JP4642693B2 - 両面可撓性回路基板 - Google Patents

両面可撓性回路基板 Download PDF

Info

Publication number
JP4642693B2
JP4642693B2 JP2006135539A JP2006135539A JP4642693B2 JP 4642693 B2 JP4642693 B2 JP 4642693B2 JP 2006135539 A JP2006135539 A JP 2006135539A JP 2006135539 A JP2006135539 A JP 2006135539A JP 4642693 B2 JP4642693 B2 JP 4642693B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
circuit board
flexible circuit
conductor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006135539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007305936A5 (ja
JP2007305936A (ja
Inventor
智 海老原
中 秀 明 田
田 隆 一 鶴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Mektron KK
Original Assignee
Nippon Mektron KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mektron KK filed Critical Nippon Mektron KK
Priority to JP2006135539A priority Critical patent/JP4642693B2/ja
Priority to TW96116522A priority patent/TWI384924B/zh
Priority to CN200710142160XA priority patent/CN101106865B/zh
Publication of JP2007305936A publication Critical patent/JP2007305936A/ja
Publication of JP2007305936A5 publication Critical patent/JP2007305936A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4642693B2 publication Critical patent/JP4642693B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、両面可撓性回路基板に係わり、とくに実装状態で繰り返し摺動屈曲されるものに関する。
可撓性回路基板は薄く折り曲げることも可能なことから、電子機器の小型化、薄型化に貢献し、携帯電話やデジタルカメラ、ハードディスクドライブなどに搭載されている。そして、近年、狭小部での組み込みの容易さなどにも対応するため、従来より柔軟性の要求高くなってきている。
特に、光ピックアップのような可動部と固定部とを接続するために可撓性回路基板を用いる場合、この可撓性回路基板は屈曲点が相対的に移動する、いわゆる摺動屈曲により繰り返し屈曲されるため、高屈曲性が要求されることはもとより、光ドライブ本体の低背化や光ピックアップのシーク時の速度向上やモータ消費電力の低減に対応するためより高い柔軟性も要求される。
特許文献1では、これに対応させるべく、カバー材およびベース材の弾性率および厚みに関するバランスを規定し、また、片側に折り曲げたときに内側となる材料が導体配線層の表面からの厚みが13μm以下で、使用時温度範囲における縦弾性率の平均値が6.4GPa以上である主層を有するものを提供している。
また、特許文献2では、片面無接着導体積層板に接着剤を介して他の導体層を接合させ、可撓性回路基板の屈曲可撓部として使用する部分は、接着剤側の導体層を除去する可撓性回路基板の製造法を提案している(耐熱性が必要な実装部は、片面無接着導体積層板側の導体層を使用している)。
なお、特許文献2には、柔軟性に関しては記述されていない。
特開2006−339295号公報 特許第2753740号公報
光ピックアップ用のような、ケーブル部が片側にのみ配線されて片側に湾曲させてから使用される可撓性回路基板、または携帯電話等の液晶周りに使用され、片側にのみ配線され、折り曲げて使用される可撓性回路基板は、片面配線の可撓性回路基板だけでなく、両面配線の可撓性回路基板が要求されることもある。
