JP4786515B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の噴射燃料と共に燃焼させる蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置に関する。
従来、燃料タンクにおいて発生した蒸発燃料をキャニスタの吸着材に一時的に吸着し、必要に応じて吸着材から脱離させた蒸発燃料の空気との混合ガスを内燃機関へパージして、内燃機関の噴射燃料と共に燃焼させるようにした蒸発燃料処理装置が知られている。そして、こうした蒸発燃料処理装置の一種に、パージ通路を通じてパージされる混合ガス中の蒸発燃料状態量として蒸発燃料濃度を検出することにより、パージ時における内燃機関の排気空燃比を高精度に制御可能とした装置が特許文献1に提案されている。
この特許文献1の蒸発燃料処理装置では、パージ時に混合ガスがパージ通路を流通して初めて蒸発燃料濃度の検出が可能となる。そのため、検出した蒸発燃料濃度をパージの開始時点から空燃比制御に反映させるには、パージされた混合ガスが内燃機関の燃料噴射位置に到達する前に、蒸発燃料濃度の検出を実施する必要がある。しかし、内燃機関においてパージ通路の出口から燃料噴射位置に到るまでの吸気通路容積が小さい場合や、そうした吸気通路における吸気の流速が速い場合には、蒸発燃料濃度の検出完了前に混合ガスが燃料噴射位置へと到達してしまい、空燃比制御の精度が悪化することになる。
そこで、パージ通路の中途部に検出通路を接続し、キャニスタの吸着材から脱離させた蒸発燃料を空気と混合させて検出通路に流入させることにより、当該流入混合ガス中の蒸発燃料濃度を検出するようにした蒸発燃料装置が特許文献2に提案されている。この特許文献2の蒸発燃料処理装置では、蒸発燃料濃度がパージの開始前において検出されるようになっているので、その検出結果をパージの開始時点から空燃比制御に反映させることによって、大量パージを達成することが可能となるのである。
特開平6−101534号公報 特開2006−161795号公報
さて、上述した特許文献2の蒸発燃料処理装置では、パージ時にキャニスタの吸着材から新たに脱離することとなる蒸発燃料の混合ガス中濃度が、パージ通路の中途部に接続の検出通路において当該パージに先立って検出される。それ故、パージの開始前においてパージ通路に残存していた混合ガス、特に検出通路の接続箇所よりも下流側にてパージ通路に残存していた混合ガス中の蒸発燃料濃度については、検出通路において精確に検出することが難しい。そのため、パージ停止中の給油や長時間駐車等により大量の蒸発燃料がキャニスタの吸着材に吸着された後においては、検出される蒸発燃料濃度と、実際にパージ通路に残存していた混合ガス中の蒸発燃料濃度との間に、乖離が生じてしまう。したがって、パージ通路の残存混合ガスがパージにより燃料噴射位置に到達している間は、排気空燃比を精確に制御することが困難となるおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、大量パージと高精度な空燃比制御とを両立する蒸発燃料処理装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の噴射燃料と共に燃焼させる蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置であって、燃料タンクにおいて発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着する吸着材を有するキャニスタと、蒸発燃料を吸着材から脱離させて空気と混合させてなる混合ガス中の蒸発燃料状態量を検出する検出手段と、混合ガスを内燃機関側へ流通させるパージ通路と、パージ通路を通じて混合ガスを内燃機関へパージさせるための制御手段であって、検出手段により検出された蒸発燃料状態量に基づいて当該パージを制御する制御手段と、制御手段のパージ制御に従ってパージされた混合ガス中の蒸発燃料状態量を内燃機関の運転状態量に基づいて学習する学習手段と、を備え、前回のパージ時において学習手段により最後に学習された蒸発燃料状態量である学習状態量と、前回のパージ後において検出手段により検出された蒸発燃料状態量である検出状態量との差が設定値以上であることを条件に、制御手段は、検出状態量に基づくパージ制御に先立ち、学習状態量に基づいてパージを制御することを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明によると、パージ制御に従ってパージ通路から内燃機関へパージされた混合ガス中の蒸発燃料状態量として、前回パージ時の最後に内燃機関の運転状態量に基づいて学習された学習状態量は、今回のパージ前となる前回パージ後においてパージ通路に残存する混合ガス中の蒸発燃料状態量と一致し得る。故に、かかる学習状態量と、前回パージ後において混合ガス中の蒸発燃料状態量として検出された検出状態量との差が設定値以上であるということは、今回のパージ前においてパージ通路に残存する混合ガス中の蒸発燃料状態量と検出状態量との間に乖離が生じていることを意味する。
そこで、請求項1に記載の発明によると、学習状態量と検出状態量との差が設定値以上であることを条件として、学習状態量に基づくパージ制御が、検出状態量に基づくパージ制御に先立って実施される。故に、今回のパージ開始時には、パージ通路の残存混合ガス中の蒸発燃料状態量を反映したパージ制御の実施によって、内燃機関の排気空燃比の乱れを抑制することができるので、高精度な空燃比制御が実現可能となる。しかも、学習状態量に基づくパージ制御後には、検出状態量に基づくパージ制御によって、大量パージを達成することもできるのである。
