JP4650080B2 - 車両のローリング運動安定化制御装置 - Google Patents

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    • B60T2230/00Monitoring, detecting special vehicle behaviour; Counteracting thereof
    • B60T2230/03Overturn, rollover

Description

本発明は、車両のローリング運動安定化制御装置に関し、特に、走行中の車両のロール増大傾向を抑制しローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置に係る。
下記の特許文献1には、ブレーキシステムによって車両運動制御ブレーキの介在を行う方法に関し、「車両がその縦軸回りを傾斜する傾向を表す、少なくとも一つの車両運動の動的特性変数として、対応する傾斜防止しきい値が規定されている。特性変数の瞬時値は連続して取得され、傾斜防止しきい値と比較される。特性変数の瞬時値が傾斜防止しきい値を超えたときには直ちに、車両がその縦軸回りを傾斜するのを防止するため、コーナリング時に外側となる車輪が制動される」と記載されている。そして、「特性変数の瞬時値は、横加速度、横加速度の時間変化、姿勢角、姿勢角速度、姿勢角速度の時間変化、及びスリップ角というような変数を含む」と記載され、横加速度を唯一の車両運動の動的特性変数とする実施例が、第1の実施例として説明されている。また、他の実施例に関し、「横加速度、横加速度の時間変化、姿勢角、姿勢角速度、姿勢角速度の時間変化、及びスリップ角を車両運動の動的特性変数とする」と記載され、「一つ以上の特性変数が、その対応するしきい値を超えると、コーナリング時に外側となる車輪が、高スリップ状態となるように、車両運動動的制御システムが当該車輪を制動する」と記載されている。
上記特許文献1に記載の方法は、コーナリング時の車両の挙動に着目されたものであるが、車両の運動制御という観点からすると、車両の縦軸回りの運動はローリング運動と呼ばれ、例えば非特許文献1に記載されているように、従前から研究されている。この非特許文献1においては、ローリング運動は、車両の横方向の運動、及び車両の垂直軸回りのヨーイング運動と共に、基本的には操舵によって初めて生じる運動として、分類されている(非特許文献1の3頁)。そして、車体にローリングモーメントが働けばロールセンタを中心にロール角を生じることになると説明されている(非特許文献1の148頁)。
上記のように、一般的に車両のローリング運動を表す指標としてロール角が用いられているが、特許文献2には、ロール角及びロール角速度に基づいて車両が横転する可能性の有無を判定する際に、その判定精度を更に向上させることを目的とした発明が提案されている。具体的には、「車両のロール角およびロール角速度をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラインを設定し、車両の実際のロール角およびロール角速度の履歴ラインが前記敷居値ラインを原点側から反原点側に横切ったときに車両が横転する可能性が有ると判定する」旨記載されている(敷居値は閾値の誤記と解する)。特許文献2に記載の発明においては、ロール角速度センサを備え、その出力であるロール角速度の積分値をロール角の変動分として、横加速度センサの出力に基づいて算出されたロール角の初期値に加算することにより、ロール角を算出することとしている。そして、車両の横転可能性の有無の判定をインフレータブルカーテンの展開制御、サイドエアバッグの展開制御、格納式ロールバーの展開制御等の用途に適用することができると説明されている。
米国特許第6086168号明細書 特開2001−71787号公報 安部正人著「自動車の運動と制御」、株式会社山海堂、1994年5月31日第2刷発行、3頁、及び148頁
上記特許文献2に記載の方法は、ロール角及びロール角速度に基づく判定結果に応じてインフレータブルカーテンの展開制御等を行なう装置に適用されるものである。このため、インフレータブルカーテンを展開させることによって乗員を保護する必要が生ずる程度に、車両のローリング運動が過大となったことを判定し得ることが必要である。逆に、車両のローリング運動が然程大きくない状態でインフレータブルカーテンが展開することは好ましくない。これに対し、本願発明が対象とする車両のローリング運動の安定化制御におけるローリング運動の判定に際しては、僅かなローリング運動が発生した場合にも、これを判別し得ることが必要となる。従って、特許文献2に記載の方法は、本願発明の車両ローリング運動安定化制御におけるローリング運動の判定に適用することはできない。
一方、前掲の特許文献1においては、車両がその縦軸回りを傾斜する傾向を表す動的特性変数として、横加速度等の複数の特性変数が列記され、横加速度を唯一の動的特性変数とする場合と、一つ以上の特性変数を動的特性変数とする場合について実施例が説明されている。しかし、前者の場合は「特性変数の瞬時値が傾斜防止しきい値を超えたときには」と記載され、後者の場合は「一つ以上の特性変数が、その対応するしきい値を超えると」と記載されているように、何れの場合も、個々の特性変数が夫々の閾値と比較されることが基本とされている。このため、仮令、一つ以上の特性変数を用いた場合に、特許文献1で企図されている縦軸回りを傾斜する傾向を判定する方法には適用可能であったとしても、本願発明のローリング運動安定化制御において判定対象とするローリング運動を適切に判定することはできない。また、制動力制御をどのように継続し、更にはどのように終了するかも重要課題である。