この両面可撓性回路基板も同様に柔軟性および屈曲特性が要求されるが、この可撓性回路基板を作製するためのベース材に関して、ベース材が絶縁樹脂厚13μm以下の両面無接着導体積層板の場合、回路を形成する工程において、ロール間搬送に伴うテンション、現像・エッチングといった薬液の作用、巻き取り時の曲げ角度等により絶縁樹脂層が破れてしまうという問題が起こり、製品歩留まりが下がる。とくに、両面配線に伴うランドが表裏で一致した部分の周辺は応力が集中するため破れ易い。
この絶縁樹脂層の破れ対策としては、回路形成時に使用する装置を改善するという生産技術的な対策と、絶縁樹脂の改良または厚膜化による構造的対策とが挙げられる。
まず生産技術的な対策としてはテンションコントロールがあるが、回路形成時のスプレー圧および絶縁樹脂特性との兼ね合いを図ると時間がかかってしまい、また、更に柔軟性対応として薄膜化した際にも再調整をする必要がある等、現実には実施困難である。
次に、構造的対策については、それぞれ問題がある。まず、絶縁樹脂の改良に関しては、可撓性回路基板の特性を有しながら端裂抵抗(または引き裂き伝播抵抗)を向上させることは容易ではない。また、端裂抵抗(または引き裂き伝播抵抗)を向上させ、回路形成時の破れによる歩留まりを向上させるには、絶縁樹脂の厚膜化が最も容易であるが、樹脂を厚くすると市場の要求である柔軟性が確保できない。
他方、特許文献2には、片面無接着導体積層板に接着剤を介し導体層を貼り合せてなる両面導体積層板が開示されている。この方法を使用することで、樹脂厚膜による端裂抵抗(または引き裂き伝播抵抗)を向上することはできる。
しかし、カバー材と対称構造として屈曲性を発現させているため、柔軟性が必要とされる屈曲部は接着剤側の導体を使用する構造となっている。この構造では、薄い片面無接着導体積層板を使用したとしても柔軟性が十分ではない。
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、柔軟性を損なわずに工程上での樹脂破れ対策が施された可撓性回路基板を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明では、
ベース材の一面に導体層が形成されてなる片面無接着導体積層板の他面に、接着剤層を介して他の導体層が貼り合わされてなり、長手方向の端部間に屈曲部を有する両面導体積層板において、
前記屈曲部は、
前記他の導体層が除去されて前記屈曲部における他面の前記接着剤層が露出しており、片側のみに前記片面無接着導体積層板の導体層を有する、
ことを特徴とする両面可撓性回路基板、
を提供するものである。
本発明によれば、片面無接着導体積層板に接着剤を介して導体層を張り合わせてなる両面可撓性回路基板における屈曲部を、片面銅張積層板の導体層を使用して構成し、他面を両面可撓性回路基板の所定の縦弾性率を持った接着剤を露出させて構成したため、柔軟性を損なわず、しかも工程流動中の樹脂破れが生じ難い可撓性回路基板を提供することができる。
本発明では、片面無接着導体積層板のベース材側に接着層を介して導体層を積層した両面導体積層板を使用するが、この両面導体積層板を使用した可撓性回路基板の柔軟性および屈曲が必要とされる部分は無接着面のみ配線され、接着層側面はエッチング等により除去されている構成であって、片面無接着導体積層板に配線を施している。そして、片面無接着導体積層板のベース材側に塗布または積層により付着させた所定弾性率の接着剤層が樹脂破れ対策となる。この接着剤層の縦弾性率は、片面無接着導体積層板の絶縁樹脂層より柔らかいものとする。
なお、この接着剤層の縦弾性率はベース材の縦弾性率の半分以下が望ましい。
ここで、無接着導体積層板とは、キャスト法、ラミネート法およびメタライズ法からなる無接着導体積層板のことをいい、銅箔を用いた可撓性回路基板材料として、例えば、キャスト法のものは新日鐵化学株式会社が商品名ESPANEXとして販売しており、ラミネート法のものは三井化学株式会社がネオフレックスとして、また宇部興産株式会社がユピセルNとして販売している。
これら3社の無接着銅張積層板は、ポリイミド樹脂と銅箔との間に熱可塑性のポリイミドを接着層として配しているが、無接着銅張積層板または2層材と呼ばれており、本発明の片面無接着導体積層板の中に含まれる。
その他に、熱可塑性のポリイミドを使用しない無接着銅張積層板として、株式会社有沢製作所製のキャスト法によるもの、AZOTEK社製のもの、スパッタおよびメッキからなるメタライズ法によるものとして、住友金属鉱山株式会社製のS’PERFLEX、東レフィルム加工株式会社製のメタロイヤルがあり、何れも無接着銅張積層板または2層材と呼ばれており、本発明に利用できる。
本発明では、片面無接着導体積層板のベース材側に、樹脂破れ対策のための接着層を介して導体層を積層した両面導体積層板を使用し、この両面導体積層板を使用した可撓性回路基板の柔軟性および屈曲性が必要とされる部分は片側のみ配線され、他面はエッチング等により除去されている構成である。
