JP4645846B2 - スラストころ軸受及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動変速機用遊星歯車機構やカーエアコンのコンプレッサ等に用いられると好適なスラストころ軸受及びその製造方法に関する。
車両等に搭載されている自動変速機においては、主流である4速から、更に5速〜7速と多段化される傾向にあり、また高トルク化、コンパクト化の流れをうけ、軸受には省スペースで、高速回転、且つ大きなモーメント荷重を受け持つことが要求されているという実情がある。ここで、スラストころ軸受はころを放射状に複数本配列し、アキシアル荷重を受けて回転するものであり、軸方向高さが低い(薄い)にもかかわらず、非常に大きな荷重を受けることができるという特徴を有しているので、自動変速機にも好ましく用いられている(特許文献1参照)。
特開2003−49844号公報
ところで、スラストころ軸受は、スラストレース、ころ、及び保持器とを備えており、スラストレースの外周縁、もしくは内周緑には円筒状の案内部がー体に形成されている。この案内部は、保持器を周方向に案内するものであり、この案内部の先端には、円周上の数箇所に押え用タブが設けられていることが多い(特許文献1の図11参照)。この押え用タブは、保持器をスラストレースから分離させないようにするためのもので、外周縁、もしくは内周縁先端部を押し曲げて塑性変形させることで形成している。押し曲げ部に保持器を組込むことで、ラジアル方向変位を阻止した状態で組付けられ、一体とすることができる。
ここで、押え用のタブを塑性加工する際、従来のタブ形状では押し付け加工時にスラストレースの外周緑、もしくは内周縁の案内部が、押し方向に向かって大きく変形させようとする(倒れようとする)力が作用する。従って、押え用のタブを形成した周囲の案内面が、局部的に変形することになる。この案内面は、保持器を周方向に案内する機能も果たしているため、保持器の側面がこの局部的な変形部に接触して回転する条件下においては、両者が互いに局部接触するため、保持器側面の摩耗を促進させてしまうという課題があった。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、レースの形状を調整することにより、長寿命を確保できるスラストころ軸受及びその製造方法を提供することを目的とする。
第1の本発明のスラストころ軸受は、軌道面と、それに交差する方向に延在する案内部とを備えたレースを含むスラストころ軸受であって、
前記案内部の端部周縁に半径方向に突出するタブが、半径R1の円弧形状と、半径R2(>R1)の円弧形状とからなる半楕円形の工具を用いて塑性変形により形成されており、前記タブは、半径方向最大長よりも円周方向最大長が小さいことを特徴とする
第2の本発明のスラストころ軸受の製造方法は、軌道面と、それに交差する方向に延在する案内部とを備えたレースを含むスラストころ軸受の製造方法であって、
前記案内部の端部周縁を、半径R1の円弧形状と、半径R2(>R1)の円弧形状とからなる半楕円形の工具を用いて塑性変形することで、半径方向に突出するタブを形成しており、前記タブは、半径方向最大長よりも円周方向最大長が小さくなっていることを特徴とする。
前記軌道面と、前記案内部の案内面との交差角αは、以下の式を満たすと好ましい。
88°≦α≦90°
本発明者らは、鋭意研究の結果、タブを形成するために案内部先端を塑性変形する際に、塑性変形の影響でタブ周辺における案内部の形状が変化することに鑑み、タブの形状を調整することで、案内部の形状変化を抑制できることを見出した。すなわち、外輪レースの案内部にタブを設ける場合、前記タブを、その半径方向最大長よりも、円周方向最大長を小さくするか、或いは、その半径方向最大長よりも、軸線方向最大長を小さくなるようにすることで、塑性変形に必要な荷重を低くでき前記案内部に塑性変形の影響が及ぶことを抑制することができる。一方、内輪レースの案内部にタブを設ける場合、前記タブを、その半径方向最大長よりも、円周方向最大長を小さくするか、或いは、その半径方向最大長よりも、軸線方向最大長を小さくなるようにすることで、塑性変形に必要な荷重を低くでき前記案内部に塑性変形の影響が及ぶことを抑制することができる。従って、スラストころ軸受の動作時に、前記案内部と前記保持器との局所的な当接を抑制し、長寿命を確保することが可能となる。
尚、「半径方向長」とは、レースの半径方向に沿った長さをいい、「円周方向長」とは、レースの案内部の円周方向に沿った長さをいい、「軸線方向長」とは、レースの軸線方向に沿った長さをいうものとする。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるスラストころ軸受を含む車両の自動変速機の一部を示す断面図である。
