JP4644983B2 - 光コネクタの端面形状測定方法及び装置 - Google Patents

光コネクタの端面形状測定方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタの端面検査方法及び装置に係り、特に光コネクタを構成するフェルールとコアとの偏芯量を測定する測定する光コネクタの端面形状測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいて、通信網を広く構築するためには、光ファイバ同士を容易にしかも精度よく接続する技術が重要である。光ファイバ同士を接続する手段としては、従来より光コネクタが用いられている。
【0003】
図8は、光コネクタ1の構成を示す断面図である。同図において、符号2はフェルール、3は光ファイバ、4はナイロンジャケット、5はPVC外皮であり、光ファイバ3は、コア3Aとクラッド3Bとで構成されている。同図に示すように、光コネクタ1は、フェルール2の内径部に光ファイバ3が挿通された構造になっている。この光コネクタ1を用いた光ファイバの接続は、一対の光コネクタ1をアダプタ内のスリーブに挿入し、その端面同士を物理的に接触させることにより行なわれる。
【0004】
このように、光コネクタを用いた光ファイバ同士の接続では、フェルールの外径を基準として対向するコア同士を接続している。したがって、その接続による損失を防ぐためには、フェルールの外径中心に対して光ファイバのコアが同軸上に挿通された光コネクタを用いて光ファイバ同士を接続する必要がある。このため、光コネクタは、製造後、フェルールの外径中心に対する光ファイバコアの偏芯量が測定され、一定の基準を満たしているか否かが検査される。
【0005】
従来、この光コネクタの偏芯量の測定は、例えば特開平8−29642号公報や特開平10−227619号公報、特開平6−174433号公報に開示されているように、光コネクタをVブロック等に載置し、所定の回転速度で回転させながら、その端面をCCDカメラで撮像し、得られた画像データを画像処理することによって測定するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来測定方法は、光コネクタを回転させるための機構が必要となるため、装置構成が大型化するという欠点がある。
【0007】
また、光コネクタを回転させなければならないため、測定に時間がかかるという欠点もある。
【0008】
さらに、Vブロック等に載置した状態で光コネクタを回転させるため、時間の経過とともにVブロック等に磨耗が生じ、正確な測定ができなくなるという欠点もある。
【0009】
また、フェルールの外周に部分的な凹み等の変形がある場合には、その分が偏芯の量として測定されてしまい、正確な測定ができないという欠点もある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、シンプルな構成で簡単かつ正確に光コネクタの端面の形状を測定することができる光コネクタの端面形状測定方法及び装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、フェルールの内径部に光ファイバが挿通された光コネクタの端面形状測定方法において、光コネクタの端面全体を第1撮像手段で撮像し、その画像データからフェルール中心及び光ファイバのクラッド中心を求めて、フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第1演算工程と、光コネクタの端面のうちフェルールの内径部分を第2撮像手段で撮像し、その画像データから光ファイバのクラッド中心及びコア中心を求めて、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第2演算工程と、前記第1演算工程で求めたフェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向と、前記第2演算工程で求めたクラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向とに基づいてフェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める工程と、からなることを特徴とする光コネクタの端面形状測定方法を提供する。
【0012】
本発明では、光コネクタの端面全体とフェルールの内径部とを分けて撮像し、各画像データを利用して最終的にフェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める。すなわち、光コネクタの端面全体を第1撮像手段で撮像し、その画像データからフェルール中心及びクラッド中心を求めて、フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向を求める。一方、光コネクタの端面のうちフェルールの内径部分を第2撮像手段で撮像し、その画像データからクラッド中心及びコア中心を求めて、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める。そして、求めたフェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向と、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向とに基づいてフェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める。これにより、光コネクタを回転等させずに端面形状の測定を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る光コネクタの端面形状測定方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】
