JP4647316B2 - 処理装置および処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハやフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等の被処理体に対して、洗浄処理、エッチング処理等の所定の処理を行うための処理装置および処理方法に関する。
半導体装置の製造過程では、半導体ウエハ等の基板を洗浄するため、薬液やリンス液などを用いて洗浄処理が行なわれる。洗浄処理は、洗浄装置の処理室内に基板を収容した状態で薬液を導入し、薬液を基板に接触させることによって洗浄を行い、洗浄後は、同じ処理室内に純水などを導入してリンス処理を行ない、さらに、乾燥用気体を導入して乾燥処理を行なう一連の工程により実施される。
このような洗浄処理に用いる洗浄装置の一形態として、上部が大気開放状態となっており、この部分から洗浄液をオーバーフローさせることで洗浄液を排出するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1)。しかし、このような方式の洗浄装置では、洗浄が終了した後、乾燥前に基板に洗浄液が付着した状態で外気と接触させることになるため、基板表面における自然酸化膜の発生や不純物汚染などの問題が生じる。
上記問題を回避するため、洗浄装置を密閉構造にすることも考えられるが、処理室内に洗浄液を完全に充満させた状態では、洗浄液の流量変化が生じた場合に、処理室内圧力の急激な変動が起こり、洗浄装置の故障を引き起こしたり、洗浄液の流れが変わって洗浄ムラが生じ、基板へ悪影響を与えたりすることが懸念される。
特開平10−83981号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされてものであり、非開放系で外気との接触を防止したまま被処理体に対して洗浄等の処理を実施可能で、かつ急激な流量変動が生じた場合でもその影響を低減できる処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点によれば、所定の処理液を用いて被処理体を処理する処理装置であって、
実質的に密閉状態で内部に前記被処理体を配置する主室を有する処理チャンバと、
前記主室の前記被処理体の配置位置の上方より外側に設けられ、前記処理チャンバ内の圧力変動を緩和する圧力調整室と、
前記処理チャンバに前記処理液を供給する処理液供給手段と、
前記処理チャンバに気体を供給する気体供給手段と、
前記主室に設けられた、前記主室に前記処理液を導入する処理液導入口と、
前記主室に設けられた、前記主室から前記処理液を排出する処理液排出口と、
前記圧力調整室の上部に設けられ、前記圧力調整室に前記気体を導入する気体導入口と、
前記圧力調整室に設けられ、前記圧力調整室から前記処理液及び前記気体を排出する気液排出口と、
を具備しており、
前記圧力調整室は前記主室に対し小さな容積で形成され、その下部において前記主室と連通され、前記圧力調整室の前記気液排出口の位置より上をガススペースとして区画し、前記ガススペースに前記気体を導入し、前記処理液の液面の上昇を前記ガススペースで吸収することを特徴とする、処理装置が提供される。
上記第1の観点の処理装置は、前記圧力調整室の前記気液排出口の位置より上がガススペースとして区画されている。気体は圧縮性流体であるため、気体を流通させつつ一定時間保持できるガススペースを設けることによって、処理液の流量変化などに起因する圧力変動を緩和できる。つまり、非圧縮性流体である液体を処理チャンバ内に充満させた状態では突然の流量変化によって処理チャンバからの液漏れを生じたり、被処理体に損傷を与えたりする場合があるが、処理チャンバ内に圧縮性のある気体を存在させることによって、圧力変動を抑え、安定した処理を行なうことができる。
また、前記圧力調整室は、被処理体の配置位置の上方より外側に設けられている。これにより、圧力調整室に薬液が残留した場合でも、残留薬液はチャンバ壁伝いに流れ落ちて被処理体への液だれを確実に防止できる
また、前記気液排出口は、前記圧力調整室における処理時の気液界面に位置するように設けることができる。
また、前記処理液導入口として、前記処理チャンバの下部に設けられた主導入口と、該主導入口よりも上方に設けられた副導入口を備えることが好ましい。複数箇所から処理液を導入することで、処理液の流れの偏りを防ぎ、洗浄等の効率を高めることができる。なお、主導入口と副導入口はそれぞれ1ないし複数設けることができる。
また、前記処理チャンバは、複数の棒状体を有する着脱自在な壁体により封止されるとともに、前記壁体は、前記処理チャンバに装着された状態では、前記複数の棒状体により処理チャンバ内で被処理体を支持することが好ましい。
この場合、前記棒状体には、所定のピッチで溝部が形成されており、複数の棒状体の前記溝部に、板状の被処理体の側部を嵌合させることにより、所定の間隔で並列的に複数の被処理体を支持するように構成されていてもよい。これにより、棒状体のピッチに応じて被処理体間に流路を形成することができる。
さらに、前記壁体が前記処理チャンバに装着された状態で、前記壁体に最も近接して配置される被処理体と該壁体との間隔、および前記壁体に対向する前記処理チャンバの内壁面に最も近接して配置される被処理体と該内壁面との間隔が、いずれも前記被処理体どうしの間隔と略同等であることが好ましい。これにより、流体流路としての被処理体間の圧力損失と処理チャンバ内壁面付近の流路の圧力損失がほぼ同等になり、処理チャンバ内の処理液の流れを整え、均等に配分することができる。
また、前記壁体には、被処理体を搬送する搬送ロボットとの係合部が設けられており、前記処理チャンバから取外された状態では、処理チャンバに被処理体を搬入出するホルダーとして機能させてもよい。このように、前記壁体を搬送系と処理チャンバの両方で用いるようにすることによって、処理チャンバを封止するための蓋体と搬入出ホルダーを別々に配備する必要がなくなるので、装置の小型化が可能になり、フットプリントを縮小することができる。
また、前記処理液導入口と前記気液排出口とを、前記処理チャンバの同じ側に設けることが好ましい。このように、処理液導入口や気液排出口を同じ側に集中して配備することにより、処理チャンバの周囲を有効に活用することが可能となり、例えば前記処理チャンバが円筒状である場合、その円筒部の壁に、前記被処理体を囲むように、超音波発生手段を設けることも可能になる。
また、前記気液排出口には、処理液の排出量を制御する排出液量制御手段を具備した処理液排出手段が接続されており、前記排出液量制御手段により処理液の排出量を制御することにより前記圧力調整室内の処理液の液量を制御する構成としてもよい。この場合、前記処理液供給手段は、処理液として、少なくとも薬液とリンス液を別々に供給できるように構成されており、前記排出液量制御手段は、前記圧力調整室内におけるリンス液供給時の前記リンス液の液量が、薬液供給時の前記薬液の液量より多くなるように制御するものであることが好ましい。これによって、圧力調整室内をリンス液によって簡単にクリーニングすることが可能になり、残留薬液による汚染を防止できる。
本発明の第2の観点によれば、前記第1の観点に係る処理装置を用いた被処理体を処理する処理方法であって、
前記処理チャンバの主室内に被処理体を搬入する工程と、
前記処理チャンバを実質的に密閉する工程と、
前記処理チャンバの主室及び圧力調整室に処理液を供給して被処理体を処理する液処理工程と、
を含み、
前記液処理工程で前記圧力調整室内に気液界面を維持し、前記圧力調整室に区画されたガススペースに気体を流通させることにより、前記処理チャンバ内における圧力変動を緩和するようにしたことを特徴とする、処理方法が提供される。
第2の観点の処理方法において、前記液処理工程は、薬液により被処理体を洗浄処理する洗浄工程と、リンス液により被処理体を処理するリンス工程と、を有し、
前記リンス工程では、一時的に、または該リンス工程全体にわたって、前記圧力調整室内の気液界面の位置を前記洗浄工程における気液界面の位置よりも上昇させることにより、前記圧力調整室内をクリーニングするものであることが好ましい。
また、本発明の第3の観点によれば、コンピュータ上で動作し、実行時に、上記第2の観点の処理方法が行なわれるように、上記第1の観点に係る処理装置を制御することを特徴とする、制御プログラムが提供される。