請求項2に記載の発明では、学習状態量と検出状態量との差が設定値未満であることを条件に、制御手段は、学習状態量に基づくパージ制御をスキップして、検出状態量に基づくパージ制御を実施する。これによれば、状態量の差が設定値未満の場合、即ち今回のパージ前においてパージ通路に残存する混合ガス中の蒸発燃料状態量と検出状態量との間に乖離が生じていない場合には、検出状態量に基づくパージ制御によって、今回のパージ開始時点から大量パージを達成することができるのである。
請求項3に記載の発明は、キャニスタ及びパージ通路を含んで構成されることにより混合ガスが流通し、当該混合ガス中の蒸発燃料状態量を検出する検出手段が接続されているエバポ系を備え、制御手段は、パージ通路に設置されて混合ガスのパージ流量を開度により制御するパージ制御弁を有し、前回のパージ後においてエバポ系の検出手段との接続箇所よりも下流側にてパージ通路に残存する混合ガスがパージ制御弁を通過している間、学習状態量に基づくパージ制御を継続する。
このような請求項3に記載の発明によると、エバポ系の検出手段との接続箇所よりも下流側にてパージ通路に残存する混合ガス中の蒸発燃料は、今回のパージ前となる前回パージ後において、当該検出手段によっては検出し難い。しかし、エバポ系の検出手段との接続箇所よりも下流側にてパージ通路に残存する混合ガスがパージ通路に設置のパージ制御弁を通過している間は、学習状態量に基づくパージ制御、即ち当該残存混合ガス中の蒸発燃料状態量に基づくパージ制御が継続されるので、排気空燃比の乱れを確実に抑制することができる。
尚、「蒸発燃料状態量」は、蒸発燃料の状態を表す物理量であればよく、例えば請求項に記載の発明のように混合ガス中の蒸発燃料濃度であってもよいし、それ以外の蒸発燃料流量や蒸発燃料密度等であってもよい。
また、「運転状態量」は、内燃機関の運転状態を表す物理量であればよく、例えば請求項に記載の発明のように燃料噴射量や吸気流量、排気空燃比であってもよいし、それ以外の物理量であってもよい。
請求項に記載の発明によると、内燃機関の運転状態量は、内燃機関の燃料噴射量と、内燃機関の吸気流量と、内燃機関の排気空燃比とを含み、当該運転状態量に基づいて学習手段は、制御手段のパージ制御に従う流量にてパージされた混合ガス中の蒸発燃料状態量を学習する。これによれば、燃料噴射量と吸気流量と排気空燃比とに基づく学習によって、学習状態量をはじめとするパージ時の蒸発燃料状態量を精確に把握することができる。
請求項に記載の発明によると、制御手段は、検出状態量に基づくパージ制御の実施後、学習手段により学習した蒸発燃料状態量に基づいてパージを制御する。故に、検出状態量に基づくパージ制御が進行することにより、キャニスタの吸着材から新たに脱離する蒸発燃料についての状態量が検出状態量からずれたとしても、当該脱離分の蒸発燃料状態量を学習してパージ制御に逐次利用することにより、排気空燃比への影響を抑えることができる。
請求項に記載の発明によると、制御手段は、パージ制御に合わせて内燃機関の燃料噴射量を制御する。これにより内燃機関においては、パージ通路の残存混合ガス中の蒸発燃料状態量を反映するパージ制御又は当該残存混合ガスのパージ流量を制限するパージ制御に合わせるようにして燃料噴射量が制御されることになるので、空燃比制御の精度を十分に高めることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態として車両の内燃機関1に蒸発燃料処理装置10を適用した例を示している。
(内燃機関)
内燃機関1は、燃料タンク2の内部に収容されたガソリン燃料を用いて動力を発生させるガソリンエンジンである。内燃機関1の吸気通路3には、燃料タンク2からの供給燃料を所定の燃料噴射位置Jへ向かって噴射する燃料噴射弁4、吸気流れを制御するスロットル弁5、吸気流量Qを検出する吸気流量センサ6、吸気圧Pを検出する吸気圧センサ7等が設置されている。また、内燃機関1の排気通路8には、排気空燃比A/Fを検出する空燃比センサ9等が設置されている。
(蒸発燃料処理装置)
蒸発燃料処理装置10は、内燃機関1において燃料噴射弁4の噴射燃料と共に燃焼させる蒸発燃料を処理するものであり、エバポ系12、検出系30及び電子制御ユニット(Electric Control Unit;以下、「ECU」という)40を備えている。
エバポ系12は、キャニスタ14、タンク通路16、大気通路17、封鎖弁18、パージ通路20及びパージ制御弁22等から構成されている。
キャニスタ14はタンク通路16を介して燃料タンク2に接続されており、活性炭等の吸着材14aを内部に収容している。したがって、燃料タンク2の内部において発生した蒸発燃料は、タンク通路16を通じてキャニスタ14の内部へと流入し、吸着材14aによって脱離可能に吸着される。
大気通路17の一端部は大気に開放されており、大気通路17の他端部はキャニスタ14に接続されている。封鎖弁18は、開閉作動する電磁駆動式のオンオフ弁であり、大気通路17に設置されている。したがって、封鎖弁18の開状態では、キャニスタ14が大気通路17を通じて大気に開放される。
パージ通路20は、キャニスタ14と吸気通路3との間を接続している。ここで本実施形態のパージ通路20は、スロットル弁5よりも吸気流れの下流側且つ燃料噴射位置Jよりも吸気流れの上流側において吸気通路3に接続されている。パージ制御弁22は、開度Xが0%から100%の間で連続的又は離散的に変化する電磁駆動式の流量制御弁であり、パージ通路20の中途部、特に本実施形態ではパージ通路20の吸気通路3との接続側端部に設置されている。
開度Xが0%よりも大きくなるパージ制御弁22の開状態では、スロットル弁5よりも下流側において吸気通路3に発生する負圧がパージ通路20を通じてキャニスタ14の内部に作用する。この負圧作用を受けてキャニスタ14内部では、吸着材14aに吸着されている蒸発燃料が吸着量に応じて脱離し、空気と混合する。こうして吸着材14aから脱離した蒸発燃料が空気と混合してなる混合ガスは、負圧作用によりパージ通路20を吸気通路3側へ流通して当該通路20の吸気通路3との接続側端部から吸気通路3へとパージされ、さらに吸気通路3の吸気流れに乗って燃料噴射位置Jに到達する。したがって、燃料噴射位置Jに到達した混合ガス中の蒸発燃料は、当該位置Jにおいて燃料噴射弁4の噴射燃料と混合された後、内燃機関1の気筒1a内へ供給されて燃焼されることとなる。故に、内燃機関1において排気通路8の排気空燃比A/Fを適正化するには、燃料噴射弁4の燃料噴射量Fと共に、蒸発燃料処理装置10から吸気通路3への混合ガスのパージ流量Qを制御することが重要となる。
