JP4651007B2 - 油圧クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧作動型クラッチ機構及びスプリング作動型クラッチ機構を備えた油圧クラッチ装置に関する。
一の伝動軸上に、作動油の供給時に伝動状態となる油圧作動型クラッチ機構と、作動油の停止時に伝動状態となるスプリング作動型クラッチ機構とを直列配置させ、単一の共通作動油路を介して作動油の供給/停止を制御することにより、前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構を背反的に伝動状態とさせ得るように構成された油圧クラッチ装置は、従来から車輌の走行系伝動構造等の種々の分野において利用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、斯かるタイプの従来の油圧クラッチ装置は、常に、何れか一方のクラッチ機構が伝動状態となる為、例えば、該油圧クラッチ装置を走行系伝動構造に用いた場合には、該走行系伝動構造に備えられる変速装置の変速操作時に該変速装置に大きな負荷が掛かるという問題があった。
即ち、例えば、前記走行系伝動構造が、直列に配列された主クラッチ装置,前記タイプの油圧クラッチ装置及び変速装置を備える場合を例に説明すると、前記変速装置の変速操作時には、前記主クラッチ装置が動力遮断状態とされるが、その一方、前記油圧クラッチ装置は油圧作動型クラッチ機構又はスプリング作動型クラッチ機構の何れか一方が必ず伝動状態とされている。
従って、前記変速装置は、伝動方向上流側に位置する駆動側(例えば、駆動軸)と、伝動方向下流側に位置する従動側(例えば、従動軸)との間で変速操作を行う際に、前記油圧クラッチ装置が駆動側に作動連結された状態のままで行わなければならず、その結果、該変速装置に大きな負荷が掛かることになる。
特に、前記変速装置として、同期噛合型多段変速装置を用いた場合には、斯かる大負荷に対抗し得るように該同期噛合型変速装置における摩擦係合部のクラッチ容量を大きくしなければならないと共に、該摩擦係合部の摩耗がひどくなるという問題があった。
特開2003−74648号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、一の伝動軸上に油圧作動型クラッチ機構及びスプリング作動型クラッチ機構が備えられた油圧クラッチ装置であって、共働する他の伝動装置の小型化及び耐久性の向上を図り得る油圧クラッチ装置の提供を目的とする。
発明は、前記目的を達成するために、駆動源に作動連結される伝動軸に相対回転不能に支持されたクラッチシリンダであって、該伝動軸方向一方側及び他方側にそれぞれスプリング作動室及び油圧作動室を画するクラッチシリンダと、前記油圧作動室に収容される油圧作動型クラッチ機構と、前記スプリング作動室に収容されるスプリング作動型クラッチ機構と、前記油圧作動型クラッチ機構を介して前記クラッチシリンダから動力が伝達又は遮断される油圧作動側従動部材と、前記スプリング作動型クラッチ機構を介して前記クラッチシリンダから動力が伝達又は遮断されるスプリング作動側従動部材とを備えた油圧クラッチ装置を提供する。
前記油圧作動型クラッチ機構は、前記クラッチシリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記油圧作動側従動側部材に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含む油圧作動側摩擦板ユニットと、前記油圧作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させる油圧作動側押動部材と、前記油圧作動側押動部材を前記油圧作動側摩擦板ユニットから離間させる方向へ付勢する油圧作動側付勢部材とを有している。
前記スプリング作動型クラッチ機構は、前記クラッチシリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記スプリング作動側従動側部材に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含むスプリング作動側摩擦板ユニットと、前記スプリング作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させるスプリング作動側付勢部材と、前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を前記スプリング作動側付勢部材の付勢力に抗して解除させるスプリング作動側押動部材とを有している。
前記油圧作動側押動部材及びスプリング作動側押動部材は共に、前記クラッチシリンダに形成された共通受圧室における油圧によって、作動するように構成されている。
前記スプリング作動型クラッチ機構には、さらに、前記スプリング作動側押動部材と前記スプリング作動側摩擦板ユニットとの間に配設された第2押動部材であって、該スプリング作動側押動部材との間に専用受圧室を形成する第2押動部材が備えられており、前記共通受圧室への圧油の供給を遮断し且つ前記専用受圧室に圧油を供給することにより、前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構の双方が遮断状態とされる油圧クラッチ装置を提供する。
好ましくは、前記クラッチシリンダは、前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構を予め収容した状態で、前記伝動軸に装着可能とされる。
好ましくは、前記クラッチシリンダは、前記伝動軸の外表面に外挿される内壁部と、該内壁部との間に収容空間が画されるように該内壁部より径方向外方位置において該内壁部に対向する外壁部と、前記内壁部と外壁部との間に延び、前記収容空間を前記スプリング作動室及び前記油圧作動室に分離する隔壁部であって、該スプリング作動室及び油圧作動室の間を油流通自在に連通する連通路が形成された隔壁部とを有し得る。
前記スプリング作動側押動部材は、前記クラッチシリンダの内壁部に軸線方向摺動自在且つ液密に外挿される筒部と、該筒部から径方向外方へ延びて前記外壁部に液密に当接される端壁部とを有し得る。
前記第2押動部材は、前記スプリング作動側押動部材の端壁部と前記スプリング作動側摩擦板ユニットとの間において、径方向内端部が該スプリング作動側押動部材の筒部に外挿され且つ径方向外端部が前記クラッチシリンダの外壁部に内挿された仕切り壁部を有し得る。
前記押動部材の仕切り壁部は、径方向外方領域が前記端壁部と当接し且つ径方向内方領域が該端壁部との間に前記専用受圧室を形成するものとされる。
そして、前記クラッチシリンダの内壁部には、前記共通受圧室に連通された共通受圧室用油通路が形成され、且つ、前記クラッチシリンダの内壁部及び前記スプリング作動側押動部材の筒部には、前記専用受圧室に連通された専用受圧室用油通路が形成され得る。
好ましくは、前記クラッチシリンダの内壁部には、一端部が伝動軸に当接する内周面に開口し且つ他端部が前記油圧作動室に開口する油圧作動側潤滑油路と、一端部が前記内周面に開口し且つ他端部が前記スプリング作動室に開口するスプリング作動側潤滑油路とが設けられる。
前記油圧作動側押動部材は、前記クラッチシリンダの内壁部に軸線方向摺動自在且つ液密に外挿される筒部と、該筒部から径方向外方へ延びて前記クラッチシリンダの外壁部に液密に当接される端壁部とを有する。
そして、前記油圧作動側押動部材の筒部には、前記クラッチシリンダの内壁部に当接する内周面と前記油圧作動室に面する外周面との間に延びる油圧作動側連通路が設けられ、他方、前記スプリング作動側押動部材の筒部には、前記クラッチシリンダの内壁部に当接する内周面と前記スプリング作動室に面する外周面との間に延びるスプリング作動側連通路が設けられる。
