JP4648295B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸発燃料処理装置に関する。
従来、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着させ、必要に応じてキャニスタから脱離させた蒸発燃料を空気と共に内燃機関の吸気通路に導いてパージする蒸発燃料処理装置が知られている。このような蒸発燃料処理装置の一種として、吸気通路に導かれる蒸発燃料の濃度をパージに先立ち測定しておくことで、蒸発燃料を短期間に大量パージ可能としたものが特許文献1,2に開示されている。かかる蒸発燃料処理装置では、蒸発燃料を含む混合ガスを吸気通路に導くパージ通路において混合ガスの流量又は密度を検出すると共に、大気開放された通路において空気の流量又は密度を検出し、それらの検出結果に基づきパージを制御するようにしている。
特開平5−18326号公報 特開平6−101534号公報
さて、特許文献1,2に開示の蒸発燃料処理装置では、吸気通路の負圧を各通路に作用させることで混合ガス若しくは空気を各通路に流しつつ、流量又は密度の検出を行っている。それ故、吸気通路の負圧に脈動が生じると、流量又は密度に変動が生じるため、流量又は密度の検出結果に基づくパージの制御精度が悪化してしまう。また、吸気通路の負圧が小さい場合、各通路における混合ガス若しくは空気の流量が減少するため、流量又は密度の検出自体が困難となる。
そこで本発明者らは、絞りを有する検出通路をガス流発生手段により減圧して空気及び混合ガスの流れを個別に発生させつつ、絞りとガス流発生手段とにより決まる圧力の検出結果に基づきパージを制御する蒸発燃料処理装置の研究を行ってきた。かかる装置では、検出対象の圧力が安定すると共に、検出通路において空気又は混合ガスの流量が十分に確保され得る。したがって、正確な圧力検出が実現されてパージの制御精度が高くなるので、内燃機関の空燃比がパージにより悪化することを防止できるのである。
しかしながら、燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタの吸着能力が限界を超える(以下、吸着能力が限界を超えることを「破過」という)と、キャニスタを大気に開放するための開放通路に蒸発燃料が排出される。ここで、例えば空気が絞りを通過するときの圧力を開放通路が検出通路に連通した状態下で行うような場合、開放通路に排出された蒸発燃料が絞りを通過し、さらには当該蒸発燃料がガス流発生手段内に流入することにより、特性変化を惹起するおそれがある。また、吸入ガスの排出口が開放通路に連通するポンプをガス流発生手段として用いた場合には、開放通路に排出された蒸発燃料がポンプ内に流入してポンプのP−Q特性が変化するおそれがある。これらの場合、圧力の検出精度、ひいてはパージの制御精度が低下してしまうため、望ましくない。
こうした中、本発明者らは、燃料タンクからの蒸発燃料を吸着する第一キャニスタに加え、検出通路の絞りとガス流発生手段との間において蒸発燃料を吸着する第二キャニスタを備えた蒸発燃料装置についても研究を行ってきた。かかる装置では、圧力の検出中に検出通路に流入した蒸発燃料が第二キャニスタに吸着されるため、ガス流発生手段に蒸発燃料が到達することについて防止可能となる。故に、例えばポンプをガス流発生手段として用いた場合には、図2に示すように、蒸発燃料のみが絞りを通過するときの検出圧力ΔPGasはポンプの締切圧Pと等しくなる一方、空気のみが絞りを通過するときの検出圧力ΔPAirは絞りのΔP−Q特性曲線CAir及びポンプのP−Q特性曲線CPmpの交点圧力と等しくなる。したがって、検出圧力ΔPGas,ΔPAirの差分値にて表わされる検出ゲインGが図2に示すように大きくなるので、パージの制御精度を高めることができる。
しかしながら、第二キャニスタを追加したとしても、第二キャニスタが破過した場合、ガス流発生手段の発生したガス流により蒸発燃料が第二キャニスタからガス流発生手段側に排出されて、ガス流発生手段内に吸入されることがある。その結果、ガス流発生手段の特性変化が生じるため、圧力の検出精度、ひいてはパージの制御精度が低下してしまう。さらに、例えば排出口が大気開放されたポンプをガス流発生手段として用いた場合には、上述の理由によってポンプ内に吸入された蒸発燃料は大気中に排出されてしまうため、大気を汚染するという問題も発生することになる。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関に適したパージ制御を実現する蒸発燃料処理装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によると、絞りとガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段の検出結果のみならず、第二キャニスタから第二検出通路への蒸発燃料排出を検出する排出検出手段の検出結果にも基づき、吸気通路へのパージが制御される。故に、破過した第二キャニスタから蒸発燃料が第二検出通路に排出されたとしても、その影響を排除するようにパージ制御を行うことができる。したがって、このような請求項1に記載の発明によれば、内燃機関に適したパージ制御を実現することができる。
請求項2に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、圧力検出手段の検出結果に基づくパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタが蒸発燃料を吸着可能な状態(以下、吸着可能な状態を「吸着可能状態」という)にあるときに、パージ通路の蒸発燃料状態を反映する圧力に基づくことによって、内燃機関に最適なパージ制御を実現することができる。また一方、請求項2に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として、圧力検出手段の検出結果に基づくパージが禁止される。故に、蒸発燃料が第二検出通路に排出されることにより圧力の検出精度が低下したとしても、内燃機関に及ぶ影響を小さくすることができる。
請求項3に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、パージ通路の蒸発燃料状態が圧力検出手段の検出結果に基づき算出されて、当該蒸発燃料状態に応じたパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタが吸着可能状態にあるときに、パージ量を左右する蒸発燃料状態を十分に反映したパージ制御を実現することができる。
請求項4に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として、圧力検出手段の検出結果を無視したパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタが破過状態になったときでも、吸着可能状態のときとは異なる方法により蒸発燃料を吸気通路にパージすることができるので、限られたパージ時間であっても有効に活用することができる。
請求項5に記載の発明によると、第二キャニスタの吸着能力が回復するまで、圧力検出手段の検出結果に基づくパージが禁止されるので、第二検出通路への蒸発燃料排出が内燃機関の運転に大きく影響する事態を確実に回避できる。
第二キャニスタが一旦破過すると、蒸発燃料が第二キャニスタから脱離しない限り、第二キャニスタの吸着能力は回復しない。そこで、パージを禁止するために吸着能力の回復は、例えば請求項6に記載の発明のように、蒸発燃料を第二キャニスタから脱離させて第一検出通路及びパージ通路を通じて吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、判断してもよい。あるいは当該吸着能力の回復は、請求項7に記載の発明のように、蒸発燃料を第二キャニスタから脱離させて第一検出通路及びパージ通路を通じて吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、判断してもよい。ここで後者の場合には、第二キャニスタからの燃料脱離量に相関するパージ量が変動したとしても、その変動分が吸着能力の回復判断において加味されることになるので、当該判断は、より正確なものとなる。
請求項8に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、第一圧力と第二圧力とに基づくパージ制御が行われる。ここで第一圧力は、ガス流発生手段が第二検出通路を減圧すると共に通路切換手段が大気通路を第一検出通路に連通させた状態下、圧力検出手段が検出する圧力であるので、第一検出通路の絞りを空気が大気通路側から通過するときの圧力となる。また、第二圧力は、ガス流発生手段が第二検出通路を減圧すると共に通路切換手段がパージ通路を第一検出通路に連通させた状態下、圧力検出手段が検出する圧力であるので、蒸発燃料を含む混合ガスがパージ通路側から絞りを通過するときの圧力となる。これらの圧力を比較することによれば、パージ通路の蒸発燃料状態を知ることができるので、より正確なパージ制御が実現可能となる。
請求項9に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、第一圧力と第二圧力とに加え、締切圧にも基づいたパージ制御が行われる。ここで締切圧は、ガス流発生手段が第二検出通路を減圧すると共に通路開閉手段が第一及び第二検出通路のうち少なくとも一方を閉じた状態下、即ちガス流発生手段の吸入側が締め切られた状態下、圧力検出手段が検出する圧力である。したがって、この締切圧を利用することによれば、パージ通路の蒸発燃料状態をより正確に知ることが可能となるので、パージ制御の正確性が格段に向上する。
第一圧力は、絞りを通過した空気がガス流発生手段内に吸入されつつ検出されることになるので、蒸発燃料が第二検出通路に排出されてガス流発生手段内に吸入されると、明確に変化する。そこで、請求項10に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が第一圧力に基づき検出されるので、その検出の正確性が高くなる。
請求項11に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出を検出したとの判断は、第一圧力と第一圧力基準値との差が許容値以上になったことを条件として、下される。ここで第一圧力基準値は、第二検出通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力であるので、ノイズ等による検出圧力の誤差を許容値分だけ見越して、第一圧力の変化を招く蒸発燃料排出を正確に検出することができる。
ガス流発生手段の特性は、劣化等により経時変化して初期特性から外れるおそれがある。ガス流発生手段の特性が初期特性から外れると、第二検出通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力の値は初期値からずれてしまう。そこで、請求項12に記載の発明によると、第一圧力基準値は、過去に検出された第一圧力に基づき設定されるので、ガス流発生手段の特性が経時変化することによる影響を排除することができる。
請求項13に記載の発明によると、第一圧力基準値は、過去に検出された複数の第一圧力を平均することにより得られる。故に、検出圧力のバラツキをなまして、より正確に第一圧力基準値を設定することができる。
第一圧力は、絞りを通過した空気がガス流発生手段内に吸入されつつ検出されることになるので、蒸発燃料が第二検出通路に排出されてガス流発生手段内に吸入されると、その安定までに要する時間が明確に変化する。そこで、請求項14に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出が第一圧力の安定時間に基づき検出されるので、その検出の正確性が高くなる。
請求項15に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出を検出したとの判断は、第一圧力の安定時間と安定時間基準値との差が許容値以上になったことを条件として、下される。ここで安定時間基準値は、第二検出通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力の安定時間であるので、ノイズ等による検出圧力の誤差の影響を許容値分だけ見越して、安定時間の変化を招く蒸発燃料排出を正確に検出することができる。
劣化等によりガス流発生手段の特性が初期特性から外れると、第二検出通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力の安定時間は初期状態での時間からずれてしまう。そこで、請求項16に記載の発明によると、安定時間基準値は、過去に検出された第一圧力の安定時間に基づき設定されるので、ガス流発生手段の特性が経時変化することによる影響を排除することができる。
請求項17に記載の発明によると、安定時間基準値は、過去に検出された複数の第一圧力の安定時間を平均することにより得られる。故に、検出圧力のバラツキ等による影響分をなまして、より正確に安定時間基準値を設定することができる。
請求項18,19に記載の発明によると、第二検出通路において燃料検出手段が蒸発燃料を検出するので、第二検出通路への蒸発燃料排出を直接的に検出することができる。
第二キャニスタが破過状態にあるときには、当該第二キャニスタに連通する第一検出通路にも蒸発燃料が排出されるおそれがある。そこで、請求項20に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として第一検出通路が閉じられる。故に、大気開放の大気通路が第一検出通路と連通した状態下、第二キャニスタから第一検出通路に蒸発燃料が排出されたとしても、拡散等により当該蒸発燃料が大気通路を通じて大気中に排出されることを抑制できる。
請求項21に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として第二検出通路が閉じられる。故に、第二キャニスタから第二検出通路に蒸発燃料が排出されたとしても、拡散等により当該蒸発燃料がガス流発生手段内に流入して特性変化を招くことを抑制できる。
請求項22に記載の発明によると、ガス流発生手段による第二検出通路の減圧は、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として禁止されるので、排出された蒸発燃料がガス流発生手段内に吸入されてガス流発生手段の特性が変化することを抑制できる。したがって、ガス流発生手段の特性変化により圧力の検出精度が低下してパージ制御に影響が及ぶ事態について回避可能となる。
請求項23に記載の発明によると、第二検出通路からの吸入ガスを排出するガス流発生手段の排出口は、大気に開放される。しかし、請求項22に記載の構成によりガス流発生手段内への燃料吸入が抑制されるので、ガス流発生手段内から大気中に蒸発燃料が排出される事態について回避可能となる。
請求項24に記載の発明によると、第二キャニスタの吸着能力が回復するまで、ガス流発生手段による第二検出通路の減圧が禁止されるので、第二キャニスタが破過状態にある間は継続して、ガス流発生手段内への蒸発燃料の流入を抑制することができる。
第二キャニスタが一旦破過すると、蒸発燃料が第二キャニスタから脱離しない限り、第二キャニスタの吸着能力は回復しない。そこで、第二検出通路の減圧を禁止するために吸着能力の回復は、例えば請求項25に記載の発明のように、蒸発燃料を第二キャニスタから脱離させて第一検出通路及びパージ通路を通じて吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、判断してもよい。あるいは当該吸着能力の回復は、請求項26に記載の発明のように、蒸発燃料を第二キャニスタから脱離させて第一検出通路及びパージ通路を通じて吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、判断してもよい。ここで後者の場合には、第二キャニスタからの燃料脱離量に相関するパージ量が変動したとしても、その変動分が吸着能力の回復判断において加味されることになるので、当該判断は、より正確なものとなる。
さて、請求項27に記載の発明では、開放通路がキャニスタに連通し、ガス流発生手段が減圧する検出通路にも通路切換手段の働きにより開放通路が連通するので、破過したキャニスタから開放通路に排出された蒸発燃料が検出通路の絞りやガス流発生手段に達するおそれがある。また、請求項28,29に記載の発明では、開放通路がキャニスタとガス流発生手段の排出口とに連通しているので、破過したキャニスタから開放通路に排出された蒸発燃料がガス流発生手段に達するおそれがある。しかし、それら請求項27〜29に記載の発明によると、絞りとガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段の検出結果のみならず、キャニスタから開放通路への蒸発燃料排出を検出する排出検出手段の検出結果にも基づき、吸気通路へのパージが制御される。故に、破過したキャニスタから蒸発燃料が開放通路に排出されたとしても、その影響を排除するようにパージ制御を行うことができる。したがって、このような請求項27〜29に記載の発明によれば、内燃機関に適したパージ制御を実現することができる。
請求項30に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、圧力検出手段の検出結果に基づくパージ制御が行われる。故に、キャニスタが吸着可能状態にあるときに、パージ通路の蒸発燃料状態を反映する圧力に基づくことによって、内燃機関に最適なパージ制御を実現することができる。また一方、請求項30に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出の検出を条件として、圧力検出手段の検出結果に基づくパージが禁止される。故に、蒸発燃料が開放通路に排出されることにより圧力の検出精度が低下したとしても、内燃機関に及ぶ影響を小さくすることができる。
請求項31に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、パージ通路の蒸発燃料状態が圧力検出手段の検出結果に基づき算出されて、当該蒸発燃料状態に応じたパージ制御が行われる。故に、キャニスタが吸着可能状態にあるときに、パージ量を左右する蒸発燃料状態を十分に反映したパージ制御を実現することができる。
請求項32に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出の検出を条件として、圧力検出手段の検出結果を無視したパージ制御が行われる。故に、キャニスタが破過状態になったときでも、吸着可能状態のときとは異なる方法により蒸発燃料を吸気通路にパージすることができるので、限られたパージ時間であっても有効に活用することができる。
請求項33に記載の発明によると、蒸発燃料が開放通路から掃出されるまで、圧力検出手段の検出結果に基づくパージが禁止されるので、開放通路への蒸発燃料排出が内燃機関の運転に大きく影響する事態を確実に回避できる。
負圧の作用によりキャニスタから吸着燃料を脱離させて吸気通路にパージする際には、当該負圧がキャニスタから開放通路に作用することで、開放通路からキャニスタに向かうガス流が発生する。そこで、パージを禁止するために蒸発燃料掃出の完了は、例えば請求項34に記載の発明のように、負圧により蒸発燃料をキャニスタから脱離させて吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、判断してもよい。あるいは当該蒸発燃料掃出の完了は、請求項35に記載の発明のように、負圧により蒸発燃料をキャニスタから脱離させて吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、判断してもよい。ここで後者の場合には、開放通路からの燃料掃出量に相関するパージ量が変動したとしても、その変動分が蒸発燃料掃出の完了判断において加味されることになるので、当該判断は、より正確なものとなる。
