JP4651517B2 - タマゴサラダの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大変好ましい卵風味を有し、また、加熱凝固卵の卵白部がソフトな食感を有するタマゴサラダを大量に生産することができるタマゴサラダの製造方法に関する。
茹で卵の截断物をマヨネーズ等で和えたいわゆるタマゴサラダは、茹で卵に由来する卵風味とマヨネーズ等の酸味が調和した大変人気のある料理であり、近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜等としての需要も増加している。
このようなタマゴサラダは、従来より、惣菜工場等で食品加工装置を用いて大量生産が行われている。その代表的な製造方法としては、まず、殻付き生卵をボイル槽等で茹でて冷却した後に脱殻装置を用いて殻剥きして茹で卵を製し、これを截断機で截断して製した茹で卵の截断物を、混合機を用いてマヨネーズ等と混合するものである。しかしながら、このような食品加工装置を用いて大量生産したタマゴサラダは卵風味が乏しいという問題があり、改善が望まれていた。
そこで、本発明者等は、好ましい卵風味を有するタマゴサラダを食品加工装置により大量に生産する技術を開発するため、まず、従来の大量生産方法において卵風味が乏しいものとなってしまう原因を究明することを試みた。そして、従来の脱殻装置を用いた殻剥き工程においては、卵殻の混入を防ぐために殻剥き後の茹で卵表面に付着した卵殻を水で洗い流す作業が避けられないが、この際、水との接触により茹で卵の成分が流出してしまうことが原因ではないかと推察した。そこで、このような表面に付着した卵殻を水で洗い流す作業が避けられない茹で卵をタマゴサラダの原料として用いるのではなく、割卵機を用いて割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を原料として用いることを試みたところ、卵風味の点からある程度改善効果が得られたものの充分に満足できるものではなかった。
割卵したホール生卵の加熱凝固卵としては、特開平8−228721号公報(特許文献1)に、複数個の卵殻を除いた生卵を同時に、全卵のまま、または卵白と卵黄を別々に、各々形を整えてまたは整えずに、湿熱加熱して茹で卵様加熱卵を製し、これをタマゴサラダ等の原料として用いることが提案されている。しかしながら、この特許文献においては、このような加熱凝固卵を原料として採用することがタマゴサラダの風味に与える影響については一切検討されていない。
特開平8−228721号公報
本発明の目的は、大変好ましい卵風味を有し、また、加熱凝固卵の卵白部がソフトな食感を有するタマゴサラダを大量に生産することができるタマゴサラダの製造方法を提供するものである。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を行い、意外にも、割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、当該加熱凝固卵の特定温度以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理すると、卵風味が顕著に増加した従来にない大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られることを見出した。ところが、このように特定温度以上の加熱凝固卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理すると、熱により酸変性しやすいためか、加熱凝固卵の卵白部の食感が硬くなる場合があった。そこで、本発明者等は、更に鋭意研究を行い、前述のように加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料と混合処理した後、品温を短時間に特定温度以下とすることにより、加熱凝固卵の卵白部の硬化を防止できることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、該加熱凝固卵の品温50℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とするタマゴサラダの製造方法、
(2) 混合処理に品温20℃以下の酸性水中油型乳化状調味料を用いる(1)記載のタマゴサラダの製造方法、
(3) 混合処理後に冷却処理を行う(1)又は(2)記載のタマゴサラダの製造方法、
(4) 加熱凝固卵の截断物100部に対して、酸性水中油型乳化状調味料を10〜100部配合する(1)乃至(3)のいずれかに記載のタマゴサラダの製造方法、
である。
本発明によれば、大変好ましい卵風味を有し、また、加熱凝固卵の卵白部がソフトな食感を有するタマゴサラダを食品加工装置等を用いて大量に生産することができる。したがって、これらをコンビニエンスストアやスーパーマーケット等において惣菜等として提供することでこれらの需要を拡大できる。
以下、本発明のタマゴサラダの製造方法を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明において、タマゴサラダとは、加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料で和えた食品である。このような本発明のタマゴサラダとしては、使用用途に特に制限はなく、例えば、食パンに等に塗り広げて使用するスプレッド、サンドイッチ等のフィリング、コロッケ等の具、各種料理のトッピング等として各種用途に用いられているものが含まれる。また、前記加熱凝固卵の截断物に加えて、野菜等の截断物等を配合したものであってもよい。