また一方、開度Xが0%となるパージ制御弁22の閉状態では、パージ通路20と吸気通路3との連通が遮断されるため、吸気通路3の発生負圧はキャニスタ14には作用せず、蒸発燃料処理装置10から吸気通路3へのパージが停止する。したがって、後述するポンプ34の圧力がキャニスタ14に作用しない限りにおいて、吸着材14aからの蒸発燃料の脱離は抑制されることとなる。
検出系30は、検出通路32、ポンプ34、検出回路36等から構成されている。
検出通路32の一端部は、パージ通路20において吸気通路3との接続側端部よりもキャニスタ14との接続側端部に近接する箇所に接続されている。これによりパージ通路20には、検出通路32との接続箇所を挟んでガス流れ方向の下流側部分(以下、「下流側通路部」という)20aと上流側部分(以下、「上流側通路部」という)20bとが形成されている。また、ここで本実施形態では、検出通路32の接続箇所とパージ制御弁22との間の全体が下流側通路部20aとなっており、検出通路32の接続箇所とキャニスタ14との間の全体が上流側通路部20bとなっている。
ポンプ34は電動式のベーンポンプ等であり、検出通路32のパージ通路20とは反対側端部に接続されている。本実施形態のポンプ34は、吸入吐出方向が一定のポンプであり、その作動によって検出通路32を減圧する。
検出回路36は検出通路32に設置され、検出通路32へ流入した混合ガス中の蒸発燃料状態量として蒸発燃料濃度Dを検出する。ここで検出回路36は、蒸発燃料濃度Dを検出可能な構成であればよく、例えば特許文献1に開示されるような絞りと差圧センサと切替弁とを組み合わせた構成であってもよいし、それ以外の構成であってもよい。
封鎖弁18の開状態並びにパージ制御弁22の閉状態下、ポンプ34が作動するときには、パージ通路20の下流側通路部20aは閉塞された形となっているため、検出通路32とパージ通路20の上流側通路部20bとを通じてキャニスタ14の内部が減圧される。この減圧作用を受けてキャニスタ14内部では、吸着材14aに吸着されている蒸発燃料が吸着量に応じて脱離し、空気と混合する。こうして吸着材14aから脱離した蒸発燃料と空気との混合ガスは、減圧作用により、上流側通路部20bを通じて検出通路32へ流入する。検出回路36は、こうして検出通路32へ流入した混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを検出する。
ECU40は、メモリ42を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。ECU40は、エバポ系12の弁18,22と、検出系30の要素34,36と、内燃機関1の要素4〜7,9等に電気接続されている。ECU40は、検出回路36及びセンサ6,7,9の検出結果と、内燃機関1の冷却水温度及び回転数と、車両の作動油温度、アクセル開度及びイグニッションスイッチのオンオフ状態等に基づき、弁18,22及びポンプ34と、内燃機関1の燃料噴射弁4及びスロットル弁5等を制御する。
本実施形態のECU40は、封鎖弁18の開状態でパージ制御弁22を開状態とする後述のメインパージ処理において、内燃機関1へ実際にパージされた混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを、内燃機関1の運転状態量に基づいてフィードバック学習する。具体的に、濃度学習に際してECU40には、燃料噴射弁4により噴射された燃料噴射量Fと、吸気流量センサ6により検出された吸気流量Qと、空燃比センサ9により検出された排気空燃比A/Fとが、内燃機関1の運転状態量としてフィードバックされる。ここで、それら燃料噴射量F、吸気流量Q及び排気空燃比A/Fと、パージ時の混合ガスのパージ流量Q及び蒸発燃料濃度Dとの間には、所定の相関関係がある。さらにパージ流量Qについては、例えば本実施形態では、吸気圧センサ7により検出される吸気圧P並びにパージ制御弁22の開度Xから算出することができる。したがって、ECU40は、流量Qにてパージされた混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを上記相関関係から学習し、その学習した蒸発燃料濃度Dを学習濃度Dとしてメモリ42に記憶する。このとき本実施形態においては、蒸発燃料濃度Dの算出毎に学習濃度Dを更新する形となっている。
(制御作動)
次に、ECU40が行う特徴的な制御作動のフローについて、図1に基づき説明する。尚、本制御作動は、車両のイグニションスイッチがオンされて内燃機関1が始動するに伴い開始される。
まず、ステップS101では、濃度検出条件が成立しているか否かを判定する。ここで濃度検出条件の成立とは、内燃機関1の冷却水温度及び回転数、車両の作動油温度等の車両状態を表す物理量(以下、この内燃機関1の運転状態量を含む物理量を「車両状態量」という)が所定の領域にあることを意味する。そして、かかる濃度検出条件は、例えば内燃機関1の始動直後に成立するように設定されて、予めメモリ42に記憶されている。
ステップS101において肯定判定された場合には、ステップS102において濃度検出処理を実施する。この濃度検出処理では、封鎖弁18を開状態並びにパージ制御弁22を閉状態としてポンプ34を作動させる。その結果、キャニスタ14の吸着材14aから脱離して空気と共に検出通路32へと流入した蒸発燃料の濃度Dを検出回路36により検出し、その検出された蒸発燃料濃度Dを検出濃度Dとしてメモリ42に記憶する。このとき本実施形態においては、蒸発燃料濃度Dの検出毎に検出濃度Dを更新する形となっている。