請求項36に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、第一圧力と第二圧力とに基づくパージ制御が行われる。ここで第一圧力は、ガス流発生手段が検出通路を減圧すると共に通路切換手段が大気通路を検出通路に連通させた状態下、圧力検出手段が検出する圧力であるので、検出通路の絞りを空気が大気通路側から通過するときの圧力となる。また、第二圧力は、ガス流発生手段が検出通路を減圧すると共に通路切換手段がパージ通路を検出通路に連通させた状態下、圧力検出手段が検出する圧力であるので、蒸発燃料を含む混合ガスがパージ通路側から絞りを通過するときの圧力となる。これらの圧力を比較することよれば、パージ通路の蒸発燃料状態を知ることができるので、より正確なパージ制御が実現可能となる。
第一圧力は、絞りを通過した空気がガス流発生手段内に吸入されつつ検出されることになるので、蒸発燃料が開放通路に排出されてガス流発生手段内に流入していると、明確な差異が生じる。また、第一圧力は、蒸発燃料が開放通路に排出されて絞りを通過することによっても、明確な差異が生じる。そこで、請求項37に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が第一圧力に基づき検出されるので、その検出の正確性が高くなる。
請求項38に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出を検出したとの判断は、第一圧力と第一圧力基準値との差が許容値以上になったことを条件として、下される。ここで第一圧力基準値は、開放通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力であるので、ノイズ等による検出圧力の誤差を許容値分だけ見越して、第一圧力の変化を招く蒸発燃料排出を正確に検出することができる。
ガス流発生手段の特性が劣化等により初期特性から外れると、開放通路への蒸発燃料排出がない場合における第一圧力の値は初期値からずれてしまう。そこで、請求項39に記載の発明によると、第一圧力基準値は、過去に検出された第一圧力に基づき設定されるので、ガス流発生手段の特性が経時変化することによる影響を排除することができる。
請求項40に記載の発明によると、第一圧力基準値は、過去に検出された複数の第一圧力を平均することにより得られる。故に、検出圧力のバラツキをなまして、より正確に第一圧力基準値を設定することができる。
請求項41に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が検出されないことを条件として、第一圧力と第二圧力とに加え、締切圧にも基づいたパージ制御が行われる。ここで締切圧は、ガス流発生手段が検出通路を減圧すると共に通路開閉手段が検出通路を閉じた状態下、即ちガス流発生手段の吸入側が締め切られた状態下、圧力検出手段が検出する圧力である。したがって、この締切圧を利用することによれば、パージ通路の蒸発燃料状態をより正確に知ることが可能となるので、パージ制御の正確性が格段に向上する。
締切圧は、ガス流発生手段の吸入側が締め切られた状態で検出される圧力であるので、蒸発燃料が開放通路に排出されてガス流発生手段内に流入していると、明確な差異が生じる。そこで、請求項42に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出が締切圧に基づき検出されるので、その検出の正確性が高くなる。
請求項43に記載の発明によると、開放通路への蒸発燃料排出を検出したとの判断は、締切圧と締切圧基準値との差が許容値以上になったことを条件として、下される。ここで締切圧基準値は、開放通路への蒸発燃料排出がない場合における締切圧であるので、ノイズ等による検出圧力の誤差を許容値分だけ見越して、締切圧の変化を招く蒸発燃料排出を正確に検出することができる。
ガス流発生手段の特性が劣化等により初期特性から外れると、開放通路への蒸発燃料排出がない場合における締切圧の値は初期値からずれてしまう。そこで、請求項44に記載の発明によると、締切圧基準値は、過去に検出された締切圧に基づき設定されるので、ガス流発生手段の特性が経時変化することによる影響を排除することができる。
請求項45に記載の発明によると、締切圧基準値は、過去に検出された複数の締切圧を平均することにより得られる。故に、検出圧力のバラツキをなまして、より正確に締切圧力基準値を設定することができる。
請求項46に記載の発明によると、開放通路において燃料検出手段が蒸発燃料を検出するので、開放通路への蒸発燃料排出を直接的に検出することができる。
請求項47に記載の発明によると、ガス流発生手段による第二検出通路の減圧下において絞りとガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段の検出結果に基づき、吸気通路への蒸発燃料のパージが制御される。ここで第二検出通路の減圧は、第二キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量(以下、蒸発燃料の吸着量を「燃料吸着量」という)を推定する推定手段の推定結果に基づき許否されるので、燃料吸着量の増大した第二キャニスタから減圧状態の第二検出通路に蒸発燃料が吸引排出されること自体を抑制できるのである。したがって、請求項47に記載の発明によれば、蒸発燃料が第二キャニスタから第二検出通路を通じてガス流発生手段内に吸入されることを回避できるので、高精度な圧力検出、ひいては内燃機関に適した高精度なパージ制御が実現可能となる。
請求項48に記載の発明によると、第二検出通路からの吸入ガスを排出するガス流発生手段の排出口は、大気に開放される。しかしながら、推定手段の推定結果に基づくことによりガス流発生手段内への燃料吸入を防止できるので、蒸発燃料がガス流発生手段の排出口から大気中に排出される事態の回避が可能となる。
第二キャニスタにおける燃料吸着量は、第二検出通路が減圧されるときには、第二キャニスタ及び第一検出通路を通じて連通するパージ通路の蒸発燃料状態に依存する。そこで、請求項49に記載の発明によると、第二キャニスタにおける燃料吸着量は、第二検出通路の減圧下における圧力検出手段の検出結果に基づき算出されたパージ通路の蒸発燃料状態から推定されるので、当該推定結果は正確なものとなる。
第二キャニスタにおける燃料吸着量は、蒸発燃料が第二キャニスタから脱離して吸気通路にパージされるときには、当該パージの量に依存する。そこで、請求項50に記載の発明によると、第二キャニスタにおける燃料吸着量は、第二キャニスタから脱離して吸気通路にパージされた蒸発燃料量から推定されるので、当該推定結果は正確なものとなる。
請求項51に記載の発明によると、推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、ガス流発生手段による第二検出通路の減圧が許可される。故に、第二キャニスタにおける燃料吸着量が許容量以下の吸着可能状態となるときには、第二検出通路を確実に減圧して、パージ制御に必要な圧力検出を適正に実施することができる。また一方、請求項51に記載の発明によると、推定結果が許容量を超えたことを条件として、第二検出通路の減圧が禁止される。故に、燃料吸着量が許容量を超えて第二キャニスタの破過が懸念される状態になったときには、第二検出通路の減圧の禁止により、第二キャニスタからガス流発生手段に向かうガス流を止めることができる。したがって、第二キャニスタが破過して蒸発燃料がガス流発生手段内に吸入される事態を未然に防止することができるのである。
請求項52に記載の発明によると、推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、圧力検出手段の検出結果に基づくパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタが吸着可能状態となることで、第二検出通路の減圧が許可されるときには、パージ通路の蒸発燃料状態を反映する当該減圧下での検出圧力に基づくことにより、内燃機関に最適なパージ制御を実現することができる。また一方、請求項52に記載の発明によると、推定手段の推定結果が許容量を超えたことを条件として、圧力検出手段の検出結果を無視したパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタの破過が懸念される状態となることで、圧力検出に必要な第二検出通路の減圧が禁止されたとしても、圧力検出結果を無視した方法によって蒸発燃料を吸気通路にパージすることができるので、限られたパージ時間を有効に活用することができる。
請求項53に記載の発明によると、推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、パージ通路の蒸発燃料状態が圧力検出手段の検出結果に基づき算出されて、当該蒸発燃料状態に応じたパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタが吸着可能状態となるときには、パージ量を左右する蒸発燃料状態を十分に反映したパージ制御を実現することができる。
請求項54に記載の発明によると、第一及び第二キャニスタの双方から蒸発燃料を脱離させて吸気通路にパージする第一パージ処理と、第一及び第二キャニスタのうち第一キャニスタのみから蒸発燃料を脱離させて吸気通路にパージする第二パージ処理とが実施される。ここで、推定手段の推定結果が回復設定量以下になったことを条件として、第一パージ処理から第二パージ処理へと切り換えられることになるので、第一パージ処理により第二キャニスタの燃料吸着量が減少して吸着能力が回復した後には、第二パージ処理の対象を第一キャニスタに絞って、例えば大量パージを実現することができる。
請求項55に記載の発明によると、第二キャニスタから第二検出通路への蒸発燃料の排出を検出する排出検出手段の検出結果に基づき、推定手段の推定結果が補正される。これによれば、第二キャニスタの破過にもかかわらず推定手段の推定結果が破過量を示さない異常事態が万が一発生したとしても、破過した第二キャニスタからの蒸発燃料排出の検出結果に基づき推定結果を補正することによって、第二検出通路の減圧を禁止することが可能となる。したがって、請求項55に記載の発明によれば、推定結果の誤差に対して高いフェイルセーフ性を発揮することができる。
請求項56に記載の発明によると、第二検出通路への蒸発燃料排出の検出を条件として、推定手段の推定結果が補正され且つ圧力検出手段の検出結果を無視したパージ制御が行われる。故に、第二キャニスタの破過によって推定結果が補正されて、圧力検出に必要な第二検出通路の減圧が禁止されたとしても、圧力検出結果を無視した方法によって蒸発燃料を吸気通路にパージすることができるので、限られたパージ時間を有効に活用することができる。
尚、以上において「ガス流発生手段」は、対象の減圧によりガス流を発生可能なもの、例えばポンプを用いて構成してもよいし、アキュムレータを用いて構成してもよいし、それら以外であってもよい。また、「蒸発燃料状態」は、例えば蒸発燃料の濃度であってもよいし、蒸発燃料の流量であってもよいし、蒸発燃料の密度であってもよいし、それら以外であってもよい。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態として車両の内燃機関1に蒸発燃料処理装置10を適用した例を示している。
内燃機関1は、燃料タンク2内に収容されたガソリン燃料を用いて動力を発生させるガソリンエンジンである。内燃機関1の吸気通路3には、例えば燃料噴射量を制御する燃料噴射装置4、吸気量を制御するスロットル装置5、吸気量を検出するエアフローセンサ6、吸気圧を検出する吸気圧センサ7等が設置されている。また、内燃機関1の排気通路8には、例えば空燃比を検出する空燃比センサ9等が設置されている。
蒸発燃料処理装置10は、燃料タンク2内で発生した蒸発燃料を処理して内燃機関1に供給するものであり、複数のキャニスタ12,13、ポンプ14、圧力センサ16、複数の弁19〜22、複数の通路27〜35及び電子制御ユニット(ECU)38を備えている。
第一キャニスタ12は、ケース42内を隔壁43によって仕切られることで二つの吸着部44,45を形成している。各吸着部44,45には、活性炭等からなる吸着材46が充填されている。メイン吸着部44には、燃料タンク2に連通する導入通路27が連通している。したがって、燃料タンク2内で発生した蒸発燃料は、導入通路27を通じてメイン吸着部44に流入し、当該メイン吸着部44の吸着材46に脱離可能に吸着される。メイン吸着部44にはさらに、吸気通路3と連通するパージ通路28が連通している。ここでパージ通路28の中途部には、電磁駆動式のパージ弁19が設置されており、パージ弁19はその開閉作動によって、第一キャニスタ12と吸気通路3との連通を制御する。これによりパージ弁19の開状態では、スロットル装置5よりも下流側において吸気通路3に発生する負圧がパージ通路28を通じてメイン吸着部44に作用する。したがって、メイン吸着部44に負圧が作用するときには、メイン吸着部44の吸着材46から蒸発燃料が脱離し、その脱離蒸気が空気と混合してパージ通路28に導かれることで、当該混合ガス中の蒸発燃料が吸気通路3にパージされる。尚、パージ通路28を通じて吸気通路3にパージされた蒸発燃料は、内燃機関1において燃料噴射装置4からの噴射燃料と共に燃焼される。
サブ吸着部45には、ケース42内の空間を隔ててメイン吸着部44が連通している。これにより、パージ弁19の開状態では、吸気通路3の負圧がパージ通路28、メイン吸着部44を通じてサブ吸着部45に作用する。また、サブ吸着部45には、開放通路35が連通している。ここで開放通路35の中途部には、開閉作動する電磁駆動式のキャニスタクローズ弁22が設置され、開放通路35は、このキャニスタクローズ弁22を挟んでサブ吸着部45とは反対側で大気に開放されている。したがって、キャニスタクローズ弁22の開状態では、開放通路35を通じてサブ吸着部45が大気開放される。尚、開放通路35において大気開放端とキャニスタクローズ弁22との間には、フィルタ51が設置されている。
二位置作動する電磁駆動式の通路切換弁20は、排出通路34を通じて大気に開放されている大気通路30の一端と、第一検出通路29の一端とに機械的に接続されている。また、通路切換弁20は、メイン吸着部44とパージ弁19との間においてパージ通路28の本流から分岐する分岐通路31にも機械的に接続されている。このような接続形態の通路切換弁20は、第一検出通路29に連通する通路を大気通路30とパージ通路28の分岐通路31との間で切り換える。したがって、大気通路30が第一検出通路29に連通する第一状態では、大気通路30の空気が第一検出通路29に流入可能となる。また、分岐通路31が第一検出通路29に連通する第二状態では、パージ通路28の蒸発燃料を含む混合ガスが第一検出通路29に流入可能となる。
ポンプ14は、例えば電動式のベーンポンプ等から構成されている。ポンプ14の吸入口は第二検出通路32の一端に連通しており、ポンプ14の排出口15は排出通路34の一端に連通している。ここで排出通路34は、大気通路30との連通部分を挟んでポンプ14とは反対側で大気に開放されている。したがって、ポンプ14の排出口15は、排出通路34を通じて常時、大気開放される。作動時においてポンプ14は、第二検出通路32を減圧して第二検出通路32にガス流を発生させつつ、自身内部への吸入ガスを排出口15から排出通路34に排出する。また、停止時においてポンプ14は、内部を通じて第二検出通路32と排出通路34とを連通させる。尚、排出通路34において大気開放端とポンプ14との間には、フィルタ52が設置されている。
第二キャニスタ13は、活性炭等からなる吸着材39が充填された吸着部41をケース40内に形成している。ここで第二キャニスタ13の吸着材39の容積は、第一キャニスタ12の吸着材46の総容積よりも小さい。吸着部41には、第一検出通路29の絞り50を挟んで通路切換弁20とは反対側端と、第二検出通路32のポンプ14とは反対側端とが、吸着部41を挟む二箇所においてそれぞれ連通している。したがって、第一検出通路29に混合ガスが存在する状態でポンプ14が作動すると、減圧された第二検出通路32から負圧が第二キャニスタ13を通じて第一検出通路29に作用するため、混合ガスが吸着部41に流入し、当該混合ガス中の蒸発燃料が吸着部41の吸着材39に脱離可能に吸着される。また、パージ弁19の開状態且つ通路切換弁20の第二状態において吸気通路3の負圧がパージ通路28及び分岐通路31を通じて第一検出通路29に作用すると、大気通路30からポンプ14側に空気が流れることにより、蒸発燃料が吸着材39から脱離する。尚、こうして吸着材39から脱離した蒸発燃料は、第一検出通路29及びパージ通路28を通じて吸気通路3にパージされる。
第一検出通路29の中途部には、第一検出通路29の通路面積を絞る絞り50が形成されている。また、第一検出通路29において第二キャニスタ13と絞り50との間となる中途部には、電磁駆動式の通路開閉弁21が設置されており、通路開閉弁21はその開閉作動によって、第一検出通路29の当該弁21よりも通路切換弁側部分と第二キャニスタ側部分との間の連通を制御する。したがって、通路開閉弁21の閉状態では、絞り50と第二キャニスタ13との間において第一検出通路29が閉塞され、逆に通路開閉弁21の開状態では、第一検出通路29が開放される。このように通路開閉弁21は、絞り50と第二キャニスタ13との間において第一検出通路29を開閉するものである。
圧力センサ16は、第二検出通路32において第二キャニスタ13とポンプ14との間から分岐する導圧通路33に連通している。圧力センサ16は、第二検出通路32から導圧通路33を通じて受ける圧力について大気圧に対する差圧を検出する。したがって、ポンプ14の作動時に圧力センサ16が検出する圧力は、通路開閉弁21の開状態において絞り50の両端間の差圧に実質的に等しくなる。また、通路開閉弁21の閉状態では、ポンプ14の吸入側において第一検出通路29が閉塞されるため、ポンプ14の作動時に圧力センサ16が検出する圧力は、ポンプ14の締切圧に実質的に等しくなる。このように圧力センサ16は、絞り50とポンプ14とにより決まる圧力を検出することができる。
ECU38は、CPU及びメモリを有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、蒸発燃料処理装置のポンプ14、圧力センサ16及び弁19〜22並びに内燃機関1の各要素4〜7,9と電気的に接続されている。ECU38は、例えば各センサ16,6,7,9の検出結果、内燃機関1の冷却水温度、車両の作動油温度、内燃機関1の回転数、車両のアクセル開度、イグニションスイッチのオンオフ状態等に基づき、ポンプ14及び弁19〜22の各作動を制御する。さらに本実施形態のECU38は、例えば燃料噴射装置4の燃料噴射量、スロットル装置5の開度、内燃機関1の点火時期等、内燃機関1を制御する機能も備えている。
(主作動)
次に、蒸発燃料処理装置10の主作動を図3に基づき説明する。尚、本主作動は、イグニションスイッチがオンされて内燃機関1が始動するに伴い開始されるものである。