本発明は、このようなタマゴサラダの製造方法であって、まず、加熱凝固卵が、特定の製法で製したものであることに特徴を有する。つまり、割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用いることに特徴を有する。
前記割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵とは、ホール生卵を加熱処理して加熱凝固させたものである。ここで、ホール生卵とは、殻付き生卵を割卵して殻を取り除いたままの状態で、ろ過していない生の全卵をいい、具体的には、卵黄膜に包まれた状態の生卵黄(黄身)と生卵白(白身)からなるものである。なお、当該ホール生卵としては、割卵時の物理的な衝撃等により卵黄膜が破れた黄身を含んでいてもよいが、加熱凝固したときに茹で卵の黄身のような好ましい食感の卵黄部を得る点から、好ましくは7割以上の黄身の卵黄膜が破れていないものであることが好ましい。このようなホール生卵を加熱処理して加熱凝固させた本発明の加熱凝固卵は、加熱凝固卵白中に略球状の加熱凝固卵黄が含まれた状態となっている。また、このような本発明の加熱凝固卵としては、半熟状に加熱凝固したものであってもよい。
前記加熱凝固卵は、鶏卵、鶉卵、アヒル卵等の殻付き生卵を割卵機等を用い、卵黄膜が破れないように常法により適宜条件を調節し割卵してホール生卵を製し、これを加熱処理して加熱凝固させることにより製することができる。加熱処理は、ホール生卵を卵ひとつ分ずつ、あるいは、ホール生卵を卵複数個分ずつまとめて、加熱処理容器に入れて加熱処理すればよい。加熱処理方法としては、例えば、ホール生卵をバット等の容器に流し込みスチーマー等により加熱処理して製する方法、あるいは、ホール生卵をプラスチック製の耐熱性パウチやケーシング等に充填後、ボイルやスチーマーにより加熱処理して製する方法等が挙げられる。前記加熱処理条件としては、ホール生卵が加熱凝固する条件であればよいが、加熱温度は、短時間で効率良く加熱凝固できることから、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上である。また、加熱温度は高すぎても卵白が硬くなる場合があることから、好ましくは100℃以下である。また、加熱時間は、ホール生卵が加熱凝固する程度とすればよく、具体的には加熱処理方法や加熱温度等にもよるが5〜90分間程度とすればよい。
本発明においては、後述のように当該加熱凝固卵の特定温度以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理する必要はあるが、前述の割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用いることで、従来の茹で卵と異なり茹で卵表面に付着した卵殻を水で洗い流す作業を行わなくてもよいことから、大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られる。
本発明においては、前記加熱凝固卵の截断物を用いるが、このような截断物とは、前記加熱凝固卵を截断処理して製したものであり、截断処理方法としては、例えば、前記加熱凝固卵をダイサー等の截断機を用い、立方体や直方体の形状に適宜截断条件を調節して截断処理する方法等が挙げられる。截断物の大きさとしては、タマゴサラダを用いる用途等により適宜調節すればよいが、加熱凝固卵の食感や卵風味が適度に感じられ、また、酸性調味料と和えた時のタマゴサラダとしての一体感が得られ易いことから、好ましくは0.1〜5cm、より好ましくは0.5〜3cmである。
次に、本発明においては、前記加熱凝固卵の特定温度以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することに特徴を有する。つまり、前記加熱凝固卵の品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することに特徴を有する。
加熱凝固卵の截断物を前記特定温度以上に調整する方法としては、例えば、加熱処理して加熱凝固卵を製した後、当該加熱凝固卵の品温が低下して前記特定温度よりも低くなる前に截断処理して截断物を製することにより調整する方法が挙げられる。この方法においては、加熱凝固卵を截断処理して截断物とすると外気との接触面積が増えて品温が低下し易くなるが、本発明のように大量の加熱凝固卵を截断処理する場合には、この截断物を、酸性水中油型乳化状調味料と混合処理するまでの間、塊状に容器に入れて保管することにより品温の低下を防止することができる。具体的には、截断物を好ましくは30cm四方以上の大きさの塊状となるように容器に保管すると品温の低下を防止し易く好ましい。
