JP4639235B2 - L−カルニチン生合成関連遺伝子を含む腸内細菌属微生物、およびその微生物を用いたl−カルニチンの産生方法 - Google Patents

L−カルニチン生合成関連遺伝子を含む腸内細菌属微生物、およびその微生物を用いたl−カルニチンの産生方法 Download PDF

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Description

技術分野
アカパンカビ(Neurospora crassa)由来L−カルニチン生合成関連遺伝子を含む腸内細菌科に属する微生物、およびその微生物を用いたL−カルニチンの産生方法に関する。
背景技術
L−カルニチン(3−ヒドロキシ−4−トリメチルアミノブチレート)は、生物体内に一般的に存在し、活性化された長鎖脂肪酸をミトコンドリア内膜を横切ってミトコンドリアマトリックスに伝達する化合物であり、両性イオン化合物である。L−カルニチンは、リシンまたは蛋白質中のリシン(以下、蛋白質リシンという)から生合成されることが公知である。哺乳動物では、一般的に蛋白質リシンがL−カルニチン生合成の前駆体として使われるが、アカパンカビは、L-カルチニンの前駆体として遊離リシンを使用する。L−カルニチン生合成で、ε−N,N,N−トリメチルリシン、ε−N,N,N−トリメチル−β−ヒドロキシリシン、N,N,N−トリメチルアミノブチルアルデヒド、およびγ−ブチロベタインが中間体として形成される。γ−ブチロベタインは、γ−ブチロベタイン水酸化酵素によって水酸化され、L−カルニチンとなる。図1は、アカパンカビでのL−カルニチンの推定生合成経路を表す図面である。
L−カルニチンは、化学合成法、酵素反応による半合成法、および微生物法によって産生されうる。しかし、化学合成法による場合、不可避的に、DL−カルニチンのラセミ混合物が得られるために、それらを分離する必要がある。酵素反応による半合成法として、例えば、米国特許第4,221,869号(特許文献1)には、カルニチンデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.108)および助酵素NADを使用してデヒドロカルニチンからL−カルニチンを産生する方法が開示されている。しかし、デヒドロカルニチンは、非常に不安定であり、アセトニルトリメチルアンモニウムと二酸化炭素とに自発的に分解される。また、ドイツ特許第DE−OS−3123975号(特許文献2)には、アカパンカビから単離したγ−ブチロベタイン水酸化酵素(EC 1.14.11.1)でもってγ−ブチロベタインからL−カルニチンを産生する方法が開示されている。しかし、水酸化反応の間にα−ケトグルタラートおよび還元剤(すなわち、アスコルベート)が反応物中に添加されねばならないという短所がある。
微生物法によるL−カルチニンの産生に関して、米国特許第5,028,538号(特許文献3)には、クロトノベタイン(4−N,N,N−トリエチルアミノクロトン酸)を含有する培地で大腸菌(E.coli)044 K 74をインキュベートする段階、および培養物からL−カルニチンを回収する段階を含む方法が開示されている。米国特許第4,708,936号(特許文献4)には、アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxydans)DSM 3225(HK 1331b)をクロトノベタインおよび/またはγ−ブチロベタインを含む培地でインキュベートすることにより、L−カルニチンを産生する方法が開示されている。しかし、それらの方法によれば、クロトノベタインのようなL−カルニチン生合成の前駆体または中間体でない化合物を使用せねばならず、L−カルニチンの収率も高くない。従って、微生物法は、L−カルチニンの収率を改善させる必要がある。
これより、本発明者らは、廉価の前駆体を使用し、高収率でL−カルニチンを産生する微生物を探索していたところ、アカパンカビ由来のL−カルニチン生合成関連遺伝子が腸内細菌科に属する微生物で十分発現されるということを見い出し、本発明を完成するに至った。
米国特許第4,221,869号 ドイツ特許第DE−OS−3123975号 米国特許第5,028,538号 米国特許第4,708,936号
発明の詳細な説明
発明の技術的目標
本発明は、高収率でL−カルニチンを産生する微生物を提供する。
本発明は、前記微生物を用いてL−カルニチンを産生する方法もまた提供する。
発明の開示
本発明のある局面により、アカパンカビに由来するN−トリメチルリシン水酸化酵素(TMLH)活性をコードするポリヌクレオチド、アカパンカビに由来する3−ヒドロキシ−6−N−トリメチルリシンアルドラーゼ(SHMT)活性をコードするポリヌクレオチド、アカパンカビに由来するγ−トリメチルアミノアルデヒドデヒドロゲナーゼ(TMABADH)活性をコードするポリヌクレオチド、およびアカパンカビに由来するγ−ブチロベタイン水酸化酵素(BBH)活性をコードするポリヌクレオチドを含む腸内細菌科に属する微生物が提供される。
