されたものであれば特に限定されず、具体的には、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテート、もしくはこれらの共重合体から製造されたフィルム、シリコーン薄膜、キチン、キトサン、ウレタン、ゴアテックス(登録商標、ジャパン・ゴアテックス社)、エントラント(登録商標、東レ(株))、シンパテックス(登録商標、Sympatex Technologies GmbH)などで作られたフィルムやファブリックなどを使用することができる。
【0046】
したがって、こうしたフィルムやファブリックを被覆層として使用する場合には、主剤含有シートと吸収促進剤−基剤含有シートとを完全にカバーする大きさとするとよい。また、上記のようなフィルムやファブリックを被覆用シートとする場合には、皮膚との接触面に皮膚刺戟性が小さく、光や酸素にも安定な粘着剤が塗布されているものを好適に使用することができる。こうした粘着剤としてはアクリル系のものを挙げることができる。
被覆用シートの厚みは特に限定されないが、臨床で使用する場合には、薄く、伸縮性のよいものであることが、適用部位の動きに対する追従性がよく、また、適用部位が広くなる点で好ましい。
【0047】
吸収促進剤−基剤含有シートは、例えば、所定量のHPCを適量の水を加えてしばらく置き、ゲル状となったところに、上記のようにして割合を決定したリモネンとエタノールとを吸収促進剤として加え、必要によりさらに水を加えてヒドロゲルを調製する。こうして得られた組成物を、上述した紙もしくは布帛、またはフィルムもしくはファブリックという基材上に一定量で展延して作製する。
【0048】
以上のようにして作製した本発明の二層型経皮吸収製剤のうち、最初に主剤含有シートを図1に示すように患者の適用部位に貼付する。その上にヒドロゲル含有シートを、ヒドロゲルが主剤含有シートの基材と直接接触するように重ねる。この場合に、ヒドロゲル含有シートの基材として被覆用シートの基材を使用した場合には、上記の二つの層を重ねればよい。ヒドロゲル含有シートの基材として紙や布帛を用いた場合には、ヒドロゲル含有シートを完全に覆うことのできる大きさの被覆シートをさらに重ねて使用することにより、主剤の経皮吸収効果を一層高めることができる。
なお、本発明の二層型経皮吸収製剤は、基材の大きさを適宜変更することができるとともに、主剤の含有量も適宜調節することができるので、適用部位は特に限定されない。例えば、腕、掌、脚、足、背中、首および粘膜など、任意の部位に貼付することができる。
【0049】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが本発明は,これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)実験動物および試薬
(1)実験動物
体重300±10gのウィスター系雄性ラット(埼玉実験動物(株))を普通ケージで馴化飼育し、試験前は、水および標準固形飼料(CE−2、日本クレア(株))を自由摂取させた。薬物投与群および対象群ともに1群7匹で使用した。
【0050】
(2)試薬
HPC−H(ヒドロキシプロピルセルロース)、ハイビスワコー105、還元型グルタチオン(以下、GSHと略す。)、プロピレングリコール、エーテル、ジイソプロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、d−リモネンおよびl−メントール、エタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、塩酸、過塩素酸、オクタンスルホン酸、塩化ナトリウム、水酸化アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)、EGTA、リン酸二水素ナトリウム、トリスヒドロキシアンモニアアミノメタン(以下、「Tris」と略す。
)は、いずれも和光純薬工業(株)より購入した。
【0051】
レボドパ(L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)、ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、およびプロピレングリコールは、いずれもSigma社より購入した。また、カルボキシビニルポリマー(934、B. F. Goodrich Chemical Co., Cleveland, Ohio, USA)、ワイパーシート(タイプCR−4、日本キンバリークラーク(株)製)は以上のものを使用した。
また、α−クロラロース、ウレタン、およびDHBA(ジヒドロキシベンジルアミン)はSigmaより購入した。重水素化メタノール、重水素化クロロホルムは関東化学(株)より購入した。精製水は大塚製薬(株)より、アルミナ粒子は和光純薬工業(株)より購入した。
