以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されたものである。また、実施形態の説明において、上下方向は、鉛直方向であり、基板W側が上で、スピンチャック111側が下である。
<実施形態について>
<1.基板処理装置の構成>
図1は実施形態に係る基板処理装置100の概略構成の一例を模式的に示す図である。図2は、下ノズル240の構成を示す斜視図である。図3は、下ノズル240の構成を示す上面図である。図4は、基板Wの上方から基板Wの下方に設けられた下ノズル240を透視した図である。下ノズル240は、図4において実線で示されている。
基板処理装置100は、薬液を含む処理液を用いて基板の処理(「薬液処理」)を行う。具体的には、基板処理装置100は、処理液として、例えば、エッチング液を用いて半導体ウェハ等の基板Wの上面(「表面」とも称される)S1のエッチング処理を行って、上面S1に形成されている薄膜(不要物)の除去を行う。処理液としては、他に、例えば、洗浄液などが用いられる。なお、上面S1と反対側の下面S2は、「裏面」とも称される。基板Wの表面形状は略円形であり、基板Wの上面S1とはデバイスパターンが形成されるデバイス形成面を意味している。基板処理装置100は、薬液処理の後に、基板Wのリンス処理、後述する下ノズル240の洗浄処理、基板Wおよび下ノズル240に付着した液体を基板Wを回転させて振り切る振り切り処理を行うこともできる。
図1に示されるように、基板処理装置100は、上面S1を上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック(「回転保持部」)111を備えている。スピンチャック111は、円筒状の回転支軸113がモータを含むチャック回転機構(「回転部」)156の回転軸に連結されており、チャック回転機構156の駆動により回転軸(鉛直軸)a1回りに、すなわち略水平面内にて回転可能となっている。
回転支軸113の上端部には、円盤状のスピンベース115がネジなどの締結部品によって一体的に連結されている。したがって、装置全体を制御する制御部161からの動作指令に応じてチャック回転機構156が作動することによって、回転支軸113とスピンベース115とは、一体的に、回転軸a1を中心に回転する。また、制御部161はチャック回転機構156を制御して回転速度を調整する。制御部161は、例えば、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することなどにより実現される。
スピンベース115の周縁部付近には、基板Wの周縁部S3を把持するための複数個のチャックピン117が立設されている。チャックピン117は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース115の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。各チャックピン117は、基板Wの周縁部S3を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された周縁部S3をその側方から基板Wの中心側に押圧して基板Wを保持する周縁保持部とを備えている。各チャックピン117は、周縁保持部が基板Wの周縁部S3を押圧する押圧状態と、周縁保持部が周縁部S3から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース115に対して基板Wが受渡しされる際には、基板処理装置100は、複数個のチャックピン117を解放状態とし、基板Wに対してエッチング、あるいは洗浄等の処理を行う際には、複数個のチャックピン117を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン117は、基板Wの周縁部S3を把持して基板Wをスピンベース115から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)S1を上方に向け、下面S2を下方に向けた状態で上面S1、下面S2の中心を回転軸a1が通るように支持される。
スピンベース115の中央部には、回転支軸113の貫通孔に接続された貫通孔が形成されている。この貫通孔および回転支軸113の貫通孔には、筒状体118が挿通されている。筒状体118の上端部には、上端部の開口を塞ぐように、平板状の台座119が取り付けられている。台座119の上面は、水平面となっている。この上面には、基板Wの下面S2に沿って延設された長尺状の下ノズル240の一端側部分(「基部」)271が固定されている。
下ノズル240は、一端側部分271と、一端側部分271から基板Wの下面S2の周辺域K3の下方に延設された延設部272とを備え、扁平な形状を有している。下ノズル240の上面と下面(より正確には、後述する水切り部249を除いた部分)とは水平面をなしている。当該上面と当該下面とは、それぞれ、下ノズル240の主面である。下ノズル240の長手方向の一端側部分271の下面と、台座119の上面とは、下ノズル240の上面に設けられた吐出口241が基板Wの中心の下方に位置するように、基板Wの下面S2の中央域K1の下方において互いに当接している。下ノズル240の長手方向の他端は、下面S2の周辺域K3の下方に達している。回転するスピンベース115に立設されたチャックピン117と下ノズル240とが干渉しないように、回転軸a1から下ノズル240の他端までの長さは、チャックピン117の回転軌跡の半径よりも短く設定されている。
台座119と下ノズル240の一端側部分271とは、ネジ261〜264によって互いに固定されている。下ノズル240の一端側部分271の上面には、座繰り部251〜253が形成されている。座繰り部251の底部には、ネジ261に対応する貫通穴が形成され、座繰り部252の底部には、ネジ262、263に対応する2つの貫通穴が形成され、座繰り部253の底部には、ネジ264に対応する貫通穴が形成されている。台座119の上面にもこれらの貫通穴にそれぞれ連通するネジ穴がそれぞれ形成されている。台座119と下ノズル240とがネジ261〜264によって固定されたときに、ネジ261の頭は、座繰り部251に収容され、ネジ262、263の頭は、座繰り部252に収容され、ネジ264の頭は座繰り部253に収容される。これにより、ネジ261〜264の頭は、下ノズル240の上面から飛び出ることがない。
座繰り部251は、下ノズル240の一端側部分の上面のうち吐出口241、243を結ぶ線よりも基板Wの回転方向上流側(図3において上側)の部分に形成されており、下ノズル240の長手方向の一端側の側面にも開口している。座繰り部252は、下ノズル240の一端側部分の上面のうち吐出口241、243を結ぶ線よりも基板Wの回転方向下流側(図3において下側)の部分に形成されており、下ノズル240における基板Wの回転方向下流側(図3において下側)の側面にも開口している。座繰り部253は、下ノズル240の一端側部分の上面のうち吐出口241、243を結ぶ線よりも基板Wの回転方向上流側であって、かつ、座繰り部251よりも下ノズル240の長手方向の他端側の部分に形成されている。
熱による曲り等の変形を抑制するために、下ノズル240は、下ノズル240をその長手方向に貫通するステンレス鋼などの芯材248を備えている。下ノズル240のうち芯材248以外の部分は、樹脂などにより形成されている。芯材248は、下ノズル240のうち基板Wの回転方向上流側の端部に沿って、座繰り部251、253よりも当該回転方向上流側に設けられている。このため、座繰り部253は、下ノズル240の上面と側面とのうち上面のみに開口するとともに、座繰り部253の底面には、当該底面から下ノズル240の下面まで下ノズル240を貫通する水抜き孔253aが形成されている。水抜き孔253aは、下ノズル240の下面のうち台座119に対向していない部分に開口している。
下ノズル240における基板Wの回転方向下流側の端部のうち座繰り部252よりも長手方向他端側の部分には、水切り部249が下ノズル240の長手方向に沿って延設されている。水切り部249は、基板Wの回転方向下流側になるほど薄肉になるように形成されており、その断面形状は、例えば、三角形である。基板処理装置100は、処理液53による基板Wの処理を行った後に、下ノズル240から基板Wの裏面に純水を吐出することによるリンス処理を行い、リンス処理の後に、下ノズル240に付着した水滴を除くための振り切り処理を行う。リンス処理と振り切り処理も基板Wの回転と並行して行われる。基板Wが回転することにより、基板Wの下方には、下ノズル240を横切って基板Wの回転方向に流れる気流が形成される。当該気流は、下ノズル240の近傍部分において矢印Yに沿って流れる。矢印Yの方向は、水平面内において下ノズル240の延在方向(回転軸a1と直交する基板Wの径方向)と直交する方向であり、矢印Yは、下ノズル240における基板Wの回転方向の下流側を向いている。下ノズル240に水切り部249が形成されていることによって、振り切り処理における水滴の除去効率を高めることができる。
台座119は、下ノズル240の下面に設けられた導入口244、245に対向する各部分に、台座119を上下方向に貫通する貫通孔を備えている。また、筒状体118には、液体51、液体52を下ノズル240に供給する供給管281、282が挿通されている。液体51、液体52は、基板Wの温度分布を調整するために、下ノズル240から基板Wの下面S2に吐出される。供給管281、282のそれぞれの上端部は、台座119の各貫通孔のうち導入口244、245に対応する各貫通孔において、台座119を貫通し、導入口244、245と接続されている。
下ノズル240は、スピンチャック111に保持された基板Wの下面S2に液体51、52を吐出する。下ノズル240の内部には、液体51、52をそれぞれ導く流路246、247が、座繰り部251、253と、座繰り部252との間の部分に形成されている。流路246は、下ノズル240の長手方向の一端側部分271を上下方向に貫通している。下ノズル240の下面における流路246の開口は、流路246に液体51を導入する導入口244をなし、下ノズル240の上面における流路246の開口は、液体51を基板Wの下面の中央域K1に吐出する吐出口241をなしている。吐出口241は、中央域K1に対向している。
流路247は、下ノズル240の内部において、基板Wの径方向に沿って、下ノズル240の長手方向の一端側から他端側に延在している。流路247は、下ノズル240の長手方向の一端側部分271の下面に開口しており、この開口は、流路247に液体52を導入する導入口245をなしている。また、流路247は、下ノズル240の上面のうち下ノズル240の長手方向の中央部分と、他端側部分とのそれぞれにおいて開口している。これらの開口のうち中央部分の開口は、液体52を基板Wの下面S2の中間域K2に液体52を吐出する吐出口242をなしており、他端側部分の開口は、液体52を下面S2の周辺域K3に吐出する吐出口243をなしている。吐出口242は、中間域K2に対向し、吐出口243は、周辺域K3に対向している。中間域K2と周辺域K3とは、基板Wの下面S2のうち中央域K1以外の周辺側領域である。すなわち、吐出口242と吐出口243とは、それぞれ、延設部272に設けられ、液体52を周辺側領域に吐出する周辺側吐出口である。
図4において、中央域K1は、一点鎖線の円で囲まれて、斜線でハッチングされた領域である。周辺域K3は、基板Wの周縁と、二点鎖線の円との間の、網点パターンを付された領域である。そして、中間域K2は、中央域K1と周辺域K3との間の領域である。中間域K2は、基板Wのうち、基板Wの中心からの径方向に沿った距離、すなわち、回転軸a1からの径方向に沿った距離が、例えば、基板の半径の1/3から基板の半径の2/3である領域である。具体的には、例えば、半径150mmの基板における中間域K2は、基板Wの中心からの距離が、例えば、50mm〜100mmである領域である。
図1〜図4の例では、吐出口241の中心軸は、基板Wの回転軸a1に一致しているが、吐出口241は、中央域K1に液体51を吐出可能に設けられていればよく、吐出口241の中心軸が、基板Wの回転軸a1に一致しなくてもよい。また、複数の吐出口241が設けられてもよい。また、吐出口242、243とのうち一方のみが設けられてもよいし、吐出口242、吐出口243の他に、液体52を基板Wの下面S2に吐出する少なくとも1つの吐出口が流路247に設けられてもよい。また、図1〜図4の例では、吐出口241〜243、導入口244、245、および流路246、流路247は、共通の下ノズル240に設けられている。しかしながら、下ノズル240に代えて、互いに別体に形成された2つの下ノズルが採用され、一方の下ノズルに吐出口241、導入口244、および流路246が設けられるとともに、他方の下ノズルに吐出口242、吐出口243、導入口245、および流路247が設けられてもよい。また、水切り部249が形成されていないとしても本発明の有用性を損なうものではない。
基板処理装置100は、このように基板Wを保持したスピンチャック111をチャック回転機構156により回転駆動することで基板Wを所定の回転速度で回転させながら、下ノズル240から液体51、52を下面S2に対して吐出することで基板Wの温度を調節する。そして、基板処理装置100は、後述する上ノズル120から基板の上面S1に対し処理液53を供給することにより、基板Wに所定の処理(エッチング処理など)を施す。
スピンチャック111に保持された基板Wの側方には、モータを備えたノズル回転機構155が設けられており、ノズル回転機構155の動作は、制御部161により制御される。ノズル回転機構155には、剛性のある管状の配管アーム280がノズル回転機構155を回転中心として略水平面内にて旋回可能に取付けられている。
配管アーム280の一端は、ノズル回転機構155を貫通してその下面に達しており、他端は、配管アーム280がノズル回転機構155により旋回されることによって基板Wの上面S1の中央域の上方に位置決め可能である。該他端には、上ノズル120が取付けられている。スピンベース115に対する基板Wの受渡しなどの際には、配管アーム280が旋回されて上ノズル120が基板Wの搬入経路上から退避される。また、エッチング処理やリンス処理などを行う際には、上ノズル120の位置(処理位置)がサーボ制御により正確に上面S1の中央域の上方に調整される。ここで、当該サーボ制御は、制御部161により制御される。従って、制御部161からの指令により上ノズル120の位置を調整することが可能となる。
配管アーム280の内部には、処理液53を上ノズル120に供給する流路が、上ノズル120の上端からノズル回転機構155の下面の下方まで配設されている。上ノズル120は、供給された処理液53を、基板Wの上面S1に対向する吐出口から下方に吐出する。これにより、下ノズル240によって温度分布を調整されている基板Wの上面S1の中央域に向けて処理液53が吐出され、基板Wの処理が行われる。なお、上面S1は、吐出された処理液53に基板Wの回転による遠心力が作用して処理液53が基板Wの周縁部S3まで広がることによって、全体的に処理される。
なお、ノズル回転機構155が配管アーム280を回転駆動して上ノズル120を基板Wの上面S1の回転軌跡に対して相対的に走査することで、基板処理装置100は、処理液53を上面S1の全面に供給することもできる。このように、上ノズル120の走査を行えば、処理の均一性がさらに向上する。この走査において、上ノズル120は、例えば、上面S1の中央域の上方と、周辺域の上方との間で往復して走査される。すなわち、ノズル回転機構155は、処理液53を基板Wの上面S1に供給している上ノズル120を、基板Wの上面S1の上方において走査することにより、基板Wの上面S1における処理液53の供給位置を、基板Wの上面S1の中央域と周辺域との間で走査する走査部として動作する。なお、ノズル回転機構155および配管アーム280に代えて、上ノズル120を、例えば、上面S1の上方で直線的に走査する走査機構が採用されてもよい。
基板処理装置100は、第1温度の純水(「第1純水」)11を供給する純水供給源(「第1供給源」)131と、第2温度よりも高い第2温度の純水(「第2純水」)12を供給する純水供給源(「第2供給源」)132と、薬液13を供給する薬液供給源133と、液体14を供給する液体供給源134とを、さらに備えている。薬液13としては、例えば、フッ酸(HF)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、塩酸(HCL)、または過酸化水素(H2O2)などが採用される。薬液供給源133が、薬液13として、複数の薬液を並行して供給してもよい。液体14としては、好ましくは、純水または、薬液13が採用される。
純水供給源131、132、薬液供給源133、および液体供給源134のそれぞれは、供給する液体を加熱可能なヒータと、液体の温度を検出可能な温度センサと、該液体を送出するポンプ等の送出手段(それぞれ図示省略)とを内蔵している。
制御部161は、各温度センサが検出した液体の温度が目標温度になるように、各ヒータの発熱量を制御して、純水供給源131、132、薬液供給源133、および液体供給源134が供給する純水11、純水12、薬液13、および液体14の温度を制御する。
より具体的には、処理液53を用いて基板Wの薬液処理を行う場合には、制御部161は、純水供給源131、132のそれぞれの温度センサの検出温度に基づいてそれぞれのヒータを制御することによって、純水供給源131が供給する純水11の温度を第1温度に設定するとともに、純水供給源132が供給する純水12の温度を第1温度よりも高温の第2温度に設定する。制御部161は、予め設定された設定情報に従って、第1温度と第2温度とを所定の温度範囲内で自在に制御できる。制御部161と、純水供給源131の温度センサおよびヒータと、純水供給源132の温度センサおよびヒータとは、純水11の第1温度と、純水12の第2温度とを所定の温度範囲内で自在に制御可能な温度制御部164をなしている。すなわち、温度制御部164は、純水供給源131における純水11の温度(第1温度)と、純水供給源132における純水12の温度(第2温度)とを制御する温度制御を行う。なお、基板処理装置100がリンス処理などの薬液処理以外の処理を行う場合には、熱量制御部162は、例えば、液体51と液体52とが互いに同じ温度になるように温度制御を行ってもよいし、液体51が液体52よりも高温になるように温度制御を行ってもよい。
また、制御部161は、薬液供給源133、液体供給源134がそれぞれ内蔵するヒータの制御によって、薬液13、液体14のそれぞれ温度を、予め設定された設定情報に従って所定の温度範囲内で自在に制御できる。制御部161は、好ましくは、液体14の温度と、薬液13の温度(薬液供給源133が複数の薬液を薬液13として供給する場合は各薬液の温度)とを互いに同じ温度に制御する。
基板処理装置100は、混合部191と混合部192とをさらに備えている。混合部191、混合部192は、例えば、ミキシングバルブによってそれぞれ構成される。混合部191は、配管381によって薬液供給源133と接続されるとともに、配管382によって純水供給源131と接続されている。また、混合部191は、配管386によって、ノズル回転機構155の下端に達している配管アーム280の一端と接続されている。また、混合部191は、配管387の経路途中に接続する配管388と、配管387とによって、供給管282の下端と接続されている。
混合部192は、配管382の一部と、配管382の経路途中から分岐した配管383とによって純水供給源131と接続されるとともに、配管384によって液体供給源134と接続されている。また、混合部192は、配管387によって、供給管281と接続されている。
配管382のうち配管383が分岐している分岐部よりも下流側の部分は、純水供給源131が供給する純水11を一方の純水(「一方の第1純水」)11aに分配する。配管383は、純水11を他方の純水(「他方の第1純水」)11bに分配する。配管382と、配管383とは、配管系380を構成している。すなわち、配管系380は、一端を純水供給源131に接続されるとともに、管路の途中で分岐している分岐配管である。配管系380は、純水供給源131が供給する純水11を純水11aと純水11bとに分配し、純水11aを混合部191に導き、純水11bを混合部192に導く。
なお、配管系380が、配管382の途中から分岐する配管383に代えて、一端が純水供給源131と接続され、他端が混合部192と接続される配管を備え、この配管と、配管382とによって、純水供給源131が供給する純水11を純水11aと純水11bとに分配してもよい。
また、純水供給源132は、配管385によって供給管282と接続されており、純水12を、液体52として配管385を介して供給管282に供給する。
配管381の経路途中には、流量制御器181、開閉バルブ171が設けられ、配管382の経路途中には、流量制御器182、開閉バルブ172が設けられ、配管383の経路途中には、流量制御器183、開閉バルブ173が設けられ、配管384の経路途中には、流量制御器184、開閉バルブ174が設けられている。また、配管385の経路途中には、流量制御器185、開閉バルブ175が設けられ、配管386の経路途中には、開閉バルブ176が設けられ、配管388の経路途中には、開閉バルブ178が設けられている。薬液供給源133が、薬液13として複数の薬液を並行して供給する場合には、配管381は、複数の配管により構成され、各配管毎に流量制御器と、開閉バルブとが設けられる。すなわち、この場合には、流量制御器181と開閉バルブ171とは、複数の流量制御器と複数の開閉バルブとによってそれぞれ構成される。
流量制御器181〜185は、例えば、それぞれが設けられている配管に流れる液体の流量を検出する流量計と、弁の開閉量に応じて当該液体の流量を調節可能な可変バルブとを備えて構成されている。制御部161は、流量制御器181〜185のそれぞれについて、流量計が検出する流量が目標流量になるように、図示省略のバルブ制御機構を介して流量制御器181〜185の可変バルブの開閉量を制御する。制御部161は、予め設定された設定情報に従って所定の範囲内で目標流量を設定することによって、流量制御器181〜185を通過する各液体の流量を所定の範囲内で自在に制御することができる。また、制御部161は、当該バルブ制御機構を介して開閉バルブ171〜178を開状態または閉状態に制御する。
制御部161が、流量制御器181を通過する薬液13の流量を所定の範囲内で制御するとともに、開閉バルブ171を開状態に制御することにより、薬液13が混合部191に供給される。また、制御部161が、流量制御器182を通過する純水11aの流量を所定の範囲内で制御するとともに、開閉バルブ172を開状態に制御することにより、純水11aが混合部191に供給される。
制御部161は、流量制御器182を通過する純水11aの流量と、流量制御器181を通過する薬液13の流量(薬液13が複数の薬液である場合は、各薬液の各流量)とが、予め設定された流量比になるように、流量制御器181、182を制御する。この流量比は、純水11aの流量が、薬液13の流量よりも多い流量比である。例えば、水酸化アンモニウムと過酸化水素と純水とが混合されることにより、処理液53としてSC−1液が調製される場合には、水酸化アンモニウムと過酸化水素と純水(純水11a)とは、例えば、1対4対20の流量比で混合部191に供給される。制御部161は、薬液13の種類、温度などに応じて予め設定された設定情報に従って、この流量比を変更することもできる。
混合部191に供給された純水11aと薬液13とは、混合部191によって純水11aと薬液13との流量比と等しい混合比で混合され、処理液53が調製される。制御部161が開閉バルブ176を開状態に制御することにより、処理液53は、混合部191から配管386、配管アーム280を経て上ノズル120に供給され、上ノズル120の吐出口から基板Wの上面S1の中央域に吐出される。また、制御部161が開閉バルブ178を開状態に制御することにより、処理液53は、混合部191から配管388、配管387、供給管281を経て、導入口244から下ノズル240の流路246に導入され、吐出口241から基板Wの下面S2の中央域K1に吐出される。なお、制御部161は、開閉バルブ177と開閉バルブ178とを選択的に開状態に制御する。
混合部191と、配管386と、開閉バルブ176と、ノズル回転機構155と、配管アーム280と、上ノズル120とは、処理液供給部303を構成している。すなわち、処理液供給部303は、配管系380のうち配管382から純水11aを供給されるとともに、純水11aを主に含むように純水11aと薬液13とを混合した処理液53を基板Wの上面S1に供給する。
制御部161が、流量制御器183を通過する純水11bの流量を所定の範囲内で制御するとともに、開閉バルブ173を開状態に制御することにより、純水11bが混合部192に供給される。また、制御部161が、流量制御器184を通過する液体14の流量を所定の範囲内で制御するとともに、開閉バルブ174を開状態に制御することにより、液体14が混合部192に供給される。制御部161は、純水11bの流量と、液体14の流量とが、予め設定された流量比になるように、流量制御器183、184を制御する。この流量比は、純水11bの流量が、液体14の流量よりも多い流量比である。制御部161は、予め設定された設定情報に従って、この流量比を変更することもできる。
制御部161は、純水11bと液体14との流量比を保ちつつ、純水11bと液体14との流量が変動するように流量制御器183、184を制御できるとともに、当該流量比の変動を伴って純水11bと液体14との流量が変動するように、流量制御器183、184を制御することもできる。
また、薬液13と液体14との温度が等しい場合には、制御部161は、好ましくは、混合部192に供給される純水11bと液体14との流量比と、混合部192に供給される純水11aと薬液13との流量比とが等しくなるように純水11bと液体14との流量比を制御する。
混合部192に供給された純水11bと液体14とは、混合部192によって純水11bと液体14との流量比と等しい混合比で混合され、液体51が調製される。制御部161が、開閉バルブ177を開状態に制御することにより、液体51は、混合部192から配管387、供給管281を経て導入口244から下ノズル240の流路246に導入され、吐出口241から基板Wの下面S2の中央域K1に吐出される。開閉バルブ177と開閉バルブ178とは、選択的に開状態に制御される。これにより、液体51と処理液53とは、吐出口241から中央域K1に選択的に吐出される。
混合部192と、配管387と、開閉バルブ177と、供給管281と、下ノズル240の流路246と吐出口241とは、第1供給部301を構成している。すなわち、第1供給部301は、配管系380のうち配管383から純水11bを供給されるとともに、純水11bを主に含む液体51を基板Wの下面S2の中央域K1に供給する。また、第1供給部301は、好ましくは、純水11bと、薬液13と同じ温度の温度調整用の液体14とを、処理液53における純水11aと薬液13との混合比と、液体51における純水11bと液体14との混合比とが等しくなるように混合して液体51を調製する。これにより、液体51と処理液53との温度差をより抑制できる。
制御部161が、流量制御器185を通過する純水12の流量を所定の範囲内で制御するとともに、開閉バルブ175を開状態に制御することにより、液体52としての純水12が、純水供給源132から配管385を経て供給管282に供給される。そして、液体52は、供給管282と接続された導入口245から下ノズル240の流路247に導入され、吐出口242、243から基板Wの下面S2の中間域K2、周辺域K3に吐出される。なお、配管385の経路途中にミキシングバルブなどの混合部がさらに設けられるとともに、当該混合部に供給される純水12の流量よりも少ない流量で当該混合部にさらに薬液が供給され、純水12と当該薬液とが混合されることによって液体52が調製されてもよい。すなわち、液体52は、純水12自体であってもよいし、純水12を主に含むように、純水12と薬液とが混合された液体であってもよい。純水12自体も、純水12を主に含む液体である。
配管385と、流量制御器185と、開閉バルブ175と、供給管282と、下ノズル240のうち流路247と、吐出口242、243とは、第2供給部302を構成している。すなわち、第2供給部302は、純水供給源132から供給される純水12を主に含む液体52を、基板Wの下面S2の周辺域K3と、周辺域K3と中央域K1との間の下面S2の中間域K2とのそれぞれに供給する。
また、制御部161と、流量制御器183〜185とは、流量制御部163をなしている。流量制御部163は、純水11bと、液体14とが混合部192によって混合される液体51の流量と、液体52(純水12)の流量とを独立して制御することによって、基板Wの径方向の温度分布を変更可能なように、第1供給部301が基板Wに供給する熱量と、第2供給部302が基板Wに供給する熱量とを独立して制御できる。
また、上述した温度制御部164は、純水供給源131における純水11の温度(第1温度)と、純水供給源132における純水12の温度(第2温度)とを独立に制御することにより、基板Wの径方向の温度分布を変更可能なように、第1供給部が基板Wに供給する熱量と、第2供給部302が基板Wに供給する熱量とを独立に制御できる。
流量制御部163と温度制御部164とは熱量制御部162をなしている。従って、熱量制御部162は、基板Wの径方向の温度分布を変更可能なように、第1供給部が基板Wに供給する熱量と、第2供給部302が基板Wに供給する熱量とを独立に制御できる。
基板処理装置100の各構成要素のうち、例えば、純水供給源131、132、薬液供給源133、液体供給源134以外の各構成要素は、共通の筐体に収納され、純水供給源131、132、薬液供給源133、液体供給源134は、例えば、当該筐体が設置される設置室以外の他のフロアなどに設置される。この場合には、配管系380のうち配管382から配管383が分岐する分岐部は、好ましくは、筐体に収納される。なお、純水供給源131、132、薬液供給源133、液体供給源134も当該筐体に収納されてもよい。
また、基板処理装置100においては、スピンチャック111による基板Wの回転と、第1供給部301による基板Wの下面S2の中央域K1への液体51の供給と、第2供給部302による下面S2の中間域K2および周辺域K3への液体52の供給と、処理液供給部303による基板Wの上面S1への処理液53の供給とは、互いに並行して行われる。基板処理装置100は、開閉バルブ177を開状態にするとともに、開閉バルブ175、178を閉状態にすることにより、液体51と液体52とのうち液体51のみを基板Wの下面S2(より正確には、下面S2の中央域K1)に供給することもできる。また、基板処理装置100は、開閉バルブ178を開状態にするとともに、開閉バルブ175、177を閉状態にすることにより、処理液53のみを中央域K1に供給することもできる。また、純水供給源131と、純水供給源131が供給する純水11を第2温度に加熱するヒータ等とによって純水供給源132を構成してもよいし、純水供給源132と、純水供給源132が供給する純水12に第1温度よりも低温の純水を混合して第1温度の純水を調製する混合部とによって、純水供給源131を構成してもよい。
<2.基板処理装置の動作>
図14は、基板処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。以下に、図5〜図11を適宜参照しつつ、図14のフローチャートに基づいて、基板処理装置100の動作について説明する。
<2−1.基板の回転開始>
基板処理装置100は、薬液供給源133に貯留された薬液13を含む処理液53によって基板Wの処理(薬液処理)を行う際に、先ず、チャック回転機構156を駆動して、基板Wを保持するスピンチャック111を回転させることによって、基板Wの回転を開始する(図14のステップS10)。
<2−2.薬液処理>
基板処理装置100は、基板Wが回転している状態で、処理液53を基板Wに供給し、処理液53による基板Wの薬液処理を行う(図14のステップS20)。具体的には、基板処理装置100は、例えば、下ノズル240から液体51と液体52とを下面S2に供給して基板Wの温度分布を調整しつつ、上ノズル120から基板Wの上面S1に処理液53を供給することにより上面S1の薬液処理を行う。薬液処理と並行して基板Wの下面S2に供給される液体51、52の温度および流量は、基板Wに形成された処理対象の膜の種類、処理液53の温度、種類、および走査の有無などの供給態様に応じて、予め設定された設定情報に従って設定される。当該設定情報は、基板Wの径方向における基板Wの処理量のばらつきが抑制されるとともに、目標処理量に対する処理量の偏差が抑制されるように設定されている。また、基板処理装置100は、下ノズル240から処理液53を基板Wの下面S2の中央域K1に供給し、液体52を中間域K2、周辺域K3に供給しつつ、上ノズル120から基板Wの上面S1に処理液53を供給することにより上面S1と下面S2との薬液処理を行うこともできる。また、基板処理装置100は、上面S1と下面S2とのうち下面S2の薬液処理のみを行うこともできる。また、基板処理装置100は、上面S1の薬液処理と、下面S2の薬液処理とを順次に行うこともできる。薬液処理中の基板Wの回転速度は、例えば、300rpmに設定される。処理時間は、例えば、30秒間などに設定される。
<2−3.リンス処理>
薬液処理が終了すると、基板処理装置100は、基板Wのリンス処理を行う(図14のステップS30)。上面S1のリンス処理は、例えば、上ノズル120と並んで設けられた図示省略のノズルから、例えば、24℃に設定された純水などのリンス液を上面S1に吐出することにより行われる。下面S2のリンス処理は、下ノズル240から、例えば、純水に基づいて調製されて24℃に温度調整された液体51、液体52を、リンス液として下面S2に吐出することなどにより行われる。リンス液として、純水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、各種の有機溶剤(イオン水、IPA(イソプロピルアルコール)、機能水等が用いられてもよい。上面S1のリンス処理と下面S2のリンス処理とは並行して行われてもよいし、順次に行われてもよい。薬液処理において、下面S2に処理液53が供給される場合には、必ず下面S2のリンス処理を行うことが好ましい。下面S2に処理液53が供給されない場合においても、下面S2のリンス処理を行ってもよい。リンス処理中の基板Wの回転速度は、例えば、1200rpmに設定され、リンス処理の時間は、例えば、10秒〜15秒に設定される。
<2−4.下ノズルの洗浄処理>
リンス処理が終了すると、基板処理装置100は、下ノズル240の洗浄処理を行う(図14のステップS40)。薬液処理において下面S2に処理液53が吐出される場合には、下ノズル240の洗浄処理を、必ず行うことが好ましい。下ノズル240の洗浄処理において、基板処理装置100は、基板Wの回転速度を、リンス処理中の回転速度(より正確には、薬液処理中の回転速度)よりも低下させる。また、基板処理装置100は、流量制御部163による制御によって、中央域K1に供給するリンス液としての液体51の流量を第1流量に設定するとともに、周辺側領域に供給するリンス液としての液体52の流量を第1流量よりも多い第2流量に設定する。また、下ノズル240の洗浄処理と並行して上面S1にもリンス液を供給することが好ましい。基板Wが回転していない状態で、下ノズルの洗浄処理が行われてもよいが、基板Wの下面S2の洗浄ムラを抑制するために、基板Wが、例えば、10rpmなどの低速で回転している状態で、下ノズルの洗浄処理が行われることがより好ましい。
基板処理装置100は、先ず、第1流量、第2流量、および上面S1へのリンス液の供給流量を、例えば、400ml/分、1200ml/分、および2000ml/分にそれぞれ設定して、3秒間、下ノズル240の洗浄処理を行う。次に、基板処理装置100は、第1流量、第2流量、および上面S1へのリンス液の供給流量を、例えば、800ml/分、1200ml/分、および2000ml/分にそれぞれ設定して、さらに3秒間、下ノズル240の洗浄処理を行う。
図5は、下ノズル240Zの洗浄処理後の残留薬液の有無を確認する複数の箇所A〜Gを模式的に示す図である。下ノズル240Zは、下ノズル240の座繰り部251に代えて、座繰り部254を備えることを除いて、下ノズル240と同様の構成を備えている。下ノズル240Zは、基板Wの下面S2の中央域K1に対向する一端側端部(基部)271Zと、一端側端部271Zから基板Wの径方向に沿って下面S2の周辺域K3の下方まで延設される延設部272とを備える。座繰り部251は、一端側端部271Zの上面と、一端側の側面とに開口しているが、座繰り部254は、座繰り部253と同様に、一端側端部271Zの上面と当該側面とのうち当該上面のみに開口している。このため、座繰り部254の底面には、座繰り部253の水抜き孔253aと同様の構成を有する水抜き孔254aが形成されている。水抜き孔254aは、下ノズル240Zの下面のうち台座119に対向していない部分に開口している。
図5に示される箇所Aは、下ノズル240Zの延設部272における基板Wの回転方向下流側の側面であり、箇所Bは、下ノズル240Zの一端側部分271および延設部272における回転方向上流側の側面である。箇所Cは、一端側端部271Zにおける基板Wの回転方向下流側の側面である。箇所Dは、座繰り部252の窪んだ表面であり、箇所Eは、座繰り部253、254の窪んだ表面である。箇所Fは、下ノズル240Zの上面である。また、箇所Gは、スピンベース115(図1参照)の上面である。箇所A〜Gにおける薬液の残留の有無については、図8〜図11を参照しつつ、後述する。
図6は、下ノズル240から基板Wの下面S2に吐出された液体の拡がり方の一例を模式的に示す断面図である。図6では、下ノズル240の吐出口241から中央域K1に液体51が吐出される場合が、例として示されている。
図6に示されるように、吐出口241から基板Wの下面S2に向けて吐出された液体51は、下面S2に当たると、下面S2の下ノズル240の上面との間の空間Vにおいて下面S2に沿って拡がった後、基板Wの下面S2から下ノズル240の上面に供給される。下面S2に吐出された液体51は、その流量が多い程、基板Wの下面S2に沿ってより遠くまで拡がる。下面S2と下ノズル240の上面との間隔は、例えば、1.5mmである。図6の例では、液体51が供給されていない部分が空間Vの下方、より正確には、液体51の下方に存在している。この部分に薬液が存在している場合には、当該薬液は、液体51によって置換されないので、薬液が下ノズル240に残存してしまう。
そこで、基板処理装置100では、吐出口241からのリンス液としての液体51を第1流量で下面S2の中央域K1に吐出するとともに、吐出口242、243からリンス液としての液体52を下面S2の中間域K2、周辺域K3に第1流量よりも多い第2流量で吐出する。吐出口242、243の方が、吐出口241よりも下ノズル240の一端側部分271からの距離は遠いが、第2流量は第1流量よりも多い。従って、吐出口241から吐出されて基板Wの下面S2に沿って拡がる液体51と、吐出口242、243から吐出されて基板Wの下面S2に沿って拡がる液体52との双方は、それぞれの流量を十分に増やしたとしても、基板Wの下面S2のうち下ノズル240の一端側部分271の上方部分若しくはその近傍部分において互いにぶつかって、液体51、52が一緒に下ノズルに落下する。これにより、液体51、52の多くを一端側部分271に供給することができる。従って、一端側部分271に残留する薬液を液体51、52によって十分に置換して一端側部分271を洗浄できる。これにより、一端側部分271への薬液の残留を抑制できる。
第2流量は、下ノズル240の周辺側吐出口(吐出口242、243)から周辺側領域に吐出された液体52を、周辺側領域を経て一端側部分271に供給可能な流量である。第1流量と、第2流量とは、予め、実験等によって定められて、制御部161のメモリ等に記憶されている。
また、基板処理装置100は、好ましくは、下ノズル240の一端側部分271における水平面と基板W基板の下面S2との間の空間Vを、下ノズル240から吐出された液体51、52を含む液体(具体的には、例えば、薬液13と液体51、52とを含む液体)によって満たされた液密状態にしつつ、一端側部分271を洗浄する。
図7は、下ノズル240に設けられた座繰り部253と水抜き孔253aとを模式的に示す断面図である。図7に示されるように、下ノズル240の一端側部分271には、一端側部分271を台座119に固定するネジ264を収容するための座繰り部253が形成されている。既述したように、座繰り部253は、一端側部分271の上面と側面とのうち上面のみに開口している。このため、座繰り部253の底面には、一端側部分271を上下方向に貫通する水抜き孔253aが形成されている。既述したように、水抜き孔253aは、下ノズル240の下面のうち台座119に対向していない部分に開口している。基板処理装置100は、下ノズル240の洗浄処理において、一端側部分271に付着している薬液を、一端側部分271に供給される液体51、液体52とともに水抜き孔253aから下ノズル240の外部に排出する。なお、水抜き孔253aと同様の水抜き孔が、一端側部分271のうち座繰り部253以外の部位に設けられてもよい。
図8〜図11は、図5に示された複数の箇所A〜Gについて、残留薬液の有無の確認結果を表形式で示す図である。図8〜図11の例では、三回測定が行われて、各回毎に、箇所A〜Gのそれぞれについて、薬液の残留を検出できない場合には、「OK」が附され、薬液の残留が認められる場合には、「NG」が附されている。図8〜図11の表の何れにおいても、下ノズル240の洗浄処理における吐出口241からの純水の流量は、400ml/分に設定されている。また、吐出口242、243のそれぞれから吐出される純水の流量は、図8〜図11について、吐出無し、400ml/分、800ml/分、1200ml/分にそれぞれ設定されている。
図8〜図11に示される結果から、窪んでいる座繰り部252(箇所D)、座繰り部253(箇所E)、および座繰り部254(箇所E)は、他の平坦な箇所A〜C、F、Gに比べて、下ノズル240の洗浄処理後の残留薬液が多いことが判る。さらに、下ノズル240の上面だけでなく、側面に開口している座繰り部252は、開口していない座繰り部253、254に比べて、残留薬液が除去されやすいことも判る。
座繰り部253、254は、それぞれ水抜き孔253a、水抜き孔254aが設けられているにも拘わらず、箇所A〜Gの中で最も薬液が除去され難いことも判る。そして、吐出口241から400ml/分で純水が吐出される場合に、座繰り部253、254から検出できない程度にまで残留薬液を除去するためには、吐出口242、243のそれぞれから1200ml/分の流量で純水を吐出することが必要であることが判る。
<2−5.振り切り処理>
下ノズル240の洗浄処理が終了すると、基板処理装置100は、基板Wおよび下ノズル240に付着しているリンス液等の液体を振り切って基板Wおよび下ノズル240を乾燥させる振り切り処理(「液振り切り処理」)を行う(図14のステップS50)。
<2−6.基板の回転停止>
振り切り処理が終了すると、基板処理装置100は、チャック回転機構156を制御して、スピンチャック111の回転を停止し(図14のステップS60)、一連の基板処理を終了する。なお、スピンチャック111に保持されている基板Wに対して、複数の薬液処理を順次に行う場合には、ステップS40の振り切り処理の終了後に、ステップS20〜S40の処理を繰り返せばよい。
<3.下ノズル240の温度の上昇の影響と、対策について>
基板処理装置100は、基板Wに対して、複数の薬液をそれぞれ含む複数の処理液を用いて複数の薬液処理を順次に実施することができる。このような薬液処理の例として、具体的には、例えば、フッ酸(HF)と純水とが所定の割合で混合された24℃の希フッ酸(DHF)を処理液53として用いる薬液処理と、水酸化アンモニウム(NH4OH)と高温の純水とが所定の割合で混合された60℃の希水酸化アンモニウムを処理液53として用いる薬液処理とが順次に行われる薬液処理等が挙げられる。
基板処理装置100は、このような低温の処理液53を用いる低温薬液処理と、高温の処理液53を用いる高温薬液処理との双方を、図示省略の搬送アームを用いて基板Wを交換しつつ、複数の基板Wのそれぞれに対して順次に行うことができる。
この場合、基板処理装置100は、先ず、1枚目の基板Wに対して、低温の処理液53を用いて図14のフローチャートのステップS10〜S30の処理(基板の回転開始、薬液処理(低温薬液処理)、リンス処理)を順次に行う。低温薬液処理時には、上ノズル120による処理液53の吐出と並行して、下ノズル240が、例えば、低温の処理液53と同じ温度の液体51、52を基板Wの下面S2に吐出して基板Wの温度分布を調整する。
次に、基板処理装置100は、高温の処理液53を用いてステップS20〜S30の処理(薬液処理(高温薬液処理)、リンス処理)を順次に行う。高温薬液処理時には、上ノズル120による高温の処理液53の吐出と並行して、下ノズル240は、例えば、高温の処理液53と同じ温度の液体51、52を基板Wの下面S2に吐出して基板Wの温度分布を調整する。その後、基板処理装置100は、ステップS40〜S60の処理(下ノズルの洗浄処理、振り切り処理、基板の回転停止)を順次に行い、現在の処理対象の基板Wに対する処理を終了する。なお、下ノズルの洗浄処理と振り切り処理において、基板処理装置100は、例えば、低温の処理液53と同じ温度の低温の液体51、52をリンス液として下ノズル240から基板Wの下面S2に吐出する。
基板処理装置100は、上述の低温薬液処理と高温薬液処理との双方を含む一連の基板処理を、基板Wを交換しつつ、複数の基板Wに対して繰り返す。高温薬液処理においては、高温の処理液53の吐出と並行して、下ノズル240から高温の液体51、52が基板Wの下面S2に吐出されるために、高温薬液処理後の下ノズル240の温度は、直前の低温薬液処理後よりも上昇する。
このように、下ノズル240の温度が上昇した高温薬液処理後のリンス処理において、下ノズル240が、仮に、下面S2の中央域K1への液体51の吐出と、中間域K2、周辺域K3への液体52の吐出とのうち液体51の吐出のみを行う場合について検討する。これは、通常、リンス処理における基板Wの主面内における温度均一性は、エッチング時のそれに比べると比較的要求度が低いため、周縁部に対して温度調整用の液体を供給する必要が無いと考えられるためである。この場合、リンス処理後の下ノズル240の温度は、通常、直前の低温薬液処理の開始時の温度までは下がらない。また、ステップS40の下ノズルの洗浄処理の期間は、リンス処理の期間に比べて、通常、短いため、下ノズルの洗浄処理を経ても下ノズル240の温度は、直前の低温薬液処理の開始時の温度まで下がらない。このため、複数の基板Wに対して一連の基板処理を順次に繰り返すと、処理された基板Wの枚数が増加するにつれて、下ノズル240の温度が上昇し、低温薬液処理中に下ノズル240が吐出する液体51、52の温度も、液体51、52が下ノズル240の内部の流路246、247を通過する過程で上昇する。これにより、基板の処理枚数が増加するほど、低温薬液処理における基板Wの温度も上昇し、基板Wの各部を所望の処理量で均一に処理することが困難になる。
そこで、基板処理装置100は、高温薬液処理後のリンス処理において、下ノズル240の吐出口241から低温の液体51を基板Wの下面S2の中央域K1に吐出するとともに、吐出口242、243から低温の液体52を下面S2の中間域K2、周辺域K3に吐出する。このリンス処理によれば、高温薬液処理後のリンス処理に於いて液体51、52のうち液体51のみを吐出する場合に比べて高温薬液処理によって上昇した下ノズル240の温度をさげることができる。従って、低温薬液処理と高温薬液処理とを含む一連の基板処理を複数の基板Wに対して順次に繰り返す場合でも、各基板Wの各部を所望の処理量で均一に処理することがより容易になる。
図12は、処理液53としてエッチング液を用いる低温薬液処理と、基板Wの加熱処理とを含む一連の基板処理を、複数(25枚)の基板Wに対して順次に行ったときの処理された基板Wの累積枚数と、基板Wのエッチング量との関係の一例を、グラフ形式で示す図である。各基板Wに形成されている処理対象の膜は、厚さ100nm以下の熱酸化膜(Th―Oxide)である。一連の基板処理は、基板Wの回転中に、低温薬液処理、リンス処理(第1リンス処理)、基板Wの加熱処理、リンス処理(第2リンス処理)、および振り切り処理をこの順に行う処理である。
低温薬液処理として、フッ酸(HF)と純水とが1対50の割合で混合されて24℃に温度調整された希フッ酸(DHF)を2000ml/分の流量で基板Wに30秒間供給するエッチング処理が行われる。低温薬液処理における基板Wの回転数は、800rpmである。低温薬液処理においては、基板Wへ希フッ酸の供給と並行して、下ノズル240の吐出口241〜243から24℃の純水(液体51、52)が定められた流量で基板Wの下面S2に供給される。
第1リンス処理は、1200rpmの回転速度で回転している基板Wの下面S2に下ノズル240から24℃の純水を18秒間吐出する処理である。
また、実験では、上ノズル120から処理液53を基板Wに吐出することなく、下ノズル240から高温の液体51(具体的には、67℃の純水)と高温の液体52(具体的には、80℃の純水)とを基板Wの下面S2に60秒間吐出する。高温の液体51は、500ml/分の流量で下面S2の中央域K1に吐出され、高温の液体52は、1900ml/分の流量で下面S2の中間域K2、周辺域K3に吐出される。基板Wの回転数は、500rpmに設定されている。当該加熱処理によっても、高温の処理液53、液体51、52を基板Wに吐出する高温薬液処理と同様に基板Wおよび下ノズル240の温度が上昇する。このため、図12に示されるグラフに係るデータ測定時には、高温薬液処理に代えて、基板Wの加熱処理が行われている。
第2リンス処理は、下ノズル240から基板Wの下面S2に24℃の純水を22.5秒間吐出する処理である。第2リンス処理における基板Wの回転数は、1200rpmに設定されている。第2リンス処理中に下面S2に供給される純水(液体51、液体52)の流量の組み合わせは、下面S2の中間域K2、周辺域K3への液体52の吐出の有無がエッチング量に及ぼす影響を検証するために、後述する2通りに設定されている。当該2通りの流量の組み合わせのそれぞれに対して、処理された基板Wの累積枚数と、基板Wのエッチング量との関係が測定されて、図12においてグラフ(黒色の菱形で示されているグラフと、黒色の四角で示されているグラフ)に表わされている。
また、振り切り処理では、液体51、52が基板Wの下面S2に吐出されていない状態で、基板Wが、2500rpmの回転数で26.5秒間回転させられる。処理済みの基板Wの累計枚数が25枚に達していない場合には、振り切り処理が終了後に処理済みの基板Wが、未処理の基板Wに交換されて、再び、一連の基板処理が未処理の基板Wに対して行われる。
図12の黒色の菱形で示されているグラフでは、第2リンス処理において、吐出口241から2000ml/分の流量で純水が基板Wの下面S2の中央域K1に供給され、吐出口242、吐出口243からは、純水は供給されていない。黒色の四角で示されているグラフでは、第2リンス処理において、吐出口241から2000ml/分の流量で純水が中央域K1供給されるとともに、吐出口242、243から合計2000ml/分の流量で純水が中間域K2、周辺域K3に供給されている。
また、図12には、下ノズル240による基板Wの加熱処理を行わずに24℃のDHFによるエッチング処理のみを連続して繰り返した場合の処理済みの基板枚数の累計に対するエッチング量の関係が、参考データとして、黒色の三角により示されている。
図12のグラフに基づいて、25枚目の基板Wのエッチング量から1枚目の基板Wのエッチング量を減じたエッチング量の増分を、処理済み基板Wの総数である25枚で除算して、基板処理枚数が1枚増加する毎のエッチング量の増分の平均値を求めると以下のようになる。黒色の三角で示されるグラフでは、エッチング量の増分の平均値は、0.0011であり、3つのグラフにおける当該平均値の中で最も小さい。黒色の四角のデータでは、該平均値は、0.0013であり、基板の加熱処理が行われ無い場合に比べて、僅かに大きい。これに対して、黒色の菱形で示されるグラフにおける該平均値は、0.0040であり、他の2つのデータに比べて著しく大きい。
この結果から、基板の加熱処理後の第2リンス処理において、吐出口242、243から中間域K2、周辺域K3に低温の純水が吐出されない場合には、一連の基板処理を繰り返す毎の基板Wの温度上昇率が、基板Wの加熱処理が行われ無い場合に比べて著しく高くなっていることが判る。一方、第2リンス処理において、吐出口242、243から少なくとも合計2000ml/分の流量で24℃の純水が基板Wの周辺側領域に吐出される場合には、一連の基板処理を繰り返す毎の基板Wの温度上昇率は、基板Wの加熱処理が行われない場合よりも僅かに高くなっているものの、ほぼ同程度に温度上昇率が抑制されていることが判る。
図13は、図12の説明において既述した一連の基板処理を基板Wを交換しつつ複数の基板Wに対して連続して繰り返した場合の、第2リンス処理において基板Wの下面S2に供給されるリンス液の流量と、エッチング量の増加率(より詳細には、基板処理枚数が1枚増加する毎のエッチング量の増分の平均値)との関係の一例を、グラフ形式で示す図である。
より具体的には、図13のグラフは、図12のデータと同様の処理条件で25枚の基板Wを処理してエッチング量を測定し、測定結果から基板処理枚数が1枚増加する毎のエッチング量の増分の平均値を求めて、グラフ形式で示したものである。図13のグラフに係るデータ測定においては、第2リンス処理における吐出口241からの中央域K1への純水の吐出流量と、吐出口242、243からの中間域K2、周辺域K3への純水の吐出流量との組み合わせが、図12のグラフに係るデータ測定時よりも増やされている。図13のグラフの横軸における、例えば、C2000−E500との記載は、吐出口241から吐出される低温の純水(液体51)の吐出流量が2000ml/分であり、吐出口242、243から吐出される低温の純水(液体52)の吐出流量の合計が500ml/分であることを示している。また、横軸が「Ref」であるグラフは、図12のグラフと同様に、下ノズル240による基板Wの加熱処理が行われていない場合のエッチング量の増分の平均値を参考データとして示している。
図13の結果から、第2リンス処理において、吐出口241から2000ml/分の流量で純水が吐出されるとともに、吐出口242、243から合計2000ml/分の流量で純水が供給される場合に加えて、さらに、吐出口241から1000ml/分の流量で純水が供給され、吐出口242、243から合計2000ml/分の流量で純水が供給される場合(図13中で、一点鎖線により囲まれたグラフ)にも、エッチング量の増分の平均値が、基板Wの加熱処理が行われない参考データの結果に近いことが判る。従って、図13のグラフの横軸においてC1000−E2000として示されている第2リンス処理における純水(リンス液)の当該供給条件も、低温薬液処理と高温薬液処理とを含む一連の基板処理を複数の基板Wに対して繰り返し行う場合に採用可能であることが判る。リンス液の当該供給条件は、好ましくは、図12、図13のグラフに対応する基板処理条件に対する第2リンス処理におけるリンス液の標準の供給条件として採用される。
図12、図13を参照しつつ説明したように、基板処理装置100が低温薬液処理と高温薬液処理(基板Wの加熱処理)とを含む一連の基板処理を繰り返し行う場合の高温薬液処理後のリンス処理において、下ノズル240から基板Wの下面S2のうち中央域K1のみに低温の純水などの低温のリンス液が供給される場合には、下ノズル240の温度が上昇して低温薬液処理における下ノズル240による基板Wの温度分布制御の精度が悪化する場合がある。そこで、基板処理装置100は、下面S2のリンス処理において、中央域K1への低温のリンス液の吐出だけでなく、下面S2のうち中央域K1以外の周辺側領域(中間域K2、周辺域K3)にも低温のリンス液の吐出を行うことにより、基板Wの下面S2のリンス処理を行いつつ、下ノズル240の冷却を行う。リンス処理においては、基板処理装置100は、流量制御部163による制御によって、下ノズル240が中央域K1に供給するリンス液としての液体51の流量を、例えば、1000ml/分に設定するとともに、下ノズル240が周辺側領域に供給するリンス液としての液体52の流量を、例えば、2000ml/分に設定する。これにより、下ノズル240を十分に冷却することができるので、下面S2への液体51、52の吐出による基板Wの温度分布の制御を、高い精度で行うことができる。従って、処理対象の基板を交換しつつ各基板に対して低温薬液処理と高温薬液処理とを含む基板処理を順次に行う場合や、同一基板に対して、低温薬液処理と高温薬液処理とを繰り返す場合においても、基板Wのエッチング量を所望の値に制御しやすくなる。また、上面S1に供給されるリンス液の流量は、例えば、2000ml/分に設定される。基板処理装置100では、リンス処理中に下ノズル240の冷却も行われるので、単位時間当りの基板の処理枚数を増やすこともできる。
以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、下ノズル240の吐出口241から第1流量の液体51(リンス液)が基板Wの下面S2の中央域K1に吐出されつつ、吐出口242、243から第2流量の液体52(リンス液)が下面S2の周辺側領域(中間域K2および周辺域K3)に吐出される。下ノズル240から基板Wの下面S2に吐出された液体51は、下面S2に沿って拡がった後、下面S2から落下して下ノズル240に供給される。下面S2に吐出された液体51は、その流量が多い程、下面S2に沿ってより遠くまで拡がる。吐出口242、243は、吐出口241よりも下ノズル240の一端側部分271から遠いが、第2流量は第1流量よりも多い。従って、吐出口241から吐出されて基板Wの下面S2に沿って拡がる液体51と、吐出口242、243から吐出されて基板Wの下面S2に沿って拡がる液体52との双方は、それぞれの流量を十分に増やしたとしても、基板Wの下面S2のうち下ノズル240の一端側部分271の上方部分若しくはその近傍部分において、液体51、52が互いにぶつかって、一緒に下ノズルに落下する。これにより、液体51、52の多くを一端側部分271に供給することができる。従って、一端側部分271に残留する薬液を液体51、52によって十分に置換して一端側部分271を洗浄できるので、一端側部分271への薬液の残留を抑制できる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、第2流量は、下ノズル240の吐出口242、243から下面S2の周辺側領域(中間域K2および周辺域K3)に吐出された液体52を、周辺側領域を経て一端側部分271に供給可能な流量である。従って、より多くの液体52を吐出口242、243から一端側部分271に供給できるので、一端側部分271への薬液の残留をさらに抑制できる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、基板Wは、薬液処理と並行して、第1回転速度で回転させられるとともに、下ノズル240の洗浄処理と並行して、第1回転速度よりも遅い第2回転速度で回転させられる。従って、より多くの液体52が、吐出口242、243から中間域K2、周辺域K3を経て下ノズル240の一端側部分271まで到達できるので、一端側部分271への薬液の残留をさらに抑制できる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、下ノズル240の水平面と基板Wの下面S2との間の空間Vが、下ノズル240から吐出された液体51、52を含む液体によって満たされた液密状態になる。これにより、下ノズル240の水平面のうち液体51、52が供給されない部分を減らすことができるので、下ノズル240の一端側部分271への薬液の残留をさらに抑制できる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、下ノズル240の一端側部分271に付着している薬液は、一端側部分271に供給される液体51、52とともに一端側部分271に設けられた水抜き孔253aからも下ノズル240の外部に排出されるので、一端側部分271への薬液の残留をさらに抑制できる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理装置における基板処理方法によれば、下ノズル240の一端側部分271に座繰り部253が設けられ、座繰り部253の底面に水抜き孔253aが設けられる。座繰り部253に残留する薬液は、液体51、52とともに水抜き孔253aから下ノズル240の外部に排出される。これにより、一端側部分271への薬液の残留をさらに抑制できる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。