JP4650416B2 - ヨーグルトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はトランスグルタミナーゼを用いたヨーグルトの製造方法に関する。
ヨーグルトは、元来は、牛乳、山羊乳、羊乳などをそのままあるいは濃縮したものに乳酸菌スターターを接種し、発酵されて製造されるもので、酸甘味、独特の風味、さっぱりとした口当たりを有する発酵乳製品として知られている。その種類は、果汁や果肉を添加したものなど最近は多様化されているものの、乳を含む原材料に一定量のスターターを接種し、ビンや紙容器等の流通用容器に詰め、発酵させてプリン状に固めて製造されるハードタイプと、発酵後解砕して流通用個食容器に移したソフトタイプの2種に大別することができる。これらのヨーグルトの製造方法は、公開特許2001−252011号、特許3182954号に記載されているように、以下の4段階あるいは5段階の工程を主に経る。
ハードタイプについては下記の通りである。(第1工程)原料乳調製:乳を含む原材料を混合、加熱殺菌し、40℃前後まで冷却する。(第2工程)スターター添加・充填:一定量の乳酸菌スターターを添加後、流通用個食容器に充填する。(第3工程)発酵開始:充填後、40℃前後の発酵室に入れて発酵を促進させる。(第4工程)発酵停止:カゼインの等電点凝集によりゲル(ヨーグルトカード)が安定した後、10℃以下の冷蔵庫に入れて冷却し、発酵を停止させ、製品とする。
一方、ソフトタイプについては以下の通りである。
(第1工程)原料乳調製:乳を含む原材料を混合、加熱殺菌し、40℃前後まで冷却する。(第2工程)スターター添加・発酵開始:一定量の乳酸菌スターターを添加後、40℃前後の発酵室に入れて発酵を促進させる。(第3工程)ヨーグルトカードの解砕:カゼインの等電点凝集によりヨーグルトカードが安定した後、カードを解砕し、半液体状の構造にする。(第4工程)充填:流通用個食容器に充填する。なお、充填工程の条件はヨーグルトのレシピや充填設備によって異なり、発酵温度に近い温度で充填する場合もあれば、ある程度冷却した後に添加する場合もある。また、果肉ソース類をヨーグルトカードに添加混合する場合は解砕されたヨーグルトを充填する際に同時に果肉ソースの充填を行うか、或いは、充填工程よりも前の工程で添加を行う必要がある。(第5工程)発酵停止:10℃以下の冷蔵庫に入れて冷却し、発酵を停止させ、製品とする。なお、ヨーグルトのレシピによっては充填前に冷却し発酵を停止させることもある。
ヨーグルトを製造する際には、一般的に物性改善や食感改良の為に各種蛋白質、増粘多糖類が添加されている。
乳蛋白質としては、主には、全脂粉乳や脱脂粉乳等に代表される各種の粉乳や酸カゼイン、ナトリウムカゼイネート等に代表されるカゼイン粉末類、チーズ製造やカゼイン製造の副産物であるホエー粉末類等が利用され、蛋白質含量を増加させることにより品質改善を図っている。上記のように蛋白質を添加する方法以外に、製造工程中での乳濃縮工程を設定する方法もある。これらのような、ヨーグルトミックスの全固形分を高め、製品を改質するという知見は公知の事実であり、ミルク総合事典(1992)、朝倉書店、237頁にも記載されている。
乳蛋白質以外の蛋白質としてはゼラチンが使用される。ゼラチンは低温でゲル化する特性をもつことからヨーグルトカードの構造を補強することにより品質改善を図っている。同時にゼラチンは他の素材と比較すると喫食時の口どけがよいことから汎用されている。
増粘多糖類としては水に溶解してハイドロコロイドを形成するものであれば特に種類は限定されず、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、グリロイド、アルギン酸塩やペクチン、寒天等が挙げられる。これらの素材はヨーグルトカードの粘性増加やゲル構造の補強により品質改善に寄与している。
以上に述べた素材の一般的な効果としては、静置離水の低減やヨーグルトの硬さ・粘度付与、食感面においてはクリーミー感付与、濃厚感付与等が挙げられる。しかし、現在工業的に行われている製造法も含め、既知の方法で得られる上記製品はヨーグルトに求められている種々の条件を必ずしも満たしているものでなく、改良の余地は多い。また、上記のような蛋白質や増粘多糖類添加により品質改善を図る技術以外にも、トランスグルタミナーゼを作用させることによりヨーグルトの品質改善を図る試みが検討されてきた。トランスグルタミナーゼを用いた品質改善のメリットは上記に記載した品質改良剤と比較して総合的にコストメリットがあること、添加物を代替することにより製品の原材料表示において添加物表示を削減しながらも所望の効果を得られること等が挙げられる。
特許3182954号には、予めトランスグルタミナーゼで原料乳を処理し、次いで加熱によりトランスグルタミナーゼを失活させた後にスターターを接種して原料乳を発酵させることを特徴とするヨーグルトの製法が述べられている。この技術により、離水の生じない滑らかな食感のヨーグルトを製造できることが記載されている。この方法では、酵素活性が残存しないように加熱工程をとっている点が大きな特徴である。また、上記特許3182954号では加熱失活工程は同時に乳の加熱殺菌工程となる旨の記載があるが、酵素を失活させる為には95℃達温処理のような加熱条件が必要になる。