【0052】
(実施例2)吸収促進剤の検討
(1)吸収促進剤の組成の検討
皮膚吸収促進剤として最適なアルコール濃度を選択するために、主剤をL−dopaとした一層型の経皮吸収型ヒドロゲルを下記のように調製し、基材上に1gずつ展延した。
L−dopa、カルボキシビニルポリマー、プロピレングリコール、ジイソプロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、d−リモネンおよびl−メントール、エタノール、精製水は上述したものを使用した。
1gのカルボキシビニルポリマーを約30mLの精製水と混和し、一昼夜放置し、水分を吸収してゲル状となったところで、10gのプロピレングリコールと1gのジイソプロピルエタノールアミン、2gのアジピン酸ジイソプロピルとをここに混和した。
【0053】
以下の▲1▼〜▲4▼のいずれかの組成の吸収促進剤をこれらに添加して混和した。なお、▲1▼〜▲4▼に示す濃度はいずれも終濃度である。
▲1▼2重量%のl−メントールを含む10重量%のエタノール溶液
▲2▼2重量%のl−メントールを含む20重量%のエタノール溶液
▲3▼2重量%のl−メントールを含む30重量%のエタノール溶液
▲4▼2重量%のl−メントールを含む40重量%のエタノール溶液
▲5▼2重量%のd−リモネンを含む10重量%のエタノール溶液
▲6▼2重量%のd−リモネンを含む20重量%のエタノール溶液
▲7▼2重量%のd−リモネンを含む30重量%のエタノール溶液
▲8▼2重量%のd−リモネンを含む40重量%のエタノール溶液
【0054】
(2)in vitroにおける吸収促進剤の効果の検討
上記実施例2(1)で調製した吸収促進剤を使用した場合の効果を、in vitroにおけるL−dopaの透過量を指標として以下のように測定した。ラットの腹部の毛を電気バリカンで刈り、毛を刈った部分の皮膚全厚を摘出し、透過膜として使用した。
ウォータージャケットを備えた2−チャンバー拡散セル(有効拡散面積0.785cm、各半セル体積3.0mL)を使用した。水、▲2▼、▲4▼にL−dopaを過剰量で懸濁し、ドナーセル中に上記3種類の液を入れ、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)でレシーバーセルを満たした。いずれのセルも40℃に暖め、マグネチックスターラーでセル中の懸濁液を攪拌した。
【0055】
L−dopa懸濁液をドナーセルに入れた後、0分、30分、60分、180分の時点で、レシーバーセルから0.5mLずつ分析用試料を抜き取り、抜き出す度に等容のリン酸緩衝生理食塩水をレシーバーセルに加えた。
抜き取った各試料を、検出器としてECDを使用するHPLCで分析し、レシーバーセル中のL−dopa濃度を定量した。また、このデータを下記式(1)〜(3)に従って処理し、パラメータ解析を行った。
【0056】
<HPLC条件>
カラム:Mightysil RP−18
(粒子径5μm、内径4mm×250mm、関東化学(株)製)
移動相:12%アセトニトリル−10mMリン酸二水素ナトリウム/0.01mM EDTA(pH 3.1)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:ECD、+0.7V
【0057】
【数1】
Figure 0004653893
【0058】
【数2】
Figure 0004653893
【0059】
式(1)〜(3)中、Dは拡散定数、Lは膜の有効拡散長、Kは膜とドナー相との間の透過物の分配係数、Qは時刻tにおいてレシーバー液中に存在する透過物の蓄積量、Aは適量範囲、Cはドナー相中のL−dopaの溶解度をそれぞれ表す。
得られたL−dopaの有効拡散係数D’と有効分配係数K’に対するドナー液の影響を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004653893
【0061】
経時変化を調べたところ、図2に示すように、40%のエタノールを含有する場合に、L−dopaの皮膚透過量が大幅に高くなっていることが明らかになった。また、エタノール濃度が上がるにつれてレシーバーセル中に蓄積されたL−dopa濃度は高くなることが判明した。また、一方、表1に示すK’値を比較すると、20%エタノールとl−メントールを組み合わせた場合(▲2▼)には、後者のK’値が大きく向上していた。これに対し、40%エタノールと+2%l−メントールとを組み合わせた場合(▲4▼)には、上記20%エタノールの場合と比べて、K’の値はわずかに上昇したにすぎなかった。
以上より、吸収促進剤中のエタノール濃度の上限は40%とすることが好ましいと考えられた。このため、以下の実験で使用するエタノール濃度は40重量%に設定した。
【0062】
(実施例3)二層型製剤の作製
(1)L−dopa含有シートの作製