図1は、本発明に係る光コネクタの端面形状測定装置の全体構成を示す概略図である。同図に示すように、本実施の形態の端面形状測定装置10は、主としてVブロック12、照明装置14、撮影光学系16、第1CCDカメラ18、第2CCDカメラ20及びパーソナルコンピュータ22で構成されている。
【0015】
Vブロック12は、測定対象の光コネクタ1を保持する台であり、その上面に形成されたV溝に光コネクタ1を載置して保持する。測定対象の光コネクタ1は、このVブロック12上に載置されることにより、所定の測定位置に位置決めされて保持される。
【0016】
照明装置14は、光ファイバ3の一端から照明光を入射するための装置であり、測定対象とは反対側の光コネクタ(図示せず)が接続される。この照明装置14は図示しない光源ランプを内蔵しており、この光源ランプから出た光が、光ファイバ3の一端から入射され、光ファイバ3内を伝播されて、他端、すなわち、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射される。
【0017】
撮影光学系16は、光コネクタ1から出射した光の像を第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20の各撮像面上にそれぞれ所定の倍率で結像させる。この撮影光学系16は、第1レンズ装置24、ハーフミラー26及び第2レンズ装置28で構成されている。
【0018】
第1レンズ装置24は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光の光軸L上に配設されている。この第1レンズ装置24は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が、第1CCDカメラ18の撮像面一杯に映し出されるように、光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0019】
ハーフミラー26は、第1レンズ装置24の後方に配置されており、第1レンズ装置24と同様に光軸L上に配設されている。このハーフミラー26は、光軸Lに対して45°傾斜して設置されており、透過と反射とが1対1になるように構成されている。光コネクタ1の端面から出射した光は、このハーフミラー26で分光され、その分光された一方の光(反射光)が第1CCDカメラ18に導かれるとともに、他方の光(透過光)が第2CCDカメラ20に導かれる。
【0020】
第2レンズ装置28は、ハーフミラー26の後方に配置されており、第1レンズ装置24と同様に光軸L上に配設されている。この第2レンズ装置28は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が、第2CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、第1レンズ装置24で拡大された光コネクタ1の端面の像を更に拡大する。
【0021】
なお、第1レンズ装置24と第2レンズ装置28は、オートフォーカス機構を内蔵しており、自動でVブロック12に保持された光コネクタ1の端面に焦点合わせがなされる。
【0022】
第1CCDカメラ18は、ハーフミラー26で反射された光の光軸LR 上に配設されている。光コネクタ1の端面から出射し、第1レンズ装置24を透過した光は、ハーフミラー26で分光され、このハーフミラー26で反射された光が、第1CCDカメラ18の撮像面18A上に結像される。この第1CCDカメラ18の撮像面18A上に結像される光コネクタ1の端面の像は、図2(a)に示すように、光コネクタ1の端面全体の像が拡大されて結像される(光コネクタ1の端面全体の像が撮像面一杯に映し出される。)。第1CCDカメラ18は、この撮像面一杯に映し出された光コネクタ1の端面全体の像を撮像する。
【0023】
第2CCDカメラ20は、ハーフミラー26を透過した光の光軸L上に配設されている。光コネクタ1の端面から出射し、第1レンズ装置24を透過した光は、ハーフミラー26で分光され、このハーフミラー26を透過した光が、第2レンズ装置28を透過して第2CCDカメラ20の撮像面20A上に結像される。この第2CCDカメラ20の撮像面20A上に結像される光コネクタ1の端面の像は、図2(b)に示すように、光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分が拡大されて結像される(フェルール2の内径部分が撮像面一杯に映し出される。)。第2CCDカメラ20は、この撮像面一杯に映し出されたフェルール2の内径部分の像を撮像する。
【0024】
