JP4207698B2 - 車両の横転防止装置 - Google Patents

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    • B60W2720/18Roll

Description

本発明は、旋回時に車両が横転することを防止する車両の横転防止装置に関する。
従来、車両の急旋回時に、横転の兆し、すなわち横転傾向が生じた場合、自動的にエンジン出力の低下およびブレーキ作動を行って車速を減少させ、これにより車両の横加速度を減少させて車両の横転防止を図るものがあった(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、車両が横転傾向の状態にあるか否かの判定を、旋回方向内側の駆動輪の車輪速またはその加速度が所定値を越えるか否かにより行い、横転傾向の状態にあると判定された時点、すなわち旋回方向内側の駆動輪の車輪速またはその加速度が所定値を越えた時点で、エンジン出力の減少およびブレーキ作動を行うものである。
特開平11−254992号公報
しかし、上記従来技術では、旋回方向内側の駆動輪の車輪速またはその加速度が、所定値を超えないうちはエンジン出力の減少およびブレーキ作動を行わず、上記車輪速またはその加速度が増加して所定値を超えたら急にエンジン出力の減少およびブレーキ作動を行うようにしている。したがって、車速変化および横加速度変化に対して急激な制御介入となり、運転フィーリング上好ましくない大きな車両姿勢変化をもたらすという問題があった。
本発明は上記点に鑑みて、旋回時に車両の横転を防止する、さらには車両が横転傾向の状態となることを防止するにあたり、急激な制御介入による運転フィーリングの悪化を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の横方向の姿勢変化を表す物理量を検出する姿勢変化物理量検出手段(2、3、6、8)と、車両が備えるエンジン(12)の出力のトルク伝達率を姿勢変化物理量の大きさが大きくなるに応じて小さくなるよう算出するトルク伝達率算出手段(2)と、エンジン出力の目標となる目標エンジントルク値を演算する目標エンジントルク値演算手段(2)と、目標エンジントルク値をトルク伝達率に基づき補正する目標エンジントルク値補正手段(2)と、補正された目標エンジントルク値に基づきエンジン出力を制御するエンジン制御手段(10、11)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、エンジン出力の目標値である目標エンジントルク値を低い値に補正するためのトルク伝達率を、車両の横方向の姿勢変化を表す物理量、すなわち姿勢変化物理量の大きさが大きくなるに応じて小さくなるよう設定している。すなわち、エンジン出力を横方向姿勢変化が大きくなるほど目標エンジントルク値が小さくなるよう補正し、あるいは、横方向姿勢変化が大きくなるほど目標エンジントルク値より削減するトルク値を大きくする。これにより、横方向の姿勢変化の度合いに応じたエンジン出力の低減を行って車両の横転を防止することができる。したがって、エンジン出力制御に対して急激な制御介入とならず、運転フィーリングを損なうような急激な車両姿勢変化をもたらすことがない。
また、請求項1に記載の発明では、姿勢変化物理量検出手段は、舵角速度を検出する舵角速度検出手段(9)と、横加速度を検出する横加速度センサ(3)およびヨーレイトセンサ(8)を含み、トルク伝達率算出手段は、舵角速度検出手段(9)にて検出された舵角速度が所定値よりも小さい場合には、横加速度センサ(3)で検出された横加速度の大きさに応じてトルク伝達率を算出すると共に、舵角速度が所定値よりも大きい場合には、ヨーレイトセンサ(8)の検出値に基づき算出される横加速度の大きさに応じてトルク伝達率を算出することを特徴とする。
この発明によれば、横加速度の大きさに応じて算出されるトルク伝達率により、目標エンジントルク値が低い値となるよう、すなわち、目標エンジントルク値からのトルク削減量が大きくなるよう補正することができる。これにより、車両の横加速度の大きさが大きくなるに応じて、エンジン出力の大きさが小さくなるように調整されるので、車両の横転防止に際して急激な車両姿勢変化をもたらすことがない。
さらに、舵角速度が所定値より大きい、すなわちハンドル操舵の速さが速い場合には、横加速度センサの検出値ではなく、ヨーレイトセンサの検出値であるヨーレイトに応じて算出される横加速度値に基づいてトルク伝達率を算出する。ヨーレイトセンサによるヨーレイトは横加速度センサによる横加速度よりも応答性が高いため、ヨーレイトに応じて算出される横加速度は、速いハンドル操舵に対して、高い応答性を示す。したがって、トルク伝達率を高応答で算出することができる。