まず、ステップS101では、濃度測定条件が成立しているか否かをECU38により判定する。ここで濃度測定条件の成立とは、内燃機関1の冷却水温度、車両の作動油温度、内燃機関1の回転数等、車両状態を表す物理量(以下、車両状態を表す物理量を「車両状態量」という)が所定の領域にあることを意味する。そして、かかる濃度測定条件は、例えば内燃機関1の始動直後に成立するように設定されて、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS101において肯定判定された場合には、ステップS102に移行して、濃度測定処理を実行する。この濃度測定処理により、パージ弁19の閉状態でパージ通路28の蒸発燃料濃度が測定されると、ステップS103に移行して、パージ実施条件が成立しているか否かをECU38により判定する。ここでパージ実施条件の成立とは、内燃機関1の冷却水温度、車両の作動油温度、内燃機関1の回転数等、車両状態量が上記濃度測定条件の場合とは異なる所定の領域にあることを意味する。そして、かかるパージ実施条件は、例えば内燃機関1の冷却水温度が所定値以上になって内燃機関1の暖機が完了したとき成立するように設定されて、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS103において肯定判定された場合には、ステップS104に移行して、パージ実施処理を実行する。このパージ実施処理により、パージ弁19の開状態で蒸発燃料がパージ通路28から吸気通路3にパージされ、パージ停止条件が成立すると、ステップS105に移行する。ここでパージ停止条件の成立とは、例えば内燃機関1の回転数、アクセル開度等、車両状態量が上記濃度測定条件及びパージ条件とは異なる所定の領域にあることを意味する。そして、かかるパージ停止条件は、例えばアクセル開度が所定値以下となって車両が減速したときに成立するように設定されて、ECU38のメモリに予め記憶されている。
また、ステップS103において否定判定された場合には、ステップS105に直接移行する。ステップS105では、第二キャニスタ13が破過していることを表す第二キャニスタ破過フラグがオンに設定されているか否かを、ECU38により判定する。このステップS105において肯定判定された場合には、ステップS103に戻り、また一方、ステップS105において否定判定された場合には、ステップS106に移行する。これにより、第二キャニスタ破過フラグがオンである間は、濃度測定処理の実行が禁止されるようになっている。
ステップS106では、ステップS102の濃度測定処理の終了から設定時間が経過したか否かをECU38により判定する。このステップS106において肯定判定された場合には、ステップS101に戻り、また一方、ステップS106において否定判定された場合には、ステップS103に戻る。尚、ステップS106の判定基準となる上記設定時間は、蒸発燃料濃度の経時変化と濃度の要求精度とを考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
以上、ステップS101において肯定判定された場合の後続処理ステップについて説明したが、以下、ステップS101において否定判定された場合の後続処理ステップS107について説明する。
ステップS107では、イグニションスイッチがオフされたか否かをECU38により判定する。このステップS107において否定判定された場合には、ステップS101へと戻り、また一方、ステップS107において肯定判定された場合には、本主作動を終了する。尚、蒸発燃料処理装置10では、主作動の終了後、各弁19〜22を図4に示すように切り換えて第一キャニスタ12を図5の如く大気開放する第一キャニスタ開放状態が実現される。
(濃度測定処理)
次に、上記ステップS102の濃度測定処理についてさらに詳しく説明する。ベーンポンプ等の内部漏れのあるポンプ14では、負荷に応じて内部漏れ量が変化することから、図6に示すようにポンプ14のP−Q特性曲線CPmpは下記の一次式(1)にて表される。尚、式(1)においてK1,K2はポンプ14に固有の定数である。
Q=K1・P+K2 ・・・(1)
ここでポンプ14の締切圧をPとすると、圧力PがPとなるポンプ14の締切時には流量Qが0となることから、下記の式(2)が得られる。
K2=−K1・P ・・・(2)
蒸発燃料処理装置10では、第一検出通路29の絞り50よりも第二キャニスタ13側と第二キャニスタ13と第二検出通路32とにおいて、流通ガスの圧力損失が無視できる程度に小さくされている。これにより通路開閉弁21の開状態では、ポンプ14の圧力Pと絞り50の両端間の差圧(以下、単に「差圧」という)ΔPとが実質的に等しくなると考えられる。尚、流通ガスの圧力損失が無視できない諸元としたときには、当該圧力損失分を予めECU38に記憶しておき、必要時に差圧ΔPを補正することが望ましい。
また、通路開閉弁21の開状態において空気のみが絞り50を通過するときには、第二キャニスタ13がポンプ14側に空気を素通りさせるため、当該空気の通過流量QAirとポンプ14の吸入流量Qとが実質的に等しくなる。したがって、空気が絞り50を通過するときの通過流量QAir及び差圧ΔPAirは、式(1),(2)から得られる下記式(3)の関係を満たす。
Air=K1・(ΔPAir−P) ・・・(3)
一方、通路開閉弁21の開状態において蒸発燃料を含む混合ガスが絞り50を通過するときには、第二キャニスタ13が空気のみを素通りさせるため、混合ガス中の空気の通過流量QAir’とポンプ14の吸入流量Qとが実質的に等しくなる。したがって、混合ガスが絞り50を通過するときの空気の通過流量QAir’及び差圧ΔPGasは、式(1),(2)から得られる下記式(4)の関係を満たす。
Air’=K1・(ΔPGas−P) ・・・(4)
ここで空気の通過流量QAir’は、絞り50における混合ガス全体の通過流量をQGasとし、蒸発燃料濃度をD(%)としたときに下記式(5)を満たすので、この式(5)から下記の式(6)が得られる。
Air’=QGas・(1−D/100) ・・・(5)
D=100・(1−QAir’/QGas) ・・・(6)
さて、絞り50におけるΔP−Q特性曲線は、絞り50における通過ガスの密度ρを用いて下記の式(7)にて表される。尚、式(7)においてK3は、絞り50に固有の定数であり、絞り50の穴径及び流量係数をそれぞれd及びαとしたときに下記の式(8)にて表される値である。
Q=K3・(ΔP/ρ)1/2 ・・・(7)
K3=α・π・d/4・21/2 ・・・(8)
したがって、図6に示す空気のΔP−Q特性曲線CAirは、空気の密度ρAirを用いて下記の式(9)にて表される。
Air=K3・(ΔPAir/ρAir1/2 ・・・(9)
また、図6に示す混合ガスのΔP−Q特性曲線CGasは、混合ガスの密度ρGasを用いて下記の式(10)にて表される。尚、ここで混合ガスの密度ρGasは、蒸発燃料の成分である炭化水素(HC)の密度をρHCとしたとき、混合ガス中の蒸発燃料濃度D(%)との間に下記式(11)の関係を有している。
Gas=K3・(ΔPGas/ρGas1/2 ・・・(10)
D=100・(ρAir−ρGas)/(ρAir−ρHC) ・・・(11)
以上より、式(3)と式(4)とからK1を消去してなる下記の式(12)が得られ、また式(9)と式(10)とからK3を消去してなる下記の式(13)が得られる。
Air/QAir’=(ΔPAir−P)/(ΔPGas−P) ・・・(12)
Air/QGas={(ΔPAir/ΔPGas)・(ρGas/ρAir)}1/2 ・・・(13)
さらに式(12)と式(13)とからは、QAirを消去してなる下記の式(14)が得られ、またさらに式(11)からは下記の式(15)が得られるので、それら式(14)及び式(15)と式(6)とから下記の式(16)が得られる。尚、式(16)においてP1、P2及びρは、それぞれ下記の式(17)、式(18)及び式(19)にて表されるものである。
Air’/QGas=(ΔPGas−P)/(ΔPAir−P)・{(ΔPAir/ΔPGas)・(ρGas/ρAir)}1/2 ・・・(14)
ρGas=ρAir−(ρAir−ρHC)・D/100 ・・・(15)
D=100・[1−P1・{P2・(1−ρ・D)}1/2] ・・・(16)
P1=(ΔPGas−P)/(ΔPAir−P) ・・・(17)
P2=ΔPAir/ΔPGas ・・・(18)
ρ=(ρAir−ρHC)/(100・ρAir) ・・・(19)
そして、式(16)の両項を二乗してDについて整理すると、下記の二次方程式(20)が得られ、この二次方程式(20)をDについて解くと、下記の解(21)が得られる。尚、解(21)においてM1及びM2は、それぞれ下記の式(22)及び式(23)にて表されるものである。
+100・(100・P1・P2・ρ−2)・D+100・(1−P1・2) ・・・(20)
D=50・{−M1±(M1−4・M2)1/2} ・・・(21)
M1=100・P1・P2・ρ−2 ・・・(22)
M2=1−P1・P2 ・・・(23)
したがって、二次方程式(20)の解(21)のうち値が0〜100の範囲外となるものは蒸発燃料濃度Dとしては成立しないので、当該解(21)のうち値が0〜100の範囲内となるものが下記の如く蒸発燃料濃度Dの算出式(24)として得られる。
D=50・{−M1−(M1−4・M2)1/2} ・・・(24)
こうして得られる蒸発燃料濃度Dの算出式(24)において、M1,M2に含まれる変数のうちρAir,ρHCは物理定数として決められた値であり、本実施形態では式(24)の一部としてECU38のメモリに記憶されている。したがって、式(24)を用いて蒸発燃料濃度Dを算出するには、M1,M2に含まれる変数のうち、絞り50を空気及び混合ガスが通過するときの各差圧ΔPAir,ΔPGasとポンプ14の締切圧Pとが必要となる。ここで各差圧ΔPAir,ΔPGasは、上述したように圧力センサ16の検出圧力と実質的に等しくなるので、上記ステップS102の濃度測定処理では、圧力ΔPAir,ΔPGas及び締切圧Pを検出して、それらの値から蒸発燃料濃度Dを算出する。
図7は、以上説明した原理に基づき実行される濃度測定処理のフローを示している。尚、濃度測定処理の開始時点においては、図4に示すように、パージ弁19及び通路開閉弁21を閉状態、通路切換弁20を第一状態、キャニスタクローズ弁22を開状態に保持する第一キャニスタ開放状態が実現されているものとする。
まず、ステップS201では、ECU38によりポンプ14を駆動して、第二検出通路32を減圧する。このとき各弁19〜22の状態は、図4に示すように、濃度測定処理開始時点での第一キャニスタ開放状態と同一状態である。これにより、第一検出通路29は図8に示すように閉塞されるので、圧力センサ16の検出圧力は図9に示すポンプ14の締切圧Pまで変化する。そこで、ステップS202では、圧力センサ16の検出圧力が安定したところで、当該安定値をECU38により締切圧Pとして検出する。また続くステップS203では、検出した締切圧PをECU38のメモリに記憶する。
次にステップS204では、ECU38によりポンプ14の駆動を継続しつつ、通路開閉弁21を開状態に切り換える。これにより、各弁19〜22の状態は図4に示す状態となるので、ポンプ14により減圧される第二検出通路32が第二キャニスタ13を通じて第一検出通路29及び大気通路30に連通し、図10に示すように大気通路30からの流入空気が絞り50を通過する。故に、圧力センサ16の検出圧力は図9に示す所定値ΔPAirまで変化する。そこで、ステップS205では、圧力センサ16の検出圧力が安定したところで、当該安定値をECU38により第一圧力ΔPAirとして検出する。
続くステップS206では、検出した第一圧力ΔPAirと所定の第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値Pよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第二キャニスタ13から第二検出通路32への蒸発燃料の排出を検出する。
具体的には、第二キャニスタ13が破過している場合、上記ステップS204等の実行により空気が第二キャニスタ13を通過すると、当該通過空気により第二キャニスタ13の吸着燃料が第二検出通路32に排出される。そして、この排出燃料がポンプ14内に吸入されると、例えばベーンポンプの場合には内部漏れ量が吸入ガスの粘度により変化してしまうため、それに応じてP−Q特性も変化する。その結果、第一圧力ΔPAirが図11に示すように大気圧側に変化するため、上述の如きP−Q特性に基づく濃度算出は正確性に欠けたものとなってしまう。
そこで、ステップS206では、第二キャニスタ13からの蒸発燃料の排出がない場合における第一圧力ΔPAirの予測値を第一圧力基準値ΔPAir0として、それと第一圧力ΔPAirとの差を許容値Pに照らし合わせる。その結果、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値Pよりも小さい場合には、第二キャニスタ13が吸着可能状態にあり、正確な第一圧力ΔPAirの検出により適正な濃度算出が可能であると判断して、ステップS207に移行する。一方、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値P以上である場合には、破過状態の第二キャニスタ13から蒸発燃料が排出されており、濃度算出には不適切であると判断して、ステップS213に移行する。尚、第一圧力基準値ΔPAir0としては、過去のステップS206により正常と判断された第一圧力ΔPAirの値を新しいものから順に複数(例えば五つ)抽出して、それらを平均した値が用いられる。これにより、ポンプ14の劣化等に起因してP−Q特性が初期特性から経時変化したとしても、その影響分を正しく考慮して、最新のP−Q特性に従う第一圧力基準値ΔPAir0を得ることができる。また、許容値Pについては、ノイズや雰囲気条件といったバラツキ要因の他、蒸発燃料濃度Dの要求精度、圧力センサ16の検出精度等を考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS206において肯定判定された場合に実行されるステップS207では、正確に検出された第一圧力ΔPAirをECU38のメモリに記憶する。それと共にステップS207では、正確に検出された第一圧力ΔPAirに基づき、ECU38のメモリに記憶の第一圧力基準値ΔPAir0を上述の平均値に更新する。
続くステップS208では、ECU38によって通路切換弁20を第二状態に切り換える。これにより、各弁19〜22の状態は図4に示す状態となるので、蒸発燃料を含む混合ガスが図12に示すようにパージ通路28の分岐通路31から第一検出通路29に流入する。故に、圧力センサ16の検出圧力は、図9に示すように蒸発燃料濃度Dに応じた値ΔPGasまで変化する。そこで、ステップS209では、圧力センサ16の検出圧力が安定したところで、当該安定値をECU38により第二圧力ΔPGasとして検出する。また続くステップS210では、検出した第二圧力ΔPGasをECU38のメモリに記憶する。
さらに続くステップS211では、メモリに記憶の各圧力P,ΔPAir,ΔPGas及び上記計算式(24)を用いて、ECU38により蒸発燃料濃度Dを算出する。また、この後のステップS212では、算出した蒸発燃料濃度DをECU38のメモリに記憶し、ステップS214に移行する。
ステップS214では、ECU38によって各弁19〜22の状態を図4に示す第一キャニスタ開放状態に切り換え、その後のステップS215では、ECU38によりポンプ14を停止して、本濃度測定処理を終了する。
以上、ステップS206において肯定判定された場合の後続処理ステップについて説明した。これに対し、ステップS206において否定判定された場合に実行されるステップS213では、第二キャニスタ13が破過状態にあることを表す第二キャニスタ破過フラグをECU38のメモリにおいてオンに設定した後、ステップS214に移行する。したがって、第二キャニスタ13が破過状態にある場合には、ステップS214により通路開閉弁21が閉じられることになるので、蒸発燃料が第二キャニスタ13から大気通路30を通じて大気中に排出されることを抑制できる。また、第二キャニスタ13が破過状態にある場合には、ステップS214の後のステップS215によりポンプ14が停止することになるので、蒸発燃料が第二キャニスタ13からポンプ14内に吸入されて大気中に排出されることを抑制できる。
(パージ実施処理)
次に、上記ステップS104のパージ実施処理についてさらに詳しく説明する。図13は、パージ実施処理のフローを示している。尚、パージ実施処理の開始時点においては、各弁19〜22の状態として図4に示す第一キャニスタ開放状態が実現されているものとする。
まず、ステップS301では、第二キャニスタ破過フラグがオンに設定されているか否かをECU38により判定する。
ステップS301において否定判定された場合、即ち第二キャニスタ破過フラグがオフに設定されている場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御を許容するとの判断により、ステップS302に移行する。ステップS302では、直前の濃度測定処理においてECU38のメモリに記憶された蒸発燃料濃度Dを読み出し、続くステップS303では、読み出した蒸発燃料濃度Dとアクセル開度等の車両状態量とに応じてパージ弁19の開度(以下、単に「弁開度」という)をECU38により決定する。
一方、ステップS301において肯定判定された場合、即ち第二キャニスタ破過フラグがオンに設定されている場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御を禁止するとの判断により、ステップS304に移行する。ステップS304では、ECU38のメモリから所定のパージ制御値を読み出し、続くステップS305では、読み出したパージ制御値と車両状態量とに応じて弁開度をECU38により決定する。即ち、第二キャニスタ13が破過している場合には、圧力センサ16の検出圧力ΔPAir,ΔPGas,Pから得られる蒸発燃料濃度Dを無視して、弁開度を決定する。尚、上記パージ制御値は、例えば空燃比に影響を与えない範囲で弁開度が最大となるように設定されて、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ここで、上記ステップS303,S305により決定される弁開度は、後述する第一パージ処理の初期値である。したがって、それ以降のパージ処理における弁開度については、車両状態量と空燃比センサ9により検出される空燃比とに応じて随時調整されることとなる。
さて、ステップS303,S305のいずれの後にも続くステップS306では、ECU38によってパージ弁19及び通路開閉弁21を開状態に、また通路切換弁20を第二状態に切り換えて、第一パージ処理を実施する。これにより、各弁19〜22の状態は図4に示す状態となるので、図14に示すように吸気通路3の負圧が第一キャニスタ12だけでなく、第一検出通路29を通じて第二キャニスタ13にも作用する。故に、第二キャニスタ13の吸着燃料や第一検出通路29における残留燃料がパージ通路28に導かれ、第一キャニスタ12からの脱離燃料と一緒に吸気通路3へとパージされる。このように第一パージ処理は、第二キャニスタ13の吸着能力を回復させると共に第一検出通路29から蒸発燃料を掃出させることを目的としている。
続いてステップS307では、第一パージ処理の開始から設定時間Tが経過したか否かをECU38により判定する。ここで設定時間Tは、第二キャニスタ13を破過状態から吸着可能状態に回復させるのに必要な時間に設定されて、予めECU38のメモリに記憶されている。
ステップS307において否定判定された場合には、ステップS308に移行して、パージ停止条件が成立したか否かECU38により判定し、このステップS308において否定判定された場合には、ステップS307に戻る。したがって、ステップS307,S308では、パージ停止条件が成立しない限り、設定時間Tが経過するまでパージを継続することになる。
ステップS307において肯定判定された場合、即ち第一パージ処理が設定時間T実行されると、第二キャニスタ13は吸着可能状態に回復したと判断し、ステップS309においてECU38がメモリの第二キャニスタ破過フラグをオフに設定する。また、続くステップS310では、第一パージ処理の開始から設定時間Tが経過したか否かをECU38により判定する。ここで設定時間Tは、第二キャニスタ13から蒸発燃料を完全に脱離させるのに必要な時間に設定されて、予めECU38のメモリに記憶されている。