また、加熱凝固卵の截断物を前記特定温度以上に調整する別の方法として、用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度未満である場合には、当該加熱凝固卵の截断物を加熱処理装置等で前記特定温度以上となるように加熱処理、つまり、温め直すことにより調整する方法が挙げられる。このような加熱処理は、加熱凝固卵の截断物をバット等の容器に入れてスチーマー等の加熱処理装置で、あるいは、加熱凝固卵の截断物をプラスチック製の耐熱性パウチやケーシング等に充填後、ボイル槽やスチーマー等の加熱処理装置で行う等すればよい。本発明においては、これらの品温調整方法を適宜選択して採用すればよいが、より効率的な製造が可能である点からは、前者の方法、つまり、加熱処理して加熱凝固卵を製した後、当該加熱凝固卵の品温が低下して前記特定温度よりも低くなる前に截断処理して截断物を製することにより調整する方法を採用することが好ましい。
次に、得られた品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の加熱凝固卵の截断物と、酸性水中油型乳化上調味料と混合処理する。ここで、混合処理に用いる酸性水中油型乳化状調味料としては、一般的に酸性水中油型乳化状調味料と称されるpHが3〜5の半固体状又は液状の乳化状調味料のことであり、このような酸性水中油型乳化状調味料としては、具体的には、例えば、マヨネーズやサラダクリーム等の半固体状ドレッシング、サウザンドレッシングやフレンチドレッシング等の乳化液状ドレッシング等が挙げられる。
また、前述の加熱凝固卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料の配合量は、タマゴサラダを用いる用途等により適宜調節すればよいが、卵の風味と酸味のバランスを考慮すると、加熱凝固卵の截断物100部に対して、酸性水中油型乳化状調味料が好ましくは10〜100部、より好ましくは20〜90部である。
混合処理は、加熱凝固卵の截断物が酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散する程度に行えばよい。このような混合処理は、具体的には、例えば、ホバートミキサー、カントーミキサー、ニーダー、攪拌装置付き二重釜、煮練機、炒め機等の混合機等を用いることにより行うことができる。
本発明においては、このように、割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、当該加熱凝固卵の品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することにより、はじめて大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られるものである。一方、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度以上でない場合は、後述の試験例に示すように、好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られない。なお、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度以上でない場合は、混合処理後のタマゴサラダを加熱処理して前記特定温度以上としたとしても好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られない。
本発明において、このような大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られる理由は定かではないが、以下のように推察される。後述の試験例に示すように、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が特定温度以上である場合は、特定温度以上でない場合に比べて、卵風味を形成する成分のひとつである硫化水素量が顕著に多いタマゴサラダが得られる。また、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度以上でない場合は、混合処理後のタマゴサラダを前記特定温度以上に加熱処理しても、硫化水素量が多いタマゴサラダが得られない。したがって、本発明により得られたタマゴサラダは、混合処理に用いる特定温度以上の加熱凝固卵の截断物に由来する硫化水素により大変好ましい卵風味を有する。換言すると、特定温度以上の加熱凝固卵の截断物がタマゴサラダ中に硫化水素を持ち込んで、当該硫化水素が酸性水中油型乳化状調味料と混合処理することでタマゴサラダ中に閉じ込められた状態となっており、大変好ましい卵風味を有するのではないかと推察される。更に、既に述べたが、本発明で用いる加熱凝固卵は、割卵したホール生卵を加熱処理して製したものであり、脱殻装置により殻剥きして流水がかかったり、水中に浸漬状態となったりした茹で卵に比べて、卵の成分が流出してしまうことがなく、卵風味が保持されているものであるため、大変好ましい卵風味を有するのではないかと推察される。
以上のように割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、当該加熱凝固卵の品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することにより、大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダを製することができるが、本発明においては、更に、加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料と混合処理した後、品温を短時間に特定温度以下とすることに特徴を有する。つまり、混合処理を開始してから60分以内、好ましくは30分以内に混合物の品温を30℃以下、好ましくは20℃以下とすることに特徴を有する。