請求項2に記載の発明は、目標エンジントルク値演算手段は、目標エンジントルク値として、車両の駆動輪がスリップしないで路面に伝達可能な最大のエンジン出力を表す最大エンジントルク値を演算することを特徴とする。
この発明によれば、トルク伝達率により補正する対象となる目標エンジントルク値を、駆動輪がスリップせずに路面に伝達可能な最大エンジントルク値とするので、エンジン出力を過度に低く抑えることなく、車両の横転防止が可能となる。
また、請求項3に記載のように、路面摩擦係数を検出する手段(2、3、4)と、車両が備える変速機のギア比を検出する手段(2、5)とを備え、目標エンジントルク値演算手段が、最大エンジントルク値を路面摩擦係数および変速機ギア比に基づいて演算することができる。
請求項5に記載の発明は、目標エンジントルク値補正手段は、トルク伝達率算出手段により今回演算されたトルク伝達率が横加速度の変化に応じて前回演算されたトルク伝達率より増加するとき、目標エンジントルクを補正するトルク伝達率の前回演算されたトルク伝達率からの変化分を、前回演算されたトルク伝達率より増加したトルク伝達率の変化分より小さいトルク復帰値として、そのトルク復帰値を前回演算されたトルク伝達率に加えた値に基づいて目標エンジントルクを補正することを特徴とする。
この発明によれば、トルク伝達率が増加する、すなわち車両の横方向の姿勢変化を表す横加速度が小さくなる方向に車両の状態が変化するときには、トルク伝達率の増加量を比較的小さな値であるトルク復帰値に抑えることにより、トルク伝達率の急激な増加を抑制することができる。これにより、目標エンジントルク値の急激な増加を防止して、車両の急激な姿勢変化を抑制することができる。
この場合、トルク復帰値は、請求項に記載のように、横加速度が減少する方向の横加速度変化量の大きさが大きくなるに応じて大きい値となるよう設定することができる。これにより、横加速度の減少方向の横加速度変化量、すなわち横加速度の減少速度が大きいほど減少補正された目標エンジントルク値の増加量を大きくすることにより、補正前の値への復帰を早めることができ、運転フィーリングを向上させることができる。
なお、姿勢変化物理量検出手段は、請求項に記載のように、車両のロール角、ロールレイトおよび横加速度の少なくとも1つを検出することができる。
上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1比較形態)
以下、図面を参照して、本発明の比較形態を説明する。図1は本発明の第1比較形態にかかる車両の横転防止装置1の概略構成を示す図である。本第1比較形態の車両の横転防止装置1は、マイクロコンピュータにより構成されるコントローラ2を備えている。
車両の横転防止装置1には、横加速度(横G)センサ3と、前後加速度(前後G)センサ4と、ギア位置センサ5と、ロールレイトセンサ6が設けられている。横Gセンサ3は、車体に作用する車体の横方向の加速度(以下、横Gという)Gyを検出する。なお、横G値Gyは車両前方に向かって左方向を正とする。前後Gセンサ4は、車体に作用する車体の前後方向(進行方向)の加速度(以下、前後Gという)Gxを検出する。ギア位置センサ5は、変速機(図示せず)のギア比の状態を検出する。ロールレイトセンサ6は、車体のロール軸回りの角速度、すなわちロール角速度であるロールレイトρを検出する。なお、ロールレイトρは、車両前方に向かって左方向(反時計回り方向)を正、右方向(時計回り方向)を負としている。
これら横Gセンサ3、前後Gセンサ4、ギア位置センサ5およびロールレイトセンサ6はコントローラ2に接続され、これらの各検出信号がコントローラ2に出力される。各検出信号は、コントローラ2において信号処理され、後述する制御プログラムの実行時に各センサの検出値として用いられる。
なお、本第1比較形態においては、姿勢変化物理量は、横Gおよびロールレイトであり、横Gセンサ3、ロールレイトセンサ6およびコントローラ2が姿勢変化物理量検出手段に相当する。
車両の横転防止装置1には、エンジン制御装置(以下、エンジンECU)10およびスロットルアクチュエータ11が設けられている。エンジンECU10は、コントローラ2と接続されている。またエンジンECU10はスロットルアクチュエータ11と接続されている。エンジンECU10は、コントローラ2が後述する制御プログラムに基づき演算した目標エンジントルク値を受けて、スロットルアクチュエータ11の制御信号に変換する。スロットルアクチュエータ11は、エンジンECU10からの制御信号を受けてスロットルバルブ(図示せず)を開閉し、エンジン12の出力トルクが目標エンジントルク値となるよう調整する。
