JP6039484B2 - 組成物及び化粧料 - Google Patents
組成物及び化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6039484B2 JP6039484B2 JP2013073412A JP2013073412A JP6039484B2 JP 6039484 B2 JP6039484 B2 JP 6039484B2 JP 2013073412 A JP2013073412 A JP 2013073412A JP 2013073412 A JP2013073412 A JP 2013073412A JP 6039484 B2 JP6039484 B2 JP 6039484B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- mass
- ion
- amino acid
- soluble amino
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
これらの難溶性アミノ酸を、化粧料に配合し易くする方法として、特許文献1には、難溶性アミノ酸の結晶を湿式粉砕して、平均粒子径が1.0μm以下の微細粒子を調製する方法が記載されている。
また、本発明は、難溶性アミノ酸を安定配合させ、且つ、難溶性アミノ酸の皮膚への浸透性を向上させ得る組成物を含有する化粧料を提供することを課題とする。
<1> 難溶性アミノ酸と、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンと、2価の金属イオン及び3価の金属イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有し、上記難溶性アミノ酸がシスチンを含み、上記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類が、カルボキシメチルセルロース塩であり、上記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンが、ジラウロイルグルタミン酸リシンを含み、上記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量が、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜5.0質量%である組成物。
<2> 上記2価の金属イオンが、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、マンガンイオン、及び鉄(II)イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、<1>に記載の組成物。
<3> 上記3価の金属イオンが、アルミニウムイオン、鉄(III)イオン、及びクロムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、<1>に記載の組成物。
<4> 上記難溶性アミノ酸と、上記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、上記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンと、を含む微細粒子を含有し、上記微細粒子の平均粒子径が5nm〜500nmである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の組成物。
<5> 上記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類の含有量が、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜5.0質量%である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の組成物。
<6> 上記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、上記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとの含有比が質量基準で2:1〜2:5である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の組成物。
<7> 更に、非イオン性界面活性剤を含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の組成物。
<8> 上記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、及び、ポリオキシエチレンコレステロールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の組成物を含有する化粧料。
また、本発明によれば、難溶性アミノ酸を安定配合させ、且つ、難溶性アミノ酸の皮膚への浸透性を向上させ得る組成物を含有する化粧料を提供することが可能となる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において工程との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、組成物との語は、難溶性アミノ酸、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類及びジ脂肪酸グルタミン酸リシン等の分散質を、分散媒に分散して得られる組成物を意味する。
本発明の組成物は、難溶性アミノ酸と、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとを含有する。本発明の組成物は後述するように、難溶性アミノ酸と、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとを含有する分散組成物であることが好ましい。
難溶性アミノ酸とは、20℃の、pH=5〜7の水、及び、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリドに対する溶解度が、いずれも0.5g/100g以下であるアミノ酸を意味する。なお、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの強酸又は強アルカリの水溶液に溶解する場合は、それらの溶液は皮膚に対する刺激性が強く、人体へ適用するには好ましくない。