前記油圧作動側潤滑油路の他端部は、前記油圧作動側押動部材が前記油圧作動側摩擦板ユニットの摩擦係合の解除を許容する位置に位置する際には該油圧作動側押動部材の筒部によって閉塞され、且つ、該油圧作動側押動部材が前記油圧作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させる係合位置に位置する際には前記油圧作動側連通路に連通される。
前記スプリング作動側潤滑油路の他端部は、前記スプリング作動側押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を解除させる解除位置に位置する際には該スプリング作動側押動部材の筒部によって閉塞され、且つ、該スプリング作動側押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を許容する位置に位置する際には前記スプリング作動側連通路に連通される。
より好ましくは、前記スプリング作動側連通路は、前記第2押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を許容する位置に位置する際には前記スプリング作動室に開口され、且つ、前記第2押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を解除させる位置に位置する際には該第2押動部材によって閉塞されるように構成される。
本発明によれば、クラッチシリンダに形成された共通受圧室に作動油が供給されると油圧作動型クラッチ機構の油圧作動側押動部材及びスプリング作動型クラッチ機構のスプリング作動側押動部材が共に作動して前記油圧作動型クラッチ機構が動力伝達状態で且つ前記スプリング作動型クラッチ機構が動力遮断状態となり、前記共通受圧室への作動油の供給が遮断されると前記油圧作動型クラッチ機構が動力遮断状態で且つ前記スプリング作動型クラッチ機構が動力伝達状態となる油圧クラッチ装置において、前記スプリング作動型クラッチ機構には、前記スプリング作動側押動部材及び前記スプリング作動側押動部材によって摩擦係合されるスプリング作動側摩擦板ユニットとの間に配設され、前記スプリング作動側押動部材との間に専用受圧室を形成する第2押動部材が備えられ、前記共通受圧室への作動油の供給を遮断し且つ前記専用受圧室に作動油を供給することによって前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構の双方が動力遮断状態となるように構成したので、該油圧クラッチ装置の中立状態を得ることができる。
従って、該油圧クラッチ装置を、変速装置を備えた走行系伝動構造に用い、該変速装置の変速操作時に、前記油圧クラッチ装置を中立状態とすれば、変速操作時に前記変速装置に掛かる負荷を低減させることができ、これにより、前記変速装置の小型化及び耐久性の向上を図ることができる。
実施の形態1
以下、本発明に係る油圧クラッチ装置の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る油圧クラッチ装置100が適用された作業車輌1の伝動模式図である。
図1に示すように、前記作業車輌1は、駆動源5(下記図4参照)から駆動車軸(本実施の形態においては後車軸70)へ動力を伝達する走行系伝動構造と、前記駆動源からの動力をPTO軸230を介して外部に出力するPTO系伝動構造と、前記走行系伝動構造及び前記PTO系伝動構造を収容するミッションケース300とを備えている。
前記走行系伝動構造は、図1に示すように、前記駆動源5に作動連結された主クラッチ装置10と、該主クラッチ装置10の伝動方向下流側に配設された本実施の形態に係る油圧クラッチ装置100と、該油圧クラッチ装置100の伝動方向下流側に配設された変速装置20とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記走行系伝動構造は、前記構成に加えて、前記駆動源5及び前記主クラッチ装置10の間に配設されたフライホイール30と、前記変速装置20の伝動方向下流側に配設された副変速装置40と、前記駆動車軸と同期した動力を前輪に出力する4輪駆動用出力装置50と、前記副変速装置40の出力を一対の駆動車軸に差動伝達するディファレンシャルギヤ装置60とを備えている。
本実施の形態においては、前記変速装置20は同期式多段変速装置とされ、且つ、前記副変速装置40は複式クラッチ式多段変速装置とされている。
前記PTO系伝動構造は、前記駆動源5に作動連結されたPTO伝動軸210と、前記PTO軸230と、前記PTO軸210及び前記PTO軸230の間に配設されたPTOクラッチ装置220とを備えている。
前記PTOクラッチ装置220は、外部操作に基づき、前記PTO軸230を高速で回転させる高速伝動状態と、前記PTO軸230を低速で回転させる低速伝動状態と、前記PTO軸230への動力伝達を遮断する中立状態とをとり得るように構成されている。
本実施の形態において、前記ミッションケース300は、前記フライホイール30及び前記油圧クラッチ装置100を収容する前ミッションケース310と、該前ミッションケース310に連結される中ミッションケース320であって、前記変速装置20及び前記副変速装置40を収容する中ミッションケース320と、該中ミッションケース320に連結される後ミッションケース330であって、前記ディファレンシャルギヤ装置60を収容する後ミッションケース330と、前記4輪駆動用出力装置50を収容するように前記中ミッションケース320に連結される4輪駆動用出力装置ケース340とを備えている。
斯かるミッションケース300は、車輌フレームの一部を構成すると共に、内部空間の少なくとも一部が油貯留可能とされており、油タンクとしても利用されるようになっている。
本実施の形態においては、前記前ミッションケース310における前記油圧クラッチ装置100の収容部分と、前記中ミッションケース320及び前記後ミッションケース330の内部空間とが油貯留可能な油タンクとして利用されている。
図2に、前記油圧クラッチ装置100近傍の縦断側面図を示す。
又、図3に、該油圧クラッチ装置100の部分拡大図を示す。
図1及び図2に示すように、該油圧クラッチ装置100は、外部操作に基づき、前記駆動源5からの動力を高速で前記変速装置20に伝達する高速伝動状態と、前記駆動源5からの動力を低速で前記変速装置20に伝達する低速伝動状態とをとり得るH/L変速装置として作用するようになっている。
詳しくは、図2に示すように、該油圧クラッチ装置100は、前記主クラッチ装置10を介して前記駆動源5に作動連結された伝動軸101と、該伝動軸101に平行に配設されたカウンタ軸102とを有している。
一方、前記変速装置20は、前記伝動軸101と同軸上に配設された駆動軸21と、前記カウンタ軸102と同軸上に配設された従動軸22とを有している。
そして、該油圧クラッチ装置100は、前記高速伝動状態においては、前記伝動軸101を前記駆動軸21に直結し、且つ、前記低速伝動状態においては、前記伝動軸101及び前記カウンタ軸102に設けられた下記減速ギヤトレーンを介して、前記伝動軸101の回転を前記駆動軸21に減速伝達させるようになっている。
なお、本実施の形態においては、前記伝動軸101及び前記駆動軸21は共に中空軸とされており、該伝動軸101及び駆動軸21の中空部内に前記PTO伝動軸210が挿通されている。