そこで、本発明は、走行中の車両のロール増大傾向を抑制しローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置において、車両のロール増大傾向を確実に判定し、制動力制御を適切に継続し、且つ終了し得る車両のローリング運動安定化制御装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、請求項1に記載のように、車両の各車輪に制動力を付与する車輪制動手段を備え、該車輪制動手段を制御することにより走行中の前記車両のロール増大傾向を抑制し、ローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置において、前記車両の旋回方向を判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により前記車両が一方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第1制動力を付与する第1制動力制御手段と、前記旋回判定手段により前記車両が他の方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第2制動力を付与する第2制動力制御手段と、該第2制動力制御手段及び前記第1制動力制御手段の制御開始基準を夫々所定の基準値に設定する制御開始基準設定手段とを備え、前記旋回判定手段により前記車両が前記一方向に旋回すると判定されたときに、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第2制動力の付与を開始する開始基準を前記所定の基準値より小さくなるように調整することとしたものである。
また、請求項2に記載のように、車両の各車輪に制動力を付与する車輪制動手段を備え、該車輪制動手段を制御することにより走行中の前記車両のロール増大傾向を抑制し、ローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置において、前記車両の旋回方向を判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により前記車両が一方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第1制動力を付与する第1制動力制御手段と、前記旋回判定手段により前記車両が他の方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第2制動力を付与する第2制動力制御手段と、該第2制動力制御手段及び前記第1制動力制御手段の制御開始基準を設定する制御開始基準設定手段であって、ロール入力量及びロール入力速度の二つの変数を含む車両のロール状態量に基づき、前記第1制動力の付与を開始する開始基準を、前記二つの変数の符号が同一のときには一方が大きくなるほど他方が小さくなるように設定する制御開始基準設定手段とを備え、前記旋回判定手段により前記車両が前記一方向に旋回すると判定されたときに、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第1制動力の付与を開始する開始基準を超えたときの前記ロール入力量を、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第2制動力の付与を開始する開始基準とし、前記ロール入力速度にかかわらず前記ロール入力量が前記第2制動力の付与を開始する開始基準を超えたときに前記第2制動力の付与を開始することとしてもよい。尚、前記車両のロール状態量とは、車両のローリング運動を表す指標であり、後述の[表1]に記載のように分類することができるが、例えば、車両の操舵角速度、横加速度、ヨー角速度等を用いるとよい。特に、前記ロール入力量は、請求項4に記載のように、前記車両の横加速度及びヨー角速度の一方とし、前記ロール入力速度は前記車両の操舵角速度とするとよい。
そして、前記旋回判定手段としては、請求項3に記載のように、前記車両の横加速度、ヨー角速度、及び操舵角の少なくとも一つに基づいて前記車両の旋回方向を求めるように構成することができる。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1に記載のローリング運動安定化制御装置においては、車両が一方向に旋回すると判定されたときに、制御開始基準設定手段が設定する第2制動力の付与を開始する開始基準を所定の基準値より小さくなるように調整することとしているので、車両の過渡操舵時に生ずる動的ロール増大傾向に対し、早期に対応することができ、適切に制動力制御を行なうことができる。而して、ローリング運動の安定化を早期且つ確実に行なうことができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、例えば、車両が一方向に旋回するときに動的ロール増大傾向であれば、続いて車両が他の方向に旋回するときにも動的ロール増大傾向となるので、車両が一方向に旋回すると判定されたときに、制御開始基準設定手段が設定する第1制動力の付与を開始する開始基準を超えたときのロール入力量を、制御開始基準設定手段が設定する第2制動力の付与を開始する開始基準とし、ロール入力速度にかかわらずロール入力量が第2制動力の付与を開始する開始基準を超えたときに第2制動力の付与を開始することにより、ローリング運動の安定化を早期且つ確実に行なうことができる。更に、ロール入力量及びロール入力速度を、請求項4に記載のように設定することにより、路面状態に応じた確実なローリング運動安定化制御を行うことができる。
また、旋回判定手段は、請求項3に記載のように構成することができるので、車両のロール状態量の一部(例えば横加速度)を利用すれば、新たにセンサ等の検出手段を用いることなく、容易且つ適切に車両の旋回方向を求めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両のローリング運動安定化制御装置の全体構成を示す。図1において、車両の旋回方向を判定する旋回判定手段M0と、この旋回判定手段M0により車両が一方向に旋回すると判定されたときに車輪制動手段M4を介して車輪に第1制動力を付与する第1制動力制御手段M1と、旋回判定手段M0により車両が他の方向に旋回すると判定されたときに車輪制動手段M4を介して車輪に第2制動力を付与する第2制動力制御手段M2と、第1及び第2制動力制御手段M1及びM2に対する制御開始基準を夫々所定の基準値に設定する制御開始基準設定手段M3とを備えている。そして、旋回判定手段M0により車両が一方向に旋回すると判定されたときに、制御開始基準設定手段M3が設定する第2制動力の付与を開始する開始基準を所定の基準値より小さくなるように調整することとしている。
而して、制御開始基準設定手段M3にて上記のように設定された制御開始基準に基づき、第1及び第2制動力制御手段M1及びM2が制御され、車両のロール増大傾向を抑制するように、車輪制動手段M4によって車両の各車輪に制動力が付与され、ローリング運動が安定化される。
また、図1に破線で示すように、車両のロール状態量に基づき、旋回判定手段M0により車両が一方向に旋回すると判定されたときに、制御開始基準設定手段M3が設定する前記第1制動力の付与を開始する開始基準を超えたときの車両のロール状態量を、制御開始基準設定手段M3が設定する前記第2制動力の付与を開始する開始基準とするように構成してもよい。尚、旋回判定手段M0は、例えば車両の横加速度に基づいて車両の旋回方向を求めるように構成されている。