L−dopa含有シートは、以下のようにして作製した。レボドパを100mg/mLの濃度で、秤量皿中にて、5mol/Lの塩酸に溶解した。この塩酸溶液を2mLとり、約1×3cmの長方形に切断したワイパーシート(タイプCR−4、日本キンバリークラーク(株)製)をこの中に含浸させ、−25℃のフリーザー内において凍結させた後にデシケーター中に移し、デシケーター内の空気をアスピレーターで吸引して約2時間凍結乾燥させ、L−dopa含有シートを作製した。
L−dopa含有量は、185.1±3.4mg/シートのものを作製した。
【0063】
(3)ヒドロゲル含有シートの作製
カルボキシビニルポリマー、プロピレングリコール、ジイソプロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、d−リモネンおよびl−メントール、エタノール、精製水は上述したものを使用し、総量100gのヒドロゲルを調製した。
まず、カルボキシビニルポリマー1gを約30mLの精製水と混和し、一昼夜放置し、水分を吸収してゲル状となったところで、10gのプロピレングリコールと1gのジイソプロピルエタノールアミン、2mLのアジピン酸ジイソプロピルとをここに混和した。
【0064】
ついで、水を加えて再度混和して、2gのl−メントールまたは2gのd−リモネンを加え、エタノールをその濃度が上記の終濃度(40重量%)となるように加えてヒドロゲルを得た。クリアテープ上に1gのヒドロゲルを展延してヒドロゲル含有シートを作製した。
(4)比較用試料の調製
上記(3)と同じヒドロゲルの組成を有し、主剤であるレボドパも一緒に加えた一層型経皮吸収製剤を調製した。
【0065】
(実施例4)L−dopa含有シートの安定性試験
(1)L−dopa含有シート中のL−dopa含量の検討
上記の各サンプリング時間に、実施例3で調製したL−dopa含有シートを10枚ずつ遮光箱から取り出して分析に供した。シート1枚を0.2mol/L濃度の過塩素酸100mL中に入れて、分析用の10試料とし、マグネチックスターラーを用いてこれらの溶液を1時間攪拌してシートからL−dopaを浸出させた。10,000×gで、10分間、4℃にて遠心した。このようにして得た試料を、検出器としてECDを用いて、以下のHPLC条件で定量した。
【0066】
<L−dopa分析用HPLC条件>
カラム:Wakosil II 5C18HG
(粒径5μm、4.6mm×25cm、和光純薬工業(株)製)
移動相:100mmol/Lのリン酸二水素ナトリウム(NaHPO)/0.01mmol/LのEDTA−2Na/100mg/Lの1−オクタンスルホン酸(pH3.5)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ECD電圧:+0.7V
サンプル注入量:100μL
【0067】
図3に示すように、製造当日におけるL−dopa含有シート中のL−dopaの含量は、平均185.1±3.4mg/シートであり、L−dopa含有シート調製後12週目のシート中のL−dopa含量は調製当日(0週)の95.3%であった。このことから、L−dopa含有シート中のL−dopaの含量は調製後12週までほぼ一定であることが示された。
【0068】
(2)シートの色調の変化
実施例3で製造したL−dopa含有シートおよび比較用シートを各24枚ずつ、遮光箱に入れて、室温で保持し、0週、2週、6週および12週間後におけるシートの変色を肉眼で観察した。また、肉眼観察と同時に、上記のように調製したL−dopa含有シートを各サンプリング時間に10枚ずつとり、シート中のL−dopaの含量の変化を検討した。
またシートの色も、全観察期間を通して白色のままであった(表2)。このことから、シート中のL−dopaまたはL−dopaブチルエステルは、遮光し室温にて保存した場合には、少なくとも12週間は安定であることが示された。
【0069】
【表2】
Figure 0004653893
【0070】
実施例4で製造した一層型製剤については、調製当日、1日目、2日目、5日目、7日目および14日目の正常の変化を肉眼で観察した。結果を表3および図6に示す。一層型のL−dopa含有ヒドロゲル製剤も二層型の製剤と同様に遮光箱中に入れ、色の変化を観察した。表3に示すように、室温で保存すると7日目でL−dopaを含有するヒドロゲルは濃い褐色に変わり、14日目にはほぼ黒くなった。
以上により、一層型の経皮吸収製剤に比べて、二層型の経皮吸収製剤の方がより保存安定性が高いことが示された。
【0071】
【表3】
Figure 0004653893
【0072】
(実施例)L−dopa静脈内投与後の血中プロファイルの検討
(1)L−dopaの静脈内投与