このような濃度検出処理が終了した場合には、ステップS103において、パージ実施条件が成立しているか否かを判定する。ここでパージ実施条件の成立とは、内燃機関1の冷却水温度及び回転数、車両の作動油温度等の車両状態量が上述の濃度検出条件の場合とは異なる所定の領域にあることを意味する。そして、かかるパージ実施条件は、例えば内燃機関1の冷却水温度が所定値以上となって内燃機関1の暖機が完了したとき成立するように設定されて、予めメモリ42に記憶されている。
ステップS103において肯定判定された場合には、ステップS104に移行する。このステップS104では、メモリ42に記憶の検出濃度Dと学習濃度Dとを対比して、それらの濃度差|D−D|が設定値ΔD以上であるか否かを、判定する。ここで設定値ΔDは、実験により設定されて予めメモリ42に記憶された固定値であってもよいし、予めメモリ42に記憶されたマップやテーブルにより内燃機関1の所定の運転状態量に応じて変化する可変値であってもよい。
ステップS104において肯定判定された場合には、ステップS105において予備パージ処理を実施する。この予備パージ処理では、封鎖弁18及びパージ制御弁22の双方の開状態下、メモリ42に記憶の学習濃度Dに基づいて混合ガスのパージを制御すると同時に、当該パージ制御に合わせて燃料噴射弁4の燃料噴射量Fを制御する。ここで、パージ制御に合わせた燃料噴射量Fの制御は、排気空燃比A/Fが理論空燃比となるように、パージされた混合ガス中の蒸発燃料に対して噴射燃料を加えることによって実現する。
但し、本実施形態のステップS105は、パージ制御弁22が閉じた状態から開始される。そのため、パージ制御弁22が開くパージ開始時点から、混合ガスが燃料噴射位置Jに到達するまでの期間Tは、当該位置Jに吸気、即ち空気のみが到達することになるので、その期間Tは、噴射燃料のみによって理論空燃比を実現するように燃料噴射量Fを制御することとなる。
こうしてステップS105の予備パージ処理が終了した場合並びにステップS104において否定判定された場合には、ステップS106においてメインパージ処理を実施する。このメインパージ処理では、封鎖弁18及びパージ制御弁22の双方の開状態下、メモリ42に記憶の検出濃度Dに基づいて混合ガスのパージを制御すると同時に、当該パージ制御に合わせて燃料噴射弁4の燃料噴射量Fを制御する。ここで、パージ制御に合わせた燃料噴射量Fの制御は、予備パージ処理の場合と同様、排気空燃比A/Fが理論空燃比となるように実現する。
但し、本実施形態のステップS106は、ステップS104からステップS105を経由した移行の場合には、パージ制御弁22の開状態にて開始されるが、ステップS104からの直接移行の場合には、パージ制御弁22の閉状態にて開始される。そこで、ステップS104からの直接移行の場合には、パージ制御弁22が開くパージ開始時点から、混合ガスが燃料噴射位置Jに到達するまでの期間Tは、噴射燃料のみによって理論空燃比を実現するように燃料噴射量Fを制御することとなる。
このように本制御作動では、検出濃度Dと学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD以上である場合には、学習濃度Dに基づく予備パージ処理を実施した後、検出濃度Dに基づくメインパージ処理を実施する。一方、検出濃度Dと学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD未満である場合には、学習濃度Dに基づく予備パージ処理をスキップして、検出濃度Dに基づくメインパージ処理のみを実施する。
こうしてステップS106のメインパージ処理が終了した場合並びにステップS103において否定判定された場合には、ステップS107に移行する。このステップS107では、メモリ42における各濃度D,Dの更新時点のうち遅い方の更新時点から所定時間Tが経過したか否かを、判定する。その結果、肯定判定された場合にはステップS101に戻り、また一方、否定判定された場合にはステップS103に戻る。尚、ステップS107の判定基準となる時間Tは、濃度D,Dの経時変化や要求精度等を考慮して決められるものであり、予めメモリ42に記憶されている。
以上、ステップS101において肯定判定された場合の後続処理ステップS102〜S107について説明したが、以下、ステップS101において否定判定された場合の後続処理ステップS108について説明する。
ステップS108では、イグニションスイッチがオフされたか否かを判定する。このステップS108において否定判定された場合には、ステップS101に戻り、また一方、ステップS108において肯定判定された場合には、本制御作動を終了する。
(予備パージ処理)
次に、上記ステップS105の予備パージ処理の詳細フローについて、図3に基づき説明する。
まず、ステップS201では、内燃機関1の運転状態量として、スロットル弁5の開度等を取得する。続くステップS202では、排気空燃比A/Fを適正化する上において許容される蒸発燃料の最大流量として、蒸発燃料最大許容流量qmaxをステップS202で取得の運転状態量に応じて算出する。
ステップS203では、吸気圧Pを吸気圧センサ7により検出し、取得する。続くステップS204では、パージされる混合ガス中の蒸発燃料濃度Dが0%(即ち、空気100%)並びにパージ制御弁22の開度Xが100%となるときのパージ流量Qとして、パージ基準流量Qg0をステップS203で取得の吸気圧Pに応じて算出する。
ステップS205では、パージされる混合ガス中の蒸発燃料濃度Dがメモリ42に記憶の学習濃度Dに一致し且つパージ制御弁22の開度Xが100%となるときのパージ流量Qとして、パージ予想流量Qgeを下記の式(1)に従って算出する。ここで、式(1)のQg0は、直前のステップS204で算出のパージ基準流量Qg0である。また、式(1)のRは、蒸発燃料濃度Dの増大に対するパージ流量Qの減少率であり、例えば実験により設定されて予めメモリ42に記憶されている。
