JP4641150B2 - 抗酸化物質分泌促進剤及び抗酸化物質の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、本発明は、特定のアミノ酸と金属塩を、細菌と共存させることで、細菌が生存する際に生じる抗酸化、活性酸素消去、及びフリーラジカル消去物質等の抗酸化物質の代謝量を多くし、菌体外に大量にその抗酸化物質を分泌させる抗酸化物質分泌促進剤及びその抗酸化物質分泌促進剤を使用する抗酸化物質の製造方法に関する。
また、これらの活性酸素が脂肪酸と反応したものなども活性酸素の一種とされている。活性酸素は、殺菌や炎症などの生体の防御機能に大きく関与しているが、これに留まらず、各種の血管障害、腎炎、糖尿病、眼科疾患、腫瘍などの多くの疾患に関与していることが明らかにされてきている。
特許文献8参照。)が提案されている。
スタフィロコッカス(Staphylococcus)属に属する微生物の培養物(例えば、特許文献10参照)が提案されている。ビール酵母から抽出物由来(例えば、特許文献11参照。)が提案されている。
このようにこれらの方法は、ある特定の限られた菌に対してだけ効果がある方法である。一方、人はそれぞれの生活環境や食生活は異なり、そこに生息する常在菌も多様であることから、前述の方法も、全ての人に対してその効果が得られないと言う問題点があった。また、皮膚常在菌の増殖因子を化粧品に配合することで、活性酸素やUVによる障害を防止することが知られている(例えば、特許文献13参照。)。この方法は、皮膚常在菌の生育活性を高めることで、スーパーオキサイド・ジスムターゼ(SOD)様物質の分泌量を上げる方法であることから、皮膚上で菌体が増えることによる弊害も問題である。
すなわち、本発明は人に常在する細菌に対して抗酸化、活性酸素消去、フリーラジカル消去作用のある物質の菌体外への分泌を高めることができる化合物に関するものおよびその化合物を使用して抗酸化物質を製造する方法である。人常在菌の抗酸化、活性酸素消去、フリーラジカル消去作用のある物質の外分泌活性を高めることにより、整肌を達成する安定性の高い、安全な化合物である。
抗酸化物質分泌促進剤としてトリプトファン、シスチン、チロシン及びヒスチジンよりなる4種類のアミノ酸と金属塩を含むため、さらに人に常在する幅広い菌に対し、抗酸化物質分泌促進作用をすることができる。特定の種類の菌に対して効果的に抗酸化物質分泌促進作用をすることができる。
金属塩が、鉄塩およびマンガン塩であるため、他の金属塩に比べて、一層抗酸化物質を効率的に分泌させることができる。
さらに、本発明では、人に常在する幅広い菌に対し、抗酸化物質分泌促進作用をすることができる。
全ての細菌に於いて、例えばフラボ蛋白(還元体の自酸化)に遊離酸素が反応したりすると、(不対電子をもつ)遊離反応基である スーパーオキシドアニオン(O2 -)が僅かに産生される。スーパーオキシドアニオンは不均化されて過酸化水素(H2O2)を生じ、過酸化水素が放置され金属イオンに触媒されて分解すると、毒性の強いヒドロキシルラジカル(OH・)を生じる。このヒドロキシラジカルは細胞膜を作っている脂肪などから水素を引き抜くので、連鎖的なラジカル反応が引き起こされ生体組織は破壊される。
2O2 − + 2H+ → O2 + H2O2
(superoxide dismutase)
2H2O2 → 2H2O + O2
(catalase)
菌に与えるアミノ酸としては トリプトファン、シスチン、チロシン及びヒスチジンよりなるアミノ酸である。
本発明は、このような特定のアミノ酸と金属塩を含む抗酸化物質分泌促進剤である。
そして、化粧料一般にその用量は、例えばクリーム状又は軟膏状の製剤の場合、皮膚面1cm2当たり1〜20mg、液状製剤の場合、同じく1〜10mgとするのが好ましい
が、これに限定されるものではない。
本発明の抗酸化物質分泌促進剤および抗酸化分泌促進方法を薬剤(皮膚外用剤、栄養剤)、化粧料(化粧料添加剤を含む。)として使用する際は、個々の目的に応じて、適宜、紫外線防止剤、美白剤、皮膚(細胞)賦活化剤、収れん剤、抗炎症(消炎)剤、酸化防止剤、保湿剤等を組み合わせて配合される。
及び羅漢果抽出物等を挙げることができ、その1種又は2種以上を適宜選択して配合される。美白剤成分の含有量は、美白剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常0.1〜10%である。植物抽出物等を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分換算の量である。
トリン,ヘスペリジン),ビタミンUなど。アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオムギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ローズマリー抽出物、ヒノキチオール、セファランチン等の植物由来の抽出物、α−及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。これらの皮膚賦活化剤の1種又は2種以上を適宜選択して配合することができ、その配合量は、皮膚賦活化剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常0.1〜20%である。
