JP2004223835A - ヒートシール性ポリエステルフィルム - Google Patents

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光正 小野
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Abstract

【課題】経時によるヒートシール接着強度の保持性に優れたヒートシール性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも2層以上からなる二軸延伸共押出しフィルムであって、少なくとも片側の最表面が熱融着可能なヒートシール層であり、該ヒートシール層は2,6−ナフタレンジカルボン酸をその酸成分として5〜95モル%含有するポリエステルからなる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートシール性ポリエステルフィルムに関する。更に詳しくは経時によるヒートシール接着強度の保持性に優れたヒートシール性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートシール性ポリエステルフィルムは、その少なくとも片側の最表面に、熱融着可能なヒートシール層を設けた二軸配向ポリエステルフィルムであり、それ同士を貼合せて包装用として、また、金属板への貼合せコーティング用、等の用途に、ポリエステルフィルムの機械的強度、寸法安定性、耐熱性、透明性、耐薬品性、内容物保香性、等の特性を活かして活用されている。
【0003】
近年、フレキシブル印刷回路(FPC)基板等に用いられる、銅等の金属箔貼合せプラスチックフィルム基板において、プラスチックフィルムと金属箔を接着剤を用いることなしに接着することが、後加工における金属箔のエッチングの際のエッチング液の汚染防止等の観点から求められており、この用途においても、ヒートシール性ポリエステルフィルムは、その特性を充分に生かすことができる。
【0004】
ヒートシール性ポリエステルフィルムのヒートシール層の成分として、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレートのような共重合ポリエステルを用いることが知られており(英国特許第1,465,973号明細書等)、この処方によれば、共押出法にてフィルムを製造することもでき、極めて効率的である。
【0005】
【特許文献1】
英国特許第1,465,973号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらヒートシール性ポリエステルフィルムのヒートシール層の樹脂は、配向および結晶化していないポリエステルであり、無配向、非晶のポリエステルフィルムは、経時による体積緩和が原因と思われる脆化が起きるため、その破断強伸度が低下してしまうという問題があった。ヒートシール層の接着強度という観点からは、この経時による脆化は不利に働く。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題を解消し、経時によるヒートシール接着強度の保持性に優れたヒートシール性ポリエステルフィルムを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ヒートシール層として特定の成分を特定量含有した共重合ポリエステルを用い、無配向、非結晶においても経時による脆化の起こらないヒートシール層を実現することにより、要求特性を満足するヒートシール性ポリエステルフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明のヒートシール性ポリエステルフィルムは、少なくとも2層以上からなる二軸延伸共押出しフィルムであって、少なくとも片側の最表面が熱融着可能なヒートシール層であり、該ヒートシール層は2,6−ナフタレンジカルボン酸をその酸成分として5〜95モル%含有するポリエステルからなることを特徴とするヒートシール性ポリエステルフィルムである。好ましくは、ヒートシール層の面配向係数が、−0.05〜0.05の範囲にあり、さらに好ましくは、該フィルム中の、ヒートシール層でない基材層が、ポリエチレンテレフタレート、および/または、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを主たる成分とするポリエステルであることを特徴とするヒートシール性ポリエステルフィルムである。
【0010】
こうしたヒートシール性ポリエステルフィルムは、経時によるヒートシール接着強度の保持性に優れているという特性を生かして、次のような用途において好適である。金属箔および/または金属板に対して、ヒートシール層側を熱融着させて貼合せて用いられる場合。特に、印刷配線回路用の金属箔貼り合せフィルム基板用に用いる場合や、金属板表面コーティング用に用いる場合。あるいは、ヒートシール層同士を熱融着により貼合せて用いる場合。特に、包装用途に用いる場合。
【0011】
<ヒートシール層>
本発明のフィルムは、少なくとも2層以上からなる積層フィルムであり、うち少なくとも片側の最表面をヒートシール層として用いるが、このヒートシール層は2,6−ナフタレンジカルボン酸をその酸成分として5〜95モル%含有するポリエステルからなるものであることが、経時によるヒートシール接着強度の保持の観点から必要である。
【0012】
ポリエステルの酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸を含有すると経時によってもヒートシール接着強度が低下しない、すなわち、無配向、非晶のヒートシール層が脆化しないメカニズムは明確になっていないが、おそらく、その分子構造のために、経時による体積緩和が抑制されるためであろうと思われる。
【0013】
2,6−ナフタレンジカルボン酸の含有量が5モル%未満では、上記の経時によるヒートシール接着強度の保持の効果が得られず、95モル%を越すものは、ヒートシールが困難である。2,6−ナフタレンジカルボン酸の含有量として好ましい範囲は、10〜70モル%である。
【0014】
ヒートシール層に用いるポリエステルに2,6−ナフタレンジカルボン酸を含有させる方法は、特に限定されない。重合時に2,6−ナフタレンジカルボン酸を導入して共重合ポリエステルとしたり、2,6−ナフタレンジカルボン酸を含有するポリエステルを他のポリエステルとブレンドする方法でも良い。
【0015】
本発明のフィルムのヒートシール層中には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の成分を含有させることができる。この他成分は、共重合によるものであって良く、その場合の共重合成分は、ジカルボン酸成分でもジオール成分でもよい。このジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またジオール成分としては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
【0016】
本発明のフィルムのヒートシール層に用いるポリエステルは、その製法により限定されることはないが、2,6−ナフタレンジカルボン酸をはじめとするジカルボン酸、エチレングリコール、必要に応じて更に共重合成分を加えてエステル化反応させ、次いで得られた反応生成物を目的とする重合度になるまで重縮合反応させてポリエステルとする方法がある。あるいはジカルボン酸のジメチルエステル、エチレングリコールを、また必要に応じて更に共重合成分を加えてエステル交換反応させ、ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるまで重縮合反応させてポリエステルとする方法を好ましく挙げることができる。また、上記の方法(溶融重合)により得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態での重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高いポリマーとすることができる。これらのエステル交換反応、重縮合反応に使用する触媒としては、チタン化合物(Ti化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化合物)などが好ましく挙げられる。
【0017】
本発明のフィルムのヒートシール層は、その面配向係数が、−0.05〜0.05の範囲にあることが好ましい。
【0018】
ここで、面配向係数とは、アッベ法にて測定されたフィルムの各方向成分の屈折率から、計算式(1)によって計算されたものを意味する。計算式(1)中のPは面配向係数、nMDはフィルムのMD方向の屈折率、nTDはフィルムのTD方向の屈折率、nZはフィルム面に垂直な厚み方向の屈折率を示す。さらにここで、「MD方向」とはフィルムの面に平行で且つフィルム製膜方向に沿った方向を、「TD方向」とはフィルムの面に平行で且つ製膜方向に垂直な方向を示す。
P=(nMD+nTD)/2−nZ …(1)
【0019】
面配向係数は、フィルム内における分子鎖の配向状態を表す指標といえるものであり、この絶対値が0.05を越えると、分子鎖が過度に配向しているため、ヒートシールが困難になる場合がある。
【0020】
また、本発明のフィルムのヒートシール層は、結晶化していないことが、シートシールのしやすさの面から好ましく、たとえば、低角入射X線回折において、顕著な回折ピークが検出されないようなものが好ましい。
【0021】
さらに、本発明のフィルムのヒートシール層は、そのガラス転移温度が40〜115℃であることが好ましい。40℃未満ではヒートシールしない状態においてもスティッキングなどが起こる可能性があり、また115℃を超すと、ヒートシール可能な温度範囲が狭くなって実用上不利になる可能性がある。ここで、ポリエステルのガラス転移温度測定は、融解後急冷サンプルについて、Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分でガラス転移に基づく比熱変化部分を求める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0022】
本発明のフィルムのヒートシール層中には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、滑剤、紫外線吸収剤、安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、および難燃剤等を含有させることができる。また、その表面には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、プライマー層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などを施してもよい。これらの処理は、フィルム製造後に施されるものでも、フィルム製造工程内にて施されるものであっても良い。
【0023】
<基材層>
本発明のフィルム中の、ヒートシール層でない基材層を構成するポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートまたはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合物、あるいは、ポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはエチレン−2,6−ナフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合物であることが、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、透明性、耐薬品性、内容物保香性、等の面から好ましい。
【0024】
本発明において、共重合ポリエステルの場合の共重合成分は、ヒートシール層の項で述べたのと同じようなものを使用することができる。
【0025】
共重合成分の割合は、その種類にもよるが結果として、ポリマー融点が245℃〜270℃(ホモポリマーの融点)の範囲になる割合である。融点が245℃未満では基材の耐熱性が劣ることになる。また熱収縮率が大きく、フィルムの平面性が低下する。ここで、ポリエステルの融点測定は、示差走査熱量測定装置(Du Pont Instruments 910 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0026】
本発明のフィルムの基材層に用いるポリエステルは、その製法により限定されることはないが、ヒートシール層の項で述べたのと同じような方法にて製造することができる。
【0027】