ステップS310において否定判定された場合には、ステップS311に移行して、パージ停止条件が成立したか否かECU38により判定し、このステップS311において否定判定された場合には、ステップS310に戻る。したがって、ステップS310,S311では、パージ停止条件が成立しない限り、設定時間Tが経過するまでパージを継続することになる。
ステップS310において肯定判定された場合、即ち第一パージ処理が設定時間T実行されると、第二キャニスタ13から蒸発燃料が完全に脱離したと判断し、ステップS312に移行する。ステップS312では、ECU38によって通路切換弁20を第一状態に、また通路開閉弁21を閉状態に切り換えて、第二パージ処理を実施する。これにより、各弁19〜22の状態は図4に示す状態となるので、図15に示すように吸気通路3の負圧が第一キャニスタ12に作用し、第一キャニスタ12からの脱離燃料が吸気通路3にパージされる。即ち、第二キャニスタ13から蒸発燃料が完全に脱離した後には、蒸発燃料が残存する第一キャニスタ12に集中して負圧を作用させることができるので、第一キャニスタ12から蒸発燃料を完全に脱離させるための所要時間が短縮する。
この後、ステップS313では、パージ停止条件が成立したか否かECU38により判定し、このステップS313において否定判定された場合には、ステップS313を繰り返す。したがって、ステップS313では、パージ停止条件が成立しない限り、パージを継続することになる。
そして、上述したステップS308,S311,S313のうちいずれかにおいて肯定判定されると、ステップS314においてECU38が各弁19〜22の状態を図4に示す第一キャニスタ開放状態に戻して、本パージ実施処理を終了する。
以上説明した第一実施形態によると、第二キャニスタ13から第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出されない場合には、圧力センサ16の検出圧力ΔPAir,ΔPGas,Pに基づき算出された蒸発燃料濃度Dに応じて、パージが制御される。ここで蒸発燃料濃度Dは、パージ量を左右する物理量であるので、内燃機関1の空燃比が所望の値となるようなパージ制御を実現することができる。
また、第一実施形態によると、第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出された場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御が禁止され、その代わりに、所定値に従うパージ制御が行われる。それ故、第二検出通路32への蒸発燃料排出によって検出圧力ΔPAir,ΔPGas,Pの精度、ひいては蒸発燃料濃度Dの精度が低下したしても、その低下とは無関係にパージを制御することができる。したがって、第二検出通路32への蒸発燃料排出に起因する内燃機関1への影響を最小限に抑えつつ、限られたパージ時間を有効に活用して大量パージを実現することができる。
さらに、第一実施形態によると、第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出された場合には、第一パージ処理により第二キャニスタ13の吸着能力が回復するまで、第二キャニスタ破過フラグがオンに保持される。ここで第二キャニスタ破過フラグがオンの間は、濃度測定処理が禁止されてポンプ14の駆動も禁止されることになるので、蒸発燃料が第二検出通路32からポンプ14内に吸入されて特性変化や大気汚染を招くことを抑制できる。また、第二キャニスタ破過フラグがオンの間は、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御が禁止されることになるので、蒸発燃料排出が内燃機関1の運転に大きく影響する事態を確実に回避できる。
さらにまた、第一実施形態によると、圧力センサ16により検出された第一圧力ΔPAirに基づき、第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出される。ここで第一圧力ΔPAirは、絞り50を通過した空気がポンプ14内に吸入されつつ検出される圧力であるので、蒸発燃料が第二検出通路32に排出されてポンプ14内に吸入された場合には、図11に示すように顕著に変化する。したがって、第一圧力ΔPAirに基づく排出検出は正確性の高いものとなる。しかも、第一実施形態によると、蒸発燃料排出を検出したとの判断は、当該排出がない場合の第一圧力基準値ΔPAir0に対して第一圧力ΔPAirが許容値P以上の差を示した場合に下される。故に、第一圧力ΔPAirの誤差を許容値P分だけ見越して、より正確な排出検出を実現することができる。
加えて、第一実施形態によると、蒸発燃料排出の検出に利用される第一圧力ΔPAirは、パージ制御のための蒸発燃料濃度Dの算出に利用されるものであるので、蒸発燃料排出を検出する専用のセンサが不要となり、コストが低減する。
ここまで説明したように第一実施形態では、ポンプ14が特許請求の範囲に記載の「ガス流発生手段」に相当し、圧力センサ16が特許請求の範囲に記載の「圧力検出手段」に相当し、ECU38が特許請求の範囲に記載の「排出検出手段」と「パージ制御手段」と「減圧制御手段」とに相当する。また、通路切換弁20が特許請求の範囲に記載の「通路切換手段」に相当し、通路開閉弁21が特許請求の範囲に記載の「第一通路開閉手段」と「通路開閉手段」とに相当する。
(第一実施形態の変形例)
第一実施形態では、正確に検出された過去一回の第一圧力ΔPAirを第一圧力基準値ΔPAir0として用いてもよい。あるいは、所定値に設定されて予めECU38に記憶された第一圧力基準値ΔPAir0を用いてもよい。尚、特に後者の場合、第一圧力基準値ΔPAir0の更新が不要となる。
また、第一実施形態では、締切圧P、第一圧力ΔPAir及び第二圧力ΔPGasを、この順とは異なる順で連続的に又はバラバラに検出するようにしてもよい。
さらに、第一実施形態では、ポンプ14を駆動する際に、ポンプ回転数等のポンプ特性に関わるパラメータを制御してもよい。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図16に示すようにパージ実施処理の内容が第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS307に代わるステップS407では、第一パージ処理開始からのパージ量が設定量Qよりも大きい否かを、ECU38により判定する。ここでパージ量は、例えば第二キャニスタ13を通過するガス流量から算出してもよいし、第一キャニスタ12を通過するガス流量と第二キャニスタ13を通過するガス流量との比から算出してもよいし、吸気通路3にパージされるガス流量から算出してもよい。また、設定量Qは、第二キャニスタ13を破過状態から吸着可能状態に回復させるのに必要なパージ量に設定され、予めECU38のメモリに記憶されている。
ステップS407において否定判定された場合、第一実施形態のステップS308と実質同一のステップS408を実行するため、パージ停止条件が成立しない限り、パージ量が設定量Qを超えるまでパージが継続される。一方、ステップS407において肯定判定された場合、第二キャニスタ13が吸着可能状態に回復したと判断し、第一実施形態のステップS309と実質同一のステップS409により第二キャニスタ破過フラグをオフにする。
さらに、ステップS409の後に第一実施形態のステップS310に代えて実行されるステップS410では、第一パージ処理開始からのパージ量が設定量Qよりも大きい否かを、ECU38により判定する。ここで設定量Qは、第二キャニスタ13から蒸発燃料を完全に脱離させるのに必要なパージ量に設定され、予めECU38のメモリに記憶されている。
ステップS410において否定判定された場合、第一実施形態のステップS311と実質同一のステップS411を実行するため、パージ停止条件が成立しない限り、パージ量が設定量Qを超えるまでパージが継続される。一方、ステップS410において肯定判定された場合、即ちパージ量が設定量Qを超えると、第二キャニスタ13から蒸発燃料が完全に脱離したと判断して、ステップS412に移行する。
尚、ステップS401〜S406,S412〜S414については、第一実施形態のステップS301〜S306,S312〜S314と実質同一である。
以上説明した第二実施形態によると、破過した第二キャニスタ13の吸着能力について、第二キャニスタ13からの燃料脱離量に相関するパージ量に基づき、回復の判断が下される。故に、吸気通路3の圧力変化やパージ通路28等の圧力損失に起因してパージ量が不足する又は過剰となったとしても、吸着能力が回復したか否かを適正に判断することができる。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図17に示すように濃度測定処理の内容が第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS206に代わるステップS506では、第一実施形態のステップS204と実質同一のステップS504において通路開閉弁21を開いてから第一圧力ΔPAirが安定するまでの所要時間TAirを、ECU38により検出する。さらにステップS506では、検出した安定時間TAirと所定の安定時間基準値TAir0との差が許容値Tよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第二キャニスタ13から第二検出通路32への蒸発燃料の排出を検出する。
具体的には、破過状態の第二キャニスタ13から第二検出通路32への排出燃料が上記ステップS504等の実行によりポンプ14内に吸入されてP−Q特性が変化する間は、第一圧力ΔPAirも変化し続け、P−Q特性が安定すると、第一圧力ΔPAirも安定する。したがって、第一圧力ΔPAirが安定するまでの安定時間TAirは、図18に示すように第二キャニスタ13が破過した際に長くなる。
そこで、ステップS506では、第二キャニスタ13からの蒸発燃料の排出がない場合における安定時間TAirの予測最大値を安定時間基準値TAir0として、それと安定時間TAirとの差を許容値Tに照らし合わせる。その結果、安定時間TAirと安定時間基準値TAir0との差が許容値Tよりも小さい場合には、第二キャニスタ13が吸着可能状態にあり、正確な第一圧力ΔPAirの検出により適正な濃度算出が可能であると判断して、ステップS507に移行する。一方、安定時間TAirと安定時間基準値TAir0との差が許容値T以上である場合には、破過状態の第二キャニスタ13から蒸発燃料が排出されており、濃度算出には不適切であると判断して、ステップS513に移行する。尚、安定時間基準値TAir0としては、過去のステップS506により正常と判断された第一圧力ΔPAirの安定時間TAirの値を新しいものから順に複数(例えば五つ)抽出して、それらを平均した値が用いられる。これにより、ポンプ14のP−Q特性が初期特性から経時変化したとしても、その影響分を正しく考慮して、最新のP−Q特性に従う安定時間基準値TAir0を得ることができる。また、許容値Tについては、バラツキ要因の他、蒸発燃料濃度Dの要求精度、圧力センサ16の検出精度等を考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
さらに、ステップS506の肯定判定後に第一実施形態のステップS207に代えて実行されるステップS507では、正確に検出された第一圧力ΔPAir及びその安定時間TAirをECU38のメモリに記憶する。それと共にステップS507では、正確に検出された第一圧力ΔPAirの安定時間TAirに基づき、ECU38のメモリに記憶の安定時間基準値TAir0を上述の平均値に更新する。
尚、ステップS501〜S503,S505,S508〜S515については、第一実施形態のステップS201〜S203,S205,S208〜S215と実質同一である。
以上説明した第三実施形態によると、圧力センサ16により検出される第一圧力ΔPAirの安定時間TAirに基づき、第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出される。ここで第一圧力ΔPAirは、絞り50を通過した空気がポンプ14内に吸入されつつ検出されるので、蒸発燃料が第二検出通路32に排出されてポンプ14内に吸入された場合には、その安定時間TAirが図18に示すように長くなる。したがって、安定時間TAirに基づく排出検出は正確性の高いものとなる。しかも、第三実施形態によると、蒸発燃料排出を検出したとの判断は、当該排出がない場合の安定時間基準値TAir0に対して安定時間TAirが許容値T以上の差を示した場合に下される。故に、安定時間TAirの誤差を許容値T分だけ見越して、より正確な排出検出を達成することができる。
(第三実施形態の変形例)
第三実施形態では、正確に検出された過去一回の第一圧力ΔPAirの安定時間TAirを安定時間基準値TAir0として用いてもよい。あるいは、所定値に設定されて予めECU38に記憶された安定時間基準値TAir0を用いてもよい。尚、特に後者の場合、安定時間基準値TAir0の更新が不要となる。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図19に示すように蒸発燃料処理装置10の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に第二検出通路32には、電磁駆動式の通路開閉弁60が第二キャニスタ13とポンプ14との間で設置されて、ECU38と電気的に接続されている。通路開閉弁60はその開閉作動によって、第二検出通路32の当該弁60よりも第二キャニスタ側部分とポンプ側部分との間の連通を制御する。したがって、通路開閉弁60の閉状態では、第二キャニスタ13とポンプ14との間において第二検出通路32が閉塞され、逆に通路開閉弁60の開状態では、第二検出通路32が開放される。即ち通路開閉弁60は、第二キャニスタ13とポンプ14との間において第二検出通路32を開閉するものである。尚、以下における第四実施形態の説明では、通路開閉弁60を第一検出通路29の通路開閉弁21と区別するために、後者を第一通路開閉弁21、前者を第二通路開閉弁60というものとする。
このような構成の第四実施形態の第一キャニスタ開放状態では、図20に示すように、パージ弁19及び第一通路開閉弁21が閉状態、通路切換弁20が第一状態、キャニスタクローズ弁22が開状態とされるのに加え、第二通路開閉弁60の状態が第二キャニスタ破過フラグのオン、オフに応じて設定される。即ち、第二キャニスタ破過フラグがオンに設定されているときには、第二通路開閉弁60が閉じられて第二キャニスタ13とポンプ14との間の第二検出通路32が遮断される。これにより、破過状態の第二キャニスタ13から排出された蒸発燃料が拡散等によりポンプ14内に流入して特性変化の要因となることや、当該蒸発燃料がポンプ14を通じて大気中に排出されることを抑制できる。また一方、第二キャニスタ破過フラグがオフに設定されているときには、第二通路開閉弁60は開かれる。
(濃度測定処理)
そして、第四実施形態では、図20,21に示すように濃度測定処理の内容も第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS201に代わるステップS601では、ポンプ14の駆動と共に、第二通路開閉弁60の開状態への切換をECU38により行う。
また、第一実施形態のステップS213と実質同一のステップS613において第二キャニスタ破過フラグがオンされた後には、ステップS616において第二通路開閉弁60がECU38により閉じられる。これにより、第二キャニスタ13とポンプ14との間が遮断されるので、破過状態の第二キャニスタ13から排出された蒸発燃料がポンプ14内に吸入されて特性変化の要因となることや、当該蒸発燃料がポンプ14を通じて大気中に排出されることを抑制できる。
尚、ステップS602〜S612,S614,S615については、第一実施形態のステップS202〜S212,S214,S215と実質同一である。
(パージ実施処理)
さて、第四実施形態では、図20,22に示すようにパージ実施処理の内容も第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS306に代わるステップS706では、パージ弁19及び第一通路開閉弁21の開状態への切換及び通路切換弁20の第二状態への切換と共に、第二通路開閉弁60の開状態への切換をECU38により行う。
また、第一実施形態のステップS308と実質同一のステップS708においてパージ条件の成立が確認された場合には、第一パージ処理の開始から設定時間Tが経過していないことにより、第二キャニスタ13が吸着可能状態まで回復していない可能性がある。そこで、ステップS715では、ECU38により第二通路開閉弁60が閉じられ、第二キャニスタ13とポンプ14との間が遮断される。これにより、第二キャニスタ13の吸着能力が回復していなかったとしても、蒸発燃料が第二キャニスタ13からポンプ14内に流入して特性変化の要因となることや、当該蒸発燃料がポンプ14を通じて大気中に排出されることを抑制できる。
尚、ステップS701〜S705,S707,S709〜S714については、第一実施形態のステップS301〜S305,S307,S309〜S314と実質同一である。
ここまで説明したように第四実施形態では、第二通路開閉弁60が特許請求の範囲に記載の「第二通路開閉手段」に相当する。
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図23に示すように蒸発燃料処理装置10の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に通路開閉弁21は、第一検出通路29に設置される代わりに、第二検出通路32において第四実施形態の通路開閉弁60と同じ位置に設置されている。したがって、第五実施形態では、第四実施形態に比べて弁数が一つ少ない。
このような第五実施形態によると、第一実施形態と同様の作動が実現されることで、圧力ΔPAir,ΔPGasの検出時及び第一パージ処理の実施時といった必要時以外は、第二キャニスタ13とポンプ14との間の第二検出通路32が開かれない。したがって、破過状態の第二キャニスタ13から排出された蒸発燃料がポンプ14内に流入して特性変化の要因となることや、当該蒸発燃料がポンプ14を通じて大気中に排出されることを十分に抑制できる。
ここまで説明したように第五実施形態では、通路開閉弁21が特許請求の範囲に記載の「第二通路開閉手段」と「通路開閉手段」とに相当する。
(第六実施形態)
本発明の第六実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図24に示すように蒸発燃料処理装置10の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に第二検出通路32には、ECU38と電気的に接続されて蒸発燃料を検出する燃料検出センサ70が設置されている。特に本実施形態の燃料検出センサ70は、第二検出通路32において蒸発燃料濃度を検出する。
(濃度測定処理)
このような構成の第六実施形態では、図25に示すように濃度測定処理の内容が第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS206に代わるステップS806では、第二検出通路32の蒸発燃料濃度を燃料検出センサ70により検出する。さらにステップS806では、検出した濃度が所定の閾値Cよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第二キャニスタ13から第二検出通路32への蒸発燃料排出を検出する。ここで閾値Cは、バラツキ要因の他、蒸発燃料濃度の要求精度、燃料検出センサ70の検出精度等を考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS806において肯定判定された場合には、第二キャニスタ13が吸着可能状態にあり、適正な濃度算出が可能であると判断して、第一実施形態のステップS207に代わるステップS807により第一圧力ΔPAirをECU38のメモリに記憶する。一方、ステップS806において否定判定された場合には、破過状態の第二キャニスタ13から蒸発燃料が排出されており、濃度算出には不適切であると判断して、ステップS813に移行する。
