JP4644749B2 - マルチコンポーネントの射出成形のための交換可能な支持体システム - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

近年、プラスチック部品の射出成形の工程および技術は、急激に増加している。例えば、玩具業界、自動車業界、消費業界、包装業界、および電化製品業界において、マルチコンポーネント技術は、臨界量に至っており、近代的な製品デザインによって促進されており、多数の材料を必要としている。また、多数の目立つ色、または、硬質の／軟質の材料の組み合わせは、製品の見た目および感触を良くする。マルチコンポーネント射出成形の審美学的および人間工学的な物に加えて、例えば、我々の日常生活の一部でも、２つのコンポーネントの単純な歯ブラシがある。この技術は、例えば、シールおよびバルブなどの技術部品の効率的な製造を可能にするという点で、多くの用途を有している。

マルチコンポーネント技術の別の用途としては、例えば、非結合ポリマー材料の選択、または、プロセスを好ましい制御によって、スライド継ぎ手またはヒンジのような移動可能なコンポーネントを用いた物品の製造がある。結果として、材料の接着が不要である。

結果として、マルチコンポーネント技術を使用する最も大きな利点は、成形プロセス後に、組み立て品を必要とせずに、単一の製造操作において、異なる質感、色、機能の組み合わせを持つ物品の製造が可能である。結果として、このプロセスは、明らかに有益であり、コスト面でも有利である。

所望の結果物に応じて、種々のマルチコンポーネント製造プロセスが可能である。

１）２回の射出、同時成形、サンドイッチ成形、または“融解結合”プロセス：２つの独立した射出ユニットを用いて、同時にまたは順々に、コンポーネントは、キャビティに対して射出される。
２）“コア−バック（core-back）”プロセス：第１コンポーネントの射出および冷却後、金型部の動作およびバルブの開口は、同じキャビティへ第２材料を注入することが可能にする。
３）トランスファ成形プロセス：第１コンポーネントは、機械の金型へ射出され、その後、同じ機械または第２機械の他の金型キャビティへ移動され、第２のコンポーネントが射出される。この移動は、適切な装置によって手動でまたは自動的に行うことができる。
４）回転プロセス：マルチコンポーネントプロセスは、一つの金型および一つの射出成形機によって達成される。
第１コンポーネントは、別のキャビティへ射出され、このキャビティに対して回転し、第２コンポーネントの射出が行われる。
パーツの形状、サイズ、機械のクランピング力に応じて、種々の回転方法が用いられる。
“インデックスプレート”、または、回転テーブルを用いた回転は、工具若しくは機械と一体となって行われる。
５）“回転スタック成形”プロセス：このプロセスは、従来のスタック成形に類似している。このスタック成形では、複数の分断面が用いられる。
このタイプの成形は、少なくとも２倍数のキャビティが与えられ、それゆえ、所定の機械から、２倍のパーツ製品が与えられる。“回転スタック成形”システムでは、金型の中心部が回転して、一つのコンポーネントまたは材料を一つの分離面に成形し、他の材料を第２分離面に成形する。より最近のシステムは、工具に中心回転ブロックを取り入れたプロセスに基づいており、この工具は垂直軸を中心に回転する。マルチコンポーネント成形のこのシステムは、大きく／長い部分の製造が可能であり、上記の回転システムを用いたより大きな機械を必要とする。要約すれば、“回転スタック成形”システムは、上記の回転システムよりもかなり小さい主要設備の２倍の製造または使用が可能である。

これらの“回転スタック成形”システムは、上記した利点にも関わらず、その複雑さのために、頻繁に、高セットアップの不具合、または、金型変化時間の不具合がある。

近代の産業では、“時は金なり”であり、生産作動させるためには最小限の設備切り替え時間が必要であることが知られている。

これらの複雑な問題への対処を試みた解決手段がある。この手段は、金型のすばやい変化、中断時間の省略を可能にする。例えば、特許ＵＳ６，５５８，１４９、ＵＳ２００２／０１０１００５などのように、この分野のいつくかの発明が知られている。これらには、例えば、オイル、水、および電力の供給などの機能を取り入れた金型支持体システムについて記載されている。これらの回転支持体システムは、設置された機械に依存してしまう、という不便な点を持っている。