図1において、ケース10内において、不図示のトルクコンバータのタービン出力回転をプラネタリギヤセット12に伝達する入力部材を構成する入力軸11は、プラネタリギヤセット12のフロントサンギヤ13側に配置されている。また、カウンタドライブギヤ14は、ケース10の後壁を挟んでプラネタリギヤセット12のリヤサンギヤ15側に配置されている。そして、プラネタリギヤセット12の内周側には、プラネタリギヤセット12の支持軸を構成するサンギヤ軸20が配置され、本形態において、この軸は、リヤサンギヤ15と一体化され、プラネタリギヤセット12とカウンタドライブギヤ14とを貫通して延在している。
入力軸11は、ケース10に支持されて、トルクコンバータのタービンと、各クラッチ16,17,18と、第1のワンウェイクラッチに連結されている。詳しくは、入力軸11は、オイルポンプカバーで構成されるケース10の前壁に固定した中空のステータシャフト19に前端部付近をブッシュを介して、また後端部付近をニードルベアリングを介して支持され、前端をスプライン係合でタービンハブ(不図示)に連結され、後端を各クラッチ18,17,16のドラム側の油圧サーボシリンダ内周側部材21に第1ワンウェイクラッチOC1のインナレースを経て連結されている。
サンギヤ軸20は、一方側の端部をクラッチ18及び第1ワンウェイクラッチOC1を介して入力軸11に連結され、他方側の端部をカウンタドライブギヤ14を貫通した外側でブレーキ22を介してケース10に連結されている。詳しくは、サンギヤ軸20は、前端を入力軸11後端の凹部にブッシュを介して支持され、後端部付近をブッシュを介してリングギヤフランジ23の軸部内周に支持され、その外周に嵌合するカウンタドライブギヤ14のボス部及びローラベアリング経由で最終的にケース10の後壁に支持されている。そして、サンギヤ軸20の前端部側は、スプライン係合でクラッチ18のハブ24側に連結されている。また、サンギヤ軸20の後端は、スプライン係合でブレーキ22のハブ25側に連結されている。
プラネタリギヤセット12は、そのフロントサンギヤ13とキャリヤQがブッシュを介してそれぞれサンギヤ軸20に支持され、リングギヤ26がそれにスプライン係合で連結されたリングギヤフランジ23経由で該部材にスプライン係合連結されたカウンタドライブギヤ14に固定されることで、結果的にボールベアリング27を介してケース10の後壁に支持されている。プラネタリギヤセット12のフロントサンギヤ13は、クラッチ17のハブ28側に連結され、キャリヤQは、クラッチ16のハブ29と、ブレーキ30のハブ31と、第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースとに並列的に連結されている。
このギヤトレインにおいて、入力軸11をそれぞれ、フロントサンギヤ13に連結するクラッチ17、リヤサンギヤ15に連結するクラッチ17及びキャリヤQに連結するクラッチ16は、それら各クラッチの油圧サーボと摩擦部材を纏めて入力軸11とサンギヤ軸20の連結部の外周に配置されている。まず、クラッチ17は、ケース10の前壁を構成するオイルポンプボディにボルト止め固定されたオイルポンプカバーから延びるボス部32の外周に回転自在に嵌合させた内周側部材21と、それに内周側を固定したドラム33により囲われる内側に、クラッチ17のドラムを兼ねるピストン34を回止め嵌合させた油圧サーボと、ドラム33の先端内周の内側とフロントサンギヤ13に内周側を連結させて配置されたハブ28の外周にそれぞれスプライン係合連結された摩擦部材40とで構成されている。
次に、クラッチ18は、クラッチ17のピストンを兼ねて内周側部材21に摺動自在に嵌挿されたドラム34と、内周側部材21とドラム34とで囲われるシリンダ内側に嵌挿されたピストン35からなり、ピストン35の背後に遠心油圧のキャンセル室を備える油圧サーボと、ドラム34の先端内周と、更にその内周に内周側を入力軸11に連結させて配置されたハブ24の外周とにそれぞれスプライン係合連結された摩擦部材36とで構成されている。そして、このクラッチ18のハブ24には第1ワンウェイクラッチOC1のアウタレースが固定されている。
クラッチ16は、クラッチ17のドラム33をピストンとして、逆に該ピストンに被さるように嵌まるピストン37がドラム38に連結された構成とされ、遠心油圧のキャンセル室を備える油圧サーボと、プラネタリギヤセット12のキャリヤQにリベット止めされた第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースに連結されたハブ29の外周とドラム38の内周にスプライン係合連結された摩擦部材39とで構成されている。