ここで、本発明が対象とする「車両のロール増大傾向」について説明する。車両のロール増大傾向には、急激なローリング運動が生じて発生する場合(以下、動的ロール増大傾向という)と、比較的緩やかなローリング運動において発生する場合(以下、静的ロール増大傾向という)と、動的ロール増大傾向と静的ロール増大傾向との中間的な特性を有する場合(以下、中間的ロール増大傾向という)とがある。
動的ロール増大傾向は、運転者の急激な操舵操作や切り返し操舵等によってローリング運動が急増し、サスペンション部材が縮み側バウンドストッパに衝突し、その衝撃でサスペンション伸び側の車輪が持ち上げられようとすることによって発生する。この動的ロール増大傾向は、直進走行から急旋回する場合よりも、一方方向に旋回し、その状態から他の方向に旋回する場合、所謂過渡操舵時に発生しやすい。これは、一方方向の旋回状態から戻るときには、すでにローリング運動が生じており、さらに他の方向への旋回を行うと、そのローリング運動の方向が一致するため、ローリング運動が助長されるからである。例えば、左旋回から直進走行に戻る際には車両進行方向に対して、反時計回りのローリング運動が発生しているが、そこから右旋回に移行すると、更に反時計回りのローリング運動が発生するためである。
先ず、図2及び図3を参照して、車両のローリング運動における状態量について説明する。尚、車両運動は右旋回と左旋回の場合があり、それらは一般的には正負の符号が付され、例えば左旋回が正、右旋回が負として表される。しかし、大小関係を説明する際にその符号を考慮すると非常に煩雑となるため、以下の説明においては、特に限定がない場合には絶対値の大小関係を表すものとする。
運転者のステアリングホイール操作により各車輪にスリップ角αxx(ここで、添字xxは各車輪を意味し、frは右側前輪、flは左側前輪、rrは右側後輪、rlは左側後輪を示す)が生ずると共に、各車輪に横力SFxxが発生し、車両は旋回運動を行う。このとき、車輪の発生する横力と釣り合うように、慣性力(遠心力)Fyが車両重心に作用する。車両重心位置はローリング運動の回転中心(ロール中心)とは一致せず、車両重心とロール中心との間の距離Haが存在するため、ローリングモーメントMx(=Ha・Fy)が発生する。その結果、ローリングモーメントによって車両にローリング運動が惹起され、ローリング運動が過大となった場合に車両ロール増大傾向と判定され得る。
以上のローリング運動のダイナミクスに基づき、ローリング運動を表すロール状態量Rstは、ローリング運動の出力(結果)である出力状態量Rotと、入力(原因)である入力状態量Rinとに分類することができる。ここで、ローリング運動の出力に関する状態量Rotとしては、ロール角Ra、ロール角速度Rrがある。また、サスペンションの動きに注目すれば、サスペンションストロークSTxx、及びその速度dSTxxが該当する。そして、ローリング運動の入力を表す状態量(入力状態量Rin)としては、ステアリングホイールSWの操舵角δsw及び操舵角速度dδsw、車輪スリップ角αxx及びその速度dαxx、車両スリップ角β及びその速度dβ、車輪の横力SFxx及びその時間変化dSFxx、車体慣性力Fy及びその時間変化dFy、更に、ローリング運動の直接の入力であるローリングモーメントMx、及びその時間変化dMxがある。
また、慣性力(車輪の横力の総和)は車両の横加速度と対応しているため、後述する横加速度センサGYで検出される横加速度(検出横加速度)Gy及びその時間変化dGyも入力状態量Rinということができる。そして、横力がヨーイングモーメントを発生させ、その結果、車両はヨーイング運動を行うが、ヨーイングモーメントYm及びその時間変化dYm、ヨー角速度Yr及びその時間変化(ヨー角加速度)dYrもローリング運動の入力状態量Rinとすることができる。
ここで、車両の横加速度は、以下の各式で示すように、他の状態量を用いて表現することもできるため、これらを入力状態量Rinとすることもできる。先ず、ヨー角速度Yrから求められる演算横加速度Gy1は以下のように演算される。
Gy1=V・Yr …(1)
ここで、Vは車両速度である。
同様に、演算横加速度Gy1の時間変化dGy1は以下のように演算される。
dGy1=V・dYr …(2)
ここで、dYrはヨー角速度Yrの時間変化(ヨー角加速度)である。
ステアリングホイールSWの操舵角δswから求められる演算横加速度Gy2は以下のように演算される。
Gy2={V2/〔L・(1+Kh・V2)〕}・(δsw/N) …(3)
ここで、Lはホイールベース、Khはスタビリティファクタ、Nはステアリングギアレシオである。
また、Kh=0(ニュートラルステア)として、下記(3’)式とすることもできる。
Gy2=(V2/L)・(δsw/N) …(3’)
同様に、演算横加速度Gy2の時間変化dGy2は以下のように演算される。
dGy2={V2/〔L・(1+Kh・V2)〕}・(dδsw/N) …(4)
ここで、dδswはステアリングホイールの操舵角速度である。
また、Kh=0(ニュートラルステア)として、下記(4’)式とすることもできる。
dGy2=(V2/L)・(dδsw/N) …(4’)
以上のローリング運動を表すロール状態量Rstをまとめると、下記の[表1]に示すようになる。ここでは、出力(結果)と入力(原因)に分類すると共に、ローリング運動の大きさ(RamとRm)及び速さ(RspとdRm)に分類して示している。尚、下記の[表1]において、演算によって求められる状態量を括弧内に矢印で示す。
Figure 0004650080
ところで、ローリング運動は車両の旋回運動の結果として表れるため、上記の[表1]のロール状態量Rstの正負の符号に基づいて、車両の旋回方向及び旋回状態の変化を求めることができる。即ち、ローリング運動の大きさを表す状態量(RamとRm)のうちの何れか一つの状態量の符号によって旋回方向を求めることができる。更に、ローリング運動の大きさを表す状態量(RamとRm)のうちの何れか一つの状態量の符号と、その速さを表す状態量(RspとdRm)のうちの何れか一つの状態量の符号とによって旋回状態の変化(旋回状態が増加しているか、減少しているか)を求めることができる。例えば、車両が左旋回中であり、ローリング運動の大きさを表す状態量の符号が正である場合、ローリング運動の速さを表す状態量の符号が正であり、ローリング運動の大きさを表す状態量の符号と一致するときには、車両は左旋回中であり、その旋回状態が増加している。逆に、ローリング運動の速さを表す状態量の符号が負であり、ローリング運動の大きさを表す状態量の符号とは不一致のときは、車両は左旋回中であるが、その旋回状態が減少している。