一方で十分な酵素失活工程をとらずに、酵素活性が残存する条件でヨーグルトを調整すると、その影響で製品の保存中にヨーグルトの物性が変化し、品質に悪影響を与えることが確認されている。特に原料乳に乳蛋白質を添加し固形分を増加させたヨーグルトにおいてはその影響が顕著である。ヨーグルトの製造にあたり、加熱失活工程を実施せずに調製すると保存中にヨーグルトカードのきめが粗くなる、ゲル化が観察される等、商品価値が著しく低下することが確認されている。そのため、ヨーグルト全般、特に無脂乳固形分を増加させたヨーグルトに用途にトランスグルタミナーゼを用いる際には、加熱失活工程が必須と考えられてきた。
しかしながら、設備上の問題で加熱失活工程の実施が困難である場合にはトランスグルタミナーゼを失活させることは容易ではない。また、出発原料に殺菌乳を用いてヨーグルト製造を行う場合には、通常、カルチャー添加後に加熱工程がないため、加熱失活工程の実施にあたり余分なコストがかかる。そのため、トランスグルタミナーゼの加熱失活工程が殺菌工程と併用できない場合にはトランスグルタミナーゼはあまり利用されていなかった。これらの背景から、トランスグルタミナーゼを利用したヨーグルト製造方法において、残存活性に由来する悪影響を防止・抑制する技術開発が切望されていた。尚、公開特許2001−252011号、特許3182954号、WO200110232には、トランスグルタミナーゼを用いるヨーグルトの製造方法が開示されているが、該酵素の残存活性に由来する悪影響を防止・抑制する方法については言及されていない。
また、発明者らは、特許3182954号のようにトランスグルタミナーゼを失活させる工程を導入しても、原料乳に乳蛋白を添加する場合には、過剰にトランスグルタミナーゼが反応し、製品を保存中に品質が変化し、きめが粗くなる、ダマができる等の問題が起こることを製品開発の過程で発見したが、これに由来する悪影響を防止・抑制する方法についてはこれまで確立されていなかった。
次に、本発明で使用するカゼイン及びホエー蛋白質の混合物の乳蛋白質処理物に関して、類似する技術と本発明の相違点について、より詳細に述べる。
Dairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、363〜368頁には、ホエー蛋白質は加熱による影響を受けやすく、加熱によりその変性度が変化すると記載されている。Dairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、363〜368頁にはスキムミルクを異なる温度帯で加熱して、ホエー蛋白質の変性度を測定した結果が記載されており、加熱温度が高いほど短時間で変性することが説明されている。しかし、ホエー蛋白質の変性度について、どの範囲が乳製品の品質改善に最適であるかという点については一切記載がない。Dairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、363〜368頁に記載のデータは、スキムミルクを加熱したデータであり、カゼインとホエー蛋白質の比率が8:2に固定された条件のデータである。本発明のような、カゼインとホエー蛋白質の比率を原料乳由来の8:2から変化させることは一切記載されておらず、トランスグルタミナーゼの併用についても記載がない。よってDairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、363〜368頁から本発明は容易に類推できないといえる。
また、カゼインとホエーの混合物について、スキムミルクを加熱処理してホエー蛋白質とカゼインの混合処理物を作成することは米国特許US3535304、米国特許US4519945並びにDairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、227〜228頁に記載されているが、この場合のカゼインとホエー蛋白質の比率は乳由来の比率、すなわち8:2に固定されており、ホエーの変性度については一切記載がない。本発明では、意図的にこの比率を変化させてカゼインとホエー蛋白質の混合物を調製し、さらにホエー蛋白質の変性度についても詳細に渡って検討を行い、乳製品、特にトランスグルタミナーゼを使用するヨーグルトに最適な比率及びホエー変性度を見出している。米国特許US4519945及びDairy Chemistry and Biochemistry、BLACKIE ACADEMIC&PROFESSIONAL、227〜228頁には上記の検討を想起させる表現は一切ないため、本発明はこれらの文献からは容易に類推できず、上記文献の技術とは異なるといえる。