混合処理を開始してから一定時間以内に品温を特定温度以下に調整する方法としては、例えば、品温の低い酸性水中油型乳化状調味料、具体的には、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下の酸性水中油型乳化状調味料を混合処理に用いることにより調整する方法、つまり、品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の加熱凝固卵の截断物と、品温の低い酸性水中油型乳化状調味料、具体的には、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下の酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理することにより混合物の品温を調整する方法が挙げられる。このように品温の低い酸性水中油型乳化状調味料を混合処理に用いて品温を調整する方法は、混合処理開始直後に混合物の品温を低下させることができ、その結果、よりソフトな食感の加熱凝固卵の卵白部を得られることから、本発明において最適である。
また、本発明においては、前述した品温調整方法以外の方法を必要に応じて前述の品温調整方法と組み合わせる等して採用してもよく、このような品温調整方法としては、例えば、混合処理後に冷却処理を行うことにより調整する方法等が挙げられる。このような混合処理後の冷却処理は、例えば、混合処理後の混合物、つまり、タマゴサラダをバット等の容器に広げて冷却機や冷蔵庫等の冷却処理装置で、あるいは、プラスチック製のパウチ等に充填密封した後、冷却水槽、冷却機、冷蔵庫等の冷却処理装置で行う等すればよい。前記冷却処理装置により冷却処理する際の冷却媒体の温度としては、短時間で効率良く冷却する点から、好ましくは10℃以下である。
本発明においては、このように割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、当該加熱凝固卵の品温50℃以上、好ましくは品温55℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、混合処理を開始してから60分以内、好ましくは30分以内に品温を30℃以下、好ましくは20℃以下とすることにより、大変好ましい卵風味を有し、また、加熱凝固卵の卵白部がソフトな食感を有するタマゴサラダが得られる。一方、加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料と混合処理した後、品温を短時間に特定温度以下としない場合は、後述の試験例に示すように、熱により酸変性しやすいためか加熱凝固卵の卵白部が硬くなってソフトな食感の加熱凝固卵の卵白部が得られない。
以上のように製したタマゴサラダは、必要に応じて、プラスチック製のパウチや成型容器等に容器詰めして、保管したり、製品として流通させたりすることができる。
なお、本発明のタマゴサラダの製造方法において、前述した加熱凝固卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料の外に、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、野菜等の截断物、食塩、動植物等のエキス類等の各種調味料、からし粉、胡椒等の香辛料、オリゴ糖、水あめ等の糖類、酢酸ナトリウム等のpH調整材、卵白リゾチーム、プロタミン等の保存料等を適宜配合することができる。
以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を述べ、本発明を更に説明する。
[実施例1]
(1)加熱凝固卵の製造
割卵機を用いて、殻付き生卵を割卵してホール生卵30kgを得た。このホール生卵をステンレス製のバット(縦20cm×横15cm×高さ15cm)に3kgずつ充填した。充填したホール生卵の高さは10cmであった。これを雰囲気温度が90℃のスチーマーで60分間加熱して加熱凝固させて加熱凝固卵を製した。スチーマーから取り出した加熱凝固卵の品温は90℃であった。
(2)加熱凝固卵の截断物の製造
(1)で製した加熱凝固卵をバットから取り出してダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、加熱凝固卵の截断物30kgを得た。得られた加熱凝固卵の截断物の体積は1cmであり、品温は82℃であった。この截断物は、50kg容量の角型タンク(ステンレス製)に入れて保管したが、この際、加熱凝固卵の截断物は、角型タンク内で30cm四方以上の大きさの塊状となった。
(3)タマゴサラダの製造
カントーミキサー(関東混合機工業(株)社製、60L容量)にマヨネーズ(植物油脂70%、液卵黄15%、食酢12%、調味、香辛料3%から常法により調製したもの、pH4.0、品温15℃)10kgを投入し、次いで、(2)で製した加熱凝固卵の品温70℃の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理して加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は50℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して20分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は30分であった。