前記油圧クラッチ装置100は、図2及び図3に示すように、前記伝動軸101に相対回転不能に支持されたクラッチシリンダ110と、前記伝動軸101上において直列に配設されたスプリング作動型クラッチ機構120及び油圧作動型クラッチ機構150と、前記スプリング作動型クラッチ機構120を介して前記クラッチシリンダ110から動力が伝達又は遮断されるスプリング作動側従動部材140と、前記油圧作動型クラッチ機構150を介して前記クラッチシリンダ110から動力が伝達又は遮断される油圧作動側従動部材170とを備えている。
前記クラッチシリンダ110は、図3に示すように、前記伝動軸101に相対回転不能に外挿される内壁部111と、該内壁部111の軸線方向略中央部から径方向外方へ延在された隔壁部112と、前記内壁部111と対向するように前記隔壁部112の径方向外端部に一体形成された外壁部113とを有しており、前記隔壁部112を基準にして前記伝動軸方向一方側及び他方側にそれぞれ前記スプリング作動型クラッチ機構120を収容するスプリング作動室120A及び前記油圧作動型クラッチ機構150を収容する油圧作動室150Aが画されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、前記スプリング作動室120Aが車輌前方側に配設され、且つ、前記油圧作動室150Aが車輌後方側に配設されている。
即ち、本実施の形態においては、前記スプリング作動型クラッチ機構120が車輌前方に配設されており、前記減速ギヤトレーンを介して前記伝動軸101から前記駆動軸21へ減速伝達する低速伝動経路を形成し、且つ、前記油圧作動型クラッチ機構150が車輌後方に配設されて、前記伝動軸101を前記駆動軸21に直結する高速伝動経路を形成するようになっている。
前記スプリング作動型クラッチ機構120は、スプリングの付勢力によって動力伝達状態とされ、且つ、スプリングの付勢力を上回る作動油圧が供給されると動力遮断状態とされるように構成されている。
詳しくは、該スプリング作動型クラッチ機構120は、図3に示すように、前記クラッチシリンダ110の外壁部113に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記スプリング作動側従動側部材140に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含むスプリング作動側摩擦板ユニット121と、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121を摩擦係合させるスプリング作動側付勢部材122と、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を前記スプリング作動側付勢部材122の付勢力に抗して解除させるスプリング作動側押動部材123とを有している。
前記スプリング作動側押動部材123は、前記クラッチシリンダ110の隔壁部112との間にスプリング作動側受圧室120Cを形成するように、前記スプリング作動室120Aに軸線方向摺動自在に配設されている。
前記スプリング作動側摩擦板ユニット121は、前記スプリング作動側押動部材123に近接する側への移動終端が停止部138によって画された状態で、前記スプリング作動室120A内に配設されている。
前記スプリング作動側付勢部材122は、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121を挟んで、前記スプリング作動側押動部材123とは反対側に配設されており、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121とは反対側の端部が固定部139によって係止されている。
斯かる構成のスプリング作動型クラッチ機構120は、前記スプリング作動側受圧室120Cに作動油が供給されない状態においては、前記スプリング作動側付勢部材122が前記スプリング作動側摩擦板ユニット121を前記停止部138へ向けて押圧し、これにより、該スプリング作動側摩擦板ユニット121が摩擦係合するようになっている。
これに対し、前記スプリング作動側受圧室120Cに作動油が供給されると、該作動油の油圧によって前記スプリング作動側押動部材123が、連結部材130を介して、前記スプリング作動側付勢部材122を前記固定部139に向けて押圧し、これにより、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合が解除されるようになっている。
なお、前記連結部材130は、図3に示すように、前記スプリング作動側押動部材123と前記スプリング作動側摩擦板ユニット121との間に配設された押動部材側当接部131と、前記スプリング作動側付勢部材122と前記スプリング作動側摩擦板ユニット121との間に配設された付勢部材側当接部132と、前記押動部材側当接部131及び付勢部材側当接部132を連結する連結棒133とを有しており、前記スプリング作動側受圧室120Cへの作動油供給が停止されている場合には、前記スプリング作動側付勢部材122が前記付勢部側当接部132を介して前記スプリング作動側摩擦板ユニット121を押圧し、且つ、前記スプリング作動側受圧室120Cに作動油が供給されると、前記スプリング作動側押動部材123が前記押動部材側当接部131を押動し、これにより、前記連結棒133を介して前記付勢部材側当接部132が前記スプリング作動側付勢部材122を前記スプリング作動側摩擦板ユニット121から離間する方向へ押圧するようになっている。
前記スプリング作動側従動部材140は、図2に示すように、前記伝動軸101に相対回転自在に外挿されており、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121が摩擦係合されると、前記クラッチシリンダ110に同期して回転するようになっている。
なお、該スプリング作動側従動部材140は、前記減速ギヤトレーンの一部を構成する第1伝動ギヤ191を有している。
前記油圧作動型クラッチ機構150は、作動油圧が供給されると動力伝達状態となり、且つ、作動油の供給が停止されると動力遮断状態となるように構成されている。
詳しくは、該油圧作動型クラッチ機構150は、図3に示すように、前記クラッチシリンダ110の外壁部113に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記油圧作動側従動側部材170に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含む油圧作動側摩擦板ユニット151と、前記油圧作動側摩擦板ユニット151を摩擦係合させる油圧作動側押動部材153と、前記油圧作動側押動部材153を前記油圧作動側摩擦板ユニット151から離間させる方向へ付勢する油圧作動側付勢部材152とを有している。
前記油圧作動側押動部材153は、前記クラッチシリンダ110の隔壁部112との間に油圧作動側受圧室150Cを形成しつつ、前記油圧作動室150Aに軸線方向摺動自在に配設されている。
なお、該油圧クラッチ装置100においては、図2及び図3に示すように、前記隔壁部113に、前記スプリング作動側受圧室120C及び前記油圧作動側受圧室150Cを連通する連通路114が形成されており、該スプリング作動側受圧室120C及び油圧作動側受圧室150Cが、前記スプリング作動側押動部材123及び前記油圧作動側押動部材153の双方に対して作用する共通受圧室を形成するようになっている。
前記油圧作動側摩擦板ユニット151は、前記油圧作動側押動部材153とは反対側への移動終端が停止部168によって画された状態で、前記油圧作動室150A内に配設されている。