また、本発明の第4の観点によれば、コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、上記第2の観点の処理方法が行なわれるように、上記第1の観点に係る処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、処理装置の処理チャンバに圧力調整室を備えたので、実質的に密閉状態で半導体ウエハなどの被処理体に対して洗浄等の処理を行なう場合に、急激な流量変化などによるチャンバ内部の圧力変動を緩和し、チャンバからの液漏れや被処理体への悪影響を回避できる。また、密閉状態での処理を安定的に行なうことができるので、外気との接触に起因する被処理体表面の酸化膜の形成や不純物汚染などを防止できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、被処理体としての半導体ウエハを洗浄する洗浄処理装置を例に挙げることとする。図1に洗浄処理装置100の概略構造を示す斜視図を、図2に洗浄処理装置100の概略構造を示す平面図を、それぞれ示す。
洗浄処理装置100は、ウエハWが収容されたキャリアCを載置するためのキャリア載置部1と、ウエハWに所定の洗浄液(例えばフッ酸水溶液やAPM薬液、純水等)を供給してウエハWを洗浄するチャンバ21を備え、チャンバ21において使用する各種洗浄液の貯留,送液,回収を行う洗浄処理部2と、キャリア載置部1とチャンバ21との間でウエハWの搬送を行うためのウエハ搬送部3と、洗浄処理装置100に備えられた各種電装品を駆動するための配電設備やスイッチングレギュレータ等を備えた電源制御部4と、を有している。
また洗浄処理装置100は、洗浄処理条件の設定(レシピ選択)や洗浄処理の開始/停止を行い、また洗浄処理の進行をモニタするための制御盤80を備えている(図1にのみ図示)。この制御盤80は、洗浄処理装置100の正面や側面に取り付けてもよいし、洗浄処理装置100から離れた位置に配置してもよい。
制御盤80は、例えば、CPUを備えたプロセスコントローラ81と、工程管理者が洗浄処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや洗浄処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース82と、洗浄処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ81の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部83とを具備している。プロセスコントローラ81は、ユーザーインターフェース82および記憶部83との間で各種の信号やデータの交換が可能なように接続されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース82からの指示等にて任意のレシピを記憶部83から呼び出してプロセスコントローラ81に実行させることで、プロセスコントローラ81の制御下で、洗浄処理装置100での所望の処理が行われる。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどに格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
キャリアCには、複数(例えば、26枚)のウエハWが略水平姿勢で鉛直方向(Z方向)に一定の間隔(例えば、10mm間隔)で収容されている。キャリア載置部1には、2個のキャリアCをY方向に並べて載置する載置台11が設けられており、ウエハ搬送部3側の垂直パネルには、キャリアCの載置位置に合わせて、シャッタ12a,12bによってそれぞれ開閉自在なウエハ搬入出口13a,13bが形成されている。キャリアCに対するウエハWの搬入出はキャリアCの一側面を通して行われ、この搬入出面には係脱可能な蓋(図示せず)が取り付けられている。キャリアCは、この蓋がウエハ搬入出口13a,13bにフィットするように載置台11に載置される。
シャッタ12aにはキャリアCの蓋を把持する把持機構15が設けられている。把持機構15によってシャッタ12aがキャリアCの蓋を把持した状態で、シャッタ12aをウエハ搬送部3側に後退、降下させることにより、ウエハ搬入出口13aを開口することができるようになっている。シャッタ12bはシャッタ12aと同じ構造を有している。
ウエハ搬送部3の基台3aには、キャリアCとチャンバ21との間でウエハWを搬送するための1台の多関節構造を有する多機能ロボット31(以下「ロボット31」と記す)が配設されている。また、ウエハ搬送部3の天井部には、ウエハ搬送部3に清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルタユニット(FFU)が装備されている。
さらに、ウエハ搬送部3は、チャンバ21に対して複数(例えば、キャリアCの収容枚数と同じ26枚)のウエハWを一括して搬入出するために所定間隔(例えば、3mm)で平行に保持する2のホルダー32a・32bと、各ホルダー32a,32bを載置するためのホルダー載置ステージ33a,33bと、キャリアCおよび各ホルダー32a,32bに対してウエハWを1枚ずつ搬入出するために1枚のウエハWを保持する2枚の搬送ピック34a,34bと、各搬送ピック34a,34bを載置するためのピック載置ステージ35a,35bと、キャリアCおよび各ホルダー32a,32bにおけるウエハWの収容状態(例えば、枚数、ウエハWの抜け、斜め挿入等の異常等)を検査するための検査用ハンド36a,36bと、各検査用ハンド36a,36bを載置するためのハンド載置ステージ37a,37bと、ホルダー32a,32bに収容するウエハWの数を調整するためのダミーウエハWが収容されたダミーウエハ収容部40と、を備えている。
なお、各ピック載置ステージ35a,35bは、図2に示す搬送ピック34a,34bのそれぞれ下に配置されており、各ハンド載置ステージ37a,37bは図2に示す検査用ハンド36a,36bのそれぞれ下に配置されているが、これらは図1および図2には図示されておらず、後に図5,6を参照しながら説明することとする。また、ホルダー載置ステージ33a,33bは、ウエハ搬送部3内のウエハ搬入出口13a・13bの上側に配設されているが、これも図1および図2には図示されておらず、後に図7を参照しながら説明することとする。
図3にロボット31の概略構造を示す斜視図を示す。このロボット31は、一般的に垂直多関節型6軸ロボットと呼ばれているものであり、図中の矢印A〜Aの回転動作を組み合わせることによって、人の手・腕に近い動きを行うことができる構造を有している。ロボット31の先端には、ホルダー32a,32b、搬送ピック34a,34b、検査用ハンド36a,36bを個々に係脱するための係脱部60が取り付けられており、ホルダー32a,32b、搬送ピック34a,34b、検査用ハンド36a,36bにはそれぞれ、ロボット31の係脱部60と対をなす係合部63(後に示す図5〜7参照)が設けられている。
図4に係脱部60と係合部63の概略構造とこれらの係脱状態を示す断面図を示す。係脱部60は、係合部63に設けられた係合凹部63a内に挿入される挿入凸部60aを有しており、その挿入凸部60aには係合凹部63a内に横設されたロックピン63bに係合する垂直方向に回転可能なロックカム60bが設けられている。このロックカム60bには中心方向に向かって延びる長孔60cが設けられ、この長孔60c内に回転および摺動自在に係合するピン60dが設けられている。また、係脱部60はエアシリンダ等の伸縮機構により動作するピストンロッド61aを備えており、ロックカム60bはピン60dを介してピストンロッド61aの先端部に連結されている。
ピストンロッド61aの基端には、その先端側よりも外径の長い鍔部61cが形成されており、ピストンロッド61aを収容する筒体61bの内端部とピストンロッド61aの鍔部61cとの間には、ロックカム60bの位置を安定させるためのスプリング60eが設けられている。また、ピストンロッド61aは、係脱部60の挿入凸部60aの基部側に露呈された近接センサ62が、係合部63と係脱部60の近接を確認した後に作動されるようになっている。