次に、本第1比較形態の車両の横転防止装置1の作動について説明する。図2は、コントローラ2が実行する制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチがオンとされることにより開始され、所定時間ごと(演算周期)に繰り返される。
図2において、ステップ100で、横Gセンサ3から横G値Gy、前後Gセンサ4から前後G値Gx、ロールレイトセンサ6からロールレイトρおよびギア位置センサ5から変速機のギア比Pがそれぞれ読み込まれる。
次に、ステップ110へ移行し、読み込まれた前後Gおよび横Gに基づき路面摩擦係数(μ)が推定演算される。路面摩擦係数は次の(1)式により演算される。これは、等価的に路面摩擦係数を検出することに相当する。
μ=(Gx2+Gy2)1/2 ・・・(1)
さらに、次のステップ120で、読み込まれたロールレイトρ〔deg/sec〕を所定時間ごとに積算(積分)することにより、ロール角φ〔deg〕が演算される。したがって、例えば、正のロールレイトρ(ρ>0)が積算され続けると、ロール角φ>0、すなわち車体には左方向のロール角が発生していることを表している。また、ロール角φがφ<0となっている状態で、ロールレイトρ>0が発生するとロール角φは正方向へ増加、すなわち、負のロール角φが0へ戻ることを表している。
さらに、ステップ130で、最大エンジントルク値MQが、次の(2)式により演算される。この最大エンジントルク値MQは、現在の路面状態において駆動輪にスリップを発生させないで与えることができる最大のエンジントルクである。換言すれば、最大エンジントルク値に相当するエンジン出力が発生している状態では、車両はグリップ状態を保ちながら路面に最大限の駆動力を与えることができる。
MQ=W×μ×r/P ・・・(2)
ただし、Wとrは、それぞれ、予め設定されている駆動輪軸重量とタイヤ半径であり、Pは読み込まれた変速機のギア比である。この最大エンジントルク値MQが補正前の目標エンジントルク値となる。
これにより、最大エンジントルク値MQを補正前の目標エンジントルク値とすることにより、エンジン出力を過度に低く抑えることなく、車両の横転防止が可能となる。
つぎに、ステップ140へ移行し、目標エンジントルク値をロール角φに応じて小さくなるよう補正するためのトルク伝達率αAが演算される。このトルク伝達率αAは、演算周期ごとの演算回数nを用いてαA(n)と標記され、予め記憶されている図3に示すマップとステップ120においてn回目に演算されたロール角φとに基づき算出される。
図3に示されるように、トルク伝達率αAは、ロール角φが0のときには100%であり、左右いずれの方向においてもロール角φの大きさが大きくなるに応じて徐々に減少するよう設定されている。トルク伝達率αA=100%とは目標エンジントルク値を減少させない、すなわち最大エンジントルク値MQを補正しないことを意味し、トルク伝達率αA=a%とは目標エンジントルク値(すなわちエンジン出力)を(100−a)%削減して、a%にまで低下させることを意味する。したがって、ロール角φの絶対値|φ|が増加するにつれ、トルク伝達率αAが小さくなり、すなわちエンジン出力の削減率が増加し、エンジン出力が徐々に低下する。
そしてステップ160で、今回演算された(以下、「今回の」という)トルク伝達率αA(n)が前回演算された(以下、「前回の」という)トルク伝達率αA(n−1)より大きいか否かが判定され、判定結果がNOであれば今回のトルク伝達率αA(n)を変更することなくステップ200へ移行する。
ステップ160の判定結果がYES、すなわち、今回のトルク伝達率αA(n)が前回のトルク伝達率αA(n−1)よりも大きくなる場合は、今回のロール角φの絶対値が前回のロール角φの絶対値よりも小さくなることに相当する。このような場合は、ロール角φが小さくなりつつある状態であり、このようなときに大きくなった今回のトルク伝達率αA(n)によりエンジン出力が大きく増加すると急激な車両の姿勢変化が生ずる可能性がある。したがって、この場合には、エンジン出力をゆっくりと復帰させるため、すなわち比較的小さな前回のトルク伝達率αA(n−1)を大きく増加させないようにするため、ステップ170へ移行する。
ステップ170では、トルク復帰値δA(ρ)が演算される。このトルク復帰値δA(ρ)は、トルク伝達率αAに対する補正値であり、図4に示すマップと現在のロールレイトρとに基づき算出される。
ここで、ロールレイトρとその積分値であるロール角φ(あるいは、ロール角φとその微分値であるロールレイトρ)との関係は次のようである。ロールレイトρが負の値(ρ<0)であるとは、ロール角φが|ρ|の速さで右方向に増加ことを表している。したがって、φ<0(右方向のロール角)の状態にあるときにρ<0であるとはその右方向のロール角がさらに増加することを意味し、φ>0(左方向のロール角)の状態にあるときにρ<0であるとは、その左方向のロール角φが0に戻るように減少することを意味している。