ge=Qg0・(1−R・D) ・・・(1)
ステップS206では、ステップS205で算出のパージ予想流量Qgeのうち蒸発燃料の流量分として、蒸発燃料予想流量qを下記の式(2)に従って算出する。ここで、式(2)のDはメモリ42に記憶の学習濃度Dである。即ち蒸発燃料予想流量qは、最新の学習濃度Dに基づいて算出される値である。
=Qge・D ・・・(2)
ステップS207では、ステップS202,S206で取得の流量qmax,qを対比して、蒸発燃料予想流量qが蒸発燃料最大許容流量qmax以下であるか否かを判定する。
その結果、肯定判定された場合には、ステップS208においてパージ制御弁22の開度Xを100%に設定し、さらにステップS209において当該100%の開度Xでパージ制御弁22を開いて、混合ガスをパージする。したがって、この場合のパージ流量Qは、蒸発燃料予想流量qを実現する流量、即ち学習濃度Dに基づいた式(1)に従う流量Qgeに制御されることとなる。
尚、ここで学習濃度Dは、メモリ42に記憶の最新の値であるが、本実施形態では、当該濃度Dが得られた前回のメインパージ処理の終了後から今回の予備パージ処理の開始前までにパージ通路20の下流側通路部20aに残存していた混合ガス中の蒸発燃料濃度Dであると考えることができる。故に、ステップS208を経由した場合には、濃度検出処理によっては検出困難となる下流側通路部20aの残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを反映して、パージ流量Qを制御することができるのである。
一方、ステップS207において否定判定された場合には、ステップS210においてパージ制御弁22の開度Xを下記の式(3)に従って設定し、さらにステップS209において当該式(3)に従う開度Xでパージ制御弁22を開いて、混合ガスをパージする。したがって、蒸発燃料予想流量qが蒸発燃料最大許容流量qmaxを超える場合には、当該最大許容流量qmaxを実現するようにパージ流量Qが制御されることとなるので、排気空燃比A/Fが理論空燃比から大きく外れる事態を抑制することができる。
X=100・qmax/q ・・・(3)
こうしてステップS209を実行した後のステップS211では、本予備パージ処理の最初のステップS209の開始時点から、下記式(4)に従う予備パージ時間Tが経過したか否かを判定する。ここで式(4)において、Vは下流側通路部20aの容積であり、Qgeは直前のステップS205で算出のパージ予想流量Qgeであり、Xは直前のステップS208又はステップS210で設定の開度Xである。したがって、式(4)は、下流側通路部20aに残存の混合ガスがパージ制御弁22を通過している間の時間を表すこととなる。
=V/(Qge・X) ・・・(4)
ステップS211において否定判定された場合には、ステップS201に戻ることによりその後続ステップを繰り返して実行し、また一方、ステップS211において肯定判定された場合には、本予備パージ処理を終了する。以上により、予備パージ処理では、少なくとも下流側通路部20aに残存の混合ガスがパージ制御弁22を通過している間は、パージ流量Qの制御が継続されることとなる。
(メインパージ処理)
次に、上記ステップS106のメインパージ処理の詳細フローについて、図4に基づき説明する。
まず、予備パージ処理のステップS201〜S204と実質同一であるステップS301〜S304の後には、ステップS305,S306において、パージ予想流量Qge及び蒸発燃料予想流量qをそれぞれ下記の式(5),(6)に従って算出する。ここで式(5),(6)のDは、メインパージ処理の最初のステップS305,S306では、メモリ42に記憶の検出濃度D、即ち本メインパージ処理直前の濃度検出処理により検出された検出濃度Dとなる。
ge=Qg0・(1−R・D) ・・・(5)
=Qge・D ・・・(6)
したがって、ステップS306の後に、予備パージ処理のステップS207〜S209と実質同一であるステップS307〜S309を実行することによれば、最新の検出濃度Dに基づいた式(5)に従う流量Qgeにパージ流量Qが制御されることとなる。また、ステップS310は予備パージ処理のステップS210と実質同一であるので、蒸発燃料予想流量qが蒸発燃料最大許容流量qmaxを超える場合には、当該最大許容流量qmaxを実現するパージがステップS309により実施されることとなる。
以上によりステップS309を実行した後のステップS311では、内燃機関1の運転状態量として、燃料噴射量F、吸気流量Q及び排気空燃比A/F等を取得する。続くステップS312では、ステップS309によりパージされた混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを、ステップS311で取得の運転状態量に基づいてフィードバック学習し、さらにステップS313では、その学習結果を、メモリ42の学習濃度Dとして更新記憶する。
この後のステップS314では、パージ停止条件が成立したか否かを判定する。ここでパージ停止条件の成立とは、例えば内燃機関1の回転数、アクセル開度等の車両状態量が上述の濃度検出条件及びパージ実施条件とは異なる所定の領域にあることを意味する。そして、かかるパージ停止条件は、例えばアクセル開度が所定値以下となって車両が減速したとき成立するように設定されて、予めメモリ42に記憶されている。
ステップS314において否定判定された場合には、ステップS315において、メモリ42に記憶の検出濃度Dを直前のステップS312,S313による学習濃度Dに書き換えた後、ステップS301へと戻る。したがって、ステップS301に戻った後においては、検出濃度Dの代わりに、最新の蒸発燃料濃度Dである学習濃度Dに基づいてパージが制御されることとなる。