さらに、米国特許US3882256ではカゼインとホエー蛋白質の配合比率を変化させ、さらにこれに塩化カルシウムとトリポリリン酸ナトリウムを使用して、乳蛋白質の溶解度(水溶性窒素指数)を変化させた乳蛋白質混合処理物を調製し、ビスケットのような焼成品に適した配合比率、溶解度の検討を行っている。カゼインとホエーの比率を変化させて最適な配合を検討している点については類似してはいるが、米国特許US3882256記載の技術は焼成品の品質改善、ドウ取り扱いの作業性改善を課題としているのに対し、本発明では、カゼインとホエーの比率に加えて、ホエーの変性度を最適化し、トランスグルタミナーゼを用いる乳製品、特にヨーグルトについて、トランスグルタミナーゼの残存活性やトランスグルタミナーゼの過剰な反応に由来する悪影響(きめが粗くなる、ダマができる等)を防止・抑制することを目的としている。このように、米国特許US3882256と本発明とは課題が全く異なり、米国特許US3882256の技術から本発明は容易に類推できない。
以上のとおり、本発明では、意図的にカゼインとホエー蛋白質の比率を変化させてカゼインとホエーの混合物を調製し、さらにホエーの変性度についても詳細に渡って検討を行い、乳製品、特にヨーグルトにおいて、トランスグルタミナーゼを用いる際に、最適なカゼインとホエー蛋白質の比率及びホエー変性度を見出した。本発明の技術は上記の通り、既存の文献の組み合わせでは容易に達成しえず、鋭意検討を行った結果、得られたものである。
本発明の課題とするところは、トランスグルタミナーゼを利用したヨーグルト製造法において、食感、離水防止の面でヨーグルトの品質を改善すること、特に、ヨーグルト中のトランスグルタミナーゼの残存活性や乳蛋白質への過剰な反応に由来する悪影響(きめが粗くなる、ダマができる等)を防止・抑制することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、トランスグルタミナーゼを用いるヨーグルト製造において、品質改善目的で使用される乳蛋白質中のホエー蛋白質の変性度が所定の範囲となる加熱条件で処理することにより、上記課題が解決可能であることを見出した。即ち本発明は以下の通りである。
1.ホエー蛋白質の変性度が60〜88%となる条件でホエー蛋白質を加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを用いるヨーグルトの製造方法。
2.カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46である混合物をホエー蛋白質の変性度が25%〜93%となる条件で加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを用いるヨーグルトの製造方法。
3.乳蛋白質処理物が、カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において32:68〜48:52である混合物をホエー蛋白質の変性度が27%〜79%となる条件で加熱処理して得られるものである前記2記載の製造方法。
4.最終製品であるヨーグルトにおいて、トランスグルタミナーゼによるカゼインの重合度が15〜33%であることを特徴とする前記1乃至3記載の製造方法。
5.最終製品であるヨーグルトにおけるカゼインとホエー蛋白質の比が、窒素重量比において77:23〜65:35であることを特徴とする前記1乃至4記載の製造方法。
6.原料乳に対する該乳蛋白質処理物の添加量が0.2〜2.3%であることを特徴とする前記1乃至5記載の製造方法。
7.加熱処理が、81℃〜89℃、1〜10分間加熱である前記1乃至6記載の製造方法。
8.トランスグルタミナーゼの加熱失活工程を含まないことを特徴とする前記1乃至7項記載の方法。
9.ホエー変性度が60〜88%となる条件でホエー蛋白質を加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを含有する乳製品用酵素製剤。
10.カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46である混合物をホエー蛋白質の変性度が25%〜93%となる条件で加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを含有する乳製品用酵素製剤。
なお、本発明の効果が得られるメカニズムは下記の様に考えられている。まず、トランスグルタミナーゼの基質であるカゼインがホエー蛋白質共存下で加熱されることで、カゼインの周囲にホエーが結合することにより、言わばカゼインはホエー蛋白質にコーティングされた形になる。その結果、ホエー蛋白質がトランスグルタミナーゼとカゼインのスペーサー的な役割を果たし、トランスグルタミナーゼのカゼインへの過剰な反応を抑制することにより本発明の効果が得られると推察されている。