前記油圧作動側付勢部材152は、前記油圧作動側押動部材153を前記油圧作動側摩擦板ユニット151から離間する方向へ付勢している。
斯かる構成の油圧作動型クラッチ機構150は、前記油圧作動側受圧室150C(即ち、前記共通受圧室)に作動油が供給されない状態においては、前記油圧作動側付勢部材152が前記油圧作動側押動部材153を前記油圧作動側摩擦板ユニット151から離間させ、これにより、該油圧作動側摩擦板ユニット151の摩擦係合が解除されるようになっている。
これに対し、前記油圧作動側受圧室150C(即ち、前記共通受圧室)に作動油が供給されると、該作動油の油圧によって前記油圧作動側押動部材153が前記油圧作動側付勢部材152の付勢力に抗して前記油圧作動側摩擦板ユニット151を前記停止部168に向けて押圧し、これにより、該油圧作動側摩擦板ユニット151が摩擦係合されるようになっている。
前記油圧作動側従動部材170は、図2に示すように、前記伝動軸101に相対回転自在且つ前記駆動軸21に相対回転不能に外挿されており、前記油圧作動側摩擦板ユニット151が摩擦係合されると、前記駆動軸21を前記クラッチシリンダ110と同期回転させるようになっている。
さらに、前記油圧作動側従動部材170は、図1及び図2に示すように、前記減速ギヤトレーンの一部を構成する第4伝動194ギヤを有しており、前記スプリング作動型クラッチ機構120の係合状態においては、前記クラッチシリンダ110の回転を該減速ギヤトレーンによって減速された状態で前記駆動軸に伝達するようになっている。
即ち、前記減速ギヤトレーンは、図1及び図2に示すように、前記スプリング作動側従動部材140に設けられた前記第1伝動ギヤ191と、該第1伝動ギヤ191と噛合するように前記カウンタ軸102に相対回転不能に支持された第2伝動ギヤ192と、前記油圧作動側従動部材170に設けられた前記第4伝動ギヤ194と、該第4伝動ギヤ194と噛合するように前記カウンタ軸102に相対回転不能に支持された第3伝動ギヤ193とを有している。
斯かる油圧クラッチ装置100は、前記共通受圧室への作動油の供給又は遮断を制御することによって、前記スプリング作動型クラッチ機構120又は前記油圧作動型クラッチ機構150が背反的に伝動状態となるように構成されているが、斯かる構成に加えて、前記スプリング作動型クラッチ機構120のみを単独で動力遮断状態とさせる為に下記構成を備えている。
即ち、前記スプリング作動型クラッチ機構120には、図3に示すように、前記スプリング作動側押動部材123との間に専用受圧室140Cが形成されるように、前記スプリング作動側押動部材123と前記スプリング作動側摩擦板ユニット121との間に軸線方向摺動自在に配設された第2押動部材180が備えられている。
詳しくは、前記スプリング作動側押動部材123は、前記クラッチシリンダ110の内壁部111に軸線方向摺動自在且つ液密に外挿される筒部123aと、該筒部123aから径方向外方へ延びて前記クラッチシリンダ110の外壁部113に液密に当接される端壁部23bとを有し、前記クラッチシリンダ110の内壁部110,隔壁部112及び外壁部113と該スプリング作動側押動部材123の端壁123bとによって前記スプリング作動側受圧室120Cが画されるようになっている。
そして、前記第2押動部材180は、図3に示すように、前記スプリング作動側押動部材123の端壁部123bと前記スプリング作動側摩擦板ユニット121との間において、径方向内端部が該スプリング作動側押動部材123の筒部123aに外挿され且つ径方向外端部が前記クラッチシリンダ110の外壁部113に内挿された仕切り壁部181を有している。
該仕切り壁部181は、径方向外方領域が前記端壁部123bの対応する部位と当接し且つ径方向内方領域が該端壁部123bの対応する部位との間に前記専用受圧室140Cを形成するように構成されている。
さらに、前記クラッチシリンダ110の内壁部111及び前記スプリング作動側押動部材123の筒部123aには、前記専用受圧室140Cに連通された油通路478が形成されている。
即ち、前記第2押動部材180は、前記スプリング作動側受圧室120C(共通受圧室)に作動油が供給されると前記スプリング作動側押動部材123と共に押動され、且つ、前記専用受圧室140Cに作動油が供給されると単独で押動されるようになっている。
斯かる構成の油圧クラッチ装置100においては、以下の効果を得ることができる。
従来の油圧クラッチ装置は、共通受圧室への作動油の供給/停止によって、スプリング作動型クラッチ機構及び油圧作動型クラッチ機構が背反的に伝動状態とされるのみであり、必ず一方の油圧クラッチ機構は伝動状態とされていた。
このような油圧クラッチ装置を、本実施の形態におけるように、主クラッチ装置10及び変速装置20と共に用いると、該変速装置20は、油圧クラッチ装置が伝動状態に維持されたままの状態で、変速操作されることになり、該変速装置20に大きな負荷が掛かることになる。
即ち、前記変速装置20の変速操作は、前記主クラッチ装置10を動力遮断状態とした上で行われるが、前述の通り、従来の油圧クラッチ装置では油圧作動型クラッチ機構又はスプリング作動型クラッチ機構の何れか一方が伝動状態とされたままである。
従って、前記変速装置20は、伝動方向上流側に位置する駆動軸21が前記油圧クラッチ装置に作動連結されたままの状態で、変速操作されることになり、その結果、該変速装置20に大きな負荷が掛かることになる。
これに対し、本実施の形態に係る油圧クラッチ装置100は、前述の通り、前記専用受圧室140Cへの作動油供給によって、前記スプリング作動型クラッチ機構120を遮断状態とさせ得るように構成されている。
即ち、前記変速装置20の変速時に、前記共通受圧室120C,150Cへの作動油供給を停止し且つ前記専用受圧室140Cへ作動油を供給することで前記油圧クラッチ装置100における前記スプリング作動型クラッチ機構120及び前記油圧作動型クラッチ機構150の双方を同時に遮断状態とすることができる。従って、前記変速装置20への負荷の軽減化を図ることができ、これにより、該変速装置20の小型化及び耐久性の向上を達成できる。
さらに、本実施の形態に係る油圧クラッチ装置100においては、前記スプリング作動型クラッチ機構120及び前記油圧作動型クラッチ機構150を予め前記クラッチシリンダ110に収容させた状態で、該クラッチシリンダ110を伝動軸101に装着させることができ、組立作業の効率化を図ることができる。
ここで、前記作業車輌1の油圧回路について説明する。
図4に、該作業車輌1の油圧回路図を示す。
図4に示すように、該作業車輌1は、前記駆動源5に作動連結された主ポンプ410と、一端部が油タンク(本実施の形態においては、前記ミッションケース300の油貯留空間)に連通され且つ他端部が前記主ポンプ410の吸引ポートに連通された吸引ライン420と、一端部が前記主ポンプ410の吐出ポートに連通された吐出ライン430と、該吐出ライン430に直列に介挿されたパワーステアリング用油圧回路440,4輪駆動用油圧回路450,デフロック用油圧回路460,油圧クラッチ用油圧回路470及びPTOクラッチ用油圧回路480とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記作業車輌1は、さらに、前記駆動源5に作動連結される副ポンプ510と、該副ポンプ510からの圧油を受けて、作業機油圧昇降装置80(図1参照)を駆動する作業機用油圧回路520とを備えている。