図4は、本発明の一実施形態に係るローリング運動安定化制御装置を備えた車両の全体構成を示すもので、ブレーキ系電子制御ユニットECU1、エンジン系電子制御ユニットECU2、及びインパネ系電子制御ユニットECU3が通信バスを介して接続されており、各システム間で互いのシステム情報を共有することができるように構成されている。更に、ステアリングホイール操舵角(以下、単に操舵角という)δswを検出する操舵角センサSA、車両の前後加速度Gxを検出する前後加速度センサGX、車両の横加速度Gyを検出する横加速度センサGY、車両のヨー角速度Yrを検出するヨー角速度センサYR、及び車両のロール角速度Rrを検出するロール角速度センサRRが、通信バスに接続され、各電子制御ユニットにセンサ情報を提供できるように構成されている。
ブレーキアクチュエータBRKは、運転者によるブレーキペダルBPの操作に応じて各車輪に制動力を発生させると共に、後述するローリング運動の安定化制御が必要なときには、ブレーキ系電子制御ユニットECU1の信号に応じて、各車輪の制動力を独立して制御することができる。運転者のブレーキペダルBPの操作量を検出するために、ブレーキアクチュエータBRKには圧力センサPSが備えられ、その検出圧力Pmcがブレーキ系電子制御ユニットECU1に供給される。尚、ローリング運動安定化のための制動力制御は、運転者がブレーキペダルBPの操作を行っていない場合でも実行される。
各車輪WHxxには、車輪速度センサWSxxが配設され、これらがブレーキ系電子制御ユニットECU1に接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号がブレーキ系電子制御ユニットECU1に入力されるように構成されている。そして、ブレーキ系制御ユニットECU1内において、車輪速度センサWSxxからの車輪速度信号Vwxxに基づいて、車両の前後方向速度(車両速度)Vが演算される。運転者のアクセルペダル(図示せず)の操作量Apは、エンジン系電子制御ユニットECU2に接続されるアクセルペダルセンサAPにより検出され、前述の通信バスを介してブレーキ系電子制御ユニットECU1に送られる。
本実施形態のローリング運動安定化制御は、ブレーキ系電子制御ユニットECU1内において実行され、車両ロール増大傾向を抑制するため、各車輪に作用する制動力が独立して制御される。更に、車輪に作用する駆動力を制御するために、通信バスを介して、エンジン系電子制御ユニットECU2に指令信号が送られ、スロットル開度、点火遅角、燃料噴射量が状況に応じて制御されてエンジントルクが低減され、車輪の駆動力が制御される。このとき、インパネ系電子制御ユニットECU3には、報知指令が通信バスを介して送られ、運転者の注意を促すために、視覚的、聴覚的な報知手段(図示せず)が駆動される。
図5は、本実施形態におけるローリング運動安定化制御の処理例を示すもので、先ず、ステップ101において初期化され、ステップ102にてセンサ信号及び通信信号が読み込まれる。そして、ステップ103において、車両の旋回状態量Trnが演算される。この旋回状態量Trnとは、車両の旋回の程度を表す状態量で、例えば横加速度Gy、ヨー角速度Yrである。また、操舵角δswから求められる演算加速度Gy2を用いることも可能である。尚、旋回方向は旋回状態量の正負で求められる。
次に、ステップ104において、車両のローリング運動を表すロール状態量Rstが演算される。そして、ステップ105において、車両のロール増大傾向を判定するために、車両の旋回方向に応じてロール増大傾向判定基準Ref1及びRef2が演算され、夫々設定される。これらロール増大傾向判定基準Ref1及びRef2(以下、単に判定基準Ref1及びRef2という)は、初期設定では、旋回方向は異なるが同一の特性として設定される。しかし、後述するように一方向旋回(第1旋回)時の旋回状態量Trnに応じて、他方向旋回(第2旋回)時のロール増大傾向判定基準が変更される。例えば、最初の左旋回時の旋回状態量に基づき、次の右旋回時のロール増大傾向判定基準が修正される。尚、旋回状態量に代えて、図2で説明したローリング運動の速さを表す状態量Rsp又はdRmを用いることもできる。
そして、ステップ106において、ロール状態量Rstが判定基準Ref1及びRef2に対して、制御領域内にあるか否かが判定される。ここで、制御領域内とは、ローリング運動を安定化するために制動力制御及び駆動力制御を実行することが必要となる領域である。
ステップ106において、ロール状態量Rstが、判定基準Ref1又はRef2に対して制御領域内にはない、即ち、ロール状態量Rstが判定基準Ref1又はRef2以下であると判定されると、制動力制御及び駆動力制御は実行されることなく、ステップ102に戻される。一方、ロール状態量Rstが制御領域内にあると判定されると、ステップ107において、ロール状態量Rstと判定基準Ref1又はRef2との偏差が演算され、状態量偏差Dstが求められる。
而して、ステップ108に進み、状態量偏差Dstに基づいて各車輪の目標制動力BFdxxが演算される。そして、ステップ109において、目標制動力BFdxxに応じて、ブレーキアクチュエータBRKが制御され、各車輪の制動力が制御される。尚、目標制動力の設定に際しては、運転者によるブレーキペダルBPの操作量(例えばマスタシリンダ圧力で、検出圧力Pmcとして入力)も考慮される。同様に、駆動力制御についても、ステップ110にて、状態量偏差Dstに基づいて目標駆動力が演算され、エンジントルクの低減量が決定され、ステップ111にて、エンジン系のアクチュエータによりスロットル開度、点火遅角、燃料噴射量が制御される。尚、目標駆動力の設定に際しては、運転者のアクセルペダル操作量Apも考慮される。
図5のステップ108において演算される目標制動力BFdxxは、ステップ107で演算される状態量偏差Dstに基づき、図6に示すように、各車輪の目標制動力BFdxxが演算される。即ち、適切なヨーイングモーメントを維持しながら車両のロール増大傾向を抑制することができるように、旋回外側前輪、旋回外側後輪、及び旋回内側後輪の各車輪に対する目標制動力BFdxxが状態量偏差Dstに基づいて演算される。このように、制動力制御は状態量偏差Dstに応じて実行され、例えば、車両のロール増大傾向に対してローリング運動が極めて深刻な場合には、強い制動力が付与されてロール増大傾向が抑制される。一方、車両のロール増大傾向と判定されてはいるが、状態量偏差Dstが小さい場合には、ローリング運動の安定化に必要な最小限の制動力が与えられる。