本発明の主要なコンポーネントは、図１，２に記載の“Ｃ”（１３）形状の支持体システムである。この基本的な機能および構成は、容易に工具の設置、始動を行うことができ、マルチショット物体の製造にも用いることができる。

上記した利点とは別に、本発明は、他のあらゆる射出成形機にも再設置することができる。また、射出成形機から独立させることもできる。

本発明の目的は、回転スタック成形において、統合回転システムを持つ交換可能な支持システムを実証することである。この回転スタック成形は、射出成形機から独立したマルチコンポーネント物体の製造のために用いられる。

ここに記載された本発明は、マルチコンポーネント成形システムの生産性を十分改善した交換可能な支持体装置に関連している。異なる射出機の中へのシステム全体の設置時間の実質的な改善だけでなく、金型の容易な設置を行うことができる。

ここで、本発明を簡単に記載すると、実際、機械プラテンの唯一つに固定された全体の支持体システムに基づいている。これは、必要であれば、別の射出成形機へ設備をすばやく移動させることができる。金型に対して正しい角度に調整された腕部を持つ“Ｃ”形状の支持体（１３）があるので、金型の機能に必要な集積されたメカニズムは、すばやい金型の変化を可能にする。支持体システムは、機械プラテン（１１，図１および図２）の一つに固定されているので、すばやい取り外し、異なる射出成形機への再設置を容易かつ単純に達成することができる。

本発明（取り替え可能な支持体システム）は、それぞれが、スライド装置および回転装置に設置され、フレームに垂直な２つの平行な“腕部”を持つ長方形のフレームを備えている。スライド装置は、水圧シリンダーによって駆動され、長手方向へ動く。回転ユニットは、独立回転駆動と、上部（７）および別の下部（１７）の２つの支持プラテンと、を備えている、このシステムに接続されている。金型の中央回転部は、スライド装置の動きによって長手方向へ動き、交換可能な支持体（１３）の周りを回転する、支持プラテンの間に設置された中央金型（４）によって設計されている。この組み立て品は、射出機械（１１）の固定プラテンに設置されている。支持体フレームの内部において、前方金型として設置された金型キャビティの半分のうち一つは固定されている。後方金型（２）として設置された第２材料のための金型の他の金型のキャビティ側面は、通常、射出機械（１）の移動プラテンに接続されている。

図１は、一般的な斜視図であり、図２は、縦断面図であり、本発明の種々の他の形態は、これらの図の参照および製造例を通じた、以下の記載から明らかになるであろう。これらの簡略化した構成は、明確であるが、これらに限定されるものではない。

・図１によれば、本発明は、マルチコンポーネントアイテムの成形に用いる、取り外し可能かつ交換可能な支持体（１３）を備えている。交換可能な支持体（１３）は、プラテン（１１）に固定された射出成形機上に設置されている。図１は、前方金型（１２），中央金型（４）および後方金型（２）として知られた、主要な３つの部分を備えた金型の設置を示している。前方金型（１２）は、機械固定プラテン（１１）に近接した領域の交換可能な支持体（１３）の内部に設置されている。中央金型（４）は、上部（７）および下部（１７）が回転可能な支持面に固定されている。一方、後方金型（２）は、通常、射出成形機械移動プラテン（１）に固定されている。

・上部（６）および下部（１８）のスライド面は、それぞれ、上部直線ガイド（５）、下部直線ガイド（１６）を介して、交換可能な支持体（１３）の上部（９）腕部および下部（１５）腕部の上端に接続されており、中央金型（４）の長手方向の移動が可能である。これらの面は、上部（８）および下部（２３，図２）の水圧シリンダーによって動き、この動きによって、上部（６）および下部（１８）スライド面の同時かつ等しい動きを可能とする。

・ベアリング（２２，図２）によって上部（６）および下部（１８）のスライド面は、上部（７）および下部（１７）にそれぞれ接続され、中央金型（４）が固定される。上部回転支持面（７）は、モーターおよびギアの駆動（２０）によって駆動し、中央金型（４）が回転する。

・射出サイクルが始まると、まず、前方金型（１２）および後方金型（４）が、閉じ、中央金型（４）の周りに固定される。前方（１２）の反対側および中央金型（４）の間のキャビティは、中央金型（４）および後方金型（２）の間の第２コンポーネントと共に射出される第１コンポーネントとして規定される。その後、材料が上記のキャビティへ射出される一方、前方（１２）、中央（４）および、後方（２）の金型が閉じる。