8匹のラットを1群4匹の2群に分けてエーテル麻酔し、左頚静脈に0.2mol/LのEGTAを溶解した生理食塩水を満たしたポリエチレンチューブ(PE−50)をカニューレーションした。この経路を介して、生理食塩水を0.1mg/kg体重/分で注入し、深麻酔と固定のためにウレタン(500mg/kg体重)とα−クロラロース(70mg/kg体重)とを投与した。
2.5mg/mLのL−dopaの生理食塩水溶液を、このカニューレから投与した。その後、自由呼吸の確保のために挿管した。
【0073】
採血の30分前に、ラットの左大腿部動脈に、0.2mol/LのEGTAを含むリン酸緩衝生理食塩水を満たしたポリエチレンチューブ(PE−50)をカニューレーションした。L−dopaを単回静脈内投与し、投与後、0分(投与前)、5分、15分、25分、37.5分、52.5分に、0.2mol/LのEGTAと0.2mol/Lの還元型グルタチオンとを含む40μLの溶液を入れたチューブを氷中におき、ここの採取した血液を集めた(Eriksson and Persson, 1982)。失血によって誘導されるアミンの生理学的な濃度変化を避けるために、採血量は2mL以内とした。
【0074】
(2)L−dopaの血中濃度測定
上記のように採血した試料を、1,700×gで10分間、4℃にて遠心し、L−dopaを静脈内投与したラットの血漿を得た。エリクソンらの方法(Eriksson and Persson, J. Chromatogr., 228:143-154(1982))に従って、精製アルミナを用いて前処理を行った。
アルミナは以下のようにして精製した。100gのアルミナを2mol/Lの過塩素酸500mLを含むビーカーに加え、95℃で加熱しながら45分間、羽根付きスターラーで激しく攪拌し、微細分を含む上清を捨てた。
沈殿物を、95℃の2mol/Lの過塩素酸500mLで再度15分間処理し、微細物を含む上清を捨て、500×250mmのガラスカラムに沈殿物を移し代えた。溶出液のpHが3.5になるまでカラムを水洗し、アルミナをビーカーに移し、120℃で1時間、ついで200℃で2時間加熱し、デシケーター中に乾燥状態で保存した。
【0075】
次いで、エリクソンらの方法に基づいて、血液サンプルを以下のように処理した。20μLのEGTA(抗凝固剤)と0.2mol/LのGSH(抗酸化剤)とを含む冷却した試験管中に血液を採取した。この試験管を4℃にて、1,000×gで5分間遠心し、血漿を分離して分析まで−70℃で保存した。
容量4mLの遠心管中に2mLの血漿サンプルを移し、ここに50μLのGSH(0.05mol/L)、50μLのEDTA(0.3mol/L、pH7)および20mgの上記のように処理したアルミナを加えた。
この遠心管をボルテックスしながら、0.2mLのトリスバッファー(1mol/L、pH8.6)を加え、ロータリーミキサーにかけて10〜30分間攪拌した。0.1mol/Lのカテコールアミンの過塩素酸溶液をストック溶液として、これを希釈して、2pmol/Lおよび20pmol/Lのカテコールアミンとし、対照として使用した。いずれのサンプルにも内部標準としてDHBAを添加した。
【0076】
遠心管の内壁に付着しているアルミナ粒子を振盪によって管の底に落とし、上清を捨てた。EDTA溶液(3mol/L、pH7)とともに数秒間混合し、アルミナを洗浄した。この操作を3回繰り返した。次いで、1,700×gで10分間、4℃にて遠心し、余分な液を捨てた。150μLの過塩素酸(0.2mol/L)で1分間ボルテックスしてアルミナから、レボドパを溶出させた。
以上のようにアルミナから遊離させた化合物を、Sudoらの方法(Biol. Pharm. Bull. 18(4)610‐614(1995))に従って、実施例5に記載した条件で逆相HPLCを行い、電気化学的に定量した。
【0077】
(3)測定結果
L−dopaの血漿中濃度(単位:ng/mL)の経時的変化(単位:分)を図4に示した。L−dopaは、最初の測定点である投与5分後が最高濃度(664.0±59.7ng/mL)であり、時間の経過と共に次第に低下した。
【0078】
(実施例6)L−dopa経皮吸収後の血中プロファイルの検討
(1)L−dopaの経皮吸収
上記実施例2に記載したと同様に、ラットを麻酔し、深麻酔および固定のためにウレタン等を注入し、自由呼吸の確保のために気管に挿管した。その後、ラットの腹部の毛を電気バリカンで刈り、ガラス製のセル(内径1.13cm、上記ヒドロゲルの接触面積1cm2、高さ1cm)を、毛を刈った腹部皮膚上に乗せて接着剤(シアノアクリルタイプ、アロンアルファ A;三共(株)製)、生理食塩水(対照群)または上記のL−dopaを含有するヒドロゲル(投与群)で満たし、パラフィルムで覆った。
この後、0分、30分、60分、および180分の4点において、上記実施例2と同様に採血して各化合物の定量を行い、L−dopaおよびその代謝物の血中プロファイルを検討した。
【0079】