本発明の微生物は、前記四種それぞれの蛋白質をコードする四種のポリヌクレオチドを含むものであれば、限定されない。好ましくは、前記微生物は、大腸菌(Escherichia coli)であり、さらに好ましくは、大腸菌KCCM−10581である。
四種の蛋白質、すなわちTMLH、SHMT、TMABADHおよびBBHをそれぞれコードする四種のポリヌクレオチドは、ベクターを介し、または単独で微生物細胞に導入されうる。前記四種の蛋白質をそれぞれコードする四種のポリヌクレオチドがベクターを介して微生物細胞に導入される場合、前記四種のポリヌクレオチドは単一のベクター、または二つもしくはそれ以上のベクターに含まれうる。本明細書において、「ベクター」という用語は、当技術分野に周知の意味を有し、一般的に、核酸を細胞内に導入するのに使われる核酸の構造体を指す。かかる核酸の構造体は、好ましくは、プラスミドまたはウイルスゲノム由来の核酸構造体である。
本発明で、アカパンカビに由来するTMLH活性をコードするポリヌクレオチドは、アカパンカビ由来のTMLHをコードする。TMLHは、アカパンカビ細胞でε−N−トリメチルリシンをβ−ヒドロキシ−ε−N−トリメチルリシンに転換する反応を触媒することが公知であるが、本発明はTMLHのかかる特定の作用メカニズムに限定されない。TMLHをコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、配列番号:13のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。さらに好ましくは、配列番号:17のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。
アカパンカビに由来するSHMT活性をコードするポリヌクレオチドは、アカパンカビ由来のSHMTをコードする。SHMTは、アカパンカビ細胞でβ−ヒドロキシ−ε−N−トリメチルリシンをγ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒドに転換する反応を触媒することが公知であるが、本発明はSHMTのかかる特定の作用メカニズムに限定されない。SHMTをコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、配列番号:14のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。さらに好ましくは、配列番号:18のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。
アカパンカビに由来するTMABADH活性をコードするポリヌクレオチドは、アカパンカビ由来のTMABADHをコードする。TMABADH活性は、アカパンカビ細胞でγ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒドをγ−ブチロベタインに転換する反応を触媒することが公知であるが、本発明はTMABADHのかかる特定の作用メカニズムに限定されない。TMABADH活性をコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、配列番号:15のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。さらに好ましくは、配列番号:19のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。
アカパンカビに由来するBBH活性をコードするポリヌクレオチドは、アカパンカビ由来のBBHをコードする。BBHは、アカパンカビ細胞でγ−ブチロベタインをL−カルニチンに転換する反応を触媒することが公知であるが、本発明はBBHのかかる特定の作用メカニズムに限定されない。BBH活性をコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、配列番号:16のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。さらに好ましくは、配列番号:20のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドである。
本発明のもう一つの局面によると、本発明の微生物をε−N−トリメチルリシン、β−ヒドロキシ−N−トリメチルリシン、γ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒド、γ−ブチロベタイン、およびそれらの混合物からなる群より選択される基質の存在下で培養し、L−カルニチンを培養物中に産生する段階を含む、L−カルニチンの産生方法が提供される。
本発明のL−カルニチンの産生方法において、本発明の微生物は、前記の通りである。
本発明のL−カルニチンの産生方法において、ε−N−トリメチルリシン、β−ヒドロキシ−N−トリメチルリシン、γ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒド、γ−ブチロベタイン、およびそれらの混合物からなる群より選択される基質の濃度は、特に制限されるものではないが、好ましくは、培養培地の重量に基づき、0.1〜10重量%の範囲である。
本発明のL−カルチニン産生方法において、培養物中のL−カルニチンは、分離および精製によって回収されうる。分離および精製は、当技術分野に周知である。非限定的な例として、L−カルチニンの回収は、限外濾過、遠心分離およびデカンテーションにより細胞培養物から上澄み液を分離して、陽イオン交換クロマトグラフィ、または電気透析後に再結晶によってなされうる。
発明の効果
本発明による腸内細菌科に属する微生物は、L−カルニチン生産能にすぐれ、発酵によるL−カルニチンを産生に有効に使用されうる。
本発明によるL−カルニチンの産生方法によれば、微生物を用いてL−カルニチンを高収率で産生できる。
発明を実施するための最良の形態
以降、本発明を以下の実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
以下の実施例では、アカパンカビからL−カルニチンの生合成に関連する四種の蛋白質をコードするポリヌクレオチドを選択し、それらを含む核酸構造体を構築した。次に、それらの構造体を大腸菌に形質転換し、それから得られる形質転換された大腸菌株をL−カルニチン生合成の中間体を含む培地で培養し、L−カルニチンを産生して回収した。
実施例1:アカパンカビからのN−トリメチルリシン水酸化酵素(TMLH)、3−ヒドロキシ−6−N−トリメチルリシンアルドラーゼ(SHMT)、γ−トリメチルアミノアルデヒドデヒドロゲナーゼ(TMABADH)、およびγ−ブチロベタイン水酸化酵素(BBH)をコードするポリヌクレオチドの分離
本実施例では、アカパンカビからTMLH、SHMT、TMABADH、およびBBHをコードする四種のポリヌクレオチドを分離し、クローニングしたポリヌクレオチドの配列を分析した。
(1)アカパンカビのcDNAライブラリーの調製
アカパンカビ菌体(胞子体を含む)を含む培養物から総mRNAを分離し、ポリTプライマーを利用して逆転写反応を行った。PCR反応を行い、得られたcDNAを増幅した。増幅されたcDNAは、EcoRIおよびXhoIで消化した後、λAD5クローニングベクターのEcoRI−XhoI部位に挿入し、アカパンカビ由来cDNAライブラリーを調製した。
次に、前記cDNAライブラリーを大腸菌BNN322に形質転換させた後で形質転換した大腸菌BNN322を培養して増幅した。まず、大腸菌BNN322をカナマイシン50μg/mlと0.2%ブドウ糖とを含むLB培地で一晩培養した。その結果として得られた培養物を遠心分離した後、上澄み液を除去して細胞ペレットを1mlの10mM MgSOに再懸濁した。得られた懸濁液と5×10PFUの前記λcDNAライブラリーとを30℃で30分間振盪なしに培養した。前記培養物に2mlのLB培地をさらに添加し、30℃で1時間振盪培養した。培養された細胞をアンピシリン(75μg/ml)を含むLB培地プレートに塗抹し、37℃で8時間培養した。前記プレートのコロニーからWizardキットを使用してcDNAライブラリープールを精製した。このように精製されたcDNAライブラリープールを含むλファージをTMLH、SHMT、TMABADH、およびBBHをコードするポリヌクレオチドを増幅するためのテンプレートとして使用した。
(2)TMLHをコードするポリヌクレオチド(carB遺伝子)の増幅およびクローニング、ならびにTMLH産生の検出
(a)TMLHをコードするポリヌクレオチド(carB遺伝子)の増幅およびクローニング
(1)のcDNAライブラリープールを含むλファージをテンプレートとし、配列番号:1と2のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。その結果として得られるPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約1.4kbの所望の産物を確認した。配列番号:1と2のプライマーは、アカパンカビ由来TMLHの開始コドンと終止コドンとをコードすると推定される配列を含んでいた。公知のヒトおよびラット由来TMLHのアミノ酸配列をアカパンカビゲノムから発現する全体蛋白質のアミノ酸配列と相同性検索を介し、アカパンカビ由来TMLHを推定し、配列番号:1と2のプライマーは推定アカパンカビ由来TMLHに基づき設計されたものである。
前記PCR産物をEcoRIとSalIとで消化し、同じ制限酵素で処理されたpBS KS(Stratagene Inc.)に連結した。PCR産物をpBS KSに挿入することにより得られるpBS KScarBで大腸菌DH5αを形質転換した。形質転換された大腸菌DH5αを37℃で8時間培養した。pBS KScarBを形質転換された大腸菌DH5αから分離してEcoRIとSalIとで処理し、PCR産物が大腸菌DH5αに適切に挿入されているか否かを確認した。次に、前記分離されたpBS KScarBをNdeIとSalIとで処理した後、アガロースゲルで電気泳動して、NdeI−SalI断片を得た。NdeI−SalI断片を同じ制限酵素で処理された発現ベクターpT7−7に連結してpT7−7carBを得た(図2参照)。前記pT7−7carBで大腸菌BL21(DE3)を形質転換した。
(b)TMLH産生の検出
pT7−7carBで形質転換された大腸菌BL21(DE3)をアンピシリン(100μg/ml)が添加されたLB培地50mlが充填された250mlバッフルフラスコで、OD600値が0.6になるまで37℃で培養した後、IPTG(1mM)を添加した後で4時間さらに培養した。細胞培養物からpT7−7carBを分離し、NdeIおよびSalIで処理して制限断片をアガロースゲル電気泳動を用いて分離した。その結果を図6に表した。図6に図示されているように、NdeI−SalI断片に対応するバンドを確認することができた(レーン2)。pT7−7carBのcarBのヌクレオチド配列を分析した結果、pT7−7carBのcarBのヌクレオチド配列は国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information、NCBI)のアカパンカビゲノムデータベースに見出される配列と同一であった(配列番号:17)。
pT7−7carBで形質転換された大腸菌BL21(DE3)中に発現されたTMLHの活性を調べた。まず、大腸菌培養物を4,000×gで15分間遠心分離して細胞ペレットを回収した。細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中の140mM NaCl、200g/lグリセロール、および1mM DTT)で処理して再懸濁した。前記細胞懸濁物をアイスバスに浸漬し、超音波粉碎器を利用して10秒ずつ5回超音波処理して細胞を破砕した。細胞可溶化物を4℃で10,000gで20〜30分間遠心分離した。細胞破片を除去して上澄み液を回収し、細胞粗抽出物を得た。得られた細胞粗抽出物から試料を採取し、8%SDS−PAGEを行った(図7参照)。SDS−PAGEを行った結果、TMLHに該当する約52KDaのバンドを確認することができた。
(3)SHMTをコードするポリヌクレオチド(carC遺伝子)の増幅およびクローニング、ならびにSHMT産生の検出
(a)SHMTをコードするポリヌクレオチド(carC)の増幅およびクローニング
(1)のcDNAライブラリープールを含むλファージをテンプレートとし、配列番号:3と4のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約1.4kbの所望の産物を確認した。配列番号:3と4のプライマーは、アカパンカビ由来SHMTの開始コドンと終止コドンとをコードすると推定される配列を含んでいた。公知のヒトおよびラット由来SHMTのアミノ酸配列をアカパンカビゲノムから発現する全体蛋白質のアミノ酸配列と相同性検索を介し、アカパンカビ由来SHMTを推定して、配列番号:3と4のプライマーは推定アカパンカビ由来SHMTに基づき設計された。
PCR産物をEcoRIとSalIとで消化し、同じ制限酵素で処理されたpBS KS(Stratagene Inc.)に連結した。PCR産物をpBS KSに挿入することにより得られるpBS KScarCで大腸菌DH5αを形質転換した。前記形質転換された大腸菌DH5αを37℃で8時間培養し、pBS KScarCを形質転換された大腸菌DH5αから分離してEcoRIとSalIとで処理し、PCR産物が大腸菌DH5αに適切に挿入されているか否かを確認した。次に、前記分離されたpBS KScarCをNdeIとSalIとで処理し、アガロースゲルで電気泳動して、NdeI−SalI断片を得た。NdeI−SalI断片を同じ制限酵素で処理された発現ベクターpT7−7に連結し、pT7−7carCを得た(図3参照)。前記pT7−7carCで大腸菌BL21(DE3)を形質転換した。
(b)SHMT産生の検出
pT7−7carCで形質転換された大腸菌BL21(DE3)をアンピシリン(100μg/ml)の添加されたLB培地50mlの充填された250mlバッフルフラスコでOD600値が0.6になるまで37℃で培養した後、IPTG(1mM)を添加した後で4時間さらに培養した。細胞培養物からpT7−7carCを分離してNdeIおよびSalIで処理し、制限断片をアガロースゲル電気泳動を用いて分離した。その結果を図6に表した。図6に図示されているように、NdeI−SalI断片に対応するバンドを確認することができた(レーン3)。pT7−7carCのcarCのヌクレオチド配列を分析した結果、pT7−7carBのcarBのヌクレオチド配列はNCBIのアカパンカビゲノムデータベースに保存されている配列と同一であった(配列番号:18)。
pT7−7carCで形質転換された大腸菌BL21(DE3)中に発現されたSHMTの活性を調べた。まず、形質転換された大腸菌培養物を4,000×gで15分間遠心分離して細胞ペレットを回収した。細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中の140mM NaCl、200g/lグリセロール、および1mM DTT)で処理して再懸濁した。前記細胞懸濁物をアイスバスに浸漬し、超音波粉碎器を利用して10秒ずつ5回超音波処理して細胞を破砕した。細胞可溶化物を4℃で10,000gで20〜30分間遠心分離した。細胞破片を除去して上澄み液を回収し、細胞粗抽出物を得た。得られた細胞粗抽出物から試料を採取して8%SDS−PAGEを行った(図7参照)。SDS−PAGEを行った結果、SHMTに該当する約53KDaのバンドを確認することができた。
(4)TMABADHをコードするポリヌクレオチド(carD)の増幅およびクローニング、ならびにTMABADH産生の検出
(a)TMABADHをコードするポリヌクレオチド(carD)の増幅およびクローニング
(1)のcDNAライブラリープールを含むλファージをテンプレートとし、配列番号:5と6のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約1.5kbの所望の産物を確認した。前記配列番号:5と6のプライマーは、アカパンカビ由来TMABDHの開始コドンと終止コドンとをコードすると推定される配列を含んでいた。公知のヒトおよびラット由来TMABDHのアミノ酸配列をアカパンカビゲノムから発現する全体蛋白質のアミノ酸配列と相同性検索を介し、アカパンカビ由来TMABDHを推定して、配列番号:5と6のプライマーは推定アカパンカビ由来TMABDHに基づき設計された。
PCR産物をEcoRIとSalIとで消化し、同じ制限酵素で処理されたpBS KS(Stratagene Inc.)に連結した。PCR産物をpBS KSに挿入することにより得られるpBS KScarDで大腸菌DH5αを形質転換した。前記形質転換された大腸菌DH5αを37℃で8時間培養し、pBS KScarDを形質転換された大腸菌DH5αから分離してEcoRIとSalIとで処理し、PCR産物が大腸菌DH5αに適切に挿入されているか否かを確認した。次に、前記分離されたpBS KScarDをNdeIとSalIとで処理し、アガロースゲルで電気泳動して、NdeI−SalI断片を得た。NdeI−SalI断片を同じ制限酵素で処理された発現ベクターpT7−7に連結し、pT7−7carDを得た(図4参照)。前記pT7−7carDで大腸菌BL21(DE3)を形質転換した。
(b)TMABADH産生の検出
pT7−7carDで形質転換された大腸菌BL21(DE3)をアンピシリンの添加されたLB培地50mlの充填された250mlバッフルフラスコでOD600値が0.6になるまで37℃で培養した後、IPTG(1mM)を添加した後で4時間さらに培養した。細胞培養物からpT7−7carDを分離し、NdeIおよびSalIで処理して制限断片をアガロースゲル電気泳動を用いて分離した。その結果を図6に表した。図6に図示されているように、NdeI−SalI断片に対応するバンドを確認することができた(レーン4)。pT7−7carDのcarDのヌクレオチド配列を分析した結果、pT7−7carDのcarDのヌクレオチド配列はNCBIのアカパンカビゲノムデータベースに保存されている配列と同一であった(配列番号:19)。
pT7−7carDで形質転換された大腸菌BL21(DE3)中に発現されたTMABADHの活性を調べた。まず、形質転換された大腸菌培養物を4,000×gで15分間遠心分離して細胞ペレットを回収した。細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中の140mM NaCl、200g/lグリセロール、および1mM DTT)で処理して再懸濁した。前記細胞懸濁物をアイスバスに浸漬し、超音波粉砕器を利用して10秒ずつ5回超音波処理して細胞を破砕した。細胞可溶化物を4℃で10,000gで20〜30分間遠心分離した後、細胞破片を除去して上澄み液を回収し、細胞粗抽出物を得た。得られた細胞粗抽出物から試料を採取して8%SDS−PAGEを行った(図7参照)。SDS−PAGEを行った結果、TMABADHに該当する約55KDaのバンドを確認することができた。