始めに、本発明で使用される乳蛋白質処理物の調製方法について述べる。乳蛋白質の調製については、上述した条件を含む方法で蛋白質の調製を行えばよい。まず、原料については、カゼインやホエー蛋白質の種類は限定されない。例えば、カゼイン原料としては脱脂粉乳や全脂粉乳、前記粉乳から乳糖あるいは脂質を除去したもの、カゼインナトリウム等、含有蛋白質の主成分がカゼインあるいはカゼインの塩であれば種類は問わないし、由来も限定されない。ホエー蛋白質原料としては、濃縮ホエー蛋白質(WPC)、精製ホエー蛋白質(WPI)等、ホエー蛋白質を含有蛋白質の主成分とするものであれば種類は問わないし、原料にホエー蛋白質以外の成分、例えば乳糖や各種ミネラルを含んでいてもよい。由来についても上記特性を満たしていれば、特に限定されず、例えば、ホエー蛋白質であれば、乳そのものからカゼインを精製する際に分離されたものを用いてもよいし、チーズ製造の副産物として発生するチーズホエーを用いても良い。また、上記原料の形状についても特に限定されず、粉末状のものを用いてもよいし、予め溶解された液状のものを用いてもよい。カゼインとホエー蛋白質の混合比率は、窒素重量比率において20:80〜54:46、好ましくは32:68〜48:52がよい。なお、本発明におけるカゼインあるいはホエー蛋白質の窒素重量については例えばケルダール法で分析した値を用いればよい。
加熱時の乳蛋白質混合物の状態については、本発明の効果が得られるメカニズムの点から、両蛋白質が加熱条件下で相互作用できるように、溶液の状態で加熱することが望ましい。乳蛋白が乾燥物である場合は、市水、乳等の溶液に分散させて溶液を調製し、溶液状態にして加熱することが望ましい。
カゼインを混合せずにホエー蛋白質を加熱処理して得られる本発明の乳蛋白質処理物は、ホエー蛋白質の変性度が60〜88%、好ましくは67〜88%、より好ましくは77〜88%となる条件で加熱処理する必要がある。
カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46、好ましくは32:68〜48:52である混合物を加熱処理して得られる本発明の乳蛋白質処理物は、ホエー蛋白質の変性度が25%〜93%、好ましくは27〜79%となる条件で加熱処理する必要がある。
次に、ホエー変性度が25〜93%となる加熱条件について述べる。例えば、カゼインとホエー蛋白質の混合比率が20:80〜54:46の場合、加熱条件は81℃〜89℃で1〜10分間、好ましくは82℃〜86℃、2〜4分間がよい。但し、カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46であり、ホエー変性度が25〜93%となるならば、加熱温度、加熱時間、加熱の方法は問わない。加熱方法については、一般的な溶液加熱に使用される機器、方法は全て適用できる。例えば、恒温槽を用いた加熱や熱交換プレート殺菌機等が使用できる。
ホエー変性度は加熱前後の乳蛋白質混合物について、液体クロマトグラフィーを用いて、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンA、β−ラクトグロブリンBを分析し、3成分の和をホエー蛋白質量として、下記の算定式に従って算出する。
ホエー変性度(%)=(1−加熱後ホエー蛋白質量/加熱前ホエー蛋白質量)x100
なお、加熱により、カゼインに会合したり凝集したホエー蛋白質の上記各成分は液体クロマトグラフィーでは検出されない。加熱後のホエー蛋白質量が少ないほど、ホエー蛋白質が変性、反応していることになる。液体クロマトグラフィーによるホエー蛋白質の上記各成分の分析条件例は下記のとおりである。
流速:1.0ml/min
カラム:Latec300Å 8μm
検出波長:226nm
溶離液A:純水+0.1%トリフルオロ酢酸
溶離液B:アセトニトリル/純水80/20(V/V)+0.555%トリフルオロ酢酸
液体クロマトグラフィーに供する乳蛋白質混合物は、蛋白質濃度が約1%となるよう蒸留水で希釈後、カゼインの等電点であるpH4.6に調整し、カゼインを沈降させ、ポアサイズ0.45μmのマイクロフィルターによりカゼインを除去する。フィルター処理した上清をホエー蛋白質濃度が約0.1%となるようさらに蒸留水で希釈後、液体クロマトグラフィに供する。
本発明で使用する乳蛋白質処理物の最終形態は、取り扱い易さの面やヨーグルト配合時の制約から乾燥させた形態のものが望ましい。但し、乾燥工程をとらない、いわゆる溶液状のものも利用可能である。乾燥方法は一般的に溶液を乾燥させるために用いられている方法を全て適用できる。例としては、ドラムドライ法、フリーズドライ法、スプレードライ法等が挙げられるが、乾燥効率や乾燥された粉体特性の面からスプレードライ法で乾燥させることが望ましい。また、乾燥条件については一般的な条件であれば、特に制限はないが、例えばスプレードライ法であれば、入り口温度及び乾燥工程は180℃で行い、出口温度は80℃程度で設定すると良い。
続いて、本発明の乳蛋白質処理物を用いたヨーグルトの製造方法について述べる。ヨーグルトの製造法については、特別な工程は一切必要なく、先に述べた一般的なヨーグルト製造工程において上記方法で調製した乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを添加すればよい。上記乳蛋白質処理物の添加タイミングや添加形態は特に問わないが、均一に混合されるという点で、第1工程である乳原料混合液(以下ヨーグルトミルクと略す)の調製の際に添加することが望ましい。乳蛋白質処理物の添加量は、最終製品であるヨーグルトにおけるカゼインとホエー蛋白質の比が、窒素重量比において77:23〜65:35となる量が適当である。例えば、乳蛋白質処理物の原料乳に対する添加量は0.2〜2.3%、好ましくは0.25〜2.0%が適当である。
