JP2023152950A - 二軸延伸積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸積層フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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芦原宏
Hiroshi Ashihara
加藤万琴
Makoto Kato
倉谷克也
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長野弾
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Abstract

【課題】本発明は、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の面配向度を特定の範囲にすることによって、接着層を設けなくてもレトルト等の殺菌処理後においても、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間密着性に優れ、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の各層の長所である、保香性および優れた突刺し強力を維持できる二軸延伸積層フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層された積層フィルムであって、ポリエステル樹脂層の面配向度が0.000~0.080であり、かつ、ポリアミド樹脂層の面配向度が0.020~0.100であり、120℃、30分のレトルト処理後のポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間強力が0.5N/cm以上であることを特徴とする、二軸延伸積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、包装材料に好適に用いることができる二軸延伸積層フィルムとその製造方法に関するものである。
従来から強靭性、耐ピンホール性、ガスバリア性等を有するポリアミド樹脂層と、剛性、保香性、耐電解液性等を有するポリエステル樹脂層とを積層して、機能性フィルムを作製する技術について開発が進められている。
非相溶のポリアミド樹脂とポリエステル樹脂とを複合化する場合、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との密着性を高めるために、両層間に変性ポリオレフィンや変性ポリエステル系エラストマー等の接着層を設けて積層する共押製膜法が開示されている(特許文献1、2、3)。
また、接着層を含んだ共押製膜法以外の方法として、特許文献4、5には、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層が、隣接状態で共押製膜された延伸フィルムについて開示されている。
特開2014-108528号公報 特開2013-240938号公報 特開2015-93458号公報 特開2015-54398号公報 特開2010-42585号公報
しかしながら、特許文献1、2、3においては、接着層を設ける必要があるため、工程が煩雑となるうえに、コストアップにつながるだけでなく、フィルムの薄膜化や透明性といった点で改善の余地があった。特許文献4、5においては、レトルト等殺菌処理後の層間密着性等に改善の余地があった。
本発明は、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の面配向度を特定の範囲にすることによって、接着層を設けなくてもレトルト等の殺菌処理後においても、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間密着性に優れ、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の各層の長所である、保香性および優れた突刺し強力を維持できる二軸延伸積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との積層フィルムをそれぞれ特定の面配向度となるように二軸延伸することによって、これらの課題を解決できることを見出し、本発明に達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
1.
ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層された積層フィルムであって、
ポリエステル樹脂層の面配向度が0.000~0.080であり、かつ、ポリアミド樹脂層の面配向度が0.020~0.100であり、
120℃、30分のレトルト処理後のポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間強力が0.5N/cm以上であることを特徴とする、二軸延伸積層フィルム。
2.
ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の面配向度の差の絶対値が、0.025~0.060であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸延伸積層フィルム。
3.
ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂が、スルホン基を有するジカルボン酸成分を含有するポリエステル樹脂を含有することを特徴とする前記項1または2に記載の二軸延伸積層フィルム。
4.
ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂の酸成分のうち0.5~10.0mol%がスルホン基を有するジカルボン酸成分である前記項1~3のいずれかに記載の二軸延伸積層フィルム。
5.
ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂の融点が200~245℃であることを特徴とする、前記項1~4のいずれかに記載の二軸延伸積層フィルム。
6.
120℃、30分のレトルト処理後の突刺し強度の値が8N/15μm以上であることを特徴とする、前記項1~5のいずれかに記載の二軸延伸積層フィルム。
7.
前記項1~6のいずれかに記載の二軸延伸積層フィルムを含む包装材料。
8.
前記項1~6のいずれかに記載の二軸延伸積層フィルムを製造する方法であって、
(1)ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂とを含む溶融混練物をシート状に成形することにより未延伸シートを得る工程、
(2)前記未延伸シートをMD及びTDに面倍率が6.0倍~14.0倍で同時二軸延伸することによって延伸フィルムを得る延伸工程、
を含むことを特徴とする二軸延伸積層フィルムの製造方法。
9.
延伸工程において、100℃~150℃で未延伸シートを延伸することを特徴とする前記項8に記載の二軸延伸積層フィルムの製造方法。
10.