尚、ステップS801〜S805,S808〜S815については、第一実施形態のステップS201〜S205,S208〜S215と実質同一である。
以上説明した第六実施形態によると、第二キャニスタ13から第二検出通路32への蒸発燃料排出を燃料検出センサ70により直接的に検出することができるので、その検出の正確性がさらに高くなる。
ここまで説明したように第六実施形態では、燃料検出センサ70が特許請求の範囲に記載の「燃料検出手段」に相当する。
(第六実施形態の変形例)
第六実施形態において燃料検出センサ70は、第二キャニスタ13から第二検出通路32に蒸発燃料が排出されたことを検出できるものであればよい。したがって、燃料検出センサ70は、濃度に限らず、蒸発燃料に関わる他の物理量を検出するものであってもよい。
また、第六実施形態では、燃料検出センサ70により蒸発燃料を検出する際にポンプ14による第二検出通路32の減圧を一旦、停止させるようにしてもよい。これにより、燃料検出による電力消費の増大を抑えることができるのみならず、第二キャニスタ13からの排出燃料がポンプ14内に吸入されることによる特性変化や大気汚染を抑える効果が高くなる。
(第七実施形態)
本発明の第七実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図26に示すように蒸発燃料処理装置10の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に、大気通路30の通路切換弁20とは反対側端は、キャニスタクローズ弁22とフィルタ51との間において開放通路35に連通している。これにより大気通路30は、開放通路35を通じて大気に開放されている。また、大気通路30において通路切換弁20と開放通路35との間には、排出通路34のポンプ14とは反対側端が連通している。これによりポンプ14の排出口15は、排出通路34、大気通路30及び開放通路35を通じて大気開放されている。したがって、ポンプ14は、第二検出通路32の減圧による内部への吸入ガスを開放通路35から系外に排出する。
(主作動)
このような構成の第七実施形態では、図27に示すように主作動の内容が第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS105に代わるステップS1105では、第一キャニスタ12が破過していることを表す第一キャニスタ破過フラグがオンに設定されているか否かを、ECU38により判定する。このステップS1105において肯定判定された場合には、ステップS1103に戻り、また一方、ステップS1105において否定判定された場合には、ステップS1106に移行する。
ここで、ステップS1101,S1103,S1106,S1107については、第一実施形態のステップS101,S103,S106,S107と実質同一である。また、ステップS1102は、後に詳述する点を除いて第一実施形態のステップS102と実質同一の濃度測定処理であり、ステップS1104は、後に詳述する点を除いて第一実施形態のステップS104と実質同一のパージ実施処理である。以上により、第一キャニスタ破過フラグがオンである間は、濃度測定処理の実行が禁止されるようになっている。
(濃度測定処理)
さて、第七実施形態では、図28,29に示すように濃度測定処理の内容も第一実施形態と異なっている。
即ち、第一実施形態のステップS201,202と実質同一のステップS1201,S1202の後に実行されるステップS1203では、締切圧Pと所定の締切圧基準値Pt0との差が許容値Pよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第一キャニスタ12から開放通路35への蒸発燃料の排出を検出する。
具体的には、濃度測定処理前に第一キャニスタ12が破過している場合、第一キャニスタ12により吸着できない蒸発燃料が開放通路35に排出されると、当該排出燃料が大気通路30及び排出通路34に順次拡散してポンプ14内に流入する可能性がある。このように蒸発燃料がポンプ14内に流入した場合、図30に示すように締切圧Pが蒸発燃料濃度に応じて大気圧側に変化する。また、蒸発燃料がポンプ14内に流入した状態下、第一実施形態のステップS205,S209と実質同一のステップS1206,S1210が実行されると、ポンプ14内から蒸発燃料が排出されるに従ってポンプ14のP−Q特性が徐々に変化する。したがって、締切圧P及び圧力ΔPAir,ΔPGasの検出時にはポンプ14のP−Q特性が全て異なることになるので、第一実施形態のステップS211と実質同一のステップS1212により濃度算出を行うと、正確性に欠けた結果が得られてしまう。
そこで、ステップS1203では、第一キャニスタ12からの蒸発燃料排出がない場合における締切圧Pの予測値を締切圧基準値Pt0として、それと締切圧Pとの差を許容値Pに照らし合わせる。その結果、締切圧Pと締切圧基準値Pt0との差が許容値Pよりも小さい場合には、締切圧P等の正確な検出により適正な濃度算出が可能であると判断して、第一実施形態のステップS203に代わるステップS1204に移行する。一方、締切圧Pと締切圧基準値Pt0との差が許容値P以上である場合には、破過状態の第一キャニスタ12から蒸発燃料が排出されており、濃度算出には不適切であると判断して、第一実施形態のステップS213に代わるステップS1214に移行する。尚、締切圧基準値Pt0としては、過去のステップS1203において正常と判断された締切圧Pの値を新しいものから順に複数(例えば五つ)抽出して、それらを平均した値が用いられる。これにより、ポンプ14のP−Q特性が初期特性から経時変化したとしても、その影響分を正しく考慮して、最新のP−Q特性に従う締切圧基準値Pt0を得ることができる。また、許容値Pについては、バラツキ要因の他、蒸発燃料濃度Dの要求精度、圧力センサ16の検出精度等を考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS1203において肯定判定された場合に実行されるステップS1204では、正確に検出された締切圧PをECU38のメモリに記憶する。それと共にステップS1204では、正確に検出された締切圧Pに基づき、ECU38のメモリに記憶の締切圧基準値Pt0を上述の平均値に更新する。
この後、第一実施形態のステップS204,205と実質同一のステップS1205,S1206が実行され、さらに第一実施形態のステップS206に代わるステップS1207が実行される。このステップS1207では、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値Pよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第一キャニスタ12から開放通路35への蒸発燃料の排出を検出する。
具体的には、濃度測定処理前に第一キャニスタ12が破過している場合、第一キャニスタ12から開放通路35への排出燃料が大気通路30に拡散していると、当該蒸発燃料が拡散又は上記ステップS1205等の実行により第一検出通路29の空気に混入する。これにより、検出される第一圧力ΔPAirは、空気のみが絞り50を通過するときの値ではなくなり、図31に示すように蒸発燃料濃度に応じて負圧側に変化する。したがって、ステップS1212においては、ポンプ14のP−Q特性に基づいた濃度算出を正確に行うことが困難となる。
そこで、ステップS1207では、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値Pよりも小さい場合には、正確な第一圧力ΔPAirの検出により適正な濃度算出が可能であると判断して、ステップS1208に移行する。一方、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との差が許容値P以上である場合には、破過状態の第一キャニスタ12から蒸発燃料が排出されており、濃度算出には不適切であると判断して、ステップS1214に移行する。尚、第一圧力基準値ΔPAir0については、第一実施形態と同様に求められる平均値であり、また許容値Pについては、第一実施形態の許容値Pと同様に設定される。
上記ステップS1203,1207の一方において否定判定された場合に実行されるステップS1214では、第一キャニスタ12が破過状態にあることを表す第一キャニスタ破過フラグをECU38のメモリにおいてオンに設定した後、ステップS1215に移行する。
尚、ステップS1208〜S1213,S1215,S1216については、第一実施形態のステップS207〜S212,S214,S215と実質同一である。
(パージ実施処理)
さて、第七実施形態では、図28,32に示すようにパージ実施処理の内容も第一実施形態と異なっている。
具体的に、第一実施形態のステップS301に代わるステップS1301では、第一キャニスタ破過フラグがオンに設定されているか否かを、ECU38により判定する。その結果、否定判定された場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御を許容するとの判断により、第一実施形態のステップS302,S303と実質同一のステップS1302,S1303を実行する。一方、肯定判定された場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御を禁止するとの判断により、第一実施形態のステップS304,S305と実質同一のステップS1304,1305を実行する。
ステップS1303,S1305の後に第一実施形態のステップS306に代えて実行されるステップS1306では、ECU38によって第一パージ処理を実施する。これにより、各弁19〜22の状態は図28に示す状態となるので、図33に示すように吸気通路3の負圧が第一キャニスタ12を経由して開放通路35、大気通路30及び排出通路34に作用する。その結果、開放通路35、大気通路30及び排出通路34から第一キャニスタ12に向かうガス流が発生するので、開放通路35に第一キャニスタ12から蒸発燃料が排出されていた場合には、当該排出燃料が第一キャニスタ12に掃出されて吸着される。またこのときには、各弁19〜22の状態が図28に示す状態となることで、図33に示すように第二キャニスタ13や第一検出通路29の蒸発燃料がパージ通路28に導かれ、第一キャニスタ12からの脱離燃料と一緒にパージされる。
この後、第一実施形態のステップS307に代えて実行されるステップS1307では、開放通路35に蒸発燃料が排出されていた場合に当該排出燃料を完全に掃出するのに必要な設定時間Tが、第一パージ処理の開始から経過したか否かを、ECU38により判定する。その結果、設定時間Tが経過したとの肯定判定がなされると、開放通路35からの蒸発燃料の掃出が完了したと判断して、第一実施形態のステップS309に代わるステップS1309に移行する。このステップS1309では、ECU38がメモリの第一キャニスタ破過フラグをオフに設定する。
尚、ステップS1308,S1310〜S1314については、第一実施形態のステップS308,S310〜S314と実質同一である。
以上説明した第七実施形態によると、第一キャニスタ12から開放通路35への蒸発燃料排出が検出されない場合には、圧力センサ16の検出圧力ΔPAir,ΔPGas,Pに基づき算出された蒸発燃料濃度Dに応じて、パージが制御される。したがって、パージ量を左右する蒸発燃料濃度Dに応じて、内燃機関1の空燃比が所望の値となるようにパージを制御することができる。
また、第七実施形態によると、開放通路35への蒸発燃料排出が検出された場合には、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御が禁止され、その代わりに蒸発燃料濃度Dを無視して、所定値に従うパージ制御が行われる。それ故、開放通路35への蒸発燃料排出によって検出圧力ΔPAir,ΔPGas,Pの精度、ひいては蒸発燃料濃度Dの精度が低下したしても、その低下とは無関係にパージを制御することができる。したがって、開放通路35への蒸発燃料排出に起因する内燃機関1への影響を最小限に抑えつつ、限られたパージ時間を有効に活用して大量パージを実現することができる。
さらに、第七実施形態によると、開放通路35への蒸発燃料排出が検出された場合には、開放通路35から蒸発燃料が第一パージ処理によって掃出されるまで、第一キャニスタ破過フラグがオンに保持される。ここで第一キャニスタ破過フラグがオンの間は、蒸発燃料濃度Dに応じたパージ制御が禁止されることになるので、蒸発燃料排出が内燃機関1の運転に大きく影響する事態を確実に回避できる。また、第一キャニスタ破過フラグがオンの間は、パージ制御に利用されない蒸発燃料濃度Dを獲得するための濃度測定処理が禁止されるので、ポンプ14等の無駄な作動により消費電力を浪費することを防止できる。
さらにまた、第七実施形態によると、圧力センサ16により検出された締切圧Pに基づき、開放通路35への蒸発燃料排出が検出される。ここで締切圧Pは、ポンプ14の吸入口側が締め切られた形で検出される圧力であるので、検出前に蒸発燃料が開放通路35に排出されてポンプ14内に流入しているような場合には、図30に示すような顕著な差異が生じる。したがって、締切圧Pに基づく排出検出は正確性の高いものとなる。しかも、第七実施形態によると、蒸発燃料排出を検出したとの判断は、当該排出がない場合の締切圧基準値Pt0に対して締切圧Pが許容値P以上の差を示した場合に下される。故に、締切圧Pの誤差を許容値P分だけ見越して、より正確な排出検出を達成することができる。
加えて、第七実施形態によると、蒸発燃料排出は、圧力センサ16により検出された第一圧力ΔPAirに基づくことによっても検出される。ここで第一圧力ΔPAirは、検出前や検出時に蒸発燃料が開放通路35に排出されてポンプ14内に流入した場合には、図31に示すように顕著な変化を示す。したがって、第一圧力ΔPAirに基づく排出検出も正確性の高いものとなる。しかも、第七実施形態によると、第一圧力ΔPAirに基づく蒸発燃料排出の検出判断は、第一実施形態と同様に第一圧力基準値ΔPAir0及び許容値Pを用いて行われるので、より正確なものとなる。
さらに加えて、第七実施形態によると、蒸発燃料排出の検出に利用される締切圧P及び第一圧力ΔPAirは、パージ制御のための蒸発燃料濃度Dの算出に利用されるものであるので、蒸発燃料排出を検出する専用のセンサが不要となり、コストが低減する。
ここまで説明したように第七実施形態では、ポンプ14が特許請求の範囲に記載の「ガス流発生手段」に相当し、圧力センサ16が特許請求の範囲に記載の「圧力検出手段」に相当し、ECU38が特許請求の範囲に記載の「排出検出手段」と「パージ制御手段」とに相当する。また、第一検出通路29及び第二検出通路32が共同して特許請求の範囲に記載の「検出通路」を構成し、通路切換弁20が特許請求の範囲に記載の「通路切換手段」に相当し、通路開閉弁21が特許請求の範囲に記載の「通路開閉手段」に相当する。
(第七実施形態の変形例)
第七実施形態では、正確に検出された過去一回の締切圧Pを締切圧基準値Pt0として用いてもよい。あるいは、所定値に設定されて予めECU38に記憶された締切圧基準値Pt0を用いてもよい。尚、特に後者の場合、締切圧基準値Pt0の更新が不要となる。
また、第七実施形態では、締切圧P及び第一圧力ΔPAirの双方が基準値Pt0,ΔPAir0から大きくずれた場合に初めて、第一キャニスタ12からの蒸発燃料排出を検出したと判断するようにしてもよい。
さらに、第七実施形態では、図34に示すように排出通路34を大気通路30及び開放通路35から分離させてもよく、この場合、締切圧Pと締切圧基準値Pt0との比較による排出検出並びに基準値更新を実施しなくてもよい。あるいは、図35に示すように大気通路30を開放通路35及び排出通路34から分離させてもよく、この場合、第一圧力ΔPAirと第一圧力基準値ΔPAir0との比較による排出検出並びに基準値更新を実施しなくてもよい。
またさらに、第七実施形態では、第二キャニスタ13を設けずに、第一及び第二検出通路29,32により一つの検出通路を構成してもよい。
(第八実施形態)
本発明の第八実施形態は第七実施形態の変形形態であり、図36に示すように蒸発燃料処理装置10の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に開放通路35には、ECU38と電気的に接続されて蒸発燃料を検出する燃料検出センサ90が第一キャニスタ12とキャニスタクローズ弁22との間において設置されている。特に本実施形態の燃料検出センサ90は、開放通路35において蒸発燃料濃度を検出する。
(主作動)
このような構成の第八実施形態では、図37に示すように主作動の内容が第七実施形態と異なっている。
即ち、第七実施形態のステップS1101と実質同一のステップS1501において肯定判定された場合に実行されるステップS1502では、開放通路35の蒸発燃料濃度を燃料検出センサ90により検出する。また、続くステップS1503では、検出した濃度が所定の閾値Cよりも小さいか否かをECU38により判定することで、第一キャニスタ12から開放通路35への蒸発燃料の排出を検出する。ここで閾値Cは、バラツキ要因の他、蒸発燃料濃度の要求精度、燃料検出センサ90の検出精度等を考慮して設定され、ECU38のメモリに予め記憶されている。
ステップS1503において否定判定された場合には、破過状態の第一キャニスタ12から蒸発燃料が排出されており、濃度測定処理には不適切であると判断して、ステップS1504に移行する。このステップS1504では、ECU38のメモリにおいて第一キャニスタ破過フラグをオンに設定した後、ステップS1505をスキップしてステップS1506に移行する。また一方、ステップS1503において肯定判定された場合には、第一キャニスタ12が吸着可能状態にあり、適正な濃度測定処理が可能であると判断して、ステップS1505の実行後にステップS1506に移行する。
ここでステップS1505は、後に詳述する点を除いて第七実施形態のステップS1102と実質同一の濃度測定処理であり、またステップS1506〜S1510については、第七実施形態のステップS1103〜S1107と実質同一である。したがって、第一キャニスタ破過フラグがオンである間は、濃度測定処理の実行が禁止されるようになっている。
(濃度測定処理)
さて、第八実施形態では、図38に示すように濃度測定処理の内容も第七実施形態と異なっている。
即ち、第七実施形態のステップS1203,S1207,S1214は実行されず、それに応じて、第七実施形態のステップS1204,S1208に代わるステップS1603,S1606では、基準値Pt0,ΔPAir0の更新が行われない。
尚、ステップS1610〜S1613は、それらの実行順序を除いて第七実施形態のステップS1212,S1213,S1215,S1216と実質同一である。また、ステップS1601,S1602,S1604,S1605,S1607〜S1609は、第七実施形態のステップS1201,S1202,S1205,S1206,S1209〜S1211と実質同一である。
以上説明した第八実施形態によると、第一キャニスタ12から開放通路35への蒸発燃料排出を燃料検出センサ90により直接的に検出することができるので、その検出の正確性がさらに高くなる。
また、第八実施形態によると、内燃機関1の始動後、最初の濃度測定処理よりも先に、開放通路35への蒸発燃料排出が検出された場合には、当該最初の濃度測定処理がスキップされて、蒸発燃料濃度Dを無視したパージ制御が実施される。したがって、内燃機関1の始動時点で第一キャニスタ12が破過しているような場合、パージ制御には不要となる濃度測定処理が実行されず、ポンプ14が駆動されることがない。したがって、電力の浪費を回避しつつ、第一キャニスタ12からの排出燃料がポンプ駆動によって問題となることを防止できる。