[実施例2]
(1)加熱凝固卵の製造
割卵機を用いて、殻付き生卵を割卵してホール生卵30kgを得た。このホール生卵を5kgずつ耐熱性ポリエチレンパウチに充填した。充填したパウチの厚みは4cmであった。これを雰囲気温度が85℃のスチーマーで40分間加熱して加熱凝固させて加熱凝固卵を製した。スチーマーから取り出した加熱凝固卵の品温は85℃であった。
(2)加熱凝固卵の截断物の製造
(1)で製した加熱凝固卵をパウチから取り出してダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、加熱凝固卵の截断物30kgを得た。得られた加熱凝固卵の截断物の体積は1cmであり、品温は68℃であった。この截断物は、50kg容量の角型タンク(ステンレス製)に入れて保管したが、この際、加熱凝固卵の截断物は、角型タンク内で30cm四方以上の大きさの塊状となった。
(3)タマゴサラダの製造
カントーミキサー(実施例1で用いたものと同じ)にマヨネーズ(実施例1で用いたものと同じ、品温5℃)20kgを投入し、次いで、(2)で製した加熱凝固卵の品温58℃の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理して加熱凝固卵の截断物を酸性水中油型乳化状調味料中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は30℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して15分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は25分であった。
[比較例1]
実施例1(1)及び(2)と同様にして、加熱凝固卵の截断物を製した。次いで、実施例1(3)において、品温41℃の加熱凝固卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した他は、実施例1と同じ製法と配合でタマゴサラダを得た。すなわち、カントーミキサーにマヨネーズ(品温15℃)10kgを投入し、次いで、品温41℃の加熱凝固卵の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は27℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して15分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は25分であった。
[比較例2]
実施例1(1)及び(2)と同様にして、加熱凝固卵の截断物を製した。次いで、実施例1(3)において、品温22℃の加熱凝固卵の截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した他は、実施例1と同じ製法と配合でタマゴサラダを得た。すなわち、カントーミキサーにマヨネーズ(品温15℃)10kgを投入し、次いで、品温22℃の加熱凝固卵の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は20℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して10分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は20分であった。
[比較例3]
比較例2と同じ製法と配合でタマゴサラダを得、このタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した。次いで、この容器詰めタマゴサラダを80℃のボイル槽で60分間加熱処理した。加熱処理後のタマゴサラダの品温は80℃であった。続いて、この加熱処理後の容器詰めタマゴサラダを5℃の冷却水槽に浸漬して30分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。
[比較例4]
実施例1(1)及び(2)と同様にして、加熱凝固卵の截断物を製した。次いで、この加熱凝固卵の截断物を用いて、実施例1と同じ製法と配合でタマゴサラダを得た。すなわち、カントーミキサーにマヨネーズ(品温15℃)10kgを投入し、次いで、品温70℃の加熱凝固卵の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は50℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、そのまま20℃の室温に60分間放置した。なお、混合処理を開始してから、60分後のタマゴサラダの品温は35℃であった。この室温放置後の容器詰めタマゴサラダを5℃の冷却水槽に浸漬して15分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。
[比較例5]
(1)茹で卵の製造
殻付生鶏卵(Mサイズ)600個を95℃の湯中で12分間茹でた後、4℃の冷水で冷却し、脱殻装置で殻を剥いて茹で卵600個を得た。この際、茹で卵の表面に付着した卵殻を洗い流したりするために、茹で卵に流水がかかったり、水中に浸漬状態となったりして、茹で卵が5分間程度、水と接触状態となった。
(2)タマゴサラダの製造