・射出後、射出成形機械プラテン（１，１１）の開口の自然な動きによって、金型は、長手方向へ開口する。この動きの間、中央金型（４）は、上部（８）および下部（２３）水圧シリンダーによって上部（５）および下部（１６）直線ガイド上を動く上部（６）および下部（１８）スライド面の動きによって、前方金型（４）から離れて後方金型（２）の方へ動く。このように交換可能な支持体（１３）が構成される。

・金型の開口の最大ストロークに対応して、上部（６）および下部（１８）スライド面が上部（９）および下部（１５）腕部の端部に達したとき、射出部は、中央金型（４）および後方金型（２）の間に形成されたキャビティから押し出される。

・中央金型（４）は、１８０度回転し、コンポーネントは、金型を作る。すなわち、射出成形機動作プラテン（１）の自然な閉動作によって、前方金型（１２）、中央金型（４）、後方金型（２）は、再び、長手方向へ閉じられる。上記した状態に戻り、完全に初期の動作位置になる。

・第１コンポーネントの射出は、機械射出ノズル（２４）によって行われ、第２コンポーネントは、二次射出ユニットによって行われる。この場合、長手方向または垂直方向（不図示）に位置する。しかし、他のバリエーションは、当業者であれば、わかるであろう。

・異なる容積を持つ金型に対して交換可能な支持体（１３）の調整を可能にするために、上部腕部（９）および下部腕部（１５）のそれぞれの高さに調整できる、２つの上部（１０）および下部（１４）調整装置を取り入れている。

・冷却のため、および、水圧および／または空気圧アクチュエータに供給するために、オイル、空気、および水（１９）の種々の通路が取り入れられており、供給、および、復帰のラインは常に交換可能な支持体（１３）へ与えられる。

・図１から分かるように、中央金型（４）は、前方金型（２）との間に十分な空間を持ち、両面が近づく。中央金型（４）と後方金型（２）は、これらの空間に金型の放出を行う。しかしながら、中央ブロックは、９０度の回転を可能にし、金型部を放出する別の可能性を得ることができる。

・ここでは、回転角度を１８０度にしているが、例えば、９０度も考えられ、この角度は、中央金型の面の数に依存している。

〔符号の説明〕
１ 機械動作プラテン
２ 後方金型
３ 機械連結バー
４ 中央金型
５ 上部直線案内のセット
６ 上部スライド面
７ 上部回転支持面
８ 上部シリンダー
９ 上部腕部
１０ 上部調整装置
１１ 機械固定プラテン
１２ 前方金型
１３ 交換可能な支持体
１４ 下部調整装置
１５ 下部腕部
１６ 下部直線案内のセット
１７ 下部回転支持面
１８ 下部スライド面
１９ 水、空気、およびオイル供給および返還
２０ モーターおよびギア駆動
２１ キャビティ
２２ ベアリングのセット
２３ 下部シリンダー
２４ 射出ノズル

本発明を示す、斜視図である。 本発明を示す、縦断面図である。

Claims (1)

1. マルチコンポーネントプラスチック部品の製造に用いられ、射出成形機に設置することができる、マルチコンポーネント成形のための交換可能なサポートシステムであって、
   上記射出成形機の固定プラテンの一つに取り付けられる支持体（１３）を備え、
   上記支持体（１３）は、互いに平行かつ上記支持体（１３）に垂直な２つの拡張部または腕部（９及び１５）を持ち、ひと組の調整装置（１０及び１４）によって空間を変化させることができ、
   上記拡張部または上記腕部（９及び１５）は、外側に、２つのシリンダー（８及び２３）による作用によってスライド装置が作動する直線ガイド（５及び１６）を有し、
   このスライド装置は、直線運動のみ行う２つの自由スライド面（６及び１８）と、動力（２０）によって回転を行う２つの回転支持面（７及び１７）とを含んでおり、
   前方金型（１２）は、上記支持体（１３）の内部側面に設置され、
   中央金型（４）は、上記回転支持面（７及び１７）の間に設置され、
   第２後方金型（２）は、固定プラテン（１１）に対して反対側にある射出成形機械移動プラテン（１）の上に設置されることを特徴とする交換可能なサポートシステム。

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