JP2007322220A - レンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置 - Google Patents

レンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検面の曲率半径に依存しない比例係数によって、反射像高から被検面の傾き偏心を算出することができるレンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置を提供すること。
【解決手段】レンズ偏心測定装置1は、光源2の像をレンズ3の被検面3Aに対して投影する照明光学系5と、被検面3Aからの反射像を観察する観察光学系6と、照明光学系5による光源2の結像位置(照明位置A)を照明光学系5の光軸C1に沿って被検面3Aに対して相対移動させる第一移動部7と、観察光学系6の焦点位置(観察位置B)を観察光学系6の光軸C2に沿って被検面3Aに対して相対移動させる第二移動部8と、第一移動部7及び第二移動部8とを制御する駆動制御部10と、装置全体を制御する制御部11と、レンズ3を支持する台部12とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置に関する。
光学機器にとってレンズは基幹部品であり、レンズの光軸偏心の大小は、光学系の結像性能を左右する重要な品質項目である。ここで偏心とは、レンズの外径心と光軸とのずれをいう。即ち、レンズは、その外径で保持される場合には、偏心があれば光軸がずれて結像性能が低下する。
偏心を表すには、偏り偏心δと傾き偏心εとの2種類があり、両者は以下に示す関係を有している。
δ=Rsinε(R;レンズの被検面の曲率半径)
ここで、一般にεは微少量であるから、前記関係式は、次のように近似できる。
δ=Rε (ε;単位radian)
一般的に、偏り偏心δの結像性能への影響は曲率半径Rに依存する。例えば、曲率半径が大きい面では偏心の影響が少なく、反対に小さい面では偏心の影響が多い。従って、同じ基準で偏心の大小を表すには、偏り偏心δを曲率半径Rで規格化した傾き偏心εで表すのが妥当といえる。このように、傾き偏心εから偏心を求めるレンズ偏心測定装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような装置として、図16に示すような装置100がある。
装置100は、光源101を有する照明部102、測定対象となるレンズ103の被検面103Aからの後述するターゲット108の反射像を、後述する内部光学系113を介して焦点板105に結像する結像部106、焦点板105に結像した反射像を撮像する撮像部107とを備えている。以下、光源101から光の進む順に構成を説明する。
照明部102は光源101と、光源101にて照明されるターゲット108と、光軸C1に沿って移動可能な採光レンズ110と、採光レンズ110を通過した光の向きを変えるハーフプリズム111とを備えている。結像部106は、ハーフプリズム111を照明部102と共有している。撮像部107には、撮像面としてCCD112が配されている。
ここで、光源101からの照明光は、採光レンズ110を通過してハーフプリズム111によって向きが変更されてレンズ103へと向う。このとき、採光レンズ110によって集光されて、光源101で照明されたターゲット108の像が、レンズ103の結像位置Aに結像する。なお、採光レンズ110は、光軸C1に沿って移動可能にできており、これを移動させることにより、結像位置Aを変えることができる。
次に結像位置Aのターゲット像は、被検面103Aで反射して焦点板105の共役点である結像位置Bに像を結ぶ。このとき、レンズ103に偏心εがある場合には、ターゲット像に像高を生ずる。従って、結像部106のピントを結像位置Bに合わせた際、結像部106の内部光学系113によって、偏心による像高が拡大されて焦点板105に結像する。焦点板105には目盛りが配されており、ターゲット像の像高を目盛りで読むことができる。なお、ターゲット像と焦点板105の目盛りとが重ね合わされた像は、撮像部107の撮像面となるCCD112で観察できるようになっている。