CH3565,ハロカルバン,ヘキサクロロフェン,クロロヘキシジン,エタノール,メタノール,イソプロピルアルコール,ベンジルアルコール,エチレングリコール,プロピレングリコール,フェノキシエタノール,クロロブタノール,イソプロピルメチルフェノール,非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル,ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなど),両性界面活性剤,アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム,ラウロイルサルコシンカリウムなど),カチオン界面活性剤(臭化セチルトリメチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化メチルロザニリン),ホルムアルデヒド,ヘキサミン,ブリリアントグリーン,マラカイトグリーン,クリスタルバイオレット,ジャーマル,感光素101号,感光素201号,感光素401号,N−長鎖アシル塩基性アミノ酸誘導体及びその酸附加塩,酸化亜鉛,ヒノキチオール,クジンなど抗菌・殺菌・消毒薬等を配合しても構わない。これらの成分を適宜一種又は二種以上添加することができる。また、これらの成分の添加量は特に限定されないが、通常0.0001〜80%(対全量)の範囲で添加することができる。
香料としては、天然香料や合成香料がある。天然香料の代表例は、バラ油、ジャスミン油、ネロリ油、ラベンダー油、チュベローズ油、イランイラン油、クラリセージ油、クローブ油、ペパーミント油、ゼラニウム油、パッチュリー油、サンダルウッド油、シンナモン油、コリアンダー油、ナツメグ油、パイン油、バニラ油、ペルーバルサム油、バナナ油、アップル油、フェンネル油、トンカビーンズ油、ペパー油、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、オポポナックス油、ベチバー油、オリス油、オークモス油、アニス油、ボアドローズ油などの植物性香料、ムスク油、シベット油、カストリウム油、アンバーグリス油などの動物性香料である。
カルボン、シクロペンタデカノン、ダマスコン、メチルイオノン、イロン、イソイースーパー、アセチルセドレン、ムスコンなどのケトン類、ベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、リナリルアセテート、ベンジルベンゾエートなどのエステル類、γ−ウンデカラクトン、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノリッド、エチレンブラシレートなどのラクトン類、ガラクソリッド、アンブロキサン、ローズオキサイドなどのオキサイド類、オイゲノールなどのフェノール類、インドールなどの含窒素化合物、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタールなどのアセタール類、オーランチオールなどのシッフ塩基類などである。香料は一般的に一種類単独で使用することは少なく、目的に応じて複数種を組み合わせた調合香料として用いられる。
有機溶剤および油剤の配合割合は、通常、香料の1〜100倍量であり、適宜決定され
ればよい。
有機顔料は、分子構造内に親水性基を持たず、水、油や溶剤に溶解しない有色粉末であり、着色力、耐光性に優れている。アゾ系顔料の赤色228号、インジゴ系顔料の赤色226号、フタロシアニン系顔料の青色404号等があげられる。
白色顔料は、着色や被覆等の目的で用いられ、ニ酸化チタンと酸化亜鉛があげられる。
体質顔料は、着色よりも製品の形状維持や伸展性、付着性、光沢等の調節、色調の調整(希釈剤)に用いられ、例えば雲母(マイカ)、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母等の雲母系顔料、セリサイト、タルク、カオリン、モンモリロナイト、ゼオライト等の粘度鉱物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の合成無機粉体等があげられる。
真珠光沢顔料は、被着色物に真珠光沢、虹彩色、メタリック感等の特殊な光学的効果を与えるために使用される顔料であり、雲母チタン、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等があげられる。その他、アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、錫粉、真鍮粉などの金属粉顔料等があげられる。
機能性顔料としては、窒化ホウ素、合成フッ素金雲母、フォトクロミック顔料、複合化微粒子粉体等があげられる。
本発明で使用する界面活性剤は、特にその種類は限定するものではないが、親水性親油性比(HLB値が12〜18である界面活性剤が好ましく用いられる。使用できるアニオン性界面活性剤としては、N−アシルグルタミン酸塩などのN−アシルアミノ酸塩類、アルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸類、アルキルエーテルリン酸エステル類、アシル−N−メチルタウリン類が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体類などが挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POE・POPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油(または硬化ヒマシ油)誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOE、ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ等脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
界面活性剤の配合割合は、通常、1〜20重量%(対全量)であり、好ましくは5〜1
0重量%(対全量)である。
以下の実施例において使用される供試菌株は以下の通りである。
皮膚常在菌として、菌株1〜6を使用する。
菌株1 スタフィロコッカス・エピデルミデスIFO 3762
菌株2 スタフィロコッカス・アウレウスIFO 3761
菌株3 ミクロコッカス・オーランティアクスIFO 15364
菌株4 シュウドモナス・エルギノーザIFO 3080
菌株5 エッセンシア・コリIFO 3301
菌株6 バシリス・スブチルス IFO 3007
腸内細菌として、菌株7〜9を使用する。
菌株7 エッセンシア・コリIFO 3301
菌株8 ラクトバチルス・アシドフィルスIFO 13951
菌株9 エンテロコッカス・フェーカリスIFO 3989
グルコース 10g、イーストエキストラクト 5.0g、リン酸水素2カリウム 0.5g、リン酸2水素カリウム 1.5g、硫酸マグネシウム・7水 0.2g、水酸化ナトリウム 0.1g、硝酸カリウム 0.1g、P−Aminobenzoic acid 20μg、Inositol 0.2mg、Vitamin H 2μg、Nicotinic acid 40μg、Vitamin B12 0.5μg、VitaminB1 40μg、Ca-Pantothenate 0.4mg、VitaminB2 40μg、VitaminB6 40μgを混合して、pH7.2の1000mlの液体培地である。
固体培地として以下の成分を有する関東化学株式会社製の試薬を使用する。
グルコース 1.0g、イーストエキストラクト 2.5g、ペプトン 5.0g、寒天 2.0gを混合して、pH=7.0の100mlの液体培地である。
上記の培養液を便宜希釈し、固体培地を使いコロニーカウント法にて生菌数を測定した。(培養温度は30℃、2日間とした。)
上記の培養液を1−20倍に希釈した後、濁度を測定した。
1.DPPHラジカル消去能活性の測定
1)1.5ml用エッペンドルフチューブに800μM−DPPHエタノール溶液 175μl、400mM−MES(pH6.5)溶液 175μl、エタノール 1000μlを添加した後、供試検体を20μl添加した。
2)その供試検体を20μl添加した溶液を30℃、20分間反応後、12,000rpm、1分間遠心分離を行い沈殿物を除去した。
3)その溶液の上清の520nmを1.5mlセルにより吸光度を測定した。
4)抗酸化活性は次の式により算出した。
抗酸化活性(%)=(100−吸光度520nm(サンプル)/吸光度520nm(ブランク)×100)として算出した。
XOD(キサンチンオキシダーゼ)液を作成する。XOD(キサンチンオキシダーゼ)液は、XODを0.5M硫酸アンモニウム、EDTA-2Na−1mM溶液に溶解して2
0℃に保存しておいたものである。
キサンチンーニトロブルーテトラゾリウム溶液を作成する。キサンチンーニトロブルーテトラゾリウム溶液は、0.1mM、キサンチン 0.025mM、ニトロブルーテトラゾリウム 0.1mM、EDTA-2Na 50mM、炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.2)を使用して作成する。
上記の溶液を使用して以下のように測定する。
1)試験管に試料を50μlをとり、XOD液を50μl添加した後、攪拌せずに25℃水浴下に10分間おく
2)キサンチンーニトロブルーテトラゾリウム溶液を2.85ml添加後、直ちに攪拌し、25℃水浴下で5分間置く
3)塩化銅溶液(0.2%CuCl2・H2O)を20μl添加して攪拌し、560nmで比色定量する。
4) ブランクは試料及びXOD液を除いた0.2M硫酸アンモニウム溶液にて測定する
。
5)SOD活性は次の式により算出した。
SOD活性(%)={100−吸光度560nm(サンプル)/吸光度560nm(ブ
ランク)×100}として算出した。
菌株1−9を固体培地に、一白金耳接種した後、30℃、24時間静置培養を行う。次に、液体培地に各アミノ酸および金属塩を設定量添加した培地に先の固体培地より一白金耳接種し、30℃、2日間静置培養を行う。菌株1−7は180rpmにて振盪培養、菌株8、9は静置培養を行う。培養2日後の生菌数と菌体量、また培養液を12,000rpm、10分間遠心分離を行いその上清を供試検体をして抗酸化活性およびSOD活性を測定した。参考例1〜17の結果を表1に示した。
上記表1における金属MIXの配合は、次の通りである。
FeSO4・7H2O 5mg、Na2WO4・2H2O 0.5mg、Na2MoO4・2H2O 0.5mg、MnSO4・5H2O 0.5mg、CaCl2 100mg、ZnCl 0.5mgを配合した。
上記参考例と比較のため、比較例1〜21を以下のように行った。
参考例1と同様に、菌株1−9を固体培地に、一白金耳接種した後、30℃ 24時間静置培養を行う。次に、液体培地に先の固体培地より一白金耳接種し、30℃、2日間静置培養を行う。菌株1−7は180rpmにて振盪培養、菌株8,9は静置培養を行う。培養1日、2日後の生菌数と菌体量、また培養液を12,000rpm、10分間遠心分離を行いその上清を供試検体をして抗酸化活性およびSOD活性を測定した。
比較例1−21の結果を表―2に示した。
菌株1〜3を固体培地に、一白金耳接種した後、30℃ 24時間静置培養を行う。次に、液体培地に、各アミノ酸の添加合計2.5g、およびFeSO4・7H2Oを5mg、MnSO4・5H2Oを0.5mg、添加した培地に先の固体培地より一白金耳接種し、30℃、2日間静置培養を行う。菌株の1〜7は180rpmにて振盪培養を行う。培養2日後の生菌数と菌体量、また培養液を12,000rpm,10分間遠心分離を行いその上清を供試検体として抗酸化活性およびSOD活性を測定した。その結果を表3に示した。
各菌株を液体培地で培養した時の抗酸化活性は71以上であり、SOD活性は80以上であることから、本発明の実施例の方法を用いると、菌の増殖活性を上げることなく、抗酸化活性物質の分泌を高めていることがわかる。
常在菌分離法として、固体培地を15人(男性5人、女性10人、年齢20〜60歳)の顔に直接押し付けた後、30℃、2日間培養を行った。培地上に出現したコロニーを釣菌し、菌種の異なる常在菌を22菌株分離した。常在菌1〜21を固体培地に一白金耳接種した後、30℃、24時間静置培養を行う。次に、液体培地に各アミノ酸の添加合計2.5g、およびFeSO4・7H2O 5mg、MnSO4・5H2O 0.5mg添加した培地に一白金耳接種し、30℃、2日間静置培養を行う。菌株1〜7は180rpmにて振盪培養を行う。培養2日後の生菌数と菌体量を測定するため、また培養液を12,000rpm、10分間遠心分離を行いその上清を供試検体として抗酸化活性を測定した実施例4の結果を表4に示した。
実際に分離した皮膚常在菌も本発明の液体培地で培養した時の抗酸化活性は40以上であることから、本発明の実施例の方法を用いると、抗酸化活性物質の分泌を高めていることがわかる。
表4において左側の縦方向に1つの丸印が付されている部分は単独のアミノ酸を使用した場合を示し、参考例であり、右側の縦方向に複数の丸印が付されている部分は複数のアミノ酸を組み合わせて使用したものである。トリプトファン+シスチン+チロシン+ヒスチジンを使用したもの以外は参考例である。
本発明の場合、種々の製剤の形態が採用される。その配合例1を次に示す。これ等の製剤は常法に従い調製した。
尚、配合量は重量%で表した。また、各シリコーンオイルは信越化学工業(株)製、アルカリゲネス産生多糖体は伯東社製それ以外の成分は試薬(関東化学社製)を用いた。
配合例1は、本発明をクレンジングクリームの調製に使用したものである。
((No.)(配合成分) (重量%)
1.流動パラフィン 30.0
2.ホホバ油 15.0
3.モノオレイン酸ソルビタン 2.0
4.ラノリン 4.0
5.グリセリン 6.0
6.プロピレングリコール 4.0
7.硫酸マンガン 0.0005
8.塩化鉄 0.002
9.トリプトファン 0.2
10.チロシン 0.2
11.シスチン 0.2
12.システイン 0.2
13.フェニルアラニン 0.2
14.ヒスチジン 0.2
15.香料 適量
16.メチルパラベン 0.1
17.アルカリゲネス産生多糖体 0.06
18.精製水 100とする残量
(製法)
配合成分No.1〜4、9〜14を約70℃にて加熱溶解し、混合物20とした。また、配合成分No.5、6、16、17、18を約70℃にて攪拌混合し、混合物21とした。混合物20を攪拌しながら混合物21を添加し、冷却しながら攪拌し、約40℃にて配合成分No.7および8、15を添加クレンジングクリームを得た。
Claims (2)
- トリプトファン、シスチン、チロシン及びヒスチジンよりなる4種類のアミノ酸の合計が化粧料全量に対して0.01〜10重量%となるように配合された上記4種類のアミノ酸と、鉄塩およびマンガン塩の金属塩とを有効成分とする抗酸化物質分泌促進剤を含有することを特徴とする化粧料。
- 上記化粧料にアルカリゲネス産生多糖体を含有する請求項1に記載の化粧料。
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