ここまで説明したように第八実施形態では、燃料検出センサ90が特許請求の範囲に記載の「燃料検出手段」に相当する。
(第八実施形態の変形例)
第八実施形態において燃料検出センサ90は、第一キャニスタ12から開放通路35に蒸発燃料が排出されたことを検出できるものであればよい。したがって、燃料検出センサ90は、濃度に限らず、蒸発燃料に関わる他の物理量を検出するものであってもよい。
また、第八実施形態では、第一キャニスタ12の大気開放側であれば、例えば開放通路35のキャニスタクローズ弁22よりも大気側に設置してもよいし、開放通路35に連通する大気通路30や排出通路34等に燃料検出センサ90を設置してもよい。
(第九実施形態)
本発明の第九実施形態は第七実施形態の変形形態であり、図39に示すようにパージ実施処理の内容が第一実施形態と異なっている。
即ち、第七実施形態のステップS1307に代わるステップS1707では、開放通路35から蒸発燃料を完全に掃出するのに必要な設定量Qに対して第一パージ処理開始からのパージ量が大きい否かを、ECU38により判定する。ここで設定量Qは、開放通路35の容積等に基づき設定されて、予めECU38のメモリに記憶されている。また、パージ量は、例えば開放通路35を通過するガス流量から算出してもよいし、吸気通路3にパージされるガス流量から算出してもよい。
ステップS1707において否定判定された場合、第七実施形態のステップS1308と実質同一のステップS1708を実行するため、パージ停止条件が成立しない限り、パージ量が設定量Qを超えるまでパージが継続される。一方、ステップS1707において肯定判定された場合、開放通路35からの蒸発燃料の掃出が完了したと判断して、第七実施形態のステップS1309と実質同一のステップS1709により第一キャニスタ破過フラグをオフにする。
さらに、ステップS1709の後に第七実施形態のステップS1310,S1311に代えて実行されるステップS1710,S1711は、第二実施形態で説明したステップS410,S411に準ずるものである。したがって、特にステップS1710では、第二キャニスタ13から蒸発燃料を完全に脱離させるのに必要な設定量Qに対して第一パージ処理開始からのパージ量が大きい否かを、ECU38により判定する。このときパージ量は、例えば第二キャニスタ13を通過するガス流量から算出してもよいし、第一キャニスタ12を通過するガス流量と第二キャニスタ13を通過するガス流量との比から算出してもよいし、吸気通路3にパージされるガス流量から算出してもよい。
尚、ステップS1701〜S1706,S1712〜S1714については、第七実施形態のステップS1301〜S1306,S1312〜S1314と実質同一である。
以上説明した第九実施形態によると、開放通路35から蒸発燃料が掃出されたか否かについては、その掃出量に相関するパージ量に基づき判別される。故に、吸気通路3の圧力変化や通路28,35等の圧力損失に起因してパージ量が不足する又は過剰となったとしても、燃料掃出が完了したか否かを適正に判断することができる。
(第十実施形態)
本発明の第十実施形態は第一実施形態の変形形態であり、図40に示すように蒸発燃料処理装置100の構成が第一実施形態と異なっている。
具体的に蒸発燃料処理装置100では、ポンプ14の代わりに、アキュムレータ101が設けられている。アキュムレータ101は、負圧通路103を通じて吸気通路3に連通している。負圧通路103の中途部には、電磁駆動式の負圧制御弁102が設置されており、負圧制御弁102はその開閉作動によって、アキュムレータ101と吸気通路3との連通を制御する。これにより負圧制御弁102の開状態では、スロットル装置5よりも下流側において吸気通路3に発生する負圧が負圧通路103を通じてアキュムレータ101内に導入され、蓄積される。ここで、負圧制御弁102はECU38と電気的に接続されており、吸気圧センサ7の検出する吸気圧に基づき開閉作動が制御されて所望の負圧をアキュムレータ101内に蓄積するようになっている。尚、負圧通路103については、パージ通路28から吸気通路3にパージされた蒸発燃料が流入しないように、図40の如くパージ通路28よりも上流側で吸気通路3に連通させることが望ましい。
アキュムレータ101はさらに、電磁駆動式の流量制御弁104に機械的に接続されている。この流量制御弁104は、第二検出通路32の第二キャニスタ13とは反対側端にも機械的に接続されており、その開閉作動によって、アキュムレータ101と第二検出通路32との連通を制御する。これにより流量制御弁104の開状態では、アキュムレータ101内に蓄積された負圧により第二検出通路32を減圧して、第二検出通路32にガス流を発生させる。また、本実施形態の流量制御弁104は、ノズル形状(例えばソニックノズル)等の流量安定機構を備えたものであり、流量制御弁104の開状態でアキュムレータ101の蓄積負圧が変化しても、アキュムレータ101内に吸入されるガス流量を安定化させることができる。そこで、アキュムレータ101の容積や蓄積負圧については、流量安定機構によりガス流量を安定化できるように設定される他、後に詳述する濃度測定処理に必要なガス流量及び総量を確保できるように設定されている。尚、流量安定機構の代わりに、アキュムレータ101内の圧力を検出するセンサを設けて、その検出結果に応じて流量制御弁104の開度を変えることにより、アキュムレータ101内に吸入されるガス流量を安定化させるようにしてもよい。
第二検出通路32において第二キャニスタ13と流量制御弁104との間から分岐する大気開放通路106は、当該分岐端とは反対側で大気に開放されている。大気開放通路106には、開閉作動する電磁駆動式の大気開放制御弁105と、それよりも大気開放端側のフィルタ108とが設置されている。したがって、大気開放制御弁105の開状態では、大気開放通路106及び第二検出通路32を通じて第二キャニスタ13が大気開放される。
尚、流量制御弁104及び大気開放制御弁105はそれぞれECU38と電気的に接続されており、図41に示すように第一キャニスタ開放状態においては共に閉状態に制御される。
(蓄圧作動)
このような構成の第十実施形態では、アキュムレータ101内に負圧を蓄積するために、図42に示す蓄圧作動が追加されている。尚、蓄積作動の開始時点においては、第一キャニスタ開放状態が実現されているものとする。
具体的に蓄圧作動のステップS1801では、吸気通路3の吸気圧が判定値Pよりも小さいか否かを、ECU38により判定する。その結果、肯定判定された場合には、ステップS1802に移行して、負圧制御弁102をECU38により開状態に制御することで、アキュムレータ101内に所望の負圧を蓄積する。一方、否定判定された場合には、ステップS1803に移行して、負圧制御弁102をECU38により閉状態に保持した後、ステップS1804において、イグニションスイッチがオフされたか否かをECU38で判定する。
ステップS1804において肯定判定された場合には、本蓄圧作動を終了する。これに対し、ステップS1804において否定判定された場合、並びにステップS1802の実行が終了した場合には、ステップS1801へと戻る。
(濃度測定処理)
さて、第十実施形態では、図41,43に示すように、濃度測定処理の内容も第一実施形態と異なっている。
第一実施形態のステップS201に代わるステップS1901では、ECU38により流量制御弁104を開状態に切り換える。これにより、各弁19〜22,104,105が図41に示す状態となるので、第一検出通路29が閉塞されつつ、アキュムレータ101からの負圧作用によって第二検出通路32が減圧される。したがって、圧力センサ16の検出圧力が締切圧Pまで変化する。
また、第一実施形態のステップS214,S215に代わるステップS1914では、ECU38により各弁19〜22,104,105の状態を図41に示す第一キャニスタ開放状態として、アキュムレータ101と第二検出通路32との間を遮断する。これにより、第一実施形態のステップS213と実質同一のステップS1913にステップS1914が後続する場合には、即ち第二キャニスタ13が破過して第二検出通路32に蒸発燃料が排出された場合には、当該蒸発燃料が流量制御弁104の流量安定機構内に吸入されて流量安定特性が変化するのを抑制できる。また、第二検出通路32に排出された蒸発燃料がアキュムレータ101内に吸入蓄積され、負圧制御弁102の開作動時に当該蒸発燃料が吸気通路3に排出されることで内燃機関1の空燃比を乱すようなことも抑制できる。
尚、ステップS1902〜S1912については、第一実施形態のステップS202〜S212と実質同一である。
(パージ実施処理)
さて、第十実施形態では、図41,44に示すように、パージ実施処理の内容も第一実施形態と異なっている。
具体的には、第一実施形態のステップS306に代わるステップS2006では、ECU38によってパージ弁19、通路開閉弁21及び大気開放制御弁105を開状態に、また通路切換弁20を第二状態に切り換えて、第一パージ処理を実施する。また、第一実施形態のステップS312に代わるステップS2012では、ECU38によって通路切換弁20を第一状態に、また通路開閉弁21及び大気開放制御弁105を閉状態に切り換えて、第二パージ処理を実施する。尚、ステップS2001〜S2005,S2007〜S2011,S2013,S2014については、第一実施形態のステップS301〜S305,S307〜S311,S313,S314と実質同一である。したがって、第一実施形態と同様に、第二検出通路32への蒸発燃料排出が検出された場合と検出されない場合とでパージ制御を変えることにより、内燃機関1に適したパージを実現することができる。
ここまで説明したように第十実施形態では、アキュムレータ101と負圧制御弁102と流量制御弁104とが共同して特許請求の範囲に記載の「ガス流発生手段」を構成している。
(第十一実施形態)
本発明の第十一実施形態は第一実施形態の変形形態であり、第二キャニスタ13の燃料吸着量を推定して当該推定結果を濃度測定処理及びパージ実施処理に反映させる点で、第一実施形態と異なっている。
(主作動)
図45,46に示すように第十一実施形態の主作動では、第一実施形態のステップS101と実質同一のステップS2101において肯定判定がなされた場合に、特徴的なステップS2102が実行される。このステップS2102では、第二キャニスタ13における燃料吸着量の推定結果としてECU38のメモリに記憶されている最新の推定吸着量Eが許容量Eを超えているか否かを、ECU38により判定する。ここで許容量Eとしては、第二キャニスタ13が破過する際の燃料吸着量である破過量Eよりも小さく設定されて、予めECU38のメモリに記憶された値が使用される。
したがって、推定吸着量Eが許容量Eを超えている場合には、第二キャニスタ13が破過する直前の状態にあり、第二キャニスタ13から蒸発燃料が減圧状態の第二検出通路32に排出されてポンプ14内に吸入される事態が懸念されると判断し、ステップS2103に移行する。そして、このステップS2103では、第二キャニスタ13が破過直前状態にあることを表す第二キャニスタ破過直前フラグをECU38のメモリにおいてオンに設定した後、ステップS2105の濃度測定処理を回避してステップS2106に移行する。故に、推定吸着量Eが許容量Eを超えている場合には、第二検出通路32の減圧を伴う濃度測定処理が禁止されるようになっている。
これに対し、推定吸着量Eが許容量E以下である場合には、第二キャニスタ13が十分な吸着可能状態にあり、第二キャニスタ13からポンプ14内への燃料吸入が第二検出通路32の減圧によっても発生しないと判断して、ステップS2104に移行する。そして、このステップS2104では、第二キャニスタ破過直前フラグをECU38のメモリにおいてオフに設定した後、ステップS2105の濃度測定処理を実行してステップS2106に移行する。故に、推定吸着量Eが許容量E以下である場合には、第二検出通路32の減圧を伴う濃度測定処理が許可されるようになっている。
尚、ステップS2106,S2109は、第一実施形態のステップS103,S107と実質同一である。また、ステップS2108は、ステップS2106において否定判定された場合並びにステップS2107の後に実行される点を除いて第一実施形態のステップS106と実質同一である。さらに、ステップS2105,S2107の各処理は第一実施形態と異なっているので、以下に説明する。
(濃度測定処理)
図45,47に示すように第十一実施形態の濃度測定処理は、第八実施形態で説明したステップS1601〜S1613に準ずるステップS2201〜S2213の後、特徴的なステップS2214,S2215が実行される形となっている。
まず、ステップS2214では、直前のステップS2212により圧力P,ΔPAir,ΔPGasに基づき算出された蒸発燃料濃度Dから、第二キャニスタ13における燃料吸着量を推定する。
具体的には、ステップS2214の実行時においてECU38のメモリに記憶されている推定吸着量Eは、圧力P,ΔPAir,ΔPGasの検出前における第二キャニスタ13の燃料吸着量(以下、単に「検出前吸着量」という)Edbであると考えることができる。また、ステップS2214の実行により推定される燃料吸着量は、圧力P,ΔPAir,ΔPGasの検出後における第二キャニスタ13の燃料吸着量(以下、単に「検出後吸着量」という)Edaであると考えることができる。
これらの考えの下、本発明者らが鋭意研究を行ったところ、検出前吸着量Edbを変数とする下記式(25)を用いることによって、検出後吸着量Edaを推定算出できることが判明した。
da=Edb+A1・D ・・・(25)
ここで式(25)の係数A1としては、例えば吸入流量Qが規格上限のポンプ14を用いた実験により、前後吸着量の差(Eda−Edb)と蒸発燃料濃度Dとの相関グラフを図48の如く取得し、この相関グラフについて安全側に定めた回帰直線Lの傾きA1を採用することができる。尚、本実施形態では、式(25)が係数A1の値と共にECU38のメモリに予め記憶され、検出後吸着量Edaの推定算出に使用されるようになっている。
このようにして検出後吸着量Edaを推定算出した後のステップS2215では、ECU38のメモリに記憶の推定吸着量Eを当該検出後吸着量Edaによって更新し、濃度測定処理を終了する。
(パージ実施処理)
図45,49に示すように第十一実施形態のパージ実施処理では、まず、第一実施形態のステップS301に代わるステップS2301において、第二キャニスタ破過直前フラグがオンに設定されているか否かをECU38により判定する。
その結果、肯定判定された場合には、第一実施形態のステップS304〜S306,S313,S314と実質同一のステップS2304〜S2308が実行される。したがって、許容量E超えの推定吸着量Eにより濃度測定処理が回避された後のパージ実施処理では、圧力ΔPAir,ΔPGas,Pから算出の蒸発燃料濃度Dを無視して決定した弁開度を初期値として、双方のキャニスタ12,13からのパージが実施される。
これに対し、ステップS2301において否定判定された場合には、第一実施形態のステップS302,S303,S306,S313,S314と実質同一のステップS2302,S2303,S2306〜S2308が実行される。したがって、許容量E以下の推定吸着量Eにより濃度測定処理が実行された後のパージ実施処理では、圧力ΔPAir,ΔPGas,Pから算出の蒸発燃料濃度Dに応じた弁開度を初期値として、キャニスタ12,13からのパージが実施される。
このようにしてパージが行われた後のステップS2309では、直前のステップS2306〜S2308の間に第二キャニスタ13からパージされたパージ量ΣQから、第二キャニスタ13における燃料吸着量を推定する。
具体的には、ステップS2309の実行時においてECU38のメモリに記憶されている推定吸着量Eは、パージ前における第二キャニスタ13の燃料吸着量(以下、単に「パージ前吸着量」という)Epbであると考えることができる。また、ステップS2309の実行により推定される燃料吸着量は、パージ後における第二キャニスタ13の燃料吸着量(以下、単に「パージ後吸着量」という)Epaであると考えることができる。
これらの考えの下、本発明者らが鋭意研究を行ったところ、パージ前吸着量Epbを変数とする下記式(26),(27)によりa1,b1がそれぞれ表される下記式(28)を用いることによって、パージ後吸着量Epaを推定算出できることが判明した。
a1=a11・Epb+a12 ・・・(26)
b1=b11・Epb+b12 ・・・(27)
pa=a1・Ln(ΣQ)+b1 ・・・(28)
ここで式(26)の係数a11,a12としては、例えば次のようにして設定された値を採用することができる。その設定方法とは、まず、パージ前吸着量Epbを任意に変化させた実験により、パージ後吸着量Epaとパージ量ΣQとの第一相関グラフを図50の如く取得し、この第一相関グラフについて、パージ前吸着量Epb毎に式(28)に従う回帰曲線l1を定める。続いて、それら各回帰曲線l1の係数a1とパージ前吸着量Epbとの第二相関グラフを図51の如く取得し、この第二相関グラフについて式(26)に従って定めた回帰曲線l2の傾きa11及び切片a12を、係数a11,a12とする。
また、式(27)の係数b11,b12としては、例えば次のようにして設定された値を採用することができる。その設定方法とは、上記係数a11,a12の設定において定めた複数の回帰曲線l1を利用し、それら各回帰曲線l1の係数b1とパージ前吸着量Epbとの第三相関グラフを図52の如く取得し、この第三相関グラフについて式(27)に従って定めた回帰曲線l3の傾きb11及び切片b12を、係数b11,b12とする。
さらに、式(28)のパージ量ΣQは、ステップS2306〜S2308によるパージの実施毎に、例えば次のようにして算定することができる。その算定方法とは、双方のキャニスタ12,13からのパージ総量を弁開度及び吸気圧センサ7の検出吸気圧に基づき算出する。続いて、このパージ総量に対し、各キャニスタ12,13からのパージ流量比としてECU38のメモリに予め記憶されている値を当該パージ総量に乗算することにより、パージ量ΣQを算定する。
尚、本実施形態では、式(26)、式(27)及び式(28)から得られる下記式(29)が係数a11,a12,b11,b12の各値と共にECU38のメモリに予め記憶され、パージ後吸着量Epaの推定算出に使用されるようになっている。
pa=(a11・Epb+a12)・Ln(ΣQ)+(b11・Epb+b12) ・・・(29)
このようにしてパージ後吸着量Epaを推定算出した後のステップS2310では、ECU38のメモリに記憶の推定吸着量Eを当該パージ後吸着量Epaによって更新し、パージ実施処理を終了する。
以上説明した第十一実施形態によると、第二キャニスタ13の推定吸着量Eが許容量E以下である間は、第二検出通路32の減圧下において濃度測定処理が適正に実施され、その結果高精度に得られる蒸発燃料濃度Dに応じてパージが制御される。ここで蒸発燃料濃度Dは、パージ量を左右する物理量であるので、内燃機関1の空燃比が所望の値となるようなパージ制御を実現することができる。
さらに第十一実施形態では、第二キャニスタ13の推定吸着量Eが破過直前の許容量Eを超えると、濃度測定処理が禁止されることにより、第二検出通路32の減圧も禁止される。これによれば、第二キャニスタ13が破過して第二検出通路32に排出された蒸発燃料がポンプ14内に吸入されるような事態を未然に防止することができるので、ポンプ14の特性変化や排出口15からの蒸発燃料排出による大気汚染を招くことがない。また、第二キャニスタ13の推定吸着量Eが許容量Eを超えることにより濃度測定処理が禁止されたとしても、蒸発燃料濃度D以外の所定値に従ってパージが実施されるので、限られたパージ時間を有効活用して大量パージを実現することができる。
ここまで説明したように第十一実施形態では、ポンプ14が特許請求の範囲に記載の「ガス流発生手段」に相当し、圧力センサ16が特許請求の範囲に記載の「圧力検出手段」に相当し、ECU38が特許請求の範囲に記載の「パージ制御手段」と「推定手段」と「許否手段」とに相当する。