一方、ステップS314において肯定判定された場合には、ステップS316においてパージ制御弁22を閉じた後、本メインパージ処理を終了する。以上により、メインパージ処理の終了時点においてメモリ42に記憶されている学習濃度Dは、最後に学習された蒸発燃料濃度Dとなる。
以上、第一実施形態では、濃度検出処理により得られた検出濃度Dと、前回のメインパージ処理の最後に得られた学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD以上になると、検出濃度Dに基づく今回のメインパージ処理に先立って、学習濃度Dに基づく予備パージ処理が実施される。この予備パージ処理によれば、前回のメインパージ処理後においてパージ通路20に残存していた混合ガスがパージ制御弁22を通過している間は、学習濃度D、即ち当該残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを反映するようにして、パージを制御することができる。したがって、残存混合ガス中の蒸発燃料濃度D(D)に対して検出濃度Dの乖離が大きい場合には、当該残存混合ガス中の濃度Dを反映するパージ制御と、それに合わせた燃料噴射量Fの制御とにより、理論空燃比に対する排気空燃比A/Fの偏差を低減することができる。
さらに第一実施形態では、予備パージ処理の実施後や、検出濃度Dと学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD未満となる場合には、通常のメインパージ処理によって、パージ停止条件が成立するまで継続的に混合ガスがパージされる。したがって、限られた時間内であっても、可及的に大量の混合ガスをパージすることができる。
ここまで説明したように第一実施形態では、検出系30が特許請求の範囲に記載の「検出手段」に相当し、ECU40が特許請求の範囲に記載の「学習手段」に相当し、ECU40及びパージ制御弁22が特許請求の範囲に記載の「制御手段」を構成している。
(第二実施形態)
図5に示すように本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、予備パージ処理の内容が第一実施形態とは異なっている。
第二実施形態の予備パージ処理では、まず、第一実施形態のステップS201,S202と実質同一であるステップS401,S402の後に、特徴的なステップS403を実行する。このステップS403では、後述するパージ流量Qの制限下において許容する蒸発燃料の流量として、蒸発燃料許容流量qを下記の式(7)に従って算出する。ここで、式(7)のqmaxはステップS402で算出の蒸発燃料最大許容流量qmaxであり、また式(7)のrはパージ流量Qの制限率である。即ち蒸発燃料許容流量qは、パージ流量Qの制限率rにより蒸発燃料最大許容流量qmaxを減量補正することによって算出される値である。尚、制限率rについては、実験により設定されて予めメモリ42に記憶された固定値であってもよいし、予めメモリ42に記憶されたマップやテーブルにより内燃機関1の所定の運転状態量又は濃度D,Dの差に応じて変化する可変値であってもよい。
=qmax・r ・・・(7)
この後、第一実施形態のステップS203〜S206と実質同一であるステップS404〜S407に続いて、特徴的なステップS408〜S411が実行される。
具体的にステップS408では、ステップS403,S407で取得の流量q,qを対比して、蒸発燃料予想流量qが蒸発燃料許容流量q以下であるか否かを判定する。
その結果、否定判定された場合には、ステップS409においてパージ制御弁22の開度Xを下記の式(8)に従って設定し、さらにステップS410において当該式(8)に従う開度Xでパージ制御弁22を開いて、混合ガスをパージする。したがって、蒸発燃料予想流量qが蒸発燃料許容流量qを超える場合には、当該許容流量qを実現する流量にパージ流量Qが制御されることとなる。尚、ここで蒸発燃料許容流量qは、パージ流量Qの制限率rにより蒸発燃料最大許容流量qmaxを減量補正した値であるので、ステップS409を経由した場合には、パージ流量Qが制限されることとなる。
X=100・q/q ・・・(8)
一方、ステップS408において肯定判定された場合には、ステップS411においてパージ制御弁22の開度Xを100%に設定し、さらにステップS410において当該100%の開度Xでパージ制御弁22を開いて、混合ガスをパージする。したがって、この場合のパージ流量Qは、第一実施形態と同様、下流側通路部20aの残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dと一致した学習濃度Dに基づいて制御されることとなる。尚、この場合のパージ流量Qは、蒸発燃料許容流量q以下の蒸発燃料予想流量qを実現する流量となるので、ステップS409を経由する場合よりも制限された値であると考えることもできる。
こうしてステップS410を実行した後のステップS412は、第一実施形態のステップS211と実質同一であるので、予備パージ時間T内はステップS401以降が繰り返して実行され、予備パージ時間Tが経過すると、予備パージ処理が終了する。
以上、第二実施形態では、濃度検出処理により得られた検出濃度Dと、前回のメインパージ処理の最後に得られた学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD以上になると、検出濃度Dに基づくメインパージ処理に先立って、パージ流量Qを制限した予備パージ処理が実施される。この予備パージ処理によれば、学習濃度D、即ち前回のメインパージ処理後におけるパージ通路20の残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dに対して、検出濃度Dの乖離が大きい場合には、当該残存混合ガスがパージ制御弁22を通過している間は、蒸発燃料の到達量自体を減らすことができる。したがって、蒸発燃料を減らすパージ制御と、それに合わせた燃料噴射量Fの制御とによって、理論空燃比に対する排気空燃比A/Fの偏差を低減することができる。