前記油圧クラッチ用油圧回路470は、図3及び図4に示すように、一端部がチェック弁を介して前記吐出ライン430に流体接続され且つ他端部が前記共通受圧室120C,150Cに流体接続された共通ライン471であって、該共通ライン471を連通又は遮断する第1切換弁472が介挿された共通ライン471と、一端部がチェック弁を介して前記吐出ライン430に流体接続され且つ他端部が前記専用受圧室140Cに流体接続された専用ライン475であって、該専用ライン475を連通又は遮断する第2切換弁476が介挿された専用ライン475とを備えている。
前記第1切換弁472は、オペレータによる操作に基づき、前記共通ライン471を連通させて前記油圧作動型クラッチ機構150を伝動状態とする油圧伝動位置と、前記共通ライン471を遮断させて前記スプリング作動型クラッチ機構120を伝動状態とするスプリング伝動位置とをとり得るように構成されている。
なお、図3及び図4においては、前記第1切換弁472は、スプリング作動型伝動位置に位置されている。
又、前述の通り、本実施の形態においては、前記油圧作動型クラッチ機構150が伝動状態の際に高速伝動状態となり、且つ、前記スプリング作動型クラッチ機構120が伝動状態の際に低速伝動状態となるように油圧クラッチ装置100を構成したが、当然ながら、前記油圧作動型クラッチ機構150を前記減速ギヤトレーンを介して前記駆動軸21に作動連結可能とし、且つ、前記スプリング作動型クラッチ機構120を前記駆動軸21に直接連結可能とさせることにより、前記油圧作動型クラッチ機構150が伝動状態の際に低速伝動状態とし、且つ、前記スプリング作動型クラッチ機構120が伝動状態の際に高速伝動状態とすることも可能である(図5参照)。
前記第2切換弁476は、前記第1切換弁472がスプリング伝動位置に位置する際に、オペレータによる操作に基づき、前記専用ライン475を連通させて前記スプリング作動型クラッチ機構120を遮断状態とする遮断位置と、前記専用ライン475を遮断させて前記スプリング作動型クラッチ機構120の伝動状態を維持する伝動位置とをとり得るように構成されている。
好ましくは、オペレータによる前記主クラッチ装置10の切り操作に基づき、前記第1切換弁472をスプリング伝動位置に位置させると共に、前記第2切換弁476を遮断位置に位置させることができる。
斯かる構成は、例えば、作業車輌の運転席近傍に備えられた主クラッチペダル15等の主クラッチ装置操作部材の切り操作を検出して、該検出信号に基づき、前記第1及び第2切換弁472,476の位置制御を行うことで実現できる(図3参照)。
このように、前記主クラッチ装置10の切り操作に連動して、前記第1切換弁472をスプリング伝動位置に位置させ且つ前記第2切換弁476を遮断位置に位置させることにより、前記変速装置20を変速操作する為に前記主クラッチ装置10を切り操作すれば、前記油圧クラッチ装置100が確実に動力遮断状態(中立状態)となる。
前記共通ライン471は、図2及び図3に示すように、前記伝動軸101に穿孔された共通作動油路473であって、後端部が該伝動軸101の外表面に開口された共通作動油路473と、一端部が該共通作動油路473に連通し且つ他端部が前記共通受圧室120C,150Cに連通するように、前記クラッチシリンダ110の内壁部111に形成された油通路474とを有している。
又、前記専用ライン475は、図2及び図3に示すように、前記伝動軸101に穿孔された専用作動油路477であって、後端部が該伝動軸101の外表面に開口された専用作動油路477と、一端部が該専用作動油路477に連通し且つ他端部が前記専用受圧室140Cに連通するように、前記クラッチシリンダ110の内壁部111及び前記スプリング作動側押動部材123の筒部123aに形成された油通路478とを有している。
好ましくは、前記油圧クラッチ用油圧回路470は、図4に示すように、前記吐出ライン430の余剰油を前記スプリング作動側摩擦板ユニット121及び油圧作動側摩擦板ユニット151へ潤滑油として供給する潤滑ライン600を備えることができる。
詳しくは、該潤滑ライン600は、図2及び図3に示すように、前記伝動軸101に穿孔された潤滑油路610であって、後端部が該伝動軸101の外表面に開口された潤滑油路610と、前記潤滑油路610に対して流体接続し得るように前記クラッチシリンダ110の内壁部111に形成されたスプリング作動側潤滑油路620と、前記クラッチシリンダ110に対する前記スプリング作動側押動部材123の相対位置に応じて、前記スプリング作動側潤滑油路620に対して連通又は遮断されるように、該スプリング作動側押動部材123に形成されたスプリング作動側連通路621と、前記潤滑油路610に対して流体接続し得るように前記クラッチシリンダ110の内壁部111に形成された油圧作動側潤滑油路630と、前記クラッチシリンダ110に対する前記油圧作動側押動部材153の相対位置に応じて、前記油圧作動側潤滑油路630に対して連通又は遮断されるように、該油圧作動側押動部材153に形成された油圧作動側連通路631とを有している。
図3に示すように、前記スプリング作動側潤滑油路620は、一端部が前記伝動軸101に当接する内周面に開口し、且つ、他端部が前記スプリング作動側押動部材123の筒部123aに当接する外周面に開口されている。
同様に、前記油圧作動側潤滑油路630は、一端部が前記伝動軸101に当接する内周面に開口し、且つ、他端部が前記油圧作動側押動部材153の筒部153aに当接する外周面に開口されている。
前記スプリング作動側連通路621は、一端部がクラッチシリンダ110の内壁部111との摺接面に開口し、且つ、他端部がスプリング作動室120Aに開口するように、前記スプリング作動側押動部材123の筒部123aに形成されている。
同様に、前記油圧作動側連通路631は、一端部がクラッチシリンダ110の内壁部111との摺接面に開口し、且つ、他端部が油圧作動室150Aに開口するように、前記油圧作動側押動部材153の筒部153aに形成されている。
より詳しくは、前記スプリング作動側潤滑油路620及び前記スプリング作動側連通路621は、前記スプリング作動側押動部材123が前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を許容する位置に位置する際には、流体接続され、且つ、前記スプリング作動側押動部材123が前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を解除する位置に位置する際には、遮断されるように、位置決めされている。
そして、前記油圧作動側潤滑油路630及び前記油圧作動側連通路631は、前記油圧作動側押動部材153が前記油圧作動側摩擦板ユニット151を摩擦係合させる位置に位置する際には、流体接続され、且つ、前記油圧作動側押動部材153が前記油圧作動側摩擦板ユニット151の係合解除を許容する位置に位置する際には、遮断されるように、位置決めされている。
斯かる構成を備えることにより、前記スプリング作動側摩擦板ユニット121及び前記油圧作動側摩擦板ユニット151の摩擦係合時にのみ潤滑油を供給することができ、これにより、油の効率的な利用によって前記主ポンプ410の小型化等を図ることができる。
より好ましくは、前記スプリング作動側連通路621は、前記スプリング作動側押動部材123が前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を許容する位置に位置する際において、前記第2押動部材180の前記スプリング作動側押動部材123に対する相対位置に応じて、前記スプリング作動室120Aに対して開放又は遮断されるように構成され得る。
詳しくは、前記スプリング作動側押動部材123が前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を許容する位置に位置している場合であっても、前記第2押動部材180が該スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合を解除させる位置に位置すると、前記スプリング作動側連通路621は該第2押動部材180によって閉塞されるように構成され得る。
斯かる構成を備えることにより、前記第2押動部材180による前記スプリング作動側摩擦板ユニット121の摩擦係合解除時に、該スプリング作動側摩擦板ユニット121に潤滑油が供給されることを有効に防止して、油のより効率的な利用を図ることができる。
なお、好ましくは、図1及び図2に示すように、前記伝動軸101をミッションケース300内の上方に位置させ、且つ、前記カウンタ軸102をミッションケース300内の下方に位置させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記ミッションケース300内の貯留油が前記伝動軸101に支持される油圧クラッチ装置100に対して撹拌抵抗となることを有効に防止又は低減できる。
さらに好ましくは、前記ミッションケース300の貯留油レベルO.L.より下方位置において、ミッションケース300の側壁に開口305を設けると共に、該開口305を閉塞するように前記第1及び第2切換弁472,476を収容するバルブユニット500を該ミッションケース300の側壁に連結させることができる(図6参照)。
斯かる構成を備えることにより、前記バルブユニット500を前記ミッションケース300の側壁に連結されるプラットフォーム90の下方に位置させつつ、該バルブユニット500に内蔵される前記第1及び第2切換弁472,476を貯留油内に浸すことができ、これにより、該第1及び第2切換弁472,476への空気の混入を有効に防止できる。
なお、ミッションケース300の下方に配設された前記バルブユニット500内の第1及び第2切換弁472,476と、前記ミッションケース300の上方に配設された伝動軸101内の前記共通作動油路473及び前記専用作動油路477とは、該伝動軸101を支持する軸受プレート350に形成された油路351,352を介して、流体接続される(図6参照)。
又、本実施の形態においては、前記油圧クラッチ装置100をH/L変速装置として用いたが、ギヤトレーンを適宜構成することにより、該油圧クラッチ装置100をF/R切換装置として利用することも可能である。
実施の形態2
以下、本発明に係る油圧クラッチ装置の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、前記油圧クラッチ装置100が前記変速装置20の変速操作に連動して、動力遮断状態となるように構成されている点を除き、前記実施の形態1と実質的に同一である。
従って、以下においては、前記実施の形態1との相違点のみについて説明する。
前述の通り、前記変速装置20は、互いに平行に配設された前記駆動軸21及び従動軸22の間で多段的に変速を行うように構成されている。
具体的には、図1及び図2に示すように、前記変速装置20は、前記駆動軸21及び従動軸22の間で動力伝達可能な複数の変速ギヤトレーン251,252,253,254であって、互いに異なる変速比を有する複数の変速ギヤトレーン251,252,253,254と、該複数の変速ギヤトレーン251,252,253,254のうちの何れか一の変速ギヤトレーンを選択的に動力伝達状態とさせる機械式クラッチ機構280とを有している。
図示の形態においては、前記変速装置20は、前記従動軸22を前進方向へそれぞれ低速,中速及び高速で回転させる第1,第2及び第3速段ギヤトレーン251,252,253と、前記従動軸22を後進方向へ回転させる後進段ギヤトレーン254とを含む4組の変速ギヤトレーンを有している。
前記第1〜第3速段ギヤトレーン251,252,253及び前記後進段ギヤトレーン254は、前記駆動軸21に支持される駆動側ギヤと、対応する駆動側ギヤ210と作動連結される状態で前記従動軸22に支持される従動側ギヤとを有している。
前記各ギヤトレーン251,252,253,254の駆動側ギヤは前記駆動軸21に相対回転自在に支持されており、且つ、前記従動側ギヤは前記従動軸22に相対回転不能に支持されている。
なお、前記後進段ギヤ254は、前記駆動軸21に相対回転不能に支持される後進段駆動側ギヤと、前記従動軸に相対回転不能に支持される後進段従動側ギヤとの間に、回転方向を変更するアイドルギヤ(図示せず)を有している。
前記クラッチ機構280は、前記各ギヤトレーン251,252,253,254における駆動側ギヤのうちの何れか一の駆動側ギヤを選択的に前記駆動軸21と同期回転させるように構成されている。
図示の形態においては、前記クラッチ機構280は、前記後進段ギヤトレーン254及び前記第3速段ギヤトレーン253の間において前記駆動軸21に支持された後進/第3速用クラッチ281と、前記第2速段ギヤトレーン252及び前記第1速段ギヤトレーン251の間において前記駆動軸21に支持された第2速/第1速用クラッチ282とを有している。
斯かるクラッチ機構280は、運転席近傍に備えられる変速レバー等の変速操作部材25(下記図7参照)の操作に基づき、前記後進/第3速用クラッチ281又は前記第2速/第1速用クラッチ282の何れか一方が選択的に作動されるように構成されている。
図7に、前記中ミッションケース320の部分縦断正面図を示す。
なお、図7中の符号45は、前記副変速装置40を人為操作する為の副変速操作部材である。
前記クラッチ機構280は、変速リンク機構700を介して、前記変速操作部材25に連係されている。
前記変速リンク機構700は、図2及び図7に示すように、前記後進/第3速用クラッチ281に係合されたシフトフォークを有する後進/第3速用フォーク軸710と、前記第2速/第1速用クラッチ282に係合されたシフトフォークを有する第2速/第1速用フォーク軸720と、前記変速操作部材25の操作に基づき、前記後進/第3速用フォーク軸710又は前記第2速/第1速用フォーク軸720を選択的に作動させる変速軸730とを備えている。
前記後進/第3速用フォーク軸710及び前記第2速/第1速用フォーク軸720は、軸線方向移動可能に、前記駆動軸21と略平行に配設されている(図2参照)。
詳しくは、該後進/第3速用フォーク軸710が軸線方向一方側(図2において左側)へ移動されると、前記後進/第3速用クラッチ281が前記後進段ギヤトレーン254を動力伝達状態とし、且つ、軸線方向他方側(図2において右側)へ移動されると、前記後進/第3速用クラッチ281が前記第3速段ギヤトレーン253を動力伝達状態とするようになっている。
同様に、前記第2速/第1速用フォーク軸720が軸線方向一方側(図2において左側)へ移動されると、前記第2速/第1速用クラッチ282が前記第2速段ギヤトレーン252を動力伝達状態とし、且つ、軸線方向他方側(図2において右側)へ移動さると、前記第2速/第1速用クラッチ282が前記第1速段ギヤトレーン251を動力伝達状態とするようになっている。
前記変速軸730は、図7に示すように、前記後進/第3速用フォーク軸710及び前記第2速/第1速用フォーク軸720と略直交する方向に、軸線方向移動可能且つ軸線回り回転可能に配設されている。
斯かる変速軸730は、前記後進/第3速用フォーク軸710又は前記第2速/第1速用フォーク軸720と選択的に係合可能な係合部731を有している。
詳しくは、該変速軸730は、軸線方向一方側(図7において左側)の後進/第3速用位置へ移動されると前記係合部731が前記後進/第3速用フォーク軸710と係合し、且つ、軸線方向他方側(図7において右側)の第2速/第1速用位置へ移動されると前記係合部731が前記第2速/第1速用フォーク軸720と係合するようになっている。