トランスグルタミナーゼの作用によりヨーグルト中のカゼインは重合するが、トランスグルタミナーゼによるカゼインの重合度は15〜33%が好ましく、18〜32%がより好ましい。重合度が15%未満であるとヨーグルトの組織構造がもろく、逆に33%を超えると構造が粗い、きめ細かさに欠ける、保存中に構造変化が起こる等の問題が生じる。重合度は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて、カゼインの単量体、二量体、三量体、多量体(3量体以上の重合体)の含量を分析し、これら4成分の和をカゼインの総蛋白量として下記の算定式に従って算出できる。
カゼイン重合度(%)=(二量体+三量体+多量体)/(単量体+二量体+三量体+多量体)x100
トランスグルタミナーゼの活性を残存させる場合は、ヨーグルトミルク殺菌後から発酵開始前までの間、あるいは発酵中のようにトランスグルタミナーゼをヨーグルトカード全体に均一に拡散できる状態にある間に添加すればよいし、トランスグルタミナーゼを失活させる場合には、加熱殺菌前に添加すれば特に制限はない。
トランスグルタミナーゼの加熱失活工程を含まないことを特徴とするヨーグルトの製造方法とは、トランスグルタミナーゼ添加後の工程に、例えば95℃達温処理等、該酵素が失活する条件の加熱工程が含まれない製造方法を意味する。
本発明で用いるトランスグルタミナーゼ水溶液の濃度は、トランスグルタミナーゼの作用が発現される濃度であればよい。具体的には、乳蛋白質1g当たり、トランスグルタミナーゼを0.01〜100ユニット(以下ユニットはUと略する)、好ましくは0.1〜50U含有させる。添加量が前記範囲より少ない場合には物性の改善効果を収めることができず離水防止等の効果も小さい。また、前記範囲を越える場合はゲル状に固まり、ヨーグルトらしい滑らかさを失い、好ましくない。
なお、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義されている。すなわち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、活性を算出する(特開平1−27471号公開特許公報参照)。
トランスグルタミナーゼの作用を十分に発揮させるためには、一般的には、トランスグルタミナーゼの作用に適する条件、すなわちpH6〜7においてほぼ5〜65℃、好ましくはほぼ40〜55℃で10〜120分保持するのがよいが、本発明のヨーグルトの場合は発酵工程が酵素反応工程を兼ねることができる。乳酸菌による発酵が進むとヨーグルトのpHが下がり、トランスグルタミナーゼの反応効率が悪くなるため、トランスグルタミナーゼはヨーグルトミルク殺菌後、ヨーグルトスターターを添加する際に添加することが望ましい。トランスグルタミナーゼの添加方法は特に限定されない。例えば、粉末を直接添加して溶解させてもよいし、事前に乳や水等で溶解して溶液状にして添加してもよい。
本発明に用いられるトランスグルタミナーゼは、哺乳動物由来のもの(特公平1−50382参照)、魚類由来のもの(平成3年度日本水産学会秋季大会講演要旨集第180頁参照)、植物由来のもの、微生物由来のもの(特開平1−27471 参照)、遺伝子組換えによるもの(特開平1−300899 参照)、等が知られているが、その由来を問わず使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。もちろん、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
ヨーグルトに用いる乳蛋白質混合物は以下のように調製した。WPC35(液体ホエー蛋白質、蛋白質含量約10%、BMI社製)及び濃縮スキムミルク(液体スキムミルク、蛋白質含量約10%、BMI社製)を用いてカゼインとホエー蛋白質の比率が異なる種々の乳蛋白質混合物を調製した。なお、混合液調製時の総蛋白質濃度は10%とし、乳糖などのカゼイン及びホエー蛋白質以外の成分については全ての調製サンプルで同じになるようにした。配合比を表1に述べる。
Figure 0004650416
表1に従って調製した乳蛋白質混合溶液は、Scraped surface heat exchanger(Schroder、Lubeck、Germany)で80℃又は84℃又は90℃、3分間の加熱を行った後、Niro Atomizer(Soeborg、Denmark社製)のスプレードライヤーを用いて乾燥した。スプレードライの乾燥条件は、入り口温度から乾燥工程においては180℃、出口温度は80℃に設定した。調製した乳蛋白質処理物はその特性を把握するために処理物中のホエーの変性度を測定した。その結果を合わせて表1に示した。ホエー変性度は加熱前後の乳蛋白質混合物について、液体クロマトグラフィーを用いて、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンA、β−ラクトグロブリンBを分析し、3成分の和をホエー蛋白質量として、下記の算定式に従って算出した。