しかも、許容流量q以下の流量qが学習濃度Dに基づいて予想された場合には、当該濃度Dと一致する下流側通路部20aの残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dを反映して、パージ流量Qを制御することができる。したがって、このことによっても、理論空燃比に対する排気空燃比A/Fの偏差低減を達成することができるのである。
ここまで説明したように第二実施形態では、蒸発燃料許容流量qが特許請求の範囲に記載の「許容流量」に相当し、蒸発燃料予想流量qが特許請求の範囲に記載の「予想流量」に相当する。
(第三実施形態)
図6に示すように本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例であり、予備パージ処理の内容が第二実施形態とは異なっている。
第三実施形態の予備パージ処理では、まず、第二実施形態のステップS401〜S405と実質同一であるステップS501〜S505の後、ステップS506,S507において、パージ予想流量Qge及び蒸発燃料予想流量qをメインパージ処理と同じ式(5),(6)に従って算出する。即ち、パージ予想流量Qge及び蒸発燃料予想流量qを共に検出濃度Dに基づいて算出する。
そして、この後、第二実施形態のステップS408〜S411と実質同一のステップS508〜S511を実行することによれば、パージ流量Qを制限制御することができるのである。したがって、第三実施形態によっても、理論空燃比に対する排気空燃比A/Fの偏差を低減することができる。
(第四実施形態)
図7に示すように本発明の第四実施形態は、第一及び第二実施形態とは異なる制御作動により、それら第一及び第二実施形態の各予備パージ処理を選択的に実施するようにした変形例である。
第四実施形態の制御作動では、まず、第一実施形態のステップS101〜S104と実質同一であるステップS601〜S604の後に、特徴的なステップS605を実行する。
具体的には、ステップS604において肯定判定された場合、即ち検出濃度Dと学習濃度Dとの濃度差が設定値ΔD以上であると判定された場合に実行されるステップS605では、前回のメインパージ処理から設定時間Tが経過したか否かを判定する。
その結果、否定判定された場合、即ち前回のメインパージ処理後においてパージが停止されている時間が設定時間T未満である場合には、ステップS606において、第一実施形態の予備パージ処理に準ずる第一予備パージ処理が実施される。したがって、この場合には、第一実施形態の予備パージ処理と同様の作用効果を享受することができる。
一方、ステップS605において肯定判定された場合、即ち前回のメインパージ処理後におけるパージ停止時間が設定時間T以上となった場合には、ステップS607において、第二実施形態の予備パージ処理に準ずる第二予備パージ処理が実施される。したがって、この場合には、第二実施形態の予備パージ処理と同様の作用効果を享受することができる。
尚、ステップS606,S607のいずれの実行後においても、第一実施形態のステップS106と実質同一のステップS608によりメインパージ処理が実施されるので、大量パージの達成が可能となる。また、残りのステップS609,S610については、第一実施形態のステップS107,S108と実質同一とされる。
以上説明した第四実施形態によれば、車両の停止状態における給油時等、パージ停止時間が設定時間T未満となる場合には、学習濃度Dに対してパージ通路20の残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dはずれ難い。したがって、この場合には、第一予備パージ処理によりパージ流量Qを学習濃度Dに基づき制御して、排気空燃比A/Fを適正化することができる。
また一方、内燃機関1の駐車時等、パージ停止時間が設定時間T以上となる場合には、パージ通路20において鉛直方向の濃度勾配が生じたり、キャニスタ14の吸着材14aから蒸発燃料の自然吸着脱離が生じること等によって、残存混合ガス中の蒸発燃料濃度Dが検出濃度Dに対してのみならず、学習濃度Dに対してもずれるおそれがある。したがって、この場合には、第二予備パージ処理によりパージ流量Qを制限制御して、排気空燃比A/Fを適正化することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば第一〜第四実施形態では、図8に示すように、検出系30においてポンプ34に接続されて検出回路36が設置される検出通路32をキャニスタ14と接続してもよい。この変形例の場合、パージ通路20の全体が、エバポ系12の検出通路32との接続箇所たるキャニスタ14よりも下流側且つパージ制御弁22よりも上流側となるので、学習濃度Dは、メインパージ処理の終了後から予備パージ処理の開始前までにパージ通路20の全体に残存する混合ガス中の蒸発燃料濃度Dと一致することとなる。したがって、この変形例の場合には、式(4)のVがパージ通路20の全体容積とされる。また、この変形例の場合には、吸入吐出方向が可変のポンプ34を用いて、パージ制御弁22の開状態でキャニスタ14の内部を加圧することにより、混合ガスのパージ流量Qを増大させるようにしてもよい。
また、第一〜第四実施形態の検出系30では、キャニスタ14の吸着材14aから蒸発燃料を脱離させて当該脱離燃料を検出通路32に流入させるために、ポンプ34以外のガス流発生手段、例えば吸気通路3の負圧を蓄積して当該蓄積負圧を検出通路32に作用させるアキュムレータ構成等を採用してもよい。