そして、前記係合部731が何れか一方のフォーク軸710,720と係合した状態で、前記変速軸730が軸線回りに回転されると、係合したフォーク軸が軸線方向に移動され、これにより、対応するクラッチが一の変速ギヤトレーンを動力伝達状態とするようになっている。
詳しくは、該変速軸730は、軸線回り方向に関し、中立位置と、該中立位置から軸線回り一方側へ回転された後進/第2速位置と、前記中立位置から軸線回り他方側へ回転された第3速/第1速位置とをとり得るようになっている。
即ち、該変速軸730は、軸線方向に関しては、前記後進/第3速用位置又は前記第2速/第1速用位置をとり、且つ、軸線回り方向に関しては、中立位置,後進/第3速位置又は第2速/第1速位置をとり得るようになっている。
従って、例えば、前記変速軸730が、軸線方向に関し、前記後進/第3速用位置に位置された状態で、軸線回り方向に関し、後進/第2速位置に位置されると、前記後進段ギヤトレーン254が動力伝達状態とされる。
前記変速操作部材25は、図7に示すように、一端部25a及び他端部25bの間の中央部25cを支点として傾転自在とされており、前記一端部25aが把持部を形成し、且つ、他端部25bが前記変速軸730に作動連結されている。
斯かる変速操作部材25は、運転者による前記把持部25aに対する人為操作に応じて、前記変速軸730を軸線方向へ移動させると共に、該変速軸730を軸線回りに回転させ得るようになっている。
即ち、該変速操作部材25は、人為操作に基づき、前記変速軸730を、軸線方向に関し前記後進/第3速用位置又は前記第2速/第1速用位置に位置させ、且つ、軸線回り方向に関し中立位置,後進/第2速位置又は第3速/第1速位置に位置させ得るように構成されている。
なお、好ましくは、前記変速操作部材25は、人為操作が作用されない状態においては、付勢部材26によって、前記変速軸730を中立位置に位置させる基準姿勢に保持されるものとされる。
本実施の形態においては、前記油圧クラッチ装置100は、斯かる構成の変速装置20が運転者によって変速操作される際に、自動的に動力遮断状態(中立状態)となるように構成されている。
本実施の形態においては、前記油圧クラッチ装置100は、前記変速軸730の軸線方向位置及び軸線回り位置を検出する検出機構750からの検出信号に基づき、動力遮断状態となるように構成されている。
図8(a)に、図7におけるVIII部の拡大模式図を示す。又、図8(b)に、図8(a)におけるVIII(b)−VIII(b)線に沿った模式断面図であり、前記変速軸730が軸線回り方向に関し中立位置に位置した状態を示す。
図8に示すように、前記検出機構750は、前記中ミッションケース320に支持される検出部材760を有している。
該検出部材760は、前記中ミッションケース320に固定的に支持されるケース761と、自由端部が前記変速軸730の外表面に当接するように該ケース761に進退自在に支持された検出体762とを備えている。
一方、前記変速軸730には、該変速軸730が、軸線回り方向に関し、図8(b)に示す中立位置(即ち、前記後進/第3速用クラッチ281又は前記第2速/第1速用クラッチ282が共に何れの変速ギヤトレーンも動力伝達状態とさせない位置)に位置する際には、前記検出体762の自由端部と係合し、且つ、図8(c)に示す後進/第2速位置又は図8(d)に示す第3速/第1速位置に位置する際には、前記検出体762の自由端部とは係合しない凹部740が設けられている。
前記凹部740は、好ましくは、前記変速軸730の軸線方向に関し、該変速軸730が前記後進/第3速用位置及び前記第2速/第1速用位置の間で移動する際に、常時、前記検出体762の自由端部が係合するような領域に亘って形成される。
斯かる構成の検出機構750は、前記検出部材760のON/OFF信号によって、前記変速軸730が軸線回り中立位置に位置する状態(図8(b))と、該変速軸730が軸線回り前記後進/第2速位置又は前記第3速/第1速位置に位置する状態(図8(c)又は図8(d))とを、検出することができる。
そして、前記変速軸730が軸線回り中立位置に位置する際には、前記第1切換弁472がスプリング伝動位置に位置し且つ前記第2切換弁476が遮断位置に位置されるように構成されるようになっており、これにより、前記変速装置20の変速操作時には、前記油圧クラッチ装置100が確実に動力遮断状態(中立状態)となるように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記変速軸730の位置に基づき、前記変速装置20の変速操作の有無を検出したが、当然ながら、前記変速操作部材25の位置に基づき、前記変速装置20の変速の有無を検出することも可能である。
又、本実施の形態においては、前記変速装置20の変速操作のみに基づき、前記油圧クラッチ装置100を動力遮断状態とするように構成したが、前記主クラッチ装置10の切り操作又は前記変速装置20の変速操作の何れかが行われると、該油圧クラッチ装置100を動力遮断状態とすることも可能である。
さらに、前記変速装置20の変速操作の検出に代えて、又は、加えて、前記副変速装置40の変速操作を検出し、該副変速装置40の変速操作に基づき、前記油圧クラッチ装置100を動力遮断状態とすることも可能である。
又、本実施の形態においては、前記実施の形態1におけると同様に、前記主クラッチ装置10,前記変速装置20及び前記副変速装置40が直列配置された走行系伝動構造に、前記油圧クラッチ装置100を適用した場合を例に説明したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、前記主クラッチ装置10を有さない走行系伝動構造を備えた車輌1Bに、前記油圧クラッチ装置100を適用することも可能である。
即ち、図9に示すように、変速装置20及び/又は副変速装置40と、前記油圧クラッチ装置100とが直列配置された走行系伝動構造を備えた車輌1Bにおいては、前記油圧クラッチ装置100を、前記変速装置20の変速操作及び/又は前記副変速装置40の変速操作に基づき、強制的に動力遮断状態とすることができる。
又、本実施の形態においても、前記油圧クラッチ装置100をH/L変速装置として用いたが、ギヤトレーンを適宜構成することにより、該油圧クラッチ装置100をF/R切換装置として利用することも可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る油圧クラッチ装置が適用された作業車輌の伝動模式図である。 図2は、図1に示す油圧クラッチ装置近傍の縦断側面図である。 図3は、図2に示す油圧クラッチ装置の部分拡大図である。 図4は、図1に示す作業車輌の油圧回路図である。 図5は、本発明の他の形態に係る油圧クラッチ装置の縦断側面図である。 図6は、図1〜図5に示す油圧クラッチ装置が備えられた作業車輌におけるミッションケースの縦断正面図である。 図7は、本発明に係る油圧クラッチ機構が適用された他の形態に係る車輌のミッションケースの部分縦断正面図である。 図8(a)は、図7におけるVIII部拡大模式図である。図8(b)〜(d)は、図8(a)におけるVIII(b)−VIII(b)線に沿った模式断面図であり、それぞれ、変速軸が中立位置,後進/第2速位置及び第3速/第1速位置に位置する状態を示している。 図9は、本発明に係る油圧クラッチ機構が適用されたさらに他の車輌における伝動模式図である。
00 油圧クラッチ装置
110 クラッチシリンダ
111 内壁部
112 隔壁部
113 外壁部
114 連通路
120 スプリング作動型クラッチ機構
120A スプリング作動室
120C スプリング作動側受圧室(共通受圧室)
