JP3482013B2 - 光学系のピント評価方法、調整方法、調整装置、およびチャート装置 - Google Patents

光学系のピント評価方法、調整方法、調整装置、およびチャート装置

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JP3482013B2
JP3482013B2 JP22826394A JP22826394A JP3482013B2 JP 3482013 B2 JP3482013 B2 JP 3482013B2 JP 22826394 A JP22826394 A JP 22826394A JP 22826394 A JP22826394 A JP 22826394A JP 3482013 B2 JP3482013 B2 JP 3482013B2
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尊臣 関谷
守康 白柳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ、特に倍率変化
の大きい広角レンズ、例えば内視鏡用レンズなどのピン
ト調整、評価方法、およびこれらの方法を適用する装置
に関する。また別の本発明は、観察、撮影時にピント調
整を行なわないパンフォーカス光学系を有する光学機
器、例えばコンパクトカメラ、監視用TVカメラ、内視
鏡などのピント評価、調整を行なうピント評価、調整方
法および調整装置に関する。さらに別の発明は、上記評
価、調整方法、装置に使用されるチャート装置に関す
る。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、結像光学系のピン
ト状態を検査、評価する方法では、 明暗のストライプチャート等のスリット像の幅(ボケ
た場合の拡がり) スリット像をフーリエ変換したMTF値 周期チャートによる解像限界周波数 などのパラメータを評価の基準として使用していた。
【0003】しかし、、のパラメータでは、スリッ
ト像の幅は有限なので、被検レンズの倍率変化によるス
リット像幅の変化と、ピントずれによるスリット像幅の
拡がりとが分離できない、という問題や、像が暗いなど
の光量的な問題があった。のMTFを算出するために
は、フーリエ変換による演算を実行しなければならない
ので、演算に長時間を要し、高速の演算手段を使用する
とコストがアップするという問題があった。のパラメ
ータを得る方法では、結像光学系の倍率が相違する場合
があり、あるいは同一倍率であっても被写体距離が異な
ると像倍率が異なる。倍率に応じたチャートを使用する
必要があるので、倍率に応じた多数のチャートを用意し
なければならず、しかもその中から最適なチャートを選
択しなければならないので手間がかかる、という問題が
あった。
【0004】また、光学系の評価として、透過波面の干
渉や、点光源、線光源の像の広がりに基づいたMTF値
を利用したレンズ性能評価や、解像力チャートの読取
や、像面側からの逆投影による像性能評価などがある。
さらに、コリメータレンズにより平行光を入射させて無
限遠に対するピント位置を合わせる方法などもある。
【0005】しかし、周期構造を有する光学素子を含む
光学系、例えばオプティカルファンバーバンドルを有す
る内視鏡において、対物レンズ、ファイバーバンドルお
よび接眼レンズからなる光学系の光学性能やピント調整
を行なうと、像面上にファイバーバンドルの構造(六方
細密充填構造)が重畳された像として現われる。そのた
め、解像力チャートによる性能評価を行なう際に、モア
レが発生するなどの障害を生じていた。モアレが発生す
る要因は種々あるが、主たるモアレとして、 周期構造をもったチャートとファイバの周期構造とに
よるモアレ、 ファイバの周期構造と受光素子のサンプリングとによ
るモアレ、 画像の周期構造と画像信号のサンプリングとによるモ
アレ、 がある。
【0006】さらに、ファイバーバンドルを介した像
は、各ファイバーによる平均化された点像が生成される
のではなく、光ファイバーおよびバンドルの構造によっ
て、ガウス分布に似た強度分布をもつ中心部(コア部)
と光が伝送されない円環部(クラッド部)の像が繰り返
し形成されるため、得られたデータは繰り返しノイズを
含んでしまうという問題があった。
【0007】また、内視鏡など、パンフォーカス光学系
のピント評価、調整方法として、例えばコリメータレン
ズにより平行光を対物レンズ系に入射させて無限遠の物
体に対するピント調整を行なう方法や、その光学系で期
待される最近距離および最遠距離にチャート部材を置い
て、これらのチャート部材に対するデフォーカス量が等
しくなるようにピント調整を行なう方法が知られてい
る。チャート板を移動させるものとしては、例えば、チ
ャート板を異なる物体距離に移動して、各物体距離にお
いて、被検レンズにより受光素子に結像されたチャート
像に基づいてピント精度等を確認していた。
【0008】しかし、平行光を使用する方法では、近距
離に対するピント位置や像性能を評価することはできな
い。また、チャート板を順次移動する場合は、測定時間
が長くなるとともに、チャート板を移動させるため、移
動する毎に位置、傾斜などの誤差を生じ、繰り返し精度
が安定しないなどの欠点があった。さらに、チャート板
として3本あるいは複数の線、模様からなる解像力チャ
ートなどを使用する場合は、物体距離が異なると像倍率
が異なる。そのため、受光面で同一サイズのチャート像
を得るためには、サイズの異なるチャート板をあらかじ
め多数用意して、像倍率に応じた適当なサイズのチャー
ト板を選択しなければならない、という問題があった。
しかも従来は、複数のチャート板を同時に結像面に結像
できないので、複数のチャート板を逐次入れ替えなけれ
ばならない、という問題があった。
【0009】さらに、内視鏡では数mmから十数cmまで十
分な像(ピント)性能が要求され、コンパクトカメラで
は数十cmから風景など無限遠まで、監視カメラでは数m
から数十mまで十分な像性能が要求される。
【0010】前記各方法によるピント調整では、物体距
離が異なる場合の像性能のバランスがとり難く、遠距離
の物体に対する像性能は必要以上に良いが近距離の物体
に対する像性能が悪過ぎる場合や、その逆に近距離の物
体に対する像性能は必要以上に良いが遠距離の物体に対
する像性能が悪過ぎるという問題があった。
【0011】また、一般的に、光学系の結像倍率は物体
距離に依存する。つまり、同じ大きさの物体でも、近距
離にある物体は非常に大きく見えるが、遠距離にある物
体は非常に小さく見える。したがって、人間の視覚では
デフォーカスによるボケの感じ方も倍率によって変化
し、同じボケ量でも、倍率の低い遠距離ほどボケが目立
ち易い、という特性がある。
【0012】さらに医用内視鏡の場合、食道、胃、腸な
ど広範囲に亙る臓器を観察する場合は数cm〜十数cmに亙
って高いピント性能が要求されるが、気管支、膀胱など
が対象の場合は数mmの近距離のピント性能が良ければ十
分であり、数cm以上のピント性能は全く意味を持たない
場合がある。これらのピント性能は、観察対象や、使用
する医師の主観に依存するので、像面側において等しい
ボケ量となるような遠方、近方のピントバランスでは、
必ずしも使用者が満足できるものではなかった。光学系
のピント出しを行なう方法として、コリメータレンズに
より平行光を光学系に入射させて無限遠に対するピント
位置を調整し、像面性能を評価する方法や、複数の物体
距離にチャート板を移動するものが知られている。
【0013】しかし、平行光を使用する方法では、近距
離に対するピント位置や像性能を評価することはできな
い。チャート板を順次移動する場合は、測定時間が長く
なり、さらにチャート板を移動させる毎にチャート板の
位置、傾斜などの誤差を生じ、繰り返し測定精度が安定
しないなどの欠点があった。
【0014】チャート板のチャートとして、複数の線、
模様からなる解像力チャートなどを使用する場合は、物
体距離が異なると像倍率が異なる。そのため、受光面で
同一サイズのチャート像を得るためには、サイズの異な
るチャート板を予め多数用意して、像倍率に応じた適当
なサイズのチャート板を選択しなければならない、とい
う問題があった。しかも、従来のピントの評価方法は、
使用者の好みとは無関係な基準距離においたチャート板
に対して行なっていたので、実際に使用者が望むピント
位置からずれることが多かった。
【0015】また、従来の評価方法では、被検レンズ性
能のばらつきが大きく、異なる物体距離に置かれたチャ
ート板に対する各ピント評価値が基準となる評価値から
不均等に外れている場合には、基準が曖昧になるので評
価が困難になっていた。
【0016】
【発明の目的】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなさ
れたもので、ピント、最良像面位置の評価、設定が簡単
に、短時間で完了する、ピント、最良像面位置の評価方
法および評価装置を提供することを目的とする。別の本
発明は、周期構造を有する光学系であっても、その構造
にかかわらず短時間で評価できる評価方法を提供するこ
とを目的とする。
【0017】さらに別の本発明は、異なる複数の物体距
離に対して光学系のピント調整、像性能などの測定が容
易に、正確にできるチャート装置を提供することを目的
とする。
【0018】さらに別の本発明は、使用者、使用条件等
に応じて、使用者の望むピント調整が簡単にできるピン
ト調整方法およびピント調整装置を提供することを目的
とする。
【0019】さらに別の本発明は、各チャート板から得
られる評価値そのものではなく、複数の評価値から所定
の演算により得られる総合評価値に基づいてピント状態
を評価するピント評価方法、およびピント調整量を決定
するピント調整方法を提供することを目的とする。
【0020】
【発明の概要】この目的を達成する本願請求項1記載発
明は、チャート部材のエッジ像を光学系により受光手段
ないしその近傍に結像する段階と、上記結像されたエッ
ジ像と交差する方向の光量分布をサンプリングするサン
プリング段階と、像界で期待される最良像面位置から前
後等距離にある像界側の2点と共役となる物界側の2点
を1組として1組以上の位置に配置したチャート部材
基づく上記受光手段からの出力信号に基づいて像面位置
を評価する段階とを含み少なくとも上記物界側の一組
の2点を、上記光学系により観察する遠距離点および近
距離点としたことに特徴を有する。
【0021】請求項2記載発明は、チャート部材のエッ
ジ像を光学系により受光手段ないしその近傍に結像する
段階と、上記結像されたエッジ像と交差する方向の光量
分布をサンプリングするサンプリング段階と、像界で期
待される最良像面位置から前後等距離にある像界側の2
点と共役となる物界側の2点を1組として1組以上の位
置に配置したチャート部材に基づく上記受光手段からの
出力信号に基づいて像面位置を評価する段階と、上記受
光手段を光軸方向に移動させて、上記各組のチャート部
材のエッジ像の評価値がほぼ等しくなった点を最良像面
位置とする段階を含むことに特徴を有する。
【0022】請求項3に記載の発明は、周期構造を有す
る光学素子を含む光学系のピント評価方法であって、一
次元方向に明暗差が存在するチャート部材を光学系によ
って受光手段ないしその近傍に結像する段階と、上記受
光手段が受光した上記チャート部材像を平滑化して、チ
ャート部材像の明暗の変化方向に一次元データを得る段
階と、上記一次元データに基づいて所定の演算を行なう
段階と、を含むことに特徴を有する。
【0023】請求項17に記載の発明は、チャート部材
の像を被検光学系によりその所定距離の観測面上に形成
させるチャート装置であって、複数のチャート部材を、
異なる物体距離に配置し、さらに各チャート部材の像が
上記被検光学系により所定距離の観測面上の異なる位置
に同時に形成されるように配置したこと、を備えたこと
に特徴を有する。
【0024】請求項31に記載の発明は、光学系のピン
ト評価方法であって、1つまたは複数のチャート部材
を、光学系の異なる物体距離に配置する段階と、上記光
学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手段に上
記各チャート部材を結像させる段階と、上記異なる物体
距離のチャート部材の上記受光手段への結像に対する予
め設定された目標値に対して、上記受光手段に結像され
た各チャート部材の像の評価値を算出する段階と、を含
むことに特徴を有する。
【0025】請求項37に記載の発明は、光学系のピン
ト調整方法であって、1つまたは複数のチャート部材