本発明のフィルムの基材層がヒートシール層と反対側の最表面に位置する場合には、滑剤微粒子を添加してフィルムの作業性(滑り性)を確保することが好ましい。透明性を維持する必要がある場合には、滑剤微粒子の平均粒径および添加量を最適範囲に調整することが好ましい。
【0028】
滑剤微粒子としては任意のものが選べるが、無機系滑剤としては、シリカ(塊状、多孔質、球状のものを含む)、二酸化チタン、酸化アルミニウム(特に、結晶系がγ、δ、θ型)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機系滑剤としては球状シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等が例示できる。滑剤粒子の種類は、1種類でも2種類以上でも良く、2種類以上の場合は、平均粒径が異なるものの組合せでも良い。
【0029】
滑剤微粒子の平均粒径は、5μm以下のものが好ましく、また、添加量は、10重量ppm以上であることが好ましい。
【0030】
<フィルム厚み>
本発明のフィルムの厚みは5μm以上、350μm以下であることが好ましい。用途が包装用の場合は、7μm以上60μm以下、金属板貼合せの場合は、10μm以上80μm以下、金属箔貼合せ基板として用いる場合は、25μm以上250μm以下、の範囲内であることが好ましい。
【0031】
各層の厚みは、ヒートシール層は全厚みの3%以上50%以下が好ましく、更に好ましくは4%以上40%以下、特に好ましくは5%以上30%以下である。2層フィルムの場合は、基材層が全厚みの50%以上97%以下が好ましく、更に好ましくは60%以上96%以下、特に好ましくは70%以上95%以下である。
【0032】
<製膜法>
本発明におけるヒートシール性ポリエステルフィルムは、基本的には従来から知られている、あるいは当業界に蓄積されている方法で製造することができる。しかし、本発明の要件を満足するため細心の注意が肝要である。例えば、先ず未配向積層フィルムを製造し、次いで該フィルムを二軸配向させることで得ることができる。この未配向積層フィルムは、従来から蓄積された積層フィルムの製造法で製造することができる。例えば、ポリエステルA層と、反対面を形成するポリエステルB層(必要に応じてC層)とを、ポリエステルの溶融状態又は冷却固化された状態で積層する方法を用いることができる。さらに具体的には、例えば共押出やエクストルージョンラミネート等の方法で製造できる。本発明は共押出法を採る。
【0033】
各層の厚み配分に配慮し、上述の方法で積層されたフィルムは、更に従来から蓄積された二軸配向フィルムの製造法に準じて縦および横方向に延伸し、二軸配向フィルムとすることができる。例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でポリエステルを溶融・共押出して未延伸積層フィルムを得、該未延伸積層フィルムを一軸方向(縦方向又は横方向)に(Tg(基材層)−10)〜(Tg(基材層)+70)℃の温度(但し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg(基材層)〜(Tg(基材層)+70)℃の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するのが好ましい。さらに必要に応じて縦方向および/又は横方向に再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率は、面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35倍がさらに好ましく、15〜30倍が特に好ましい。
【0034】
さらにまた、二軸配向フィルムは、(Tg(基材層)+70)℃〜(Tm(基材層)−10)℃の温度、または、ヒートシール層のポリエステルが結晶性のものである場合は、(Tm(ヒートシール層)+10)℃〜(Tm(基材層)−10)℃の温度(で熱固定することができ、例えば基材層がポリエチレンテレフタレートの場合は180〜245℃で熱固定するのが好ましい。この工程において、ヒートシール層の二軸延伸による分子配向を解消させ、無配向、非晶のものとすることができる。用途によって熱収縮率が問題になる場合には、熱固定温度を225〜235℃とするのが好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
【0035】
上記工程中にプライマー層などを塗設する場合は、例えば縦延伸後にフィルムの片面ないし両面に、水分散性の塗剤を塗布し、横延伸の前に乾燥してフィルムに皮膜を形成させることが好ましい。塗工法は限定されないが、リバースロールコーターによる塗工が好ましい。
【0036】
【実施例】
実施例における各特性値ならびに評価法は下記の方法によって測定、評価した。
【0037】
(1)面配向係数
得られたフィルムのヒートシール面について、各方向の屈折率をアッベ法にて測定し、前述の計算式(1)によって計算した。
【0038】
(2)ラミネート強度
得られたフィルムを、ヒートシール面同士を合せて、チャック掴み代を残して、140℃、275kPaにて2秒間圧着し、ラミネートサンプルを作成する。得られたラミネートサンプルを25mm幅にスリットし、引張試験機(東洋ボールドウィン社製の商品名「テンシロン」)のクロスヘッドのチャックに掴み代を挟み、たるみの無いようにクロスヘッド位置を調整する。100mm/分のクロスヘッド速度で引張ってラミネートサンプルを剥離させ、試験機に装着されたロードセルで荷重を測定し、ラミネート強度とする(単位:N/25mm)。
【0039】
また、ラミネートサンプルを、25℃にて30日間保管した後、上述の強度測定試験を再度実施する。
【0040】
[実施例1]
ジメチルテレフタレート、ジメチル−2,6−ナフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触煤として酢酸マンガンを、重縮合触媒として酸化ゲルマニウムを、安定剤として亜燐酸を添加して常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレート−2,6−ナフタレート共重合体(2,6−ナフタレンジカルボン酸含有量:35モル%)を得た。このポリエステルのペレットを攪拌しながら110℃で10時間加熱し表面を結晶化させたものを、170℃で3時間乾燥後、押出機に供給し、溶融温度295℃で溶融後フィルターで濾過し、2層ダイの片側(A側)から押出した。別の押出機に、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとを、エステル交換触煤として酢酸マンガンを、重縮合触媒として酸化ゲルマニウムを、安定剤として亜燐酸を、さらに滑剤として平均粒径1.5μmの多孔質シリカ粒子をポリマーに対して0.07重量%になるように添加して常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で3時間乾燥後、押出機に供給し、上記と同条件で上記2層ダイの反対側(B側)から押出した。この2層溶融物を表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、全厚み1404μm、各層厚みA/B=210/1194μmの未延伸フィルムを得た。
【0041】
このようにして得られた未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速ローラーと高速ローラーの間で15mm上方より800℃の表面温度の赤外線ヒーター1本にて加熱して縦方向に3.6倍に延伸した。
【0042】
続いてステンターに供給し、120℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを230℃の温度で5秒間熱固定し、100μm厚みの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0043】
こうして得られたフィルムの特性を上記の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0044】
[実施例2]
A側に供給するポリエステルを、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレート−2,6−ナフタレート共重合体(2,6−ナフタレンジカルボン酸含有量:20モル%)とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。こうして得られたフィルムの特性を前述の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0045】
[実施例3]
B側に供給するポリエステルを、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートとし、縦方向延伸時の予熱温度を115℃、横方向の延伸温度を145℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。こうして得られたフィルムの特性を前述の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0046】
[比較例1]
A側に供給するポリエステルを、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体(イソフタル酸含有量:20モル%)とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。こうして得られたフィルムの特性を前述の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0047】
[比較例2]
A側に供給するポリエステルを、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレート、B側に供給するポリエステルを、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエチレン−2,6−ナフタレートとし、縦方向延伸時の予熱温度を115℃、横方向の延伸温度を145℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。こうして得られたフィルムの特性を前述の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 2004223835
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、経時によるヒートシール接着強度の保持性に優れたヒートシール性ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。

Claims (8)

  1. 少なくとも2層以上からなる二軸延伸共押出しフィルムであって、少なくとも片側の最表面が熱融着可能なヒートシール層であり、ヒートシール層は2,6−ナフタレンジカルボン酸をその酸成分として5〜95モル%含有するポリエステルからなることを特徴とするヒートシール性ポリエステルフィルム。
  2. ヒートシール層の面配向係数が、−0.05〜0.05の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  3. フィルムを構成するヒートシール層でない基材層が、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主たる成分とするポリエステルであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  4. 金属箔および/または金属板に対して、ヒートシール層側を熱融着させて貼合せて用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  5. 印刷配線回路用の金属箔貼り合せフィルム基板用に用いることを特徴とする請求項4記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  6. 金属板表面コーティング用に用いることを特徴とする請求項4記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  7. ヒートシール層同士を熱融着により貼合せて用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
  8. 包装用途に用いることを特徴とする請求項7に記載のヒートシール性ポリエステルフィルム。
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