パーソナルコンピュータ22は、第1CCDカメラ18及び第2CCDカメラ20で撮像された光コネクタ1の端面の画像データを画像処理ボード30を介して取り込み、あらかじめインストールされている画像処理プログラムに従って画像処理を行うことにより、取り込んだ画像データから光コネクタ端面の形状測定を行う。すなわち、フェルール径、クラッド径、フェルール中心、クラッド中心、コア中心、フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向、フェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を測定する。
【0025】
前記のごとく構成された本実施の形態の光コネクタの端面形状測定装置10の作用は次のとおりである。
【0026】
まず、初めにキャリブレーションを行う。キャリブレーションは、フェルール径及びクラッド径が既知の光コネクタ(以下、「マスタ光コネクタ」という。)を用いて行う。
【0027】
まず、Vブロック12にマスタ光コネクタを載置する。そして、そのマスタ光コネクタに接続された光ファイバの他端側の光コネクタを照明装置14に接続する。
【0028】
次に、照明装置14の光源ランプを点灯する。光源ランプから出た光は、他端側の光コネクタの端面から光ファイバ3内に入射され、光ファイバ3内を伝播されて、マスタ光コネクタの端面から出射される。
【0029】
次に、第1レンズ装置24及び第2レンズ装置28がオートフォーカス駆動され、Vブロック12に保持されたマスタ光コネクタの端面にピントが合うようにピント調整がなされる。
【0030】
マスタ光コネクタの端面から出射した光は、第1レンズ装置24を透過し、ハーフミラー26で反射光と透過光とに分光される。そして、反射光が、第1CCDカメラ18の撮像面上に結像され、透過光が第2レンズ装置28を介して第2CCDカメラ20の撮像面上に結像される。
【0031】
ここで、第1CCDカメラ18の撮像面18A上には、Vブロック12に保持されたマスタ光コネクタの端面全体の像が結像し、第2CCDカメラ20の撮像面20A上には、Vブロック12に保持されたマスタ光コネクタの端面のうちフェルールの内径部分の像が拡大されて結像する。第1CCDカメラ18は、その撮像面18A上に結像したマスタ光コネクタの端面全体の像を撮像し、第2CCDカメラ20は、フェルールの内径部分の像を撮像する。
【0032】
第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20で撮像されたマスタ光コネクタの端面の画像データは、画像処理ボード30を介してパーソナルコンピュータ22に取り込まれる。パーソナルコンピュータ22は、取り込んだ画像データ及び既知の寸法データ(フェルール径及びクラッド径)に基づいて各撮像面18A、20A上に結像される画像の撮像倍率S1 、S2 を算出する。求めた撮像倍率S1 、S2 は、パーソナルコンピュータ22のメモリに記憶される。
【0033】
以上の工程でキャリブレーションが終了する。キャリブレーション終了後、光源ランプを消灯するとともに、照明装置から光コネクタを取り外し、Vブロック12からマスタ光コネクタを回収する。
【0034】
なお、マスタ光コネクタのフェルール径及びクラッド径等の寸法データは、キャリブレーションの開始前あるいは実施中にパーソナルコンピュータ22のキーボード等を利用してパーソナルコンピュータ22に入力する。
【0035】
以上で測定準備が完了し、以後、測定を開始する。
【0036】
まず、測定対象とする光コネクタ1をVブロック12に載置する。そして、その光コネクタ1に接続された光ファイバ3の他端側の光コネクタを照明装置14に接続する。
【0037】
次に、照明装置14の光源ランプを点灯する。光源ランプから出た光は、他端側の光コネクタの端面から光ファイバ3内に入射され、光ファイバ3内を伝播されて、測定対象とする光コネクタ1の端面から出射される。
【0038】
次に、第1レンズ装置24及び第2レンズ装置28がオートフォーカス駆動され、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面にピントが合うようにピント調整がなされる。
【0039】
光コネクタ1の端面から出射した光は、第1レンズ装置24を透過し、ハーフミラー26で反射光と透過光とに分光される。そして、反射光が、第1CCDカメラ18の撮像面上に結像され、透過光が第2レンズ装置28を介して第2CCDカメラ20の撮像面上に結像される。
【0040】
ここで、図3に示すように、第1CCDカメラ18の撮像面18A上には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が結像し(同図(a))、第2CCDカメラ20の撮像面20A上には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が拡大されて結像する(同図(b))。第1CCDカメラ18は、その撮像面18A上に結像した光コネクタ1の端面全体の像を撮像し、第2CCDカメラ20は、フェルール2の内径部分の像を撮像する。
【0041】