を、被検光学系の異なる物体距離に配置する段階と、上
記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手段
に上記各チャート部材を結像させる段階と、上記各チャ
ート部材の上記受光手段上の像に対する予め設定された
目標値に対して、上記受光手段に結像された各チャート
部材の像の評価値を算出するピント評価段階と、上記目
標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学系のピ
ント位置を調整するピント調整段階とを含み、上記ピン
ト調整段階では、遠距離側のチャート部材の評価値の方
を近距離側のチャート部材の評価値よりも重視するこ
、に特徴を有する。
【0026】請求項38に記載の発明は、光学系のピン
ト調整方法であって、1つまたは複数のチャート部材
を、被検光学系の異なる物体距離に配置する段階と、上
記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手段
に上記各チャート部材を結像させる段階と、上記各チャ
ート部材の上記受光手段上の像に対する予め設定された
目標値に対して、上記受光手段に結像された各チャート
部材の像の評価値を算出するピント評価段階と、上記目
標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学系のピ
ント位置を調整するピント調整段階とを含み、上記ピン
ト調整段階は、近距離側のチャート部材の評価値の方を
遠距離側のチャート部材の評価値よりも重視すること
を含むことに特徴を有する。
【0027】請求項39に記載の発明は、光学系のピン
ト調整方法であって、1つまたは複数のチャート部材
を、被検光学系の異なる物体距離に配置する段階と、上
記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手段
に上記各チャート部材を結像させる段階と、上記各チャ
ート部材の上記受光手段上の像に対する予め設定された
目標値に対して、上記受光手段に結像された各チャート
部材の像の評価値を算出するピント評価段階と、上記目
標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学系のピ
ント位置を調整するピント調整段階とを含み、上記遠距
離側のチャート部材と上記近距離側のチャート部材の間
に中間チャート部材を置き、該中間チャート部材の目標
値が、上記遠距離側のチャート部材の目標値および上記
近距離側のチャート部材の目標値よりも小さいことを含
むことに特徴を有する。
【0028】請求項42に記載の発明は、光学系のピン
ト調整装置であって、被検光学系の複数の物体距離に配
置されるチャート部材と、上記光学系の結像位置ないし
その近傍に配置された受光手段と、上記受光手段に形成
された各チャート部材の像のボケ量を算出するボケ量算
出手段と、上記各チャート部材の像の算出ボケ量が、予
め設定された目標値に一致するするように上記被検光学
系のピント位置を調整するピント調整手段と、を備えた
ことに特徴を有する。
【0029】請求項43に記載の発明は、結像光学系の
ピントを評価する方法であって、被検結像光学系に対し
て最も良好なフォーカスが期待される物体距離を挟む所
定距離範囲内に位置するN個(ただし、Nは2以上の整
数)のチャート手段の、上記被検結像光学系により形成
された像を電気的なデータに変換する段階;上記変換さ
れた各データに基づいて各チャート手段に対するピント
評価値yn (n=1〜N)を演算する段階;および、上
記N個の評価値yn に基づいて関数、 S=g(y1 ,y2 ,…,yn ,…,yN ) により実測総合評価値Sを演算する段階;および、上記
実測総合評価値Sと、あらかじめ設定された基準総合評
価値S 0 とを比較して評価する段階;を含むことに特徴
を有する。
【0030】請求項44に記載の発明は、被検結像光学
系に対して最も良好なフォーカスが期待される物体距離
よりも近方に位置する近方チャート手段、同遠方に位置
する遠方チャート手段、および上記2つのチャート手段
の間に位置する中間チャート手段の、上記被検結像光学
系により形成された像を電気的なデータに変換する段
階;上記変換された各データに基づいて各チャート手段
に対するピント評価値y 1 、y 2 、y 3 を演算する段
階;上記3個の評価値y 1 、y 2 、y 3 に基づいて関
数、 S=g(y 1 ,y 2 ,y 3 ) により実測総
合評価値Sを演算する段階;および、上記実測総合評価
値Sと、あらかじめ設定された基準総合評価値S 0 とを
比較する段階;を含むことに特徴を有する。
【0031】請求項50に記載の発明は、被検結像光学
系に対して最も良好なフォーカスが期待される物体距離
を挟む所定距離範囲内に位置するN個(ただし、Nは2
以上の整数)のチャート手段の、上記被検結像光学系に
より形成された像を電気的なデータに変換する段階;上
記変換された各データに基づいて上記各チャート手段に
対するピント評価値yn (n=1〜N)を演算する段
階;ピント調整量xによりピント状態を変化させる段
階;上記ピント評価値yn をピント調整量xの関数、y
n =fn (x)で表わす段階;上記N個のピント評価値
n (n=1〜N)に基づいて関数、S=g(y1 ,y
2 ,…,yn ,…,yN )により実測総合評価値Sを演
算する段階;上記関数fn 、gと上記ピント評価値yn
および上記実測総合評価値Sに基づいて、予め設定され
た基準総合評価値S0 を満足するピント調整目標値x0
を演算により求める段階;および上記関数f n (x)を
直線近似して得られる関数f′ n (x)を用いて、上記
基準総合評価値S 0 を満足するピント調整目標値x 0
演算する段階;を含むことに特徴を有する。
【0032】請求項51に記載の発明は、被検結像光学
系に対して最も良好なフォーカスが期待される物体距離
よりも近方に位置する近方チャート手段、同遠方に位置
する遠方チャート手段、および上記2つのチャート手段
の間に位置する中間チャート手段の、上記被検結像光学
系により形成された像を電気的なデータに変換する段
階;上記変換された各データに基づいて上記各チャート
手段に対するピント評価値y1 、y2 、y3 を演算する
段階;ピント調整量xによりピント状態を変化させる段
階;上記ピント評価値y1 、y2 、y3 をピント調整量
xの関数、 y1 =f1 (x) y2 =f2 (x) y3 =f3 (x) で表わす段階;上記3個のピント評価値y1 、y2 、y
3 に基づいて関数、 S=g(y1 ,y2 ,y3 ) により実測総合評価値Sを演算する段階;および、上記
関数f1 、f2 、f3 、gと上記ピント評価値y1 、y
2 、y3 および上記実測総合評価値Sに基づいて、予め
設定された基準総合評価値S0 を満足するピント調整目
標値x0 を演算により求める段階;を含むことに特徴を
有する。
【0033】
【0034】
【実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説明す
る。先ず、本発明の像面位置評価方法を適用する光学装
置の構成について、図1ないし図6を参照して説明す
る。この実施例における光学系は、通常の使用に際して
各光学素子の相対位置関係が変化しないタイプである。
【0035】結像光学系によりエッジ像を形成可能なチ
ャート板11は、表面に明部12と暗部14とを有し、
明部12と暗部14とは、直線状のエッジ13を境界に
して切り換わっている。このチャート板11は、光学系
(結像レンズ)15の像界側に、光軸Oに対して直交
し、かつエッジ13のほぼ中央が光軸Oを通る位置に配
置されている。結像レンズ15の像界にはイメージセン
サ17が配置されていて、チャート板11の像(以下
「チャート板像11i」という。)がイメージセンサ1
7上またはその前後近傍に結像される。このチャート板
像11iは倒立実像であり、エッジ像13i(明部12
の像12iと暗部14の像14iとの境界で形成される
像)が光軸Oを通っている。この状態でイメージセンサ
17を光軸と平行に移動させて、ピント調節が行なわれ
る。本実施例のイメージセンサ17は、多数の光電変換
素子がマトリックス状に配設された、例えばCCD撮像
素子で構成できるがこれに限定されず、またラインセン
サを使用することもできる。
【0036】イメージセンサ17は、チャート像を電気
的な信号に変換する。その電気的な信号は、サンプリン
グ回路19によりサンプリングされ(読み出され)、演
算手段21により所定の演算処理が施されて評価値等が
算出され、演算結果は、数値としてあるいはグラフ化し
て表示装置23に表示される。さらに演算結果に基づい
て、評価手段25によって、後述する評価方法により最
良像面位置等が評価される(図13参照)。演算手段2
1および評価手段25としては、パーソナルコンピュー
タ、ワークステーションなどのコンピュータが使用され
る。なお、評価結果等は、他の形式で表示、例えばプリ
ンタでプリントアウトしてもよい。また評価は評価値に
基づいて操作者が行なってもよい。
【0037】図2には、光ファイバーバンドル33を使
用した光学機器に適用した第2の実施例を示している。
この第2の実施例では、チャート板11の像(倒立実
像)を、第1の結像レンズ31により光ファイバーバン
ドル33の入射端面に結像し、光ファイバーバンドル3
3から射出された像(倒立実像)を、第2の結像レンズ
35により正立実像としてイメージセンサ17上に結像
している。この実施例での焦点調節は、第1の結像レン
ズ31と光ファイバーバンドル33の間隔調整により行
ない、光ファイバーバンドル33と第2の結像レンズ3
5とイメージセンサ17との間隔は変えない。
【0038】図3および図4には、図1の光学機器を、
一定の被写界距離範囲内の物体を観察ないし撮影する場
合の評価態様を示してある。この実施例においては、通
常の観察における被写界の最遠距離である遠点および最
近距離である近点にそれぞれチャート板11を配置して
ある。この状態で、イメージセンサ17を光軸方向に移
動してピント調節を行なう。この実施例ではイメージセ
ンサ17上に結像されたチャート板像11iは、図1に
示した実施例同様に、エッジ像が光軸Oを通る倒立実像
である。つまり、チャート像11iの輪郭(外形)がイ
メージセンサ17の受光面よりも大きければ、イメージ
センサ17上の遠点、近点のエッジ像は、実質的にボケ
状態のみ異なるものとなる。したがって、図3および図
4の実施例において、同一のチャート板11を使用でき
る。言い換えれば、被検光学系の焦点距離、倍率かかわ
らず、同一のチャート部材を使用できる。
【0039】図5および図6には、チャート部材の例と
して透過型のチャート部材41および反射型のチャート
部材41を示してある。透過型では、照明装置43を、
チャート部材41の背面に配置してチャート部材41を
透過照明する。反射型では、照明装置43を、チャート
部材45、結像レンズ15およびイメージセンサ17で
構成される光路外に配置してチャート部材45を照明す
る。
【0040】透過型のチャート部材41としては、例え
ば全体を透明または乳白色の樹脂、あるいは擦りガラス
で形成し、暗部に黒色塗料を塗布したものを使用でき
る。反射型のチャート部材45としては、例えば白色の
紙、樹脂板を使用し、暗部は黒色塗装して形成し、明部
は地色、酸化マグネシュウムなどの固体表面を利用し、
あるいは発光部材、例えばエレクトロルミネッセンス
(EL)パネルを利用する。なお、チャート部材の明部
および暗部を白黒で示したが、色はこれに限定されず、
コントラスト差が大きい配色であれば良い。
【0041】次に、上記光学装置の評価方法について、
さらに図7〜図12を参照して説明する。以下、サンプ
リングはサンプリング回路19により実行され、演算は
演算手段21により実行され、演算結果はグラフ化して
表示装置23に表示され、演算結果に基づく評価は評価
手段25により、あるいは操作者が行なう。この実施例
では、イメージセンサ17上に結像されたチャート板像
11iを、エッジ像13iと直交する方向に(図7で
は、光軸と直交する横方向に位置座標をとり、座標x0
からxn まで)サンプリングする。このようにサンプリ
ングした光強度分布曲線を、図8のグラフに示した。こ
こで、横軸はエッジ像13iと直交する方向の位置、縦
軸は光強度を表わす。このグラフにおいて、光強度は、
エッジ像13iの前後で急激に変化している。ここで、
エッジ像13iが鮮明なとき、つまり合焦状態であれ
ば、光強度は直角に近い状態で変化するが、不鮮明な場