本発明の組成物は、必要に応じて更に他の成分を含んでいてもよい。
難溶性アミノ酸としては、例えばシスチン又はそれらの誘導体、並びにそれらの塩、チロシン又はそれらの誘導体、並びにそれらの塩、アスパラギン酸又はそれらの誘導体、並びにそれらの塩等が挙げられる。好ましくは、シスチン、チロシン、アスパラギン酸等が挙げられ、より好ましくは、L−シスチン、L−チロシン、L−アスパラギン酸等が挙げられる。
難溶性アミノ酸の含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。難溶性アミノ酸の含有量が、組成物の全質量に対して0.5質量%以上であれば、化粧料等への配合が容易になるため好ましく、10質量%以下であれば、分散液中でのアミノ酸の析出が抑えられるため好ましい。
また、難溶性アミノ酸の含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%〜8.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜5.0質量%であることが更に好ましい。
カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類(以下、「特定増粘多糖類」とも称する。)としては、分子内にカルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類であり、水に溶解してゲル化することにより粘性を付与し得る増粘多糖類であることが好ましい。
特定増粘多糖類における水酸基に対するカルボキシル基のモル比率(カルボキシル基/水酸基)は、0.2〜1.0であることが好ましい。特定増粘多糖類における水酸基に対するカルボキシル基のモル比率(カルボキシル基/水酸基)が、0.2以上であれば、特定増粘多糖類の溶解度が低下することがないため好ましく、1.0以下であれば、難溶性アミノ酸分散液の粒子径が微細になるため好ましい。
また、特定増粘多糖類における水酸基に対するカルボキシル基のモル比率(カルボキシル基/水酸基)は、難溶性アミノ酸の組成物中への分散安定性いう観点から、0.2〜0.5であることがより好ましく、0.2〜0.3であることが更に好ましい。
天然由来の成分としては、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸等のウロン酸を分子内に有する成分が挙げられる。具体的には、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩、ペクチン、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のコンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸ナトリウム等のヒアルロン酸塩、ヘパリン等が挙げられる。
天然高分子材料を変性した成分(半合成高分子化合物)としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のカルボキシメチルセルロース塩、カルボキシメチルキチンナトリウム等のカルボキシメチルキチン塩、カルボキシメチルデンプンナトリウム等のカルボキシメチルデンプン塩など天然の多糖類を変性したもの、又は、でんぷん及びセルロースなどの多糖類にアクリル酸をグラフト共重合したもの等が挙げられる。
特定増粘多糖類の含有量は、難溶性アミノ酸の含有量に対して、同等量の質量以上であることが好ましく、2倍量〜10倍量であることがより好ましく、3倍量〜5倍量であることが更に好ましい。
特定増粘多糖類の含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。特定増粘多糖類の含有量が、組成物の全質量に対して0.5質量%以上であれば、十分な分散安定性が得られるため好ましく、10質量%以下であれば、分散液の粘度が抑えられるため好ましい。
また、特定増粘多糖類の含有量は、組成物の全質量に対して、1,0質量%〜5.0質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜2.5質量%であることが更に好ましい。
ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとしては、リシンとN−脂肪酸アシル−グルタミン酸とを反応させて合成させたものであれば、特に制限されない。
ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとしては、具体的には、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ジミリスチルグルタミン酸リシン、ジステアリルグルタミン酸リシン、ジリノレイルグルタミン酸リシン等が挙げられる。中でも、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとしては、ジラウロイルグルタミン酸リシンが好ましい。
ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量は、難溶性アミノ酸の含有量に対して、同等量の質量以上であることが好ましく、2倍量〜10倍量であることがより好ましく、3倍量〜6倍量であることが更に好ましい。
ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量が、組成物の全質量に対して0.5質量%以上であれば、十分な分散安定性が得られるため好ましく、10質量%以下であれば、分散液の起泡性が抑えられるため好ましい。
また、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量は、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜5.0質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜3.0質量%であることが更に好ましい。
多価金属イオンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0量%であることが好ましい。また、多価金属イオンの含有量は、組成物の全質量に対して、0.002質量%〜1.0質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜0.5質量%であることが更に好ましい。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の非イオン性界面活性剤を得ることができる。
好ましくは、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノールである。より好ましくは、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノールが挙げられる。
また、上記の非イオン性界面活性剤は、蒸留などで高度に精製されたものであることは必ずしも必要ではなく、反応混合物であってもよい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL HCO−20、NIKKOL HCO−30、NIKKOL HCO−40、NIKKOL HCO−50、NIKKOL HCO−60、NIKKOL HCO−80、NIKKOL HCO−100、日本エマルジョン(株)社製、EMALEX HC-20、EMALEX HC-30、EMALEX HC-40、EMALEX HC-50、EMALEX HC-60、EMALEX HC-80、EMALEX HC-100、花王(株)社製、エマノーン CH−25、エマノーン CH−40、エマノーン CH−60、日油(株)社製、ユニオックス HC-20、ユニオックス HC-40、ユニオックス HC-60、ユニオックス HC-100、第一工業製薬(株)社製、ノイゲン HC−400、ノイゲン HC−600などが挙げられる。
ポリオキシエチレンコレステロールは、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレンコレステロールは市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、EMALEX CS-10、EMALEX CS-15、EMALEX CS-20、EMALEX CS-24、EMALEX CS-30などが挙げられる。
ポリオキシエチレンコレステロールは、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレンフィトステロールは市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL BPS−10、NIKKOL BPS−20、NIKKOL BPS−30などが挙げられる。
ポリオキシエチレンコレステロールは、単独又は混合して用いることができる。
ポリオキシエチレンコレステロールは市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL BPSH−25などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の含有量は、難溶性アミノ酸の含有量に対して、同等量の質量以上であることが好ましく、2倍量〜10倍量であることがより好ましく、4倍量〜8倍量であることが更に好ましい。
非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物の全質量に対して、0.5質量%〜20質量%であることが好ましい。また、非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜10質量%であることがより好ましく、3.0質量%〜5.0質量%であることが更に好ましい。
組成物は、難溶性アミノ酸、特定増粘多糖類、及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンを含み、必要に応じて、分散質、多価金属イオン又は非イオン性界面活性剤を含んでもよく、この他にも必要に応じて種々の成分を含むことができる。
種々の成分としては、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤等が挙げられる。
組成物中の、分散質と、分散媒との質量比としては、例えば0.5:99.5〜50:50、1.0:99〜20:80、2.0:98〜10:90が挙げられる。
pHの測定は、例えば、pHメータ(型番:HM−30V、東亜ディーケーケー(株)製)により行うことができる。
本発明における組成物において、難溶性アミノ酸、特定増粘剤及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンを含む分散質は、水、多価アルコール等の分散媒に分散して、微細粒子を形成し得る。本発明の微細粒子は、特に限定されないが、特定増粘多糖類及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンが、難溶性アミノ酸の析出粒子表面に吸着された微細粒子であることが好ましい。
難溶性アミノ酸、特定増粘剤及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンを含む微細粒子の平均粒子径は、難溶性アミノ酸の皮膚への浸透性向上の観点から、5nm以上500nm以下であることが好ましく、5nm以上200nm以下であることがより好ましく、5nm以上100nm以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、微細粒子の平均粒子径とは、組成物中に存在する微細粒子の体積平均粒子径を意味する。
本明細書において、組成物中に含まれる微細粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡、遠心沈降法、液体排除クロマト法、レーザー散乱回折法、動的光散乱法などの公知の方法で求めることができ、特に限定されることはない。精度と測定の簡便さから、動的光散乱法を用いて測定することが好ましい。
動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))、ナノトラックUPA(日機装(株))、ナノサイザー(マルバーン社製)等が挙げられるが、本明細書における粒子径は、FPAR−1000を用いて25℃で測定した値を採用する。
具体的には、組成物を水で100倍(質量)に希釈して、メジアン径(d=50)として求める。