未延伸シートに押出成形するときの温度において、溶融粘度差が2000dPa・s以下であるポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を用いることを特徴とする前記項8又は9に記載の二軸延伸積層フィルムの製造方法。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、レトルト等の殺菌処理後においてもポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間密着性に優れ、さらに、ポリエステル樹脂フィルムの長所である保香性とポリアミド樹脂フィルムの長所である優れた突刺し強度が処理後においても維持されたフィルムを得ることが出来るため、包装材、特にレトルト殺菌処理を行うような食品用の包装材として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層された積層フィルムである。
前記ポリエステル樹脂層の主成分は、ジカルボン酸成分とジオール成分とから構成される。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。本発明においてはスルホン基などの置換基を有するジカルボン酸成分を含有することが好ましい。スルホン基を有するジカルボン酸成分としては、具体的には、スルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸、4-スルホフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸、5-〔4-スルホフェノキシ〕イソフタル酸などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂は、更に他のジカルボン酸成分や他のジオール成分を共重合することもできる。他の共重合成分のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、他の共重合成分のジオール成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加物などが挙げられる。
本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂層は、後述するポリアミド樹脂層との密着性向上の観点から、スルホン基含有ジカルボン酸成分が共重合されていることが好ましく、その含有量はポリエステル樹脂の酸成分のうち0.5~10.0mol%であることが好ましく、1.0~7.0mol%がさらに好ましく、2.0~4.0mol%が最も好ましい。スルホン基含有ジカルボン酸成分の共重合量が0.5mol%以上であることで、ポリアミド樹脂層との密着性が向上し、ボイル処理、レトルト処理といった殺菌処理後においても良好な密着性を有する。また、共重合量が10.0mol%以下であることで、ポリエステル樹脂の重合度を上げることが出来、ポリエステルフィルムの長所である保香性や耐薬品性にも優れたフィルムを得ることができる。
また、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂層には、さらに他のポリエステル樹脂を含有してもよい。他のポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートが耐熱性、機械特性のバランスに優れ、延伸性に優れることから好適に使用することができる。
ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂は、フィルム耐熱性、及び、ポリアミド樹脂層との層間密着性向上の観点から、融点が200~245℃であることが好ましく、210~243℃であることがさらに好ましく、220~240℃であることが最も好ましい。融点が200℃以上のポリエステル樹脂層を用いることで、レトルト処理後のフィルム凝集力の低下を抑制でき、耐熱性に優れるフィルムを得ることができ、ポリエステル樹脂の融点が245℃以下とすることで、ポリアミド樹脂層との密着性がより向上する。
ポリエステル樹脂層の融点を245℃以下に調整する方法として、たとえば、スルホン基含有ジカルボン酸成分などの共重合量を増やす方法や、前述した他の成分をさらに共重合する方法が挙げられる。なかでも、層間密着性向上の観点より、イソフタル酸、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、及びポリエチレングリコール(PEG)の中から少なくとも1種の成分をさらに共重合することが特に好ましい。