例えば、このように構成される係脱部60を備えたロボット31と、係合部63を備えた検査用ハンド36aとを係合させるには、最初に図4(a)に示すように、ピストンロッド61aを係脱部60の先端側に位置させてスプリング60eを縮ませ、係脱部60を係合部63側に移動させてもロックカム60bがロックピン63bに接触しない状態とする。続いて図4(b)に示すように、係合部63の係合凹部63a内に挿入凸部60aが挿入されるように、ロボット31を駆動する。そして、係合凹部63a内の所定位置まで挿入凸部60aが挿入されたことを近接センサ58の信号によって確認した後、次に図4(c)に示すように、スプリング60eが伸びるようにピストンロッド61aを後退させて、ロックカム60bを回転させてロックピン63bに係合させる。これにより、ロボット31と検査用ハンド36aとが係合された状態となる。これらの係合を解く順序は、これらを係合させた順序の逆を行えばよい。
検査用ハンド36a,36bは同じ構造を有し、ハンド載置ステージ37a,37bは同じ構造を有しているので、図5に検査用ハンド36aとハンド載置ステージ37aの概略構造を示す斜視図を示し、これらを例に説明する。検査用ハンド36aの基端部には上述した係合部63が設けられており、二股に分かれた先端部には発光素子39aと受光素子39bとからなるセンサ39が設けられている。また、検査用ハンド36aには、センサ39のオペレーションに関わるケーブル39cが付属しており、検査用ハンド36aをウエハ搬送部3内で移動させることによるケーブル39cの絡み等の発生を防止すべく、ハンド載置ステージ37aはウエハ搬入出口13aに近接した位置に設けられている(図1,図2参照)。
ロボット31がハンド載置ステージ37aにおいて確実に検査用ハンド36aを係脱するために、検査用ハンド36aは常にハンド載置ステージ37aの一定の位置に載置されなければならない。そのため、ハンド載置ステージ37aには、検査用ハンド36aの位置を確認するための位置確認センサ38aが設けられている。
この検査用ハンド36aによるキャリアCに収容されたウエハWの検査方法は、概略、次の通りである。すなわち、ロボット31は検査用ハンド36aを係合した状態で、例えば、検査用ハンド36aをキャリアCに収容された最下端のウエハWの僅かに下側に、その後に検査用ハンド36aを鉛直に(Z方向に)上昇させた際にウエハWに接触しないように、近接させる。発光素子39aを点灯させると、この状態では、発光素子39aと受光素子39bの間の光路には障害物がないために、受光素子39bから受光状態を示す信号が得られる。次に、検査用ハンド36aを一定の速度で下から上に向けてスキャンさせると、ウエハWの端部によって発光素子39aと受光素子39bの間の光路が遮られるために、キャリアCにおけるウエハWの収容状態が良好であれば、受光素子39bから受光状態と遮光状態とが一定の周期で現れる検出信号が得られ、この検出信号からウエハWの位置と数を確認することができる。
また、例えば、ウエハWに抜けがあった場合(ジャンプスロット)には受光状態の時間幅が長い信号部分が得られ、ウエハWが斜めに挿入されている場合には通常よりも遮光状態の時間幅が長い信号部分が得られる。勿論、このような検査用ハンド36aのスキャンは上から下に向かって行ってもよい。ジャンプスロットや斜め状態での収容等の収容異常が検出された場合には、警報(光、音、制御盤80でのディスプレイ表示)を発令し、洗浄処理装置100のオペレータがこのような異常に対して、適宜、対処する構成とすることも好ましい。
洗浄処理装置100では、キャリアCにおけるウエハWの収容状態を検査するためのセンサ装置を各ウエハ搬入出口13a・13bの近くに固定して設けないために、その設置スペースを省くことができる。また、各ホルダー32a,32bにおけるウエハWの収容状態を検査するためのセンサ装置を設ける必要もなくなるので、装置コストを低く抑えることもできる。
搬送ピック34a,34bは同じ構造を有し、ピック載置ステージ35a,35bは同じ構造を有しているので、図6(a)に搬送ピック34aとピック載置ステージ35aの概略構造を示す斜視図を示し、これらを例に説明する。搬送ピック34aには、ウエハWを把持するために、例えば4個の把持ピン65a,65b,65c,65dが取り付けられている。これら把持ピン65a〜65dはそれぞれ、図6(b)の斜視図に示すように、円柱部材の長さ方向中心にその外径が上下端部よりも短くなるような絞り(くびれ)が形成された構造を有しており、この絞りの部分でウエハWを把持する。
把持ピン65a,65bは搬送ピック34aの本体に固定されており、把持ピン65c,65dはそれぞれ把持ピン65a,65bに対して図示しない移動機構により接近/後退できるように搬送ピック34aの本体に取り付けられている。把持ピン65a〜65dの高さは、搬送ピック34aをキャリアC内に収容されたウエハWどうしの隙間に挿入することができる厚みとする必要があるため、例えば、キャリアC内でウエハWどうしの間隔が10mmであり、搬送ピック34a本体の厚みが3mmの場合には、1.5〜2.0mmとすることが好ましい。
ロボット31がピック載置ステージ35aにおいて確実に搬送ピック34aを係脱するために、搬送ピック34aは常にピック載置ステージ35aの一定の位置に載置されなければならない。そのため、ピック載置ステージ35aには、搬送ピック34aの位置を確認するための位置確認センサ38bが設けられている。なお、搬送ピック34aをキャリアCに収容されたウエハWを搬出するために用い、搬送ピック34bをチャンバ21での処理が終了したウエハWをキャリアCに搬入するために用いると、洗浄処理前のウエハWに付着したパーティクル等が搬送ピックに転写され、これがさらに洗浄処理が終了したウエハWへ転写されることを防止することができる。
キャリアCからのウエハWの搬出方法には、以下に説明する第1の搬出方法と第2の搬出方法がある。第1の搬出方法では、まず搬送ピック34aをウエハWの下側に挿入し、次いで把持ピン65a〜65dの絞り部がウエハWの真横に位置するように、搬送ピック34aを上昇させる。このとき把持ピン65a〜65dがウエハWに接触しないように、把持ピン65c,65dを基部側(係合部63側)にスライドさせておく。続いて、把持ピン65a,65bの絞り部にウエハWの端面が当接するように、搬送ピック34aを基部側に少し引く。そして把持ピン65c,65dの絞り部にウエハWの端面が当接するように、把持ピン65c,65dをウエハW側にスライドさせる。こうして把持ピン65a〜65dにウエハWが把持されたら、ウエハWをキャリアC内に収容するためにキャリアCの内壁に設けられた棚とウエハWとが摺れないように、搬送ピック34aの高さを調整して、キャリアCから搬送ピック34aを引き出す。
一般的にウエハWは、その主面を上に(裏面を下に)向けてキャリアCに収容されているので、この第1の搬出方法では、ウエハWの裏面が搬送ピック34a本体に対面するように、ウエハWが搬送ピック34aに保持される。
キャリアCに収容されたウエハWを搬出する第2の搬出方法は、ロボット31が図3に示すロボット31の矢印A4による動きによって係合した搬送ピック34aを反転させることができるという特徴を利用する。すなわち、(1)把持ピン65a〜65dが搬送ピック34a本体の下側に位置するように搬送ピック34aを反転させ、(2)搬送ピック34aを取り出すウエハWの上側に挿入し、(3)把持ピン65a〜65dの絞り部がウエハWの真横に位置するように搬送ピック34aを降下させ、(4)把持ピン65a,65bの絞り部にウエハWの端面を当接させ、(5)把持ピン65c,65dの絞り部をウエハWの端面に当接させ、(6)搬送ピック34aをキャリアCから引き出す、という手順で行われる。この第2の搬出方法では、ウエハWの主面が搬送ピック34a本体に対面するように、ウエハWが搬送ピック34aに保持される。図6(c)に、この第2の搬出方法によってウエハWがキャリアCから搬出された状態を示す。
このような第1の搬出方法または第2の搬出方法の逆操作を行うことによって、洗浄処理が終了したウエハWをキャリアCに搬入することができるが、前述したように、キャリアC内ではウエハWはその主面が上を向くように収容する必要があるので、キャリアCへのウエハWの搬入方法は、キャリアCからのウエハWの搬出方法を考慮して決定する。
ホルダー32a,32bは同じ構造を有し、ホルダー載置ステージ33a,33bは同じ構造を有しているので、図7(a)にホルダー32aの概略構造を示す斜視図を示し、図7(b),(c)にホルダー載置ステージ33aの概略構造を示す側面図および裏面図を示し、これらを例に説明する。ホルダー32aは、ベースプレート66と、ベースプレート66上に起立して設けられた把持棒67a,67b,67c,67dと、ベースプレート66の裏面に設けられた係合部63と、を有している。
また、把持棒67a〜67dは、ベースプレート66から突設されており、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐食性、耐薬品性に優れた材質で構成されている。各把持棒67a〜67dには、ウエハWの周縁を挟み込むための溝68が、隣接するウエハWどうしの隙間幅(面間隔)が例えば2〜3mmとなるように、一定の間隔で形成されている。このようにホルダー32aにウエハWを狭い隙間幅で収容することで、チャンバ21(後に説明する)を小型化し、洗浄液の使用量を低減できるとともに、洗浄処理装置100のフットプリントを小さくすることができる。また、ウエハWどうしの小さな隙間は洗浄液の流路となるので、ウエハWを等間隔に配置することにより、洗浄液の流通量と流通速度を均等にすることが可能になり、洗浄液の滞留や洗浄ムラなどを防止して効率的な洗浄が可能になる。
ホルダー載置ステージ33aには、ロボット31の係脱部60とホルダー32aの係合部63とが係合した状態で、ホルダー載置ステージ33aに対して搬入出できるように、係合部63の大きさに合わせた切り込み69が形成されている。また、ホルダー載置ステージ33aは、把持棒67a側が低く、ウエハWの搬入出側が高くなるように、水平面に対して所定角度(例えば、10度)傾斜して配設されている。これにより、ホルダー32aからのウエハWの落下を防止することができる。ホルダー載置ステージ33aにおけるホルダー32aの載置位置は、例えば、ホルダー載置ステージ33aに設けられたストッパ64によって、一定とされる。ピック載置ステージ35a等と同様に、ホルダー載置ステージ33aに、ホルダー32aの載置位置を決めるための位置確認センサを設けることも好ましい。
上述したようにホルダー32aにおけるウエハWの収容間隔が狭いために、ホルダー32aへのウエハWの搬入は、ベースプレート66側から逐次行う。そのためには、ウエハWを保持した搬送ピック34aのアクセスを搬送ピック34a本体の下側にウエハWが把持されている状態で行う必要がある。搬送ピック34aによってキャリアCからウエハWを搬出するために前述した第1の搬出方法を用いた場合には、キャリアCからウエハWが搬出された後に、ウエハWが搬送ピック34a本体の下側に位置するように、搬送ピック34aを反転させて、先に図6(c)に示した状態とする。
この状態で把持棒67a〜67dに形成された溝68にウエハWが把持されるように、把持棒67a〜67dの長手方向と垂直な方向から搬送ピック34aをホルダー32aにアクセスさせる。続いて、把持ピン65c,65dを搬送ピック34aの基部側(係合部63側)にスライドさせてウエハWと離間させ、把持ピン65a,65bがウエハWと離間するように搬送ピック34aをストッパ64側にスライドさせ、搬送ピック34aを上昇させてホルダー32aから待避させる。これによりウエハWがホルダー32aに保持される。
キャリアCに実際に収容されているウエハWの枚数がキャリアCに収容できる定数に達していない場合に、ベースプレート66側から逐次ウエハWが収容されたホルダー32aをチャンバ21に収容すると、把持棒67a〜67dの先端側にウエハWどうしの隙間よりも広い空間ができるため、ベースプレート66側のウエハWと把持棒67a〜67dの先端側のウエハWとで洗浄状態に差が生ずるおそれがある。そこで、常にホルダー32aに収容されるウエハWの数が一定となるように、不足した数のダミーウエハWがダミーウエハ収容部40からホルダー32aに搬入される。
このダミーウエハ収容部40は、例えば、キャリアCと同じ構造とすることができる。ダミーウエハ収容部40へのダミーウエハWの収容は、ダミーウエハWが収容されたキャリアCを載置台11に載置し、そのキャリアCからダミーウエハ収容部40へウエハWを搬送するように、制御盤80から指令を与えることによって行われる。図1ではダミーウエハ収容部40を基台3a上に設けたが、これに限定されるものでなく、ロボット31の稼働範囲内であれば、例えば、ホルダー載置ステージ33a等と同様に、ウエハ搬送部3内の上側に設けてもよい。
ホルダー載置ステージ33a,33bとチャンバ21との間でのウエハWの搬送は、図8に示すように、把持棒67a〜67dによって所定枚数のウエハWを把持した状態のホルダー32aまたは32bと個々に係合したロボット31により行われる。なお、図8では、ウエハWは最も外側(把持棒67a〜67dの先端側)の1枚のみ図示している。このように、洗浄処理装置100では、キャリアCとチャンバ21との間のウエハWの搬送を1台のロボット31で行うために、ウエハ搬送部3のフットプリントを小さくすることができる。
図9に、ホルダー32aをチャンバ21に装着した状態の断面図を示す。チャンバ21は、略円筒形状をしており、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの耐食性および耐薬品性に優れた合成樹脂等の材質で構成されている。そして、チャンバ21のウエハ搬送部3に面する側は開放されており、ホルダー32aまたは32bに支持されたウエハWを搬入出するための窓21aが形成されている。図9ではこの窓21aを塞ぐようにホルダー32aが取付けられている。
また、チャンバ21の上部には、圧力調整室21fが設けられており、その上部は、圧力変動緩和のためのガススペース24を形成している。ガススペース24の上方にはガス導入口29が、中段には排気と排液を共通して行なう気液排出口28が設けられている。また、チャンバ21のベースプレート66と対向する壁部21bには、洗浄液を供給するための配管に接続された、液体導入口が複数箇所に設けられている(図10参照)。なお、図9では、チャンバ21内への各種洗浄液の供給形態を簡略化して矢印で示している。
ホルダー32a(または32b)のベースプレート66は、材質の異なる2つの部材を貼り合せた構造をしている。ベースプレート66の内側部材66bには、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐食性、耐薬品性に優れる合成樹脂等の材料が用いられ、ベースプレート66の外側部材66aには、内側部材66bを補強するために、ステンレス等の金属材料が好適に用いられる。
ベースプレート66を構成する内側部材66bの周部には、段差が設けられており、小径部66cと大径部66dを形成している。図9に示すように、ホルダー32aを窓21aに向けてチャンバ21へ押し当てることにより、小径部66cはチャンバ21の内部に挿入される。一方、内側部材66bの大径部66dは、窓21aの内側には挿入されず、あたかも蓋のように窓21aを塞ぐ。内側部材66bの大径部66dと小径部66cとの段差面にはOリング22が配設されているので、チャンバ21の端部との気密性が確保される。
また、ベースプレート66の内側部材66bの大径部66dの側面(周部)には、図9に示すようにチャンバ21に装着した状態で内側から外側へ向かうに従って直径が短くなるように傾斜が設けられている。つまり、内側部材66bの大径部66dはテーパ状に形成されている。そして、把持棒67a〜67dに把持されたウエハWをチャンバ21内に挿入した状態において、ベースプレート66の内側部材66bの大径部66dの側面を囲うように、チャンバ21にエアグリップリング23が設けられている。
エアグリンプリング23は、環状の弾性部23aの内部にガスを導入することによって、これを膨張させてホルダー32aを固定する役割を果たす。チャンバ21に対する各ホルダー32aの脱着は、エアグリップリング23の弾性部23aを膨張させていない状態で行われる。そして、ロボット31がホルダー32aをチャンバ21側に所定の力で押し当てた状態で、エアグリップリング23の弾性部23aを膨張させると、ベースプレート66の大径部66dの側面の傾斜に起因して、ベースプレート66がチャンバ21側に押し込まれ、Oリング22がチャンバ21の壁面に密着して窓21aが閉塞される。このようにして、ホルダー32aがチャンバ21に装着された状態となる。ホルダー32aがチャンバ21に装着された後に、ロボット31は係脱部60(図9には示さず)と係合部63との係合を解くことができる。なお、図9ではエアグリップリング23を膨張させていない状態を示している。