さらに第一〜第四実施形態では、図9に示すように、検出系30の検出回路36として濃度センサをキャニスタ14に直接設置してもよい。この場合も、上述した図8の変形例の場合と同様、パージ通路20の全体に残存する混合ガス中の蒸発燃料濃度Dと学習濃度Dが一致することとなり、故に式(4)のVがパージ通路20の全体容積とされる。
さらに、第四実施形態においては、第一及び第二予備パージ処理の選択を、給油操作の有無や、イグニッションスイッチのオフ操作の有無に基づいて実施するようにしてもよい。加えて、第四実施形態の第二予備パージ処理については、第三実施形態の予備パージ処理に準じて実施するようにしてもよい。
本発明の第一実施形態による制御作動を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 本発明の第一実施形態による予備パージ処理を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態によるメインパージ処理を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態による予備パージ処理を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態による予備パージ処理を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態による制御作動を示すフローチャートである。 図2の変形例を示す構成図である。 図2の変形例を示す構成図である。
符号の説明
1 内燃機関、2 燃料タンク、3 吸気通路、4 燃料噴射弁、5 スロットル弁、6 吸気流量センサ、7 吸気圧センサ、8 排気通路、9 空燃比センサ、10 蒸発燃料処理装置、12 エバポ系、14 キャニスタ、14a 吸着材、18 封鎖弁、20 パージ通路、20a 下流側通路部、20b 上流側通路部、22 パージ制御弁(制御手段)、30 検出系(検出手段)、32 検出通路、34 ポンプ、36 検出回路、40 ECU(制御手段・学習手段)、42 メモリ、A/F 排気空燃比、D 蒸発燃料濃度、D 検出濃度、D 学習濃度、ΔD 設定値、F 燃料噴射量、J 燃料噴射位置、P 吸気圧、Q 吸気流量、Q パージ流量、Qg0 パージ基準流量、Qge パージ予想流量、qmax 蒸発燃料最大許容流量、q 蒸発燃料許容流量(許容流量)、q 蒸発燃料予想流量(予想流量)、r 制限率、T 予備パージ時間、T 設定時間、X 開度

Claims (7)

  1. 内燃機関の噴射燃料と共に燃焼させる蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置であって、
    燃料タンクにおいて発生した蒸発燃料を脱離可能に吸着する吸着材を有するキャニスタと、
    蒸発燃料を前記吸着材から脱離させて空気と混合させてなる混合ガス中の蒸発燃料状態量を検出する検出手段と、
    前記混合ガスを前記内燃機関側へ流通させるパージ通路と、
    前記パージ通路を通じて前記混合ガスを前記内燃機関へパージさせるための制御手段であって、前記検出手段により検出された蒸発燃料状態量に基づいて当該パージを制御する制御手段と、
    前記制御手段のパージ制御に従ってパージされた前記混合ガス中の蒸発燃料状態量を前記内燃機関の運転状態量に基づいて学習する学習手段と、
    を備え、
    前回のパージ時において前記学習手段により最後に学習された蒸発燃料状態量である学習状態量と、前回のパージ後において前記検出手段により検出された蒸発燃料状態量である検出状態量との差が設定値以上であることを条件に、前記制御手段は、前記検出状態量に基づくパージ制御に先立ち、前記学習状態量に基づいてパージを制御することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記差が前記設定値未満であることを条件に、前記制御手段は、前記学習状態量に基づくパージ制御をスキップして、前記検出状態量に基づくパージ制御を実施することを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記キャニスタ及び前記パージ通路を含んで構成されることにより前記混合ガスが流通し、当該混合ガス中の蒸発燃料状態量を検出する前記検出手段が接続されているエバポ系を備え、
    前記制御手段は、前記パージ通路に設置されて前記混合ガスのパージ流量を開度により制御するパージ制御弁を有し、前回のパージ後において前記エバポ系の前記検出手段との接続箇所よりも下流側にて前記パージ通路に残存する前記混合ガスが前記パージ制御弁を通過している間、前記学習状態量に基づくパージ制御を継続することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記検出手段により検出される蒸発燃料状態量及び前記学習手段により学習される蒸発燃料量は、前記混合ガス中の蒸発燃料濃度であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記運転状態量は、前記内燃機関の燃料噴射量と、前記内燃機関の吸気流量と、前記内燃機関の排気空燃比とを含み、当該運転状態量に基づいて前記学習手段は、前記制御手段のパージ制御に従う流量にてパージされた前記混合ガス中の蒸発燃料状態量を学習することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記検出状態量に基づくパージ制御の実施後、前記学習手段により学習した蒸発燃料状態量に基づいてパージを制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記制御手段は、パージ制御に合わせて前記内燃機関の燃料噴射量を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
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