車両のヨーイングモーメントを適正に制御しつつ、車両を速やかに減速させるためには、単一又は複数の車輪を制動力制御の対象車輪とすることもできる。例えば、4輪の全て、旋回外側前輪の1輪、前2輪及び旋回内側後輪、又は前2輪及び旋回外側後輪に制動力を付与することも効果的である。
次に、ステップ105で用いられる判定基準Ref1及びRef2の設定等について図7を参照して説明する。図7は、車両のローリング運動を横加速度Gyとロール角速度Rrの状態面上に表している。制御作動開始時には、判定基準Ref1及びRef2は同一の特性として、判定基準Ref1に対し、原点Oについて対称に判定基準Ref2が設定されている。
図7において、車両にローリング運動が生ずると、直進状態を表す原点Oから矢印で示すように遷移する。先ず、左旋回が開始されるが、図7の例では左旋回時の判定基準Ref1には到達しないため、ローリング運動を安定化するための制動力制御及び駆動力制御は実行されない。このとき、旋回の程度を表す旋回状態量Trnの最大値(例えば、点Aでの横加速度Gymax)が記憶される。この旋回状態量Trnの最大値が所定値以上の場合、又はこの最大値に応じて、図7に示すように、反対側の旋回である右旋回時のロール増大傾向判定基準が判定基準Ref2から判定基準Ref2’に修正される。即ち、判定基準Ref2’は、初期設定時の判定基準Ref2に比較して小さくなるように変更されるため、次の右旋回時には制御範囲内に入りやすくなる。また、状態量偏差Dstも大きく演算されることになるため、より大きな制動力が車輪に与えられることになる。
従って、ステアリングホイールSWが一方向から他の方向へと切り返される過渡操舵時は動的ロール増大傾向が発生しやすいが、このようなときにも、確実に車両のロール増大傾向を抑制することができる。尚、図7においては、最初の旋回方向では、判定基準Ref1を越えない場合について説明したが、本発明においては、ここでロール増大傾向が判定されるか否かが問題ではなく、旋回の程度が問題となる。従って、最初の左旋回においてロール増大傾向と判定された場合であっても、次の右旋回時の判定基準Ref2は修正されることになる。
図8は、図5乃至図7で説明した上記制御装置の作動を時系列で示すもので、ローリング運動の安定化に最も効果のある旋回外側前輪の制動力の変化を示している。もっとも、前述のように、制動力制御は旋回外側前輪に限定されるものではない。先ず、車両が一方向に旋回(以下第1旋回といい、図8では左旋回を表す)し、ロール状態量Rstが判定基準Ref1より大きくなると、ローリング運動を安定化するために制動力制御が行われる。図8では最初の旋回(第1旋回)が左旋回であるため、旋回外側前輪は右側前輪であり、右側前輪の制動力の付与が開始される(t01時)。この結果、左旋回でのロール状態量Rstが収まり判定基準Ref1以下となると、制動力制御は終了する(t02時)。このとき、急激な制動力の減少によるローリング運動への影響を抑制するために、図8に破線で示すように、制動力減少の時間変化に制限を設けて緩やかに減少するようにすることもできる。
次に、車両が他の方向に旋回(以下第2旋回といい、図8では右旋回を表す)する場合には、前述のように、車両の動的ロール増大傾向はステアリングホイールSWの操作が過渡的な状態にあるときに生じやすい。そのため、車両の旋回が一方向から他の方向へ遷移する場合(図8では左旋回から右旋回)には、第2旋回時のロール増大傾向判定基準は、第1旋回時の旋回状態量Trn、又はローリング運動の速さを表す状態量Rsp、dRmに応じて、判定基準Ref2から判定基準Ref2’へと小さくなるように修正される。
このように車両が第1旋回から第2旋回へ遷移するときには、第2旋回時のロール増大傾向判定基準が小さい基準値に変更されるため、第2旋回時の制動力の付与(右旋回での旋回外側前輪に相当する左側前輪への制動力付与)は、第1旋回時に比較して、より小さいロール状態量Rstで開始されることになる(t03時)。また、判定基準Ref2’が小さいため、状態量偏差Dstが大きく演算され、強い制動力が付与される。この結果、動的ロール増大傾向を的確に判定し、確実な制動力制御を行うことができる。
上記の実施形態では、一方向(第1旋回)の旋回状態、又はローリング運動の速さを表す状態量に基づいて、他方向旋回(第2旋回)のロール増大傾向判定基準を修正するように構成されているが、車両のロール増大傾向を判定する基準と、ローリング運動を安定化する制動力制御及び駆動力制御に供する制御基準とを別個の特性として設定することも可能である。以下、図9を参照して、ロール入力量Rm及びロール入力速度dRmに基づいて車両のロール増大傾向を判定し、ロール入力量Rmに基づいてローリング運動を安定化する制動力制御及び駆動力制御を行なう他の実施形態について説明する。前述のように、ローリング運動の出力を表す状態量を検出するためには、ロール角速度センサやサスペンションストロークセンサが必要となるが、ここでは、ローリング運動を表す特性として、ローリング運動の入力の状態量を用いており、電子安定化制御ESC(Electronic Stability Controlの略称)の構成を利用して、ローリング運動の入力を表す状態量を取得できるため、コスト的にも有利である。
図9において、先ず、ステップ201において初期化され、ステップ202にてセンサ信号及び通信信号が読み込まれる。そして、ステップ203においてローリング運動の入力の大きさを表すロール入力量Rmが演算される。続いて、ステップ204にてローリング運動の入力の速さを表すロール入力速度dRmが演算される。ここで、ロール入力量Rm及びロール入力速度dRmは前述の[表1]に示す状態量であり、各状態量は公知の方法によって演算される。また、車両の旋回方向及び旋回状態の変化は、前述の方法によって、ロール入力量Rm及びロール入力速度dRmの正負の符号に基づいて求められる。
而して、ステップ205において、実際のローリング運動の入力を表す状態量(ロール状態量)が、ロール入力量Rmとロール入力速度dRmとを状態変数として、(Rm,dRm)で表される。次に、ステップ206にて、車両ロール増大傾向の判定に供されるロール増大傾向判定基準Reg1及びReg2(左旋回と右旋回の基準)が設定される。これらの判定基準Reg1及びReg2は、車両の諸元などに基づいて予め設定され、車両速度等の走行状態に応じて設定するように構成することもできる。尚、判定基準Reg1及びReg2は、初期設定は同一の特性である。
そして、ステップ207においては、ロール状態量(Rm,dRm)が、ロール増大傾向判定基準Reg1及びReg2(以下、単に判定基準Reg1及びReg2という)に対して、制御領域内にあるか否かが判定される。ステップ207において、判定基準Reg1又はReg2に対して制御領域内にはないと判定されると、制動力制御及び駆動力制御は実行されることなく、ステップ202に戻される。一方、制御領域内にあると判定されると、ステップ208において、制動力制御及び駆動力制御実行の基準となる制御基準Trg1及びTrg2が設定される。そして、ステップ209において、ロール入力量Rmと制御基準Trg1又はTrg2の偏差が演算され、状態量偏差Drmが求められる。
而して、ステップ210に進み、状態量偏差Drmに基づいて各車輪の目標制動力BFdxxが演算される。そして、ステップ211において、目標制動力BFdxxに応じて、ブレーキアクチュエータBRKが制御され、各車輪の制動力が制御される。同様に、駆動力制御についても、ステップ212にて、状態量偏差Drmに基づいて目標駆動力が演算され、エンジントルクの低減量が決定され、ステップ213にて、エンジン系のアクチュエータによりスロットル開度、点火遅角、燃料噴射量が制御される。
次に、図10を参照して、ステップ207乃至209において処理される、制御領域内判定、制御基準Trg1及びTrg2の設定、及び状態量偏差Drmの演算について説明する。原点Oは、車両が直進状態で走行している状態を示しており、運転者のステアリングホイール操作によって車両の旋回運動が行われると、ロール入力量Rmとロール入力速度dRmは図10の矢印の方向に増加する。車両のロール状態量(Rm,dRm)が最初の旋回(第1旋回で、図10では左旋回)における判定基準Reg1を増加方向に横切るときのロール入力量Rmが、第1旋回の制御基準Trg1として設定される。即ち、図10において、車両のロール状態量(Rm,dRm)がロール増大傾向判定基準Reg1(特性c1−d1−e1−f1)より大きくなった点A1でのロール入力量Rmの値が、制御基準Trg1として設定される。
このとき、車両の第1旋回時の制御基準Trg1に基づいて、他方向旋回(第2旋回で、図10では右旋回)用の制御基準Trg2が設定される。即ち、第2旋回時の制御基準Trg2は、第1旋回時の制御基準Trg1に対し、原点Oについて対称に設定される。そして、第2旋回時においては、後述するように、ロール増大傾向の判定もこの制御基準Trg2に基づいて行われる。
ステップ207における制御領域内か否かの判定は、先ず、ロール状態量(Rm,dRm)が判定基準Reg1を増加方向に横切ったか否かで判定される。換言すると、ロール入力量Rmが制御基準Trg1より大きいか否かで判定される。これに対し、制御領域内に入ると、ロール入力量Rmと制御基準Trg1との偏差が状態量偏差Drmとして演算される。例えば、図10の点B1から制御基準Trg1への垂直距離が状態量偏差Drmとして求められる。ローリング運動安定化の制動力制御及び駆動力制御が状態量偏差Drmに応じて行われると、車両のローリング運動は徐々に収まり、制御基準Trg1をロール入力量Rmの減少方向に横切るときに制御が終了する(図10の点C1)。このとき、車両へのロール入力量Rmは十分に小さくなっているため、ローリング運動安定化制御の効果が確実に発揮される。
以上のように、車両の旋回運動が一方向から他の方向(第1旋回から第2旋回)へ遷移するときに、点C1で第1旋回の制御は一旦終了する。そして、第2旋回においては、ロール増大傾向の判定も制御基準Trg2に基づいて行なわれる。即ち、車両のロール入力量Rmが点D1で制御基準Trg2を増加方向に横切ったときには、他の方向(第2旋回)の制御領域に入り、再び制御が開始される。このように、第2旋回では、車両のロール増大傾向判定が制御基準Trg2に基づいて行なわれるため、初期設定される(ロール増大傾向)判定基準Reg2よりも小さいロール入力量Rmで制御が開始されることになる。例えば判定基準Reg2が用いられると、点H1においてロール増大傾向と判定されるが、制御基準Trg2に基づいて判定されるように変更されるため、点D1でロール増大傾向と判定される。この結果、車両のローリング運動が収まり、点F1にて制御基準Trg2をロール入力量Rmの減少方向に横切ったときに、制御は終了する。そして、第2旋回時の状態量偏差Drmも、第1旋回の場合と同様に求められる。
尚、図10では、車両のロール状態量(Rm,dRm)が判定基準Reg1において線分d1−e1をロール入力量Rmの増加方向に横切る場合を示しているが、場合によっては線分c1−d1を増加方向に横切る場合もある。そのときには、線分c1−d1を延長した特性が第1旋回の制御基準Trg1として設定される。
而して、車両のロール増大傾向を判定するロール増大傾向判定基準と、制動力制御及び駆動力制御を実行するための制御基準が別個の特性として設定され、初めの旋回(第1旋回)で設定される制御基準Trg1に基づいて、次の旋回(第2旋回)での制御基準が設定される。そして、第2旋回では、車両のロール増大傾向の判定も上記制御基準に基づいて行なわれる。これにより、ステアリングホイールSWが一方向から他の方向に切り返された場合にも、動的ロール増大傾向を確実に判定し、十分にローリング運動が収まるまで制御を継続し、適切に制御を行うことができる。
図11は、図9及び図10で説明した上記制御装置の作動を時系列で示すもので、図11では、ローリング運動の安定化に最も効果のある旋回外側前輪(但し、これに限定されるものではない)の制動力の変化を示している。先ず、車両が一方向に旋回(第1旋回で、図11では左旋回を表す)し、ロール状態量(Rm,dRm)が判定基準Reg1を増加方向に横切るときに第1旋回の制御基準Trg1が設定される。車両へのロール入力量Rmが制御基準Trg1より大きくなると、ローリング運動を安定化するために制動力制御が行われる。図11では最初の旋回(第1旋回)が左旋回であるため、旋回外側前輪は右側前輪であり、右側前輪の制動力の付与が開始される(t11時)。
この結果、左旋回でのローリング運動が収まり、ロール入力量Rmが制御基準Trg1以下となると制動力制御は終了する(t12時)。このとき、急激な制動力減少によるローリング運動への影響を抑制するために、図11に破線で示すように、制動力減少の時間変化に制限を設けて緩やかに減少するようにすることもできる。
次に、車両が他の方向に旋回(第2旋回で、図11では右旋回を表す)する場合には、第2旋回の制御基準Trg2は、第1旋回の制御基準Trg1に応じて設定される。例えば、急激なローリング運動の場合には、制御基準Trg2は、初期設定される(ロール増大傾向)判定基準Reg2よりも小さい値となる。このように、車両が第1旋回から第2旋回へ急激に遷移する場合、判定基準Reg2よりも小さい制御基準Trg2によってロール増大傾向が判定され、制動力制御及び駆動力制御が行われる。従って、より小さいロール入力量Rmで制御(t13時で開始される左側前輪の制動力制御)が開始され、より強い制動力が付与される。この結果、動的ロール増大傾向を的確に判定し、確実に制動力制御を行うことができる。
尚、車両が第1旋回から第2旋回へ移行する場合、ロール増大傾向の性格が変化する場合は稀であり、第1旋回が動的ロール増大傾向を示すならば、第2旋回のロール増大傾向も動的ロール増大傾向となる。従って、第1旋回の制御基準を用いて第2旋回の制御基準を設定し、それに基づいて第2旋回のロール増大傾向を判定し制御することは、確実なロール増大傾向抑制制御に非常に有利である。以上の態様では、ロール入力量Rmとロール入力速度dRmとに基づいて第1旋回及び第2左旋回の制御基準を設定することとしているが、ローリング運動の大きさを表す状態量(RamとRm)のうちの何れか一つの状態量と、ローリング運動の速さを表す状態量(RspとdRm)のうちの何れか一つの状態量とを変数としてロール増大傾向判定基準を設定し、実際のローリング運動を表す状態量がロール増大傾向判定基準を増加方向に横切ったときのローリング運動の大きさを表す状態量(RamとRm)のうちの何れか一つの状態量に基づいて第1旋回及び第2左旋回の制御基準を設定することとしてもよい。
ところで、前述の動的ロール増大傾向に対応するためには、できる限り早期の状態量の方が有利である。そのため、図3に示した多数の状態量のうちで、ローリング運動の最初の入力であるステアリングホイールSWの操舵角δswに基づいて求められる状態量を用いることが望ましい。つまり、操舵角速度dδsw、又は操舵角δswから計算される演算横加速度の時間変化dGy2が、ロール入力速度dRmとして好適である。
車両のロール増大傾向判定には、早期の判定だけではなく、路面状態に応じた確実な判定も必要となる。ローリング運動を惹起する横力の発生には、路面摩擦係数μが影響を及ぼすため、ロール入力量Rmには、路面摩擦係数μの結果が反映される状態量とすることが望ましい。路面摩擦係数μの影響を受ける状態量とは、横加速度Gy、ヨー角速度Yr、又はこれらによって形成される状態量等である。これらの状態量は、図3において横力より右側に図示されていることからも分かるように、車輪の横力の結果として現れる車両挙動(横方向又はヨー方向)としての状態量である。
横加速度Gy、ヨー角速度Yr、又はこれらによって形成される状態量は、ステアリングホイール操作の結果として表れる状態量であるため、ステアリングホイールSWの操舵角δswに基づいて求められる状態量と比較すると、時間的には遅い状態量ではあるが、路面状態が反映され、確実でロバスト性の高い状態量ということができ、静的ロール増大傾向等の比較的緩やかな挙動には有効である。従って、横方向又はヨー方向の車両挙動から得られる状態量をロール入力量Rmとして用いることにより、これらの状態量には路面摩擦係数μの影響が反映されているため、確実でロバストなロール増大傾向判定を行なうことができる。
而して、図に示される制御フロー図において、路面摩擦係数μの影響を受ける状態量(横加速度Gy、ヨー角速度Yr、又はヨー角速度に基づく演算横加速度Gy1)をロール入力量Rmとし、ステアリングホイールSWの操舵角δswに基づいて求められる状態量(操舵角速度dδsw、又は操舵角に基づく演算横加速度の時間変化dGy2)をロール入力速度dRmとして組合せることが望ましい。この結果、動的ロール増大傾向が操舵角δswに基づいて求められる状態量により、また、静的ロール増大傾向が路面摩擦係数μの影響を受ける状態量により、夫々、適切に判定される。しかも、ロール入力量Rmとロール入力速度dRmを変数とする二次元関係に基づいて中間的ロール増大傾向についても、好適に判定することが可能となる。そして、路面摩擦係数μの影響を受けるロール入力量Rmに基づきローリング運動安定化制御を行うことにより、制動力制御及び駆動力制御を確実に継続及び終了することができる。
以上では、二種類のロール状態量を用いてロール増大傾向を判定し、判定されたときの状態量のうちでどちらか一方を制御基準としてローリング運動安定化制御を行うこととしている。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、ロール増大傾向を判定するために適した特性に基づきロール増大傾向の判定を行ない、この特性とは異なるが制御継続等に適した特性に基づいて制動力制御及び駆動力制御を行うものである。従って、図3のうちの少なくとも一つの状態量を含む形で表現される特性に基づきロール増大傾向を判定し、このロール増大傾向の判定には用いられない状態量に基づいてローリング運動安定化制御を行うことも可能である。例えば、ロール角とロール角速度の関係(特性)でロール増大傾向を判定し、ロール増大傾向と判定されたときの横加速度に基づいてローリング運動安定化制御を行うこともできる。また、ロール角速度でロール増大傾向を判定し、ロール増大傾向と判定されたときの横加速度に基づいてローリング運動安定化制御を行うことも可能である。
更に、制御基準を設定するにあたっては、他の状態量に基づいて制御基準を修正することも可能である。図12は、ロール入力量に横加速度Gy、ロール入力速度に操舵角速度dδswを用いたロール増大傾向判定に供するマップを示すもので、車両の旋回中に運転者がステアリングホイールSWを急に切り増したような場合(図12の点A2近傍)について説明する。
前述の実施形態では、ロール増大傾向判定基準Reh1を増加方向に横切るとき(図12の点A2)の横加速度が第1旋回の制御基準Trh1として設定されるのに対し、本実施形態では、このときの他の状態量(例えば、横加速度の時間変化dGy、ヨー角加速度dYr、演算横加速度の時間変化dGy1又はdGy2等)を参照して、制御基準Trh1が、図12に破線で示す制御基準Trh1’に調整される。例えば、横加速度の時間変化dGy等の他の状態量の値が所定値より大きい場合には、制御基準Trh1が小さくなるように修正され、Trh1’とされる。そして、第2旋回の制御基準Trh2は、修正された制御基準Trh1’に対し、原点Oについて対称に設定される。
これにより、第1旋回においては、実際のロール状態量と制御基準との偏差である状態量偏差Dgyが大きく出力され、より大きな制動力がローリング運動を安定化するために付与されることになる。この結果、運転者のステアリングホイールの急な切り増し操作によってロール増大傾向が助長されそうな場合であっても、確実に車両のロール増大傾向を抑制することができる。また、第2旋回においては、制御を開始する制御基準Trh2がより小さい特性に修正されるため、第1旋回から第2旋回へと遷移する過渡操舵時においても、確実に車両のロール増大傾向を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車両のローリング運動安定化制御装置の構成を示すブロック図である。 車両のローリング運動における状態量の関係を示す説明図である。 本発明においてローリング運動の入力を表す状態量を分類して示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るローリング運動安定化制御装置を備えた車両の全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施形態におけるローリング運動安定化制御の処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において状態量偏差に基づき旋回外側前輪、旋回外側後輪、及び旋回内側後輪の各車輪に対する目標制動力を演算するためのマップ例を示すグラフである。 本発明の一実施形態においてロール増大傾向判定基準を含む制御マップの一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態において図7の制御マップを用いた制御状況を示すタイムチャートである。 本発明の他の実施形態におけるローリング運動安定化制御の処理例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態において制御マップを用いた制御状況を示すグラフである。 本発明の他の実施形態において図10の制御マップを用いた制御状況を示すタイムチャートである。 本発明の更に他の実施形態において制御マップを用いた制御状況を示すグラフである。
符号の説明
M0 旋回判定手段
M1 第1制動力制御手段
M2 第2制動力制御手段
M3 制御開始基準設定手段
M4 車輪制動手段
ECU1 ブレーキ系電子制御ユニット
ECU2 エンジン系電子制御ユニット
ECU3 インパネ系電子制御ユニット
SA 操舵角センサ
GX 前後加速度センサ
GY 横加速度センサ
YR ヨー角速度センサ
RR ロール角速度センサ
BRK ブレーキアクチュエータ
BP ブレーキペダル

Claims (4)

  1. 車両の各車輪に制動力を付与する車輪制動手段を備え、該車輪制動手段を制御することにより走行中の前記車両のロール増大傾向を抑制し、ローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置において、前記車両の旋回方向を判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により前記車両が一方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第1制動力を付与する第1制動力制御手段と、前記旋回判定手段により前記車両が他の方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第2制動力を付与する第2制動力制御手段と、該第2制動力制御手段及び前記第1制動力制御手段の制御開始基準を夫々所定の基準値に設定する制御開始基準設定手段とを備え、前記旋回判定手段により前記車両が前記一方向に旋回すると判定されたときに、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第2制動力の付与を開始する開始基準を前記所定の基準値より小さくなるように調整することを特徴とする車両のローリング運動安定化制御装置。
  2. 車両の各車輪に制動力を付与する車輪制動手段を備え、該車輪制動手段を制御することにより走行中の前記車両のロール増大傾向を抑制し、ローリング運動を安定化する車両のローリング運動安定化制御装置において、前記車両の旋回方向を判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により前記車両が一方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第1制動力を付与する第1制動力制御手段と、前記旋回判定手段により前記車両が他の方向に旋回すると判定されたときに前記車輪制動手段を介して前記車輪に第2制動力を付与する第2制動力制御手段と、該第2制動力制御手段及び前記第1制動力制御手段の制御開始基準を設定する制御開始基準設定手段であって、ロール入力量及びロール入力速度の二つの変数を含む車両のロール状態量に基づき、前記第1制動力の付与を開始する開始基準を、前記二つの変数の符号が同一のときには一方が大きくなるほど他方が小さくなるように設定する制御開始基準設定手段とを備え、前記旋回判定手段により前記車両が前記一方向に旋回すると判定されたときに、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第1制動力の付与を開始する開始基準を超えたときの前記ロール入力量を、前記制御開始基準設定手段が設定する前記第2制動力の付与を開始する開始基準とし、前記ロール入力速度にかかわらず前記ロール入力量が前記第2制動力の付与を開始する開始基準を超えたときに前記第2制動力の付与を開始することを特徴とする車両のローリング運動安定化制御装置。
  3. 前記旋回判定手段は、前記車両の横加速度、ヨー角速度、及び操舵角の少なくとも一つに基づいて前記車両の旋回方向を求めるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のローリング運動安定化制御装置。
  4. 前記ロール入力量は、前記車両の横加速度及びヨー角速度の一方であり、前記ロール入力速度は前記車両の操舵角速度であることを特徴とする請求項2記載の車両のローリング運動安定化制御装置。
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