合、つまりいわゆるデフォーカス状態であれば、デフォ
ーカス量が大きいほど緩やかな傾斜で変化する。したが
って図8の(B)は、(A)よりも合焦に近い状態であ
ることが分かる。
【0042】図9の(A)、(B)には、上記図8
(A)、(B)の光強度曲線の微分曲線を表わしてあ
る。本実施例では、この微分曲線をLSFとして利用す
る。これらのグラフにおいて、αは、LSFのピークか
ら左右に下がって最初にLSFが0となる2つのサンプ
リング点の間隔を、βは、LSFがピーク値(max )の
1/2になるときの2つのサンプリング点の幅(半値
幅)を、γはLSFがピーク値(max )の1/4になる
ときの2つのサンプリング点の幅を表わしている。図1
0には、図9の(A)の平均値mおよび標準偏差σを表
わしている。LSFをf(x)関数とすると、m、σは
各々下記数1、数2式で表わされる。
【数1】
【数2】 上記式において、x1 、x2 は、計算区間の始点と終点
を示している。
【0043】以上の評価値(α、β、γ、σ)を、イメ
ージセンサ17を光軸に沿って移動して、あるいは第一
のレンズ31とファイバーバンドル33端面との間隔を
変えて求める。そして、以上の処理により得られた評価
値α、β、γ、σの内の少なくとも一つ以上に基づい
て、評価値が最も小さくなるイメージセンサ17の光軸
方向位置、あるいは第一のレンズ31とファイバーバン
ドル33端面との間隔を最良位置として決定する。また
は、像界側で期待される最良像面位置から相反対方向に
等距離にある2点と共役になる物界側の2点(遠点と近
点)を1組とし、ピント調整量に対する2点の評価値の
変化曲線の交点を最良像面位置とする。以下に、最良像
面位置を評価(決定)する具体的方法を示す。
【0044】評価値は、レンズ性能の悪い程、あるいは
デフォーカスが大きい程大きな値となり、性能がよく、
あるいはデフォーカスが小さい程小さな値になる。イメ
ージセンサ17を光軸方向に移動させる場合には、基準
となる物体距離にチャート板11を置き、イメージセン
サ17を光軸方向に移動させて評価値が最も小さくなる
位置を最良位置として決定する。この場合のグラフを、
図11に示した。このグラフにおいて、評価値が最も小
さい位置zが最良像面位置になる。
【0045】さらに、図3、図4に示した実施例では、
チャート板11を遠点および近点に置き、各位置のチャ
ート板11に対してイメージセンサ17を光軸に沿って
移動させて図11と同様の評価値を求める。これらの評
価値とイメージセンサ17の位置との関係を、図12の
グラフに遠点チャート評価値(実線)および近点チャー
ト評価値(破線)として示した。本実施例では、遠点、
近点チャートの評価値が等しくなる位置zを最良像面位
置とする。以上、図示実施例においては、評価値として
幅および標準偏差を利用する場合を示したが、幅を用い
ると計算時間が短くなり、標準偏差を用いると評価値が
安定する。
【0046】図14ないし図26には、先に述べた、
およびのモアレを抑える本願発明の実施例を示して
ある。本発明では、のモアレを、周期構造をもたない
チャートを使用することにより抑え、のモアレを、フ
ァイバ1本当たりのサンプリング数を増やすことにより
抑え、のモアレを、平滑化(スムージング)により抑
える。
【0047】図14には、本発明のピント評価方法を、
内視鏡の対物レンズの位置評価に利用した実施例3を示
してある。通常、内視鏡の対物レンズ51は、ファイバ
ーバンドルに対して固定されるので、所定の被写体距離
範囲内にある物体を観察できるように位置調整される。
本発明の評価方法によると、この対物レンズの位置決め
が容易かつ簡単にできる。図14に示した実施例は、図
2に示した実施例と同等である。この実施例では、チャ
ート板11の倒立実像が対物レンズ51を介して光ファ
イバーバンドル53の入射端面53aに形成され、その
倒立実像が射出面53bから射出され、接眼レンズ群5
5によってイメージセンサ17の受光面に正立実像とし
て結像される。なお、光ファイバーバンドル53は、多
数の光ファイバー52が六方細密充填構造により束ねら
れたものである。
【0048】図15ないし図17には、入射端面53a
におけるチャート像を示してある。チャート像は、明部
像12i、暗部像14iおよび明部像12iと暗部像1
4iとの境界で形成されるエッジ像13iからなるが、
明部像12iと暗部像14iとが各光ファイバー52に
かかる比率が異なるため、エッジ像13iの縦方向の明
暗分布は均一にならない場合を生じる。つまり、光ファ
イバー52単位での同一の明るさの部分は、直線的には
ならない(図15、図17参照)。したがって、各光フ
ァイバー52の端面の像の光強度を横方向に一次元(直
線)的にサンプリングすると、縦方向のサンプリング位
置が異なると強度分布がずれてしまい、正確な光強度分
布を得ることができない。さらに、図16に示すように
光ファイバー52の並びがエッジ像13iの延びる方向
と一致していても、横方向に一次元的にサンプリングす
ると、やはり縦方向位置が異なると横方向の光強度分布
が異なってしまう。そこで本実施例のピント評価方法で
は、二次元的にサンプリングして平均化することにより
上記問題を解消している。
【0049】図18および図19は、図14に示した実
施例3におけるチャート板11の像の伝達の様子を説明
する図である。チャート板11の像は、対物レンズ51
によって入射端面53a上の倒立実像として結像され、
射出端面53bから射出されて接眼レンズ群55によっ
て、受光面に正立実像として結像される。合焦時の対物
レンズ51および接眼レンズ群55によるボケ具合は、
レンズ設計データにより算出することができる。通常、
合焦時の対物レンズによるボケは、光ファイバー1本分
程度に設計されている。さらに、各光ファイバー52の
直径も明らかであるから、イメージセンサ17の受光面
上での像の大きさおよびボケの程度はあらかじめ計算す
ることができる。
【0050】図18、19において、符号57は、イメ
ージセンサ17上に結像されたチャート板11の像を横
方向に受光素子一列分サンプリングした時の強度分布を
示してある。入射端面53aに結像された像は、光ファ
イバー1本単位で伝達され、また、各光ファイバーの径
に対して受光素子の幅は小さい(本実施例では4:
1)。したがって、光強度分布は、光ファイバー単位で
段階的に変化する。ここで、図18は合焦状態、図19
は非合焦状態である。
【0051】ところで、光ファイバーバンドル53は、
コア52aおよびクラッド52bにより構成された光フ
ァイバー52多数からなる六方細密充填構造なので、図
15〜図17に示したように、回転によりその構造が変
化し、光ファイバーバンドル53の光軸を中心とした回
転角によって伝達する模様が変化する。ここで、もし、
1本の光ファイバー当たり1画素を対応させると、モア
レが発生してしまう。そこで本実施例では、1本の光フ
ァイバー当たり、直径方向に4画素対応させ、各光ファ
イバー52について4画素以上でサンプリングした。こ
れにより、モアレの発生が抑制された。
【0052】図20には、サンプリングした像をエッジ
像13iの延びる方向に平均して一次元的データを得る
様子を示してある。平均する行数は、図15、図16の
状態では(2本の光ファイバー)×(画素密度)、図1
7の状態では(4〜5本の光ファイバー)×(画素密
度)程度を利用する。図18では、15行分利用してい
る。
【0053】このようにして得られた横方向の一次元デ
ータの光強度を図21に示した。この図から明らかなよ
うに、この状態では横方向に周期ノイズが残っている。
そこで、図22に示したようにスムージングを行なう。
本実施例のスムージングは、上段左側から8画素分のデ
ータを平均して、新しい1画素を構成している。平均す
る画素数は、光ファイバーバンドル53の周期構造の像
の大きさと、サンプリング側の画素の大きさ(図示実施
例では8〜10画素)に依存する。このスムージングの
結果、横方向の一次元データは、図23に示すように、
横方向ノイズが減少している。この段階で評価値を求め
ることもできる。図示していないが、図23のグラフに
おいて、グラフの立ち上がりおよび立ち下がりの間隔
や、最小値および最大値と変曲点間隔で決まる面積の比
などを評価値とすることができる。
【0054】さらに、図23に示したデータに対し、横
方向に微分値を求めると、図24に示すような線拡がり
関数(ラインスプレッドファンクション(LSF))が
得られる。図の曲線の左側には、スムージングで取り除
かれなかった周期構造による振動が見られる。同曲線の
中央部の山幅は、エッジのボケ具合に対応している。同
曲線の右側の光強度の小さい部分は、スムージングによ
り周期成分が無くなっている。このデータをフーリエ変
換すれば、図26に示したMTFが求まり、このピント
状態における系の伝達特性の評価を行なうことができ
る。また、フーリエ変換することなく、図24に示すピ
ークの裾の幅αや半値幅β、あるいは、図25に示す分
布に基づいて算出される標準偏差σなどを評価値とする
ことができる。なお、フーリエ変換することは一般的で
あるが、演算時間が長い、という問題があるが、本実施
例によると、評価値が短時間で求められる利点がある。
【0055】以上の説明では、センサがエリアセンサで
ある場合を示したが、ラインセンサやポイントセンサを
用いて走査することにより像を得ることができる。ま
た、演算手段によって平滑化を行なわずに、光学的ロー
パスフィルタを受光手段の前に配置することにより像が
光学的に平滑化され、平滑化演算処理が不要になる。こ
の場合、光学系が複雑になるが、演算時間は短縮され
る。また、使用するチャートとして本実施例では、明暗
のエッジを示したが、ラインチャートでも可能である。
ラインチャートを使用すると、入力像がそのままLSF
になるので、演算処理が減少し、演算時間が短縮され
る。
【0056】チャート装置に関する本発明について、図
示実施例に基づいて説明する。図27〜図29は、本願
発明のチャート装置の一実施例を示している。このチャ
ート装置110は、内視鏡やパンフォーカスカメラな
ど、観察、撮影する被写体距離が一定範囲に限られてい
る光学系の焦点調節、検査などに使用する実施例であ
る。
【0057】チャート装置110は、回動軸111の異
なる軸方向位置に固定された4枚の扇形のチャート板1
13、115、117、119を備えている。各チャー
ト板113〜119は、それぞれ異なる半径の中心角が
ほぼ90゜の扇形に形成されている。各チャート板11
3〜119の表面は、ほぼ等中心角となるように角度方
向に白黒に塗り分けられている。つまり、明部(白色、
淡部)113w、115w、117w、119wおよび
暗部(黒色、濃部)113b、115b、117b、1
19bからなる白黒(濃淡)チャートが形成されてい
る。明部113w、115w、117w、119wと暗
部113b、115b、117b、119bは、チャー
ト板113、115、117、119をそれぞれ等角度
に分割し、それらの半径方向の区切りで放射状の一次元
チャート像を形成するエッジ113e、115e、11
7e、119eを形成している。
【0058】回動軸111は、ベース121上に光軸方
向に離間して固定した2本の支柱123、123に回動
自在に軸支されている。そして、回動軸111、つまり
チャート板113〜119は、駆動装置125により任
意の回動位置に回動および停止自在に駆動制御される。
この駆動装置125は、モータを動力とするものでも、
操作者が手動で駆動するものでもよい。
【0059】チャート板113〜119は、正面(被検
光学系側)から見て、それぞれが他のチャート板と重な
らない回転角に、つまり、エッジ113e、115e、
117e、119eがそれぞれ90゜をなす角度で、螺
旋階段状に固定されている。チャート板113とチャー
ト板119の間隔は、被検光学系により通常観察する最
短距離(近点)および最遠距離(遠点)間の距離に対応
させて設定し、かつ、被検光学系により第1、第4のチ
ャート板113、119が等デフォーカス状態にあると
きに、第2、第3のチャート板115、117も等デフ
ォーカス状態になるように第2、第3のチャート板11
5、117の位置も設定してある。そして、チャート板
113〜119の半径は、コスト、重量等を考慮して、
物体距離にほぼ比例させてある。例えば、チャート板1
13〜119の半径をR1 、R2、R3 、R4 、チャー
ト板113〜119の物体距離をD1 、D2 、D3 、D
4としたときに、ほぼ次式の関係を満足する関係に形成
してある。 R1 /D1 =R2 /D2 =R3 /D3 =R4 /D4 なお、これらはすべて同一の半径としてもよい。
