JP4647651B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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Description

本願発明は、プロジェクタ型の灯具ユニットを備えた車両用前照灯に関するものである。
従来より、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられた光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ向けて光軸寄りに集光反射させるリフレクタと、を備えてなるプロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯が知られている。
そして「特許文献1」には、このような車両用前照灯において、光源バルブが光軸の側方からリフレクタに挿入固定されるように構成された灯具ユニットを備えたものが記載されている。
実開平2−47704号公報
ところで、通常のプロジェクタ型の灯具ユニットは、構造上その前後長が長くなってしまうので、このような灯具ユニットを備えた車両用前照灯においては、その収容スペースを確保するためにランプボディ等の奥行き寸法を十分に確保する必要がある。
これに対し、「特許文献1」に記載されているように、光源バルブを光軸の側方からリフレクタに挿入固定するようにすれば、灯具ユニットの後方突出量を小さくして前後長を短くすることが可能となる。
しかしながら、「特許文献1」に記載された灯具ユニットにおいては、光源バルブが光軸と同一水平面上においてリフレクタに挿入固定されているので、次のような問題がある。
すなわち、プロジェクタ型の灯具ユニットにおいては、リフレクタの反射面における光軸側方領域が、配光パターンの拡散領域を形成するのに適しているが、光源バルブが光軸と同一水平面上においてリフレクタに挿入固定されている場合には、反射面の光軸側方領域に光源バルブの挿入固定用の孔が形成されることとなるので、該光軸側方領域を配光制御用として有効に利用することができず、このため配光パターンの拡散領域の明るさを十分に確保することが困難となってしまう、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により所定の配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、灯具ユニットの前後長を短くした上で、配光パターンの拡散領域の明るさを十分に確保することができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
本願発明は、光源バルブの配置に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられた光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ向けて上記光軸寄りに集光反射させるリフレクタと、を備えてなるプロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、
上記光源バルブが、上記光軸から下方に離れた位置において該光軸の側方から上記リフレクタに挿入固定されており、
上記リフレクタの反射面における光軸側方領域からの反射光により、上記配光パターンの拡散領域を形成するように構成されており、
上記リフレクタの反射面における上部反射領域が、拡散配光パターンを形成するための反射領域として設定されており、上記反射面における下部反射領域の左右方向中央領域が、集光配光パターンを形成するための反射領域として設定されている、ことを特徴とするものである。
上記「光源バルブ」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、放電バルブやハロゲンバルブ等が採用可能である。
上記「所定の配光パターン」は、特定の配光パターンに限定されるものではなく、例えば、ハイビーム用配光パターン、ロービーム用配光パターン、あるいはこれらの中間的な配光パターン等が採用可能である。
上記「光軸の側方」の概念に、光軸と直交する水平方向が含まれることはもちろんであるが、この光軸と直交する水平方向に対するずれが30°以下であれば、この範囲内の方向も上記「光軸の側方」の概念に含まれる。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、プロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により所定の配光パターンを形成するように構成されているが、その光源バルブが、投影レンズの光軸から下方に離れた位置において該光軸の側方からリフレクタに挿入固定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、光源バルブが、投影レンズの光軸の側方からリフレクタに挿入固定されているので、灯具ユニットの前後長を短くすることができる。
その際、光源バルブが、投影レンズの光軸から下方に離れた位置においてリフレクタに挿入固定されているので、リフレクタの反射面における光軸側方領域に光源バルブの挿入固定用の孔が形成されてしまうのを回避することができ、これにより該光軸側方領域を配光制御用として有効に利用することができる。したがって、この光軸側方領域からの反射光により配光パターンの拡散領域を形成することが可能となり、これにより該拡散領域に十分な明るさを確保することが可能となる。
このように本願発明によれば、プロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により所定の配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、灯具ユニットの前後長を短くした上で、配光パターンの拡散領域の明るさを十分に確保することができる。
上記構成において、投影レンズの光軸に対する光源バルブの下方変位量が特に限定されるものではないが、リフレクタの反射面における光軸近傍領域で反射した光源バルブからの光が該光源バルブによって遮蔽されてしまうのを未然に防止する観点からは、光源バルブの発光部の光軸からの下方変位量を10mm以上の値に設定することが好ましく、この下方変位量を15mm以上の値に設定することがより好ましい。一方、光源バルブからリフレクタの反射面への入射光束を十分に確保する観点からは、この下方変位量を30mm以下の値に設定することが好ましい。
ところで、プロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により、ロービーム用配光パターンを形成する場合には、投影レンズと光源バルブとの間に、リフレクタからの反射光の一部を遮蔽してロービーム用配光パターンの上端縁にカットオフラインを形成するためのシェードが設けられるが、本願発明においては、光源バルブのリフレクタに対する挿入固定が、光軸の下方において行われているので、リフレクタの反射面においてロービーム用配光パターンの形成に適した上部反射領域を十分に活用することができる。
この場合において、リフレクタの反射面における上部反射領域を、拡散配光パターンを形成するための反射領域として設定すれば、ロービーム用配光パターンに十分な左右拡散角を持たせることができ、また、リフレクタの反射面における下部反射領域において光源バルブの入射光束が比較的大きな値となる左右方向中央領域を、集光配光パターンを形成するための反射領域として設定すれば、ロービーム用配光パターンにおける高光度領域であるホットゾーンを容易に形成することができる。ここで、「拡散配光パターン」とは、相対的に拡散角の大きい配光パターンを意味するものであり、「集光配光パターン」とは、相対的に拡散角の小さい配光パターンを意味するものである。
なお、この場合において、光源バルブのリフレクタに対する挿入固定を、該光源バルブを水平方向に対して所定角度上向きに傾斜させた状態で行うようにすれば、リフレクタの反射面に形成される光源バルブの挿入固定用の孔の位置を下げることができるので、反射面における光軸側方領域を配光制御用としてより広く利用することができる。その際、上記「所定角度」の大きさは特に限定されるものではない。
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す側断面図である。
図示のように、この車両用前照灯10は、素通し状の透光カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に、灯具ユニット20がエイミング機構50を介して上下方向および左右方向に傾動可能に収容されるとともに、灯室内における灯具ユニット20の前端周縁部にエクステンションリフレクタ16が設けられてなっている。
図2、3および4は、灯具ユニット20を単品で示す正面図、側断面図および平断面図である。
これらの図にも示すように、この灯具ユニット20は、後述するようなロービーム用配光パターンを形成するための光照射を行うプロジェクタ型の灯具ユニットであって、光源バルブとしての放電バルブ22と、リフレクタ24と、ホルダ26と、投影レンズ28と、リテーニングリング30と、シェード32とを備えてなっている。
投影レンズ28は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置されている。この投影レンズ28は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸レンズからなり、その後方側焦点Foを含む焦点面上の像を反転像として前方へ投影するようになっている。上記光軸Axは、正確には水平方向に対して前方へ向けて0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びている。
放電バルブ22は、放電により発光する発光部22aを有するアークチューブユニット22Aと、このアークチューブユニット22Aを固定支持する絶縁プラグ22Bとからなるメタルハライドバルブであって、投影レンズ28の後方側焦点Foよりも後方側でかつ光軸Axから下方に離れた位置において、光軸Axの右側方からリフレクタ24に挿入固定されている。
このとき、放電バルブ22のバルブ軸Ax1は、投影レンズ28の光軸Axと直交する鉛直平面内において水平に延びている。その際、光軸Axに対するバルブ軸Ax1の下方変位量L1は、L1=20mm程度の値に設定されている。また、投影レンズ28の後方側焦点Foに対するバルブ軸Ax1の後方変位量L2は、L2=30mm程度の値に設定されている。
この放電バルブ22のリフレクタ24に対する挿入固定は、その発光部22aを光軸Axの鉛直下方に位置させるようにして行われている。そして、このようにしてリフレクタ24に挿入固定された放電バルブ22に対して、その絶縁プラグ22Bに給電用のソケット40が装着されるようになっている。
リフレクタ24は、放電バルブ22からの光を前方へ向けて光軸Ax寄りに集光反射させる反射面24aを有している。この反射面24aの下部右側領域には、絶縁プラグ22Bおよびソケット40に略沿った形状を有するバルブ挿入固定部24bが、反射面24aから突出するようにして形成されている。そして、このバルブ挿入固定部24bの左側面部には、放電バルブ22のアークチューブユニット22Aを反射面24aの前方側に突出させるとともにその絶縁プラグ22Bを位置決めするための挿入固定用の孔24cが形成されている。なお、リフレクタ24の外周部には、灯具ユニット20をエイミング機構50に支持させるための複数のブラケット24dが形成されている。
ホルダ26は、リフレクタ24の前端開口部から前方へ向けて延びるようにして筒状に形成されており、その後端部においてリフレクタ24に固定支持されるとともに、その前端部においてリテーニングリング30を介して投影レンズ28を固定支持している。
シェード32は、ホルダ26の内周側において該ホルダ26と一体的に形成されている。このシェード32は、投影レンズ28の後方側焦点Foにおいて、光軸Axと直交する鉛直面に対して左右両端部が投影レンズ28の焦点面に沿って前方側へ湾曲するように形成されている。その際、このシェード32の上端縁32aは、光軸Axの左側部分が水平方向に延びるように形成されており、光軸Axの右側部分が該光軸Axから水平方向に対して斜め下方に延びるように形成されている。これにより、シェード32は、リフレクタ24の反射面24aからの反射光の一部を遮蔽し、その上端縁32aの反転像としてロービーム用配光パターンの上端縁に水平および斜めカットオフラインを形成するようになっている。
図6は、灯具ユニット20からの光照射により灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLを透視的に示す図である。
このロービーム用配光パターンPLは、上述したように、その上端縁に水平および斜めカットオフラインCL1、CL2を有する左配光の配光パターンであって、両カットオフラインCL1、CL2の交点であるエルボ点Eの位置は、灯具正面方向の消点であるH−Vの0.5〜0.6°程度下方の位置に設定されている。そして、このロービーム用配光パターンPLにおいては、エルボ点Eの左側に高光度領域であるホットゾーンHZが形成されるようになっている。
このロービーム用配光パターンPLは、H−Vを通る鉛直線であるV−V線に関してその左右両側に大きく広がる拡散配光パターンP1と、V−V線の左右両側に小さく広がる集光配光パターンP2と、V−V線の左右両側に集光配光パターンP2よりも多少大きく広がる中間配光パターンP3と、ホットゾーンHZを形成するためのホットゾーン形成用配光パターンP4と、を重畳させた合成配光パターンとして形成されている。
図5は、灯具ユニット20のリフレクタ24を、放電バルブ22が挿入固定された状態で示す正面図である。
図示のように、このリフレクタ24の反射面24aは、光軸Axよりも上方側に位置する上部反射領域Z1が、拡散配光パターンP1を形成するための反射領域として設定されている。また、反射面24aにおける光軸Axよりも下方側に位置する下部反射領域は、その左右方向中央領域Z2が、集光配光パターンP2を形成するための反射領域として設定されており、その左側領域Z3が、中間配光パターンP3を形成するための反射領域として設定されている。さらに、左右方向中央領域Z2の左上コーナ領域Z4は、ホットゾーン形成用配光パターンP4を形成するための専用の反射領域として設定されている。
上部反射領域Z1ならびに下部反射領域の左右方向中央領域Z2および左側領域Z3は、各々滑らかな曲面で構成されているが、下部反射領域における左右方向中央領域Z2の左上コーナ領域Z4は、階段状に形成された2つの小曲面24sで構成されており、放電バルブ22からの光の反射方向を大きく変化させるようになっている。
図6において2点鎖線で示す配光パターンP4´は、仮に上記左上コーナ領域Z4の光反射方向を変化させずに左右方向中央領域Z2の他の部分と同様の曲面とした場合に、該左上コーナ領域Z4からの反射光によって形成される配光パターンである。本実施形態のように配光パターンP4´をホットゾーン形成用配光パターンP4の位置に移動させることにより、ロービーム用配光パターンPLにおける対向車線側領域が必要以上に明るくなってしまうのを防止した上で、ホットゾーンHZの明るさを十分に高めるようにしている。
反射面24aの下部反射領域における右側領域Z5にはバルブ挿入固定部24bが形成されているので、この右側領域Z5の大半は配光制御用として利用することができない。そこで、この右側領域Z5は、中間配光パターンP3を補助的に形成するための反射領域として設定されている。
なお、反射面24aの下部反射領域における下端縁近傍領域Z6は、該下端縁近傍領域Z6での反射光を投影レンズ28に入射させることが困難であるため、配光制御用としては利用されていない。
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、プロジェクタ型の灯具ユニット20からの光照射によりロービーム用配光パターンPLを形成するように構成されているが、その光源バルブである放電バルブ22が、投影レンズ28の光軸Axから下方に離れた位置において該光軸Axの側方からリフレクタ24に挿入固定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、放電バルブ22が投影レンズ28の光軸Axの側方からリフレクタ24に挿入固定されているので、灯具ユニット20の前後長を短くすることができる。具体的には、図1に示すように、灯具ユニット20は、同図において2点鎖線で示す通常の灯具ユニット120に比して、ソケット40が装着された状態で寸法L3の分だけ後方突出量を小さくすることができる。
また、放電バルブ22が投影レンズ28の光軸Axから下方に離れた位置においてリフレクタ24に挿入固定されているので、放電バルブ22の挿入固定用の孔24cがリフレクタ24の反射面24aにおける光軸側方領域に形成されてしまうのを回避することができ、これにより該光軸側方領域を配光制御用として有効に利用することができる。したがって、この光軸側方領域からの反射光によりロービーム用配光パターンPLの拡散領域を形成することが可能となり、これにより該拡散領域に十分な明るさを確保することが可能となる。
このように本実施形態によれば、プロジェクタ型の灯具ユニット20の前後長を短くした上で、該灯具ユニット20からの光照射により形成されるロービーム用配光パターンPLの拡散領域の明るさを十分に確保することができる。
その際、本実施形態においては、放電バルブ22のバルブ軸Ax1の、投影レンズ28の光軸Axに対する下方変位量が、20mm程度と比較的大きな値に設定されているので、リフレクタ24の反射面24aにおける光軸近傍領域で反射した放電バルブ22からの光が該放電バルブ22によって遮蔽されてしまうのを未然に防止することができる。
また本実施形態においては、投影レンズ28と放電バルブ22との間に設けられたシェード32の後方側に放電バルブ22が設けられているので、リフレクタ24の反射面24aにおいてロービーム用配光パターンPLの形成に適した上部反射領域Z1を十分に活用することができる。
さらに本実施形態においては、リフレクタ24の反射面24aにおいて光軸Axよりも上方側に位置する上部反射領域Z1が、拡散配光パターンP1を形成するための反射領域として設定されているので、ロービーム用配光パターンPLに十分な左右拡散角を持たせることができる。また、リフレクタ24の反射面24aにおける光軸Axよりも下方側に位置する下部反射領域において、放電バルブ22の入射光束が比較的大きな値となる左右方向中央領域Z2が、集光配光パターンP2を形成するための反射領域として設定されているので、ロービーム用配光パターンPLにおける高光度領域であるホットゾーンHZを容易に形成することができる。
特に本実施形態においては、左右方向中央領域Z2の左上コーナ領域Z4がホットゾーン形成用配光パターンP4を形成するための専用の反射領域として設定されているので、ホットゾーンHZを一層容易に形成することができる。しかもその際、ロービーム用配光パターンPLにおいて対向車線側に形成されるべき配光パターンP4´をホットゾーン形成用配光パターンP4の位置に移動させるように構成されているので、ロービーム用配光パターンPLにおける対向車線側領域が必要以上に明るくなってしまうのを防止した上で、ホットゾーンHZの明るさを十分に高めることができる。
また本実施形態においては、放電バルブ22の発光部22aが左右方向に延びるように配置されているので、リフレクタ24の反射面24aからの反射光によって仮想鉛直スクリーン上に形成される発光部22aの像を、横長の像として形成することができる。したがって、ロービーム用配光パターンPLを左右拡散角が大きい配光パターンとした場合においても、光ムラを発生させにくくすることができる。しかも、このように発光部22aの像が横長の像となるため、ホットゾーンHZをその上下幅が過大にならないように形成することができる。そしてこれにより、車両前方路面の近距離領域が必要以上に明るくなってしまうのを未然に防止して、遠方視認性を高めることができる。
なお本実施形態においては、放電バルブ22のバルブ軸Ax1の、投影レンズ28の光軸Axに対する下方変位量L1がL1=20mm程度の値に設定されるとともに、投影レンズ28の後方側焦点Foに対する後方変位量L2がL2=30mm程度の値に設定されているものとして説明したが、これら下方変位量L1および後方変位量L2の値として上記以外の値を採用することももちろん可能である。
次に上記実施形態の変形例について説明する。
図7は、本変形例に係るリフレクタ64を、放電バルブ22が挿入固定された状態で示す正面図である。
本変形例に係るリフレクタ64は、その基本的な構成は上記実施形態のリフレクタ24と同様であるが、放電バルブ22の挿入固定角度が上記実施形態とは異なっている。
すなわち、上記実施形態においては、放電バルブ22のリフレクタ24に対する挿入固定が、該放電バルブ22のバルブ軸Ax1を水平方向に配置した状態で行われているが、本変形例においては、放電バルブ22のリフレクタ64に対する挿入固定が、放電バルブ22のバルブ軸Ax1を水平方向に対して5°上向きに傾斜させた状態で行われるようになっている。その際、発光部22aの位置は、上記実施形態の場合と同様、光軸Axから20mm程度離れた鉛直下方に位置するように設定されている。
本変形例の構成を採用することにより、リフレクタ64の反射面64aに形成される放電バルブ22の挿入固定用の孔64cおよびバルブ挿入固定部64bの位置を下げることができるので、反射面64aにおける光軸側方領域を配光制御用としてより広く利用することができる。
なお、本変形例においては、放電バルブ22の上向き傾斜角度が5°に設定されているが、これ以外の値に設定された構成とすることももちろん可能である。ただし、放電バルブ22は、そのバルブ軸Ax1を水平方向に対して大きく傾斜させると、放電発光が正常に行われにくくなるので、15°程度以下の値に設定することが好ましい。
本変形例のように放電バルブ22のバルブ軸Ax1を斜め上向きに設定する代わりに、これを斜め前向きに設定することによっても、反射面64aにおける光軸側方領域を配光制御用としてより広く利用することが可能となる。その際、放電バルブ22のバルブ軸Ax1を斜め上向きに設定するとともに斜め前向きに設定するようにすれば、反射面64aにおける光軸側方領域を配光制御用としてさらに広く利用することが可能となる。
本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す側断面図 上記車両用前照灯の灯具ユニットを単品で示す正面図 上記灯具ユニットを単品で示す側断面図 上記灯具ユニットを単品で示す平断面図 上記灯具ユニットのリフレクタを、放電バルブが挿入固定された状態で示す正面 上記灯具ユニットからの光照射により灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンを透視的に示す図 上記実施形態の変形例を示す、図5と同様の図
符号の説明
10 車両用前照灯
12 透光カバー
14 ランプボディ
16 エクステンションリフレクタ
20 プロジェクタ型の灯具ユニット
22 放電バルブ
22A アークチューブユニット
22B 絶縁プラグ
22a 発光部
24、64 リフレクタ
24a、64a 反射面
24b、64b バルブ挿入固定部
24c、64c 挿入固定用の孔
24d ブラケット
26 ホルダ
28 投影レンズ
30 リテーニングリング
32 シェード
32a 上端縁
40 ソケット
50 エイミング機構
Ax 光軸
Ax1 バルブ軸
CL1 水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
Fo 後方側焦点
HZ ホットゾーン
L1 下方変位量
L2 後方変位量
PL ロービーム用配光パターン
P1 拡散配光パターン
P2 集光配光パターン
P3 中間配光パターン
P4 ホットゾーン形成用配光パターン
Z1 上部反射領域
Z2 下部反射領域の左右方向中央領域
Z3 下部反射領域の左側領域
Z4 左右方向中央領域の左上コーナ領域
Z5 下部反射領域の右側領域
Z6 下部反射領域の下端縁近傍領域

Claims (3)

  1. 車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方側焦点よりも後方側に設けられた光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ向けて上記光軸寄りに集光反射させるリフレクタと、を備えてなるプロジェクタ型の灯具ユニットからの光照射により、所定の配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、
    上記光源バルブが、上記光軸から下方に離れた位置において該光軸の側方から上記リフレクタに挿入固定されており、
    上記リフレクタの反射面における光軸側方領域からの反射光により、上記配光パターンの拡散領域を形成するように構成されており、
    上記リフレクタの反射面における上部反射領域が、拡散配光パターンを形成するための反射領域として設定されており、上記反射面における下部反射領域の左右方向中央領域が、集光配光パターンを形成するための反射領域として設定されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 上記光源バルブの発光部の上記光軸からの下方変位量が、10mm以上の値に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
  3. 上記光源バルブの上記リフレクタに対する挿入固定が、該光源バルブを水平方向に対して所定角度上向きに傾斜させた状態で行われている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
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