また、屈曲性を要する場合は、導体層を挟み込む絶縁樹脂の縦弾性率および厚みを考慮すればよい。つまり、導体層の一面を覆うように、カバー材およびそれに付随する層により構成された第1の可撓性絶縁樹脂層を設け、導体層の他面を覆うように、ベース材および前記接着剤により構成された第2の可撓性絶縁層を設ける。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を使用した摺動屈曲用の可撓性回路基板の側断面構造を示している。この可撓性回路基板は、適用機器の摺動屈曲部に実装されるもので、片面無接着導体積層板における導体層1とは反対側の面のベース材3側に接着剤層4を介して導体層2が貼り合わされてなる両面導体積層板を用い、この両面銅張積層板から摺動屈曲部においては導体層2を配線パターニング時のエッチング等により除去され、その部位にはカバーフィルムとカバー用接着剤は積層されない。
この可撓性回路基板は、一端を他端に対して相対的かつ直線的に移動させて、可撓性回路基板を摺動屈曲、つまり屈曲度合いは同じで屈曲点が移動していく屈曲の仕方で使用されるものである。そして、この可撓性回路基板は、まず製造時には絶縁樹脂層の破れが生じていないかを確認する必要があり、また実装時には適度な柔軟性および屈曲性を有するか否かを評価する必要がある。すなわち、破れ、柔軟性および屈曲性の3項目を試験する必要がある。
図2(a),(b)は、絶縁樹脂層の一つの破れ試験法に用いるサンプルを示す正面図および側面図である。サンプルとして、図2(a),(b)に示すように、表裏同一形状を持つパターン1,2が対応する位置に形成された可撓性ベース材3を用意する。
図2に示す例では、幅20mmの矩形の可撓性ベース材3の表裏両面に、銅箔のパターンが形成されてサンプル10が構成される。パターン1,2は、幅10mmの縦長の矩形で、図示上端が90度の頂点となるように3角形をなす形状である。
図3(a),(b)は、樹脂破れの一つの試験方法を示しており、図2に示したサンプル10が、図3(a)に示すように、直径10mmの棒の周囲に、パターンの3角形の頂点が上向きとなるように縦長に巻き付けられる。そして、図3(b)に示すように、可撓性ベース材3の上端を下向きに折り畳むように引き下ろしたとき、可撓性ベース材3がサンプル10におけるパターン1,2の3角形の頂点で加わる応力によって破れるかを試験する。
図4は、樹脂破れのもう一つの試験法を示している。この評価には、図(a)に示すようなサンプル10に、図(b)に示すように直径10mmの棒の端部で押圧力を与えて破れが生じる力の大きさを測定するものである。
図5は、可撓性回路基板の柔軟性評価法を示したものである。これは、サンプル10を所定状態に湾曲させたときの反発力を、電子天秤20により測定する。湾曲半径は、3.75mmとした。
なお、屈曲性試験については図示しないが、一般的な屈曲試験法、つまり所定の屈曲を繰り返しその回数を測定する方法により試験を行う。
以下、これら各評価方法について説明する。
効果の確認
本発明の効果確認のため、下記の1.可撓性回路基板の絶縁樹脂破れの確認、2.柔軟性評価および3.屈曲性評価を実施した。
1.可撓性回路基板の樹脂破れ評価(図2、図3参照)
1)評価方法
可撓性回路基板に、10mm幅で先端の角度が90°になるパターンを両面の対応位置に作製し、このパターンから左、右に5mm離れた部分で切り取ってサンプルを得る。次に、このサンプルを直径10mmの棒に巻き付け、角度が90°をなす先端側のイミド(基材)の図示上端をパターン1の3角形の頂点を支点に、逆側の180°方向(図示下方)に向かって折り畳むように引き下ろす。これにより、パターンをきっかけにしてイミドが破れるか否かを確認する。
2.柔軟性評価(図4参照)
1)評価サンプルの構造
サンプルは、両面導体積層板の片側の面に、導体幅=0.1mm、導体間隔=0.1mmのストレート配線を施し、他面は導体層を除いた(全面エッチングした)基板に、13μmのDupont社製カプトン50H(弾性率3.0GPa)と弾性率2.3GPaのエポキシ系接着剤からなるカバー材を貼り合わせて作製されたものであり、配線方向(長手方向)の長さが50mmで、幅方向の長さが10mmである可撓性回路基板である。なお、導体の厚みは18μmであり、導体上のカバー接着剤厚は6μmである。
2)評価方法
図5に示すように、前記可撓性回路基板を湾曲させ、電子天秤にて、可撓性回路基板の反発力を測定した。このときの可撓性回路基板の湾曲半径は、3.75mmに設定して評価を行った。
3.屈曲性評価
摺動屈曲試験として、IPC屈曲試験を実施した。
1)試験条件
屈曲半径=1.35mm
屈曲速度=1,000rpm
ストローク=30mm
試験環境=80℃
断線検出=抵抗値50%上昇
2)試験サンプルの構造
サンプルは、両面導体積層板の片側の面に、導体幅=0.1mm、導体間隔=0.1mmにストレート配線を施し、他面は導体層を有しない(全面エッチングした)基板に、13μmのDupont社製カプトン50H(弾性率3.0GPa(80℃下:2.7GPa))と弾性率2.3GPa(80℃下:2.0GPa)のエポキシ系接着剤からなるカバー材を貼り合わせて作製されたものであり、配線数10本のものである。なお、導体の厚みは18μmであり、導体上のカバー接着剤厚は6μmである。