ホエー変性度(%)=(1−加熱後ホエー蛋白質量/加熱前ホエー蛋白質量)x100
下記条件で液体クロマトグラフィーによるホエー蛋白質の上記各成分を分析したところ、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンA、β−ラクトグロブリンBのピークの現れる時間は、約9.5分後、約19.5分後、約19分後であった。
流速:1.0ml/min
カラム:Latec300Å 8μm
検出波長:226nm
溶離液A:純水+0.1%トリフルオロ酢酸
溶離液B:アセトニトリル/純水80/20(V/V)+0.555%トリフルオロ酢酸
なお、液体クロマトグラフィーに供する各乳蛋白質混合物は、蛋白質濃度が約1%となるよう蒸留水で希釈後、カゼインの等電点であるpH4.6に調整し、カゼインを沈降させ、ポアサイズ0.45μmのマイクロフィルターによりカゼインを除去し、フィルター処理した上清をホエー蛋白質濃度が約0.1%となるようさらに蒸留水で希釈後、液体クロマトグラフィに供した。
次に、上記で調製した乳蛋白質処理物を用いてソフトタイプヨーグルトを調製した。殺菌済みのスキムミルク(蛋白質含量3.4%)に上記処理物を原料乳重量の1%に相当する量を加え、ヨーグルトミルクにおける蛋白質濃度が4.4%となるように調製した。蛋白質濃度を調製したヨーグルトミルク(15kg)はホモジナイザーにより2段階(200bar/40bar、流速105L/hr)で均質化した後、チューブ式の加熱機で94℃、3分間殺菌した。各15kgの加熱殺菌したヨーグルトミルクを調製し、うち、各4kgをそれぞれ殺菌済みのインキュベーションタンクに移し、各ヨーグルトミルクの温度が42℃になるように温度調整した。
乳温が42℃に達したところで、8mlのプレカルチャーをヨーグルトミルクに添加した。なお、プレカルチャーは50gのABT−21ヨーグルトカルチャー(プロバイオティックカルチャー、CHR HANSEN製)を450gの冷却したスキムミルク溶液に溶解して調製した。トランスグルタミナーゼとして、ACTIVA MP(味の素株式会社製、酵素活性100U/g)を乳酸菌添加直後にヨーグルトミルク重量あたり0.02重量%(0.54U/乳蛋白質1g)となるように添加し、軽く攪拌して均一に溶解させた。乳酸菌を接種したヨーグルトミルクはインキュベーターで42℃の条件で発酵させた。発酵開始後、30分ごとにpHを測定し、pHが4.6となったところで発酵を終了し、解砕・充填を行った。解砕については、内径10mmの細長いチューブに220μmの非常に小さなメッシュ、ミキサー、冷却用ジャケットを取り付けた解砕機を準備し、ポンプで圧力をかけて解砕を行った。なお、冷却器は解砕後の品温が約20℃になるように設定した。解砕したヨーグルトを滅菌したガラス容器に充填し、4℃で保存後、一定の期間保存したヨーグルトサンプルについて官能評価を行った。
官能評価については、ヨーグルト製造に熟練した3名の作業従事者がヨーグルトの状態について目視による観察及び食感の確認を行い、異常の有無の判定を行うことにより評価した。食感に関する官能評価では、ヨーグルトの硬さ(粘度)、きめ細かさ、離水量に関して個別に評価を行い、さらにそれらの結果を踏まえて総合的な評価も行った。保存中の物性変化の評価に関しては、目視でゲル化の有無、粘度変化を確認した。なお、評価基準については、5段階の評価基準を設定して行った。各試料に関する分析結果を下表に示す。なお、表2中の評価は調製後、4℃で1週間保存したものを用いて行った。
Figure 0004650416
ゲルの硬さ・きめ細かさ・離水量・総合評価の評点基準
1点:非常に好ましくない
2点:やや好ましくない
3点:どちらでもない
4点:やや好ましい
5点:非常に好ましい
比較品1では十分な硬さが得られず、ヨーグルトとしては不適であることが確認された。また、比較品2〜6についてもきめ細かさに欠ける等の評価結果に示されるように、十分な改質効果が得られなかった。比較品7〜12ではいずれも十分な改質効果が得られなかった。特に比較品12については離水が多く、ヨーグルトとしての品質に問題が生じることが確認された。従って、90℃で乳蛋白質の処理を行った場合にはヨーグルトの品質を十分なレベルまで改善できないことが確認された。比較品13及び14については保存中に劇的な物性変化が観察されたこと、特に比較品14についてはゲル強度が高すぎたことから、いずれの試験区もヨーグルト製品としては不適であることが確認された。一方、発明品1〜4は比較品13〜14と同じ条件で加熱処理を行っているにもかかわらず、カゼインとホエー蛋白質の比率を特定の比率にして乳蛋白質処理物を調製することで、官能、物性共に改善され、かつ、保存中の物性変化も抑制したヨーグルトを調製できることが確認された。
これはホエー蛋白質の変性度の最適化が本発明における課題克服に大きく寄与していることを示している。また、表3に示したように、比較品1〜3及び比較品7〜9では発明品1〜3と同じ条件でカゼインとホエー蛋白質を配合しているにも関わらず、ヨーグルトの品質改善効果については大きな差があることが確認された。この結果からも、加熱処理条件すなわちホエー蛋白質の変性度の最適化が本発明の課題克服に大きく寄与していることを示している。