このように、洗浄処理装置100では、ホルダー32a(または32b)のベースプレート66を、チャンバ21を封止する壁体として利用するので、チャンバ21の窓21aを封止するための専用の蓋とその移動機構を設ける必要がないために、装置構造がシンプルになる。また、エアグリップリング23によってホルダー32aがチャンバ21に装着された状態では、ロボット31はフリーになるので、その間にキャリアCにおけるウエハWの収容状態確認や、キャリアCからの別のホルダー32bへのウエハWの搬送等の作業を行うことができるようになる。
図10は、チャンバ21をウエハ搬送部3とは反対側(つまり、背面側)から観た状態の模式図であり、洗浄液の導入口の配置を示すものである。なお、図10では、説明のため、チャンバ21内に配置されたウエハWを二点鎖線で、把持棒67a〜67dおよびチャンバ21の内壁面21cを破線で示している。
図10において二点鎖線で示すように、ウエハWは、把持棒67a〜67dによって4カ所から支持されて配置されている。ウエハWの周囲、すなわち、ウエハWの周縁とチャンバ21の内壁面21cとの間には空隙部21dが形成される。洗浄処理の際には、この空隙部21dも洗浄液で充満した状態になり、洗浄液流通のためのバッファ空間として作用する。
ベースプレート66と対向する壁部21bには、液体導入口として主導入口25、二つの副導入口26a,26bおよび二つの補正導入口27a,27bが形成されている。なお、副導入口26a,26bおよび補正導入口27a,27bは、主導入口25を補う点で機能的には同視できるものである。これらの液体導入口には、それぞれ配管(不図示)が接続されている。また、チャンバ21の壁部21bの上部には、気液排出口28が形成されている。
主導入口25は、チャンバ21の下部に設けられ、そこから洗浄液をチャンバ21内に導入する。チャンバ21内に導入された洗浄液は、空隙部21dを流通して、各ウエハWの間に侵入し、チャンバ21内を上昇することによって洗浄が行なわれる。しかし、空隙部21dは、ウエハW間の隙間(例えば2〜3mm)より広く、液体流路としての圧力損失が小さいため、洗浄液はこの空隙部21dを通過して気液排出口28へ向かいやすい傾向がある。これでは狭隘なウエハWどうしの隙間に十分に洗浄液が流通せず、洗浄液の交換が行なわれなくなり、洗浄ムラを引き起こす原因となる。
このため、本実施形態では、ウエハWを支持する把持棒67a〜67dをウエハW周囲の空隙部21dに突出させ、整流手段として機能させている。このようにすると、空隙部21dはこれらの把持棒67a〜67dによって不完全に分断された状態となる。これにより、ウエハWの周囲を迂回して空隙部21dを流通しようとする洗浄液の通過が妨げられ、ウエハWどうしの隙間にも十分な洗浄液が流通する状態を作り出すことができる。つまり、空隙部21dに所定間隔で存在する把持棒67a〜67dは、より圧力損失の小さな流路を通過しようとする洗浄液をウエハWの隙間へ均等に分配する役割を果たし、ウエハW間への洗浄液の流入を促して洗浄効果を高めるように作用する。
また、図11に示すように、チャンバ21内においては、ベースプレート66に最も近接して配置される1枚目のウエハWと該ベースプレート66の内壁面との間隔L、およびベースプレート66に対向するチャンバ21の壁部21bに最も近接して配置される26枚目のウエハW26と壁部21bの内壁面との間隔Lが、いずれもウエハWどうしの間隔Lと略同等に形成されている。つまり、図11において、略L=L=Lという関係が成立する。これにより、ベースプレート66とこれに最も近接配置されるウエハWとの間隙、および壁部21bとこれに最も近接配置されるウエハW26との間隙、に形成される流路の圧力損失を、ウエハW間に形成される流路の圧力損失と略同等に調整することができる。このようにして洗浄液の流れが、ウエハWどうしの間と、最も外側に配置されるウエハW(ウエハW、ウエハW26)とチャンバ内壁との間と、で均等に配分される。
なお、同様に洗浄液を出来るだけ均等配分する観点から、把持棒67a〜67dとチャンバ21の内壁面21c(ウエハWの周方向の内壁面)との間隔も、例えばウエハWどうしの間隔Lと略同じになるように、把持棒67a〜67dの太さや配置を設定することもできる。
また、図9に示すように、壁部21bの内側には、溝21eが円弧状に形成されている。この溝21eは、把持棒67a〜67dの先端位置に対応するようにウエハWの直径よりも少し大きく形成されており、ホルダー32aがチャンバ21に装着された状態で、この溝21e内に、把持棒67a〜67dの先端がそれぞれ挿入される。この溝21eは、洗浄液をチャンバ21の下部から排出する際の流路としても利用できる。なお、把持棒67a〜67dの先端部と溝21eを構成する壁との隙間を、例えばウエハWどうしの間隔Lと同程度に設定してもよい。
本実施形態のチャンバ21においては、主導入口25のほかに、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bからも洗浄液を導入することが可能に構成されている。前記のように、各把持棒67a〜67dが壁部21bに形成された溝21eに挿入されるように設けられているので、チャンバ21内の洗浄液流路の圧力損失は大きなものとなっている。このため、洗浄液の供給圧力が低すぎる場合などに、下部の主導入口25からの導入だけでは、圧力損失が大きくなりすぎ、円滑な洗浄液の流通が困難になって洗浄効率が低下する場合もある。
このような場合に、把持部67a〜67dの間に位置するように設けられた副導入口26aまたは26b(好ましくは両方)からも洗浄液を導入することにより、ウエハW間での洗浄液の流通をスムーズに行なうことができるようになり、洗浄性能の低下を防止できる。また、さらに補正導入口27a,27bからも洗浄液を導入することによって、十分な洗浄液をチャンバ21内で均等に分配できるようになる。このように、チャンバ21の下部に設けられた主導入口25だけから洗浄液を導入する場合に比べて、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bからも洗浄液を導入することによって、高い洗浄効率を維持することができる。この場合、洗浄液の供給量の比率は、導入口の位置によって変えることが好ましく、例えば、主導入口25からの液量:副導入口26aと26bからの合計液量:補正導入口27aと27bからの合計液量=10:4:2程度に設定することができる。つまり、各導入口から気液排出口28までの流体流路の長さの相違(圧力損失の差)に応じて供給比率を変えることが好ましい。もちろん、上記比率は、1度に処理するウエハWの処理枚数や、把持棒67a〜67dの配置などに応じて適宜変更可能である。
なお、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bから、常に洗浄液を供給する必要はなく、これらを予備的に利用することもできる。また、主導入口25、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bの数や配置は、適宜変更可能である。
従来の円筒型の洗浄チャンバの場合、均等に洗浄液を供給する観点から、液体供給はチャンバの周部からノズルを用いて行なわれていた。このため、チャンバの周囲には、ノズル機構や、該ノズルと接続される配管などを配備する必要があった。
これに対して、本実施形態のチャンバ21では、円筒形のチャンバ21において、液体供給を壁部21bに形成した主導入口25、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bから行なうことが可能な構成とした。そして、本実施形態の場合、互いに等間隔で狭隘に配置されたウエハWと、所定の大きさに設計されたチャンバ21(内壁面21c、溝21e、空隙部21dなど)と、ホルダー32a(把持部67a〜67d、内側部材66bの壁面など)とを利用して流路を構成し、これらの配置や間隔を最適化することにより、洗浄液の均等な分配を可能にしている。このため、ノズルによる液分配は不要となり、円筒形をしたチャンバ21の周部には、ノズル機構や配管などを配備する必要がないため、チャンバ21を小型化できるとともに、洗浄処理装置100におけるレイアウトの自由度を高めることができた。