測定結果を図5に示す。対照群の血漿中L−dopa濃度は実験期間中、変化は見られなかった。一方、L−dopa含有ヒドロゲル投与群は投与後、L−dopa濃度は30分でピークとなり、その後低下するが、180分の時点でも25ng/mL以上の値を示した(図5参照)。
以上より、L−dopaを経皮吸収させると、急激な血中濃度の上昇もなく、L−dopaは一定範囲の血中レベルで推移することが示された。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、保存安定性に優れた二層型の経皮吸収製剤が提供される。
本発明の二層型経皮吸収製剤では、主剤とヒドロゲルとが保存中に接触しないため、製剤の調製後長期間を経過しても、製剤の変色という好ましくない状態の発生を防止することができる。また、本発明の二層型の経皮吸収製剤は、患者の体表面における所望の部位に適用することができ、特に追従性のよい基材を使用するとさらに適用可能な部位を広げることができる。
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二層式経皮吸収製剤を皮膚表面に適用した状態を示す図である。
【図2】 皮膚吸収促進剤中のアルコール濃度とL−dopaのin vitroにおける皮膚透過量との関係を示す図である。
【図3】 L−dopa含有シート中のL−dopaの安定性を示す図である。
【図4】 L−dopaを静脈内投与したときの血漿中のL−dopa濃度の経時変化を示す図である。
【図5】 L−dopaを経皮吸収させたときの血漿中のL−dopa濃度の経時変化を示す図である。
【図6】 一層型の経皮吸収製剤の変色を示す図である。

Claims (8)

  1. 水溶性の主剤であるL−dopaの吸収を促進する、d−リモネン及びl−メントールからなる群から選ばれる精油と、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれるアルコールからなる吸収促進剤と;カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース及びマクロゴールからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の水溶性の基剤;とを含有する吸収促進剤−基剤含有シートと、
    主剤であるL−dopaを乾燥した固体状態で含有する主剤含有シートと、
    を含み、
    前記主剤を乾燥した固体状態で含有し、適用部位への貼付時に前記吸収促進剤−基剤含有シートと接触する主剤含有シートと;
    を含む二層型経皮吸収製剤。
  2. 前記主剤含有シートが、製剤の総重量に対して0.5〜15重量%の前記主剤と、前記主剤を含有させるための紙または布帛から選ばれる基材とからなるものであり;前記吸収促進剤−基剤含有シートが、(a)エタノールとl−メントール、及び(b)エタノールとd−リモネンからなる群から選ばれる吸収促進剤と水溶性の基剤、及びこれらを担持するための担持基材とを含むものである請求項1に記載の二層型経皮吸収製剤。
  3. 前記主剤含有シート中に製剤の総重量に対して0.5〜15重量%の主剤を含み、前記吸収促進剤−基剤含有シート中に、0.5〜25重量%の前記水溶性の基剤、10〜55重量%の前記吸収促進剤、全体を100重量%とするのに必要な量の他の助剤を含有してなる請求項1又は2に記載の二層型経皮吸収製剤。
  4. 前記他の助剤は、炭素数4〜8のジアルキルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキルの少なくとも一方と、水とからなる請求項3に記載の二層型経皮吸収製剤。
  5. 前記他の助剤は、少なくとも1種以上の炭素数2〜5の多価アルコールをさらに含む請求項3又は4に記載の二層型経皮吸収製剤。
  6. 前記担持基材は、紙、布帛、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテートまたはこれらの共重合体、キチン、キトサン、豚皮、シリコーン薄膜およびポリビニルピロリドン架橋物からなる群から選ばれるものである請求項2に記載の二層型経皮吸収製剤。
  7. 被覆用シートをさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の二層型経皮吸収製剤。
  8. 前記被覆用シートは、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテートまたはこれらの共重合体、キチン、キトサン、豚皮、シリコーン薄膜およびポリビニルピロリドン架橋物からなる群から選ばれるものである請求項7に記載の二層型経皮吸収製剤。
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