Figure 0004650416
ゲルの硬さ・きめ細かさ・離水量・総合評価の評点基準
1点:非常に好ましくない
2点:やや好ましくない
3点:どちらでもない
4点:やや好ましい
5点:非常に好ましい
ヨーグルトに用いる乳蛋白質混合物をカゼイン:ホエー蛋白質の比を40:60に固定して実施例1と同様に調製した。加熱処理条件については、ホエーの変性度を変化させるために各試験区で調整を行った。詳細条件を表4に示す。
Figure 0004650416
次に、上記で調製した乳蛋白質処理物を用いて、実施例1と同様にしてソフトタイプヨーグルトを調製し、官能評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0004650416
表5に示すように、ホエー変性度が3%、13%の乳蛋白質処理物では品質改善効果が見られなかったが、ホエー変性度が27%〜79%の範囲では顕著な品質改善効果(食感改善効果、保存中物性変化抑制)が確認できた。一方、変性度が95%の場合には逆に改質効果が低下することが確認された。発明品6〜8に見られるように、実験に用いたWPC35及び濃縮スキムミルクのロット差により同じ加熱条件であっても、ホエー蛋白質の変性度は一定ではなかったが、実施例1と同様に、この結果からも、ホエー蛋白質の変性度の最適化が本発明の課題克服に大きく寄与していることを示している。
発明品3で使用した乳蛋白質処理物を用いて、ソフトタイプヨーグルトを調製した。殺菌済みのスキムミルク(蛋白質含量3.4%)に発明品3で用いた乳蛋白質処理物を原料乳重量の0.5%に相当する量を加えた。さらに、トランスグルタミナーゼ(ACTIVA YG;味の素株式会社製、酵素活性100U/g)を牛乳由来蛋白質1gあたり1Uとなるように添加した。調製したヨーグルトミルク(15kg)はホモジナイザーにより2段階(200bar/40bar)で均質化した後、表6に規定した条件で酵素を反応させた。規定の条件で酵素反応を行った後、95℃で3分間加熱処理し、トランスグルタミナーゼを失活させた。処理したヨーグルトミルク各4kgをそれぞれ殺菌済みのインキュベーションタンクに移し、各ヨーグルトミルクの乳温が42℃に達したところで、8mlのプレカルチャーをヨーグルトミルクに添加した。なお、プレカルチャーは50gのABT−21ヨーグルトカルチャー(プロバイオティックカルチャー、CHR HANSEN製)を450gの冷却したスキムミルク溶液に溶解して調製した。乳酸菌を接種したヨーグルトミルクはインキュベーターで42℃の条件で発酵させた。発酵開始後、30分ごとにpHを測定し、pHが4.6となったところで発酵を終了し、解砕・充填を行った。解砕については、内径10mmの細長いチューブに220μmの非常に小さなメッシュ、ミキサー、冷却用ジャケットを取り付けた解砕機を準備し、ポンプで圧力をかけて解砕を行った。なお、冷却器は解砕後の品温が約20℃になるように設定した。解砕したヨーグルトを滅菌したガラス容器に充填し、4℃で保存後、一定の期間保存したヨーグルトサンプルについて実施例1と同様にして官能評価を実施した。また、サイズ排除クロマトグラフィー法を用いてカゼインの重合度の測定も行った。官能評価結果と重合度測定結果を表7に示す。
なお、比較品として、トランスグルタミナーゼを添加しないもの(比較品18)、乳蛋白質処理物に比較品14で使用した処理物を用いたもの(比較品19)を調製した。
Figure 0004650416
Figure 0004650416
重合度測定はサイズ排除クロマトグラフィーを用いて、カゼインの単量体、二量体、三量体、多量体(3量体以上の重合体)の含量を分析し、これら4成分の和をカゼインの総蛋白量として下記の算定式に従って算出した。
カゼイン重合度(%)=(二量体+三量体+多量体)/(単量体+二量体+三量体+多量体)x100
下記条件でサイズ排除クロマトグラフィーによるカゼインの重合度測定を行ったところ、カゼイン多量体(三量体以上、三量体、二量体)、単量体、その他低分子ペプチドや塩類のピークが現れる時間は順に、約16〜23分、約23〜28分、約34〜47分であった。
システム:AKTA BASIC AMERSHAM BIOSCIENCESA900、P900pump
カラム:Superdex200HR 10/30(71−7059−00)、AMERSHAM BIOSCIENCES
検出波長:280nm
インジェクション量:50μl
流速:0.5ml/min
溶離液:6M Urea/0.1M NaCl/0.1M Phosphate/0.1%CHAPS/pH=6.8
なお、サイズ排除クロマトグラフィーに供するサンプル調製用バッファーには重合度へのS−S結合の影響を排除するため、溶離液に1%DTTを添加したものを用いた。検体となるヨーグルトは、2mlのサンプルバッファーに蛋白質濃度が0.3%となるように溶解させた後、超音波で20分破砕し、さらにボルテックスミキサーでよく混合したものを4℃で24時間静置した。分析直前にポアサイズ0.45μmのマイクロフィルターで上記の破砕液をろ過し、その上清をサイズ排除クロマトグラフィーに供した。