また、円筒形をしたチャンバ21の周部に、別の機能部品を配備することも可能となった。例えば、図12に示すように、円筒形のチャンバ21の内周部に、ウエハWを囲うように超音波発生装置M/Sを埋設配備することもできるようになる。このように超音波発生装置M/Sを配備し、超音波を作用させることによって、ウエハWに付着した汚れやパーティクルなどの異物をより効果的に除去することができる。
圧力調整室21fは、チャンバ21内の主室21g(ウエハWを収納するスペース)に対し小さな容積で形成されている。圧力調整室21fは、その下部において前記主室21gと連通している。
圧力調整室21fの上部には、Nガスや乾燥処理用のIPA(イソプロピルアルコール)蒸気をチャンバ21内に導入するためのガス導入口29が形成されている。また、圧力調整室21fの中段位置には、各種洗浄液やガスを排出するための気液排出口28が設けられており、通常の処理時には、この位置より上がガススペース24として区画される。
圧力調整室21fは、チャンバ21におけるウエハWの収容位置の上方位置よりも外側となるように、具体的には、ウエハ搬送部3とは反対側に突出するように形成されている(図9参照)。このように、気液排出口28が接続された圧力調整室21fをウエハWの収容位置の上方より外側に配置することによって、仮に圧力調整室21fに洗浄液が残留した場合でも、洗浄液は溝21eやチャンバ21の内壁(ホルダー32aとは対向するチャンバ21の壁部21bの内壁面)を伝って流下することになり、液だれによるウエハWの汚染を防止できる。
洗浄処理時には、圧力調整室21fに上部のガス導入口29からNガスなどを導入し、下部からは主室21gから洗浄液が流入するので、図13(a)に示すように、液面Sの高さが、気液排出口28の中央付近に位置する。つまり、気液排出口28は、洗浄処理時には上部にはNガスなどの気体が、下部は洗浄液が流通するような位置に設けられ、ガスの排気と洗浄液の排液が同時に行なわれる。
また、ガススペース24へのガスの流入と排出のバランスを保ち、ガススペース24の容積を制御する観点から、気液排出口28は、チャンバ21の主室21gとの連通路(溝21eの一部に形成されている)と圧力調整室21fとの境界をなす角部Aに対し、気液排出口28の角部Bが少しだけ高い位置になるように設けることが好ましい。気液排出口28の角部Aが角部Bより低いと、ガスが主室21gの上部にも流入してしまい、ガススペース24の保持ガス量を制御することが難しくなる場合がある。
次に、ガススペース24の作用について、図13(b)を参照しながら説明する。
洗浄液は、非圧縮性流体であるため、突然の流量変化などによって、チャンバ21内の圧力が急激に変動する場合がある。チャンバ21内の圧力変動は、チャンバ21からの液漏れを引き起こしたり、ウエハWを損傷するなどの悪影響を与えることがある。一方、気体は圧縮性流体なので、常にガススペース24に気体を導入し、流通させつつチャンバ21内に一定時間保持することにより、例えば突然流量が増加した場合には、図13(b)に示すように洗浄液の液面Sの上昇をガススペース24で吸収し、圧力変動を緩和することができる、このように、ガススペース24は、チャンバ21内の急激な圧力変動を緩和する圧力調整手段として機能する。
以上のような構成のチャンバ21による洗浄処理は、例えば、主にチャンバ21に収容されたウエハWよりも下の位置の主導入口25からチャンバ21内に洗浄液を供給し、これと同時にチャンバ21内における洗浄液の流れを調整するためにチャンバ21の上下方向の中間部の副導入口26a,26b、さらに補正導入口27a,27bからも適量の洗浄液を供給することによって行なわれる。そして、チャンバ21内が常に一定量の洗浄液で満たされた状態を維持しながら、非大気開放状態でチャンバ21の上部の気液排出口28から洗浄液をオーバーフローさせる。この際、前記したようにガススペース24にガス導入口29からNなどのガスを導入することによって、流量変化が生じた場合でもチャンバ21内の圧力変動を緩和し、洗浄処理を安定的に行なうことができる。
図14は、チャンバ21への洗浄液の供給・排出システムの概要を示す図面である。この供給・排出システムは、非大気開放系のシステムとして構成され、チャンバ21への洗浄液供給手段として、純水供給源110と薬液供給源120とこれらに接続される送液管201〜206を備え、排液回収系として、排液回収部140を備えている。また、チャンバ21へのガス供給手段として、ガス供給源130とこれに接続される配管207、208を備えている。
純水供給源110は、送液管201および加熱部111を備えた送液管202と連通しており、バルブVとVの開閉によって、純水または加熱水をチャンバ21へ送液できるように構成されている。なお、ここでの排水は、バルブVを開放することにより行なわれる。
薬液供給源120は、任意の薬液A〜薬液Dを個別にチャンバ21へ供給できるように構成されている。薬液としては、例えばHCl、NHOH、HF、Hなどを用いることができる。薬液A〜薬液Dは、処理目的に応じて選択され、それぞれ送液管203a〜203dを介し、バルブV〜Vの開閉により送液管204を通じてチャンバ21へ供給される。バルブV〜Vには、分析能を持つバルブセンサ160a〜160dが配備されており、これによって薬液の混合を防止することができる。
送液管204は、分岐部205において送液管206a〜206eの5経路に分岐される。送液管206cは、主導入口25に接続され、送液管206bおよび206dは、副導入口26a,26bに接続され、送液管206aおよび206eは、補正導入口27a,27bに接続される。これら送液管206a〜206eには、流量調節用の絞りであるオリフィス150a〜150eが個別に配備され、各送液管206a〜206eの送液量が所定比率となるように流量調節が行なわれる。
ガス供給源130は、ベーパーユニット132に接続された第1のNガス供給源131と第2のNガス供給源133とを備えている。なお、第1のNガス供給源131と第2のNガス供給源133は統合してもよい。ベーパーユニット132は、例えばIPAなどの薬剤を気化させるものであり、気化された薬剤は、Nガスをキャリアとして配管207を介して運ばれ、バルブVを開放することによってチャンバ21の圧力調整室21fに供給される。一方、第2のNガス供給源133からのNガスは、配管208を介して送られ、バルブVを開放することによってチャンバ21の圧力調整室21fに供給される。
洗浄やリンス等の処理時には、チャンバ21の主導入口25、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bから導入された洗浄液は、気液排出口28から排出され、処理液排出手段としての排液管209を介して排液回収部140へ送られ、例えば薬液A〜薬液Dなどの各薬剤毎に回収される。排液管209には、バルブセンサ160e〜160hが個別に配備されたバルブV12〜V15が設けられているので、排液系での薬液の混合が防止される。なお、チャンバ21から排出された排液12は、気液分離、濾過等を施した後、図示しない排液循環経路によって再びチャンバ21に供給することもできる。洗浄処理(純水によるリンス処理)が終了したら、チャンバ21への洗浄液供給を停止するとともに、バルブV11を開放することにより、チャンバ21内に残留した洗浄液を下部(主導入口25)から排出し、排液管210を通じて排液部140に回収することができる。なお、同様に主導入口25と排液管210を通じてIPAなどの気体を排出することも可能である。
次に、洗浄処理装置100によるウエハWの洗浄処理工程について、図15および図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。最初に、載置台11にウエハ搬入出口13aと対面するようにキャリアC(以下「キャリアC1」と記す)を載置する(ステップ1)。続いてキャリアC1を開口させるために、シャッタ12aにキャリアC1の蓋を把持させて、シャッタ12aをウエハ搬送部3側に引き込み、降下させる(ステップ2)。