同様に、ロールレイトρが正の値(ρ>0)であるとは、ロール角φが|ρ|の速さで左方向に増加することを表している。したがって、φ>0(左方向のロール角)の状態にあるときにρ>0であるとは、その左方向のロール角がさらに増加することを意味し、φ<0(右方向のロール角)の状態にあるときにρ>0であるとは、その右方向のロール角φが0に戻るように減少することを意味している。
図4に示すように、トルク復帰値δA(ρ)は、ロール角φ>0(左方向のロール角)の場合には負のロールレイトρ(<0)の大きさが大きくなるに応じて増加し(図中実線)、ロール角φ<0(右方向のロール角)の場合には正のロールレイトρ(>0)の大きさが大きくなるに応じて増加する(図中破線)特性が設定されている。なお、図4において、φ>0の場合のρ>0の領域、およびφ<0の場合のρ<0の領域は、ともに、ロールレイトρが一時的に変動してもトルク復帰の制御が円滑に行われるよう設けられている。
図4より、ロール角φの0への戻る速度が大きいほど、トルク復帰値δA(ρ)が大きくなっている。
ロール角φの0への戻り速度が大きい、すなわちロール角φ>0のときロールレイトρが負の大きな値である場合、および、ロール角φ<0のときロールレイトρが正の大きな値である場合には、車両の挙動としてはロール角φが0近傍に復帰しつつある安全方向の状態にある。このような場合には、エンジン出力を早めに増加させても、車両挙動が異常となることはない。これにより、ロール角φの0への戻り速度(または、減少速度)が大きいほど、目標エンジントルク値の増加量を大きくして、補正前のエンジントルク値への復帰を早めることにより、エンジントルク上昇のもたつき感を低減し運転フィーリングを向上させることができる。
次のステップ180で、今回のトルク伝達率αA(n)が、ステップ140で演算された値ではなく、前回のトルク伝達率αA(n−1)にトルク復帰値δA(ρ)を加算したものとして修正される。なお、このトルク復帰値δAは、エンジン出力をゆっくりと復帰させるために、前回と今回とのトルク伝達率αAの偏差よりも十分小さいという関係、すなわち、αA(n)−αA(n−1)≫δA(ρ)の関係を満たしている。
そして、ステップ200に移行し、目標エンジントルク値TQが(3)式に基づき演算される。これは、目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値MQをトルク伝達率αA(n)により補正することを意味している。
TQ=MQ×αA(n) ・・・(3)
このように補正された目標エンジントルク値TQは、ステップ210にてスロットル開度に変換され、このスロットル開度の目標値がエンジンECU10へ送られる。エンジンECU10は、スロットル開度の目標値に応じた制御信号をスロットルアクチュエータ11に与える。スロットルアクチュエータ11は、エンジンECU10より与えられるスロットル開度の目標値に応じた制御信号により、スロットルバルブの開度を調整することによりエンジン出力を目標エンジントルク値に一致させる。
以上のように、本第1比較形態においては、エンジン出力の目標値としての目標エンジントルク値TQを、最大エンジントルク値MQにトルク伝達率αAを乗ずることにより補正する。このトルク伝達率αAは、ロール角φの大きさが大きくなるに応じて徐々に小さい値となるよう、すなわち、ロール角φが大きくなるに応じて目標エンジントルク値TQを徐々に小さい値とするよう設定されている。
したがって、ロール角φの大きさが大きくなるに応じてエンジン出力が小さくなるよう低下させる、換言すれば、ロール角φの大きさに応じて目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値より削減するトルク値を大きくする。これにより、旋回時に車両の横転を防止するためにエンジン出力を低下させるに際して、車両のロール角が大きいほどその大きさに応じてエンジン出力の減少率を大きくしてエンジン出力を絞ることができる。したがって、このようなエンジン出力の調整により、急激な制御介入とはならないため、車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。
さらに、車両のロール角φの大きさが小さくなる過程では、トルク伝達率αAの増加量をトルク復帰値δAにより小さく抑えるので、エンジン出力の急激な増加が抑制されてゆっくりとしたトルク復帰を可能にし、これにより、車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。この場合、トルク復帰値δAが、ロール角φの0への戻り速度(減少速度)に応じて大きく設定されるので、ロール角φの減少速度が大きいほど目標エンジントルク値の増加量を大きくして、補正前のエンジントルク値への復帰を早めることにより、エンジントルク上昇のもたつき感を低減し運転フィーリングを向上させることができる。
(第2比較形態)
次に、本発明の第2比較形態について説明する。本第2比較形態の車両の横転防止装置1は、第1比較形態と同様、図1に示す構成を備えており、第1比較形態と共通する部分には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。本第2比較形態においても、横Gおよびロールレイトが姿勢変化物理量に相当する。ただし、第2比較形態においては、トルク伝達率αBをロールレイトρに基づいて決定する点が、上記第1比較形態と異なる。
図5は、第2比較形態におけるコントローラ2が実行する制御プログラムの処理手順を示したフローチャートである。このフローチャートにおいても、上記第1比較形態と同様の処理を行うステップには、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ステップ100で各センサ情報の読み込みが行われ、次のステップ110で路面摩擦係数μが推定演算される。さらに、ステップ130で補正前の目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値MQが、上記(2)式に基づき演算される。
次のステップ142では、目標エンジントルク値がロールレイトρに応じて小さくなるよう補正するためのトルク伝達率αBが演算される。このトルク伝達率αB(n)は、演算周期ごとの演算回数nを用いてαB(n)と標記され、予め記憶されている図6に示すマップとn回目に検出されたロールレイトρとに基づき算出される。
図6に示されるようにトルク伝達率αBのマップは、ロールレイトρの大きさ|ρ|が比較的小さい範囲では、トルク伝達率αB=100%として目標エンジントルク値は最大エンジントルク値MQを補正しない値とし、ロールレイトρが中程度の大きさの範囲では、ロールレイトρの大きさ|ρ|が大きくなるに応じてトルク伝達率αBが減少し、さらにロールレイトρの大きさ|ρ|が大きい領域ではトルク伝達率αB=0%として設定される。
次のステップ160では、第1比較形態と同様、今回のトルク伝達率αB(n)が前回のトルク伝達率αB(n−1)より大きいか否かが判定され、判定結果がNOであれば、ステップ200へ移行する。
ステップ160での判定結果がYESである場合には、エンジン出力をゆっくりと復帰させるために、ステップ182へ移行し、今回のトルク伝達率αB(n)が前回のトルク伝達率αB(n−1)にトルク復帰値δ0を加算したものとして修正される。なお、本第2比較形態におけるトルク復帰値δ0は、エンジン出力をゆっくりと復帰させるために、前回と今回とのトルク伝達率αBの偏差よりも十分小さい一定値(例えば、0.04%)として与えられ、αB(n)−αB(n−1)≫δ0の関係を満たしている。
このようにトルク伝達率αB(n)が設定された後、第1比較形態と同様、ステップ200で、上記(3)式に基づき、目標エンジントルク値TQが補正され、次のステップ210で、目標エンジントルク値TQがスロットル開度に変換され、このスロットル開度に基づきエンジン出力が目標エンジントルク値TQとなるよう調整される。
以上のように、本第2比較形態においては、エンジン出力の目標値としての目標エンジントルク値TQを、最大エンジントルク値MQにトルク伝達率αBを乗ずることにより補正する。このトルク伝達率αBは、ロールレイトρの大きさが大きくなるに応じて小さい値となるよう設定されている。
したがって、ロールレイトρの大きさが大きくなるに応じてエンジン出力が小さくなるよう低下させる、換言すれば、ロールレイトρの大きさに応じて目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値より削減するトルク値を大きくする。これにより、旋回時に車両の横転を防止するためにエンジン出力を低下させるに際して、車両のロールレイトが大きいほどその大きさに応じてエンジン出力の減少率を大きくしてエンジン出力を絞ることができる。したがって、このようなエンジン出力の調整により、急激な制御介入とはならないため、車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。
さらに、車両のロールレイトρの大きさが小さくなる過程では、トルク伝達率αBの増加量を小さく抑えるので、エンジン出力の急激な増加が抑制されてゆっくりとしたトルク復帰を可能にし、これにより車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。
(第実施形態)
次に、本発明の第実施形態について説明する。図7は、第実施形態の車両の横転防止装置1の概略構成を示す図である。なお、第1および第2比較形態と共通する部分には、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
本第実施形態の車両の横転防止装置1は、図7に示す構成において、上記第1比較形態と同様、横Gセンサ3、前後Gセンサ4およびギア位置センサ5を備えるとともに、上記第1比較形態とは若干異なり、各車輪の車輪速VWFL〜VWRRを検出する車輪速センサ7FL〜7RRと、車両に生ずるヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ8と、ハンドル(図示せず)の舵角を検出する舵角センサ9を備えている。なお、左右前輪および左右後輪を、それぞれFL、FRおよびRL、RRと標記する。
実施形態においては、トルク伝達率αCを横Gに基づいて決定する点が、上記第1および第2比較形態と異なる。なお、本第実施形態において、横Gおよび/またはヨーレイトが姿勢変化物理量に相当する。
図8は、第実施形態におけるコントローラ2が実行する制御プログラムの処理手順を示したものである。このフローチャートにおいても、上記第1および第2比較形態と同様の処理を行うステップには、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
まずステップ102で、車輪速センサ7FL〜7RRから各輪の車輪速VWFL〜VWRRが読み込まれ、横Gセンサ3から横G値Gy、前後Gセンサ4から前後G値Gx、ヨーレイトセンサ8からヨーレイトγ、舵角センサ9から舵角θsおよびギア位置センサ5からギア比Pがそれぞれ読み込まれる。
次に、ステップ104で、車速Vが、各車輪速VWFL〜VWRRのうち最も大きい値に一致するよう算出される。また、ステップ106で、舵角速度dθsが、舵角θsの微分値として算出される。
さらに、ステップ110では、上記第1および第2比較形態と同様、路面摩擦係数μが上記(1)式に基づき推定演算され、次のステップ130では、第1および第2比較形態と同様、補正前の目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値MQが上記(2)式に基づき演算される。
次のステップ132では、舵角速度dθsが予め設定された閾値dθTHより大きいか否か、すなわち操舵の速さが速いか否かが判定される。判定結果がNOであれば、操舵の速さが比較的遅いため、ステップ134で横G値Gyとして、横Gセンサ3の検出値が採用される。判定結果がYESであれば、操舵の速さが比較的速いため、ステップ136で横G値Gyとしてヨーレイトγおよび車速Vに基づき(4)式により算出した値が採用される。
Gy=K・γ・V ・・・(4)
ただし、Kは定数である。
ステップ144では、目標エンジントルク値が横G値Gyに応じて小さくなるよう補正するためのトルク伝達率αCが演算される。このトルク伝達率αC(n)は、演算周期毎の演算回数nを用いてαC(n)と標記され、予め記憶されている図9に示すマップとn回目にステップ134または136で採用された横G値Gyとに基づき算出される。
図9に示されるように、トルク伝達率αCのマップは、横G値Gyが0でトルク伝達率αC=100%となり、横G値Gyの大きさが(左右いずれの方向においても)大きくなるに応じてトルク伝達率αCが減少し、所定値(図9の例ではGy=0.8G、G:重力加速度)以上ではGy=0となるよう設定されている。したがって、横G値Gyの絶対値|Gy|が増加するにつれ、トルク伝達率αCが小さくなり、すなわちエンジン出力の削減率が増加し、エンジン出力が徐々に低下する。
次のステップ146で、演算周期ごとの横G値Gyの差分値より単位時間当たりの変化量dGy〔G/sec〕を演算する。
そして、ステップ160で、上記第1および第2比較形態と同様、今回のトルク伝達率αC(n)が前回のトルク伝達率αC(n−1)より大きいか否かが判定される。そして、第1比較形態と同様、判定結果がNOの場合にはステップ200へ、また、判定結果がYESの場合にはステップ170へ移行する。
第1比較形態と同様、ステップ170では、トルク伝達率αCに対する補正値としてのトルク復帰値δC(dGy)が算出される。このトルク復帰値δC(dGy)は、図10に示すマップと現在の横G変化量dGyとに基づき算出される。
ここで、横G値Gyとその微分値である横G変化量dGyとの関係は次のようである。横G変化量dGyが負の値であるとは、右方向に横Gが発生している場合はその横G値Gy(<0)がさらに増加、あるいは左方向に横Gが発生している場合はその横G値(>0)が0へ減少することを表している。同様に、横G変化量dGyが正の値であるとは、左方向に横Gが発生している場合はその横G値Gy(>0)がさらに増加、あるいは右方向に横Gが発生している場合はその横G値(<0)が0へ減少することを表している。そして、横G値Gyの増加、または減少の速さは、横G変化量dGyの大きさ(絶対値|dGy|)で表される。
図10に示すように、トルク復帰値δC(dGy)は、横G値Gy>0(左方向の横G)が発生している場合には負の横G変化量dGy(<0)の大きさ|dGy|が大きくなる、すなわち、左方向の横Gが0へ減少する速さが大きくなるに応じて増加する(図10中実線)よう設定されている。同様に、トルク復帰値δC(dGy)は、横G値Gy<0(右方向の横G)が発生している場合には正の横G変化量dGy(>0)の大きさ|dGy|が大きくなる、すなわち、右方向の横Gが0へ減少する速さが大きくなるに応じて増加する(図中破線)よう設定されている。なお、図10において、Gy>0の場合のdGy>0の領域、およびGy<0の場合のdGy<0の領域は、ともに、横G変化量dGyが一時的に変動してもトルク復帰の制御が円滑に行われるよう設けられている。
図10より、横G値Gyが0に戻る速度(または、減少速度)が大きいほど、トルク伝達率αC(dGy)が大きくなっている。
横Gの0への戻り速度が大きい、すなわち、横G値Gy>0のとき横G変化量dGyが負の大きな値である場合、および、横G値Gy<0のとき横G変化量dGyが正の大きな値である場合には、車両の挙動としては横G値Gyが0近傍に復帰しつつある安全方向の状態にある。このような場合には、エンジン出力を早めに増加させても、車両挙動が異常となることはない。これにより、横G値Gyの0への戻り速度(減少速度)が大きいほど、目標エンジントルク値の増加量を大きくして、補正前のエンジントルク値への復帰を早めることにより、エンジントルク上昇のもたつき感を低減し運転フィーリングを向上させることができる。
次のステップ180では、第1比較形態と同様、今回のトルク伝達率αC(n)が前回のトルク伝達率αC(n−1)にトルク復帰値δC(dGy)を加算したものとして修正される。このとき、トルク復帰値δC(dGy)は、エンジン出力をゆっくりと復帰させるために、前回と今回とのトルク伝達率αCの偏差よりも十分小さいという関係、すなわち、αC(n)−αC(n−1)≫δC(dGy)の関係を満たしている。
そして、第1および第2比較形態と同様、ステップ200で、目標エンジントルク値TQがトルク伝達率αC(n)を用いて上記(2)式に基づき演算され、ステップ210で、この目標エンジントルク値TQがスロットル開度に変換され、エンジン出力が目標エンジントルク値となるよう調整される。
以上のように、本第実施形態においては、エンジン出力の目標値としての目標エンジントルク値TQを、最大エンジントルク値MQにトルク伝達率αCを乗ずることにより補正する。このトルク伝達率αCは、横G値Gyの大きさが大きくなるに応じて徐々に小さい値となるよう、すなわち、横G値Gyが大きくなるに応じて目標エンジントルク値TQを徐々に小さい値とするよう設定されている。
したがって、横G値Gyの大きさが大きくなるに応じてエンジン出力が小さくなるよう低下させる、換言すれば、横G値Gyの大きさに応じて目標エンジントルク値としての最大エンジントルク値より削減するトルク値を大きくする。これにより、旋回時に車両の横転を防止するためにエンジン出力を低下させるに際して、車両の横Gが大きいほどその大きさに応じてエンジン出力の減少率を大きくしてエンジン出力を絞ることができる。したがって、このようなエンジン出力の調整により、急激な制御介入とはならないため、車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。
さらに、車両の横Gの大きさが小さくなる過程では、トルク伝達率αCの増加量をトルク復帰値δCにより小さく抑えるので、エンジン出力の急激な増加が抑制されてゆっくりとしたトルク復帰を可能にし、これにより、車両の姿勢変化はスムーズとなり、運転フィーリングを損なうような異常な車両挙動をもたらすことがない。この場合、トルク復帰値δCが、横Gの0への戻り速度(減少速度)に応じて大きく設定されるので、横G値Gyの減少速度が大きいほど目標エンジントルク値の増加量を大きくして、補正前のエンジントルク値への復帰を早めることにより、エンジントルク上昇のもたつき感を低減し運転フィーリングを向上させることができる。
(他の実施形態)
上記各比較形態および実施形態において、エンジン制御手段として、エンジン制御ECU10がスロットルアクチュエータ11を駆動する例を示したが、スロットルアクチュエータ11の代わりに、電子ガバナを制御するようにしてもよい。この電子ガバナにより、ディーゼルエンジンの出力が調整される。
本発明の第1比較形態の車両の横転防止装置の概略構成を示す図である。 第1比較形態のコントローラが実行する制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。 ロール角φに対するトルク伝達率αAの特性を示す図(マップ)である。 ロールレイトρに対するトルク復帰値δAの特性を示す図(マップ)である。 第2比較形態のコントローラが実行する制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。 ロールレイトρに対するトルク伝達率αBの特性を示す図(マップ)である。 本発明の第実施形態の車両の横転防止装置の概略構成を示す図である。 実施形態のコントローラが実行する制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。 横加速度Gyに対するトルク伝達率αCの特性を示す図(マップ)である。 横加速度変化量dGyに対するトルク復帰値δCの特性を示す図(マップ)である。
符号の説明
2…コントローラ、3…横加速度(横G)センサ、
4…前後加速度(前後G)センサ、5…ギア位置センサ、
6…ロールレイトセンサ、7…車輪速センサ、8…ヨーレイトセンサ、
9…舵角センサ、10…エンジンECU、11…スロットルアクチュエータ、
12…エンジン。

Claims (7)

  1. 車両の横方向の姿勢変化を表す物理量を検出する姿勢変化物理量検出手段(2、3、6、8)と、
    前記車両が備えるエンジン(12)の出力のトルク伝達率を前記姿勢変化物理量の大きさが大きくなるに応じて小さくなるよう算出するトルク伝達率算出手段(2)と、
    前記エンジン出力の目標となる目標エンジントルク値を演算する目標エンジントルク値演算手段(2)と、
    前記目標エンジントルク値を前記トルク伝達率に基づき補正する目標エンジントルク値補正手段(2)と、
    前記補正された目標エンジントルク値に基づき前記エンジン出力を制御するエンジン制御手段(10、11)と、を備え、
    前記姿勢変化物理量検出手段は、舵角速度を検出する舵角速度検出手段(9)と、横加速度を検出する横加速度センサ(3)およびヨーレイトセンサ(8)を含み、
    前記トルク伝達率算出手段は、前記横加速度の大きさが大きくなるに応じて小さくなるように前記トルク伝達率を算出し、前記舵角速度検出手段(9)にて検出された前記舵角速度が所定値よりも小さい場合には、前記横加速度センサ(3)で検出された横加速度の大きさに応じて前記トルク伝達率を算出すると共に、前記舵角速度が前記所定値よりも大きい場合には、前記ヨーレイトセンサ(8)の検出値に基づき算出される横加速度の大きさに応じて前記トルク伝達率を算出することを特徴とする横転防止装置。
  2. 前記目標エンジントルク値演算手段は、前記目標エンジントルク値として、前記車両の駆動輪がスリップしないで路面に伝達可能な最大のエンジン出力を表す最大エンジントルク値を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両の横転防止装置。
  3. 路面摩擦係数を検出する手段(2、3、4)と、前記車両が備える変速機のギア比を検出する手段(2、5)とを備え、
    前記目標エンジントルク値演算手段は、前記最大エンジントルク値を前記路面摩擦係数および変速機ギア比に基づいて演算することを特徴とする請求項2に記載の車両の横転防止装置。
  4. 前記路面摩擦係数を検出する手段は、前記路面摩擦係数を前記車両の加速度に基づいて演算することを特徴とする請求項3に記載の車両の横転防止装置。
  5. 前記目標エンジントルク値補正手段は、前記トルク伝達率算出手段により今回演算された前記トルク伝達率が前記横加速度の変化に応じて前回演算された前記トルク伝達率より増加するとき、前記目標エンジントルクを補正する前記トルク伝達率の前記前回演算された前記トルク伝達率からの変化分を、前記前回演算された前記トルク伝達率より増加した前記トルク伝達率の変化分より小さいトルク復帰値として、そのトルク復帰値を前記前回演算された前記トルク伝達率に加えた値に基づいて前記目標エンジントルクを補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両の横転防止装置。
  6. 前記トルク復帰値は、前記横加速度が減少する方向の横加速度変化量の大きさが大きくなるに応じて大きい値となるよう設定されていることを特徴とする請求項に記載の車両の横転防止装置。
  7. 前記姿勢変化物理量検出手段は、前記車両のロール角、ロールレイトおよび横加速度の少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1に記載の車両の横転防止装置。
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