表7に示したように、重合度が11%以下であると組織構造がもろく、逆に35%以上であると構造が粗い、きめ細かさに欠ける、保存中に構造変化が起こる等の問題が観察された。食感や保存時の経時変化に問題のない、重合度の範囲は18%〜32%であった。中でも、24%〜29%の範囲は特に望ましい効果が得られた。これらの結果は製品中のカゼイン重合度も、本発明の重要な要素であることを示している。
発明品3で使用した乳蛋白質処理物を用いて、ソフトタイプヨーグルトを調製した。殺菌済みのスキムミルク(蛋白質含量3.4%)に発明品3で用いた乳蛋白質処理物を表8に記載の添加量に従って添加した。それ以外の条件については、実施例1に従ってヨーグルトの調製及び官能評価を行った。官能評価結果を表9に示す。
Figure 0004650416
Figure 0004650416
表9のとおり、乳蛋白質処理物の最適な添加量としては、最終製品であるヨーグルトにおけるカゼインとホエー蛋白質の比率が重要であり、適当な比率は77:23〜65:35、好ましくは75:25〜68:32であった。請求項で規定されている乳蛋白質処理物を用いる限り、最終的なヨーグルトにおける比率が上記の範囲であれば本発明の効果が得られる。添加量を基準にすると、原料乳重量あたり2.5%では蛋白質処理物由来の粉っぽさが付与されてしまい、0.25〜2.0%が好ましかった。これらの結果は乳蛋白質処理物におけるカゼインとホエー蛋白質の比率だけでなく、ヨーグルト製品中のカゼインとホエー蛋白質の比率も、本発明の重要な要素であることを示している。
本発明によれば、トランスグルタミナーゼの活性が残存していても、保存中にゲル化やダマ発生等の悪影響を与えることがないため、ヨーグルトの製造工程において該酵素の失活工程を導入することなく、ヨーグルトの改質、即ち、食感の改善、離水抑制に高い効果を示すことができる。また、失活工程を導入する場合においても、トランスグルタミナーゼの過剰な反応を抑制することより、保存中の品質の経時変化を抑制することができる。以上より、本発明は食品分野において極めて有用であるといえる。

Claims (8)

  1. ホエー蛋白質の変性度が60〜88%となる条件でホエー蛋白質を加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを用いるヨーグルトの製造方法であって、前記加熱処理が、81℃〜89℃、1〜10分間加熱であり、かつ、トランスグルタミナーゼの加熱失活工程を含まないことを特徴とするヨーグルトの製造方法。
  2. カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46である混合物をホエー蛋白質の変性度が25%〜93%となる条件で加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを用いるヨーグルトの製造方法であって、前記加熱処理が、81℃〜89℃、1〜10分間加熱であり、かつ、トランスグルタミナーゼの加熱失活工程を含まないことを特徴とするヨーグルトの製造方法。
  3. 乳蛋白質処理物が、カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において32:68〜48:52である混合物をホエー蛋白質の変性度が27%〜79%となる条件で加熱処理して得られるものである請求の範囲第2項記載の製造方法。
  4. 最終製品であるヨーグルトにおいて、トランスグルタミナーゼによるカゼインの重合度が15〜33%であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項記載の製造方法。
  5. 最終製品であるヨーグルトにおけるカゼインとホエー蛋白質の比が、窒素重量比において77:23〜65:35であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項記載の製造方法。
  6. 原料乳に対する該乳蛋白質処理物の添加量が0.2〜2.3%であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項記載の製造方法。
  7. ホエー変性度が60〜88%となる条件でホエー蛋白質を加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを含有する乳製品用酵素製剤であって、前記加熱処理が81℃〜89℃、1〜10分間加熱である乳製品用酵素製剤
  8. カゼインとホエー蛋白質の混合比が窒素重量比において20:80〜54:46である混合物をホエー蛋白質の変性度が25%〜93%となる条件で加熱処理して得られる乳蛋白質処理物及びトランスグルタミナーゼを含有する乳製品用酵素製剤であって、前記加熱処理が81℃〜89℃、1〜10分間加熱である乳製品用酵素製剤
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