この装置100におけるレンズ103の被検面103Aの偏心εを測定する方法を、測定原理を示す図17を参照しながら説明する。図17に示すように、レンズ103の被検面103A側の外周は、2つのローラー115A,115Bに接するようになっている。即ち、ローラー115A,115Bの回転によってレンズ103が、レンズ103の外径中心軸(外径心)を軸として回転可能となっている。被検面103Aに対して、ターゲット像が結像位置Aに結像するように投影されると、被検面103Aにて反射した像は、結像位置Bに結像する。このとき、レンズ103に傾き偏心εがある場合には、結像位置Bにターゲット像の像高yを生ずる。このとき、像高yと傾き偏心εとは、式(1)の関係を有する。
y=(1−β)*R*ε・・・(1)
ここで、β:被検面による結像倍率、R:被検面の曲率半径を示す。なお、レンズ103の光軸上での被検面103Aにおける結像位置Aまでの距離をa、レンズ103の光軸上での被検面103Aにおける結像位置Bまでの距離をbとしたとき、結像倍率βは、―b/aとなる。a,bは、曲率半径との間では、式(2)の関係を有する。
Figure 2007322220
一方、レンズ103の外周を2つのローラー115A,115Bに当てた状態で、各ローラーそれぞれ回転させ、レンズ103の縁を送って外径中心軸周りに回転させた際、図18に示すように、結像位置Bでは、ターゲット像が像高yを半径とする円の軌跡を描く。この軌跡を結像部106にて拡大観察し、上記軌跡の直径を焦点板105の目盛りで読むことにより、像高yが計測される。
即ち、結像位置Aと結像位置Bとの距離をLとしたとき、式(2)から、結像倍率βは式(3)で表される。
Figure 2007322220
得られた式(3)と式(1)とから、像高yは、式(4)で表され、傾き偏心εが算出される。
Figure 2007322220
特開平7−260623号公報
しかしながら、上記従来のレンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置によれば、式(4)に示すように、反射像の像高yは、傾き偏心εに比例するものの、その比例係数が、Lと被検面103Aの曲率半径Rとを含んでいる。そのため、像高yの測定結果から、傾き偏心εを換算するためには、予めLと被検面103AのRとをその都度求めてから、比例係数を計算によって求めておく必要がある。
また、式(4)に示すように、比例係数がプラス符号とマイナス符号との2つの場合を含んでいる。即ち、反射像として、実像と、虚像との2つが生ずるため、式(3)と式(4)とにおけるプラス符号とマイナス符号とを間違えないように、予め反射像の結像位置Bを計算によって求めておく必要がある。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、被検面の曲率半径に依存しない比例係数によって、反射像高から被検面の傾き偏心を算出することができるレンズ偏心測定方法及びレンズ偏心測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係るレンズ偏心測定方法は、照明光学系を介して光源の像をレンズの被検面に対して投影し、該被検面からの反射像を観察光学系により観察して、前記反射像の像高から前記被検面の光軸偏心を求めるレンズ偏心測定方法であって、前記照明光学系を調整して前記光源の結像位置と前記観察光学系の焦点位置とを一致させる第一工程と、前記観察光学系を調整して、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面に対して相対移動させる第二工程と、前記照明光学系を調整して前記被検面からの反射像位置と前記観察光学系の焦点位置とを一致させる第三工程とを備えていることを特徴とする。
この発明は、第二工程における被検面からの移動距離を、例えばb=−k/2(kは定数)としたとき、式(2)が、
β=1+k/R・・・式(5)
となるので、式(5)を式(1)に代入したときに、
y=−kε・・・式(6)
とすることができる。即ち、像高と被検面の傾き偏心との比例係数を任意の定数に設定することができる。
また、本発明に係るレンズ偏心測定方法は、前記レンズ偏心測定方法であって、前記被検面の形状が凸面の場合には、前記第三工程における前記被検面からの反射像位置が前側焦点とされ、前記第二工程にて、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面からの前記反射像位置に相対移動することを特徴とする。
また、本発明に係るレンズ偏心測定方法は、前記レンズ偏心測定方法であって、前記被検面の形状が凹面の場合には、前記第三工程における前記被検面からの反射像位置が後側焦点とされ、前記第二工程にて、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面からの前記反射像位置に相対移動することを特徴とする。