第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20で撮像された光コネクタ1の端面の画像データは、画像処理ボード30を介してパーソナルコンピュータ22に取り込まれる。パーソナルコンピュータ22は、この第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20で撮像された光コネクタ1の端面の画像データに基づいて以下の演算を実施する。
【0042】
まず、パーソナルコンピュータ22は、第1CCDカメラ18で撮像された光コネクタ1の端面全体の画像データを画像処理することにより、その撮像面18A上におけるフェルール中心O(フェルール2の外径中心)とクラッド中心P(光ファイバ3のクラッド3Bの外径中心)の位置を求める。そして、求めたフェルール中心Oとクラッド中心Pの位置情報及び撮像倍率S1 に基づいて、フェルール中心Oからクラッド中心PへのベクトルOPを求める。このベクトルOPは、その線分OPの長さが、フェルール中心Oに対するクラッド中心Pの偏芯量ωに相当し、その向きが偏芯方向に相当する。
【0043】
なお、フェルール中心Oに対するクラッド中心Pの位置は、フェルール中心Oを原点とするX−Y座標を設定し、このX−Y座標におけるクラッド中心Pの位置座標(XP ,YP )として把握する。
【0044】
また、パーソナルコンピュータ22は、第1CCDカメラ18で撮像された光コネクタ1の端面全体の画像データを画像処理することにより、フェルール径D(フェルール2の外径)を求める。
【0045】
次に、パーソナルコンピュータ22は、第2CCDカメラ20で撮像されたフェルール2の内径部分の画像データを画像処理することにより、その撮像面20A上におけるクラッド中心Pとコア中心Q(光ファイバ3のコア3Aの外径中心)の位置を求める。そして、求めたクラッド中心Pとコア中心Qの位置情報及び撮像倍率S2 に基づいて、クラッド中心Pからコア中心QへのベクトルPQを求める。このベクトルPQは、その線分PQの長さが、クラッド中心Pに対するコア中心Qの偏芯量δに相当し、その向きが偏芯方向に相当する。
【0046】
なお、クラッド中心Pに対するコア中心Qの位置は、クラッド中心Oを原点とするx−y座標を設定し、このx−y座標におけるクラッド中心Pの位置座標(xQ ,yQ )として把握する。
【0047】
また、パーソナルコンピュータ22は、第2CCDカメラ20で撮像されたフェルール2の内径部分の画像データを画像処理することにより、クラッド径d(光ファイバ3のクラッド3Bの外径)を求める。
【0048】
次に、パーソナルコンピュータ22は、求めたベクトルOPとベクトルPQとに基づいて、フェルール中心Oからコア中心QへのベクトルOQを求める。このベクトルOQは、図4に示すように、ベクトルOPとベクトルPQの和として表され、その線分OQの長さが、フェルール中心Oに対するコア中心Qの偏芯量σに相当する。そして、その線分OQの方向がフェルール中心Oに対するコア中心Qの偏芯方向に相当する。
【0049】
以上、一連の工程で光コネクタ1の端面形状の測定が終了する。測定終了後、光源ランプを消灯するとともに、照明装置から光コネクタを取り外し、Vブロック12から光コネクタ1を回収する。
【0050】
このように、本実施の形態の光コネクタの端面形状測定装置10によれば、光コネクタ1を回転させることなく、フェルール径D、クラッド径d、偏芯量ω、δ、σ等を測定することができる。これにより、光コネクタを回転させて測定を行う従来の方法に比べて短時間で測定を行うことができる。
【0051】
また、長期間使用してもVブロック12は磨耗せず、また、外周に凹凸を有する光コネクタを測定する場合であっても、その影響を受けずに測定を行うことができるので、正確な測定値を得ることができる。
【0052】
さらに、本実施の形態では、第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20とで光コネクタの端面を分けて撮像しているため、極小径のコア3Aの中心位置やクラッド3Bの中心位置等も正確に測定することができる。
【0053】
また、このように第1CCDカメラ18と第2CCDカメラ20とで光コネクタの端面を分けて撮像することにより、必ずしも高画素のCCDカメラを用いなくても精度の高い測定を行うことができる(たとえば、フェルール径2.5mm、クラッド径0.125mmの光コネクタに対して30万画素クラスのCCDカメラを用いて高精度な測定ができる。)。
【0054】
なお、撮影光学系16の構成は、上述した本実施の形態のものに限定されるものではない。Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体が第1CCDカメラ18の撮像面上に拡大して結像され、フェルール2の内径部分が第2CCDカメラ20の撮像面上に拡大して結像できる構成であればよい。以下に撮影光学系の他の実施の形態を例示する。
【0055】
図5は、撮影光学系の他の実施の形態を示す概略図である。同図に示すように、この撮影光学系は、第1レンズ装置40、ハーフミラー42、及び第2レンズ装置44で構成されている。
【0056】