【0060】図28には、このチャート装置110を内
視鏡140の焦点調節に使用した使用状態を示してい
る。この実施例では、第1のチャート板113と第4の
チャート板119の間隔を、この内視鏡140により観
察する物体の最近接位置(近点)と最遠距離位置(遠
点)との間隔に一致させてある。
【0061】チャート装置110は、回動軸111の軸
心を内視鏡140の対物レンズ141の光軸Oと一致さ
せ、かつ第1のチャート板113を近点に一致させて配
置する。この配置において、チャート板113〜119
で反射した光束は、対物レンズ141により光ファイバ
ーバンドル143の入射端面に結像され、光ファイバー
バンドル143の射出端面から射出され、接眼レンズ系
145を介してCCD撮像素子147に結像される。そ
して、ディスプレイ149により、図29に示す状態の
像として観察される。各暗部113b、115b、11
7b、119bの像113b′、115b′、117
b′、119b′および明部113w、115w、11
7w、119wの113w′、115w′、117
w′、119w′は、大きさおよび形状がほぼ等しい扇
形を成している。なお、CCD撮像素子147の受光面
およびその位置が、内視鏡140の所定距離の観察面お
よびその位置に対応する。
【0062】この様にして得た像をディスプレイ149
に映し出して観察すれば、各物体距離における像の状態
を同時に観察して、焦点調整等をすることができる。し
かも、本チャート装置110によれば、チャート板11
3〜119は回動軸111を中心に回転可能なので、チ
ャート板113〜119の回転角を変えたり(チャート
像の傾斜の変更)、位置の入れ替え、ローテーションな
どが簡単にできる。また、光ファイバーバンドル143
は、非等方光学系、つまり多数の光ファイバーの六方細
密充填構造なので、光ファイバーバンドル143の光軸
周りの回転位置によって像の状態が変わる。そこで、駆
動装置125を駆動してチャート板113〜119を回
転させ、各チャート板113〜119をそれぞれ同じ位
置に止めて観察することにより、すべての被写体距離に
ついほぼ同一条件でデフォーカス状態などの測定ができ
る。
【0063】図示実施例では4枚のチャート板113〜
119を使用したが、チャート板の枚数はこれに限定さ
れない。デフォーカス状態を2枚一組で測定する場合に
はチャート板を2枚、あるいは6枚以上としてもよい。
いずれか一枚のチャート板を合焦位置に置く場合には、
3枚、あるいは5枚以上の奇数枚で構成する。チャート
板を3枚で構成するときには、各チャート板の中心角は
ほぼ120゜(360゜/3)に設定する。つまり、チ
ャート板の枚数がnのときには、チャート板の中心角を
約360゜/nに設定する。ただし、nは2以上の整数
である。そして、それぞれのチャート板が、光軸方向か
ら見て重ならない角度に配置する。なお、チャート板
は、それぞれのチャート板の半径方向の輪郭が互いに重
なり合うように形成してもよく、逆に、全く重ならない
ように形成してもよい。また、各チャート板113〜1
19を回動軸111に沿って移動および固定可能な構成
にしてもよい。
【0064】以上、内視鏡140に適用した実施例につ
いて説明したが、本発明は他の光学機器に適用できる。
また、本実施例ではチャート像をCCD撮像素子147
により撮像してディスプレイ149に表示しているが、
操作者が接眼レンズ系145を通してチャート像を直接
観察してもよい。また、チャート板113〜119の像
をフィルムに露光し、そのフィルムの像に基づいて観察
してもよい。
【0065】図30および図31には、チャート板11
3〜119の明暗エッジチャートをラインチャートに変
更した実施例を示している。この第2の実施例では、第
1の実施例において明暗の境界で形成されたエッジ11
3e〜119eを、黒色のライン114〜120で形成
してあり、図30は図27に、図31は図29にそれぞ
れ対応する。この第2の実施例は、エッジ113e〜1
19eをライン114〜120に変更したほかは第1の
実施例と同様であり、ライン114〜120は、放射状
で等間隔のライン像114′〜120′として結像され
る。
【0066】図32〜図34には、本発明の別の実施例
を示してある。この第3の実施例では、第1、第2、第
3のチャート板131、133、135を矩形に形成し
てある。各チャート板131〜135は、長手方向中央
の中央線を挟んで明部131w、133w、135wお
よび暗部131b、133b、135bを備え、これら
の区切りによりエッジ131e、133e、135eを
形成している。チャート板131〜135は、光軸O方
向に所定の距離離間され、かつ第1、第3のチャート板
131、135は、光軸Oに対してエッジ131e、1
35eが延びる方向に、図においては上下にオフセット
して階段状に配置されている。したがって、受光素子1
53の受光面(結像面)には、被検レンズ151によっ
て、上下方向に下からチャート板像131′〜135′
の順に形成される。各チャート板131〜135の下辺
131s〜135sとこれらの結像面上の像131s′
〜135s′との関係は、図33および図34に示す通
りである。なお、各チャート板131〜135の段差
は、図33に破線で示すように規制される。また、エッ
ジ像131e′〜135e′は、光軸を通る一直線上に
位置する。
【0067】この実施例では、チャート板131〜13
5を光軸Oに対して同一条件で同時に測定できないが、
いずれも光軸Oに近接しているので、実質的に問題はな
い。同様の理由によりエッジ像131e′〜135e′
は、光軸Oに接近していれば一直線上に並ばなくてもよ
い。本実施例では、チャート板131〜135が、光軸
を中心として結像範囲(観察範囲)のおよそ30%以
内、すなわち、図中破線で示される範囲内に同時に結像
される。チャート板131〜135を光軸に対して接離
移動させると、チャート像131′〜135′が移動す
るので、所望の物体距離位置で所定の検査をすることが
できる。チャート板131〜135を光軸の周りで回転
させると、被検光学系が非等方光学系であっても、簡単
に同一条件での測定ができる。
【0068】以上の図示チャート板は、反射型、透過
型、自己発光型のいずれでもよく、明暗の位置は図示実
施例と逆でもよい。図示実施例では回動軸111と光軸
Oとが一致しているが、回転軸と光軸とは必ずしも一致
していなくてもよい。
【0069】ピント評価方法および装置、ピント調整方
法および装置に関するさらに別の発明について、以下図
示実施例に基づいて説明する。図35ないし図39は、
本発明を適用する内視鏡対物光学系のピント調整装置の
全体構成の要部を示すブロック図である。図35は、明
暗の区切りによりエッジ像を形成するチャート板251
を光軸方向に移動するチャート装置を利用した実施例で
あり、図36はこのチャート装置を利用して内視鏡のピ
ント評価を行なう装置の一例である。この実施例では、
チャート板251の像の評価をボケ量に基づいて評価す
る。
【0070】ピント調整を行なうファイバースコープ2
10は、多数の光ファイバーが六方細密充填構造で束ね
られたファイバーバンドル211およびその物側端部2
12に装着される対物レンズ215を備えている。対物
レンズ215は、対物レンズ固定筒217内に固定さ
れ、この対物レンズ固定筒217を介してファイバーバ
ンドル211の物側端部212に装着される。
【0071】ファイバーバンドル211は、物側端部2
12が移動ステージ233に固定され、対物レンズ固定
筒217(対物レンズ215)が固定台235に固定さ
れる。移動ステージ233および固定台235は共通の
ベンチ231上に装着されていて、移動ステージ233
は、固定台235に対して直線的に接離移動可能であ
る。対物レンズ215は光軸Oが移動ステージ233の
移動方向と平行になるように固定台235に保持され、
物側端部212はその端面が光軸Oと直交し、かつ端面
の中心がほぼ光軸Oと一致する位置で移動ステージ23
3に固定されている。なお、ファイバーバンドル211
および対物レンズ固定筒217は、例えば図示しないク
ランプ手段によりそれぞれ移動ステージ233、固定台
235に固定される。移動ステージ233は、図示しな
い手動操作ダイヤル操作により、あるいは後述のコンピ
ュータ243の制御により電動で移動可能に構成されて
いる。
【0072】対物レンズ215の物界側には、後方の光
源255により照明される透過型のチャート板251が
配置されている。チャート板251は、光を透過する明
部252および透過しない暗部254により二分割され
ていて、エッジ253(明部252と暗部254との境
界)を縦方向にして光軸Oと直交する向きに配置されて
いる。なお、このチャート板251は、図示しないチャ
ート板移動機構に支持されて、光軸方向に移動される。
この実施例では、チャート板251を、このファイバー
スコープ210で観察を予定している最も近い物体距離
(近点)、同最も遠い物体距離(遠点)、および、遠点
と近点の間であって、設計上合焦を予定している物体距
離(中間点)に移動する。なお本実施例では、近点は約
5mm、中間点は約11mm、遠点は約 111mmである。
【0073】ファイバーバンドル211の観測系側端部
213には接眼レンズ219が装着され、この接眼レン
ズ219にカメラアダプタ221を介してCCDカメラ
223が接続されている。チャート板251は、対物レ
ンズ215によりファイバーバンドル211の物側端面
に結像され、その像がファイバーバンドル211により
伝達されてファイバーバンドル211の観測系側端面か
ら射出される。そして、この端面像が接眼レンズ219
を介してCCDカメラ223によって電気的な画像信号
に変換され、画像入出力装置241に出力される。な
お、ファイバースコープ210の通常の使用状態では、
物体の像が対物レンズ215を介してファイバーバンド
ル211の物側端部212の端面に結像され、この像が
ファイバーバンドル211の観測系側端面に伝達され、
接眼レンズ219を通して直接観察され、あるいはCC
Dカメラ等により撮像してモニタTVに映し出される。
【0074】画像入出力装置241は、画像信号をビデ
オ信号に変換してTVモニタ247に表示する一方、入
力した画像信号を所定の規格のディジタル画像データに
変換し、画像処理装置、例えばパーソナルコンピュー
タ、ワークステーションなどのコンピュータ243に出
力する。この画像入出力装置241およびコンピュータ
243が、評価値検出手段(ボケ量検出手段)および目
標評価値設定手段(目標ボケ量設定手段)を構成してい
る。
【0075】コンピュータ243は、入力した画像デー
タの内、光軸O付近の水平方向画像データを垂直方向に
複数ライン分サンプリングし、平均化処理を施して水平
方向の光強度分布曲線を算出する。チャート像のサンプ
リング位置およびサンプリング方向の関係を図37に示
し、強度分布を図38に示した。
【0076】図38において、(A)は非合焦状態(デ
フォーカス大)を示し、(B)は合焦状態(デフォーカ
ス小)を示している。つまり、合焦している時には、明
部像252iおよび暗部像254iの輪郭が明瞭に形成
される。したがって、これらの像の切り替わりであるエ
ッジ像253iも明瞭に形成されるので、エッジ像25
3iと直交する方向の光強度は、エッジ像253iで急
激に変化する。また、非合焦の時には、デフォーカスの
絶対値が大きい程エッジ像253iのボケ幅が大きくな
るので、前記エッジ像における光強度の変化は緩やかに
なる。
【0077】さらに光強度分布曲線を、コンピュータ2
43は微分する。その微分結果を図39(A)、(B)
にグラフで示した。この微分曲線は、ピーク値(max) が
高くかつピークの裾が狭い方がデフォーカス値が小さい
ことを表わしている。この実施例では、図39(A)が
非合焦状態、図39(B)が合焦状態である。これらの
グラフにおいて、αは微分曲線のピークから左右に下が
って最初に0となる2つのサンプリング点の間隔であ
り、βは、微分値がピーク値の約1/2になる時の2つ
のサンプリング点の間隔であり、γは、微分値がピーク
値の約1/4になる時の2つのサンプリング点の間隔で
ある。これの演算値α、βおよびγは、小さいほどデフ
ォーカス量が小さい状態、つまり合焦に近い状態である
ことを表わしている。
【0078】さらにコンピュータ243は、前記微分値
を関数f(x)として、先の数1式および数2式により
平均値mおよび標準偏差σを演算する。評価値として
は、前記演算値α、β、γまたはσを利用する。図40
は、ファイバーバンドル211の物側端面と対物レンズ
215との間隔(以下「レンズ−バンドル間隔Z」とい
う)と評価値との関係を示すグラフである。このグラフ
は、評価値のピーク位置が合焦位置であることを表わし
ている。
【0079】移動ステージ233を移動させてレンズ−
バンドル間隔Zを段階的ないし連続的に変えながら、以
上の演算処理により評価値を段階的ないし連続的に求
め、その結果をディスプレイ245に表示する。この処
理を、チャート板251を近点、中間点、および遠点に
おいてそれぞれ繰り返す。
【0080】このようにして求めたファイバーバンドル
211と対物レンズ215の間隔Zと評価値との関係
を、図41に示した。ここでは、評価値として、前述し
た標準偏差σを用いている。このグラフでは、評価値が
小さいほどデフォーカスが小さく、像性能が良好である
ことを表わしている。図において、符号(a)は近点に
対する評価値の平均値、(b)は中間点に対する評価値
の平均値、(c)は遠点に対する評価値の平均値を表わ
している。
【0081】ここで従来のピント調整法に従うと、遠点
および近点におけるデフォーカス量(絶対値)が等しく
なるように、あるいは中間点においてデフォーカス量が
最も小さくなるような調整をしていた。この従来の調整
基準を図41のグラフに当てはめると、最良レンズ−バ
ンドル間隔P1は約 625μm になる。
【0082】これに対して、実際に操作する者の視覚に
より評価すると、その評価分布は符号Hで示した曲線の
ようになり、視覚による最良レンズ−バンドル間隔H1
は約600 μm になる。本発明は、この人間の視覚に可及
的に近似したピント調整を可能にするものである。本実
施例では、近点に対する評価値(a1)が最も大きく、
ついで遠点に対する評価値(b1)、中間点に対する評
価値(c1)が最も小さくなり、像性能を中間点、遠
点、近点の順に重視したピント調整になる。これは、従
来の調整基準による調整よりも遠距離側を重視してい
る。
【0083】本実施例では、この人間の評価に基づく評
価値(a1、b1、c1)を目標評価値として設定す
る。そして、各被検内視鏡毎に、測定した評価値が目標
評価値に近付くように移動ステージ233を移動してピ
ント調整を行なう。なお、本発明は、像性能を前記実施
例とは逆に遠点よりも近点を重視して目標評価値を定
め、ピント調整することもできる。
【0084】今、レンズ−バンドル間隔がP2で示され
る値(約575 μm )であるとすると、近点に対する評価
値はa1よりも大きく、中間点に対する評価値はb1よ
りも大きく、遠点に対する評価値はc1よりも小さい。
これらの大小関係と、平均値a、b、cの形状から、レ
ンズ−バンドル間隔を小さくするか、大きくするかが明
らかとなる。この実施例の場合、aの値は、レンズ−バ
ンドル間隔を大きくすると小さくなる。同様にcの値
は、レンズ−バンドル間隔を大きくすると大きくなる。
したがって、現在の間隔P2よりも大きい間隔にすれば
よいことが分かる。この作業を繰り返すことで、各評価
値が目標評価値a1、b1、c1に近付き、結果として
最良レンズ−バンドル間隔H1を達成できる。
【0085】なお、図41では、測定誤差等により同一
間隔での評価値の計測において生じる誤差±α′を加味
してa、b、cを示してある。この誤差±α′のため、
本実施例の場合、合計誤差として示した幅程度の間隔の
誤差が生じる虞れがある。しかしながらこの誤差の幅
は、人間の評価曲線Hの範囲内であるため、精度として
は十分であることが分かる。
【0086】図42には、近点、中間点および遠点に置
くチャート板を別個に形成し、各点に置いたチャート板
を同時に被検光学系の結像面に結像させるチャート装置
の実施例を示してある。なお、この実施例では、ファイ
バーバンドル271の物体側端部および対物レンズ27
3が内視鏡組み立て治具275に装着され、観測側端部
には、図示しないが、図36に示した実施例同様に、接
眼レンズ219、アダプタ221およびCCDカメラ2
23が装着されている。そして、CCDカメラ223に
は、画像入出力装置241、コンピュータ243、ディ
スプレイ245、TVモニタ247などからなるピント
評価手段が接続されている。また、組み立て治具275
は、詳細は図示しないが、図35に示したマイクロステ
ージ同様に、対物レンズ273とファイバーバンドル2
71の物体側端面との間隔調整が可能な構成である。
【0087】この実施例では、近点、中間点および遠点
用に順次大きく形成した3枚のチャート板261、26
2、263を、近点、中間点および遠点に配置してあ
る。中間点チャート板262はその中央が光軸0を通る
位置に配置し、近点および遠点チャート板261、26
3はそれぞれ、光軸Oから上下にオフセットして配置し
てある。各チャート板261、262、263は、図3
5に示したチャート板251と同様の透過型の明暗チャ
ート板である。
【0088】チャート板261、262、263の後方
のオフセット位置には光源264を配置してある。光源
264は、チャート板261、262、263までの光
路長差を小さくしてチャート板261、262、263
の輝度を等しくすべく、近点、中間点チャート板26
1、262は直接照明し、遠点チャート板263はミラ
ー265で反射して照明している。
【0089】光源264により透過照明されたチャート
板261、262、263は、対物レンズ273によっ
てファイバーバンドル271の物体側端面に結像され
る。その結像の様子を図44に示した。この図から分か
るように、結像面のほぼ中央に中間点チャート板262
の像262iが形成され、その像262iの下に近点チ
ャート板261の像261iが形成され、像262iの
上に遠点チャート板263の像263iが形成される。
これらの像261i〜263iはCCDカメラ223で
撮像され、それぞれの像261i〜263iについて、
水平方向(横方向)にサンプリングおよび平均化して強
度分布、微分曲線、および評価値を求める。
【0090】この評価値を用いて、被検内視鏡対物光学
系のピント調整を行なう。つまり、被検内視鏡対物光学
系をセットして評価値を求め、その評価値と予め設定し
た目標評価値とに基づいてファイバーバンドル71を移
動させてピント調整を行なう。
【0091】図35や図42に示した実施例では、対物
光学系にファイバーバンドルを用いた内視鏡に対して本
発明を適用したが、ファイバーバンドルに代えてCCD
などの受光素子を用いる電子内視鏡の対物光学系のピン
ト調整にも本発明は適用できる。なお、この場合、CC
Dと対物レンズとの関係は、図35と同様になる。
【0092】図45および図46には、パンフォーカス
カメラのピント調整を行なう実施例を示してある。図4
5は、銀塩フィルムを使用するコンパクトカメラに適用
した一例である。なお、カメラボディ301に撮影レン
ズ302は固定されておらず、設計上の固定位置から光
軸方向に移動可能である。この実施例では、カメラボデ
ィ301をマイクロステージ281の移動ステージ28
2に固定し、撮影レンズ302を固定台283に固定し
て、移動ステージ282を固定台283に対して接離移
動することにより撮影レンズ302とカメラボディ30
1(フィルム面)との間隔を調整する。
【0093】コンパクトカメラ301内には、その裏蓋
を開けた状態で、CCD撮像素子(検出器)303が配
置されている。このCCD撮像素子303は、その受光
面がコンパクトカメラ301のフィルム面と一致した状
態で、センサ保持器304により移動ステージ282に
固定されている。
【0094】また、撮影レンズ302の前方には、近点
および遠点にチャート板291、292を配置してあ
る。チャート板291、292の構造は、チャート板2
51と同様であるが、この実施例では、近点チャート板
291をその上辺が光軸Oに重なる位置に配置し、遠点
チャート板292をその下辺が光軸Oに重なる位置に配
置してある。したがってこれらのチャート板291、2
92は、結像面において、中心よりも下方に近点チャー
ト板291の像が、中心よりも上方に遠点チャート板2
92の像が形成される。
【0095】撮影レンズ302を介してCCD撮像素子
303に入射したチャート板291、292の像は、C
CD撮像素子303により電気的信号に変換され、画像
入出力装置285を介してコンピュータ286に入力さ
れる。そしてコンピュータ286により評価値が算出さ
れ、例えば図41および図42に示したようにグラフ化
されてディスプレイ287に表示される。そして、予め
設定された近点チャート像および遠点チャート像の目標
評価値と、測定評価値とに基づいて撮影レンズ−フィル
ム間隔を変えてピント調整を行なう。
【0096】図46は、CCD撮像素子を備えた監視カ
メラに適用した例である。この実施例では、監視カメラ
のボディ311を移動ステージ282に固定し、撮影レ
ンズ212を固定台283に固定してある。そして、移
動ステージ282を移動して撮影レンズ212とCCD
撮像素子313との間隔(ピント)を調整する。チャー
ト板291、292の構成、画像入出力装置385、コ
ンピュータ286およびディスプレイ287の構造、動
作は、図45に同一符号を付して示したものと同様であ
る。
【0097】図45および図46に示した実施例では、
近点および遠点に置いたチャート板291、292に基
づいて評価値を求め、測定した評価値と予め設定された
目標評価値とに基づいてピント調整を行なう。このピン
ト調整により、遠方から近方までのバランスのとれたピ
ント調整ができる。
【0098】以上、本実施例では、チャート像のボケ量
を、エッジ像の強度分布とその微分値およびその標準偏
差により評価したがこれに限定されず、例えばデフォ−
カス量の大きさで評価してもよい。なお、目標評価値の
設定に関しては、基準となるレンズを1つないし複数定
めて、人間によりレンズ−バンドル間隔調整操作を行な
い、そのときの評価値を目標評価値とする。あるいは、
設計値からレンズ−バンドル間隔を算出して調整し、そ
のときの評価値を用いてもよい。
【0099】さらに別のピント評価、調整方法およびこ
れらの方法を実施する装置について、図示実施例に基づ
いて説明する。図47は、本発明のピント評価方法およ
びピント調整方法を実施する装置の実施例であり、図5
0は、本発明の方法を実施する装置の別の実施例であ
る。図47は、被検結像光学系の一つである内視鏡41
0の対物レンズ415のピント状態(位置)を評価し、
その評価値に基づいてピント調整を行なうピント調整装
置であり、図50は、同内視鏡410の対物レンズ41
5のピント状態を評価する装置である。もちろん本発明
は、内視鏡以外の結像光学系を有する光学機器にも適用
できる。
【0100】先ず、図47に示した実施例の主要構成に
ついて説明する。内視鏡410は、光ファイバーバンド
ル411の先端部413がマイクロステージ421の移
動ステージ423に固定され、先端部413が、その入
射端面413aと直交する方向に移動される。先端部4
13に固定される対物レンズ415は、マイクロステー
ジ421と一体に固定され対物レンズ固定部材425に
支持されている。つまり、移動ステージ423の移動に
より、対物レンズ415と入射端面413aとの間隔を
調整する構成である。対物レンズ415は、図示しない
が、先端部413に摺動可能に嵌合された鏡筒に固定さ
れていて、この鏡筒を介して先端部413に固定され
る。
【0101】対物レンズ415の物体側には3枚のチャ
ート板427(471、472、473)が、異なる物
体距離に配置され、かつ同時に入射端面413a上に像
を形成するように形成され、配置されている。つまり、
対物レンズ415から最も近距離で、光軸Oよりも上方
に位置する近方チャート板471と、対物レンズ415
から最も遠距離で、光軸Oよりも下方に位置する遠方チ
ャート板472と、これらの間に位置し、光軸Oと直交
する中間チャート板473とを備えている。近方チャー
ト板471と遠方チャート472とは、最も良好なピン
トが望まれる物体位置の前後に離れた位置にある。ま
た、これらのチャート板427は、図48に示すよう
に、外形は矩形で、中央から左右が乳白色の透光部およ
び遮光部で分けられたエッジチャートである。なお、チ
ャート板の形状、チャートの態様はこの実施例に限定さ
れない。
【0102】近方、中間チャート板471、473は、
光源431により照明され、遠方チャート472は光源
435により照明されている。光源431で発光された
照明光は、光ファイバーバンドル432で導かれ、照射
レンズ433により近方、中間チャート板471、47
3を照明する。光源435は、遠方チャート板472を
後方から照明する。照明手段は、近方、遠方中間チャー
ト板471、472、473を照明できるものであれば
よく、図示実施例に限定されない。
【0103】これらの光源31、35で照明された各チ
ャート板471、472、473の像471i、472
i、473iが、対物レンズ415により先端部413
の入射端面413aに、図49に示すように、光軸Oを
ほぼ中心として下、上、中位置に形成される。
【0104】入射端面413aに結像されたチャート像
471i、472i、473iは、光ファイバーバンド
ル411により導かれ、光ファイバーバンドル411の
他端部に装着された接眼レンズ417から射出される。
接眼レンズ417は、コネクタ441を介してCCDカ
メラ443に接続されていて、入射端面413aの像が
撮像される。CCDカメラ443で撮像された像は、画
像入出力インタフェース445を介してコンピュータ
(演算手段)447に入力される。
【0105】コンピュータ447は、先に図38に関連
した述べた実施例と同様に、近方、遠方および中間チャ
ート板471、472、473それぞれの像について水
平方向(X軸方向)にサンプリングする。このサンプリ
ングした明暗の強度データ分布、例えば強度曲線は、合
焦状態で明部と暗部との境界部が急激に変化する。
【0106】この強度曲線を微分することで、明暗境界
部における変化率を求める(図39参照)。この変化率
曲線の高さ、あるいは裾野の幅に関する情報から、ピン
ト評価値を求める。なお、図38および図39におい
て、(A)は非合焦状態、(B)は合焦状態である。
【0107】ピント評価値は、各チャート板427毎に
得られる。さらに先端部413を、対物レンズ415に
対して接離移動して入射端面413aと対物レンズ41
5との距離、つまりピント調整量を変更する。そして、
異なるピント調整量毎に上記演算を繰り返し、複数のピ
ント調整量における各チャート板471、472、47
3毎のピント評価値を求める。このピント評価値は、例
えばディスプレイ449あるいはモニタTV451に、
図51に示したグラフとして表示する。
【0108】図47に示した測定装置は、移動しない3
枚のチャート板471、472、473を使用したが、
図50に示した測定装置は、1枚のチャート板428を
近方、中間および遠方位置に移動させる点が第1の測定
装置と異なる。その他の構成は、第1の装置と同様であ
るので、要部のみを示した。つまり、光ファイバーバン
ドル411の他端部には、図47に示した実施例と同様
に接眼レンズ417が装着され、接眼レンズ417は、
アダプタ41を介してCCDカメラ443に接続されて
いる。CCDカメラ443で撮像された像は、画像入出
力インタフェース445を介してコンピュータ447に
入力される。
【0109】図47に示した測定装置を利用した本発明
のピント評価方法およびピント調整方法の実施例につい
て、さらに図51〜図59を参照して説明する。本実施
例では、先ず、近方、遠方および中間チャート板47
1、472、473の各像471i、472i、473
iを、対物レンズ415と端面413aとの間隔(ピン
ト調整量)を変えて複数回撮像し、各ピント調整量毎
に、ピント評価値を演算する。ピント調整量をX軸、ピ
ント評価値をY軸にとって評価値曲線を描くと、図51
に示すようになる。この評価値曲線は、Y軸の値が低い
ほど評価が高いことを示している。
【0110】ここで、近方チャート板471に対する評
価値の描く曲線をy1 =f1 (x)、遠方チャート板4
72に対する評価値の描く曲線をy2 =f2 (x)、中
間チャート板473に対する評価値の描く曲線をy3 =
f3 (x)とおく。なお、中間チャート板473の位置
は、最良位置またはその近傍とする。
【0111】この被検内視鏡410において、使用者の
好むピント調整量は、近方評価値曲線と遠方評価値曲線
の交点(x1,y21=y11)と、中間点評価値曲線と遠
方評価値曲線の交点(x2 ,y22=y32)との間にある
ことが分かった。そこで本発明は、この区間に着目し、
上記交点のX軸方向の間隔である区間[x2 ,x1 ]
を、評価値曲線y1 =f1 (x)、y2 =f2 (x)、
y3 =f3 (x)から演算により求める。つまり、f1
(x)=f2 (x)、およびf2 (x)=f3 (x)が
成立する点のピント調整量x1 、x2 を求める。
【0112】このようにして求めた区間[x2 ,x1 ]
内に、望ましいピント調整量xが含まれることが分か
る。ピント調整範囲をこの区間[x2 ,x1 ]に絞るこ
とにより、被検結像光学系のピント評価およびピント調
整が容易かつ迅速にできる。
【0113】本発明の一実施例では、ピントの総合評価
値Sを、区間[x2 ,x1 ]内のピント調整量xから求
める。なお、逆に、総合評価値Sが明らかな場合には、
逆演算によって、調整すべきピント調整量xを求めるこ
ともできる。
【0114】ピント調整量xから総合評価値Sを求める
方法を、図51から図53を参照して説明する。ピント
調整量xを定めると、各チャート板427に対するピン
ト評価値y1 、y2 、y3 が演算される。総合評価値S
は、これらの3個のピント評価値y1 、y2 、y3 を用
いた関数gにより、S=g(y1 ,y2 ,y3 )として
求まる。関数gは、例えば下記3つの式(1) 、(2) また
は(3) のように定義できる。 g=(y1 −y2 )/(y2 −y3 ) ……(1) g=(y2 −y3 )/(y1 −y3 ) ……(2) g=y3 /y2 −y2 /y1 ……(3) 上記総合評価値関数S=g(y1 ,y2 ,y3 )を用い
ることにより、あるピント調整量xにおけるピントの総
合評価値Sを求めることができる。
【0115】本発明では、上記(1) 、(2) 、(3) 以外の
y1 、y2 、y3 を用いた関数g(y1 ,y2 ,y3 )
の適用も可能である。
【0116】以上の実施例では、3枚のチャート板47
1、472、473を使用したが、本発明はこれに限定
されず、チャート板の数は、2枚あるいは4枚以上でも
よい。チャート板の数をN個(2以上の整数)とする
と、各チャート板に対して評価値yn (n=1〜N)を
演算し、N個の評価値yn に基づいて、総合評価値関数
S=g(y1 ,y2 ,…,yn ,……, yN )により総
合評価値Sが求められる。
【0117】以上は、あるピント調整量xから総合評価
値Sを求める方法であるが、逆に、予め望ましい総合評
価値Sを求めておいて、その総合評価値Sに基づいてピ
ント調整量xを求めることができる。例えば、基準光学
系を使用し、基準となる人物によるピント調整を行なっ
て、望ましい総合評価値Sを求める。この総合評価値S
を基準総合評価値S0 として、この基準総合評価値S0
に基づいてピント調整目標値x0 を演算により求めて、
演算により求めたピント調整目標値x0 により被検内視
鏡410のピント調整を行なう。
【0118】この基準総合評価値S0 を用いて、基準光
学系に対応する被検内視鏡410のピント調整を行なう
ピント調整方法について説明する。ここで、既知データ
は、基準総合評価値S0 だけである。そこで、被検内視
鏡410のピント調整量xを変化させて、異なるピント
調整量xにおける各チャート板427に対する評価値y
1 ,y2 ,y3 を求める。
【0119】このように求めた評価値y1 ,y2 ,y3
に基づいて区間ピント調整量x1 、x2 を定めるととも
に、ピント調整区間[x2 ,x1 ]内における各チャー
ト板471、472、473に対する関数f1 、f2 、
f3 を演算する。関数f1 、f2 、f3 の値が定まれ
ば、g(x)=S0 が成立するピント調整量xを逆算す
ることで、ピント調整目標値x0 が求まる。ピント調整
目標値x0が求められれば、これに基づいて、被検内視
鏡410のピント調整を行なう。当然ながら、基準総合
評価値S0 を求めたときに用いた総合評価値関数gと、
逆算に用いる総合評価値関数gとは同じでなければなら
ない。
【0120】関数fを求めるために利用されるピント調
整区間[x2 ,x1 ]は、遠方評価値と近方評価値とが
一致する点と、中間評価値と遠方評価値とが一致する点
との間でなくてもよい。例えば、図53に示す被検内視
鏡の区間[x2 ′,x1 ′]のように、y32′≠
22′、y11′≠y21′となる場合である。
【0121】図53の区間[x2 ′,x1 ′]のような
場合でも、関数fを定義できるため、総合評価値Sを利
用することができる。ここで、図53における関数f
は、区間が異なるだけで図51の関数fと同一である。
【0122】以上のように本実施例のピント調整方法に
よると、近方、遠方および中間の評価値曲線特性が異な
る場合でも、総合評価値Sが基準総合評価値S0 と等し
くなるピント調整量を求めることができるので、被検対
物レンズ415による遠近ピント状態のバランスを容易
に揃えることができる。
【0123】前述したピント調整方法は、所定区間内で
ピント調整量xを変化させて関数fを求めた。この調整
方法によると、区間内の多数の点で評価値y1 、y2 、
y3を算出するので精度は向上するが、比較的長時間を
要する。
【0124】そこで、精度は許容範囲内に抑えて、調整
時間を短縮できる実施例を図54及び図55を参照して
説明する。図54及び図55は、図51で求めた評価値
データに基づき、ピント調整区間[x2 ,x1 ]を直線
近似したグラフである。ここでは、ピント調整区間[x
2,x1 ]内においてピント調整量xを変化させて評価
値y1 、y2 、y3 を演算するのではなく、区間[x2
,x1 ]の両端点における評価値y1 、y2 、y3を直
線で結び、これを関数fの近似式として使用する。例え
ば、図55において、2点(x1 ,y11)、(x2 ,y
12)を通る直線が一本定まるので、これにより関数f′
1 が得られる。同様にして、関数f′2 、f′3 が得ら
れる。この方法によると、遠方評価値y2 と近方評価値
y1 とが一致する点x1 と、中間評価値y3 と遠方評価
値y2 とが一致する点x2 を演算により、またはグラフ
上で求めることにより、関数f′1 ,f′2 ,f′3 を
求めることができる。
【0125】関数f′1 、f′2 、f′3 が定まれば、
g(x)=S0 が成立するピント調整量xを逆算するこ
とで、ピント調整目標値x0 が求まり、これに基づい
て、被検内視鏡410のピント調整ができる。
【0126】さらにこの方法の場合も、図55に示すよ
うに、ピント調整区間は、評価値y1 、y2 、y3 が一
致する点でなくてもよいことが分かる。ただし、ピント
調整区間が長くなり過ぎると、実際の曲線と近似した直
線とのずれが大きくなり、精度が低下する虞れがある。
しかし、本実施例で求めた図示の区間[x1 ′,x
2′]程度であれば誤差範囲内に納まる。この場合に総
合評価値Sを求める方法および逆算してピント調整量を
求める方法は、図51〜図53に関連して示した方法と
同一である。
【0127】次に、ピントの評価方法の一例について説
明する。これは、ピント調整後、結像レンズを固定した
製品について行なう評価方法であるから、ピント調整装
置は使用せず、図47および図50に示した装置により
実施ができる。
【0128】このピントの評価方法では、直接関数fを
求めることができないが、評価値y1 、y2 、y3 を求
めることができるので、総合評価値Sは算出できる。そ
してピント調整時の基準総合評価値S0 と得られた総合
評価値Sとを比較することで、ピント位置がずれている
か否かを判断できる。図56ないし図58は、総合評価
値Sを求める関数gとして前記式(1) 、(2) および(3)
を用いたときの、ピント調整量xと総合評価値Sとの関
係をグラフで示した図である。また、図58は、図57
のグラフの縦軸を拡大した図である。
【0129】(1) 式を用いると、総合評価値Sはx=x
2 を漸近線とする双曲線となり、 x>x0 のときにはS<−1 x=x0 のときにはS=−1 x1 >x>x0 のときには0>S>−1 x=x1 のときにはS=0 x1 >x>x2 のときにはS>0 x1 <x2 のときにはS<0 となる。
【0130】(2) 式を用いると、総合評価値Sはx=x
1 を漸近線とする双曲線となり、 x>x0 のときにはS<0 x1 >x>x0 のときにはS>1 x=x1 のときにはS=1 x1 >x>x2 のときにはS>0 x=x2 のときにはS=0 x<x2 のときにはS<0 となる。
【0131】(3) 式を用いると、総合評価値Sは減少関
数になり、区間[x2 ,x1 ]では約0.5 〜−0.4 の値
になっている。この場合、総合評価値Sの許容範囲を0.
3 〜−0.2 とすると、図58において「・」をプロット
した評価値y1 、y2 、y3を持つ場合には、S=0.2
となるので、この光学系のピント状態は許容範囲内にあ
ると評価できる。ピントの調整および評価を行なうとき
に、関数gも同じものを使用することは前述したが、チ
ャート位置の組み合わせについても同様である。
【0132】また、以上の実施例では中間チャートをベ
スト位置近傍に配置した場合について説明したが、中間
チャートは遠方チャートと近方チャートの間であればよ
いので、遠方、近方チャートのいずれかに近い位置に配
置することも可能である。図59にそのときの評価値を
示した。この場合、基準総合評価値S0 を定めるピント
調整量xは区間[x2 ,x1 ]の外にあるが、区間[x
2 ,x1 ]で求めた関数gを区間外に拡張することは可
能である。関数gとして式(2) を用いた場合、基準総合
評価値S0 は負になるので、これを基に、上述した手法
によりピントの調整およびピントの評価を行なうことが
できる。
【0133】以上の通り本実施例では、近方、遠方、中
間チャートに基づく3つの評価値から演算して1個の総
合評価値を求め、この総合評価値に基づいてピント調整
量や、ピント位置を評価している。したがって、被検レ
ンズの3つの評価値が基準評価値から外れる場合でも、
的確なピントの評価、ピントの調整をすることができ
る。
【0134】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り請求項1
載の発明によれば、光ファイバーバンドルのような周期
構造を有する光学系においても、光学系により観察する
遠距離点および近距離点間の評価を、周期構造の影響を
受けることなく短時間で実行することが可能になり、こ
の評価に基づいてピント調整等を簡単にすることができ
る。
【0135】請求項17に記載の発明は、被検光学系の
倍率の変化やチャートの向き、被検光学系の非等方性に
影響されることなく、簡単に必要なチャート像を得るこ
とができるので、光学系の焦点調節、異なる物体距離に
おける像性能などを容易にかつ迅速に評価、検査でき
る。
【0136】請求項32に記載の発明は、パンフォーカ
ス光学系のピント調整において、異なる被写体距離に置
いたチャート部材の像のボケ量に対してそれぞれ目標値
を設定し、測定したボケ量が予め定めた目標値に近付く
ようにピント調整を行なうので、遠方から近方までバラ
ンスのとれたピント評価が容易に行なえる。
【0137】請求項44に記載の発明は、異なる3個の
物体距離におけるチャート板に基づいて総合評価値を演
算するので、より短時間でのピントの評価ができる。請
求項51に記載の発明は、異なる3個の物体距離にある
チャート手段に対して、被検結像光学系のピントを調整
しながら複数のピント評価値を求め、これらの複数のピ
ント評価値に基づいて求めた予め基準総合評価値と、同
様にして被検結像光学系に対する実測総合評価値とに基
づいてピント調整目標値、つまり調整すべきピント調整
量を演算により求めることができるので、より簡単に遠
近バランスに優れた最適なピント調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の像面位置評価方法により評価する被検
光学系の構成の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の像面位置評価方法により評価する被検
光学系の構成の一実施例を示す図である。
【図3】本発明の像面位置評価方法により評価する被検
光学系の構成の一実施例を示す図である。
【図4】本発明の像面位置評価方法により評価する被検
光学系の構成の一実施例を示す図である。
【図5】本発明の実施に使用するチャートの一実施例を
示す図である。
【図6】本発明の実施に使用するチャートの一実施例を
示す図である。
【図7】本発明の実施例におけるチャートの像およびサ
ンプリング方向を説明する図である。
【図8】チャート像の強度分布を示すグラフ図である。
【図9】図8に示す強度曲線の微分値を示すグラフ図で
ある。
【図10】強度曲線の微分値を示すグラフ図である。
【図11】微分値グラフから求めた評価値の光学系の移
動量に対する推移を示すグラフ図である。
【図12】図3、4に示す実施例の評価値の光学系の移
動量に対する推移を示すグラフ図である。
【図13】本発明の回路構成をブロックで示す図であ
る。
【図14】本発明を内視鏡の評価に使用した実施例を示
す図である。
【図15】同実施例による結像状態を示す図である。
【図16】同実施例による結像状態を示す図である。
【図17】同実施例による結像状態を示す図である。
【図18】同実施例による像の伝達の様子を説明する図
である。
【図19】同実施例による像の伝達の様子を説明する図
である。
【図20】同実施例における像の平均化をエッジ像のエ
ッジが伸びる方向に行なう様子を示す図である。
【図21】同実施例のエッジ像の強度曲線を示すグラフ
図である。
【図22】同実施例の平滑化(スムージング)の態様を
説明する図である。
【図23】スムージング後のエッジ像の強度曲線を示す
グラフ図である。
【図24】エッジ像の強度曲線の微分値を示すグラフ図
である。
【図25】エッジ像の強度曲線の微分値を示すグラフ図
である。
【図26】同微分値をフーリエ変換してMTFを示すグ
ラフ図である。
【図27】チャート装置に関する本発明の放射状チャー
ト板の一実施例を示す正面図である。
【図28】同チャート板を備えたチャート装置の使用状
態を示す側面図である。
【図29】同チャート装置の像の様子を示す図である。
【図30】チャート板の第2の実施例を示す正面図であ
る。
【図31】同第2の実施例の像の態様を示す図である。
【図32】本発明のチャート板の第3の実施例を示す斜
視図である。
【図33】同第3の実施例の側面図である。
【図34】同第3の実施例のチャート装置の像の様子を
示す側面図である。
【図35】別の本発明のピント評価方法、調整方法を適
用するチャート装置、ピント調整装置の実施例の概要を
ブロックで示す図である。
【図36】同チャート装置、ピント調整装置により内視
鏡のピント評価、調整を行なう制御系の実施例をブロッ
クで示す図である。
【図37】同実施例におけるチャート像およびサンプリ
ング状態を説明する図である。
【図38】同チャート像のサンプリング方向における光
強度分布を示す図である。
【図39】光強度曲線の微分値を示すグラフ図である。
【図40】対物レンズと結像面の間隔とピントの評価値
との関係を示すグラフ図である。
【図41】異なる物体距離に置いた各チャート像の評価
値と目標値との関係を説明するグラフ図である。
【図42】異なる物体距離に置いたチャート板を、光学
機器の受光面上に重複しない状態で結像するように構成
した実施例を示す概要図である。
【図43】同チャート板の構成を示す斜視図である。
【図44】同各チャート板の受光面上の結像状態を示す
図である。
【図45】本発明によりパンフォーカスコンパクトカメ
ラのピント調整を行なう一実施例を示す図である。
【図46】パンフォーカスの監視カメラのピント調整を
行なう実施例を示す図である。
【図47】本発明のピント評価方法およびピント調整方
法を実施する測定装置の一例を示す図である。
【図48】同測定装置のチャート板の構造を示す斜視図
である。
【図49】同測定装置において被検内視鏡により結像さ
れたチャート板の像状態を示す図である。
【図50】本発明のピント評価方法を実施する測定装置
の一例を示す図である。
【図51】本発明の方法により評価した被検内視鏡の評
価値とピント調整量との関係をグラフにより示した図で
ある。
【図52】同被検内視鏡の評価値とピント調整量との関
係をグラフにより示した図である。
【図53】同被検内視鏡の評価値とピント調整量との関
係をグラフにより示した図である。
【図54】図52において、区間[x2 ,x1 ]におけ
る各評価値を直線近似してグラフで示した図である。
【図55】図53において、区間[x2',x1']におけ
る各評価値を直線近似してグラフで示した図である。
【図56】本発明の方法により評価した被検内視鏡の評
価値とピント調整量との関係の一例をグラフで示す図で
ある。
【図57】各チャートの評価値から求めた総合評価値と
ピント調整量との関係をグラフで示す図である。
【図58】同グラフの縦軸を拡大して示す図である。
【図59】本発明の方法により評価した被検内視鏡の評
価値とピント調整量との関係のさらに別の例をグラフに
より示した図である。
【符号の説明】
11 チャート板 11i チャート板像 12 明部 13 エッジ部 13i エッジ像 14 暗部 17 イメージセンサ 19 サンプリング回路 21 演算手段 23 表示装置 25 評価手段 31 第1の結像レンズ 33 光ファイバーバンドル 35 第2の結像レンズ 41 透過型チャート部材 45 反射型チャート部材 51 対物レンズ 53 光ファイバーバンドル 53a 入射端面 53b 射出端面 55 接眼レンズ群 110 チャート装置 111 回動軸 113 チャート板 113e エッジ 114 ライン 115 チャート板 115e エッジ 116 ライン 117 チャート板 117e エッジ 118 ライン 119 チャート板 120 ライン 131 チャート板 133 チャート板 135 チャート板 140 内視鏡 141 対物レンズ 143 ファイバーバンドル 145 接眼レンズ 147 CCD撮像素子 210 ファイバースコープ 211 ファイバーバンドル 215 対物レンズ 219 接眼レンズ 223 CCDカメラ 231 マイクロステージ 241 画像入出力手段 243 コンピュータ 245 ディスプレイ 247 TVモニタ 251 チャート板 255 光源 281 マイクロステージ 285 画像入出力装置 286 コンピュータ 287 ディスプレイ 301 コンパクトカメラボディ 302 撮影レンズ 303 CCD撮像素子 311 TVカメラボディ 312 撮影レンズ 411 光ファイバーバンドル 413 先端部 413a 入射端面 415 対物レンズ 417 接眼レンズ 421 マイクロステージ 423 移動ステージ 425 対物レンズ固定部材 428 チャート板(近方、中間、遠方チャート板) 431 光源 435 光源 443 CCDカメラ(光電変換手段) 447 コンピュータ(像解析手段) 449 ディスプレイ 451 モニタTV 471 近方チャート板 472 遠方チャート板 473 中間チャート板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−137448 (32)優先日 平成6年6月20日(1994.6.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平2−51038(JP,A) 特開 昭63−94212(JP,A) 特開 昭62−174626(JP,A) 特開 昭57−158813(JP,A) 特開 昭56−2527(JP,A) 特開 昭63−128878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 A61B 1/00 - 1/32

Claims (55)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャート部材のエッジ像を光学系により
    受光手段ないしその近傍に結像する段階と、 上記結像されたエッジ像と交差する方向の光量分布をサ
    ンプリングするサンプリング段階と、 像界で期待される最良像面位置から前後等距離にある像
    界側の2点と共役となる物界側の2点を1組として1組
    以上の位置に配置したチャート部材に基づく上記受光手
    段からの出力信号に基づいて像面位置を評価する段階と
    を含み少なくとも上記物界側の一組の2点を、上記光学系によ
    り観察する遠距離点および近距離点としたこと を特徴と
    する光学系のピント評価方法。
  2. 【請求項2】 チャート部材のエッジ像を光学系により
    受光手段ないしその近傍に結像する段階と、 上記結像されたエッジ像と交差する方向の光量分布をサ
    ンプリングするサンプリング段階と、 像界で期待される最良像面位置から前後等距離にある像
    界側の2点と共役となる物界側の2点を1組として1組
    以上の位置に配置したチャート部材に基づく上記受光手
    段からの出力信号に基づいて像面位置を評価する段階
    と、 上記受光手段を光軸方向に移動させて、上記各組のチャ
    ート部材のエッジ像の評価値がほぼ等しくなった点を最
    良像面位置とする段階を含むことを特徴とする光学系の
    ピント評価方法。
  3. 【請求項3】 周期構造を有する光学素子を含む光学系
    のピント評価方法であって、 一次元方向に明暗差が存在するチャート部材を光学系に
    よって受光手段ないしその近傍に結像する段階と、 上記受光手段が受光した上記チャート部材像を平滑化し
    て、チャート部材像の明暗の変化方向に一次元データを
    得る段階と、 上記一次元データに基づいて所定の演算を行なう段階
    と、を含むことを特徴とする光学系のピント評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学系のピント評価方法
    は、上記一次元データを、上記明暗の変化方向と直交す
    る方向に平均化する段階を含むこと、を特徴とする光学
    系のピント評価方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光学系のピント評価方法
    は、上記光学系の光路中に配置したローパスフィルタに
    より上記チャート部材像を光学的に平滑化する段階を有
    すること、を特徴とする光学系のピント評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の光学系のピント評価方法
    において、上記チャート部材像は、エッジ像である光学
    系のピント評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光学系のピント評価方法
    において、上記演算段階では、上記エッジ像から直接評
    価値を演算する光学系のピント評価方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の光学系のピント評価方法
    において、上記演算段階は、上記エッジ像の一次元デー
    タを微分してLSFを算出する段階と、このLSFから
    評価値を算出する段階とを含む光学系のピント評価方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の光学系のピント評価方法
    において、上記チャート部材像は、直線像である光学系
    のピント評価方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の光学系のピント評価方
    において、上記受光手段から出力されたライン像デー
    タに基づいてLSFを算出する段階を含む光学系のピン
    ト評価方法。
  11. 【請求項11】 請求項8または10記載の光学系のピ
    ント評価方法において、上記演算段階は、上記評価値と
    して、LSFをフーリエ変換してMTFを算出する段階
    を含む光学系のピント評価方法。
  12. 【請求項12】 請求項8または10記載の光学系のピ
    ント評価方法において、上記演算段階は、上記評価値と
    して、LSFの標準偏差を算出する段階を含む光学系の
    ピント評価方法。
  13. 【請求項13】 請求項8または10記載の光学系のピ
    ント評価方法において、上記演算段階は、LSFの幅を
    算出する段階を含む光学系のピント評価方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の光学系のピント評価
    方法において、上記LSFの幅を評価値とする光学系の
    ピント評価方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の光学系のピント評価
    方法において、上記評価値として、上記幅内で上記LS
    Fをフーリエ変換してMTFを算出する段階を含む光学