なお、微細粒子の平均粒子径は、組成物の成分以外に、製造方法における攪拌条件(せん断力・温度・圧力)等の要因によって調整することができる。
本発明の組成物は、粉砕操作を主とするブレークダウン法、又は析出操作を主とするビルドアップ法等の方法に従い製造することが可能である。本発明の組成物の好ましい製造方法としては以下に述べる製造方法が挙げられる。
以下に、組成物の製造方法を具体的に示すが、組成物の製造方法は以下の方法に限定されるものではない。なお、難溶性アミノ酸、特定増粘多糖類、ジ脂肪酸グルタミン酸リシン、多価金属イオン、非イオン性界面活性剤、その他の成分については、組成物の項で説明した事項をそのまま適用するものとする。
難溶性アミノ酸を、アルカリ性水溶液に溶解する際の温度は、1℃〜30℃の室温が挙げられ、好ましくは10℃〜25℃が挙げられる。
アルカリ性水溶液のpHは7より大きいものであれば特に制限されないが、難溶性アミノ酸の溶解度を向上させることができるため、アルカリ性水溶液のpHは8.5以上が好ましく、10以上が好ましい。
アルカリ性水溶液は、0.1mol/L〜6.0mol/Lの水酸化ナトリウム、0.1mol/L〜6.0mol/Lの水酸化カリウム、0.1mol/L〜6.0mol/Lの水酸化リチウム等を用いて調製することができる。
アルカリ性水溶液に添加する難溶性アミノ酸の量は、難溶性アミノ酸溶液の全質量に対して、1.0質量%〜20質量%であることが好ましく、2.0質量%〜15質量%であることがより好ましく、4.0質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
難溶性アミノ酸溶液は、添加した難溶性アミノ酸がすべて溶解するまで撹拌して調製すればよい。撹拌方法及び撹拌時間は特に制限されない。
また、難溶性アミノ酸溶液は、難溶性アミノ酸の他にも、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
酸性水溶液は、特定増粘多糖類及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンを含有したものであればよく、これらの他に非イオン性界面活性剤、その他の成分を含有してもよい。
酸性水溶液を調製する際の温度は、1℃〜30℃の室温が挙げられ、好ましくは15℃〜25℃が挙げられる。
酸性水溶液は、添加した特定増粘多糖類及びジ脂肪酸グルタミン酸リシンが、すべて溶解するまで撹拌して調製すればよい。撹拌方法及び撹拌時間は特に制限されない。
酸性水溶液のpHは7より小さいものであれば特に制限されないが、難溶性アミノ酸アルカリ性水溶液を中和するために、酸性水溶液のpHは6.0以下が好ましく、5.0以下が好ましい。
酸性水溶液は、0.1mol/L〜6.0mol/Lの塩酸、0.1mol/L〜6.0mol/Lの硫酸、0.1mol/L〜6.0mol/Lのクエン酸等を用いて調製することができる。
酸性水溶液に添加する特定増粘多糖類の量は、酸性水溶液の全質量に対して、0.5質量%〜15質量%であることが好ましく、1.5質量%〜7.5質量%であることがより好ましく、2.0質量%〜3.0質量%であることがさらに好ましい。
酸性水溶液に添加するジ脂肪酸グルタミン酸リシンの量は、酸性水溶液の全質量に対して、0.5質量%〜15質量%であることが好ましく、1.5質量%〜7.5質量%であることがより好ましく、2.5質量%〜4.0質量%であることがさらに好ましい。
酸性水溶液に添加する非イオン性界面活性剤の量は、酸性水溶液の全質量に対して、0.5質量%〜25質量%であることが好ましく、1.5質量%〜15質量%であることがより好ましく、4.0質量%〜8.0質量%であることがさらに好ましい。
溶解させる際の温度は、10℃〜70℃が挙げられる。
多価金属イオン含有溶液は、所定の金属を含む塩化合物等がすべて溶解するまで撹拌して調製すればよい。撹拌方法及び撹拌時間は特に制限されない。
溶媒としては、純水、多価アルコール等を用いればよい。
多価金属イオン含有溶液に添加する多価金属イオンの量は、多価金属イオンの種類により適宜調整すればよい。多価金属イオンとして、アルミニウムイオンを用いる場合には、硫酸カリウムアルミニウム12水和物等を溶媒に溶解すればよいが、この際添加する硫酸カリウムアルミニウム12水和物の量は、多価金属イオン含有溶液の全質量に対して、1.0質量%〜25質量%であることが好ましく、5.0質量%〜20質量%であることがより好ましく、10質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
また、多価金属イオン含有溶液は、多価金属イオンの他にも、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
酸性水溶液に、難溶性アミノ酸溶液及び多価金属イオン含有溶液を添加する際には、ホモジナイザー等公知の装置を用いて撹拌しながら添加混合する態様がより好ましい。
本発明の化粧料は、難溶性アミノ酸と、カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとを含む組成物を含有する。
これにより、難溶性アミノ酸が化粧料に安定配合でき、且つ、難溶性アミノ酸の皮膚への浸透性を向上させることができる。
化粧料は、組成物の項に記載された成分以外にも、化粧品等の分野において通常用いられる添加成分(以下、「他の添加成分」ともいう。)を、その形態に応じて適宜含有させてもよい。
また、その機能に基づいて各種成分を配合することができる。例えば、エモリエント剤、トリートメント剤、潤滑剤、保湿剤、育毛剤、養毛剤、発毛剤、抗白髪剤、アンチエイジング剤、香料、色素剤、制汗剤、冷感剤、清涼剤、温感剤などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、クエン酸モノグリセリド等が挙げられる。
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、フェノキシエタノール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、3−ヨード−2−プロピニルN−ブチルカルバメート等が挙げられる。
化粧料の形態には特に制限はなく、化粧水(ローション)、美容液(エッセンス)、クリーム、乳液等の化粧料を例示することができる。化粧料の形態は、透明性の高い乳化物を好適に用いることができる観点から、中でも化粧水(ローション)、美容液(エッセンス)が好ましい。
なお、実施例4(D−04)は、本発明の参考例である。
<組成物の調製>
下記の成分を、室温(25℃)で1時間攪拌溶解して、A液(難溶性アミノ酸溶液:pH10)を得た。
L−シスチン 0.50g
1mol/L NaOH 4.16g
純水 7.84g
カルボキシメチルセルロースNa 2.00g
ジラウロイルグルタミン酸リシン(30%含有液) 8.33g
ポリオキシエチレン−20フィトステロール 4.00g
1mol/L HCl 4.16g
純水 59.01g
硫酸カリウムアルミニウム12水和物 1.44g
純水 8.56g
また、組成を下記表1及び表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして組成物(シスチン分散液D−02〜14)を得た。
表1及び表2の組成における「−」は未配合を示す。
得られたシスチン分散液(D−01〜14)1.0mlを、9.0ml純水に添加して、スターラーを用いて、10分間攪拌を行って、分散液の希釈液を得た。
(平均粒子径測定)
得られた分散液の希釈液を用いて、微細粒子の平均粒子径を、動的光散乱粒径測定装置FPAR−1000(大塚電子株式会社製)を使用して測定した。
結果を表1及び表2に示す。表2の結果における「−」は未実施を示す。
分散液の希釈液の濁度測定を、分光光度計U−3310(株式会社日立ハイテクノロジー社製)を使用して測定した。
光路長10mmのセルを用いて、波長650nmにおける吸光度を濁度とした。
結果を表1及び表2に示す。表2の結果における「−」は未実施を示す。
また、シスチン分散液(D−01〜14)の目視による、外観性状評価を、シスチン分散液調液直後、及び、シスチン分散液を調液して室温に3日間静置した後に目視でそれぞれ行った。
性状評価の判断基準は以下のとおりである。
A:透明感のある均一な液状である。
B:透明感のある均一な液状であるが、わずかな沈殿、又は凝集物が観察される。
C:大量の沈殿、又は、大きな凝集物が観察される。
結果を表1及び表2に示す。
Claims (9)
- 難溶性アミノ酸と、
カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、
ジ脂肪酸グルタミン酸リシンと、
2価の金属イオン及び3価の金属イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含有し、
前記難溶性アミノ酸がシスチンを含み、
前記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類が、カルボキシメチルセルロース塩であり、
前記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンが、ジラウロイルグルタミン酸リシンを含み、
前記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンの含有量が、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜5.0質量%である組成物。 - 前記2価の金属イオンが、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、マンガンイオン、及び鉄(II)イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記3価の金属イオンが、アルミニウムイオン、鉄(III)イオン、及びクロムイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記難溶性アミノ酸と、前記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、前記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンと、を含む微細粒子を含有し、
前記微細粒子の平均粒子径が5nm〜500nmである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の組成物。 - 前記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類の含有量が、組成物の全質量に対して、1.0質量%〜5.0質量%である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記カルボキシル基及び水酸基を有する増粘多糖類と、前記ジ脂肪酸グルタミン酸リシンとの含有比が質量基準で2:1〜2:5である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物。
- 更に、非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、及び、ポリオキシエチレンコレステロールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の組成物を含有する化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013073412A JP6039484B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 組成物及び化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013073412A JP6039484B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 組成物及び化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014196275A JP2014196275A (ja) | 2014-10-16 |
JP6039484B2 true JP6039484B2 (ja) | 2016-12-07 |
Family
