JP4652034B2 - チオエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬及び農薬等として、あるいはこれらの中間体として有用な芳香族チオエーテル化合物の製造方法に関する。
4位に脂肪族チオ基が置換したフェノール又はナフトール化合物は写真用カプラー、写真用添加剤、医薬及び農薬として、あるいはこれらの中間体として有用であり、例えば、フェノール又はナフトール化合物と非対称ジスルフィドとの反応により合成する方法(特許文献1参照)が知られているが、4位に置換する脂肪族チオ基の原料となる非対称ジスルフィドは脂肪族チオールから2〜3工程で新たに合成する必要があり、安価な製造方法の開発が望まれている。
一方、4位にハロゲン原子が置換したナフトール化合物に脂肪族チオールと反応させる方法が特許文献2、非特許文献1で提案若しくは記載されているが、反応収率が低く、更なる反応率の向上が求められていた。
従って、脂肪族チオールを用いて安価、簡便で高収率な製造方法の開発が望まれていた。
また、グリーンケミストリーの観点からも、出来るだけ反応における廃棄物の量を低減することが求められている。
特開平1−186858号公報 特開平1−186859号公報 Organic Letters, 第2巻 ,2351ページ(2000年)
本発明は、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬及び農薬等として、あるいはこれらの中間体として有用な芳香族チオエーテルの製造方法に対し、前記の問題点の克服及び社会的な要請に答え、安価、簡便で高収率な製造方法、特に脂肪族チオールにより4位に脂肪族チオ基が置換したフェノール又はナフトール化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、安価、簡便な製造方法を開発すべく、4位に導入する脂肪族チオ基の原料に脂肪族チオールを使用し、鋭意検討を行った結果、以下の手段で、上記課題が解決できることを見出した。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物と、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸及びトリヨードイソシアヌル酸から選択される化合物を用いて、下記一般式(2)で表される化合物を製造した後、得られた前記一般式(2)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物とを塩基存在下で反応させ、下記一般式(4)で表される化合物を得ることを特徴とするチオエーテル化合物の製造方法。
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、R1は置換基を表し、R2は脂肪族基を表し、n1は0から4の整数を表し、X1は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。ただし、R1は水酸基に対してパラ位に存在することはない。また、n1が2以上の場合に、複数のR1は互いに同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。
<2> 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であり、前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>に記載の製造方法。
一般式(5)、(6)及び(7)中、R1及びR3は置換基を表し、R2は脂肪族基を表し、n2は0から2の整数を表し、X1は塩素原子又は臭素原子又はヨウ素原子を表し、Z1は環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、R1は水酸基に対してパラ位に存在することはない。また、n2が2の場合には、2つのR1は互いに同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成してもよい。
<3> 前記一般式(2)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物を塩基存在下で反応させ下記一般式(4)で表される化合物を得る工程、又は前記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物を塩基存在下で反応させ下記一般式(7)で表される化合物を得る工程において、
水及び/又はアルコール類を1vol%以上含有する溶媒中で反応させることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の製造方法。
本発明により、写真用カプラー、写真用添加剤、医薬及び農薬等として、あるいはこれらの中間体として有用な芳香族チオエーテルを簡便かつ高収率で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本明細書においてまず、脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基を意味する。アルキル基は直鎖でも分岐でもよく、また環状(シクロアルキル基、多環式飽和炭化水素基)であってもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は直鎖でも分岐でもよく、また環状(シクロアルケニル基、非芳香族で環中に少なくとも一つの二重結合を有す多環式不飽和炭化水素基)であってもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は直鎖でも分岐でもよく、また環状(シクロアルキニル基、非芳香族で環中に少なくとも一つの三重結合を有す多環式不飽和炭化水素基)であってもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。
なお、置換アルキル基の中でもアリール基が置換したアルキル基はアラルキル基とも称され、置換アルキル基の中の好ましい基の一つである。該アラルキル基はアルキル部位やアリール部位に置換基を有してもよく、以下に説明する置換アルキル基、置換アリール基における置換基がそのまま適用される。
置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。〕、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表わす。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
本明細書において置換基は、先に置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基における置換基として挙げた置換基が挙げられる。
次に上記一般式(1)から一般式()で表される化合物について説明する。
なお、一般式(5)で表される化合物は一般式(1)で表される化合物の好ましい化合物であり、一般式(6)で表される化合物は一般式(2)で表される化合物の好ましい化合物であり、一般式(7)で表される化合物は一般式(4)で表される化合物の好ましい化合物である。
1は置換基を表し、これらは置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基で挙げた置換基が挙げられる。
1として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基である。
より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基である。
更に好ましいR1は、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
最も好ましいR1はカルバモイル基である。また、2つ以上のR1が結合してベンゼン環を形成することも好ましく、環を形成する場合には一般式(5)で表される化合物となることが更に好ましい。
なお、これらの各基はさらに置換基を有してもよい。かかる置換基としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基における置換基として挙げた置換基が挙げられる。
1がカルバモイル基の場合、より好ましくは、アルキルカルバモイル基、ジアルキルカルバモイル基、アシルカルバモイル基であり、これらのアルキル基は更に置換基を有していてもよい。無置換のアルキルカルバモイル基又はジアルキルカルバモイル基としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基が好ましい。置換のアルキルカルバモイル基又はジアルキルカルバモイル基としては、アルコキシアルキルカルバモイル基、フェノキシアルキルカルバモイル基、N−アルキル−N’− アルコキシアルキルカルバモイル基が好ましく、該フェノキシ基には更に置換基を有しても良い。
また、n1が2以上の場合には、2以上のR1はそれぞれ異なっていても同一であっても良い。
1は水酸基に対してパラ位に存在することはない。n1が1の場合には、R1は、2−位に存在することが好ましく、n1が2の場合には、2,3−位、又は2,5−位に存在することが好ましい。
2は脂肪族基を表し、これらは前に述べた通りである。
好ましいR2は炭素数1〜12の脂肪族基である。
より好ましいR2は、炭素数1〜12の無置換アルキル基、次の置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基である。該置換基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シアノ基、置換又は無置換のアリール基(置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基が挙げられる。)、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、シリルアルキニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基である。
更に好ましいR2は、炭素数1〜12の無置換アルキル基、又はカルボキシル基、アルコキシカルボニル基が置換した炭素数1〜12のアルキル基である。
最も好ましいR2は、炭素数1〜12のカルボキシル基が置換したアルキル基である。
1は塩素原子又は臭素原子又はヨウ素原子を表し、好ましくは塩素原子又は臭素原子であり、最も好ましくは塩素原子である。
1は0から4の整数であり、好ましくは0〜3であり、更に好ましくは1〜3である。
次に、一般式(5)から一般式(7)で表される化合物について説明する。
1は環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、これらは更に他の環が縮合していてもよく、また置換基で置換されていてもよい。Z1としては例えば、芳香族環、ヘテロ環、脂肪族環を形成するのに必要な原子群である。以下にZ1により形成された環についてさらに説明する。
好ましい芳香族環としては炭素数6から40の、更に好ましくは炭素数6から20の、更に好ましくは炭素数6から12の置換もしくは無置換の芳香族環であり、ベンゼン環及びナフタレン環が特に好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。芳香族環の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルケニル基における置換基として挙げた置換基が挙げられる。また、好ましいヘテロ環(好ましくはヘテロ芳香環)としては5又は6員の炭素数3から40の、更に好ましくは炭素数3から20の、更に好ましくは炭素数3から12の置換もしくは無置換のヘテロ環であり、フラン、ピロール、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンの各環が好ましく、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ピリジンの各環が更に好ましい。ヘテロ環の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルケニル基における置換基として挙げた置換基が挙げられる。好ましい脂肪族環の例としては、炭素数6から40の、更に好ましくは炭素数6から20の、更に好ましくは炭素数6から12の置換もしくは無置換の脂肪族環であり、シクロヘキセン環及びシクロペンテン環が特に好ましく、シクロヘキセン環が最も好ましい。Z1として更に好ましくはベンゼン環及び5又は6員のヘテロ環(ヘテロ環の中でもヘテロ芳香族環が好ましい)であり、更に好ましくはベンゼン環及び6員のヘテロ芳香族であり、最も好ましくはベンゼン環である。
3は置換基を表し、これらは置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基において挙げた置換基が挙げられる。
好ましいR3はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基である。
より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基である。
更に好ましいR3はアルキル基、アルケニル基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基である。
最も好ましいR3は、アルコキシカルボニルアミノ基である。アルコキシカルボニルアミノ基のアルコキシ基は、炭素数1〜10が好ましく、より好ましくは1〜6であり、更に好ましくは2〜4である。アルコキシカルボニルアミノ基のうち、特に好ましくは、2−メチルプロポキシカルボニルアミノ基である。
これらの各基はさらに置換基で置換されてもよい。
2はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基を表す。アルキルスルホニルオキシ基の場合、該アルキル基の水素原子はハロゲン原子で置換されていても良く、例えば、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基を挙げることができる。
2は、好ましくはハロゲン原子であり、更に好ましくは臭素原子、塩素原子又はヨウ素原子である。最も好ましいX2は臭素原子又は塩素原子である。
2は0から2の整数を表し、好ましくは0又は1である。
以下に本発明の一般式(1)、一般式(5)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
以下に本発明の一般式(2)、一般式(6)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
以下に本発明の一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
以下に本発明の一般式(4)、一般式(7)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
以下に、本発明の製造方法を詳細に説明する。
一般式(1)又は(5)で表される化合物から、一般式(2)又は(6)で表される化合物を得る第一反応工程について説明する。
一般式(1)又は(5)で表される化合物は公知であり、市販されているものも多く、必要によっては特開昭62−123157号公報に記載の方法に準じて容易に合成することができる。
該反応工程では、一般式(1)又は(5)で表される化合物を、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸及びトリヨードイソシアヌル酸から選択されるハロゲン化剤を用いて、ハロゲン化するものである。
上記ハロゲン化剤の使用量は、一般式(1)、(5)で表される化合物1モルに対して、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントインを用いる場合は、好ましくは0.5〜3.0モル、更に好ましくは0.5〜1.0モル、最も好ましくは0.5〜0.55モルの範囲である、ハロゲン化剤の使用量が0.5モルより少ないと、ハロゲン化が不十分となり、3.0モルより多いと、生成物の着色増加となることがある。
トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸又はトリヨードイソシアヌル酸を用いる場合は、好ましくは0.3〜2.0モル、更に好ましくは0.3〜1.0モル、最も好ましくは0.3〜0.35モルの範囲である。ハロゲン化剤の使用量が0.3モルより少ないと、ハロゲン化が不十分となり、2.0モルより多いと、生成物の着色増加となることがある。
溶媒として例えば水、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、炭化水素系溶媒(例えばキシレン、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール)を単独、あるいは混合して使用するのが好ましい。
反応温度は、−10〜150℃が好ましく、より好ましくは0〜100℃、更に好ましくは10〜80℃の反応温度の範囲である。
反応時間は、5分〜24時間が好ましく、より好ましくは30分〜6時間の範囲にて行う。
得られた一般式(2)又は(6)で表される化合物は、単離精製するか、又は精製せずそのまま次の反応工程で使用する。
次に一般式(2)又は(6)で表される化合物から一般式(4)又は(7)で表される化合物を合成する第二反応工程を説明する。
該反応工程においては、一般式(2)又は(6)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を塩基存在下で反応させる。
使用する塩基は無機塩基(例えば水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム)、有機塩基(例えばトリエチルアミン、ピリジン)いずれでも良いが、好ましくは無機塩基であり、より好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物や炭酸カリウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸水素塩であり、更に好ましくは金属水酸化物であり、更に好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムである。また、これらは溶媒(例えば水、メタノール)などに溶解しているものを用いても良い。
塩基の使用量は、一般式(1)又は(5)で表される化合物(一般式(2)又は(6)で表される化合物を単離生成して使用する場合は、一般式(2)又は(6)で表される化合物)1モルに対して、好ましくは1.0〜20.0モル、更に好ましくは1.1〜6.0モルの範囲である。塩基の使用量が1.0モルより少ないと収率が低下し、20.0モルより多いと、フェノール性水酸基の解離により反応収率が低下することがある。
反応は、無溶媒あるいは溶媒として例えば水、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、炭化水素系溶媒(例えばキシレン、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ペンタン)、ハロゲン系溶媒(例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール)を単独、あるいは混合して用いるのが好ましい。
この反応では、水及び/又はアルコール類を体積比で1%以上含有する溶媒で反応することが、塩基や一般式(3)で表される化合物の溶解の点から好ましい。水とアルコール類とを両方を併用しても、どちらか一方のみを用いてもよい。水及び/又はアルコール類は上記溶媒と併用しても良く、その合計は混合溶媒に対して体積比で1〜100%であり、好ましくは3〜60%、更に好ましくは3〜30%、最も好ましくは5〜20%である。
反応温度は、−30〜200℃が好ましく、より好ましくは−10〜150℃、更に好ましくは0〜110℃の反応温度の範囲であり、反応時間は、5分〜24時間が好ましく、より好ましくは5分〜8時間の反応時間の範囲である。
該反応工程には金属触媒を使用することは任意であるが、好ましくは金属触媒の存在下に行う。これらの金属触媒としては、3族〜14族の金属原子を含む化合物が好ましく、更に好ましくは、これらの第4周期〜第6周期の金属原子を含む化合物であり、最も好ましくは8族〜12族、かつ第4周期〜第6周期の金属原子を含む化合物である。
具体的に好ましいものは、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、イリジウムの各塩化物等の塩、硫化物、酸化物、水酸化物、錯体、及び金属の単体が挙げられ、このうち、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛が好ましく、これらのハロゲン化物(特に好ましくは沃化物)が好ましい。より好ましくはハロゲン化銅であり、ハロゲン化銅(I)が更に好ましく、沃化銅(I)が最も好ましい。なお、金属触媒の金属は同一
金属のなかでも酸化状態の低いものが好ましい。
金属触媒の使用量は、一般式(1)又は(5)で表される化合物(一般式(2)又は(6)で表される化合物を単離生成して使用する場合は、一般式(2)、(6)で表される化合物)1モルに対して、好ましくは0〜3モル、更に好ましくは0〜0.1モルであり、特に好ましくは0.00001〜0.1モルの範囲である。金属触媒の使用量が3モルより多いと、収率が低下し、さらには生成物との分離が困難となることがある。
以下に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例1〜6及び比較例1〜2に記載の原料(B−28、B−17、B−41、B−38、A−31)は、特開昭62−123157号公報に記載の方法に準じて合成した。
<実施例1>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−27)を合成した。
炭酸水素ナトリウム12.6g、エチレングリコール20mlを入れた3ツ口フラスコに、DMF80mlに溶解させた15.3gの例示化合物(B−28)を加え、次いで例示化合物(C−32)17.6gを滴下し、内温40℃でそのまま2時間攪拌した。その後、水120mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−27)19.6g得た(収率88%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、98.7%との結果を得た。
HPLC条件:カラム:ODS−80TM(TOSOH製)
溶離液:メタノール/水=90/10
(Et3N、CH3CO2Hを各0.1質量%含む)
検出波長:254nm
流量:1ml/min
<実施例2>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−13)を合成した。
3ツ口フラスコに入れたIPA(イソプロパノール)120mlへ炭酸ナトリウム7.9gを溶解し、次いで例示化合物(B−17)15.1gを加えた。さらに例示化合物(C−14)6.9gを滴下し、内温60℃でそのまま4時間攪拌した。その後、水150ml、濃塩酸12ml、酢酸エチル100mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−13)13.3g得た(収率85%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、99.3%との結果を得た。
<実施例3>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−42)を合成した。
例示化合物(B−41)20.7g、沃化銅64.8mgを入れた3ツ口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)150mlを加え、30mlの水に溶解させた11.8gの炭酸カリウムを添加し、次いで例示化合物(C−12)13.0gを滴下し、内温30℃でそのまま4時間攪拌した。その後、水150ml、酢酸エチル100mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−42)21.6g得た(収率96%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、99.0%以上との結果を得た。
<実施例4>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−40)を合成した。
市販の水酸化カリウム48質量%水溶液140.2gを入れた3ツ口フラスコに、例示化合物(C−11)63.7gを滴下し、次に例示化合物(B―38)を122g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)150ml、トルエン150mlを添加した。その後、昇温して内温を80℃とし、3時間攪拌した。水300mlと濃塩酸60mlを添加して抽出した。得られた有機層を水300mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−40)129.1g得た(収率95%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、99.0%以上との結果を得た。
<実施例5>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−39)を合成した。
例示化合物(A−31)19.62g、トルエン200mlを入れた3ツ口フラスコに1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)5.3gを加えて、内温30℃でそのまま2時間攪拌した。その後、水を200mlを加えて抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで2回洗浄した。得られた有機層からトルエン150mlを減圧留去し、例示化合物(A−31)の4−Cl体である例示化合物(B−39)を得た。
このようにして得た例示化合物(B−39)に、N,N−ジメチルアセトアミド150ml、炭酸カリウム11.8gを加え、次いで例示化合物(C−12)14.0gを滴下し、内温30℃でそのまま4時間攪拌した後、水150ml、酢酸エチル100mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−39)22.7g得た(収率94%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、99.0%以上との結果を得た。
<実施例6>
下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−40)を合成した。
例示化合物(A−31)23.1g、トルエン200mlを入れた3ツ口フラスコに1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMH)4.0gを加えて昇温し、内温70℃で3時間攪拌した。その後、水を100mlを加えて抽出し、この有機層をさらに水100mlで2回洗浄した。得られた有機層からトルエン160mlを減圧留去し、例示化合物(A−31)の4−Cl体である例示化合物(B−38)を得た。
このようにして得た例示化合物(B−38)に、N,N−ジメチルアセトアミド40mlを加えて溶解した。次に、48.5質量%水酸化カリウム水溶液13.88gと例示化合物(C−11)6.4gの混合物を添加して昇温し、内温70℃で4時間攪拌した。その後、水150ml、濃塩酸15ml、酢酸エチル100mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−40)25.1g得た(収率92%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、99.0%以上との結果を得た。
<比較例1>
特開平1−186859号公報に記載の方法に準じて、下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−40)を合成した。
3ツ口フラスコに例示化合物(B―38)を122g、N,N−ジメチルアセトアミド150ml、トルエン150mlを入れ、次いで例示化合物(C−11)63.7g、水酸化カリウム68.0gを添加した。その後、昇温して内温を80℃とし、3時間攪拌した。水300mlと濃塩酸60mlを添加して抽出した。得られた有機層を水300mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−40)88.3g得た(収率65%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、98.0%以上との結果を得た。本発明の方法と比較して収率が大幅に低下した。
<比較例2>
特開昭62−123157号公報に記載の方法に準じて合成中間体(B−38)を経由することで、下記式に基づき、本発明の例示化合物(D−39)を合成した。
例示化合物(A−31)19.62g、トルエン200mlを入れた3ツ口フラスコに塩化スルフリル2.8mlを滴下し、内温30℃でそのまま2時間攪拌した。その後、重曹6.0gを溶かした水を200ml滴下し、有機層を抽出した。得られた合成中間体(B−38)を含む有機層をさらに水150mlで2回洗浄した。次に、有機層からトルエン150mlを減圧留去し、例示化合物(A−31)の4−Cl体である例示化合物(B−38)を得た。
このようにして得た例示化合物(B−38)に、N,N−ジメチルアセトアミド150ml、炭酸カリウム11.8gを加え、次いで例示化合物(C−12)14.0gを滴下し、内温30℃でそのまま4時間攪拌した。その後、水150ml、酢酸エチル100mlを添加して抽出した。得られた有機層をさらに水150mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで目的の例示化合物(D−39)12.5g得た(収率52%)。このものの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定したところ、98.6%以上との結果を得た。本発明の方法と比較して収率が大幅に低下した。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸及びトリヨードイソシアヌル酸から選択される化合物を用いて、下記一般式(2)で表される化合物を製造した後、得られた前記一般式(2)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物とを塩基存在下で反応させ、下記一般式(4)で表される化合物を得ることを特徴とするチオエーテル化合物の製造方法。

    一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、R1は置換基を表し、R2は脂肪族基を表し、n1は0から4の整数を表し、X1は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。ただし、R1は水酸基に対してパラ位に存在することはない。また、n1が2以上の場合に、複数のR1は互いに同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であり、
    前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であり、
    前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

    一般式(5)、(6)及び(7)中、R1及びR3は、置換基を表し、R2は、脂肪族基を表し、n2は0から2の整数を表し、X1は、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Z1は環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、R1は水酸基に対してパラ位に存在することはない。また、n2が2の場合には、2つのR1は互いに同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成してもよい。
  3. 前記一般式(2)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物を塩基存在下で反応させ下記一般式(4)で表される化合物を得る工程、又は前記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(3)で表される化合物を塩基存在下で反応させ下記一般式(7)で表される化合物を得る工程において、
    水及び/又はアルコール類を1vol%以上含有する溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
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