JP2001131085A - 経皮・経粘膜吸収用の医薬組成物 - Google Patents

経皮・経粘膜吸収用の医薬組成物

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JP2001131085A
JP2001131085A JP2000253522A JP2000253522A JP2001131085A JP 2001131085 A JP2001131085 A JP 2001131085A JP 2000253522 A JP2000253522 A JP 2000253522A JP 2000253522 A JP2000253522 A JP 2000253522A JP 2001131085 A JP2001131085 A JP 2001131085A
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alkyl group
hydrogen atom
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alkyl
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JP2000253522A
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Hiromi Hatano
弘美 秦野
Akihisa Kuwabara
明央 桑原
Hitoshi Yamauchi
仁史 山内
Masaki Hagiwara
昌樹 萩原
Masaji Ogawa
正司 小川
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Fuji Chemical Industries Co Ltd
Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経皮・経粘膜吸収用の医薬組成物を提供する 【解決手段】 経皮又は経粘膜投与のための医薬組成物
であって、下記の成分: (1)下記の一般式(I):Y-L-Tyr-Q-N(R1)-CH(R2)-CO-X〔R
1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2は置換基を
有することもあるベンジル基を示し;QはD-Arg又はL-Ar
gを示し;YはL-TyrのN-末端アミノ基の2個の水素原子
又はこれ(ら)が置換されたC1-6アルキル基、C1-6アル
キルカルボニル基などを示し;Xは-OR5(R 5は水素原子
又はC1-6アルキル基)などを示す〕で表わされる化合物
又はその塩であるペプチド化合物;及び(2)アルコール
類、高級アルカン類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステ
ル類、テルペン類などから選ばれる1種又は2種以上の
吸収促進剤を含む医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鎮痛作用を有する
ペプチド化合物又はその塩を有効成分として含み、経皮
又は経粘膜的に鎮痛作用を発揮する医薬組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】モルヒネ等のオピオイドが結合するオピ
オイド受容体を介して鎮痛作用を発揮する鎮痛性のペプ
チド化合物(オピオイドペプチドとも呼ばれる)が知ら
れており、モルヒネよりも強力な鎮痛作用を有するペプ
チド化合物が多数提案されている。従来、このような鎮
痛性ペプチド化合物は経口吸収性に乏しく、また、副作
用や採算性の問題を有していることから、臨床への応用
が困難であると考えら得てきたが、優れた鎮痛効果と経
口吸収性を兼ね備えた鎮痛性ペプチド化合物が提案され
ており(例えば、国際公開WO95/24421及び国際公開WO97
/10261など)、臨床への応用が期待されている。
【0003】一方、薬物を経皮や経粘膜的に吸収させて
全身循環系への薬物送達を制御する新しい投与剤型が知
られている。経皮又は経粘膜的に薬物を投与することに
よって、注射時の疼痛を回避し、あるいは消化管吸収に
よる薬効発現の遅延や初回通過効果による薬効のばらつ
きを回避することができ、薬効発現に応じて投与量を容
易に調節できるとともに、投与中止により速やかに薬効
を消失させることができるので、安全で患者への負担の
少ない方法として注目されている。
【0004】従来、経皮治療システム(Transdermal Th
erapeutic System)として、フランドルテープS(トー
アエイヨー社・山之内製薬株式会社)やニトロダームTT
S(日本チバガイギー株式会社)等の製品が実用化され
ている。鎮痛性ペプチド化合物については、エンケファ
リン誘導体DADLE(Tyr-D-Ala-Gly-L-Phe-D-Leu-OH)に
ついて胆汁酸塩で鼻粘膜からの吸収が促進されることが
報告されいている(薬物送達技術の新展開、169頁の表3
0、東レリサーチセンター)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明の課題は、経皮又は経粘膜的にペプチド
化合物を全身投与するための医薬を提供することにあ
る。本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行
った結果、下記の式(I)で表わされるペプチド化合物と
特定の吸収促進剤とを含む医薬を用いることにより、該
ペプチド化合物を経皮又は経粘膜的に効率的に体内に輸
送することができ、疼痛治療などが可能になることを見
出した。さらに、本発明の方法によれば、該ペプチド化
合物の鎮痛作用が有効に持続できる。本発明はこれらの
知見を基にして完成されたものである。
【0006】すなわち本発明は、経皮又は経粘膜投与の
ための医薬組成物であって、下記の成分: (1)一般式(I): Y-L-Tyr-Q-N(R1)-CH(R2)-CO-X 〔式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2