ID=52357395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013073412A Active JP6039484B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 組成物及び化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6039484B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11260005B2 (en) | 2016-12-21 | 2022-03-01 | Conopco, Inc. | Personal care compositions with glutathione precursor comprising 4-substituted resorcinols and amino acids |
EA201991185A1 (ru) | 2016-12-21 | 2020-01-13 | Юнилевер Н.В. | Композиции для личной гигиены, содержащие цистин |
CN110099672B (zh) | 2016-12-21 | 2022-05-24 | 联合利华知识产权控股有限公司 | 具有氨基酸和烟酰胺化合物的局部皮肤增亮添加剂和组合物 |
US10751267B2 (en) | 2016-12-21 | 2020-08-25 | Conopco, Inc. | Personal care compositions comprising poorly soluble compounds |
EA202092461A1 (ru) | 2018-05-23 | 2021-02-20 | Юнилевер Н.В. | Наноэмульсии и способ их получения |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4274354B2 (ja) * | 2003-04-04 | 2009-06-03 | 株式会社資生堂 | 皮膚外用剤 |
JP4641150B2 (ja) * | 2004-04-20 | 2011-03-02 | 伯東株式会社 | 抗酸化物質分泌促進剤及び抗酸化物質の製造方法 |
WO2006062238A1 (ja) * | 2004-12-07 | 2006-06-15 | Ajinomoto Co., Inc. | アミノ酸の微粉末及びその懸濁液 |
JP5756946B2 (ja) * | 2007-02-27 | 2015-07-29 | 熊野油脂株式会社 | 皮膚用洗浄剤 |
JP5966261B2 (ja) * | 2010-06-17 | 2016-08-10 | 大正製薬株式会社 | 外用組成物 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013073412A patent/JP6039484B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014196275A (ja) | 2014-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6039484B2 (ja) | 組成物及び化粧料 | |
JP6439937B2 (ja) | 増粘性組成物 | |
TW201212945A (en) | Skin cosmetic | |
JP5989227B2 (ja) | 皮膚用ジェル状組成物 | |
WO2021033725A1 (ja) | 化粧料 | |
JP3854524B2 (ja) | 油溶性成分安定化組成物及びその組成物を配合した化粧料、並びに油溶性成分の安定化方法 | |
KR20090057044A (ko) | 사용감이 좋은 유화 조성물 | |
JP5827079B2 (ja) | 粉体含有皮膚外用剤 | |
US20190038542A1 (en) | Moisturizing personal care compositions comprising monodisperse phytoglycogen nanoparticles and a further polysaccharide | |
JP2016169188A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JPH072630A (ja) | ヘアートリートメント組成物 | |
JP5097367B2 (ja) | 毛髪化粧料組成物 | |
US10322078B2 (en) | Cosmetic composition containing 3-O-alkyl-L-ascorbic acid or salt thereof | |
JP2684615B2 (ja) | 皮膚化粧料 | |
KR20150010981A (ko) | 제약, 개인 위생 및 가정 위생 적용에서의 응집된 히드록시에틸셀룰로오스의 용도 | |
JP2013001650A (ja) | 歯磨組成物 | |
JP2010120879A (ja) | 皮膚外用剤およびその製造方法 | |
JP2008230995A (ja) | 化粧料 | |
CN109223608B (zh) | 一种高速均质强制增溶方法及其应用 | |
JPH08119853A (ja) | 白濁入浴剤 | |
US20220183288A1 (en) | Powder Compositions Comprising Salts of C4 to C10 Oxocarboxylic Acids and of Unsaturated or Aromatic C6 to C10 Carboxylic Acids | |
JP6359302B2 (ja) | 化粧用ゲル及びこれを含む化粧料 | |
JP2014152206A (ja) | 水系組成物及びその製造方法 | |
JP7361004B2 (ja) | アルコール組成物の製造方法 | |
JPH07196468A (ja) | 化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150511 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160405 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161104 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6039484 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |