JP2019111672A - 射出吹込成形機の型開閉方法 - Google Patents

射出吹込成形機の型開閉方法 Download PDF

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倫範 河口
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Abstract

【課題】型開閉に要する時間を短縮して成形サイクルを短縮する射出吹込成形機の型開閉方法を提供する。【解決手段】射出吹込成形機(1)は型締装置(2)が固定盤(5)と可動盤(6)と反転的に回転する中間盤(8)とからなり、固定盤(5)には射出成形用金型(21)が、可動盤(6)にはブロー成形用金型(23A、23a)が設けられており、射出成形によりパリソンを形成し、これをブロー成形するようになっている。可動盤(6)、中間盤(8)の型開閉機構、中間盤(8)の回転機構はサーボモータ(18、33、38)により駆動する。型締装置(2)を型開きし中間盤(8)を反転的に回転し、そして型締装置(2)を型閉じする型開閉動作は、型締装置(2)の型開き動作と中間盤(8)の型開き動作と中間盤(8)の回転を並行して実施する。また中間盤(8)の回転動作と、型締装置(2)の型閉じ動作と中間盤(8)の型閉じ動作を並行して実施する。【選択図】 図2

Description

本発明は、射出成形によりパリソンを成形する射出成形機と、ブロー成形によりパリソンから中空成形品を成形するブロー成形機とが一体化された射出吹込成形機の型開閉方法に関するものである。
樹脂製の中空容器の多くはブロー成形法により成形される。ブロー成形法は、例えば二つ割の金型を使用する。金型には成形品の外側を形成するためのキャビティが形成されており、二つ割の金型によって加熱した中空の樹脂すなわちパリソンを挟み込み、パリソンの内側に空気を吹き込む。そうするとパリソンは膨張してキャビティに押し付けられる。すなわち中空成形品が得られる。樹脂が冷却固化したら金型を開いて中空成形品を取り出す。ところでパリソンには、いわゆるダイレクトブロー成形法において押し出されて出てくるパイプ状のパリソンもあるし、有底のパリソンもある。有底のパリソンは射出成形によって成形することができる。射出成形によりパリソンを成形し、このパリソンからブロー成形する方法は、インジェクションブロー成形法と呼ばれている。さらに射出成形したパリソンを冷却せずに速やかにブロー成形する場合は、ホットパリソン・インジェクションブロー成形法と呼ばれることもある。
ホットパリソン・インジェクションブロー成形法は、パリソンを冷却せずに使用するので、換言するとパリソンを再加熱せずに使用するのでエネルギーの無駄が少なく優れている。ホットパリソン・インジェクションブロー成形法を効率よく実施できる装置として、射出吹込成形機が知られている。射出吹込成形機は、例えば特許文献1に記載されているように周知であり、射出成形機とブロー成形機が一体化されたような構造からなる。
特開2006−35667号公報
特許文献1に記載されているような代表的な射出吹込成形機は、固定盤と可動盤とこれらの間に設けられている中間盤とを備えている。可動盤は型締機構によって駆動されるようになっており、中間盤は、固定盤側に設けられている所定の中間盤開閉機構によって駆動されるようになっている。固定盤には射出成形用金型が設けられ、固定盤の背面に設けられている射出装置のノズルが射出成形用金型のスプルにタッチしている。固定盤と中間盤とが型閉じされると、射出成形用金型と中間盤の所定の部分とによってパリソンを成形するためのキャビティが形成されるようになっている。一方、可動盤には可動盤上でスライドする二つ割のブロー成形用金型が設けられている。中間盤と可動盤とが型閉じされ、そして二つ割のブロー成形用金型がスライドして一体化するとブロー成形用のキャビティが形成されるようになっている。特許文献1に記載の射出吹込成形機においては、中間盤には中間盤に対して回転する回転枠と回転枠によって移動される成形品把持装置が設けられている。