このように纏めて配置された各クラッチの油圧サーボにおいて、各クラッチに共通の内周側部材21とクラッチ17のドラムとクラッチ16のピストンを兼ねる部材33が軸方向に不動の部材とされ、クラッチ18は、ドラム34とピストン35共に軸方向可動部材とされている。したがって、ボス部32の油路からのサーボ油圧の供給によりクラッチ17は、自身のドラム33とクラッチ18のドラム34との間で摩擦部材40を挟持して係合させ、クラッチ18は、クラッチ17のドラム33に反力を取り、自身のピストン35を押し出すことでクラッチ17のピストン34を兼ねる自身のドラムとピストン35の間で摩擦部材36を挟持して係合させ、クラッチ16は、自身のドラム38をクラッチ17のドラム33に対して軸方向に前進させることでそれらの間で摩擦部材39を挟持して係合させることになる。
次に、ブレーキ30は、ケース10の後壁に内蔵させた油圧サーボと、第2ワンウェイクラッチOC2のインナレースから延びるハブ31とケース10の周壁にスプライン係合させた摩擦部材42とで構成され、摩擦部材42は、プラネタリギヤセット12のリングギヤ26の径方向外側に配置されている。そして、これと並列配置の第2ワンウェイクラッチOC2は、前記のようにインナレースをプラネタリギヤセット12のキャリヤQにリベット止め連結され、アウタレースをケース10の周壁にスプライン係合させてプラネタリギヤセット12の径方向外側のほぼ軸方向中央部に配置されている。
ブレーキ22は、ケース10の後壁より外側に配置されており、そこに配置されたカウンタギヤ対を覆うカバー10aと、サンギヤ軸20の最後部に固定されたハブ25とにスプライン係合させてカウンタギヤ対より後方に配置された摩擦部材43と、ケース10の後壁に内蔵させた油圧サーボとで構成されている。
本実施の形態のスラストころ軸受106は、図1に示す位置に配置されており、軸線方向に対向する相手部材から伝達されるスラスト力を支持しつつ、回転自在となっている。
本実施の形態にかかる自動変速機の動作を説明する。このギヤトレインにおいて第1速(1st)を選択すると、入力軸11からの回転がクラッチ17経由でフロントサンギヤ13に入力され、第2ワンウェイクラッチOC2の係合により係止されたキャリヤQに反力を取って、リングギヤ26に出力される最大減速比の減速回転が、カウンタギヤ対を経て副変速部のリングギヤに伝達され、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
次に、第2速(2nd)は、入力軸11からも回転がクラッチ17経由でフロントサンギヤ13に入力され、ブレーキ22の係合により係止されたリヤサンギヤ15に反力を取って、リングギヤ26に減速回転が出力される。この回転は、副変速部のリングギヤに入力され、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
また、第3速(3rd)は、主軸部側については第2速と同様とされ、副軸部側のクラッチを係合させることで達成される。この場合、主変速部からの回転がクラッチの係合による直結状態のプラネタリギヤを経て、不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
更に、第4速(4th)は、主変速部側のプラネタリギヤセット12、副変速部側のプラネタリギヤが共に直結状態となり、入力軸11の入力回転が、カウンタギヤ対による減速がないものとして、そのまま不図示のディファレンシャル装置から車両の駆動輪に伝達される。
図2(a)は、本実施の形態にかかるスラストころ軸受106の拡大断面図である。図2(b)は、図2(a)の構成を矢印IIBの方向に見た図である。スラストころ軸受106は、レース106gと、レース106上を転動自在に配置された転動体である複数のころ106eと、ころ106eを周方向に等間隔に保持する保持器106hとからなる。スラストころ軸受106の外輪レース106gは、ころ106eが転動する軌道面を有する円板部106g1と、円板部106g1の外周縁から軸線方向に延在する案内部106g2とを有している。案内部106g2の内周面は、保持器106hを案内する面となっている。又、案内部106g2の先端は、図2(b)に点線で示す工具Tを用いて、周方向に複数箇所(本実施の形態では4箇所)半径方向内方に向かって塑性変形することで張り出し、それによりタブ106g3を形成している。
次に、本実施の形態の効果を、比較例と比較することで説明する。図3(a)は、比較例にかかる外輪レース106g’の軸線方向断面図であり、図3(b)は、図3(a)の構成を矢印IIIBの方向に見た図である。図4(a)は、実施例にかかる外輪レース106gの軸線方向断面図であり、図4(b)は、図4(a)の構成を矢印IVBの方向に見た図である。