(5)BBHをコードするポリヌクレオチド(carE)の増幅およびクローニング、ならびにBBH産生の検出
(a)BBHをコードするポリヌクレオチド(carE)の増幅およびクローニング
(1)のcDNAライブラリープールを含むλファージをテンプレートとし、配列番号:7と8のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動し、約1.3kbの所望の産物を確認した。前記配列番号:7と8のプライマーは、アカパンカビ由来BBHの開始コドンと終止コドンとをコードすると推定される配列を含んでいた。公知のヒトおよびラット由来BBHのアミノ酸配列をアカパンカビゲノムから発現する全体蛋白質のアミノ酸配列と相同性検索を介し、アカパンカビ由来BBHを推定して、配列番号:7と8のプライマーは推定アカパンカビ由来BBHに基づき設計された。
PCR産物をEcoRIとSalIとで消化し、同じ制限酵素で処理されたpUC19に連結した。PCR産物をpUC19に挿入することにより得られるpUC19carEで大腸菌DH5αを形質転換した。前記形質転換された大腸菌DH5αをアンピシリン(100μg/ml)の添加されたLB培地で37℃で8時間培養し、形質転換された大腸菌DH5αからpUC19carEを分離してEcoRIとSalIとで処理し、PCR産物が大腸菌DH5αに適切に挿入されているか否かを確認した。次に、前記分離されたpUC19carEをNdeIとSalIとで処理し、アガロースゲルで電気泳動して、NdeI−SalI断片を得た。NdeI−SalI断片を同じ制限酵素で処理された発現ベクターpT7−7に連結し、pT7−7carEを得た(図5参照)。前記pT7−7carEで大腸菌BL21(DE3)を形質転換した。
pT7−7carEで形質転換された大腸菌BL21(DE3)をアンピシリン(100μg/ml)の添加されたLB培地50mlの充填された250mlバッフルフラスコでOD600値が0.6になるまで37℃で培養した後、IPTG(1mM)を添加した後で4時間さらに培養した。細胞培養物からpT7−7carEを分離してNdeIおよびSalIで処理し、制限断片をアガロースゲル電気泳動を用いて分離した。その結果を図6に表した。図6に図示されているように、NdeI−SalI断片に対応するバンドを確認することができた。pT7−7carEのcarEのヌクレオチド配列(1,278bp)を分析した結果、pT7−7carEのcarEのヌクレオチド配列はNCBIのアカパンカビゲノムデータベースに保存されている配列と同一であった(配列番号:20)。
(b)BBH蛋白質産生の検出
pT7−7carEで形質転換された大腸菌BL21(DE3)中に発現されたBBHの活性を調べた。まず、形質転換された大腸菌培養物を4,000×gで15分間遠心分離して細胞ペレットを回収した。細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液(10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4中の140mM NaCl、200g/lグリセロール、および1mM DTT)で処理して再懸濁した。前記細胞懸濁物をアイスバスに浸漬し、超音波粉碎器を利用して10秒ずつ5回超音波処理して細胞を破砕した。細胞可溶化物を4℃で10,000gで20〜30分間遠心分離した後、細胞破片を除去して上澄み液を回収して細胞粗抽出物を得た。得られた細胞粗抽出物から試料を採取して8%SDS−PAGEを行った(図7参照)。SDS−PAGEを行った結果、BBHに該当する約49KDaのバンドを確認することができた。
実施例2:carB、carC、carDおよびcarEを含有する宿主細胞の構築
本実施例では、実施例1で調製されたアカパンカビcDNAライブラリーからcarB遺伝子とcarE遺伝子とを増幅し、それら2つの遺伝子を同時に有するpT7−7BEを構築した。また、実施例1で調製されたアカパンカビcDNAライブラリーからcarC遺伝子とcarD遺伝子とを増幅し、それら2つの遺伝子を同時に有するpACYC184CDを構築した。このように構築されたpT7−7BEとpACYC184CDとを大腸菌菌株に導入し、carB、carC、carDおよびcarEの遺伝子いずれもを有する形質転換された細胞を構築した。形質転換された細胞を大腸菌DH5αCJ2004と命名し、2004年1月27日、国際寄託機関である韓国微生物保存センターに寄託した(アクセッション番号:KCCM−10581)。
(1)carB遺伝子とcarE遺伝子とを同時に有するpT7−7BEの構築
まず、アカパンカビcDNAライブラリーをテンプレートとし、配列番号:1および2のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてcarB遺伝子を増幅した。次に、アカパンカビcDNAライブラリーをテンプレートとし、配列番号:7および8のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてT7プロモータから終止コドンを含むcarEを増幅した。carBとcarEとの増幅産物をpT7−7に導入した。まず、carE増幅産物をBamHIとSalIとで処理してBamHI−SalI断片を得て、これを同じ制限酵素で処理されたpT7−7と連結し、pT7−7carEを得た。次に、carB増幅産物をNdeIとEcoRIとで処理してNdeI−EcoRI断片を得て、これを同じ制限酵素で処理されたpT7−7carEと連結し、pT7−7BEを得た(図8参照)。
(2)carC遺伝子とcarD遺伝子とを同時に有するpACYC184CDの構築
まず、アカパンカビcDNAライブラリーをテンプレートとし、配列番号:3および4のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてT7プロモータから終止コドンを含むcarC遺伝子を増幅した。次に、アカパンカビcDNAライブラリーをテンプレートとし、配列番号:5および6のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてT7プロモータから終止コドンを含むcarD遺伝子を増幅した。carCとcarDとの増幅産物をpACYC184に導入した。まず、carC増幅産物をBamHIとHIndIIIとで処理してBamHI−HindIII断片を得て、これを同じ制限酵素で処理されたpACYC184と連結し、pACYC184carCを得た。次に、carD増幅産物をBamHIとSalIとで処理してBamHI−SalI断片を得て、これを同じ制限酵素で処理されたpACYC184carCと連結し、pACYC184CDを得た(図9参照)。
実施例3:TMLH、SHMT、TMABADHおよびBBHをコードするポリヌクレオチドを含む菌株を利用したL−カルニチンの産生
本実施例では、実施例1で構築されたpT7−7carB、pT7−7carC、pT7−7carD、およびpT7−7carEでそれぞれ形質転換された大腸菌BL21(DE3)株をトリメチルリシンを含む培地で混合培養し、L−カルニチン生産量を測定した。また、実施例2で構築されたpT7−7BEとpACYC184CDで同時に形質転換された大腸菌BL21(DE3)株を培養し、L−カルニチン生産量を測定した。
(1)pT7−7carB、pT7−7carC、pT7−7carD、およびpT7−7carEでそれぞれ形質転換された大腸菌BL21(DE3)株の混合培養
まず、pT7−7carB、pT7−7carC、pT7−7carD、およびpT7−7carEでそれぞれ形質転換された大腸菌BL21(DE3)株をアンピシリン(100μg/ml)の添加されたLB固体平板培地に塗抹して培養した。各菌株のコロニーをアンピシリン(100μg/ml)の添加された20mlのLB培地を含むフラスコで37℃で12時間、OD600が1.0になるまで培養した。これらの培養物を同量(0.1mlずつ)で2mMのトリメチルリシンを含むアンピシリン(100μg/ml)の添加されたLB培地20mlを含んでいる250mlバッフルフラスコに添加し、37℃でOD600値が0.6になるまで培養した。IPTGを添加する場合は、OD600値が0.6になった後、IPTG(1mM)を添加して4時間さらに培養した。対照としてトリメチルリシンの添加されていないLB培地を使用し、同じ方法でIPTGを添加して培養した。
培養後、細胞培養物中のL−カルニチンの含有量を測定した。500μlの培養上澄み液を取り、1.2Mの過塩素酸500μlと混合した。混合溶液を室温で10分間インキュベートした後、5分間遠心分離した。上澄み液600μlと0.7MのKPO 320μlとを混合し、アイスバスで20分間放置した。混合液を5分間遠心分離し、750μlの上澄み液だけを取って250μlの滅菌蒸溜水と混合して希釈した。この希釈溶液に100μlのDNTB/Hを入れて10分間インキュベートした。50μlのカタラーゼ溶液を入れて30分間室温でインキュベートした後、遠心分離して上澄み液1mlを回収した。ここに、50μlのアセチルCoAを入れ、室温で5分間インキュベートした。2.26μlのカルニチンアセチル転移酵素を入れ、室温で10分間インキュベートした。最終溶液の405nmでの吸光度を測定し、L−カルニチンの量を計算した。その結果を下記表1に表した。
(表1)混合培養によるL−カルニチンの生産量
Figure 0004639235
表1に示されているように、TMLH、SHMT、TMABADHおよびBBHをコードするポリヌクレオチドをそれぞれ含む菌株をトリメチルリシンを含む培地で混合培養することにより、L−カルニチンを高収率で産生できる。
(2)実施例2で構築されたpT7−7BEとpACYC184CDで同時に形質転換された大腸菌BL21(DE3)の培養を介したL−カルニチンの産生
まず、pT7−7BEとpACYC184CDでそれぞれ形質転換された大腸菌BL21(DE3)培養物をアンピシリン(100μg/ml)とクロラムフェニコール(50μg/ml)とが添加されたLB固体平板培地に塗抹して培養した。それぞれの培養物のコロニーをアンピシリン(100μg/ml)とクロラムフェニコール(50μg/ml)とがそれぞれ添加された20mlのLB培地を含むフラスコで37℃で12時間、OD600が1.0になるまで培養した。細胞培養物を同量(0.1mlずつ)で2mMのトリメチルリシンを含むLB培地20mlを含んでいる250mlバッフルフラスコに添加し、37℃でOD600値が0.6になるまで培養した。IPTGを添加する場合は、OD600値が0.6になった後、IPTG(1mM)を添加して4時間さらに培養した。対照としてトリメチルリシンの添加されていないLB培地を使用し、同じ方法でIPTGを添加して培養した。
培養後、細胞培養物中のL−カルニチンの含有量を前記(1)と同じ方法で測定した。その結果を下記表2に表した。
(表2)単一培養によるL−カルニチンの生産量
Figure 0004639235
表2に示されているように、TMLH、SHMT、TMABADHおよびBBHをコードするポリヌクレオチドを同時に含む菌株をトリメチルリシンを含む培地で培養することにより、L−カルニチンを高収率で生産できる。表1と表2に表した結果を比較すると、混合培養によるより単一培養による場合の方がL−カルニチンの収率が高いということが分かった。
アカパンカビで推定されるL−カルニチンの生合成経路を表す図面である。 pT7−7carBの構築を示す図である。 pT7−7carCの構築を示す図である。 pT7−7carDの構築を示す図である。 pT7−7carEの構築を示す図である。 pT7−7carB、pT7−7carC、pT7−7carD、およびpT7−7carE中にそれぞれ挿入されている遺伝子の電気泳動図である(レーン1:マーカ、レーン2:carD、レーン3:carC、レーン4:carD、およびレーン5:carE)。 pT7−7carB、pT7−7carC、pT7−7carD、およびpT7−7carEでそれぞれ形質転換された大腸菌BL21(DE3)株から得られた粗抽出物についての、SDS−PAGE図である(M:マーカ、レーン1:陰性対照群、レーン2:TMLH(52KDa)、レーン3:SHMT(53KDa)、レーン4:TMABADH(55KDa)、およびレーン5:BBH(49KDa))。 pT7−7BEの構築を示す図である。 pACYC184CDの構築を示す図である。

Claims (5)

  1. 配列番号:13に示されるアミノ酸配列を含む、N−トリメチルリシン水酸化酵素をコードするポリヌクレオチド;
    配列番号:14に示されるアミノ酸配列を含む、3−ヒドロキシ−6−N−トリメチルリシンアルドラーゼをコードするポリヌクレオチド;
    配列番号:15に示されるアミノ酸配列を含む、γ−トリメチルアミノアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードするポリヌクレオチド;および
    配列番号:16に示されるアミノ酸配列を含む、γ−ブチロベタイン水酸化酵素をコードするポリヌクレオチドを含む、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属する微生物。
  2. 大腸菌(Escherichia coli)である、請求項1記載の微生物。
  3. 大腸菌KCCM−10581である、請求項1記載の微生物。
  4. 請求項1から請求項のうちいずれか1項記載の微生物を、ε−N−トリメチルリシン、β−ヒドロキシ−N−トリメチルリシン、γ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒド、γ−ブチロベタイン、およびそれらの混合物からなる群より選択される基質の存在下で培養し、L−カルニチンを培養物中に産生する段階を含む、L−カルニチンの産生方法。
  5. ε−N−トリメチルリシン、β−ヒドロキシ−N−トリメチルリシン、γ−N−トリメチルアミノブチルアルデヒド、γ−ブチロベタイン、およびそれらの混合物からなる群より選択される基質の濃度は、培養培地の重量に基づき、0.1〜10重量%の範囲である、請求項記載の方法。
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