置換基を有することもあるベンジル基を示し;QはD-Arg
又はL-Argを示し;YはL-TyrのN-末端アミノ基の2個の
水素原子又はこれ(ら)が置換された置換基を示し、該
置換基は(2個の場合はそれぞれ独立に)以下の群:ア
ミノ基を有することもあるC1-6アルキル基、カルボキシ
ル基を有することもあるC1-6アルキル基、アミノ基を有
することもあるC1-6アルキルカルボニル基、アルキル基
を有することもあるスルホニル基、置換基を有すること
もあるピリミジル基、置換基を有することもあるイミダ
ゾリニル基、下記の式で表わされる基: HN=C(R3)- (式中、R3は水素原子、C1-6アルキル基、置換基を有す
ることもあるフェニル基、置換基を有することもあるヒ
ドロキシアミノ基、又は置換基を有することもあるヒド
ラジノ基を示す)、及び下記の式で表わされる基: HN=C(NH-R4)- (式中、R4は水素原子、C1-6アルキル基、置換基を有す
ることもあるアリール基、置換基を有することもあるC
1-6アルカノイル基、又は置換基を有することもあるア
リールカルボニル基を示す)から選ばれる置換基であ
り、Xは-OR5(式中、R5は水素原子又はC1-6アルキル基
を示す)、-N(R6)(R7)(式中、R6は水素原子又はC1-6
ルキル基を示し、R7はC1-6ヒドロキシアルキル基又はス
ルホン酸置換C1-6アルキル基を示し、あるいはR6及びR7
が一緒になってそれらが置換する窒素原子と共に5又は
6員含窒素飽和複素環基を示す)、又は-N(R8)-C(R9)(R
10)(R11)(式中、R8は水素原子、C1-6アルキル基、又は
アリール置換C1-6アルキル基を示し、R9は水素原子、カ
ルボキシル基、C1-16アルコキシカルボニル基、置換基
を有することもあるカルバモイル基、カルボキシC1-6
ルキル基、置換基を有することもあるカルバモイルC1-6
アルキル基、又はC1-16アルコキシカルボニルC1-6アル
キル基を示し、R10は水素原子、C1-6アルキル基、アミ
ノC1-6アルキル基、アミジノC1-6アルキル基、グアニジ
ノC1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、カルボ
キシC1-6アルキル基、又は置換基を有することもあるカ
ルバモイルC1-6アルキル基を示し、あるいはR8及びR10
が一緒になってR8が置換する窒素原子と共に5又は6員
のカルボキシ置換含窒素飽和複素環基を示し、R11は水
素原子又はC1-6アルキル基を示す)を示す〕で表わされ
るペプチド化合物又はその塩;及び(2)アルコール類、
高級アルカン類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル
類、テルペン類、アルキル硫酸エステル類、アルキルア
ミンオキシド類、ピロリドン類、包接形成化合物類、胆
汁酸塩類、サポニン類、及び多価アルコール類からなる
群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤を含む医
薬組成物を提供するものである。
【0007】この発明の好ましい態様として、モノテル
ペン類、炭素数6〜18の飽和又は不飽和脂肪酸類、及び
一価又は多価アルコールと炭素数6〜24の脂肪酸とから
なる高級脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる1種
又は2種以上の吸収促進剤を含み、経皮投与に用いるた
めの上記医薬組成物;吸収促進剤がl-メントール、d-リ
モネン、オレイン酸、及びミリスチン酸イソプロピルか
らなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤で
ある、経皮投与に用いるための上記医薬組成物;多価ア
ルコールと炭素数6〜24の脂肪酸とからなる高級脂肪酸
エステル類、シクロデキストリン類、モノテルペン類、
トリテルペン類、コール酸塩類、サポニン類、鎖状テル
ペンアルコール類、及び二価又は三価のアルコール類か
らなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤を
含み、経粘膜投与に用いるための上記医薬組成物;吸収
促進剤がショ糖脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピル-
β-シクロデキストリン、グリチルレチン酸、コール酸
ナトリウム、キラヤサポニン、α-テルピネオール、ゲ
ラニオール、及びプロピレングリコールからなる群から
選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤である、経粘膜
投与に用いるための上記医薬組成物が提供される。
【0008】別の観点からは、上記の医薬をヒトを含む
哺乳類動物に経皮又は経粘膜的に投与する方法、上記医
薬組成物をヒトを含む哺乳類動物に経皮又は経粘膜的に
投与する工程を含む鎮痛方法、及び上記医薬組成物の製
造のための上記式(I)で表わされる化合物又はその塩の
使用が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】QはD-Arg(D-アルギニン残基)又
はL-Arg(L-アルギニン残基)を意味し、R1は水素原子
又はC1-6(炭素数1〜6個の)アルキル基を意味する。こ
れらのうち、QがD-Argであり、R1が水素原子である場合
が好ましい。本明細書において、アルキル基又はアルキ
ル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基など)のアル
キル部分としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれ
らの組み合わせのいずれでもよい。C1-6アルキル基とし
ては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ
ソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、sec-ブ
チル基、tert-ブチル基、シクロプロピルメチル基、シ
クロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキ
シル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
【0010】本明細書において、ある官能基について
「置換基を有していてもよい」という場合には、その置
換基について特に言及しない場合には、その官能基が1
又は2個以上の任意の置換基を有していてもよいことを
意味する。2個以上の置換基を有する場合には、それら
は同一でも異なっていてもよい。置換基の存在位置は限
定されず、置換可能な任意の部位に存在することができ
る。
【0011】置換基の種類は特に限定されないが、水酸
基、アミノ基、メルカプト基、シアノ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、モノアルキルアミノ基、ジアル
キルアミノ基、アンモニウム基、イミノ基、シアノ基、
ニトロ基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドラジノ
基、ウレイド基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C2-6
アルケニル基、C2-6アルキニル基、C6-10アリール基、C
1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6アルキル
スルホニルアミノ基、C6-10アリールスルホニルアミノ
基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテ
ロ環基、C6-10アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、C
6-10アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、C 7-10アラルキ
ル基、ヘテロ環アルキル基、C7-10アラルキルオキシ
基、ヘテロ環アルキルオキシ基、C2-6アルコキシカルボ
ニル基、C6-10アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環
オキシカルボニル基、C2-6アルキルカルボニル基、C
6-10アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基、C
2-6アルキルカルボニルオキシ基、C6-10アリールカルボ
ニルオキシ基、ヘテロ環カルボニルオキシ基、C2-6アル
キルカルボニルアミノ基、C6-10アリールカルボニルア
ミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、C6-10アリールス
ルホニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C6-10アリ
ールスルフィニル基、C2-6アルキルアミノカルボニル
基、C6-10アリールアミノカルボニル基、C1-6アルキル
アミノスルホニル基、又はC6-10アリールアミノスルホ
ニル基などを挙げることができる。
【0012】また、上記に例示した置換基はさらに1又
は2個以上の他の置換基で置換されていてもよい。この
ような例として、例えばC1-6ヒドロキシアルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6ヒドロキシアルキルオ
キシ基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化アルキルカ
ルボニル基などを挙げることができる。もっとも、上記
に説明した置換基は例示のためのものであり、これらに
限定されることはない。
【0013】R2は置換基を有することもあるベンジル基
を示す。R2が示すベンジル基のフェニル基上の置換基と
しては、例えば、C1-6アルキル基、置換基を有すること
もあるアミノ基、置換基を有することもあるグアニジル
基、水酸基などを挙げることができる。R2としては無置
換ベンジル基が好ましい。
【0014】YはL-TyrのN-末端アミノ基の2個の水素原
子を示すか、又はこれら2個の水素原子のうちの1個若
しくは2個の水素原子が置換された置換基を示す。2個
の水素原子が置換されている場合には、置換基は上記の
群からそれぞれ独立に選ばれ、それらは同一でも異なっ
ていてもよい。Yが示すC1-6アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピルメチ
ル基などが好適である。Yが示すC1-6アルキル基がアミ
ノ基又はカルボキシル基を有する場合の例として、例え
ば、H2N-CH2-、H2N-(CH2)2-、HOOC-CH2-、HOOC-(CH2)2-
などの基を挙げることができる。Yが示すC1-6アルキル
カルボニル基がアミノ基を有する場合の例として、例え
ば、H2N-CH2-CO-、H2N-(CH2)2-CO-などを挙げることが
できる。C1- 6アルキル基を有するスルホニル基の例とし
ては、例えば、CH3SO2-などの基を挙げることができ
る。
【0015】Yが示すピリミジル基及びイミダゾリニル
基としては、それぞれ2-ピリミジル基及び2-イミダゾリ
ン-2-イル基などを好適に用いることができる。ピリミ
ジル基又はイミダゾリニル基は置換基を有していてもよ
いが、置換基としてC1-6アルキル基などを用いることが
できる。例えば、置換ピリミジル基としては4,6-ジメチ
ル-2-ピリミジル基などを挙げることができ、置換イミ
ダゾリニル基としては4-メチル-2-イミダゾリン-2-イル
基などを挙げることができる。
【0016】R3が示すC1-6アルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、又はn-プロピル基などが好適