射出成形用金型と中間盤との間で射出成形されたパリソンは、成形品把持装置によって把持されて回転枠によって回転し、中間盤の反対側の面、すなわち可動盤側に移動するようになっている。特許文献1に記載の射出吹込成形機においては、次のように中空成形品を成形する。まず中間盤開閉機構によって中間盤と固定盤とを型閉じし、そして型開閉機構により可動盤を駆動して可動盤と中間盤とを型閉じする。すなわち型盤を型締めする。射出装置から樹脂を射出すると、固定盤と中間盤の間で型締めされている射出成形用金型内のキャビティにおいてパリソンが成形される。型締機構を駆動して可動盤を開き、そして中間盤開閉機構を駆動して中間盤を固定盤に対して開く。そうするとパリソンが中間盤に残る。回転枠を回転すると成形品把持装置によってパリソンが中間盤の反対側の面に移動する。再び、前記したようして中間盤と固定盤とを型閉じし、そして可動盤と中間盤とを型閉じする。可動盤に設けられている二つ割のブロー成形用金型をスライドして一体化させると、成形品把持装置によって移動されたパリソンはブロー成形用金型で挟み込まれた状態になる。ブロー成形を実施して中空成形品を成形する。このとき射出装置から樹脂を射出して、射出成形用金型において次のパリソンを成形する。可動盤を開き、そして中間盤を固定盤に対して開き、中空成形品を得る。回転枠を回転して射出成形されたパリソンを中間盤の反対側の面に移動する。以下、同様にして成形する。
射出吹込成形機によっては、特許文献1に記載の射出吹込成形機のような回転枠と成形品把持装置とを設けずに、中間盤自体を反転的に回転させるようになっているものも多い。このような射出吹込成形機においては、中間盤と固定盤とを型閉じし、そして型締機構により可動盤を駆動して可動盤と中間盤とを型閉じして射出成形する。可動盤を開いて中間盤を固定盤から開くと、パリソンが中間盤に残る。次いで中間盤を反転させると、パリソンは可動盤側に移動する。つまり可動盤と対向することになる。この状態で、中間盤と固定盤とを型閉じし、そして型締機構により可動盤を駆動して可動盤と中間盤とを型閉じし、二つ割のブロー成形用金型を一体化させると、パリソンがブロー成形用金型によって挟み込まれることになる。これによってブロー成形が実施できる。
特許文献1に記載の射出吹込成形機によっても、あるいは中間盤が反転的に回転するようになっている従来の射出吹込成形機によっても、ホットパリソン・インジェクションブロー成形法により樹脂製中空容器を成形することができる。射出成形からブロー成形まで1台の機械で実施できるので、汚れの付着の心配もないし、製造効率が高い。そしてパリソンは冷却することなくブロー成形できるので、エネルギー効率が高く優れている。しかしながら、射出吹込成形機には改善する余地があるように見受けられる。具体的には、製造効率を更に高くできる余地がありそうである。特許文献1に記載の射出吹込成形機においてパリソンを射出してこれをブロー成形するために、型開閉するには、型締装置を開く工程、中間盤を固定盤に対して開く工程、成形品把持装置によってパリソンを把持し回転枠を回転してパリソンを中間盤の反対側の面に移動する工程、中間盤を固定盤に対して型閉じする工程、型締装置を型閉じする工程、からなり多段階の工程を必要とする。中間盤が反転的に回転する従来の射出吹込成形機において型開閉するには、型締装置を開く工程、中間盤を固定盤に対して開く工程、中間盤を回転してパリソンを中間盤の反対側の面に移動する工程、中間盤を固定盤に対して型閉じする工程、型締装置を型閉じする工程、からなり、これも多段階の工程を必要とする。多くの射出吹込成形機は、油圧で駆動されるようになっていて、これらの一連の工程を順番に実施しなければならない。油圧による駆動は、駆動力が低下する虞があるので2以上の動作を並行して実施できないからであり、比較的時間を要する。従って、成形サイクルが長くなって製造効率が十分に高いとは言えないし、比較的時間を要するのでパリソンの温度が低下する問題もある。
本発明は、上記したような問題点を解決した、射出吹込成形機の型開閉方法を提供することを目的としており、具体的には、型開閉に要する時間を短縮して成形サイクルを短縮し、それによって製造効率が高く、パリソンの温度低下の問題もない射出吹込成形機の型開閉方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、型締装置が固定盤と、可動盤と、固定盤と可動盤の間に設けられて反転的に回転する中間盤とからなる射出吹込成形機の型開閉方法として構成される。固定盤には射出成形用金型が可動盤にはブロー成形用金型が設けられており、射出成形によりパリソンを形成し、これをブロー成形するようになっている。可動盤を駆動する型締機構、中間盤を型開閉する中間盤開閉機構、中間盤を回転する回転機構はいずれもサーボモータにより駆動するようにする。本発明においては、型締装置を型開きし中間盤を反転的に回転し、そして型締装置を型閉じする型開閉動作は、型締装置の型開き動作と中間盤の型開き動作を並行して実施し、この実施中において中間盤の回転を開始するようにし、中間盤の回転中に型締装置の型閉じ動作と中間盤の型閉じ動作を開始するようにする。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、型締装置が固定盤と、型締機構によって型開閉される可動盤と、前記固定盤と前記可動盤の間に設けられている中間盤とからなり、前記固定盤には射出成形用金型が前記可動盤にはブロー成形用金型がそれぞれ設けられ、前記型締装置を型閉じし、射出装置から樹脂を射出すると前記射出成形用金型においてパリソンが成形され、型開きするとパリソンは前記中間盤に残され、そして前記中間盤を反転的に回転させて前記中間盤のパリソンを前記可動盤に対向させ、前記型締装置を型閉じし、前記ブロー成形用金型によりブロー成形するとパリソンから中空成形品が成形されるようになっている射出吹込成形機の型開閉方法であって、前記中間盤は、前記可動盤あるいは前記固定盤に所定のボールネジ機構とサーボモータとからなる中間盤開閉機構が設けられ、これによって前記可動盤あるいは前記固定盤に対して型開閉するようになっており、前記型締機構はサーボモータによって駆動されるようになっており、前記中間盤の型開き動作は前記型締装置の型開き動作に、前記中間盤の型閉じ動作は前記型締装置の型閉じ動作に、それぞれ並行して実施するようにすることを特徴とする射出吹込成形機の型開閉方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の射出吹込成形機の型開閉方法において、前記中間盤を回転する回転機構はサーボモータによって駆動されるようになっており、前記型締装置を型開きして前記中間盤を反転的に回転し、そして前記型締装置を型閉じする型開閉動作は、前記型締装置の型開き動作中に前記中間盤の回転を開始し、前記中間盤の回転中に前記型締装置の型閉じ動作を開始するようにすることを特徴とする射出吹込成形機の型開閉方法として構成される。
以上のように、本発明は、射出吹込成形機の型開閉方法として構成される。対象としている射出吹込成形機は、型締装置が固定盤と、型締機構によって型開閉される可動盤と、固定盤と可動盤の間に設けられている中間盤とからなり、固定盤には射出成形用金型が可動盤にはブロー成形用金型がそれぞれ設けられ、型締装置を型閉じし、射出装置から樹脂を射出すると射出成形用金型においてパリソンが成形され、型開きするとパリソンは中間盤に残され、そして中間盤を反転的に回転させて中間盤のパリソンを可動盤に対向させ、型締装置を型閉じし、ブロー成形用金型によりブロー成形するとパリソンから中空成形品が成形されるようになっている。そして中間盤は、可動盤あるいは固定盤に所定のボールネジ機構とサーボモータとからなる中間盤開閉機構が設けられ、これによって可動盤あるいは固定盤に対して型開閉するようになっており、型締機構はサーボモータによって駆動されるようになっている。本発明において、中間盤の型開き動作は型締装置の型開き動作に、中間盤の型閉じ動作は型締装置の型閉じ動作に、それぞれ並行して実施するように構成する。つまり型開き動作も、型閉じ動作も、型締機構と中間盤開閉機構とを並行して駆動することになる。このように2以上の動作を同時に実施することができるのは、油圧によってではなくサーボモータによって型締機構および中間盤開閉機構を駆動しているからであるが、2以上の動作を同時に実施することによって型開閉に要する時間を短縮することができる。これによって、成形サイクルを短縮化することができ、製造効率よく中空成形品を製造できる。他の発明によると、中間盤を回転する回転機構はサーボモータによって駆動されるようになっており、型締装置を型開きして中間盤を反転的に回転し、そして型締装置を型閉じする型開閉動作は、型締装置の型開き動作中に中間盤の回転を開始し、中間盤の回転中に型締装置の型閉じ動作を開始するように構成される。つまり型開き動作と中間盤の回転は並行して実施し、中間盤が回転中に型閉じ動作も実施している。これによって、さらに成形サイクルを短縮化することができ、製造効率よく中空成形品を製造できる。
本発明の実施の形態に係る射出吹込成形機を模式的に示す図であり、その(ア)は型締装置を型開きした状態における、その(イ)は型閉じした状態における、射出吹込成形機の正面図である。 本発明の実施の形態に係る射出吹込成形機において中空成形品を成形する方法を模式的に説明する図で、その(ア)〜(エ)は射出吹込成形機の一部をそれぞれの工程において示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る射出吹込成形機において中空成形品を成形する方法を模式的に説明する図で、その(ア)〜(エ)は射出吹込成形機の一部をそれぞれの工程において示す正面図である。
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係る射出吹込成形機1は、図1の(ア)、(イ)に示されているように、型締装置2と、射出装置3と、図に示されていない高圧空気供給装置とから概略構成されている。型締装置2は、ベッドに固定されている固定盤5と、ベッドに対してスライドして型開閉されるようになっている可動盤6と、固定盤5と可動盤6の間に設けられベッドに対してスライドするようになっている中間盤8と、型締ハウジング10と、4本のタイバー11、11、…と、型締機構13等から構成されている。タイバー11、11、…は固定盤5と型締ハウジング10を連結しており、可動盤6と中間盤8は、タイバー11、11、…に挿通されている。型締機構13は型締ハウジング10と可動盤6の間に設けられており、本実施の形態においてはクロスヘッド15を備えたトグル機構16からなる。クロスヘッド15は、型開閉用サーボモータ18とボールネジ機構19とによって駆動され、クロスヘッド15を駆動するとトグル機構16が伸張して可動盤6が前後にスライドされる。すなわち型開閉されるようになっている。ところで図には示されていないが射出吹込成形機1にはコントローラが設けられている。型開閉用サーボモータ18はコントローラによって制御されるので、コントローラにおいて、クロスヘッド15の位置と屈伸率との関係、およびクロスヘッド15の位置と可動盤6の位置の関係は正確に把握されている。従って、コントローラにおいて型開閉中の任意のタイミングにおける可動盤6の位置は正確に把握されている。
固定盤5には、射出成形用金型21が設けられている。射出成形用金型21にはパーティングラインに複数個の凹部21a、21b、…が明けられている。これらはブロー成形に使用される有底の中空体の樹脂、すなわちパリソンを射出成形により成形するための凹部21a、21b、…になっている。図1においては凹部21a、21b、…は3個だけが示されているが、実際には多数の凹部が設けられている。例えば縦方向に8個、横方向に8個の全部で64個の凹部が形成されている。この場合、同時に64個のパリソンが成形されることになる。固定盤5には背面に射出装置3が設けられ、射出装置3の射出ノズル3aが射出成形用金型21の図示されていないスプルに当接している。
可動盤6には、複数対のブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、…が設けられている。それぞれ一対のブロー成形用金型23A、23aは、2つ割状の金型23A、23aからなり、可動盤6上をスライドして互いに離間したり一体化するようになっている。一対の金型23A、23aには、内部に凹部が形成されており、一対の金型23A、23aをスライドして一体化すると、これらの凹部から、中空成形品の外周面を形成するためのキャビティが構成されるようになっている。ブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、…の対の個数は、射出成形用金型21の凹部21a、21b、…の個数と同数になっている。従って、射出成形用金型21において一度に射出成形されるパリソンの個数と同数の中空成形品を一度にブロー成形できるようになっている。
本実施の形態において中間盤8は回転する。正確に説明すると中間盤8はタイバー11、11、…に沿ってスライドする外側の枠体部25と、この枠体部25の内側に設けられ枠体部25に対して回転自在に支持されている本体部26とからなる。この本体部26が図1の(ア)において、矢印で示されているように回転する。このような中間盤8の本体部26にはその両面にコア30、30、…が設けられている。これらのコア30、30、…は、型締装置2が型締めされるとき固定盤5に対向している面のコア30、30、…が射出成形用金型21の凹部21a、21b、…のそれぞれに挿入され、パリソン成形用のキャビティが構成されるようになっている。成形されたパリソンがコア30、30、…に残った状態で可動盤6が回転して反転すると、パリソンが可動盤6に対向する。この状態で型閉じされると、パリソンはそれぞれの組のブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、…の間に挿入されるようになっている。コア30、30、…は先端に空気の噴出部が形成されており、高圧空気供給装置からの高圧空気が先端から噴出されるようになっている。
本実施の形態に係る射出吹込成形機1は、中間盤8を駆動する2個の駆動機構が設けられている。第1の駆動機構は、中間盤8を可動盤6に対して型開閉させる中間盤開閉機構14であり、第2の駆動機構は、中間盤8を反転的に回転させる、つまり本体部26を反転的に回転させる回転機構である。
中間盤開閉機構14は可動盤6と中間盤8とに設けられており、ボールネジ機構32とこれを回転する中間盤開閉用サーボモータ33とから構成されている。詳しく説明すると、ボールネジ機構32のボールナット35は中間盤8の枠体部25に固定され、これがボールネジ36に螺合している。中間盤開閉用サーボモータ33は可動盤6に設けられており、ボールネジ36を回転するようになっている。中間盤開閉用サーボモータ33はエンコーダを備えており、中間盤8を可動盤6に対して型開閉するとき、フィードバック制御により精度良くボールネジ36を回転させて中間盤8を正確に駆動できる。従って、コントローラは、型開閉中の任意のタイミングにおける中間盤8と可動盤6の距離を正確に把握することができる。
中間盤8を反転的に回転させる回転機構は、中間盤回転用サーボモータ38からなる。中間盤回転用サーボモータ38は中間盤8の枠体部25に設けられ、直接本体部26を回転するようになっている。中間盤回転用サーボモータ38もエンコーダを備えており、フィードバック制御により正確に回転位置を制御して中間盤8を、すなわち本体部26を回転できる。ところで、本体部26はその回転位置が垂直になっているとき、水平方向に占有する幅は一方の面のコア30の先端から他方の面のコア30の先端までの長さである。しかしながら、本体部26が水平になっているときに水平方向に占有する幅は、本体部26の横幅になる。つまり本体部26は回転中において水平方向に占有する幅が変化し、本体部26が垂直になっているときに最小幅になり、本体部26が水平になっているときに実質的に最大幅になる。本体部26が、固定盤5に取付けられている射出成形用金型21と、可動盤6に取付けられているブロー成形用金型23A、23a、…とに接触しないようにするには、少なくとも射出成形用金型21とブロー成形用金型23A、23a、…の間隔は、本体部26が水平方向に占有する幅より長くなくてはならない。本実施の形態において中間盤8すなわち本体部26は、中間盤回転用サーボモータ38によって回転位置を正確に制御できるので、回転中の任意のタイミングにおける本体部26の水平方向に占有する幅は正確に把握することができる。正確に把握できるので、次に説明するように本実施の形態に係る型開閉方法が実施できる。
射出吹込成形機1によって中空成形品を成形するとき、本実施の形態に係る型開閉方法を実施することになるが、中空成形品の成形方法の説明を通じて型開閉方法を説明する。図2の(ア)に示されているように、中間盤8すなわち本体部26が垂直になっていて型締装置2がわずかに型開きされた状態から始める。中間盤8の回転を停止し、型閉じ動作を実施する。すなわち、型開閉用サーボモータ18を駆動して可動盤6を型閉じ方向に駆動すると共に、並行して中間盤開閉用サーボモータ33を駆動して中間盤8を可動盤6に型閉じする方向に駆動する。本実施の形態に係る型閉じ動作は、可動盤6と中間盤8とを同時に駆動するので速やかに型閉じされる。なお、ブロー成形用金型23A、23a、…は、中間盤8と可動盤6とが型閉じされる直前にスライドして一体化させる。さらに、型開閉用サーボモータ18による可動盤6の型閉じ動作は中間盤開閉用サーボモータ33による型閉じ動作の完了にわずかに遅れて完了するようにする。中間盤開閉機構14が、可動盤6による型締力によって破損しないようにするためである。型閉じ完了後、さらに型開閉用サーボモータ18を駆動して所定の型締力で型締めする。この状態が図2の(イ)に示されている。射出装置3から樹脂を射出すると、射出成形用金型21のキャビティにおいてパリソン40が成形される。
中間盤回転用サーボモータ38を停止した状態で型開きを開始する。すなわち、最初に型開閉用サーボモータ18の駆動を開始し、その直後に中間盤開閉用サーボモータ33の駆動を開始する。そうすると可動盤6が型開き方向に駆動されると共に中間盤8が可動盤6に対して型開き方向に駆動される。射出成形用金型21のキャビティにおいて成形されたパリソン40、40、…は、本体部26の一方の面のコア30、30、…に残った状態で射出成形用金型21から完全に露出する。一方、他方の面のコア30、30、…は、ブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、…から完全に露出する。この状態になったら、中間盤回転用サーボモータ38の駆動を開始し、中間盤8、すなわち本体部26の回転を開始する。つまり型締装置2の型開き動作と中間盤8の回転とを並行して実施する。並行して実施するので型開閉の時間を短縮できる。この様子が図2の(ウ)に示されている。引き続き型開き動作を実施し、型開量が最大になったら一時的に型開閉用サーボモータ18と中間盤開閉用サーボモータ33を停止する。中間盤開閉用サーボモータ33により駆動されて本体部26はやがて水平になり次いで傾く。図2の(エ)にはこの状態が示されている。本体部26が水平方向に占有する幅は、本体部26が水平からわずかに傾いた状態が最大になる。本体部26には厚さがあるからである。本体部26が回転して、この水平方向に占有する幅が最大幅に達して減少に転じたら、型閉じ動作を開始する。すなわち型開閉用サーボモータ18の駆動を開始して可動盤6の型閉じ動作を開始し、中間盤開閉用サーボモータ33の駆動を開始して中間盤8の可動盤6に対する型閉じ動作を開始する。この状態が図3の(ア)に示されている。
本体部26が垂直状態になったら中間盤回転用サーボモータ38を停止する。回転盤8に残されているパリソン40、40、…はブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、…と対向する。引き続き型閉じ動作を継続する。すなわち型開閉用サーボモータ18と中間盤開閉用サーボモータ33の駆動を継続する。この状態が図3の(イ)に示されている。型閉じ動作を継続すると共に、ブロー成形用金型23A、23a、…を、中間盤8と可動盤6とが型閉じされる直前にスライドして一体化させる。型締装置2が完全に型閉じする。このとき、前記したように型開閉用サーボモータ18による可動盤6の型閉じ動作は中間盤開閉用サーボモータ33による型閉じ動作の完了にわずかに遅れて完了するようにする。所定の型締力を発生させて、射出装置3から樹脂を射出すると、射出成形用金型21のキャビティにおいてパリソン40が成形される。一方、図に示されていない高圧空気供給装置から空気を供給すると、ブロー成形用金型23A、23a、23B、23b、においてブロー成形によりパリソン40、40、…から中空成形品41、41、…に成形される。この状態が図3の(ウ)に示されている。前記したように、中間盤回転用サーボモータ38を停止した状態で型開きを開始する。中空成形品41、41、…が得られる。所定量だけ型開きされたら回転盤8の回転を開始する。この状態が図3の(エ)に示されている。以下同様に成形する。
本実施の形態に係る射出吹込成形機1は色々な変形が可能である。例えば射出吹込成形機1については、中間盤8の本体部26は中間盤回転用サーボモータ38によって直接回転するように説明したが、所定の減速機を介して回転させるようにしてもよい。中間盤8の本体部26については回転方向も変形できる。本実施の形態においては、本体部26は水平な回転軸周りに回転するようになっているが、垂直な回転軸周りに回転するようになっていてもよい。また、中間盤開閉機構14は、可動盤6と中間盤8とに設けるように説明したが、固定盤5と中間盤8とに設けてもよい。この場合ボールネジ機構32を駆動する中間盤開閉用サーボモータ33は固定盤5に設けることになる。
1 射出吹込成形機 2 型締装置
3 射出装置 5 固定盤
6 可動盤 8 中間盤
10 型締ハウジング 11 タイバー
13 型締機構 14 中間盤開閉機構
21 射出成形用金型 21a 凹部
23A、23a ブロー成形用金型
25 枠体部 26 本体部
30 コア 32 ボールネジ機構
33 中間盤開閉用サーボモータ
35 ボールナット 36 ボールネジ
38 中間盤回転用サーボモータ
40 パリソン
41 中空成形品

Claims (2)

  1. 型締装置が固定盤と、型締機構によって型開閉される可動盤と、前記固定盤と前記可動盤の間に設けられている中間盤とからなり、前記固定盤には射出成形用金型が前記可動盤にはブロー成形用金型がそれぞれ設けられ、前記型締装置を型閉じし、射出装置から樹脂を射出すると前記射出成形用金型においてパリソンが成形され、型開きするとパリソンは前記中間盤に残され、そして前記中間盤を反転的に回転させて前記中間盤のパリソンを前記可動盤に対向させ、前記型締装置を型閉じし、前記ブロー成形用金型によりブロー成形するとパリソンから中空成形品が成形されるようになっている射出吹込成形機の型開閉方法であって、
    前記中間盤は、前記可動盤あるいは前記固定盤に所定のボールネジ機構とサーボモータとからなる中間盤開閉機構が設けられ、これによって前記可動盤あるいは前記固定盤に対して型開閉するようになっており、
    前記型締機構はサーボモータによって駆動されるようになっており、
    前記中間盤の型開き動作は前記型締装置の型開き動作に、前記中間盤の型閉じ動作は前記型締装置の型閉じ動作に、それぞれ並行して実施するようにすることを特徴とする射出吹込成形機の型開閉方法。
  2. 請求項1に記載の射出吹込成形機の型開閉方法において、前記中間盤を回転する回転機構はサーボモータによって駆動されるようになっており、
    前記型締装置を型開きして前記中間盤を反転的に回転し、そして前記型締装置を型閉じする型開閉動作は、前記型締装置の型開き動作中に前記中間盤の回転を開始し、前記中間盤の回転中に前記型締装置の型閉じ動作を開始するようにすることを特徴とする射出吹込成形機の型開閉方法。
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