(1)で製した茹で卵をダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断し、加熱凝固卵の截断物30kgを得た。得られた加熱凝固卵の截断物の体積は1cmであり、品温は15℃であった。
(3)タマゴサラダの製造
(2)で製した加熱凝固卵の截断物を用いた他は実施例1と同じ配合と製法で、タマゴサラダを製した。すなわち、カントーミキサーにマヨネーズ(品温15℃)10kgを投入し、次いで、品温15℃の加熱凝固卵の截断物30kgを投入した後、5分間混合処理してタマゴサラダを得た。混合処理後のタマゴサラダの品温は18℃であった。続いて得られたタマゴサラダを5kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封した後、5℃の冷却水槽に浸漬して10分間冷却処理してタマゴサラダの品温を10℃とした。なお、混合処理を開始してから冷却処理を終了するまでの時間は15分であった。
[試験例1]
実施例1、2及び比較例1〜5で製した冷却処理後の品温10℃の容器詰めタマゴサラダを開封して食し、下記の評価記号により、これらのタマゴサラダの卵風味と加熱凝固卵の卵白部の食感を評価した。また、これらのタマゴサラダの硫化水素量(相対値)を下記の方法により測定した。結果を表1に示す。
「評価記号」
<タマゴサラダの卵風味の評価>
A:タマゴサラダとしての大変好ましい卵風味を有する。
B:タマゴサラダとしての好ましい卵風味を有する。
C:タマゴサラダとしての好ましい卵風味にやや欠ける。
D:タマゴサラダとしての好ましい卵風味に欠ける。
<加熱凝固卵の卵白部の食感の評価>
A:ソフトな食感を有する。
B:ソフトな食感にやや欠けるが問題ない程度である。
C:やや硬い食感を有する。
D:硬い食感を有する。
「硫化水素量(相対値)の測定方法」
まず、20%濃度の酢酸鉛水溶液を濾紙(直径55mm)に染み込ませて乾燥させ、硫化水素反応紙を得た。次に、ツイストキャップ(金属製)で密封可能なガラス瓶(100mL容量)を用意し、このツイストキャップの内側に前記硫化水素反応紙を貼り付けて、硫化水素測定用の容器とした。この硫化水素測定用の容器を7つ用意し、実施例1、2及び比較例1〜5で製した冷却処理後の品温10℃の容器詰めタマゴサラダをそれぞれ20gずつ充填して密封した。これらの硫化水素測定用の容器を35℃の恒温機に10分間保管した後、ツイストキャップを開け、それぞれ硫化水素反応紙の白度(Z値)を日本電色工業(株)製側色差計を用いて測定した。なお、測定は、30mm径投光パイプを用いて3回ずつ測定して得られた値の平均値をそれぞれ求めた。この値(白度)は、硫化水素量が多い程低下することから、どの程度白度が低下したかを下記の式により計算して、得られた値を本発明の硫化水素量(相対値)とした。
Figure 0004651517
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表1より、タマゴサラダの卵風味に関し、割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、当該加熱凝固卵の品温50℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理する発明品1、2のタマゴサラダは、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度以上でない比較品1〜3のタマゴサラダに比べて、卵風味を形成する成分のひとつである硫化水素量が顕著に多く、大変好ましい卵風味を有するタマゴサラダが得られることが理解できる。なお、比較品3のタマゴサラダは、混合処理に用いる加熱凝固卵の截断物が前記特定温度以上でなく、混合処理後のタマゴサラダを前記特定温度以上に加熱処理したものであるが、好ましい卵風味を有していなかった。
また、加熱凝固卵の卵白部の食感に関し、前記加熱凝固卵の截断物を品温50℃以上の状態で酸性水中油型乳化状調味料と混合処理した後、混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とする発明品1、2のタマゴサラダは、大変好ましい卵風味を有することに加えて、加熱凝固卵の卵白部がソフトな食感を有することが理解できる。これに対して、混合処理後、短時間に品温を特定温度以下としていない比較品4のタマゴサラダは、加熱凝固卵の卵白部の食感がやや硬く好ましいものではなかった。
更に、流水がかかったり、水中に浸漬状態となったりした茹で卵の截断物を用いた比較品5のタマゴサラダは、卵風味に欠けて好ましいものではなかった。

Claims (4)

  1. 割卵したホール生卵を加熱処理して製した加熱凝固卵を用い、該加熱凝固卵の品温50℃以上の截断物と、酸性水中油型乳化状調味料とを混合処理した後、混合処理を開始してから60分以内に品温を30℃以下とすることを特徴とするタマゴサラダの製造方法。
  2. 混合処理に品温20℃以下の酸性水中油型乳化状調味料を用いる請求項1記載のタマゴサラダの製造方法。
  3. 混合処理後に冷却処理を行う請求項1又は2記載のタマゴサラダの製造方法。
  4. 加熱凝固卵の截断物100部に対して、酸性水中油型乳化状調味料を10〜100部配合する請求項1乃至3のいずれかに記載のタマゴサラダの製造方法。
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