JP4645019B2 - 樹脂積層フィルム、および包装体 - Google Patents

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本発明は、強靱性に優れているとともに焼却時における窒素酸化物や硫黄酸化物等の有毒ガスの発生を抑制できるポリエステル系樹脂フィルム、包装用積層フィルム、および包装体に関するものである。
繰り返しの捻りや屈曲に耐え得る強靭性のある包装用のフィルムとして、従来からナイロン樹脂フィルムを代表とした二軸延伸ポリアミド系フィルムが広く用いられている。かかる二軸延伸ポリアミド系フィルムは、強靭性に優れているばかりでなく耐水性にも優れているため、特に、スープ等の液状食品の包装に好適である。
特開2000−309075号公報
しかしながら、二軸延伸ポリアミド系フィルムは、加熱時の寸法安定性、レトルト殺菌処理における耐熱性が不十分である。また、用済後に燃焼させて処理する場合、窒素酸化物のガスが発生することがあり、昨今の環境保護の潮流に鑑みて必ずしも最適な包装材料であるとはいえない。
本発明の目的は、上記従来の包装用フィルムの問題点を解消し、柔軟かつ強靭性(以下、タフネス性ともいう)に優れており熱寸法安定性やレトルト処理時の耐熱性が良好である上、焼却時における窒素酸化物のガスや硫黄酸化物のガスの発生を抑えることが可能な包装用の樹脂積層フィルムを提供することにある。また、そのような包装用積層フィルムの製造に好適に用いることができる樹脂フィルムを提供することにある。
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明は、実質的に窒素原子および硫黄原子を含まないポリエステル系樹脂を主原料としたポリエステル系樹脂フィルムと、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムとが、ドライラミネート法あるいは押出しラミネート法により積層された樹脂積層フィルムであって、前記ポリエステル系樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂成分を0超乃至10重量%含有しており、150℃で30分間乾熱処理した後の縦方向および横方向の寸法変化率が3%以下であり、8〜30μmの厚みを有する二軸延伸フィルムであり、ゲルボフレックステスターを用いて回転角度400度、速度40往復/分の条件下で3000回屈曲させた後のピンホール発生個数が3個/100cm以下であることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ポリエステル系樹脂フィルムの衝撃強度が0.3J以上0.7J未満であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1、または請求項2に記載された発明において、前記ポリエステル系樹脂フィルムのヘイズの値が15%以下であることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された樹脂積層フィルムを用いて包装されていることを特徴とする包装体である。
本発明の樹脂積層フィルムに用いられるポリエステル系樹脂フィルムは、焼却時に有害ガスを発生させることがない上、タフネス性に優れているとともに、耐熱性に優れ、レトルト処理やボイル処理等の熱処理時に寸法変化や歪みを生じにくいため、食品等の包装用の樹脂積層フィルムの製造に好適に用いることができる。また、本発明の樹脂積層フィルムは、十分なタフネス性を有しており、食品等の包装に用いた場合に高い鮮度保持特性を発現することができる上、焼却時に有毒ガスが発生しにくく、環境に悪影響を及ぼしたりしない。
本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムおよび樹脂積層フィルムは、窒素原子および硫黄原子を含まないポリエステル系樹脂を主原料とする。したがって、窒素原子や硫黄原子の存在により燃焼時に窒素酸化物ガスや硫黄酸化物ガスが発生する、という事態が生じないので、焼却しても地球環境に対して悪影響を及ぼすことがない。
本発明におけるポリエステル系樹脂とは、主としてポリカルボン酸成分と多価アルコール成分とが重縮合されたもののことである。ポリエステル系樹脂の原料となるポリカルボン酸成分としては、ジカルボン酸を用いることができ、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を用いることができる。
一方、多価アルコール成分としては、グリコールを用いることができ、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;ビスフェノール誘導体のエチレンオキサイド付加体等の芳香族ジオール類等を用いることができる。
本発明に用いるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸およびイソフタル酸から選ばれるジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびブタンジオールから選ばれるグリコールとが重縮合されたものが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂は、融点が200〜260℃であると好ましく、210〜260℃であるとより好ましく、215〜255℃であると特に好ましい。融点が200℃未満であると、耐熱性が劣り、レトルト処理等の熱履歴によって寸法変化が大きくなる可能性があるので好ましくなく、反対に、融点が260℃を超えると、製造コストが高くなり、経済的に不利となるので好ましくない。