原料のポリエステル樹脂の重合方法は、特に限定されず、例えば、エステル交換法、直接重合法等が挙げられる。エステル交換法で用いる触媒としては、Mg、Mn、Zn、Ca、Li、Tiの酸化物、酢酸塩等が挙げられる。また、直接重合法で用いる重縮合触媒としては、Sb、Ti、Ge、Alの酸化物、酢酸塩等の化合物や、有機スルホン酸化合物等が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂層は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤および着色剤(顔料、染料など)、滑剤といった通常配合される各種の添加剤および改質剤を配合してもよい。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられ、熱安定剤としては、例えばリン系化合物等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系の化合物等が挙げられる。
本発明におけるポリアミド樹脂層を構成するポリアミド樹脂は、3員環以上のラクタム、重合可能なω-アミノ酸、二塩基酸とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミド樹脂を用いることが出来る。具体的には、ε-カプロラクタム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7-アミノヘプタン酸、11-アミノウンデカン酸、9-アミノノナン酸、α-ピロリドン、α-ピペリドンなどの重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸との塩を重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体、例えば、ナイロン4、6、7、8、11、12、6・6、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6T、6I/6Tなどがあげられる。包材に求められる機械的特性や熱的特性に優れる点から、ナイロン6やナイロン66を主成分とする構成が好適である。
ポリアミド樹脂層を構成するポリアミド樹脂は、フィルム耐熱性、及び、ポリエステル樹脂層との密着性向上の観点から、融点が200~260℃であることが好ましく、210~240℃であることがさらに好ましい。融点が200℃以上のポリアミド樹脂を用いることで、レトルト処理後のフィルム凝集力の低下を抑制でき、耐熱性に優れるフィルムを得ることができる。また、ポリアミド樹脂の融点を260℃以下とすることで、ポリエステル樹脂層との密着性がより向上する。
ポリアミド樹脂層を構成するポリアミド樹脂として、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドのいずれも用いることが出来るが、ポリエステル樹脂層との密着性の観点で、脂肪族ポリアミドが好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂層は、必要に応じて、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤および着色剤(顔料、染料など)、滑剤といった通常配合される各種の添加剤および改質剤を配合してもよい。
なお、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層は、ともに、バイオマス由来成分や、樹脂廃材等を解重合して得られた再生モノマーや再生オリゴマーを出発材料として重合されたケミカルリサイクル樹脂成分や、フィルム製造時に発生する、耳部トリミング屑、スリット屑などの粉砕物、前記廃屑や不良品となったフィルムを再度溶融ペレット化したマテリアルリサイクル樹脂成分などのいずれかの成分、またはこれらの成分の複数を含有してもよい。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層されていれば、さらに別のポリエステル樹脂層やポリアミド樹脂層を積層してもよい。
積層フィルムの反りを防止する観点で、ポリエステル樹脂層/ポリアミド樹脂層/ポリエステル樹脂層や、ポリエステル樹脂層/ポリアミド樹脂層/ポリエステル樹脂層/ポリアミド樹脂層/ポリエステル樹脂層、などのように表裏対象な構成であることが好ましく、耐熱性の観点でポリエステル樹脂層を外層に用いることが好ましい。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、ブロッキング防止の観点で、外層の樹脂層に滑剤を含有させることが好ましい。滑剤としては長鎖脂肪酸系滑剤、粒子系滑剤が挙げられるが、ここでは粒子系滑剤を含有させ表面凹凸を形成させることがより好ましい。前記粒子径滑剤として、無機粒子径滑剤、有機粒子径滑剤が挙げられる。無機粒子系滑剤としては、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、クレー、タルク、マイカ等が挙げられる。また、有機粒子系滑剤としては、例えばメラミン樹脂、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル-スチレン共重合体等の有機粒子が挙げられる。特に酸化ケイ素(シリカ)は粒径分布が優れ、安価なことから好適である。粒子の添加量は、0.001~0.5質量%であることが好ましく、0.05~0.3質量%であることがより好ましい。粒子の平均粒子径は1~3μmであることが好ましく、2~3μmであることがさらに好ましい。粒子は、平均粒子径が1μm以上であることで、スリップ性が十分に発現し、3μm以下であると、フィルムの透明性が良好である。