ロボット31をハンド載置ステージ37aにアクセスさせて検査用ハンド36aを係合させ(ステップ3)、キャリアC1におけるウエハWの収容状態を先に説明した検査方法にしたがって調べる(ステップ4)。ここでは、26枚のウエハWが異常なく収容されていたとする。この検査が終了したら、ロボット31を再びハンド載置ステージ37aにアクセスさせて検査用ハンド36aの係合を解き、検査用ハンド36aをハンド載置ステージ37aの所定位置に載置する(ステップ5)。
続いて、ロボット31をピック載置ステージ35aにアクセスさせて搬送ピック34aを係合させ(ステップ6)、先に説明した第1の搬出方法または第2の搬出方法にしたがってキャリアC1からウエハWを搬出し、先に説明したホルダー32aへの搬入方法にしたがって搬出したウエハWをホルダー32aに収容する(ステップ7)。
そして、キャリアC1からホルダー32aへのウエハWの搬送が終了したら、ロボット31を再びピック載置ステージ35aにアクセスさせて搬送ピック34aの係合を解き、搬送ピック34aをピック載置ステージ35aの所定位置に載置する(ステップ8)。次いで、ロボット31を再びハンド載置ステージ37aにアクセスさせて検査用ハンド36aを係合させ(ステップ9)、ホルダー32aにおけるウエハWの収容状態を調べる(ステップ10)。なお、このステップ9,10は省略してもよい。
続いてロボット31をホルダー載置ステージ33aにアクセスさせてホルダー32aを係合させ(ステップ11)、ホルダー32aをホルダー載置ステージ33aから搬出し、縦姿勢(図7(a)に示す姿勢)に変換してチャンバ21にアクセスさせ、エアグリップリング23が動作してホルダー32aがチャンバ21に装着された後に、ホルダー32aの係合を解く(ステップ12)。このステップ12が終了したら、チャンバ21では収容されたウエハWの洗浄処理を開始する(ステップ13)。
このようにしてステップ1〜ステップ12の操作が行われている間に、ウエハ搬入出口13bと対面するように別のキャリアC(以下「キャリアC2」と記す)を載置台11に載置し、キャリアC2を開口させておく(ステップ14)。そして、前述したステップ3〜ステップ11に倣って、キャリアC2におけるウエハWの収容状態の検査、キャリアC2に収容されたウエハWのホルダー32bへの搬送を行う(ステップ15)。なお、ここでは、ステップ15が終了する前にチャンバ21でのステップ13の洗浄処理が終了していても、ステップ15の処理が優先して行われることとする。
チャンバ21でのキャリアC1に係るウエハWの洗浄処理が終了したら、ロボット31をチャンバ21に装着されたホルダー32aにアクセスさせてこれを係合させ(ステップ16)、エアグリップリング23によるホルダー32aの保持が解除された後に、ホルダー32aをチャンバ21からホルダー載置ステージ33aへと搬送する(ステップ17)。そして、ロボット31とホルダー32aとの係合を解いた後に、ステップ11〜13に倣って、ロボット31をホルダー載置ステージ33bにアクセスさせてホルダー32bを係合させ、チャンバ21へ装着し、洗浄処理を開始する(ステップ18)。
ステップ18の洗浄処理が始まった時点で、ロボット31はフリーになっているので、ロボット31をピック載置ステージ35bにアクセスさせて搬送ピック34bを係合させ、ホルダー32aからキャリアC1へウエハWを搬送する(ステップ19)。キャリアC1にウエハWが収容されたらシャッタ12aによりウエハ搬入出口13aを閉じ、シャッタ12aによるキャリアC1の蓋の把持を解除して、キャリアC1を次の処理工程を行う装置等へと搬送する(ステップ20)。
なお、ホルダー32aから洗浄処理が終了したウエハWを搬出する前に、ホルダー32aにおけるウエハWの収容状態を、検査用ハンド36aを用いて検査することも好ましい。この検査により、例えば、洗浄処理中におけるウエハWの破損等の有無を確認することができる。また、ステップ18の終了後に新たなキャリアCがウエハ搬入出口13aと対面するように載置された場合には、前述したステップ2〜8にしたがって、そのキャリアCに収容されたウエハWをホルダー32aに搬送し、さらにステップ9,10にしたがってホルダー32aに収容されたウエハWの検査を行ってもよい。
キャリアC2に係るウエハWの洗浄処理が終了したら、ステップ16,17,19,20に倣って、ロボット31にチャンバ21に装着されたホルダー32bを係合させ、エアグリップリング23によるホルダー32bの保持が解除された後に、ホルダー32bをチャンバ21からホルダー載置ステージ33bへと搬送し、ロボット31とホルダー32bとの係合を解き、ロボット31に搬送ピック34bを係合させてホルダー32bからキャリアC2へウエハWを搬送し、シャッタ12bによりウエハ搬入出口13bを閉じ、シャッタ12bによるキャリアC2の蓋の把持を解除して、キャリアC2を次の処理工程を行う装置等へと搬送する(ステップ21)。
以降、上述した一連の処理が載置台11にキャリアCが搬入され次第、逐次行われるが、ウエハWの搬送順序は、チャンバ21の稼働状況を踏まえて好ましくはスループットが向上するように、変更することができる。このように、洗浄処理装置100では、ロボット31の稼動率が高く、これによって一定の高いスループットを実現することができる。
次に、ステップ13、ステップ18において実施される洗浄処理の一連の工程について、図17を用いて説明する。
まず、被処理体であるウエハWを支持した状態のホルダー32a(または32b)をチャンバ21に装着した後、バルブVを開き、バルブV10を開けた状態でガス導入口29からチャンバ21内へ乾燥気体としてのNを供給する(ステップ30)。
次に、チャンバ21内へ主導入口25、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bからそれぞれ所定比率で薬液を導入する(ステップ31)。薬液は、チャンバ21内を上昇することによってウエハWの汚れを除去し、気液排出口28から連続的に排出される。洗浄処理中は、圧力調整室21fによってチャンバ21内の圧力変動が防止されるので、安定的な処理が可能になる。所定時間経過後、あるいは所定量の薬液による洗浄処理が終了した後、ステップ32でチャンバ21内の薬液を排出する。薬液の排出は、例えば、バルブV11を開けることにより、チャンバ21の下部に設けられた主導入口25から行なうことができる。
次に、バルブV11を閉じ、バルブV10を開けてチャンバ21内へリンス液(例えば純水)を、主導入口25、副導入口26a,26b、補正導入口27a,27bからそれぞれ導入する(ステップ33)。所定時間経過後、あるいは所定量のリンス液によるリンス処理が終了した後、ステップ34で再びバルブV11を開けて、主導入口25からリンス液を排出する。リンス液の排出が完了したら、ステップ35では、バルブV10を閉じた状態でバルブVを開け、チャンバ21内にガス導入口29からIPA蒸気とNガスとの混合ガスを導入し、バルブV11を開放してチャンバ21下部の主導入口25から排出する。このようにして、効率よくウエハWを乾燥させることができる(乾燥工程)。以上のステップ30〜35までの一連の工程で、洗浄処理が終了する。なお、ステップ31〜ステップ34までの洗浄工程とリンス工程は、薬液の種類を変えて繰り返し実施することができる。
以上の処理において、リンス工程(ステップ33)の途中で少しの時間排出液量制御手段としてのバルブV10を閉じることにより、または、バルブV10での液量を絞ってドレイン量を減少させることにより、チャンバ21の圧力調整室21f内の液面を上昇させ、ガススペース24内にリンス液を充満させることによって、圧力調整室21fに残留した薬液を洗い流すことができる。これにより、残留した薬液による汚染を確実に防止できる。
さらにバルブV10を閉じたまま、バルブV、バルブVを開け、リンス液の液面をさらに上昇させ、配管207、208の内部を洗浄することによってウエハWへの汚染をより確実に防止することもできる。この場合には、配管207、208から分岐する排液ライン(不図示)を設けておき、リンス液を配管207、208にまで充満させた後、当該排液ラインから排出すればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、チャンバ21からのガスと液体の排出を一つの気液排出口28から行なう構成としたが、別々の排出口から排出することもできる。
また、上記実施形態では、圧力調整室21fに設けたガス導入口29から乾燥用のIPA蒸気を導入する構成としたが、別の部位からIPAを導入するようにしてもよい。
本発明は、半導体装置やFDP等の製造のための各種基板の洗浄処理装置やエッチング処理装置等に好適である。
洗浄処理装置の概略構造を示す斜視図。 洗浄処理装置の概略構造を示す平面図。 ロボットの概略構造を示す斜視図。 係脱部と係合部の概略構造とこれらの係脱状態を示す断面図。 検査用ハンドとハンド載置ステージの概略構造を示す斜視図。 搬送ピックとピック載置ステージの概略構造を示す斜視図と、把持ピンの概略構造を示す斜視図と、ウエハを下側で保持した状態を示す斜視図。 ホルダーの概略構造を示す斜視図と、ホルダー載置ステージの概略構造を示す側面図と、裏面図。 ロボットにホルダーを係合した状態を示す斜視図。 ホルダーをチャンバに装着した状態を示す断面図。 チャンバの背面図。 チャンバ内におけるウエハの配置間隔を説明するための模式図。 チャンバの要部背面図。 チャンバの要部断面を示し、(a)は通常の処理状態、(b)は流量変化が生じた状態の模式図。 チャンバへの供給・排出システムの概要を示す図面。 洗浄処理装置によるウエハの洗浄処理を示すフローチャート。 洗浄処理装置によるウエハの洗浄処理を示すフローチャート。 洗浄工程の詳細手順を示すフローチャート。
符号の説明
1;キャリア載置部
2;洗浄処理部
3;ウエハ搬送部
11;載置台
21;チャンバ
21f;圧力調整室
21g;主室
23;エアグリップリング
24;ガススペース
28;気液排出口
29;ガス導入口
31;ロボット
32a・32b;ホルダー
34a・34b;搬送ピック
36a・36b;検査用ハンド
40;ダミーウエハ収容部
60;係脱部
63;係合部
65a〜65d;把持ピン
67a〜67d;把持棒
100;洗浄処理装置
S;液面

Claims (15)

  1. 所定の処理液を用いて被処理体を処理する処理装置であって、
    実質的に密閉状態で内部に前記被処理体を配置する主室を有する処理チャンバと、
    前記主室の前記被処理体の配置位置の上方より外側に設けられ、前記処理チャンバ内の圧力変動を緩和する圧力調整室と、
    前記処理チャンバに前記処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記処理チャンバに気体を供給する気体供給手段と、
    前記処理チャンバに設けられ、前記主室に前記処理液を導入する処理液導入口と、
    前記処理チャンバに設けられ、前記主室から前記処理液を排出する処理液排出口と、
    前記圧力調整室の上部に設けられ、前記圧力調整室に前記気体を導入する気体導入口と、
    前記圧力調整室に設けられ、前記圧力調整室から前記処理液及び前記気体を排出する気液排出口と、
    を具備しており、
    前記圧力調整室は前記主室に対し小さな容積で形成され、その下部において前記主室と連通され、前記圧力調整室の前記気液排出口の位置より上をガススペースとして区画し、前記ガススペースに前記気体を導入し、前記処理液の液面の上昇を前記ガススペースで吸収することを特徴とする、処理装置。
  2. 前記気液排出口は、前記圧力調整室における処理時の気液界面に位置するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記処理液導入口として、前記処理チャンバの主室の下部に設けられた主導入口と、該主導入口よりも上方に設けられた副導入口を備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の処理装置。
  4. 前記処理チャンバは、複数の棒状体を有する着脱自在な壁体により封止されるとともに、
    前記壁体は、前記処理チャンバに装着された状態で、前記複数の棒状体により処理チャンバ内で被処理体を支持することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の処理装置。
  5. 前記棒状体には、所定のピッチで溝部が形成されており、複数の棒状体の前記溝部に、板状の被処理体の側部を嵌合させることにより、所定の間隔で並列的に複数の被処理体を支持するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の処理装置。
  6. 前記壁体が前記処理チャンバに装着された状態で、前記壁体に最も近接して配置される被処理体と該壁体との間隔、および前記壁体に対向する前記処理チャンバの内壁面に最も近接して配置される被処理体と該内壁面との間隔が、いずれも前記被処理体どうしの間隔と略同等であることを特徴とする、請求項5に記載の処理装置。
  7. 前記壁体には、被処理体を搬送する搬送ロボットとの係合部が設けられており、前記処理チャンバから取外された状態では、処理チャンバに被処理体を搬入出するホルダーとして機能することを特徴とする、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の処理装置。
  8. 前記処理液導入口と前記気液排出口とを、前記処理チャンバの同じ側に設けたことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の処理装置。
  9. 前記処理チャンバは円筒状であり、その円筒部の壁に、前記被処理体を囲むように超音波発生手段を設けたことを特徴とする、請求項8に記載の処理装置。
  10. 前記気液排出口には、処理液の排出量を制御する排出液量制御手段を具備した処理液排出手段が接続されており、前記排出液量制御手段により処理液の排出量を制御することにより前記圧力調整室内の処理液の液量を制御するようにしたことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の処理装置。
  11. 前記処理液供給手段は、処理液として、少なくとも薬液とリンス液を別々に供給できるように構成されており、
    前記排出液量制御手段は、前記圧力調整室内におけるリンス液供給時の前記リンス液の液量が、薬液供給時の前記薬液の液量より多くなるように制御するものであることを特徴とする、請求項10に記載の処理装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載された処理装置を用いた被処理体を処理する処理方法であって、
    前記処理チャンバの主室内に被処理体を搬入する工程と、
    前記処理チャンバを実質的に密閉する工程と、
    前記処理チャンバの主室及び圧力調整室に処理液を供給して被処理体を処理する液処理工程と、
    を含み、
    前記液処理工程で前記圧力調整室内に気液界面を維持し、前記圧力調整室に区画されたガススペースに気体を流通させることにより、前記処理チャンバ内における圧力変動を緩和するようにしたことを特徴とする、処理方法。
  13. 前記液処理工程は、薬液により被処理体を洗浄処理する洗浄工程と、リンス液により被処理体を処理するリンス工程と、を有し、
    前記リンス工程では、一時的に、または該リンス工程全体にわたって、前記圧力調整室内の気液界面の位置を前記洗浄工程における気液界面の位置よりも上昇させることにより、前記圧力調整室内をクリーニングするようにしたことを特徴とする、請求項12に記載の処理方法。
  14. コンピュータ上で動作し、実行時に、請求項12または請求項13に記載された処理方法が行なわれるように、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載された処理装置を制御することを特徴とする、制御プログラム。
  15. コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、
    前記制御プログラムは、実行時に、請求項12または請求項13のいずれか1項に記載された処理方法が行なわれるように、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載された処理装置を制御するものであることを特徴とする、コンピュータ記憶媒体。
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