であり、メチル基が特に好ましい。R3が示すフェニル
基、ヒドロキシアミノ基(HO-NH-)、又はヒドラジノ基(H
2N-NH-)は無置換のものを好適に用いることができる
が、例えば1個又は2個以上のC1-6アルキル基により置
換されたものを用いてもよい。R4が示すアリール基とし
てはフェニル基などを挙げることができ、アルカノイル
基としてはアセチル基又はプロパノイル基などを挙げる
ことができ、アリールカルボニル基としてはベンゾイル
基などを挙げることができる。フェニル基としては無置
換フェニル基が好ましい。
【0017】なお、Yが2個の水素原子を示すか、又はY
のうち1個が水素原子であり他の1個が上記置換基であ
ることが好ましい。また、Yが2個とも上記置換基、例
えば同一又は異なるC1-6アルキル基である場合も好まし
い。yが示す2個の置換基が共にメチル基であることが
特に好ましい。
【0018】Xは-OR5、-N(R6)(R7)、又は-N(R8)-C(R9)
(R10)(R11)のいずれかを示す。R5は水素原子又はC1-6
ルキル基を示し、R6は水素原子又はC1-6アルキル基を示
す。R7はC1-6ヒドロキシアルキル基又はスルホン酸置換
C1-6アルキル基を示すが、水酸基又はスルホン酸基はア
ルキル基のいかなる位置に置換していてもよい。例え
ば、末端に水酸基又はスルホン酸基が置換したアルキル
基が好ましい。R6及びR7が一緒になってそれらが置換す
る窒素原子と共に5又は6員含窒素飽和複素環基を示す
場合には、該複素環基は環構成原子として2個以上の窒
素原子を含んでいてもよく、窒素原子以外のヘテロ原子
(酸素原子、硫黄原子など)を環構成原子として含んで
いてもよい。複素環基の例として、1-ピペラジニル基、
1-ピロリジニル基、又は1-ピペリジニル基などを挙げる
ことができる。
【0019】R8が示すアリール置換C1-6アルキル基とし
ては、例えばベンジル基などを用いることができる。R8
及びR10が一緒になってR8が置換する窒素原子と共に5
又は6員のカルボキシ置換含窒素飽和複素環基を示す場
合には、該複素環基は環構成原子として2個以上の窒素
原子を含んでいてもよく、窒素原子以外のヘテロ原子
(酸素原子、硫黄原子など)を環構成原子として含んで
いてもよい。複素環基の例として、例えば、2-カルボキ
シ-1-ピロリジニル基(Pro-OH)や3-カルボキシ-1-ピペリ
ジニル基などを挙げることができる。R9がカルボキシメ
チル基又はカルバモイルメチル基であり、R10が水素原
子である組み合わせが好ましい。
【0020】上記の式(I)で表わされる化合物は、L-Tyr
(L-チロシン残基)及びQが示すD-Arg又はL-Arg残基に由
来する2個の不斉炭素のほか、Qに結合するフェニルア
ラニン残基に由来する不斉炭素、R9及びR10が置換する
不斉炭素(ただしR9及びR10が同一の置換基を示す場合
を除く)を有しており、上記の各置換基及びYにも1又
は2個以上の不斉炭素を有する場合がある。L-Tyr、D-A
rg、及びL-Arg残基に存在するもの以外の不斉炭素はR-
又はS-のいずれの配置でもよい。本発明の医薬の有効成
分としては、任意の光学活性体、ラセミ体、光学活性体
又はジアステレオ異性体の任意の混合物を用いてもよ
い。
【0021】本発明の医薬組成物には、上記の式(I)で
表わされる化合物の生理学的に許容される塩を用いるこ
とができる。塩の種類は特に限定されないが、例えば、
塩酸塩、酢酸塩、又はp-トルエンスルホン酸塩などの酸
付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩などの
塩基付加塩、アミノ酸塩などを用いることができる。ま
た、任意の水和物又は溶媒和物を本発明の医薬の有効成
分として用いてもよい。さらに、上記の式(I)で表わさ
れる化合物の2量体ないし多量体、又はこれらの化合物
のC-末端とN-末端が結合した環状の化合物など、生物学
的に等価な化合物を本発明の医薬の有効成分として用い
てもよい。
【0022】上記の式(I)で表わされる化合物は、国際
公開WO95/24421、国際公開WO97/10261に製造方法が示さ
れている。また、これらの化合物の鎮痛作用についても
上記刊行物に具体的に示されているので、当業者はこれ
らの刊行物に記載された方法に従って式(I)に包含され
る化合物を製造することができ、その鎮痛作用を確認す
ることが可能である。国際公開WO95/24421、国際公開WO
97/10261の全ての開示を本明細書の開示として含める。
【0023】式(I)で表わされる化合物のうち、下記の
化合物は本発明の医薬組成物の有効成分として好まし
く、化合物1及び化合物2がより好ましく、化合物2が
特に好ましい。 化合物1:R1が水素原子であり、R2が無置換ベンジル基
であり、QがD-Argであり、YがL-Tyrのアミノ基上に置換
した1個のNH=C(NH2)-であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHで
ある化合物; 化合物2:R1が水素原子であり、R2が無置換ベンジル基
であり、QがD-Argであり、YがL-Tyrのアミノ基上に置換
した1個のメチル基であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHであ
る化合物; 化合物3:R1が水素原子であり、R2が無置換ベンジル基
であり、QがD-Argであり、YがL-Tyrのアミノ基上に置換
した1個のHN=C(CH3)-であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHで
ある化合物;及び 化合物4:R1が水素原子であり、R2が無置換ベンジル基
であり、QがD-Argであり、YがL-Tyrのアミノ基上に置換
した1個のメチル基であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COO(CH2)
7CH3である化合物。
【0024】本発明の医薬組成物には、吸収促進剤とし
て、アルコール類、高級アルカン類、高級脂肪酸類、高
級脂肪酸エステル類、テルペン類、アルキル硫酸エステ
ル類、アルキルアミンオキシド類、ピロリドン類、包接
形成化合物類、胆汁酸塩類、サポニン類、及び多価アル
コール類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の物
質を配合する。アルコール類としては、エタノール、イ
ソプロパノール、デカノール、ステアリルアルコールな
どを挙げることができ、高級アルカン類としては、n-ヘ
プタン、n-ドデカンなどを挙げることができる。高級脂
肪酸類としては、炭素数6〜18の飽和又は不飽和脂肪酸
類が好ましく、より具体的には、カプリン酸、オレイン
酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、又はそれ
らの塩などを挙げることができる。
【0025】高級脂肪酸エステル類としては、一価アル
コール又は多価アルコールと炭素数6〜24の脂肪酸との
エステル類が好ましい。一価アルコールと脂肪酸とのエ
ステル類としては、例えば、カプリル酸エステル、カプ
リン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸
エステル、ミリスチン酸エステルなどを用いることがで
き、より具体的には、カプリル酸エチル、カプリン酸エ
チル、ミリスチン酸イソプロピルなどを挙げることがで
きる。また、多価アルコールと脂肪酸とのエステル類と
しては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステルなどを用いることができ、より具体的には、モ
ノカプロン酸グリセリン、モノカプリル酸グリセリン、
モノカプリン酸グリセリン、ショ糖パルミチン酸エステ
ル、ショ糖ステアリン酸エステルなどを挙げることがで
きる。
【0026】テルペン類としては、モノテルペン類、鎖
状テルペンアルコール類、トリテルペン類などを挙げる
ことができる。モノテルペン類としては、例えば、シネ
オール、l-メントール、メントン、d-リモネン、ネロリ
ドール、α−テルピネオールなどを挙げることができ、
鎖状テルペンアルコール類としてはゲラニオールなどを
挙げることができ、トリテルペン類としてはグリチルレ
チン酸を挙げることができる。アルキル硫酸エステル類
としては、タウリル硫酸ナトリウムなどを挙げることが
でき、アルキルアミンオキシド類としては、アルキルジ
メチルアミンオキシドなどを挙げることができ、ピロリ
ドン類としてはN-メチル-2-ピロリドンなどを挙げるこ
とができる。
【0027】包接形成化合物類としてはシクロデキスト
リン類を挙げることができ、例えば、α-シクロデキス
トリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-
β-シクロデキストリン(HP-β-シクロデキストリン)な
どを挙げることができる。胆汁酸塩類としてはコール酸
塩類を挙げることができ、コール酸塩類としてはコール
酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコ
ール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロ
グリココール酸ナトリウムなどを挙げることができる。
サポニン類としては、キラヤサポニン、茶の実サポニン
などを挙げることができ、多価アルコール類としては、
二価又は三価のアルコール類を用いることができ、例え
ば、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリ
コールなどを挙げることができる。もっとも、吸収促進
剤として利用可能な物質は上記に例示した化合物に限定
されることはない。吸収促進剤の配合量は特に限定され
ないが、例えば、組成物重量に対して0.001〜60重量
%、より好ましくは0.1〜40重量%程度である。
【0028】経皮吸収用の医薬に配合するための吸収促
進剤としては、例えば、l-メントール、d-リモネン、オ
レイン酸、又はミリスチン酸イソプロピルなどが好適で
あり、経粘膜吸収用の医薬に配合するための吸収促進剤
としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル類、ヒドロキ
シプロピル-β-シクロデキストリン、グリチルレチン
酸、コール酸ナトリウム、キラヤサポニン、α−テルピ
ネオール、ゲラニオール、プロピレングリコールなどが
好適である。
【0029】本発明の医薬は、上記の式(I)で表わされ
る化合物又はその塩を組成物重量に対して0.001〜40重
量%程度含む水溶液の形態で提供されてもよいが、基剤
などを用いてゲル状又は粘稠な溶液状の形態としてもよ
く、あるいはパップ剤などの形態で提供されてもよい。
本発明の医薬の形態として、経皮吸収用組成物の場合に
は、例えば、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、パ
ップ剤、プラスター剤、リザーバー型貼付剤、マトリッ
クス型貼付剤、テープ剤などを挙げることができ、経粘
膜用組成物の場合には、例えば、溶液剤、軟膏剤、トロ
ーチ剤、舌下剤、口腔錠、バッカル剤、粘膜付着性製剤
などを挙げることができる。もっとも、本発明の医薬の
形態はこれらに限定されることはない。溶液剤を用いる
場合には、皮膚などに溶液を保持するためのリザーバー
を使用することが好ましい。
【0030】また、本発明の医薬を経粘膜投与に用いる
場合には、口腔、眼、鼻腔、呼吸器、直腸、膣、子宮な
どの粘膜に対して適用可能な形態として調製することが
望ましい。経粘膜投与に適する医薬として、例えば、特
開昭62-195336号公報、特開平3-209327号公報、特公平5
-22685号公報、特開平6-107557号公報、特公平7-53671
号公報、特開平8-183741号公報などに記載された医薬が
知られているので、これらの刊行物に記載された医薬の
形態を適宜採用することが可能である。
【0031】本発明の医薬には、その形態に応じて、医
薬の製造に通常用いられる製剤用添加物を適宜配合する
ことができる。その種類は特に限定されないが、例え
ば、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、増粘剤、エ
タノールなどの有機溶媒、界面活性剤などを例示するこ
とができる。その配合量も特に限定されず、製剤形態に
応じて適宜の量を選択することが可能である。
【0032】本発明の医薬を経粘膜用組成物として用い
る場合には、基剤として水溶性高分子を配合することが
好ましい。このような形態の医薬は、ゲル状又は粘稠な
溶液状を呈する。例えば、水溶性高分子が中性高分子、
カチオン性高分子、及び両性高分子からなる群から選ば
れる水溶性高分子が好適であり、これらのうち中性高分
子及びカチオン性高分子からなる群から選ばれる水溶性
高分子がより好ましい。より具体的には、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリアクリルアミド、及びアクリルアミドとアクリ
ル酸又はその塩との共重合体等が挙げられる。また、本
発明の医薬を経皮吸収用組成物として用いる場合にも、
基剤として水溶性高分子を配合することが好ましい場合
もあり、水溶性高分子としては上記に例示したものが好
適である。水溶性高分子は基剤として2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 製剤例1:経皮吸収用貼付剤 ヒドロキシエチルセルロース2重量%を精製水62重量%に
膨潤させ、これにプロピレングリコール30重量%、オレ
イン酸5重量%、及び化合物2を1重量%混合した液を加
え、十分撹拌してゲル剤を得た。次に、こうして得られ
たゲル剤4.0 gを、感圧接着面となる周辺部にアクリル
系粘着剤を積奏させたポリエチレン系フイルムよりなる
支持体と薬物放出層(多孔性膜)とからなる薬物貯蔵層
に封入し、感圧接着面に剥離ライナーであるポリエチレ
ンテレフタレートフイルムを装着することにより、リザ
ーバー型の貼付剤を得た。
【0034】製剤例2:経粘膜吸収用粘膜付着剤 プロピレングリコール10重量部、ヒドロキシエチルセル
ロース10重量部、エタノール20重量部を混合し、ペース
ト状とした後、化合物2を1重量部加え、再度混合して
これを厚み120μmとなるように紙セパレーター上に展
延、乾燥して薬物含有層を形成した。さらに、この薬物
含有層の片面にヒドロキシプロピルセルロースとヒマシ
油のエタノール溶液を厚み30μmとなるように塗布、乾
燥して支持体層を形成し、二層の積層体を得た。これを
直径10 mmの円形に打ち抜き、粘膜付着製剤を得た。
【0035】試験例1:経粘膜吸収性試験 ブタ口腔の摘出粘膜を37℃の水を循環させた縦型拡散セ
ル(フランツ型拡散セル、適用面積:0.95 cm2)をはさ
み、レシーバー側にリン酸緩衝生理食塩水(pH 7.4) 4 m
lを入れ、マグネティックスターラーにより撹拌した。
ドナー側に各試料500μlを適用し、レシーバー中の溶液
を経時的に採取して、その中の薬物濃度をHPLCにより測
定して皮膚を透過した薬物量を測定した。薬物として
は、化合物2の酢酸塩を薬物濃度 2 mg/mlで用い、溶媒
としてはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ポリエチレン
グリコール(PG)を用い、一部の試験においてはモノヤ
シ油脂肪酸POE(20)ソルビタン(TL-10、日光ケミカル
製)を配合した。
【0036】吸収促進剤を用いた場合の48時間累積透過
率は、グリチルレチン酸(5%, 0.1% TL-10含有PBS)30.
8%、コール酸ナトリウム(1%, PG)32.2%、キラヤサポ
ニン(2.5%, PG)61.0%、α-テルピネオール(5%, PB
S)23.4%、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
(1%, 0.1% TL-10含有PBS)41.7%、ショ糖パルミチン酸
エステル(5%, PG)77.2%、ゲラニオール(5%, 0.1% TL
-10含有PBS)37.8%、ショ糖ステアリン酸エステル(5%,
PG)74.0%、ショ糖ステアリン酸エステル(5%, PBS)3
6.3%、ショ糖パルミチン酸エステル(5%, PBS)28.1%、
及びプロピレングリコール24.3%であった。対照として
用いたPBSは4.1%、TL-10は4.9%であり、上記の吸収促進
剤はいずれも化合物2の経粘膜吸収を促進していた。ま
た、いずれの吸収促進剤を用いた場合にも、ラットの有
効血中濃度(100 ng/ml)を維持できる透過速度(10μg/cm
2/hr)が達成された。
【0037】試験例2:経粘膜吸収性試験 上記例1と同様にして化合物2(フリー体)を用いて、
薬物濃度を2 mg/mlとして20時間の経粘膜吸収性を評価
した。吸収促進剤を用いた場合の対コントロール(PB
S)値(促進率)は、(1)ヒドロキシプロピル-β-シクロ
デキストリン(1%)+ショ糖パルミチン酸エステル(1%)+
PG(97.8%) 3.3倍、(2) ヒドロキシプロピル-β-シクロ
デキストリン(1%)+グリチルレチン酸(1%)+PG(97.8%)
2.4倍、(3) ショ糖パルミチン酸エステル(1%)+α-テル
ピネオール(1%)+PG(97.8%) 2.1倍、(4) ヒドロキシプ
ロピル-β-シクロデキストリン(1%)+ゲラニオール(1%)
+PG(97.8%) 2.1倍、(5) グリチルレチン酸(1%)+キラ
ヤサポニン(1%)+PG(97.8%) 2.0倍であった。
【0038】試験例3:経皮吸収性試験 ヘアレスマウス(Hr-/Kud系、雌性、8〜10週齢、九道株
式会社)を頚椎脱臼により屠殺後、速やかに腹部皮膚を
所定の大きさに切り取り、皮下脂肪層を除去してインタ
クト皮膚を得た。あらかじめ37℃にしておいたセル〔KH
2.0(横型):有効面積0.6 cm2、容量2.0 ml〕に皮膚を
はさみ、真皮層側セルにレシーバー液3.0ml、角質層側
セルにドナー液2.0 mlを満たし、5w/v%の吸収促進剤の4
0%ポリエチレングリコール400(PEG400)溶液をドナー液
に加え、同量の40%ポリエチレングリコール400をレシー
バー液に加えて皮膚透過実験を行った。
【0039】被検薬物としては化合物1(酢酸塩)を用
い、所定の時間間隔でレシーバー液100μlを採取し、同
量のレシーバー液を戻した。採取した試料に同量の0.05
%トリフルオロ酢酸を加え、攪拌・遠心分離(15,000 rp
m, 5℃, 15 min)の後、上澄み液をHPLCにより定量して
被検薬物の累積透過量を求めた。結果を図1に示す。l-
メントール(L-M)、d-リモネン(D-LN)、オレイン酸
(OA)、及びイソプロピルミリスチン酸(IPM)はいず
れも対照(吸収促進剤無添加)に比べて吸収を促進して
いた。
【0040】試験例4:経粘膜吸収性試験 化合物2(フリー体)100 mgにヒドロキシプロピル-β-
シクロデキストリン(1%)+ショ糖パルミチン酸エステル
(1%)+PG(98%)からなる溶媒を添加し約5 gの投与液を得
た。ペントバルビタール麻酔下に体重約10 Kgの雌ビー
グル犬(8ヶ月齢)の左右の頬粘膜に固定した半径0.5 cm
の円形セル内に投与液を各250μl(1頭あたり500μl)
添加し、シートで密閉した。投与24時間後までペントバ
ルビタールの追加投与により麻酔を維持し、投与24時間
後にセル内の投与液を回収した後、セル内、及び粘膜上
を洗浄した。投与30時間後まで経時的に静脈血約1mlを
採血し、遠心分離して得られた血漿中の薬物濃度を測定
した。対照として、化合物2(フリー体)の等張リン酸
緩衝溶液をペントバルビタール麻酔下に体重約10 Kgの
雌ビーグル犬(8ヶ月齢)の背部皮下に2 mg/body投与した
後の血漿中濃度を測定した。
【0041】結果を図2に示す。化合物2(フリー体)1
0 mg経粘膜投与後、及び2 mg皮下投与後の血中濃度−時
間曲線下面積(AUC)は、それぞれ1460 ng・hr/ml、1
050 ng・hr/mlであり、各血中濃度−時間曲線下面積の比
較から算出される経粘膜投与時のバイオアベイラビリテ
ィは28%であった。以上より、化合物2はペプチドであり
ながら粘膜からの吸収が高く、かつ血中濃度が持続的で
あることより、粘膜投与製剤により有効かつ持続的な鎮
痛効果が期待できる。
【0042】
【発明の効果】本発明の医薬は経皮又は経粘膜的に投与
することができ、優れた鎮痛効果を発揮するので、癌疼
痛管理などにおいて薬物治療のコンプライアンスを高め
るとともに、患者のQOLを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の医薬の経皮吸収性を示した図であ
る。図中、L-Mはl-メントール、D-LNはd-リモネン、OA
はオレイン酸、IPMはミリスチン酸イソプロピルを示
す。
【図2】 本発明の医薬の経粘膜吸収性を示した図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/18 A61K 47/20 47/20 47/22 47/22 47/26 47/26 47/28 47/28 47/40 47/40 A61P 29/00 A61P 29/00 A61K 37/02 (72)発明者 桑原 明央 埼玉県春日部市南栄町8番地1 埼玉第一 製薬株式会社内 (72)発明者 山内 仁史 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 萩原 昌樹 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 小川 正司 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA06 AA09 AA11 AA16 AA36 AA49 AA72 BB31 CC01 DD34N DD37N DD38N DD41N DD45N DD46N DD49N DD55N DD60N DD69N DD70N EE39N FF34 4C084 AA02 BA01 BA08 BA15 BA23 CA59 DC50 MA05 MA63 NA14 ZA081 ZA082

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経皮又は経粘膜投与のための医薬組成物
    であって、下記の成分: (1)下記の一般式(I): Y-L-Tyr-Q-N(R1)-CH(R2)-CO-X 〔式中、R1は水素原子又はC1-6アルキル基を示し;R2
    置換基を有することもあるベンジル基を示し;QはD-Arg
    又はL-Argを示し;YはL-TyrのN-末端アミノ基の2個の
    水素原子又はこれ(ら)が置換された置換基を示し、該
    置換基は(2個の場合はそれぞれ独立に)以下の群:ア
    ミノ基を有することもあるC1-6アルキル基、カルボキシ
    ル基を有することもあるC1-6アルキル基、アミノ基を有
    することもあるC1-6アルキルカルボニル基、アルキル基
    を有することもあるスルホニル基、置換基を有すること
    もあるピリミジル基、置換基を有することもあるイミダ
    ゾリニル基、下記の式で表わされる基: HN=C(R3)- (式中、R3は水素原子、C1-6アルキル基、置換基を有す
    ることもあるフェニル基、置換基を有することもあるヒ
    ドロキシアミノ基、又は置換基を有することもあるヒド
    ラジノ基を示す)、及び下記の式で表わされる基: HN=C(NH-R4)- (式中、R4は水素原子、C1-6アルキル基、置換基を有す
    ることもあるアリール基、置換基を有することもあるC
    1-6アルカノイル基、又は置換基を有することもあるア
    リールカルボニル基を示す)から選ばれる置換基であ
    り、Xは-OR5(式中、R5は水素原子又はC1-6アルキル基
    を示す)、-N(R6)(R7)(式中、R6は水素原子又はC1-6
    ルキル基を示し、R7はC1-6ヒドロキシアルキル基又はス
    ルホン酸置換C1-6アルキル基を示し、あるいはR6及びR7
    が一緒になってそれらが置換する窒素原子と共に5又は
    6員含窒素飽和複素環基を示す)、又は-N(R8)-C(R9)(R
    10)(R11)(式中、R8は水素原子、C1-6アルキル基、又は
    アリール置換C1-6アルキル基を示し、R9は水素原子、カ
    ルボキシル基、C1-16アルコキシカルボニル基、置換基
    を有することもあるカルバモイル基、カルボキシC1-6
    ルキル基、置換基を有することもあるカルバモイルC1-6
    アルキル基、又はC1-16アルコキシカルボニルC1-6アル
    キル基を示し、R10は水素原子、C1-6アルキル基、アミ
    ノC1-6アルキル基、アミジノC1-6アルキル基、グアニジ
    ノC1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、カルボ
    キシC1-6アルキル基、又は置換基を有することもあるカ
    ルバモイルC1-6アルキル基を示し、あるいはR8及びR10
    が一緒になってR8が置換する窒素原子と共に5又は6員
    のカルボキシ置換含窒素飽和複素環基を示し、R11は水
    素原子又はC1-6アルキル基を示す)を示す〕で表わされ
    るペプチド化合物又はその塩;及び(2)アルコール類、
    高級アルカン類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル
    類、テルペン類、アルキル硫酸エステル類、アルキルア
    ミンオキシド類、ピロリドン類、包接形成化合物類、胆
    汁酸塩類、サポニン類、及び多価アルコール類からなる
    群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤を含む医
    薬組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R1が水素原子であ
    り、R2が無置換ベンジル基であり、QがD-Argであり、Y
    がL-Tyrのアミノ基上に置換した1個のNH=C(NH2)-であ
    り、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHである化合物;R1が水素原子
    であり、R2が無置換ベンジル基であり、QがD-Argであ
    り、YがL-Tyrのアミノ基上に置換した1個のメチル基で
    あり、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHである化合物;R1が水素原
    子であり、R2が無置換ベンジル基であり、QがD-Argであ
    り、YがL-Tyrのアミノ基上に置換した1個のHN=C(CH3)-
    であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHである化合物;若しくは
    R1が水素原子であり、R2が無置換ベンジル基であり、Q
    がD-Argであり、YがL-Tyrのアミノ基上に置換した1個
    のメチル基であり、Xが-N(CH3)CH2CH2COO(CH2)7CH3であ
    る化合物、又はそれらの塩を含む請求項1に記載の医薬
    組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、R1が水素原子であ
    り、R2が無置換ベンジル基であり、QがD-Argであり、Y
    がL-Tyrのアミノ基上に置換した1個のメチル基であ
    り、Xが-N(CH3)CH2CH2COOHである化合物を含む請求項1
    に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 吸収促進剤がモノテルペン類、炭素数6
    〜18の飽和又は不飽和脂肪酸類、及び一価又は多価アル
    コールと炭素数6〜24の脂肪酸とからなる高級脂肪酸エ
    ステル類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸
    収促進剤であり、経皮投与に用いるための請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 吸収促進剤がl-メントール、d-リモネ
    ン、オレイン酸、及びミリスチン酸イソプロピルからな
    る群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進剤である
    請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 吸収促進剤が多価アルコールと炭素数6
    〜24の脂肪酸とからなる高級脂肪酸エステル類、シクロ
    デキストリン類、モノテルペン類、トリテルペン類、コ
    ール酸塩類、サポニン類、鎖状テルペンアルコール類、
    及び二価又は三価のアルコール類からなる群から選ばれ
    る1種又は2種以上の吸収促進剤であり、経粘膜投与に
    用いるための請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    医薬組成物。
  7. 【請求項7】 吸収促進剤がショ糖脂肪酸エステル、ヒ
    ドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グリチルレ
    チン酸、コール酸ナトリウム、キラヤサポニン、α-テ
    ルピネオール、ゲラニオール、及びプロピレングリコー
    ルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸収促進
    剤である請求項6に記載の医薬組成物。
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