フィルムの透明性は、ヘーズによって定義され、一般的な包材としての透明性を確保するためには、ヘーズが10%以下であることが好ましく、8%以下がさらに好ましく、6%以下が最も好ましい。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、表面にコロナ処理をはじめとする表面活性処理を施したり、さらに別の層を積層して使用することもできる。例えば、シーラント層、易接着層、ハードコート層、バリアコート層、無機薄膜層、金属層、離型層、印刷層等を必要に応じて適宜設けてもよい。
シーラント層として用いる樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸/メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂等が挙げられ、ヒートシール強度や材質そのものの強度が高いポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独で用いても、また他の樹脂と共重合や溶融混合して用いても、さらに酸変性等が施されていてもよい。
シーラント層を二軸延伸積層フィルムに積層する方法としては、シーラント樹脂からなるフィルムまたはシートを、接着剤を介して、二軸延伸積層フィルムにラミネートする方法や、シーラント樹脂を二軸延伸積層フィルムに押出ラミネートする方法等が挙げられる。前者の方法においては、シーラント樹脂からなるフィルムまたはシートは、未延伸状態であっても低倍率の延伸状態でもよいが、実用的には、未延伸状態であることが好ましい。シーラント層の厚みは、特に限定されないが、20~200μmであることが好ましく、40~100μmであることがより好ましい。
本発明の二軸延伸積層フィルムは、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層のそれぞれの面配向度を特定範囲とすることで、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間密着性が向上する。例えば、スルホン基を有するジカルボン酸を共重合したポリエステル樹脂を用いた場合には、ポリエステル樹脂層中のジカルボン酸共重合成分に含まれるスルホン基と、ポリアミド樹脂層中のアミド基とが結合し、層間密着性が向上する。
ポリエステル樹脂層の面配向度は0.000~0.080であることが必要であり、0.000~0.060であることが好ましく、0.00~0.020であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂層の面配向度が0.080を超えると、ポリアミド樹脂層との密着性が著しく低下する傾向にある。
一方、ポリアミド樹脂層の面配向度は、0.020~0.100であることが必要であり、0.030~0.090であることが好ましく、0.040~0.080であることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂層の面配向度が、0.020未満であると、ポリアミド樹脂層にとって最も重要な強度面の低下が顕著になり、突刺し強度や摩擦性、屈曲性といった外力に対する耐性が損なわれる傾向にあり、面配向度が0.100を超えると、ポリエステル樹脂層との密着性が低下する傾向にある。
ポリエステル樹脂層およびポリアミド樹脂層のそれぞれの面配向度は、延伸条件によって調整することができる。延伸倍率を上げて、両層の面配向度が大きくなりすぎると、フィルムの機械的性能は向上するが、スルホン基、アミド基の相互作用が低下してしまい、層間密着性が低下する場合がある。
ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の面配向度の差の絶対値は、層間密着性、突刺し強度、保香性のバランス維持の観点で、0.025~0.060であることが好ましく0.035~0.050であることがより好ましい。また、包装材料にとってピンホールが発生しないことは最低限の条件であるため、ポリアミド樹脂層の強度維持は重要である。よって層間密着性を考慮して、ポリエステル樹脂層、ポリアミド樹脂層の面配向度を調整する際は、ポリエステル樹脂層の面配向度がポリアミド樹脂層の面配向度より小さくなるように調整するのが良い。
本発明の二軸延伸積層フィルムを包装材料として用いる場合、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間強力は実用レベルとして、0.5N/cm以上であることが必要であり、1.0N/cm以上が好ましく、2.0N/cm以上がさらに好ましい。レトルト等の殺菌処理後においても同様の層間強力が必要である。層間強力が0.5N/cm未満の積層フィルムを基材として用いた包装材料は、輸送時の外力等によってデラミが発生する危険性が高まる。
包材構成の中に、ポリエステルフィルムを配置する利点として、包材全体としての剛性、腰の強さに加え、保香性を確保できることが挙げられる。ポリアミド樹脂層とシーラント層のみの構成の包材だと、例えば食酢等酸成分を含んだ食品を充填した後の酸臭気が外部に漏れ、問題となることがある。ポリエステル樹脂層が積層されることで、上記のような酸臭気は包材外部に透過しにくくなる。
また、本発明の二軸延伸積層フィルムにおいては、上記のようにポリエステルフィルムとしての特性を有していることに加え、ポリアミドフィルムとしての特性を有していることも重要である。ポリアミドフィルムの最大の長所は強靭性であり、様々な外力によるピンホール発生を抑制することが求められる。本発明の二軸延伸積層フィルムでは、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の構成を自由に調整することが可能であり、15μm換算で、6N以上の突刺し強度を有していることで包装材料として好適に用いることができ、7N以上がより好ましく、8N以上がさらに好ましく、10N以上が最も好ましい。
本発明のフィルムにおいては、MDおよびTDの2方向における下式にて算出した厚み斑が10%以下であることが好ましく、8%以下であることがさらに好ましく、7%以下であることが最も好ましい。厚み斑が10%より大きくなると、シワの混入や、タルミといった外観不良が発生し、加工工程でのトラブルの原因となる。
厚み斑(%)=(Tmax-Tmin)/Tave×100
Tmax:フィルム2方向における最大厚み
Tmin:フィルム2方向における最小厚み
Tave:フィルム2方向における平均厚み
本発明の二軸延伸積層フィルムの製造方法について説明する。
本発明における二軸延伸積層フィルムの製造方法としては、公知の任意の方法を採用することができる。例えば、各層を構成する各々の樹脂を別々の押出機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね合わせた後ダイスより押し出す方法、溶融した数種の樹脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押し出す方法、各樹脂層をラミネートにより貼り合わせる方法、及びこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂の押出温度における溶融粘度の差が小さいことが好ましい。ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の溶融粘度の差が大きいと、フィルムは、全体にフローマークと呼ばれる外観不良が発生しやすくなる他、厚み斑が発生しやすくなる。具体的には、押出温度におけるポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の溶融粘度差は、2000dPa・s以下であることが好ましく、1500dPa・s以下であることがより好ましく、1000dPa・s以下であることがさらに好ましい。したがって、本発明のフィルムの製造原料として、溶融粘度差が上記範囲となるポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明の積層フィルムの二軸延伸方法としては、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との良好な層間密着性を得るために、同時二軸延伸法を用いることができる。
同時二軸延伸法としては、例えばテンターを用いて、未延伸シートの両端を把持し、シートのMDに延伸すると同時にTDにも延伸するテンター式同時二軸延伸法や、チューブラー式同時二軸延伸法が挙げられる。テンター式同時二軸延伸法は、チューブラー式同時二軸延伸法に比べて、厚み制御に優れたフィルムを得ることが可能となるため好ましい。
テンター式同時二軸延伸は、パンタグラフ方式テンター、スクリュー方式テンター、リニアモーター方式テンターなどを用いて行うことができる。
次に、本発明の積層フィルムについて具体的に説明する。たとえば、まず、2種2層共押出Tダイを用いて、押出機(イ)よりポリエステル樹脂を、押出機(ロ)よりポリアミド樹脂を、それぞれ230~280℃の温度範囲で、積層未延伸シートを押し出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて急冷する。
未延伸シートの平均厚みは、特に限定されないが、一般的には50~1000μmであり、100~800μmであることが好ましい。未延伸シートは、平均厚みをこのような範囲内に設定することによって、より効率的に延伸することができる。
得られた未延伸シートを、必要に応じて、80℃を超えないように温調した水槽に移送し、5分以内で浸水処理を施し、0.5~15%の吸水処理を実施してもよい。
得られた未延伸シートを70~120℃に予熱し、次いで縦横それぞれ2~4倍の延伸倍率で同時二軸延伸する。本発明の積層フィルムのポリエステル樹脂層の面配向度を0.000~0.080、ポリアミド樹脂層の面配向度を0.020~0.100にする観点で、積層フィルムの面倍率は6.0倍以上14.0倍以下であることが好ましい。