これらの発明は、被検面の反射像のうち、実像と虚像とを予め機械的に識別して観察するので、観察時における実像と虚像との間違いを好適に抑えることがそれぞれできる。
本発明に係るレンズ偏心測定装置は、前記レンズ偏心測定装置であって、光源の像をレンズの被検面に対して投影する照明光学系と、該被検面からの反射像を観察する観察光学系とを備えて、前記反射像の像高から前記被検面の光軸偏心を求めるレンズ偏心測定装置であって、前記照明光学系による前記光源の結像位置を前記照明光学系の光軸に沿って前記被検面に対して相対移動させる第一移動部と、前記観察光学系の焦点位置を前記観察光学系の前記光軸に沿って前記被検面に対して相対移動させる第二移動部とを備えていることを特徴とする。
この発明は、第一移動部によって、光源の結像位置を移動して観察光学系の焦点位置と一致させることができる。また、第二移動部によって、光源の結像位置及び観察光学系の焦点位置を観察光学系の光軸に沿って移動して、被検面からの反射像位置を観察光学系の焦点位置と一致させることができる。
本発明によれば、被検面の曲率半径に依存しない比例係数によって、反射像高から被検面の傾き偏心を算出することができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
本実施形態に係るレンズ偏心測定装置1は、図1に示すように、光源2の像を測定対象となるレンズ3の被検面3Aに対して投影する照明光学系5と、被検面3Aからの反射像を観察する観察光学系6と、照明光学系5による光源2の結像位置(照明位置A)を照明光学系5の光軸C1に沿って被検面3Aに対して相対移動させる第一移動部7と、観察光学系6の焦点位置(観察位置B)を観察光学系6の光軸C2に沿って被検面3Aに対して相対移動させる第二移動部8と、第一移動部7及び第二移動部8とを制御する駆動制御部10と、装置全体を制御する制御部11と、レンズ3を支持する台部12とを備えている。
照明光学系5は、光源2の他に、光源2の拡散光束を略平行光束に変換するコリメートレンズ13と、この略平行光束の向きをレンズ3の方向に変える第一ビームスプリッタ15と、略平行光束を照明位置Aに点像として結像させる対物レンズ16とを備えている。光源2は、例えば、レーザーダイオードを使用する。コリメートレンズ13と対物レンズ16との焦点距離は略同一となっており、コリメートレンズ13と対物レンズ16の対からなる照明光学系5の縦倍率は等倍となっている。なお、縦倍率が等倍の場合には、投影位置を動かしても点像は理論上無収差となる(ハーシェルの条件)。
観察光学系6は、上記第一ビームスプリッタ15及び対物レンズ16を照明光学系5と共有するとともに、第一ビームスプリッタ15を透過した被検面3Aからの反射像を集光するリレーレンズ17と、このリレーレンズ17によって集光される光束の集光位置に配された低倍率用CCD18を有して反射像を観察する低倍率観察カメラ20と、視野絞り21及び像拡大レンズ22を介して高倍率となった反射像を高倍率用CCD23を介して観察する高倍率観察カメラ25と、リレーレンズ17を透過した光束を低倍率観察カメラ20と高倍率観察カメラ25とに分光する第二ビームスプリッタ26と、各観察カメラ20,25が有する各CCD18,23の撮像データを処理する画像処理部27とを備えている。視野絞り21は、リレーレンズ17を透過した光束が集光する位置に配されている。
低倍率観察カメラ20は、測定開始前に被検面3Aからの反射像を低倍率用CCD18上で探して高倍率観察カメラ25の視野内に捕捉するために使用される。
高倍率観察カメラ25は、像拡大レンズ22を透過した光束の集光位置に配された高倍率用CCD23上で反射像が拡大された状態で、像高の計測を行うために使用される。
第一移動部7は、コリメートレンズ13を支持して光軸C1に沿って直進移動させる第一モータステージ28と、第一モータステージ28を駆動する第一パルスモータ30とを備えている。第一パルスモータ30は、駆動制御部10に接続されている。第二移動部8は、装置全体を支持して光軸C2に沿って装置全体を直進移動させる第二モータステージ31と、第二モータステージ31を光軸C2に沿って駆動する第二パルスモータ32とを備えている。第二パルスモータ32は、駆動制御部10に接続されている。
制御部11は、画像処理部27によって処理された反射像のスポット重心位置を表示する表示部33を備えており、駆動制御部10を制御している。
測定対象となるレンズ3を観察光学系6の対物レンズ16に対向させて保持する台部12は、水平面内で移動可能な図示しないステージ上でレンズ3を回転させるローラー35A,35Bを備えている。
次に、レンズ3の被検面3Aが凸状の場合において、本実施形態に係るレンズ偏心測定装置1によるレンズ偏心測定方法、及びレンズ偏心測定装置1の作用について、図2〜図6により説明する。
本実施形態に係るレンズ偏心測定方法は、照明光学系5を調整して照明位置Aと観察位置Bとを被検面3A上で一致させる第一工程と、観察光学系6を調整して、照明位置A及び観察位置Bを被検面3Aに対して相対移動させる第二工程と、照明光学系5を調整して観察位置Bと被検面3Aによる照明位置Aの反射像位置とを一致させる第三工程と、傾き偏心εの算出工程とを備えている。以下、各工程について詳細に説明する。
第一工程では、まず、光源2から照明光を照射して、駆動制御部10からの指示により第一パルスモータ30を駆動して、第一モータステージ28を光軸C1に沿って移動して、コリメートレンズ13の前側焦点を光源2に一致させる。このとき、光源2からの発散光は、コリメートレンズ13を経て略平行光束となり、第一ビームスプリッタ15を介して、さらに対物レンズ16に入射して、被検面3A上の照明位置Aに点像をつくる。
この際、対物レンズ16の焦点が観察光学系6のピント面も兼ねているので、照明位置Aと観察位置Bとが一致する。そして、点像を被検面3A上に形成するために、第二パルスモータ32を駆動して、被検面3Aから離れた位置から点像が明瞭に観察できる位置まで第二モータステージ31を光軸C2に沿って移動して観察光学系6を被検面3A側に近づける。このとき、図2に示すように、被検面3Aにて照明位置Aと観察位置Bとが一致する。
第二工程では、第二パルスモータ32を駆動して、照明位置A及び観察位置Bが被検面3Aの前側(被検面3Aから離れる側)となるように第二モータステージ31を移動する。ここで光軸C2上の被検面3Aから被検面3Aの前側焦点までの距離をk/2としたとき、図3に示すように、照明位置Aと観察位置Bとがともにk/2の距離だけ被検面3Aから離れるように移動することになる。この第二工程の終了後、第二モータステージ31を停止させて、観察位置Bがk/2の距離だけ離れた状態を保つ。
第三工程では、第二工程において観察位置Bをk/2離れた位置に保った状態で、再び第一パルスモータ30を駆動して、観察位置Bにて被検面3Aからの反射像が結像するように、第一モータステージ28を光軸C1に沿って光源2の方向に移動する。即ち、照明位置Aが観察位置Bよりも対物レンズ16から遠ざかる方向に移動する。これによって、被検面3Aの反射により照明位置Aが折り返されて、照明位置Aが観察位置B側に配される。この反射像が明瞭に観察できるまで、コリメートレンズ13を移動する。この際、図4及び図5に示すように、照明位置Aと観察位置Bとの間隔をLとすると、コリメートレンズ13の移動量もLとなる。コリメートレンズ13は、予めLを式(2)から算出した値に基づいて移動させても良い。
なお、像拡大レンズ22による観察倍率はM倍であるが、被検面3Aの結像倍率βが乗算されて、反射像は総合倍率M×βで拡大されて表示部33に表示される。結像倍率βは、図6に示すように、レンズ3の曲率半径Rが小さくなるほど大きくなり、例えば、曲率半径が1mmを下回るような微小レンズ(近年、携帯電話のカメラモジュールのレンズ等に見られる)の場合には、総合倍率は70〜80倍になる。よって、表示部33の画面上には、点像が大きく写し出される。
続いて、算出工程に移行する。
算出の際に使用する数式について説明する。
被検面3Aの位置を原点として観察光学系6を被検面3Aに近づける方向を正の方向とする座標系としたとき、被検面3Aに対する観察位置Bの位置は、b=−k/2(kは定数)となる。このとき、式(2)より、被検面3Aにおける反射像の結像倍率βは、先述した式(5)となる。この式(5)を式(1)に代入すると、像高yは、先述した式(6)となる。
この際、図6に示すように、式(5)は、被検面3Aの曲率半径RがR=−kを境にβの符号が入れ替わる。そして、R=−kのときにはβ=0となるので、被検面3Aから照明位置Aまでの距離が∞となることを意味している。このときには投影光束が平行となるので、図6において、R<0における破線は、被検面3Aに対する光束が、収束から発散まで大きく変化させることが必要であることを示している。そこで、式(5)の代わりに式(7)を適用し、被検面3AのRによらずにβ>1として、このような必要のない、図6に実線で示すような状態にする。
β=1+k/|R|・・・(7)
このように、被検面3Aに傾き偏心εがある場合には、kεの像高を生じ、この像高は、高倍率観察カメラ25を介して表示部33にM倍に拡大されて表示される。そこで、ローラー35A,35Bを回転してレンズ3を回転させる。このとき、図7に示すように、高倍率観察カメラ25に観察された反射像の重心位置が、回転に伴って直径2kMεの円の軌跡を描く。そこで画像処理部27にてこの軌跡の直径を求める。そして、2kMで割算することによって傾き偏心εを算出する。なお、この測定作業は、制御部11に内蔵されるプログラムによって自動で実行される。
このレンズ偏心測定装置1及びレンズ偏心測定方法によれば、第二工程における被検面3Aからの移動距離を、例えばb=−k/2としたとき、像高と被検面3Aの傾き偏心εとの比例係数kを、被検面3Aの曲率半径Rに依存しない定数で表すことができ、反射像高から被検面3Aの傾き偏心εを算出することができる。
この際、被検面3Aが凸面の場合には、第三工程における被検面3Aによる照明位置Aの反射像位置を前側焦点として、第二工程にて、照明位置A及び観察位置Bを被検面3Aによる照明位置Aの反射像位置に相対移動することにより、被検面3Aの反射像のうち、実像と虚像とを予め機械的に識別して実像のみを観察することができる。従って、観察時における実像と虚像との間違いを好適に抑えることができる。
次に、第2の実施形態について図8から図10を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態ではレンズ40の被検面40Aが凹状であるとした点である。
本実施形態においても、第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置1にて計測を行う。このときのレンズ偏心測定方法及び作用について説明する。
まず、第1の実施形態と同様の第一工程を実施して、被検面40Aにて照明位置Aと観察位置Bとを一致させる。
第二工程では、第二パルスモータ32を駆動して、照明位置A及び観察位置Bが被検面40Aの後側となるように第二モータステージ31を移動する。このとき、図8に示すように、照明位置Aと観察位置Bとがともにk/2の距離だけ被検面40Aから離れるように移動する。この第二工程の終了後、第二モータステージ31を停止させて、観察位置Bをk/2の距離に離れた状態を保つ。
第三工程では、第二工程における観察位置Bをk/2離れた位置に保った状態で、再び第一パルスモータ30を駆動して、第一モータステージ28を光軸C1に沿って光源2から離間する方向に移動する。これによって、照明位置Aが観察位置Bよりも対物レンズ16に近づく方向に移動して、観察位置Bが被検面40Aの後側に配される。この反射像が明瞭に観察できるまで、コリメートレンズ13を移動する。この際、図9及び図10に示すように、照明位置Aと観察位置Bとの間隔をLとすると、コリメートレンズ13の移動量もLとなる。コリメートレンズ13は、予めLを式(2)から算出した値に基づいて移動させても良い。
ここで、被検面40Aが凹面の場合、算出工程では、被検面40Aに対する観察位置Bの位置は、b=k/2(kは定数)となる。このとき、式(2)より、被検面40Aにおける反射像の結像倍率βは、式(8)となる。
β=1―k/R・・・(8)
この式を式(1)に代入すると、像高yは、式(9)となる。
y=kε・・・(9)
被検面40Aに傾き偏心εがある場合には、第1の実施形態と同様、kεの像高を生じ、この像高は、高倍率観察カメラ25を介して表示部33にM倍に拡大されて表示される。そこで、第1の実施形態と同様に、ローラー35A,35Bを回転してレンズ40を回転させて、反射像の重心位置の円の軌跡から傾き偏心εを算出して終了する。
このレンズ偏心測定装置1及びレンズ偏心測定方法によれば、被検面40Aが凹面の場合には、第二工程における被検面40Aからの移動距離を、例えばb=k/2としたとき、像高と被検面40Aの傾き偏心εとの比例係数kを、被検面40Aの曲率半径Rに依存しない定数で表すことができ、第1の実施形態と同様に、反射像高から被検面40Aの傾き偏心εを算出することができる。
この際、被検面40Aが凹面の場合には、第三工程における被検面40Aによる照明位置Aの反射像位置を後側焦点として、第二工程にて、照明位置A及び観察位置Bを被検面40Aによる照明位置Aの反射像位置に相対移動することにより、被検面40Aの反射像のうち、実像と虚像とを予め機械的に識別して虚像のみを観察することができる。従って、観察時における実像と虚像との間違いを好適に抑えることができる。
次に、第3の実施形態について図11から図15を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係るレンズ偏心測定装置50の第二移動部51が、対物レンズ16と被検面3Aとの距離を変化させるレボルバ52をさらに備えているとした点である。
図11に示すように、照明光学系53は、高輝度の測定用LED(光源)55と、測定用LED55によって照明される第一ピンホール56と、コリメートレンズ13と、コリメートレンズ13からの略平行光束の向きをそれぞれ略90度変更する第一ハーフミラー57及び第二ハーフミラー58と、対物レンズ16と、レンズ位置出し用LED60と、レンズ位置出し用LED60に照明される第二ピンホール61と、視野絞り21及び第二ピンホール61を共焦点とする結像レンズ62と、結像レンズ62からの光束を視野絞り21及びレンズ位置出し用LED60の方向にそれぞれ分光するビームスプリッタ63とを備えている。
対物レンズ16は、レボルバ52の取り付け位置から被検面3Aまでの距離が互いに異なる第一対物鏡筒65及び第二対物鏡筒66にそれぞれ配されている。第一対物鏡筒65よりも第二対物鏡筒66のほうが、観察位置Bを被検面3Aからk/2の距離だけレボルバ52側に移動させるようになっている。
結像レンズ62の近傍には、ターゲット板67が設けられている。ターゲット板67は、図12に示すように、一面上に半円状のフッ化マグネシウム(MgF2)の蒸着膜68が設けられた一対のガラス基板70A,70Bを備えている。蒸着膜68の光学膜厚は、λ/2(λ;測定用LED55の中心波長)とされている。一対のガラス基板70A,70Bは、互いの蒸着膜68の境界線が直交するように2枚重ねられて配置されている。
観察光学系71は、上記第一ハーフミラー57、第二ハーフミラー58、ビームスプリッタ63、対物レンズ16、及び結像レンズ62を照明光学系53と共有するとともに、第二ハーフミラー58を透過した被検面3Aからの反射像を観察する観察部接眼鏡筒72と、第一ハーフミラー57を通過した被検面3Aからの反射像を像拡大レンズ22にて拡大して観察するための高倍率用CCD23を有する高倍率観察カメラ25とを備えている。
第一移動部73は、第1の実施形態における第一パルスモータ30の代わりに、マイクロメータ75を備えている。
表示部33には電子ライン発生部76が接続され、電子ライン発生部76による電子ラインが、反射像と重ねて表示部33に表示されるようになっている。電子ラインは、位置情報を表示するものとして画面上の任意の位置に引くことができ、これを利用して反射像の像高を計測する。
次に、本実施形態に係るレンズ偏心測定装置50によるレンズ偏心測定方法、及びレンズ偏心測定装置50の作用について説明する。
第一工程では、まず、第一対物鏡筒65が光軸C1,C2上に配されるように、レボルバ52の位置を調整する。
続いて、レンズ位置出し用LED60から照明光を照射して、対物レンズ16の焦点に点像を投影する。対物レンズ16の焦点は、観察光学系71のピントも兼ねているので、この点像が観察位置Bに配される。この状態で、図示省略した第二モータステージ31を移動して、対物レンズ16を被検面3Aに近づけ、点像が明瞭に観察できる位置にする。この作業により、図13の左側に示すように、観察位置Bを被検面3Aに一致させる。
第二工程では、レボルバ52を回転して第二対物鏡筒66を光軸C1,C2と一致させる。このとき、図13の右側に示すように、観察位置Bが被検面3Aから一定の距離だけ離間する。この位置を方向も含めて、−k/2とする。
第三工程では、レンズ位置出し用LED60を消灯し、代わりに測定用LED55を点灯し、測定用LED55による点像を被検面3Aに投影する。このとき、マイクロメータ75を操作してコリメートレンズ13を光軸C1に沿って移動して、点像の照明位置Aを移動する。
観察部接眼鏡筒72で点像を観察しつつ、点像が明瞭に見える位置にコリメートレンズ13を移動した際に、被検面3Aからの反射像が観察される。このとき、図14に示すように、照明位置Aと観察位置Bとの間隔をLとすると、コリメートレンズ13の移動量もLとなる。コリメートレンズ13は、予めLを式(2)から算出した値に基づいて移動させても良い。
なお、ターゲット板67によって点像には、図15に示すように、十文字の暗線が入る(参考文献:「O plus E 2003年6月号 p.673 第7光の鉛筆」(株)新技術コミニュケーションズ)ので、点像の中心位置を正確に知ることができる。
こうして、第1の実施形態に係る算出工程に移行して、傾き偏心εを算出して終了する。
このレンズ偏心測定装置50及びレンズ偏心測定方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第3の実施形態において、被検面が凹面の場合には、最初に第二対物鏡筒66を光軸C1,C2に合わせて被検面の位置出しを行い、続いてレボルバ52を操作して第一対物鏡筒65を光軸C1,C2に合わせることによって、観察位置Bを被検面の後側焦点に配置することができる。
また、第3の実施形態において、レボルバ52を第二モータステージ31に取り付けて、パルスモータにより移動制御する代わりに、レボルバ52を顕微鏡の上下動用ダイヤルにて上下動するステージに取り付け、手動により移動制御してもよい。
本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置を示す全体概要構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 被検面の曲率半径と結像倍率との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズ偏心測定装置を示す全体構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズ偏心測定装置におけるターゲット板を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るレンズ偏心測定装置によるターゲット板のスポット像を示す図である。 従来のレンズ偏心測定装置を示す全体概要構成図である。 従来のレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。 従来のレンズ偏心測定装置によるレンズ偏心測定方法を示す説明図である。
符号の説明
1,50 レンズ偏心測定装置
2 光源
3,40 レンズ
3A,40A 被検面
5,53 照明光学系
6,71 観察光学系
7,73 第一移動部
8,51 第二移動部
55 測定用LED(光源)
C1,C2 光軸

Claims (4)

  1. 照明光学系を介して光源の像をレンズの被検面に対して投影し、該被検面からの反射像を観察光学系により観察して、前記反射像の像高から前記被検面の光軸偏心を求めるレンズ偏心測定方法であって、
    前記照明光学系を調整して前記光源の結像位置と前記観察光学系の焦点位置とを一致させる第一工程と、
    前記観察光学系を調整して、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面に対して相対移動させる第二工程と、
    前記照明光学系を調整して前記被検面からの反射像位置と前記観察光学系の焦点位置とを一致させる第三工程とを備えていることを特徴とするレンズ偏心測定方法。
  2. 前記被検面の形状が凸面の場合には、前記第三工程における前記被検面からの反射像位置が前側焦点とされ、
    前記第二工程にて、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面からの前記反射像位置に相対移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ偏心測定方法。
  3. 前記被検面の形状が凹面の場合には、前記第三工程における前記被検面からの反射像位置が後側焦点とされ、
    前記第二工程にて、前記光源の結像位置及び前記観察光学系の焦点位置を前記被検面からの前記反射像位置に相対移動することを特徴とする請求項1に記載のレンズ偏心測定方法。
  4. 光源の像をレンズの被検面に対して投影する照明光学系と、該被検面からの反射像を観察する観察光学系とを備えて、前記反射像の像高から前記被検面の光軸偏心を求めるレンズ偏心測定装置であって、
    前記照明光学系による前記光源の結像位置を前記照明光学系の光軸に沿って前記被検面に対して相対移動させる第一移動部と、
    前記観察光学系の焦点位置を前記観察光学系の前記光軸に沿って前記被検面に対して相対移動させる第二移動部とを備えていることを特徴とするレンズ偏心測定装置。
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CN107843213A (zh) * 2017-10-23 2018-03-27 北京理工大学 共焦自准直中心偏和曲率半径测量方法与装置

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