4.評価材料
効果確認に用いたサンプルは、次に示す実施例3点および比較例3点である。
Figure 0004642693
弾性率測定
上表の弾性率は、下記条件にしたがって測定した。
試験方法:IPC−TM−650 2.4.19の手法を引用し、試験した。
サンプルサイズ:10mm×150mm
チャック間距離:100mm
クロスヘッドスピード:50mm/min
弾性率:歪1.5%未満の弾性領域にて算出
測定環境:室温
但し、接着剤の測定に関しては、(株)カネカ製アピカル12.5NPIの両面に接着剤を塗工したサンプルを上記試験方法にしたがって測定し、下式により算出した。
=EV/V−E/V
ここで、
E:複合材(接着剤が塗工されたフィルム)の弾性率
V:複合材(接着剤が塗工されたフィルム)の厚み
:接着剤の弾性率 E:アピカルNPIの弾性率
:接着剤の厚み V:アピカルNPIの厚み
である。
5.評価結果
上記実施例1−3および比較例1−3の樹脂破れ、柔軟性および屈曲試験の評価結果は次の通りである。
Figure 0004642693
上表のベース材総厚は、片面無接着導体積層板の絶縁樹脂層およびベース材側に塗布された接着剤の厚みの和のことである。
参考:
実施例1は、接着剤を5μm厚で塗布しているが、更に薄膜化した2μm厚で塗布したサンプルでも絶縁樹脂破れは発生しなかった。
上表において、比較例1と実施例1とを比較すると、柔軟性(反発力)および屈曲性は同等(実施例1は、比較例1より10%程度増加した程度)であるが、樹脂破れ評価に関しては差が見られる。つまり、比較例1は破れるが、実施例1は破れない。したがって、比較例1より実施例1の方が良好である。
実施例2と実施例3および比較例3とを比較すると、すべて同じベース材総厚であり、樹脂破れ評価において樹脂破れは全く発生していないが、この3つの中では柔軟性は実施例2が最も反発力が少ない、つまり柔らかい。
一方、この評価により比較例3が最も硬いことが判明した。つまり、破れ難さ対策のためにベース材の厚膜化が考えられるが、柔軟性を考慮した場合は無接着導体積層板の絶縁樹脂層を厚くするよりも、本発明のような片面無接着導体積層板の絶縁樹脂より柔らかい接着剤を塗布した層を形成する方が有効であることが分る。
ここで、比較例3の無接着導体積層板の絶縁樹脂の弾性率は4.8GPaであり、実施例2は弾性率4.8GPaの無接着導体積層板の絶縁樹脂層に弾性率1.2GPaの接着剤を塗布してあり、実施例3は弾性率4.8GPaの無接着導体積層板の絶縁樹脂層に弾性率2.3GPaの接着剤を塗布して構成してある。
つまり、実施例2および3の両方とも塗布する無接着導体積層板の絶縁樹脂の弾性率の半分以下の弾性率を有する接着剤を塗布している。また、実施例2と3とを比較すると、実施例2の方が柔らかい。塗布厚みを見ると、実施例2と3とは同じ12μmであり、異なるのは弾性率だけである。つまり、塗布する接着剤は、より柔らかい方が柔軟性への悪影響が少ないと考えられる。
実施例1と比較例2とを比較すると、両者とも弾性率4.8GPaの2層材に弾性率1.2GPaの接着剤を5μm塗布した構成であるが、柔軟性および屈曲試験時の導体形成面が実施例1では無接着導体積層板側であるのに対し、比較例2は接着剤側である(裏面の導体は、全面エッチングしてある。)。この構造の違いにより、柔軟性に関しては、実施例1は比較例2より柔らかく良好であり、屈曲性に関しても実施例1は比較例2より良好である。
上記結果より、樹脂の破れ易さに関しては、絶縁樹脂層を厚くすることが効果的であるといえる。接着剤の塗布厚みに関しては、無接着導体積層板の絶縁樹脂の厚み、物性(端裂抵抗あるいは引き裂き伝播抵抗)、銅箔の硬さ(コシの強さ)により破れ易さは変わってくるため、適正な厚みに調整する必要がある。塗布厚み調整の指標として、この絶縁樹脂破れ評価を実施し、破れないことを確認すれば、工程での樹脂破れによる歩留まりは抑えられるといえる。
前述した通り、樹脂が破れる部分は、導体配線が表裏一致している部分が主であり、とくに工程流動中のたわみの変化によって破れることが分っている(パターニング時の液の打力・巻取り時の曲げ角度等が影響)。この評価では、表裏一致パターンにおいて、たわみが発生した際の破れ易さを評価しているため、この試験で破れなければ工程流動中も突発的な異常が無い限り破れない。
柔軟性に関しては、無接着導体積層板の絶縁樹脂より柔らかい接着剤を塗布した際に、この接着剤の層を可撓性回路基板の屈曲時最外層に配することで、無接着導体積層板の絶縁樹脂層を(樹脂破れ対策のために)厚膜化するより、柔軟性への悪影響は少なくすることができる。
このとき、接着剤の弾性率は、前記実験より、ベース材の弾性率の半分以下であれば、無接着導体積層板の絶縁樹脂を厚膜化するより柔らかいことが確認されている。なお、接着剤が可撓性回路基板の最外層にない場合(比較例2のような場合等)は、ある場合よりも反発力は大きくなる。
樹脂破れの限界確認(図4参照)
樹脂破れの限界確認のため、次のような試験を実施した。図4に示すように、15mm幅の両面銅張板に直径10mmの表裏一致パターンを作製(PI部1mm幅)し、引っ張り試験機(島津製作所製:島津オートグラフAGS−50Dを使用)にサンプルをセットし、サンプルに0.1MPaの圧力が加わるように引っ張る(テンションをかける)。
次に、直径10mmの棒により直径10mmの表裏一致パターン部に負荷をかけ、破れが発生した値を記録する。破れが発生した強度から初期の値(テンションをかけた強度)の差をとって棒の面積で割り、破れが発生した圧力を求める。
この試験によって下表の結果が得られた。
Figure 0004642693
実施例1は、破れの発生した圧力が0.55MPaであって、0.25MPaである比較例1の2倍以上の破れ難さであることが分かり、また、厚みがより厚くても破れ発生圧力が0.52MPaである比較例3よりもさらに良好であることが判明した。
屈曲性に関して、特許文献2(特許第2753740号)は、導体層が接着剤側にあることで厚み方向に対称構造となるため屈曲性が良くなるとしているが、特許文献1のようにベース材およびカバー材の弾性率および厚みからなる割合が規定の範囲に入っていれば、無接着剤側の配線の方が良好である。
つまり、特許文献2では、形状を厚み方向に対称構造とするため、導体を挟んで接着剤・ポリイミドカバーという形にしているが、特許文献1では弾性率と、厚みという力の割合で対称構造にしている。
ここで規定の範囲というのは、『第1および第2の面を有する導体配線層と、この導体配線層の前記第1の面に第1の可撓性絶縁樹脂層を、また前記第2の面に第2の可撓性絶縁樹脂層を有し、前記第1の可撓性絶縁樹脂層が内側になるように屈曲する屈曲部を持った可撓性回路基板において、前記屈曲部における前記第1の可撓性絶縁樹脂層の、(使用時の温度における縦弾性率平均値×第1の可撓性絶縁樹脂層の厚み)をAとし、前記屈曲部における、前記第2の可撓性絶縁樹脂の、(使用時の温度における縦弾性率平均値×第2の可撓性絶縁樹脂層の厚み)をBとするとき、A/B=0.66〜2.06である』ことをいう。ここで、前記縦弾性率平均値というのは、(各層の弾性率×厚み/総厚み)の和である。
つまり、実施例1は、カバー内曲げ時の第1の可撓性絶縁樹脂層の(使用時の温度における縦弾性率平均値×第1の可撓性絶縁樹脂層の厚み)、つまりAの値は、カバーPIが13μmのDupont社製カプトン50H(80℃での弾性率:2.7GPa)であり、接着剤が80℃下弾性率:2.0GPaエポキシ系接着剤で導体上の厚みが6μmであるから、
『弾性率:2.7(GPa)×厚み:13(μm)/総厚み:13+6=19(μm)』と
『弾性率:2.0(GPa)×厚み:6(μm)/総厚み:13+6=19(μm)』との和である2.47(GPa)と厚み18(μm)との積である47.1 (GPa・μm)が算出される。
そして、第2の可撓性絶縁樹脂層の(使用時の温度における縦弾性率平均値×第1の可撓性絶縁樹脂層の厚み)、つまりBの値は、ベース材が13μmの新日鐵化学(株)製のSC18−12−00FR80℃での弾性率:3.9GPa)であり、接着剤が80℃での弾性率:0.5GPaエポキシ系接着剤で5μm塗布してあるものであるから、
『弾性率:3.9(GPa)×厚み:13(μm)/総厚み:13+5=18(μm)』と
『弾性率:0.5(GPa)×厚み:5(μm)/総厚み:13+5=18(μm)との和である2.96(GPa)と厚み18(μm)の積である53.2 (GPa・μm)算出され、
A/B=0.88となり、前記規定の範囲内に入る。
カバー材を外側にした場合もA/B=1.13であり、これも前記規定の範囲内に入る。規定の範囲内に入っていれば、導体と接する材料は、硬い方が銅箔の屈曲疲労によって発生する亀裂の進展を抑える役割を持つため、有利である。
とくに、内側となる材料が硬い(特許文献1に示すように弾性率6.4GPa以上の構造である)方が屈曲性には有利であり、ベース材・カバー材は共に薄い方が、実際に光ピックアップ等の筐体に組み込まれた際に、厚い可撓性回路基板より実際の屈曲半径が大きく取れるため、有利である。
以上のことより、本発明では、薄膜・柔軟性が要求される可撓性回路基板において、樹脂破れ対策としての厚膜化と柔軟性とを備えた基板を提供することができる。また、屈曲性を要求する用途に関しても、カバー材またはベース材の弾性率平均と厚みとの積を用いて所望の特性を得ることができる。
本発明を使用した摺動屈曲用の可撓性回路基板を示す側断面図。 絶縁樹脂破れの評価サンプルを示す説明図。 絶縁樹脂破れの評価方法を示す説明図。 樹脂破れの限界確認の評価サンプルと評価方法を示す説明図。 柔軟性評価であるバイアスフォース測定方法を示す説明図。
符号の説明
1:導体層
2:接着剤層に貼り合わされた導体層
3:ベース材層
4:接着剤層
5:カバー用接着剤層
6:カバーフィルム
10:サンプル
20:電子天秤
30:棒

Claims (4)

  1. ベース材の一面に導体層が形成されてなる片面無接着導体積層板の他面に、接着剤層を介して他の導体層が貼り合わされてなり、長手方向の端部間に屈曲部を有する両面導体積層板において、
    前記屈曲部は、
    前記他の導体層が除去されて前記屈曲部における他面の前記接着剤層が露出しており、片側のみに前記片面無接着導体積層板の導体層を有する、
    ことを特徴とする両面可撓性回路基板。
  2. 請求項1記載の両面可撓性回路基板において、
    前記接着剤層の縦弾性率が前記ベース材の縦弾性率より低い、
    ことを特徴とする両面可撓性回路基板。
  3. 請求項1記載の両面可撓性回路基板において、
    前記屈曲部が、電子機器への組み込み後の使用時に、摺動屈曲されることを特徴とする両面可撓性回路基板。
  4. 請求項1記載の両面可撓性回路基板において、
    前記屈曲部において露出している前記接着剤層が内側面側を向いていることを特徴とする両面可撓性回路基板。
JP2006135539A 2006-05-15 2006-05-15 両面可撓性回路基板 Expired - Fee Related JP4642693B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006135539A JP4642693B2 (ja) 2006-05-15 2006-05-15 両面可撓性回路基板
TW96116522A TWI384924B (zh) 2006-05-15 2007-05-09 Sided flexible circuit board
CN200710142160XA CN101106865B (zh) 2006-05-15 2007-05-15 两面柔性电路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006135539A JP4642693B2 (ja) 2006-05-15 2006-05-15 両面可撓性回路基板