延伸温度は、100~150℃であることが好ましく、110℃~140℃が更に好ましく、120℃~130℃が最も好ましい。延伸温度が100℃未満であると、ポリエステル樹脂層、ポリアミド樹脂層の面配向が進行しすぎ、両層の層間強力が低下する。また、透明性の観点から延伸温度が150℃以下であることが好ましい。本発明では、延伸温度を上記範囲内で実施し、ポリエステル樹脂層の脆化を引き起こさない程度に面配向を低下させ、ポリアミド樹脂層との密着性を確保することが重要である。延伸後は150~230℃で数秒間熱固定処理を施し、横方向に1~8%弛緩処理して、所望の厚みの二軸延伸積層フィルムを得ることができる。
本発明の二軸延伸積層フィルムの厚みは、特に限定はないが、5~50μmであることが好ましく、10~30μmであることがより好ましい。ポリエステル樹脂層の厚みは、保香性や延伸性の観点で、複数の層を有する場合であっても各層が1~5μmであることが好ましく、ポリアミド樹脂層の厚みは、突刺し強度向上の観点で、複数の層を有する場合であっても各層が3~45μmであることが好ましい。本発明の二軸延伸積層フィルムを構成するポリエステル樹脂層(A層)とポリアミド樹脂層(B層)の総厚み比率としてはA/Bが5/95~60/40であることが好ましく、5/95~50/50であることがより好ましく、5/95~40/60であることがさらに好ましく、5/95~30/70であることが最も好ましい。ポリエステル樹脂層の厚み比率が5%以上であると、二軸延伸積層フィルムとしたときに、ポリエステルフィルムの長所である剛性や腰、保香性を有するフィルムを得ることができる。ポリエステル樹脂層の厚み比率が60%以下であることで、より高温での延伸の必要性がなくなるため、ポリアミド樹脂層の劣化を防ぐことができ、その結果ポリアミドフィルムの長所である突刺し強度、透明性に優れたフィルムを得ることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.測定方法
(1)面配向度
株式会社アタゴ社製、アッベ式屈折計を用い、下記式により求めた。
面配向度(f)={(nx +ny )/2}-nz
ただし、nx はフィルムの流れ方向(MD方向)の屈折率であり、ny はMD方向と垂直な方向(TD方向)の屈折率であり、nz はフィルムの厚さ方向の屈折率を示す。屈折率は、アッベ式屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付け、単色光NaD線により、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、温度23℃で測定した値である。なお、測定に用いたフィルムは全幅の中央部であり、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の間で剥離し、各層とも測定を実施した。3層以上の構成のフィルムに関しては、いずれの層で測定しても良いが、最外層及びそれに隣接する層に対して測定を実施した。nx及びnzを求める場合は、MD方向に40mm、TD方向に8.0mmの短冊状にサンプリングし、nyを求める場合は、TD方向に40mm、MD方向に8.0mmの短冊状にサンプリングして、n=5の測定の平均値を算出した。
(2)融点
Perkin Elmer社製DSC8000を用い、スライサーでカットしたポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂5mgを50℃で1分間等温保持後、20℃/分で280℃まで昇温して融点を測定した。
(3)溶融粘度
100℃で10時間真空乾燥した樹脂について、直径0.5mm、長さ2.0mmのノズルを付けたフローテスター(島津製作所製 CFT-500)を用い、温度270℃、予熱時間180sの条件で、荷重を変えて4点測定した。得られた剪断速度-溶融粘度曲線より、剪断速度1000s-1時の見かけの溶融粘度を読みとった。
(4)厚み斑
二軸延伸積層フィルムを23℃×50%RH環境にて2時間調湿した後、TD方向に対し50mm間隔で、フィルム全幅の厚みを測定した(TD厚み)。また、上記TD厚み測定を実施したラインの中心点を起点として、50mm間隔で、MD方向1000mm分の厚み測定を実施した(MD厚み)。測定には厚みゲージ(ハイデンハイン社製 HEIDENHAIN-METRO MT1287)を用いた。
厚み斑は、MD厚み、TD厚み測定値における最大厚みをTmax、最小厚みをTmin、平均厚みをTaveとし、次式を用いて算出した。
厚み斑(%)=(Tmax-Tmin)/Tave×100
(5)層間強力(層間密着性)
得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、MD方向を長手方向として15mmの短冊状にサンプリングし、ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の界面で20mm程度剥離した後、23℃、50%RH雰囲気中で、島津製作所社製オートグラフ(AG-IS)を用い、T型剥離法にて、剥離速度300mm/分の条件で剥離強力を測定した(未処理)。
また、日阪製作所社製の高温高圧調理殺菌装置(RCS-60SPXTG)を用いて、120℃×30分、圧力1.8kg/cmの熱水シャワー式レトルト処理を実施し、同様に剥離力を測定した(レトルト処理後)。
なお、層間強力は実用上には0.5N/cm以上が求められ、0.5N/cm未満のものについては「<0.5」と表記した。
(6)ヘーズ
JIS-K7136:2000に基づき、ヘーズメーターNDH4000(日本電色工業社製)を用いて二軸延伸積層フィルムのヘーズを測定した。
(7)保香性
実施例、比較例で得られた二軸延伸積層フィルムのポリアミド樹脂層表面側にコロナ処理を施し、ポリウレタン系接着剤(DICグラフィックス社製 ディックドライLX-500/KR-90S)を塗工し、厚み50μmのCPPフィルム(三井化学東セロ社製 RXC-22)をドライラミネート加工で積層した。ドライラミネート加工時の乾燥温度は70℃、ニップロールの温度は80℃、ニップ圧は5kg/cmとし、接着剤の塗布厚みは3.0μmとした。
実施例19と21については、ポリエステル樹脂層表面側にコロナ処理を施し、ポリウレタン系接着剤(DICグラフィックス社製 ディックドライLX-500/KR-90S)を塗工し、厚み50μmのCPPフィルム(三井化学東セロ社製 RXC-22)をドライラミネート加工で積層した。ドライラミネート加工時の乾燥温度は70℃、ニップロールの温度は80℃、ニップ圧は5kg/cmとし、接着剤の塗布厚みは3.0μmとした。
ドライラミネートしたラミ反を、CPP面同士を合わせて150mm×100mmの大きさで半折し、富士インパルス社製のインパルスシーラーを用い、1方の短辺を除く3方を10mmの幅でシールした袋を作製した。作製した袋に対し、開口部より食酢50mlを充填して、最後の1方をインパルスシーラーで10mmの幅でシールして閉じ、日阪製作所社製の高温高圧調理殺菌装置(RCS-60SPXTG)を用いて、120℃×30分、圧力1.8kg/cmの熱水シャワー式レトルト処理を実施し、24時間放置した後、10人の試験者が臭気を検査し、下記のような区分で評価を実施した。
なお、ポリアミド樹脂層表面側に7.0μmのアルミ箔を積層し、CPPフィルムをドライラミネートして同様の袋を作製し、開口部より食酢を50ml充填して、最後の1方をインパルスシールで閉じ、24時間放置したサンプルを基準とし、この基準よりも酢酸臭を感じるか否かを評価した。
◎:10人全員が酢酸臭を感じない。
〇:10人中1人が酢酸臭を感じる。
△:10人中2~3人が酢酸臭を感じる。
×:10人中4人以上が酢酸臭を感じる。
(8)突刺し強度
得られた二軸延伸積層フィルムを、日阪製作所社製の高温高圧調理殺菌装置(RCS-60SPXTG)を用いて、120℃×30分、圧力1.8kg/cmの熱水シャワー式レトルト処理を実施し、23℃、50%RHの環境で2時間調湿した後、JIS-Z7107:2019の突刺し強さ試験方法に基づいて、ポリエステル樹脂層側より測定を行った。
(9)外観
得られた二軸延伸積層フィルムにおいて、ミルロールの段階で外観を目視で確認し、下記の区分で評価を実施した。
◎:シワ及びタルミ無し
〇:シワ又はタルミ有り 加工可能レベル
△:シワ及びタルミ有り 加工可能レベル
×:シワ及びタルミ有り 加工不可レベル
2.原料
下記実施例、比較例において使用した原料は、表1に示す。
実施例1
押出機(イ)より、ポリエステル樹脂(A-5)と、水澤科学社製の平均粒子径2.5μmのシリカ(ミズカシルP73)を0.08質量%となるようにドライブレンドして、270℃で溶融し、同時に押出機(ロ)よりポリアミド樹脂(B-1)と富士シリシア化学社製の平均粒子径1.4μmのシリカ(サイリシア310P)を0.12質量%、ミズカシルP73を0.03質量%となるようにドライブレンドして270℃で溶融し、更に2種2層フィードブロックを用いて、TダイよりA/Bの構成となるようにシート状に溶融押出し、冷却ドラムで急冷固化して、厚み150μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの端部を、テンター式同時二軸延伸機のクリップに把持させ、100℃で予熱後、120℃でMD方向に3.0倍、TD方向に3.3倍となるように同時二軸延伸した。その後、200℃で熱固定し、TD方向に5%弛緩処理した後、フィルムを冷却して巻取り、各層の厚み比がA/B=3/12である15μmの二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例2~22、27~38、比較例1~8
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、層構成、総厚み、延伸方法、延伸倍率、延伸温度、熱固定温度を表1及び表2の通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例23
2種3層フィードブロックを用いて、各層の厚み比をA/B/A=1.5/12/1.5としたこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例24
層構成、各層の厚み比を表2の通りに変更したこと以外は、実施例18と同様の方法で二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例25
2種5層フィードブロックを用いて、各層の厚み比をA/B/A/B/A=1/6/1/6/1としたこと以外は、実施例1と同様の方法で二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例26
層構成、各層の厚み比を表2の通りに変更したこと以外は、実施例20と同様の方法で二軸延伸積層フィルムを得た。
比較例9
Tダイよりシート状に溶融押出し、冷却ドラムで急冷固化して、未延伸シートを得た後、65℃のロール延伸機により2.7倍にMD延伸し、次いでテンター式延伸機により110℃で4.0倍にTD延伸し、210℃で熱固定処理を施したこと以外は、実施例1と同様の方法で、二軸延伸積層フィルムを得た。
比較例10~12
MD、TDの延伸温度、延伸倍率を表2の通りに変更したこと以外は、比較例9と同様の方法で二軸延伸積層フィルムを得た。
実施例1~38、比較例1~12の二軸延伸積層フィルムの製造条件を表2に示す。
実施例1~38、比較例1~12の二軸延伸積層フィルムの特性を表3に示す。
実施例1~38では、ポリエステル樹脂層中にスルホン基含有ジカルボン酸成分を含有しており、ポリエステル樹脂層およびポリアミド樹脂層の各層の面配向度が本発明で規定する範囲を満たしているため、レトルト処理前後の層間密着性、突刺し強度、および保香性に優れたフィルムが得られた。
比較例1~4では、レトルト処理の有無にかかわらず、層間密着性が全く発現しなかった。
比較例5~6のフィルムは、延伸温度が低く、ポリエステル樹脂層の面配向度が、本発明の規定する範囲を超えていたため、レトルト処理後の層間密着性に劣った。
比較例7のフィルムは、面倍率が低く、ポリアミド樹脂層の面配向度が本発明で規定する範囲を満たさなかったため、レトルト処理後の突刺し強度に劣った。
比較例8のフィルムは、ポリアミド樹脂層の面配向度が本発明で規定する範囲を超えていたため、レトルト処理後の層間密着性に劣った。
比較例9~12のフィルムは、逐次二軸延伸法で製膜したフィルムであり、ポリエステル樹脂層、ポリアミド樹脂層の面配向度が本発明で規定する範囲を超え、レトルト処理後の層間密着性に劣った。

Claims (10)

  1. ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層された積層フィルムであって、
    ポリエステル樹脂層の面配向度が0.000~0.080であり、かつ、ポリアミド樹脂層の面配向度が0.020~0.100であり、
    120℃、30分のレトルト処理後のポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層との層間強力が0.5N/cm以上であることを特徴とする、二軸延伸積層フィルム。
  2. ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層の面配向度の差の絶対値が、0.025~0.060であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸延伸積層フィルム。
  3. ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂が、スルホン基を有するジカルボン酸成分を含有するポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の二軸延伸積層フィルム。
  4. ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂の酸成分のうち0.5~10.0mol%がスルホン基を有するジカルボン酸成分である請求項3に記載の二軸延伸積層フィルム。
  5. ポリエステル樹脂層を構成するポリエステル樹脂の融点が200~245℃であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸延伸積層フィルム。
  6. 120℃、30分のレトルト処理後の突刺し強度が8N/15μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の二軸延伸積層フィルム。
  7. 請求項1に記載の二軸延伸積層フィルムを含む包装材料。
  8. 請求項1に記載の二軸延伸積層フィルムを製造する方法であって、
    (1)ポリエステル樹脂層とポリアミド樹脂層とが接するように積層された未延伸シートを得る工程、
    (2)前記未延伸シートをMD及びTDに面倍率が6.0倍~14.0倍で同時二軸延伸することによって延伸フィルムを得る延伸工程、
    を含むことを特徴とする二軸延伸積層フィルムの製造方法。
  9. 延伸工程において、100℃~150℃で未延伸シートを延伸することを特徴とする請求項8に記載の二軸延伸積層フィルムの製造方法。
  10. 未延伸シートに押出成形するときの温度において、溶融粘度差が2000dPa・s以下であるポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を用いることを特徴とする請求項8又は9に記載の二軸延伸積層フィルムの製造方法。
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