(第十二実施形態)
本発明の第十二実施形態は第十一実施形態の変形形態であり、図53,54に示すようにパージ実施処理の内容が第十一実施形態と異なっている。
即ち、第十一実施形態のステップS2301〜S2306と実質同一のステップS2401〜S2406により、双方のキャニスタ12,13に対する第一パージ処理が開始された後、特徴的なステップS2407〜S2410が実行される。
まず、ステップS2407では、本ステップ開始時までの第一パージ処理によるパージ量ΣQから、式(29)に従うパージ後吸着量Epaを推定吸着量Eとして算出する。続いてステップS2408では、ステップS2407により算出された推定吸着量Eが回復設定量E以下であるか否かを、ECU38により判定する。ここで回復設定量Eとしては、破過量E及び許容量Eよりも小さく設定されて、予めECU38のメモリに記憶された値が使用される。
したがって、推定吸着量Eが回復設定量Eを超えている場合には、第一パージ処理により第二キャニスタ13の吸着能力が十分に回復していないと判断して、ステップS2409に移行する。そして、このステップS2409では、パージ停止条件が成立したか否かECU38により判定し、否定判定された場合にはステップS2407へと戻る一方、肯定判定された場合には後述のステップS2412により第一パージ処理を強制終了する。
これに対し、推定吸着量Eが回復設定量E以下になると、第一パージ処理により第二キャニスタ13の吸着能力が十分に回復されたと判断して、ステップS2410〜S2412を実行する。ここでステップS2410〜S2412は、第一実施形態で説明したステップS312〜S314に準ずるものであるので、吸気通路3の負圧を第一キャニスタ12に集中させる第二パージ処理が実施されることとなる。故に、第十二実施形態によれば、第一パージ処理によって第二キャニスタ13の吸着能力が回復した後には、第二パージ処理に切り換えて処理対象を第一キャニスタ12に絞ることにより、大量パージを実現することができるのである。
尚、ステップS2412の後においては、第十一実施形態のステップS2309,S2310と実質同一のステップS2413,S2414が実行されて、推定吸着量Eが最新の値に更新されることとなる。
(第十三実施形態)
本発明の第十三実施形態は第一実施形態の変形形態であり、第十一実施形態と同様の機能を発揮するのみならず、第二キャニスタ13の燃料吸着量の推定に誤差が生じたとしても当該推定結果の補正により影響を最小限にする点で、第一実施形態と異なっている。
(主作動)
図55に示すように第十三実施形態の主作動では、第十一実施形態で説明したステップS2102〜S2104に準ずる特徴的なステップS2502〜S2504により、推定吸着量Eを許容量Eと照らし合わせて濃度測定処理の許否を決定する。
尚、ステップS2501,S2506,S2508〜S2510は第一実施形態のステップS101,S103,S105〜S107と実質同一であるが、ステップS2505,S2507の各処理は第一実施形態と異なっているので、以下に説明する。
(濃度測定処理)
図56に示すように第十三実施形態の濃度測定処理は、第一実施形態のステップS201〜S215と実質同一のステップS2601〜S2612,S2616〜S2618に、特徴的なステップS2613〜S2615が追加された形となっている。
まず、ステップS2613,S2614は、第十一実施形態のステップS2214,S2215に準ずるものであり、第二キャニスタ13の燃料吸着量(検出後吸着量Eda)推定してECU38のメモリの推定吸着量Eを更新する。
また、第二キャニスタ13からの蒸発燃料排出がステップS2606において検出された場合に実行されるステップS2615では、ECU38が、メモリに記憶の推定吸着量Eを強制補正して破過量Eに更新した後、ステップS2616〜S2618を経て濃度測定処理を終了する。したがって、推定吸着量Eが許容量E以下であると判定されて濃度測定処理が開始されたにもかかわらず、実際には第二キャニスタ13が破過しているような場合には、第二検出通路32の減圧を伴う第二圧力ΔPGasの検出と蒸発燃料濃度Dの算出とが規制されることとなる。
(パージ実施処理)
図57に示すように第十三実施形態のパージ実施処理では、第一実施形態のステップS301の代わりに、特徴的なステップS2701が実行される。具体的にステップS2701では、第二キャニスタ破過直前フラグ又は第二キャニスタ破過フラグがオンに設定されているか否かを、ECU38により判定する。
その結果、肯定判定された場合には、第一実施形態のステップS304〜S309,S313,S314と実質同一のステップS2704〜S2311が実行される。したがって、推定吸着量Eの許容量E超え又は第二キャニスタ13からの蒸発燃料排出の検出により蒸発燃料濃度Dの算出が回避された後のパージ実施処理では、当該濃度Dを無視して決定した弁開度を初期値として、キャニスタ12,13からのパージが実施される。
これに対し、ステップS2701において否定判定された場合には、第一実施形態のステップS302,S303,S306〜S309,S313,S314と実質同一のステップS2702,S2703,S2706〜S2711が実行される。したがって、最新の蒸発燃料濃度Dが算出された状態におけるパージ実施処理では、当該濃度Dに応じた弁開度を初期値として、キャニスタ12,13からのパージが実施される。
そして、いずれの場合にもステップS2711の後は、第十一実施形態のステップS2309,S2310に準ずるステップS2712,S2713により、第二キャニスタ13の燃料吸着量(パージ後吸着量Epa)を推定してECU38のメモリの推定吸着量Eを更新する。
以上説明した第十三実施形態では、ステップS2502により許可されたステップS2505の濃度測定処理において第二キャニスタ13からの蒸発燃料排出が検出された後、ステップS2507のパージ実施処理が一度も実施されることなく、ステップS2501,S2502へ移行する場合が考えられる。しかし、この場合には、直前の濃度測定処理において推定吸着量Eが破過量Eに強制補正されていることにより、当該推定吸着量Eは許容量Eを超えているとステップS2502で判定されて、次の濃度測定処理が確実に禁止されることとなる。したがって、第十三実施形態によれば、万が一、推定結果の誤差によって第二キャニスタ13の破過を発見し得ない異常事態が発生したとしても、高いフェイルセーフ性によって当該破過の影響を最小限に食い留めることができる。
さらに第十三実施形態では、第二キャニスタ13からの蒸発燃料排出が検出されることにより蒸発燃料濃度Dが算出されなかったとしても、当該濃度D以外の所定値に従ってパージが実施されるので、限られたパージ時間を有効活用して大量パージを実現することもできる。
尚、ここまで説明した第十三実施形態では、ECU38が特許請求の範囲に記載の「排出検出手段」と「補正手段」とに相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば第一〜第十三実施形態では、ポンプ14の作動又は流量制御弁104の開作動により第二検出通路32を通じて減圧される第一検出通路29の圧力を検出できるものであれば、圧力センサ16の代わりに用いてもよい。例えば、第一検出通路29において絞り50を挟む二箇所間の圧力差を検出するセンサや、第一検出通路29において絞り50を挟む二箇所の各々の圧力を検出する一対のセンサや、第一検出通路29において絞り50よりもポンプ14側又は流量制御弁104側の圧力を検出するセンサ等を用いることができる。
第一〜第六及び第十一〜第十三実施形態並びに第七実施形態の図34の変形例等では、第十実施形態に準じてアキュムレータ101と負圧制御弁102と流量制御弁104とを組み合わせたものを、ポンプ14の代わりに用いてもよい。
第一〜第五及び第十三実施形態では、蒸発燃料の排出について、第六実施形態に準じた燃料検出センサ70による検出を、第一圧力ΔPAir又は安定時間TAirに基づく検出に加えて実施してもよい。また、第二、第四、第五及び第十三実施形態では、蒸発燃料の排出について、第六実施形態に準じた燃料検出センサ70による検出を、第一圧力ΔPAirに基づく検出に代えて実施してもよい。さらに、第二、第四、第五及び第十三実施形態では、蒸発燃料の排出について、第三実施形態に準じた安定時間TAirに基づく検出を、第一圧力ΔPAirに基づく検出に加えて実施してもよい。またさらに、第二、第四、第五及び第十三実施形態では、蒸発燃料の排出について、第三実施形態に準じた安定時間TAirに基づく検出と第六実施形態に準じた燃料検出センサ70による検出とを、第一圧力ΔPAirに基づく検出に加えて実施してもよい。
第二、第三、第七〜第九及び第十〜第十三実施形態では、第四又は第五実施形態に準ずる構成を採用してもよい。
第七及び第九実施形態では、蒸発燃料の排出について、第八実施形態に準じた燃料検出センサ90による検出を、第一圧力ΔPAirに基づく検出に加えて実施してもよい。また、第九実施形態では、蒸発燃料の排出について、第八実施形態に準じた燃料検出センサ90による検出を、第一圧力ΔPAirに基づく検出に代えて実施してもよい。
第十三実施形態では、破過した第二キャニスタ13の吸着能力の回復判断について、第二実施形態に準じてパージ量に基づき行うようにしてもよいし、第十一実施形態に準じて第二キャニスタ13の推定吸着量Eに基づき行うようにしてもよい。また、第十三実施形態では、パージ実施処理のステップS2709,S2710間に、第十二実施形態に準ずるステップS2407〜S2410を追加して、第一キャニスタ12からの大量パージを実現するようにしてもよい。
第一実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 検出ゲインについて説明するための特性図である。 第一実施形態の主作動を示すフローチャートである。 第一実施形態の作動を説明するための模式図である。 第一実施形態の作動を説明するための模式図である。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第一実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための模式図である。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための模式図である。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第一実施形態の濃度測定処理を説明するための模式図である。 第一実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第一実施形態のパージ実施処理を説明するための模式図である。 第一実施形態のパージ実施処理を説明するための模式図である。 第二実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第三実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第三実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第四実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第四実施形態の作動を説明するための模式図である。 第四実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第四実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第五実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第六実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第六実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第七実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第七実施形態の主作動を示すフローチャートである。 第七実施形態の作動を説明するための模式図である。 第七実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第七実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第七実施形態の濃度測定処理を説明するための特性図である。 第七実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第七実施形態のパージ実施処理を説明するための模式図である。 第七実施形態の蒸発燃料処理装置の変形例を示す構成図である。 第七実施形態の蒸発燃料処理装置の変形例を示す構成図である。 第八実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第八実施形態の主作動を示すフローチャートである。 第八実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第九実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第十実施形態の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 第十実施形態の作動を説明するための模式図である。 第十実施形態の蓄圧作動を示すフローチャートである。 第十実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第十実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第十一実施形態の作動を説明するための模式図である。 第十一実施形態の主作動を示すフローチャートである。 第十一実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第十一実施形態の濃度測定処理における燃料吸着量の推定について説明するための特性図である。 第十一実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第十一実施形態のパージ実施処理における燃料吸着量の推定について説明するための特性図である。 第十一実施形態のパージ実施処理における燃料吸着量の推定について説明するための特性図である。 第十一実施形態のパージ実施処理における燃料吸着量の推定について説明するための特性図である。 第十二実施形態の作動を説明するための模式図である。 第十二実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。 第十三実施形態の主作動を示すフローチャートである。 第十三実施形態の濃度測定処理を示すフローチャートである。 第十三実施形態のパージ実施処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関、2 燃料タンク、3 吸気通路、7 吸気圧センサ、10,100 蒸発燃料処理装置、12 第一キャニスタ、13 第二キャニスタ、14 ポンプ(ガス流発生手段)、15 排出口、16 圧力センサ(圧力検出手段)、19 パージ弁、20 通路切換弁(通路切換手段)、21 通路開閉弁・第一通路開閉弁(第一通路開閉手段・通路開閉手段・第二通路開閉手段)、27 導入通路、28 パージ通路、29 第一検出通路(検出通路)、30 大気通路、31 分岐通路(パージ通路)、32 第二検出通路(検出通路)、33 導圧通路、34 排出通路、35 開放通路、38 ECU(排出検出手段・パージ制御手段・減圧制御手段・推定手段・許否手段・補正手段)、60 第二通路開閉弁(第二通路開閉手段)、70,90 燃料検出センサ(燃料検出手段)、101 アキュムレータ(ガス流発生手段)、102 負圧制御弁(ガス流発生手段)、103 負圧通路、104 流量制御弁(ガス流発生手段)、D 蒸発燃料濃度(蒸発燃料状態)、ΔPAir 第一圧力、ΔPAir0 第一圧力基準値、P,P,P 許容値、ΔPGas 第二圧力、P 締切圧、Pt0 締切圧基準値、Q,Q 設定量、T,T 設定時間、T 許容値、TAir 安定時間、TAir0 安定時間基準値、C 閾値、E 推定吸着量、E 許容量、E 破過量、E 回復設定量、Edb 検出前吸着量、Eda 検出後吸着量、Epb パージ前吸着量、Epa パージ後吸着量、ΣQ パージ量

Claims (56)

  1. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着する第一キャニスタと、
    前記第一キャニスタから脱離した蒸発燃料を内燃機関の吸気通路に導いてパージするパージ通路と、
    中途部に絞りを有し、前記パージ通路に連通する第一検出通路と、
    前記絞りを挟んで前記パージ通路とは反対側で前記第一検出通路に連通し、前記パージ通路から前記第一検出通路を通じて流入する蒸発燃料を脱離可能に吸着する第二キャニスタと、
    前記第二キャニスタに連通する第二検出通路と、
    前記第二検出通路を減圧することによりガス流を発生させるガス流発生手段と、
    前記絞りと前記ガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記第二キャニスタから前記第二検出通路への蒸発燃料の排出を検出する排出検出手段と、
    前記パージ通路から前記吸気通路への蒸発燃料のパージを前記圧力検出手段の検出結果と前記排出検出手段の検出結果とに基づき制御するパージ制御手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージを制御し、前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づく前記パージを禁止することを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージ通路の蒸発燃料状態を算出して、当該蒸発燃料状態に応じて前記パージを制御することを特徴とする請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果を無視して前記パージを制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記第二キャニスタの吸着能力が回復するまで、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づく前記パージを禁止することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記パージ制御手段が蒸発燃料を前記第二キャニスタから脱離させて前記第一検出通路及び前記パージ通路を通じて前記吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、前記パージ制御手段は、前記吸着能力が回復したと判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記パージ制御手段が蒸発燃料を前記第二キャニスタから脱離させて前記第一検出通路及び前記パージ通路を通じて前記吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、前記パージ制御手段は、前記吸着能力が回復したと判断することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置。
  8. 大気に開放される大気通路と、
    前記第一検出通路に連通する通路を前記パージ通路と前記大気通路との間で切り換える通路切換手段を備え、