第1レンズ装置40は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光の光軸L上に配設されている。この第1レンズ装置40は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が、第2CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0057】
ハーフミラー42は、第1レンズ装置40の後方に配置されており、第1レンズ装置40と同様に光軸L上に配設されている。このハーフミラー42は、光軸Lに対して45°傾斜して設置されており、透過と反射とが1対1になるように構成されている。第1レンズ装置40を透過した光は、このハーフミラー42で分光され、その分光された一方の光(反射光)が第1CCDカメラ18に導かれるとともに、他方の光(透過光)が第2CCDカメラ20に導かれる。
【0058】
第2レンズ装置44は、ハーフミラー42と第1CCDカメラ18との間に配設されており、ハーフミラー42で反射された反射光の光軸LR 上に配設されている。この第2レンズ装置44は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が、第1CCDカメラ18の撮像面一杯に映し出されるように、第1レンズ装置40で拡大された光コネクタ1の端面の像を縮小する。
【0059】
以上のように構成された撮影光学系によれば、第1CCDカメラ18には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が撮像され、第2CCDカメラ20には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が撮像される。
【0060】
図6は、撮影光学系の他の実施の形態を示す概略図である。同図に示すように、この撮影光学系は、第1レンズ装置50、ハーフミラー52、第2レンズ装置54及び第3レンズ装置56で構成されている。
【0061】
第1レンズ装置50は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光の光軸L上に配設されている。この第1レンズ装置40は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0062】
ハーフミラー52は、第1レンズ装置50の後方に配置されており、第1レンズ装置50と同様に光軸L上に配設されている。このハーフミラー52は、光軸Lに対して55°傾斜して設置されており、透過と反射とが1対1になるように構成されている。第1レンズ装置50を透過した光は、このハーフミラー52で分光され、その分光された一方の光(反射光)が第1CCDカメラ18に導かれるとともに、他方の光(透過光)が第2CCDカメラ20に導かれる。
【0063】
第2レンズ装置54は、ハーフミラー52と第1CCDカメラ18との間に配設されており、ハーフミラー52で反射された反射光の光軸LR 上に配設されている。この第2レンズ装置54は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が、第1CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、第1レンズ装置24で拡大された光コネクタ1の端面の像を縮小する。
【0064】
第3レンズ装置56は、ハーフミラー52の後方に配置されており、第1レンズ装置50と同様に光軸L上に配設されている。この第3レンズ装置56は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が、第2CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、第1レンズ装置24で拡大された光コネクタ1の端面の像を更に拡大する。
【0065】
以上のように構成された撮影光学系によれば、まず、第1レンズ装置50によって、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面が、ある程度まで拡大され(第2CCDカメラ20の撮像面にフェルール2の外径部内側部分が映し出される程度まで拡大される)、その拡大された像が第2レンズ装置54によって縮小されることにより、第1CCDカメラ18の撮像面に光コネクタ1の端面全体の像が結像する。また、第1レンズ装置50によって拡大された像が第3レンズ装置56によって更に拡大されることにより、第2CCDカメラ20の撮像面にフェルール2の内径部分の像が結像する。これにより、第1CCDカメラ18には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が撮像され、第2CCDカメラ20には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が撮像される。
【0066】
図7は、撮影光学系の他の実施の形態を示す概略図である。同図に示すように、この撮影光学系は、ハーフミラー60、第1レンズ装置62及び第2レンズ装置64で構成されている。
【0067】
第1レンズ装置40は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光の光軸L上に配設されている。この第1レンズ装置40は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が、第2CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0068】