さらに、ポリエステル系樹脂は、衝撃強度確保の点から、極限粘度が0.5〜1.5であると好ましく、0.55〜1.2であるとより好ましい。加えて、ポリエステル系樹脂は、高粘度(すなわち高分子量)のポリエステルが好適であるが、製膜工程中の樹脂溶融押出工程での設備能力に応じて、粘度を調整することが必要である。
本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムには、ポリエステル系樹脂成分の他に、ポリオレフィン系樹脂成分を0超乃至10重量%含有させることが必要であり、3〜8重量%含有させるとより好ましい。ポリオレフィン系樹脂成分の種類は、特に制限されないが、脂肪族ポリオレフィンや脂環族ポリオレフィン等を用いることができ、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等を用いることができる。さらに、ポリオレフィン系樹脂成分の他に、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の成分を含有させることも可能である。しかしながら、ポリスルホンやポリアミド、イソシアネート等の成分を含有させると、焼却時にガスが発生し易くなるため好ましくない。また、ポリエステル系樹脂以外の成分が10重量%を超えると、耐熱性が悪くなり、フィルムの外観、特に透明性が悪化するので好ましくない。
また、ポリエステル系樹脂に他の樹脂成分を含有させる際に、ポリエステル系樹脂成分とポリオレフィン系樹脂成分との相溶性を高めるために、各種公知の相溶化剤を用いることも可能である。加えて、ポリエステル系樹脂に他の樹脂成分を含有させる際に、各樹脂成分を共重合させることは、好ましい実施態様である。
本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムは、曇り度(透明性)を示すヘイズの値が15%以下であると好ましく、10%以下であるとより好ましい。フィルムの透明性を高める手段としては、上述した相溶化剤の使用等を挙げることができる。
加えて、本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムは、単一層構造でも良いし、複数層構造でも良い。また、未延伸フィルムでも良いし、一軸あるいは二軸に延伸した延伸フィルムでも良いが、二軸延伸フィルムにすると、タフネス性が一層向上するので好ましい。二軸延伸フィルムにする際の二軸延伸方法は、特に限定されず、同時延伸または逐次延伸等の公知の二軸延伸方法を用いることができる。さらに、二軸延伸する場合には、縦方向の延伸倍率は、2〜5倍であると好ましく、2.5〜4倍であるとより好ましい。また、縦方向に延伸する際の延伸温度は、80〜120℃であると好ましく、90〜110℃であるとより好ましい。一方、横方向の延伸倍率は、2〜5倍であると好ましく、2.5〜4倍であるとより好ましい。また、横方向に延伸する際の延伸温度は、80〜120℃であると好ましく、90〜110℃であるとより好ましい。
本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムは、150℃で30分間乾熱処理した後の縦方向および横方向の寸法変化率が3%以下であることが必要であり、2%以下であるとより好ましい。寸法変化率が3%を超えると、熱履歴により寸法が顕著に変化するため、たとえば、袋状に加工してレトルト処理した場合に、形態の歪みが大きくなり、外観が不良になるので好ましくない。
150℃で30分間乾熱処理した後の寸法変化率を3%以下にする方法は、特に制限されないが、本発明の樹脂フィルムが二軸延伸フィルムである場合には、たとえば、延伸後に熱固定を実施する等の方法を用いることができる。
また、本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムは、厚みが5〜50μmであると好ましく、8〜30μmであるとより好ましい。厚みが5μm未満であるとタフネス性が劣るので好ましくなく、反対に、厚みが50μmを越えると製造コストが高くなるので好ましくない。
さらに、本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムは、衝撃強度が0.3J以上であると好ましく、0.4J以上であるとより好ましい。衝撃強度をそのような範囲に調整するためには、高分子量の樹脂材料を用いたり、延伸する際における延伸倍率を高くしたり、フィルムの厚さを厚くしたり、熱固定温度を調整したりする等の方法を用いることができる。
本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムには、必要に応じて、架橋高分子粒子や無機微粒子等の滑剤粒子、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤等を含有させることができる。
一方、本発明の樹脂積層フィルムは、本発明で用いるポリエステル系樹脂フィルムとヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムとを積層することによって得ることができる。積層の方法は、特に制限されず、たとえば、ドライラミネート法や押出しラミネート法等の方法を用いることができる。また、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムも、特に制限されず、未延伸ポリプロピレンフィルムや未延伸ポリエチレンフィルム等を用いることができる。なお、積層する際に強固な接着力を得るために、ポリエステル系樹脂フィルムに対して予めコロナ放電処理等の表面処理をすることは、特に好ましい実施態様である。
さらに、本発明の樹脂積層フィルムは、ゲルボフレックステスターを用いて回転速度400度、速度40往復/分の条件下で3000回屈曲させた後のピンホール発生個数(以下、単に「屈曲後ピンホール発生個数」という)が3個/100cm以下であることが必要であり、1個/100cm以下であるとより好ましい。「屈曲後ピンホール発生個数」が4個/100cm以上になると、包装材料として必要なタフネス性が得られず、製袋して食品を包装した場合に十分な鮮度保持性が得られないので好ましくない。
本発明の包装体(すなわち、ポリエステル系樹脂フィルムあるいはそのポリエステル系樹脂フィルム用いた製袋可能な樹脂積層フィルムを用いて包装された包装体)は、食品、雑貨、日用品等広範囲の用途に好適に利用することができる。本発明の包装体は、タフネス性に優れているため、特に、スープ等の液状食品の包装に利用する場合に、鮮度保持特性等においてきわめて良好な効果を奏する。また、本発明の包装体による包装の方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の内容および効果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例の態様に限定されるものではない。
[実施例1]
(ポリエステル系樹脂フィルムの作製)
ポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレートを95重量部、ポリオレフィン系樹脂として、エチレンブテンゴム(JSR社製EBM4041P)を2.5重量部およびダウケミカル社製プリマコール3340を2.5重量部を配合させた樹脂混合物を、押出し機で溶融させ、ダイを用いて冷却ドラム上に押出し、無定形樹脂シートを得た。なお、ポリエチレンテレフタレートは、平均粒径約1.5μmの凝集タイプのシリカを0.3重量%含み、極限粘度が0.70で、融点が250℃のものを使用した。しかる後、その無定形樹脂シートを、90℃で縦方向に3.5倍、横方向に3.5倍延伸し、220℃で熱固定し、さらに熱固定後の樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理を施すことによって、厚さ12μmのポリエステル系樹脂フィルム(二軸延伸フィルム)を得た。
また、得られた実施例1のポリエステル系樹脂フィルムを用い、下記の測定方法によって、熱収縮率、衝撃強度、ヘイズ等の特性を評価した。その結果、実施例1のポリエステル系樹脂フィルムは、縦方向(フィルム製造時の長手方向)の熱収縮率が2.0%であり、横方向の熱収縮率が0.9%であり、衝撃強度が0.44Jであり、ヘイズが、7.2%であることが分かった。
[熱収縮率]
JIS−C−2318に基づいて、フィルム面内における150℃、30分後の熱収縮率を測定した。測定方向は縦方向、横方向の2方向とした。
[衝撃強度]
東洋精機(株)社製の「フィルムインパクトテスター」を用いて、直径12.7mmの半球状ハンマーでの突き刺し強度を測定し、フィルムの衝撃強度とした。
[ヘイズ]
JIS−K−7105(プラスチックの光学的特性試験法)に準拠して、積分球式光線透過率測定装置により5cm角の試料フィルム(シーラントフィルムおよび上記ラミネートフィルム)の拡散透過率および全光線透過率を測定し、下式Iにより拡散透過率と全光線透過率との比をヘイズとして算出した。なお、下式Iにおいて、Hはヘイズ(%)、Tdは拡散透過率(%)、Ttは全光線透過率(%)である。
H=Td/Tt×100・・(I)
(ポリエステル系積層フィルムの作製)
得られたポリエステル系樹脂フィルムのコロナ処理面に、接着剤として東洋モートン社製のTM590(主剤および硬化剤)を、グラビアコーティング法により、硬化後の厚さが1.5μmとなるように塗布した。その後、ドライラミネート法により東洋紡績社製の未延伸フィルムLix−2(厚さ40μm)を積層し、製袋可能なポリエステル系積層フィルムを得た。また、得られたポリエステル系積層フィルムを用い、下記の測定方法によって「屈曲後ピンホール発生個数」を評価した。その結果、実施例1のポリエステル系積層フィルムの「屈曲後ピンホール発生個数」は、1個/100cmであることが分かった。
[屈曲後ピンホール発生個数]
テスター産業社製、ゲルボフレックステスターを用い、23℃の雰囲気下で、回転角度400°、速度40往復/分の条件にてポリエステル系積層フィルムを3000回屈曲させた。しかる後、屈曲させたポリエステル系積層フィルムに形成されたピンホールの個数をカウントし、単位面積あたりの個数に換算して「屈曲後ピンホール発生個数」とした。
そして、得られた実施例1のポリエステル系積層フィルムを用いて燃焼時の有毒ガスの発生の有無を調べたところ、窒素酸化物等の有毒ガスが発生しないことが分かった。さらに、実施例1のポリエステル系積層フィルムを液状食品の包装に用いたところ、長期間に亘って高い鮮度保持効果を奏することが分かった。加えて、実施例1のポリエステル系積層フィルムを用いて液状食品を包装してレトルト殺菌処理を行ったところ、大きな寸法変化が見られず、処理後の外観も良好であった。
[実施例2]
実施例1と同様の方法によって得られた無定形樹脂シートを、実施例1と同様の方法によって二軸延伸した後、230℃で熱固定し、さらにその二軸延伸後の樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理を施すことによって、厚さ12μmのポリエステル系樹脂フィルムを得た。そして、得られた実施例2のポリエステル系樹脂フィルムを用い、実施例1と同様な測定方法によって、熱収縮率、衝撃強度、ヘイズ等の特性を評価した。その結果、実施例2のポリエステル系フィルムは、縦方向の熱収縮率が1.0%であり、横方向の熱収縮率が0.5%であり、衝撃強度が0.40Jであり、ヘイズが6.9%であることが分かった。
さらに、得られた実施例2のポリエステル系樹脂フィルムを用い、実施例1と同様な方法によって、実施例2のポリエステル系積層フィルムを得た。そして、実施例2のポリエステル系積層フィルムを用い、実施例1と同様な測定方法によって「屈曲後ピンホール発生個数」を評価した。その結果、実施例2のポリエステル系積層フィルムの「屈曲後ピンホール発生個数」は、1個/100cmであることが分かった。
そして、得られた実施例1のポリエステル系積層フィルムを用いて燃焼時の有毒ガスの発生の有無を調べたところ、実施例1のポリエステル系積層フィルムと同様に、窒素酸化物等の有毒ガスが発生しないことが分かった。さらに、実施例2のポリエステル系積層フィルムを液状食品の包装に用いたところ、実施例1のポリエステル系積層フィルムと同様に、長期間に亘って高い鮮度保持効果を奏することが分かった。加えて、実施例2のポリエステル系積層フィルムを用いて液状食品を包装してレトルト殺菌処理を行ったところ、実施例1のポリエステル系積層フィルムと同様に、大きな寸法変化が見られず、処理後の外観も良好であった。
[比較例]
ポリオレフィン系樹脂成分を含有させることなくポリエステル系樹脂のみによって無定形樹脂フィルムを製膜した以外は実施例1と同様にして、比較例のポリエステル系樹脂フィルムを得た。そして。比較例のポリエステル系樹脂フィルムを用い、実施例1と同様な方法によって特性を評価したところ、比較例のポリエステル系樹脂フィルムは、縦方向の熱収縮率が2.2%であり、横方向の熱収縮率が1.2%であり、衝撃強度が0.50Jであり、ヘイズが3.0%であることが分かった。
また、得られた比較例のポリエステル系樹脂フィルムを用い、実施例1と同様な方法によって、比較例のポリエステル系積層フィルムを得た。そして、比較例のポリエステル系積層フィルムを用い、実施例1と同様な測定方法によって「屈曲後ピンホール発生個数」耐久性を評価した。その結果、比較例のポリエステル系積層フィルムの「屈曲後ピンホール発生個数」は、10個/100cmであることが分かった。
そして、得られた比較例のポリエステル系積層フィルムを用いて燃焼時の有毒ガスの発生の有無を調べたところ、各実施例のポリエステル系積層フィルムと同様に、窒素酸化物等の有毒ガスが発生しないことが分かった。しかしながら、比較例のポリエステル系積層フィルムを液状食品の包装に用いたところ、各実施例のポリエステル系積層フィルムに比べて鮮度保持特性を発現する期間が短いことが分かった。さらに、比較例のポリエステル系積層フィルムを用いて液状食品を包装してレトルト殺菌処理を行ったところ、各実施例のポリエステル系積層フィルムに比べて寸法変化が大きく、処理後の外観が不良であった。
本発明の樹脂積層フィルムに用いられるポリエステル系樹脂フィルムは、タフネス性に優れているとともに焼却時における有毒ガスの発生を抑制できるので、包装用の積層フィルムの製造に好適に用いることができる。また、本発明の樹脂積層フィルムは、タフネス性に優れているとともに焼却時における有毒ガスの発生を抑制できるので、包装用の積層フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 実質的に窒素原子および硫黄原子を含まないポリエステル系樹脂を主原料としたポリエステル系樹脂フィルムと、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムとが、ドライラミネート法あるいは押出しラミネート法により積層された樹脂積層フィルムであって、
    前記ポリエステル系樹脂フィルムが、
    ポリオレフィン系樹脂成分を0超乃至10重量%含有しており、150℃で30分間乾熱処理した後の縦方向および横方向の寸法変化率が3%以下であり、8〜30μmの厚みを有する二軸延伸フィルムであり、
    ゲルボフレックステスターを用いて回転角度400度、速度40往復/分の条件下で3000回屈曲させた後のピンホール発生個数が3個/100cm以下であることを特徴とするレトルト食品包装用の樹脂積層フィルム。
  2. 前記ポリエステル系樹脂フィルムの衝撃強度が0.3J以上0.7J未満であることを特徴とする請求項1記載の樹脂積層フィルム。
  3. 前記ポリエステル系樹脂フィルムのヘイズの値が15%以下であることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の樹脂積層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された樹脂積層フィルムを用いて包装されていることを特徴とする包装体。
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