    前記ガス流発生手段が前記第二検出通路を減圧すると共に前記通路切換手段が前記大気通路を前記第一検出通路に連通させた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を第一圧力と定義し、前記ガス流発生手段が前記第二検出通路を減圧すると共に前記通路切換手段が前記パージ通路を前記第一検出通路に連通させた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を第二圧力と定義したとき、
    前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記第一圧力と前記第二圧力とに基づき前記パージを制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  9. 前記第一検出通路と前記第二検出通路とのうち少なくとも一方である特定通路を開閉する通路開閉手段を備え、
    前記ガス流発生手段が前記第二検出通路を減圧すると共に前記通路開閉手段が前記特定通路を閉じた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を締切圧と定義したとき、
    前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記第一圧力と前記第二圧力と前記締切圧とに基づき前記パージを制御することを特徴とする請求項8に記載の蒸発燃料処理装置。
  10. 前記排出検出手段は前記第一圧力に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項8又は9に記載の蒸発燃料処理装置。
  11. 前記排出がない場合における前記第一圧力を第一圧力基準値と定義したとき、
    前記第一圧力と前記第一圧力基準値との差が許容値以上になったことを条件として、前記排出検出手段は、前記排出を検出したと判断することを特徴とする請求項10に記載の蒸発燃料処理装置。
  12. 前記第一圧力基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した前記第一圧力に基づき設定されることを特徴とする請求項11に記載の蒸発燃料処理装置。
  13. 前記第一圧力基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した複数の前記第一圧力を平均することにより得られることを特徴とする請求項12に記載の蒸発燃料処理装置。
  14. 前記排出検出手段は、前記第一圧力が安定するまでに要した安定時間に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  15. 前記排出がない場合における前記第一圧力の前記安定時間を安定時間基準値と定義したとき、
    前記安定時間と前記安定時間基準値との差が許容値以上になったことを条件として、前記排出検出手段は、前記排出を検出したと判断することを特徴とする請求項14に記載の蒸発燃料処理装置。
  16. 前記安定時間基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した前記第一圧力の前記安定時間に基づき設定されることを特徴とする請求項15に記載の蒸発燃料処理装置。
  17. 前記安定時間基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した複数の前記第一圧力の前記安定時間を平均することにより得られることを特徴とする請求項16に記載の蒸発燃料処理装置。
  18. 前記第二検出通路において蒸発燃料を検出する燃料検出手段を備え、
    前記排出検出手段は前記燃料検出手段の検出結果に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  19. 大気に開放される大気通路と、
    前記第一検出通路に連通する通路を前記パージ通路と前記大気通路との間で切り換える通路切換手段とを備え、
    前記通路切換手段が前記大気通路を前記第一検出通路に連通させた状態下における前記燃料検出手段の検出結果に基づき、前記排出検出手段は前記排出を検出することを特徴とする請求項18に記載の蒸発燃料処理装置。
  20. 大気に開放される大気通路と、
    前記第一検出通路に連通する通路を前記パージ通路と前記大気通路との間で切り換える通路切換手段と、
    前記第一検出通路を開閉する第一通路開閉手段であって、前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として前記第一検出通路を閉じる第一通路開閉手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  21. 前記第二検出通路を開閉する第二通路開閉手段であって、前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として前記第二検出通路を閉じる第二通路開閉手段を、
    備えることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  22. 前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧を禁止する減圧制御手段を、
    備えることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  23. 前記ガス流発生手段は、大気に開放され前記第二検出通路からの吸入ガスを排出する排出口を有することを特徴とする請求項22に記載の蒸発燃料処理装置。
  24. 前記第二キャニスタの吸着能力が回復するまで、前記減圧制御手段は前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧を禁止することを特徴とする請求項22又は23に記載の蒸発燃料処理装置。
  25. 前記パージ制御手段が蒸発燃料を前記第二キャニスタから脱離させて前記第一検出通路及び前記パージ通路を通じて前記吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、前記減圧制御手段は、前記吸着能力が回復したと判断することを特徴とする請求項24に記載の蒸発燃料処理装置。
  26. 前記パージ制御手段が蒸発燃料を前記第二キャニスタから脱離させて前記第一検出通路及び前記パージ通路を通じて前記吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、前記減圧制御手段は、前記吸着能力が回復したと判断することを特徴とする請求項24に記載の蒸発燃料処理装置。
  27. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタから脱離した蒸発燃料を内燃機関の吸気通路に導いてパージするパージ通路と、
    中途部に絞りを有する検出通路と、
    前記検出通路を減圧することによりガス流を発生させるガス流発生手段と、
    前記絞りと前記ガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段と、
    大気に開放され、前記キャニスタに連通する開放通路と、
    前記開放通路に連通する大気通路と、
    前記検出通路に連通する通路を前記パージ通路と前記大気通路との間で切り換える通路切換手段と、
    前記キャニスタから前記開放通路への蒸発燃料の排出を検出する排出検出手段と、
    前記パージ通路から前記吸気通路への蒸発燃料のパージを前記圧力検出手段の検出結果と前記排出検出手段の検出結果とに基づき制御するパージ制御手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  28. 前記ガス流発生手段は、前記開放通路に連通し前記検出通路からの吸入ガスを排出する排出口を有することを特徴とする請求項27に記載の蒸発燃料処理装置。
  29. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着するキャニスタと、
    前記キャニスタから脱離した蒸発燃料を内燃機関の吸気通路に導いてパージするパージ通路と、
    中途部に絞りを有し、前記パージ通路に連通する検出通路と、
    前記検出通路を減圧することによりガス流を発生させるガス流発生手段であって、前記検出通路からの吸入ガスを排出する排出口を有するガス流発生手段と、
    前記絞りと前記ガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段と、
    大気に開放され、前記キャニスタと前記排出口とに連通する開放通路と、
    前記キャニスタから前記開放通路への蒸発燃料の排出を検出する排出検出手段と、
    前記パージ通路から前記吸気通路への蒸発燃料のパージを前記圧力検出手段の検出結果と前記排出検出手段の検出結果とに基づき制御するパージ制御手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  30. 前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージを制御し、前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づく前記パージを禁止することを特徴とする請求項27〜29のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  31. 前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージ通路の蒸発燃料状態を算出して、当該蒸発燃料状態に応じて前記パージを制御することを特徴とする請求項30に記載の蒸発燃料処理装置。
  32. 前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果を無視して前記パージを制御することを特徴とする請求項30又は31に記載の蒸発燃料処理装置。
  33. 蒸発燃料が前記開放通路から掃出されるまで、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づく前記パージを禁止することを特徴とする請求項30〜32のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  34. 前記パージ制御手段が負圧により蒸発燃料を前記キャニスタから脱離させて前記吸気通路にパージする時間が設定時間経過したことを条件として、前記パージ制御手段は、当該掃出が完了したと判断することを特徴とする請求項33に記載の蒸発燃料処理装置。
  35. 前記パージ制御手段が負圧により蒸発燃料を前記キャニスタから脱離させて前記吸気通路にパージする量が設定量以上になったことを条件として、前記パージ制御手段は、当該掃出が完了したと判断することを特徴とする請求項33に記載の蒸発燃料処理装置。
  36. 大気に開放される大気通路と、
    前記検出通路に連通する通路を前記パージ通路と前記大気通路との間で切り換える通路切換手段を備え、
    前記ガス流発生手段が前記検出通路を減圧すると共に前記通路切換手段が前記大気通路を前記検出通路に連通させた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を第一圧力と定義し、前記ガス流発生手段が前記検出通路を減圧すると共に前記通路切換手段が前記パージ通路を前記検出通路に連通させた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を第二圧力と定義したとき、
    前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記第一圧力と前記第二圧力とに基づき前記パージを制御することを特徴とする請求項27〜35のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  37. 前記排出検出手段は前記第一圧力に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項36に記載の蒸発燃料処理装置。
  38. 前記排出がない場合における前記第一圧力を第一圧力基準値と定義したとき、
    前記第一圧力と前記第一圧力基準値との差が許容値以上になったことを条件として、前記排出検出手段は、前記排出を検出したと判断することを特徴とする請求項37に記載の蒸発燃料処理装置。
  39. 前記第一圧力基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した前記第一圧力に基づき設定されることを特徴とする請求項38に記載の蒸発燃料処理装置。
  40. 前記第一圧力基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した複数の前記第一圧力を平均することにより得られることを特徴とする請求項39に記載の蒸発燃料処理装置。
  41. 前記検出通路を開閉する通路開閉手段を備え、
    前記ガス流発生手段が前記検出通路を減圧すると共に前記通路開閉手段が前記検出通路を閉じた状態下、前記圧力検出手段が検出する圧力を締切圧と定義したとき、
    前記排出検出手段が前記排出を検出しないことを条件として、前記パージ制御手段は前記第一圧力と前記第二圧力と前記締切圧とに基づき前記パージを制御することを特徴とする請求項36〜40のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  42. 前記排出検出手段は前記締切圧に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項41に記載の蒸発燃料処理装置。
  43. 前記排出がない場合における前記締切圧を締切圧基準値と定義したとき、
    前記締切圧と前記締切圧基準値との差が許容値以上になったことを条件として、前記排出検出手段は、前記排出を検出したと判断することを特徴とする請求項42に記載の蒸発燃料処理装置。
  44. 前記締切圧基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した前記締切圧に基づき設定されることを特徴とする請求項43に記載の蒸発燃料処理装置。
  45. 前記締切圧基準値は、前記圧力検出手段が過去に検出した複数の前記締切圧を平均することにより得られることを特徴とする請求項44に記載の蒸発燃料処理装置。
  46. 前記開放通路において蒸発燃料を検出する燃料検出手段を備え、
    前記排出検出手段は前記燃料検出手段の検出結果に基づき前記排出を検出することを特徴とする請求項27〜45のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  47. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着する第一キャニスタと、
    前記第一キャニスタから脱離した蒸発燃料を内燃機関の吸気通路に導いてパージするパージ通路と、
    中途部に絞りを有し、前記パージ通路に連通する第一検出通路と、
    前記絞りを挟んで前記パージ通路とは反対側で前記第一検出通路に連通し、前記パージ通路から前記第一検出通路を通じて流入する蒸発燃料を脱離可能に吸着する第二キャニスタと、
    前記第二キャニスタに連通する第二検出通路と、
    前記第二検出通路を減圧することによりガス流を発生させるガス流発生手段と、
    前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧下において前記絞りと前記ガス流発生手段とにより決まる圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記パージ通路から前記吸気通路への蒸発燃料のパージを前記圧力検出手段の検出結果に基づき制御するパージ制御手段と、
    前記第二キャニスタにおける蒸発燃料の吸着量を推定する推定手段と、
    前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧を前記推定手段の推定結果に基づき許否する許否手段と、
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  48. 前記ガス流発生手段は、大気に開放され前記第二検出通路からの吸入ガスを排出する排出口を有することを特徴とする請求項47に記載の蒸発燃料処理装置。
  49. 前記推定手段は、前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージ通路の蒸発燃料状態を算出して、当該蒸発燃料状態から前記吸着量を推定することを特徴とする請求項47又は48に記載の蒸発燃料処理装置。
  50. 前記推定手段は、前記パージ制御手段が蒸発燃料を前記第二キャニスタから脱離させて前記吸気通路にパージした量から前記吸着量を推定することを特徴とする請求項47〜49のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  51. 前記推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、前記許否手段は前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧を許可し、前記推定手段の推定結果が許容量を超えたことを条件として、前記許否手段は前記ガス流発生手段による前記第二検出通路の減圧を禁止することを特徴とする請求項47〜50のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  52. 前記推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージを制御し、前記推定手段の推定結果が許容量を超えたことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果を無視して前記パージを制御することを特徴とする請求項51に記載の蒸発燃料処理装置。
  53. 前記推定手段の推定結果が許容量以下になったことを条件として、前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果に基づき前記パージ通路の蒸発燃料状態を算出して、当該蒸発燃料状態に応じて前記パージを制御することを特徴とする請求項52に記載の蒸発燃料処理装置。
  54. 前記第一キャニスタ及び前記第二キャニスタの双方から蒸発燃料を脱離させて前記吸気通路にパージする第一パージ処理と、前記第一キャニスタ及び前記第二キャニスタのうち第一キャニスタのみから蒸発燃料を脱離させて前記吸気通路にパージする第二パージ処理とを実施する前記パージ制御手段は、
    前記推定手段の推定結果が回復設定量以下になったことを条件として、前記第一パージ処理から前記第二パージ処理に切り換えることを特徴とする請求項47〜53のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  55. 前記第二キャニスタから前記第二検出通路への蒸発燃料の排出を検出する排出検出手段と、
    前記排出検出手段の検出結果に基づき前記推定手段の推定結果を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項47〜54のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  56. 前記排出検出手段が前記排出を検出したことを条件として、前記補正手段は前記推定手段の推定結果を補正し且つ前記パージ制御手段は前記圧力検出手段の検出結果を無視して前記パージを制御することを特徴とする請求項55に記載の蒸発燃料処理装置。
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