ここで、外輪レース106g’から保持器106h(図2(a))が分離することを防止するためには、図3(a)に示すタブ106g3’の半径方向最大長X0が、所定値より大きくなるように塑性変形を行う必要がある。しかるに、タブ106g3’の寸法は、工具T’により塑性変形される量に応じて増大するので、半径方向最大長X0を大きく確保するためには、工具Tの押圧量を大きくすることが考えられる。ところが、工具T’の形状が、図3(b)に示すように、半径Rの単一円弧形状であると、塑性変形によりタブ106g3’の周方向最大長Y0も増大し(例えば2×X0≒Y0)、そのため塑性変形が半径方向最大長X0を大きくすることに有効に用いられず、更には図3(a)に点線で示すように、工具Tによる過大な押圧力で案内部106g2’が半径方向内方に傾くように変形することとなり、これらにより保持器106hの分離防止を図っている。ところが、案内部106g2’が傾くと、保持器106hとの干渉が生じる恐れがある。
そこで、図4に示す実施例においては、形状の異なる工具Tを用いることで、タブ106g3の形状を調整している。より具体的には、半径R1の円弧形状と、半径R2(>R1)の円弧形状とからなる半楕円形状の工具Tを用いて、半径R1の円弧形状が半径方向内方に向くようにして塑性変形を行うと、タブ106g3の半径方向最大長X1が、周方向最大長Y1より大きくなる。これにより工具Tによる塑性変形が半径方向最大長X1を大きくすることに有効に用いられ、工具Tの押圧力は小さくて済むので、結果として案内部106g2の傾きを抑制でき、保持器106hとの干渉を抑制できる。
図5(a)は、別な実施例にかかる外輪レース106gの軸線方向断面図であり、図5(b)は、図5(a)の構成を矢印VBの方向に見た図である。図5に示す実施例においては、形状の更に異なる工具Tを用いることで、タブ106g3の形状を調整している。より具体的には、工具Tにより案内部106g2の端部を押圧することで、案内部106g2の端部に、軸線に直交する平面FPと、それに対して傾斜した円錐面CPとが形成されるように塑性変形させている。かかる工具Tによれば、案内部106g2の軸線方向の塑性変形が抑えられ、工具Tによる塑性変形が半径方向最大長X1を大きくすることに有効に用いられるので、その結果としてタブ106g3の半径方向最大長X1が軸線方向最大長Z1より大きくなり、よって案内部106g2の傾きを抑制でき、保持器106hとの干渉を抑制できる。
図6は、本発明者らが行ったシミュレーション結果を示す図であり、タブを含まない案内部の内周を示す図である。比較例の場合には、図6(a)に示すように、タブを形成することにより案内部106g2’の内周形状がふくらみ真円から大きくずれるように変形している。これに対し、実施例の場合には、タブを形成しても案内部106g2’の内周形状は真円から殆どずれていないことがわかる。
本発明者らは、案内部の傾きを変えた外輪レースを製作し、それぞれスラストころ軸受に組み込んで、評価試験に供試した。その結果について説明する。図7(a)は、供試した外輪レースを軸線方向に見た図であり、図7(b)は、図7(a)の構成をVIIB-VIIB線で切断して矢印方向に見た図である。案内部106g2における案内面(内周面)の傾きθは、円板部106g1の軌道面(ころ106eの転動面)に直交する方向を0°とし、それに対する傾きで表すこととする。即ち、案内部106g2と、円板部106g1の軌道面との交差角をαとすると、θ+α=90°となる。
評価試験は、外輪レースと保持器を非分離一体型とした構造のスラストころ軸受(図2参照)を用い、外輪レースを支持する部材間に、保持器にラジアル方向の負荷を発生させる大きな偏心量を設定して、保持器側面にレースの案内面を強制的に干渉させる条件下で動作させ、所定時間経過後の保持器側面の摩耗量を比較することで行った。評価結果を表1に示す。
<試験条件>
・軸受サイズ;内径φ60mm×外径φ90mm×幅6mm
・荷重;0.3Ca(Ca:動定格荷重[N])
・軸受回転数;5000[min-1
・偏心量;0.4mm
・判定基準;184時間供試後の保持器側面の摩耗量
Figure 0004645846
表1から明らかなように、θが2°以下の場合には、保持器の摩耗量は少ないが、θが2°を超えると、保持器の摩耗量が増大する。よって、θは0度以上、2°以下であることが望ましい。これを角度αを用いて表すと以下のようになる。
88°≦α≦90°
このように角度θを設定すれば、特に高速条件下での使用や、左右支持部品問の軸心のズレが大きな部位にスラストころ軸受を組付けて使用する場合において、特に摩耗抑制効果が高い。
尚、本発明は、外輪レースに限られず、内輪レースに適用されても良い。図8(a)は、タブを形成した内輪レースを軸線方向に見た図であり、図8(b)は、図8(a)の構成をVIII-VIII線で切断して矢印方向に見た図である。図8(b)において、スラストころ軸受の内輪レース107gは、ころ106eが転動する軌道面を有する円板部107g1と、円板部107g1の内周縁から軸線方向に延在する案内部107g2とを有している。案内部107g2の外周面は、保持器106hを案内する面となっている。又、案内部107g2の先端は、周方向に複数箇所(本実施の形態では4箇所)半径方向外方に向かって塑性変形することで張り出し、それにより保持器脱落防止用のタブ107g3を形成している。案内部107g2における案内面(外周面)の傾きθは0度以上、2°以下である。これを、外輪レースと同様に角度αを用いて表すと以下のようになる。
88°≦α≦90°
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。
本実施の形態にかかるスラストころ軸受を含む車両の自動変速機の一部を示す断面図である。 図2(a)は、本実施の形態にかかるスラストころ軸受106の拡大断面図である。図2(b)は、図2(a)の構成を矢印IIBの方向に見た図である。 図3(a)は、比較例にかかる外輪レース106g’の軸線方向断面図であり、図3(b)は、図3(a)の構成を矢印IIIBの方向に見た図である。 図4(a)は、実施例にかかる外輪レース106gの軸線方向断面図であり、図4(b)は、図4(a)の構成を矢印IVBの方向に見た図である。 図5(a)は、別な実施例にかかる外輪レース106gの軸線方向断面図であり、図5(b)は、図5(a)の構成を矢印VBの方向に見た図である。 本発明者らが行ったシミュレーション結果を示す図であり、(a)は比較例を示し、(b)は実施例を示す。 図7(a)は、供試した外輪レースを軸線方向に見た図であり、図7(b)は、図7(a)の構成をVIIB-VIIB線で切断して矢印方向に見た図である。 図8(a)は、タブを形成した内輪レースを軸線方向に見た図であり、図8(b)は、図8(a)の構成をVIIIB-VIIIB線で切断して矢印方向に見た図である。
符号の説明
10 ケース
10a カバー
11 入力軸
12 プラネタリギヤセット
13 フロントサンギヤ
14 カウンタドライブギヤ
15 リヤサンギヤ
16 クラッチ
17 クラッチ
18 クラッチ
19 ステータシャフト
20 サンギヤ軸
21 油圧サーボシリンダ内周側部材
22 ブレーキ
23 リングギヤフランジ
24 ハブ
25 ハブ
26 リングギヤ
27 ボールベアリング
28 ハブ
29 ハブ
30 ブレーキ
31 ハブ
32 ボス部
33 ドラム
34 ドラム
34 ピストン
35 ピストン
36 摩擦部材
37 ピストン
38 ドラム
39 摩擦部材
40 摩擦部材
42 摩擦部材
43 摩擦部材
106 スラストころ軸受
106g 外輪レース
106g1 円板部
106g2 案内部
106g3 タブ
106h 保持器
107g 内輪レース
107g1 円板部
107g2 案内部
107g3 タブ
CP 円錐面
FP 平面
OC1 第1ワンウェイクラッチ
OC2 第2ワンウェイクラッチ
Q キャリヤ

Claims (5)

  1. 軌道面と、それに交差する方向に延在する案内部とを備えたレースを含むスラストころ軸受であって、
    前記案内部の端部周縁に半径方向に突出するタブが、半径R1の円弧形状と、半径R2(>R1)の円弧形状とからなる半楕円形の工具を用いて塑性変形により形成されており、前記タブは、半径方向最大長よりも円周方向最大長が小さいことを特徴とするスラストころ軸受。
  2. 前記軌道面と、前記案内部の案内面との交差角αは、以下の式を満たすことを特徴とする請求項に記載のスラストころ軸受。
    88°≦α≦90°
  3. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項に記載のスラストころ軸受。
    88.5°≦α≦90°
  4. 軌道面と、それに交差する方向に延在する案内部とを備えたレースを含むスラストころ軸受の製造方法であって、
    前記案内部の端部周縁を、半径R1の円弧形状と、半径R2(>R1)の円弧形状とからなる半楕円形の工具を用いて塑性変形することで、半径方向に突出するタブを形成しており、前記タブは、半径方向最大長よりも円周方向最大長が小さくなっていることを特徴とするスラストころ軸受の製造方法。
  5. 前記軌道面と、前記案内部の案内面との交差角αは、以下の式を満たすことを特徴とする請求項に記載のスラストころ軸受の製造方法。
    88°≦α≦90°
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JPH05180218A (ja) * 1991-12-28 1993-07-20 N S K Torinton Kk 非分離一体型スラスト軸受の組み立て方法
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