ハーフミラー60は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光の光軸L上に配設されている。このハーフミラー60は、光軸Lに対して45°傾斜して設置されており、透過と反射とが1対1になるように構成されている。Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面から出射した光は、このハーフミラー60で分光され、その分光された一方の光(反射光)が第1CCDカメラ18に導かれるとともに、他方の光(透過光)が第2CCDカメラ20に導かれる。
【0069】
第1レンズ装置62は、ハーフミラー60と第1CCDカメラ18との間に配設されており、ハーフミラー42で反射された反射光の光軸LR 上に配設されている。この第1レンズ装置62は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が、第1CCDカメラ18の撮像面一杯に映し出されるようにVブロック12に保持された光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0070】
第2レンズ装置64は、ハーフミラー60と第2CCDカメラ18との間に配設されており、光軸L上に配設されている。この第2レンズ装置64は、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が、第2CCDカメラ20の撮像面一杯に映し出されるように、光コネクタ1の端面の像を拡大する。
【0071】
以上のように構成された撮影光学系によれば、第1CCDカメラ18には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面全体の像が撮像され、第2CCDカメラ20には、Vブロック12に保持された光コネクタ1の端面のうちフェルール2の内径部分の像が撮像される。
【0072】
なお、CCDによって撮像した画像から円の直径や中心位置を画像処理にて求める方法については公知の画像処理技術を用いることができ、たとえば多数のデータから最小二乗円を算出し、直径及び中心を求める最小二乗円中心法や、最小外接円中心法、最大内接円中心法、最小領域中心などの種々の画像処理技術を用いることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワークを回転させたり、移動させたりすることなく、光コネクタの端面形状を測定することができる。したがって、光コネクタを回転させるための機構が必要でないため、装置をシンプルな構成でコンパクトにまとめることができる。また、光コネクタを回転等させる必要がないので、簡易迅速に測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光コネクタの端面形状測定装置の全体構成を示す概略図
【図2】第1CCDカメラの撮影画像と第2CCDカメラの撮影画像の説明図
【図3】第1CCDカメラの撮影画像と第2CCDカメラの撮影画像の説明図
【図4】端面形状測定方法の説明図
【図5】撮影光学系の他の実施の形態の概略図
【図6】撮影光学系の他の実施の形態の概略図
【図7】撮影光学系の他の実施の形態の概略図
【図8】光コネクタの構成を示す断面図
【符号の説明】
1…光コネクタ、2…フェルール、3…光ファイバ、3A…コア、3B…クラッド、4…ナイロンジャケット、5…PVC外皮、10…端面形状測定装置、12…Vブロック、14…照明装置、16…撮影光学系、18…第1CCDカメラ、20…第2CCDカメラ、22…パーソナルコンピュータ、24…第1レンズ装置、26…ハーフミラー、28…第2レンズ装置、40…第1レンズ装置、42…ハーフミラー、44…第2レンズ装置、50…第1レンズ装置、52…ハーフミラー、54…第2レンズ装置、56…第3レンズ装置、60…ハーフミラー、62…第1レンズ装置、64…第2レンズ装置、O…フェルール中心、P…クラッド中心、Q…コア中心、ω…フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量、δ…クラッド中心に対するコア中心の偏芯量、σ…フェルール中心に対するコア中心の偏芯量

Claims (11)

  1. フェルールの内径部に光ファイバが挿通された光コネクタの端面形状測定方法において、
    光コネクタの端面全体を第1撮像手段で撮像し、その画像データからフェルール中心及び光ファイバのクラッド中心を求めて、フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第1演算工程と、
    光コネクタの端面のうちフェルールの内径部分を第2撮像手段で撮像し、その画像データから光ファイバのクラッド中心及びコア中心を求めて、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第2演算工程と、
    前記第1演算工程で求めたフェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向と、前記第2演算工程で求めたクラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向とに基づいてフェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める工程と、
    からなることを特徴とする光コネクタの端面形状測定方法。
  2. 前記第1撮像手段で撮像した画像データからフェルール径を求める工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光コネクタの端面形状測定方法。
  3. 前記第2撮像手段で撮像した画像データからクラッド径を求める工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタの端面形状測定方法。
  4. フェルールの内径部に光ファイバが挿通された光コネクタの端面形状測定装置において、
    光コネクタを保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された光コネクタの端面全体を撮像する第1撮像手段と、
    前記第1撮像手段で撮像された画像データからフェルール中心及び光ファイバのクラッド中心を求めて、フェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第1演算手段と、
    前記保持手段に保持された光コネクタの端面のうちフェルールの内径部分を撮像する第2撮像手段と、
    前記第2撮像手段で撮像された画像データから光ファイバのクラッド中心及びコア中心を求めて、クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第2演算手段と、
    前記第1演算手段で求めたフェルール中心に対するクラッド中心の偏芯量及び偏芯方向と、前記第2演算手段で求めたクラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向とに基づいて、フェルール中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向を求める第3演算手段と、
    からなることを特徴とする光コネクタの端面形状測定装置。
  5. 前記第1演算手段は、前記クラッド中心の偏芯量及び偏芯方向に加えて更に前記第1撮像手段で撮像した画像データからフェルール径を求めることを特徴とする請求項4に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  6. 前記第2演算手段は、前記クラッド中心に対するコア中心の偏芯量及び偏芯方向に加えて更に前記第2撮像手段で撮像した画像からクラッド径を求めることを特徴とする請求項4又は5に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  7. 前記保持手段に保持された光コネクタの端面の像を形成する光を分光するハーフミラーを備え、該ハーフミラーで分光された一方の光の像を第1撮像手段で撮像するとともに、他方の光の像を前記第2撮像手段で撮像することを特徴とする請求項4、5又は6に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  8. 前記保持手段と前記ハーフミラーとの間に設けられ、前記保持手段に保持された光コネクタの端面の像を拡大する第1レンズと、
    前記ハーフミラーと前記第2撮像手段との間に設けられ、前記第1レンズで拡大された前記光コネクタの端面の像を更に拡大する第2レンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  9. 前記保持手段と前記ハーフミラーとの間に設けられ、前記保持手段に保持された光コネクタの端面の像を拡大する第1レンズと、
    前記ハーフミラーと前記第1撮像手段との間に設けられ、前記第1レンズで拡大された前記光コネクタの端面の像を縮小する第2レンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  10. 前記保持手段と前記ハーフミラーとの間に設けられ、前記保持手段に保持された光コネクタの端面の像を拡大する第1レンズと、
    前記ハーフミラーと前記第1撮像手段との間に設けられ、前記第1レンズで拡大された前記光コネクタの端面の像を縮小する第2レンズと、
    前記ハーフミラーと前記第2撮像手段との間に設けられ、前記第1レンズで拡大された前記光コネクタの端面の像を拡大する第2レンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
  11. 前記ハーフミラーと前記第1撮像手段との間に設けられ、前記光コネクタの端面の像を拡大する第1レンズと、
    前記ハーフミラーと前記第2撮像手段との間に設けられ、前記光コネクタの端面の像を拡大する第2レンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光コネクタの端面形状測定装置。
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