121 スプリング作動側摩擦板ユニット
122 スプリング作動側付勢部材
123 スプリング作動側押動部材
140 スプリング作動側従動部材
140C 専用受圧室
150 油圧作動型クラッチ機構
150A 油圧作動室
150C 油圧作動側受圧室(共通受圧室)
151 油圧作動側摩擦板ユニット
152 油圧作動側付勢部材
153 油圧作動側押動部材
170 油圧作動側従動部材
180 第2押動部
73 共通作動油路
477 専用作動油路
478 油通路

Claims (5)

  1. 駆動源に作動連結される伝動軸に相対回転不能に支持されたクラッチシリンダであって、該伝動軸方向一方側及び他方側にそれぞれスプリング作動室及び油圧作動室を画するクラッチシリンダと、
    前記油圧作動室に収容される油圧作動型クラッチ機構と、
    前記スプリング作動室に収容されるスプリング作動型クラッチ機構と、
    前記油圧作動型クラッチ機構を介して前記クラッチシリンダから動力が伝達又は遮断される油圧作動側従動部材と、
    前記スプリング作動型クラッチ機構を介して前記クラッチシリンダから動力が伝達又は遮断されるスプリング作動側従動部材とを備え、
    前記油圧作動型クラッチ機構は、前記クラッチシリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記油圧作動側従動側部材に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含む油圧作動側摩擦板ユニットと、前記油圧作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させる油圧作動側押動部材と、前記油圧作動側押動部材を前記油圧作動側摩擦板ユニットから離間させる方向へ付勢する油圧作動側付勢部材とを有し、
    前記スプリング作動型クラッチ機構は、前記クラッチシリンダに相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板及び前記スプリング作動側従動側部材に相対回転不能且つ軸線方向摺動自在に支持された従動側摩擦板を含むスプリング作動側摩擦板ユニットと、前記スプリング作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させるスプリング作動側付勢部材と、前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を前記スプリング作動側付勢部材の付勢力に抗して解除させるスプリング作動側押動部材とを有しており、
    前記油圧作動側押動部材及びスプリング作動側押動部材は共に、前記クラッチシリンダに形成された共通受圧室における油圧によって、作動するように構成され、
    前記スプリング作動型クラッチ機構には、さらに、前記スプリング作動側押動部材と前記スプリング作動側摩擦板ユニットとの間に配設された第2押動部材であって、該スプリング作動側押動部材との間に専用受圧室を形成する第2押動部材が備えられており、
    前記共通受圧室への圧油の供給を遮断し且つ前記専用受圧室に圧油を供給することにより、前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構の双方が遮断状態とされることを特徴とする油圧クラッチ装置。
  2. 前記クラッチシリンダは、前記油圧作動型クラッチ機構及び前記スプリング作動型クラッチ機構を予め収容した状態で、前記伝動軸に装着可能とされていることを特徴とする請求項に記載の油圧クラッチ装置。
  3. 前記クラッチシリンダは、前記伝動軸の外表面に外挿される内壁部と、該内壁部との間に収容空間が画されるように該内壁部より径方向外方位置において該内壁部に対向する外壁部と、前記内壁部と外壁部との間に延び、前記収容空間を前記スプリング作動室及び前記油圧作動室に分離する隔壁部であって、該スプリング作動室及び油圧作動室の間を油流通自在に連通する連通路が形成された隔壁部とを有しており、
    前記スプリング作動側押動部材は、前記クラッチシリンダの内壁部に軸線方向摺動自在且つ液密に外挿される筒部と、該筒部から径方向外方へ延びて前記外壁部に液密に当接される端壁部とを有しており、
    前記第2押動部材は、前記スプリング作動側押動部材の端壁部と前記スプリング作動側摩擦板ユニットとの間において、径方向内端部が該スプリング作動側押動部材の筒部に外挿され且つ径方向外端部が前記クラッチシリンダの外壁部に内挿された仕切り壁部を有し、
    前記第2押動部材の仕切り壁部は、径方向外方領域が前記端壁部と当接し且つ径方向内方領域が該端壁部との間に前記専用受圧室を形成しており、
    前記クラッチシリンダの内壁部には、前記共通受圧室に連通された共通受圧室用油通路が形成され、
    前記クラッチシリンダの内壁部及び前記スプリング作動側押動部材の筒部には、前記専用受圧室に連通された専用受圧室用油通路が形成されていることを特徴とする請求項又はに記載の油圧クラッチ装置。
  4. 前記クラッチシリンダの内壁部には、一端部が伝動軸に当接する内周面に開口し且つ他端部が前記油圧作動室に開口する油圧作動側潤滑油路と、一端部が前記内周面に開口し且つ他端部が前記スプリング作動室に開口するスプリング作動側潤滑油路とが設けられており、
    前記油圧作動側押動部材は、前記クラッチシリンダの内壁部に軸線方向摺動自在且つ液密に外挿される筒部と、該筒部から径方向外方へ延びて前記クラッチシリンダの外壁部に液密に当接される端壁部とを有しており、
    前記油圧作動側押動部材の筒部には、前記クラッチシリンダの内壁部に当接する内周面と前記油圧作動室に面する外周面との間に延びる油圧作動側連通路が設けられ、
    前記スプリング作動側押動部材の筒部には、前記クラッチシリンダの内壁部に当接する内周面と前記スプリング作動室に面する外周面との間に延びるスプリング作動側連通路が設けられており、
    前記油圧作動側潤滑油路の他端部は、前記油圧作動側押動部材が前記油圧作動側摩擦板ユニットの摩擦係合の解除を許容する位置に位置する際には該油圧作動側押動部材の筒部によって閉塞され、且つ、該油圧作動側押動部材が前記油圧作動側摩擦板ユニットを摩擦係合させる係合位置に位置する際には前記油圧作動側連通路に連通され、
    前記スプリング作動側潤滑油路の他端部は、前記スプリング作動側押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を解除させる解除位置に位置する際には該スプリング作動側押動部材の筒部によって閉塞され、且つ、該スプリング作動側押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を許容する位置に位置する際には前記スプリング作動側連通路に連通されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の油圧クラッチ装置。
  5. 前記スプリング作動側連通路は、前記第2押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を許容する位置に位置する際には前記スプリング作動室に開口され、且つ、前記第2押動部材が前記スプリング作動側摩擦板ユニットの摩擦係合を解除させる位置に位置する際には該第2押動部材によって閉塞されるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の油圧クラッチ装置。
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