    系のピント評価方法。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の光学系のピント評価
    方法において、上記評価値として、上記幅内のLSFの
    標準偏差を算出する段階を含む光学系のピント評価方
    法。
  17. 【請求項17】 チャート部材の像を被検光学系により
    その所定距離の観測面上に形成させるチャート装置であ
    って、 複数のチャート部材を、異なる物体距離に配置し、さら
    に各チャート部材の像が上記被検光学系により所定距離
    の観測面上の異なる位置に同時に形成されるように配置
    したこと、を特徴とするチャート装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のチャート装置におい
    て、少なくとも2個のチャート部材は、それらの像が上
    記被検光学系の上記所定観測面位置で等デフォーカス量
    となることが期待される物体距離に配置されるチャート
    装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のチャート装置におい
    て、少なくとも1個のチャート部材は、上記被検光学系
    の上記所定観測面位置が最良結像位置になることが期待
    される物体距離に配置されるチャート装置。
  20. 【請求項20】 請求項17から19のいずれか一項記
    載のチャート装置において、上記チャート部材は、濃淡
    部が一次元方向に変化する一次元チャート像を形成する
    チャート板からなるチャート装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載のチャート装置におい
    て、上記一次元チャート像は、上記チャート板に明暗部
    の境界で形成されたエッジチャートにより形成されるチ
    ャート装置。
  22. 【請求項22】 請求項20記載のチャート装置におい
    て、上記一次元チャート像は、上記チャート板に形成さ
    れたラインチャートにより形成されるチャート装置。
  23. 【請求項23】 請求項21または22記載のチャート
    装置において、上記一次元チャートは放射方向に形成さ
    れているチャート装置。
  24. 【請求項24】 請求項21から23のいずれか一項
    載のチャート装置において、上記一次元チャート板は、
    光軸に対して異なる距離に配置されているこチャート装
    置。
  25. 【請求項25】 請求項17から24のいずれか一項記
    載のチャート装置において、上記チャート部材は、回転
    可能に形成されているチャート装置。
  26. 【請求項26】 請求項25記載のチャート装置におい
    て、上記各チャート板は、回転自在な回転軸に固定され
    た扇形のチャート板であり、各扇形の中心角は、チャー
    ト板の数をnとしたときにおよそ360゜/nであるチ
    ャート装置。
  27. 【請求項27】 請求項26記載のチャート装置におい
    て、上記扇形チャート板の半径は、被検光学系からの距
    離に比例しているチャート装置。
  28. 【請求項28】 請求項25から27のいずれか一項記
    載のチャート装置において、上記回転中心は被検光学系
    の光軸と一致しているチャート装置。
  29. 【請求項29】 請求項25から27のいずれか一項記
    載のチャート装置において、上記回転中心は被検光学系
    の光軸から離反しているチャート装置。
  30. 【請求項30】 請求項17から28のいずれか一項記
    載のチャート装置において、上記各チャート部材は、被
    検光学系の結像面のおよそ30%以内に同時に結像され
    るチャート装置。
  31. 【請求項31】 光学系のピント評価方法であって、 1つまたは複数のチャート部材を、光学系の異なる物体
    距離に配置する段階と、 上記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手
    段に上記各チャート部材を結像させる段階と、 上記異なる物体距離のチャート部材の上記受光手段への
    結像に対する予め設定された目標値に対して、上記受光
    手段に結像された各チャート部材の像の評価値を算出す
    る段階と、を含むことを特徴とする光学系のピント評価
    方法。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の光学系のピント評価
    方法において、遠距離側のチャート部材の評価値の方を
    近距離側のチャート部材の評価値よりも重視する光学系
    のピント評価方法。
  33. 【請求項33】 請求項31記載の光学系のピント評価
    方法において、近距離側のチャート部材の評価値の方を
    遠距離側のチャート部材の評価値よりも重視する光学系
    のピント評価方法。
  34. 【請求項34】 請求項31から33のいずれか一項記
    載の光学系のピント評価方法において、上記遠距離側の
    チャート部材と上記近距離側のチャート部材の間に中間
    チャート部材を置き、該中間チャート部材の目標値が、
    上記遠距離側のチャート部材の目標値および上記近距離
    側のチャート部材の目標値よりも小さい光学系のピント
    評価方法。
  35. 【請求項35】 請求項31から34のいずれか一項記
    載の光学系のピント評価方法において、上記目標値およ
    び上記評価値は、上記受光手段に結像された各チャート
    部材の像のボケ量に関する値である光学系のピント評価
    方法。
  36. 【請求項36】 請求項35記載の光学系のピント評価
    方法において、上記チャート部材は複数からなり、各チ
    ャート部材を複数の物体距離において、該チャート像の
    ボケ量に対して相異なる目標値を設定する光学系のピン
    ト評価方法。
  37. 【請求項37】 光学系のピント調整方法であって、 1つまたは複数のチャート部材を、被検光学系の異なる
    物体距離に配置する段階と、 上記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手
    段に上記各チャート部材を結像させる段階と、 上記各チャート部材の上記受光手段上の像に対する予め
    設定された目標値に対して、上記受光手段に結像された
    各チャート部材の像の評価値を算出するピント評価段階
    と、 上記目標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学
    系のピント位置を調整するピント調整段階と、を含み、 上記ピント調整段階では、遠距離側のチャート部材の評
    価値の方を近距離側のチャート部材の評価値よりも重視
    すること、 を特徴とする光学系のピント調整方法。
  38. 【請求項38】 光学系のピント調整方法であって、 1つまたは複数のチャート部材を、被検光学系の異なる
    物体距離に配置する段階と、 上記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手
    段に上記各チャート部 材を結像させる段階と、 上記各チャート部材の上記受光手段上の像に対する予め
    設定された目標値に対して、上記受光手段に結像された
    各チャート部材の像の評価値を算出するピント評価段階
    と、 上記目標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学
    系のピント位置を調整するピント調整段階と、を含み、 上記ピント調整段階は、 近距離側のチャート部材の評価
    値の方を遠距離側のチャート部材の評価値よりも重視す
    ること、を特徴とする光学系のピント調整方法。
  39. 【請求項39】 光学系のピント調整方法であって、 1つまたは複数のチャート部材を、被検光学系の異なる
    物体距離に配置する段階と、 上記光学系の結像位置ないしその近傍に配置した受光手
    段に上記各チャート部材を結像させる段階と、 上記各チャート部材の上記受光手段上の像に対する予め
    設定された目標値に対して、上記受光手段に結像された
    各チャート部材の像の評価値を算出するピント評価段階
    と、 上記目標値と上記算出した評価値とに基づいて被検光学
    系のピント位置を調整するピント調整段階と、を含み、 上記遠距離側のチャート部材と上記近距離側のチャート
    部材の間に中間チャート部材を置き、該中間チャート部
    材の目標値が、上記遠距離側のチャート部材の目標値お
    よび上記近距離側のチャート部材の目標値よりも小さく
    設定されていること、を特徴とする光学系のピント調整
    方法。
  40. 【請求項40】 請求項37から39のいずれか一項記
    載の光学系のピント調整方法において、上記目標値およ
    び上記評価値は、上記受光手段に結像された各チャート
    部材の像のボケ量に関する値である光学系のピント調整
    方法。
  41. 【請求項41】 請求項40記載の光学系のピント調整
    方法において、上記チャート部材は複数からなり、各チ
    ャート部材を複数の物体距離において、該チャート像の
    ボケ量に対して相異なる目標値を設定すること、を特徴
    とする光学系のピント調整方法。
  42. 【請求項42】 光学系のピント調整装置であって、 被検光学系の複数の物体距離に配置されるチャート部材
    と、 上記光学系の結像位置ないしその近傍に配置された受光
    手段と、 上記受光手段に形成された各チャート部材の像のボケ量
    を算出するボケ量算出手段と、 上記各チャート部材の像の算出ボケ量が、予め設定され
    た目標値に一致するするように上記被検光学系のピント
    位置を調整するピント調整手段と、 を備えたこと、を特徴とする光学系のピント調整装置
  43. 【請求項43】 結像光学系のピントを評価する方法で
    あって、 被検結像光学系に対して最も良好なフォーカスが期待さ
    れる物体距離を挟む所定距離範囲内に位置するN個(た
    だし、Nは2以上の整数)のチャート手段の、上記被検
    結像光学系により形成された像を電気的なデータに変換
    する段階; 上記変換された各データに基づいて各チャート手段に対
    するピント評価値yn(n=1〜N)を演算する段階; 上記N個の評価値yn に基づいて関数、 S=g(y1 ,y2 ,…,yn ,…,yN ) により実測総合評価値Sを演算する段階;および、 上記実測総合評価値Sと、あらかじめ設定された基準総
    合評価値S 0 とを比較して評価する段階を含むこと 、を
    特徴とするピントの評価方法。
  44. 【請求項44】 被検結像光学系に対して最も良好なフ
    ォーカスが期待される物体距離よりも近方に位置する近
    方チャート手段、同遠方に位置する遠方チャート手段、
    および上記2つのチャート手段の間に位置する中間チャ
    ート手段の、上記被検結像光学系により形成された像を
    電気的なデータに変換する段階; 上記変換された各データに基づいて各チャート手段に対
    するピント評価値y1、y2 、y3 を演算する段階;お
    よび、 上記3個の評価値y1 、y2 、y3 に基づいて関数、 S=g(y1 ,y2 ,y3 ) により実測総合評価値Sを演算する段階;を含むことを
    特徴とするピントの評価方法。
  45. 【請求項45】 請求項44記載のピントの評価方法は
    さらに、上記実測総合評価値Sと、あらかじめ設定され
    た基準総合評価値S0 とを比較する段階を含むピントの
    評価方法。
  46. 【請求項46】 請求項44または45記載の光学系の
    ピントの評価方法において、上記関数gは、 (y1 −y2 )/(y2 −y3 ) で表わされるピントの評価方法。
  47. 【請求項47】 請求項44または45記載の光学系の
    ピントの評価方法において、上記関数gは、 (y2 −y3 )/(y1 −y3 ) で表わされるピントの評価方法。
  48. 【請求項48】 請求項44または45記載の光学系の
    ピントの評価方法において、上記関数gは、 y3 /y2 −y2 /y1 で表わされるピントの評価方法。
  49. 【請求項49】 請求項43または45記載の光学系の
    ピントの評価方法において、上記比較結果に基づいてピ
    ント状態を変化させる段階を含むピントの評価方法。
  50. 【請求項50】 被検結像光学系に対して最も良好なフ
    ォーカスが期待される物体距離を挟む所定距離範囲内に
    位置するN個(ただし、Nは2以上の整数)のチャート
    手段の、上記被検結像光学系により形成された像を電気
    的なデータに変換する段階; 上記変換された各データに基づいて上記各チャート手段
    に対するピント評価値yn (n=1〜N)を演算する段
    階; ピント調整量xによりピント状態を変化させる段階; 上記ピント評価値yn をピント調整量xの関数、 yn =fn (x) で表わす段階; 上記N個のピント評価値yn (n=1〜N)に基づいて
    関数、 S=g(y1 ,y2 ,…,yn ,…,yN ) により実測総合評価値Sを演算する段階; 上記関数fn 、gと上記ピント評価値yn および上記実
    測総合評価値Sに基づいて、予め設定された基準総合評
    価値S0 を満足するピント調整目標値x0 を演算により
    求める段階;および、 上記関数f n (x)を直線近似して得られる関数f′ n
    (x)を用いて、上記基準総合評価値S 0 を満足するピ
    ント調整目標値x 0 を演算する段階;を含むこと を特徴
    とするピントの調整方法。
  51. 【請求項51】 被検結像光学系に対して最も良好なフ
    ォーカスが期待される物体距離よりも近方に位置する近
    方チャート手段、同遠方に位置する遠方チャート手段、
    および上記2つのチャート手段の間に位置する中間チャ
    ート手段の、上記被検結像光学系により形成された像を
    電気的なデータに変換する段階; 上記変換された各データに基づいて上記各チャート手段
    に対するピント評価値y1 、y2 、y3 を演算する段
    階; ピント調整量xによりピント状態を変化させる段階; 上記ピント評価値y1 、y2 、y3 をピント調整量xの
    関数、 y1 =f1 (x) y2 =f2 (x) y3 =f3 (x) で表わす段階; 上記3個のピント評価値y1 、y2 、y3 に基づいて関
    数、 S=g(y1 ,y2 ,y3 ) により実測総合評価値Sを演算する段階;および、 上記関数f1 、f2 、f3 、gと上記ピント評価値y
    1 、y2 、y3 および上記実測総合評価値Sに基づい
    て、予め設定された基準総合評価値S0 を満足するピン
    ト調整目標値x0 を演算により求める段階;を含むこと
    を特徴とするピントの調整方法。
  52. 【請求項52】 請求項51記載のピントの調整方法は
    さらに、上記関数f1 (x)、f2 (x)、f3 (x)
    を直線近似して得られる関数f′(x)1 、f′(x)
    2 、f′(x)3 を用いて、上記基準総合評価値S0
    満足するピント調整目標値x0 を演算する段階を含むピ
    ントの調整方法。
  53. 【請求項53】 請求項51または52記載のピントの
    調整方法において、上記関数gは、 (y1 −y2 )/(y2 −y3 ) で表わされるピントの調整方法。
  54. 【請求項54】 請求項51または52記載のピントの
    調整方法において、上記関数gは、 (y2 −y3 )/(y1 −y3 ) で表わされるピントの調整方法。
  55. 【請求項55】 請求項51または52記載のピントの
    調整方法において、上記関数gは、 y3 /y2 −y2 /y1 で表わされるピントの調整方法。
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