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007305936A JP2007305936A (ja) 2007-11-22
JP2007305936A5 JP2007305936A5 (ja) 2008-08-14
JP4642693B2 true JP4642693B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=38839581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006135539A Expired - Fee Related JP4642693B2 (ja) 2006-05-15 2006-05-15 両面可撓性回路基板

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4642693B2 (ja)
CN (1) CN101106865B (ja)
TW (1) TWI384924B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100110350A (ko) * 2008-02-01 2010-10-12 히다치 가세고교 가부시끼가이샤 광전기 혼재기판 및 전자기기
WO2010058476A1 (ja) * 2008-11-21 2010-05-27 日立化成工業株式会社 光電気混載基板及び電子機器
JP2011230308A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Panasonic Electric Works Co Ltd フレキシブル銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板
US8628173B2 (en) * 2010-06-07 2014-01-14 Xerox Corporation Electrical interconnect using embossed contacts on a flex circuit
CN107230429B (zh) * 2017-06-08 2019-06-25 武汉天马微电子有限公司 柔性模组和柔性显示面板

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2753740B2 (ja) * 1989-08-31 1998-05-20 日本メクトロン株式会社 可撓性回路基板の製造法
JP2006339295A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Nippon Mektron Ltd 可撓性回路基板

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0673391B2 (ja) * 1987-08-12 1994-09-14 住友電気工業株式会社 フレキシブル両面回路基板の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2753740B2 (ja) * 1989-08-31 1998-05-20 日本メクトロン株式会社 可撓性回路基板の製造法
JP2006339295A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Nippon Mektron Ltd 可撓性回路基板

Also Published As

Publication number Publication date
CN101106865A (zh) 2008-01-16
JP2007305936A (ja) 2007-11-22
CN101106865B (zh) 2012-08-08
TW200814895A (en) 2008-03-16
TWI384924B (zh) 2013-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4642693B2 (ja) 両面可撓性回路基板
JP6245569B2 (ja) 光電気混載基板
US10159142B2 (en) Printed wiring board with a reinforcing member having a diffusion-bonded nickel layer
JP4860185B2 (ja) 可撓性回路基板
JP2009200113A (ja) シールド配線回路基板
JP2011081861A (ja) 配線回路基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよび配線回路基板の製造方法
JP4086768B2 (ja) フレキシブル回路用基板の製造方法
KR100866895B1 (ko) 금속과 동종금속 클래드재 및 금속과 이종재료 클래드재의90°접착강도측정(Peel test)을 위한 시편제조방법 및 90°접착강도 측정방법
WO2005096299A1 (ja) Hddサスペンション用積層体およびその製造方法
JP2008098613A (ja) フレキシブルプリント回路板
KR101024937B1 (ko) 양면 연성 동박 적층판 및 이를 제조하는 방법
JP2012211388A (ja) 圧延銅合金箔
KR20170074075A (ko) 캐리어 기판
US20090166066A1 (en) Copper foil
JP2004079731A (ja) 可撓性回路基板
JP2006339836A (ja) 音響振動板の製造方法
JP2006024584A (ja) フレキシブルプリント基板
JP4821995B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2006261444A (ja) 両面フレキシブル配線基板及びそれを用いた折畳み式携帯電話
JPWO2004049336A1 (ja) 薄肉銅箔を用いたhddサスペンション用積層体及びその製造方法
JP2005244004A (ja) 多層フレキシブル配線回路基板
JP3046498B2 (ja) プローブ
JP2012195479A (ja) フレキシブル回路基板
JP2008218576A (ja) フレキシブルプリント基板
JP2021138088A (ja) 電気接続部材、電気接続部材を生産する方法及び配線構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080701

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4642693

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees