JP4639028B2 - 伝動ベルト用スリーブのカット装置及びカット方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルトスリーブを所定巾にカットする伝動ベルト用スリーブのカット装置及び方法に係わり、詳しくは変形を伴う溝付きベルトスリーブを現物溝形状に即して溝位置検出手段を当接させて実際の溝位置をカット前に捉えて測定しカッタ刃の位置を補正することにより、更に正確で簡便に対応できるベルト幅カット技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の伝動ベルトのカット装置に関するものとしては、本出願人による第3022387号の特許公報があり、このカット装置では、図6に示すように溝部Mを表側に位置させた状態で巻き掛けて周回移動し、溝部Mに対峙させたCCDカメラ161によってカット位置を撮像して、予め記憶されている画像とマッチング処理してその位置ズレ量を演算し、補正できるようにカッタースライド手段142が駆動制御出来るこれら手段を具備することを特徴とするものであった。
【0003】
これによれば、山数や山形状等の違いからそれぞれのカット幅を予め入力設定してあり、これらの計算値からカット位置の選択を行い、更にカット時にはカット面に面した溝部MをCCDカメラ161で撮影して画像処理技術を用いて溝形状をリアルに検出して、検出値との差を補正しこれによって所定の切断位置にカッタ刃14を誘導して正確に切断しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CCDカメラを用いた高精密画像処理であることから、元来、画像処理装置の装置コスト自体が高価であるとともにその装置の精密で複雑であることから性能維持費用も割高で、取扱において習熟技能を要し、また性能面で例えばベルトゴム中に分散し強化のために用いたカット糸が溝部には毛羽状態で露出させた溝面の画像では溝の外形が羽毛でボカされて外形測定の画像信頼性に難点がともない、一層の拡大運用には限界があった。
【0005】
本発明の目的は、上述の高精密機器を用いたコスト高並びに品質の不安定な問題点を改善すると伴に、ゴムや樹脂で成形されてベルトスリーブ自体の収縮変形に伴う幅痩せや、溝加工時の微少なバラツキを残したベルトスリーブのそれぞれにカット位置補正を簡便に対応できて、予め設定されたカット位置との差を実物に即してシンプルに補正して、あまねく高品質な伝動ベルトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する即ち、本願請求項1記載の伝動ベルト用スリーブのカット装置では、全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブを軸上に掛架して蛇行を防ぎながら走行させるスリーブ回動手段と、
走行軸上のスリーブに対峙して軸方向に平行移動し走行中のベルトスリーブの溝に複数の山部を備えた回転体を嵌着することによって溝位置を検出する溝位置検出手段と、検出位置の横ズレ量を測定してカッタ刃位置を補正する補正制御手段とを備えたカット位置決めを行ってカット切り込みをするカッタ移動手段と、
ベルトスリーブの溝側からベルト幅をカットする2枚刃を配置し、2枚のカッタ刃間にカットベルトを挟み込んでカット幅を幅狭に切り込む、スリーブを切断するカッタ手段と、
からなることを特徴とする。
【0007】
請求項1の構成においては、とりわけベルトスリーブの溝部へ溝位置検出手段を直接嵌着させてその横ズレ量を測定して、カッタ位置を補正するそれぞれの手段とを備えており、カットに際してベルトスリーブの溝位置がリアルに検出でき且つ溝部に露出する羽毛状のカット糸も溝部に馴染ませて正確に簡便にズレ量が測定できる構成である。
また、溝位置検出に当たって少なくとも複数の溝を検出対象に出来るから、横ズレ量を複数溝との同時嵌着状態から判定できるのでバラツキの少ない測定が出来、併せて回転出来ることから走行する溝部への当接対応が容易である。
更には、カッタ刃が2枚の構成であり、これにより同時に切り込みカットを行うことから、この2枚刃間で繰り返しカットされる幅はバラツキが無く、2枚の刃間に走行するカットベルトをキャッチし易く直線走行性も高いから幅精度の高いベルトを得ることが出来る。
【0013】
本願請求項2記載の伝動ベルト用スリーブのカット方法では、全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブを軸上に掛架して蛇行を防ぎながら走行させて、軸上を走行するベルトスリーブの幅方向に軸と平行に移動して所定のカット幅に位置決めしてカッタ刃を切り込んで輪切りするベルトのカット方法であって、
前記軸上を走行するベルトスリーブの幅方向に軸と平行に移動して所定のカット位置とする位置決めが、複数の山を備えた溝検出体を前記軸と平行で横ズレ可能に軸支するとともに前記軸に離間可能に架設し、走行中の前記ベルトスリーブの溝部に前記複数の山を備えた溝検出体の山を嵌着させて発生する横ズレ量を測定し、カッタ刃の切り込み位置を補正して行い、
前記カッタ刃をベルトスリーブの溝に切り込んで行う輪切りが、少なくとも2枚のカッタ刃を用い、同時にベルト両端面部を溝部中央部よりベルト内側になるようにし、そして2枚のカッタ刃間にカットベルトを挟み込んで幅狭に切り込むこと、
を特徴とする。
【0014】
請求項2の方法においては、所定のカット位置とする位置決めが、溝検出体を横ズレ可能に離間可能に支持して、走行中のベルトスリーブの溝部にその山を嵌着させ発生する横ズレ量を測定して、カッタ刃切り込み位置を補正するから簡便で信頼性の高精度カットの装置が得られて、加えて輪切りするカッタ刃を少なくとも2枚のカッタ刃にして同時にベルト両端面をカットできるから、2枚のカット刃に挟まれたカットベルトの幅は一定に成る。先のカット刃設置精度の向上と合わせて、高性能なカットが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置及びカット方法の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置の全体構成図であり、図2は本発明の溝位置検出方法を表す概念図である。まず伝動ベルト用スリーブのカット装置1は、図1に示すようにスリーブ回動手段3と、回動軸4に平行方向と直角方向に移動するカッタ移動手段5と、カッタ手段7とからなり、本発明では前記カッタ移動手段5において、そのカット位置決めが当接方式の溝位置検出手段8を用いて実際の溝位置との差を検出してカッタ刃31位置の差分を微調整する補正制御手段10とを備えている。
【0016】
次いで、本発明でカットされるベルトスリーブBSの部分斜視図を図5に示してあり、筒状でその内外周面の少なくとも外周面の全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブに、(a)Vリブドベルト、(b)ダブルVリブドベルト、(c)多本掛けローエッジベルト等の伝動ベルトがある。
【0017】
まず(a)Vリブドベルトは、台形状の山部RRとV形状の溝部Mを交互に幅方向に所定のピッチで片面に並べて形成された伝動ベルトでありフラットな背面側を回動軸に接して掛けて、(b)ダブルVリブドベルトは、前述の山部RRと溝部Mを幅方向に所定のピッチで両面に並べた伝動ベルトであり回動軸の外面にはスリーブの山部RRと溝部Mを反転して形成した山と溝を刻設してあり、(c)多本掛けローエッジベルトは複数のベルトの背面を帆布等で接合して複数の台形状の山部RRとV形状の溝部Mを幅方向に並べた伝動ベルトであり(a)と同様に裏返して回動軸に掛けて、この図では台形の山底面に波形のコグ部Cが表してあるが、この底面が平滑なタイプにも対応が出来る。
【0018】
次に本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置1の各部位について図1、図2を用いて説明する。まず本発明に係わるカッタ移動手段5は、回動軸4に平行方向(1図中、X―X方向である)と直角方向(1図中、Y方向である)の2次元移動の機能を有しており、とりわけ本発明に係わる平行方向の移動は、まずこの平行移動によって輪切り位置が決まりベルト幅を決定する働きを持ち、次に直角方向の移動はベルトスリーブBSの走行面に対峙してカッタ刃14を、走行中のベルトスリーブBSに押し付けて切り込んで、周回するスリーブを輪切りする働きを持つものである。
【0019】
続いて、この平行移動の制御については、設定制御と補正制御とから構成されており、まず設定制御については、予めカットするベルトスリーブBSの種別に応じて個々のカット条件が記憶されてデータベース化してあり、カットスタート時にベルトスリーブ種を入力すれば、カット刃14を待機位置から走行中のベルトスリーブBSのカット位置に自動で作動させて記憶条件を抽出して所定の幅に輪切り出来るようにプログラム制御としたシステムでありその動きについては、動作フローで後述する。
【0020】
次いで、カットの最終位置を決定する補正制御については前述の設定制御によって予め決められたプログラム位置にカッタ刃14が移動して位置決めされ、それに加えて回動中の山付きベルトスリーブBSに対峙して、その山位置を検出することにより先の設定位置との差分δ(図2参照)を測定してカッタ刃14の位置を現品に合わせて修正する機能を有するものであり、溝位置検出手段8と補正制御手段10とから構成されている。
【0021】
まず溝位置検出手段8は、図2に示すように回動軸4上のベルトスリーブBSに対峙して軸方向に平行移動し走行中のベルトスリーブの溝部Mに当接して溝位置が検出出来る機能を持っており、当接体としては溝部Mに嵌着する複数の山部Rを備えた回転体12を備えている。その構成については、図1に示すように、検出機構16と、測定センサ17と,検出移動機構18とから構成されている。
【0022】
まず検出機構16については、ベルトスリーブBSの溝部Mに嵌着する回転体12として、3つの山部Rを持った検出ロール26とこの回転体12を横ズレ可能に軸支した支持枠とからなりスライドユニット22のスライドレール端に連結してある。検出ロール26は、その形状は図2に示すように軸上を回動するベルトスリーブBSの表面に加工されたベルト溝部Mに嵌着する山部Rを検出ロール外周部に凸状に、カットするベルトスリーブの溝形状に応じて設けてある。
【0023】
まず検出ロール26は、まず設定制御されてスリーブのカット部の溝上付近に平行移動されて2図中の上方位置に設定され、直角方向に溝上に接近して溝斜面に沿ってその山部Rを滑らせて横ズレして溝M内に山部Rを嵌着させ、横ズレ量は2図中のδとなり、この差分δをカッタ位置で補正する。
【0024】
次いで支持枠はコの字形状の支持部材24と、この支持部材間に水平方向に設けた摺動ロッド41等からなり、このロッドに検出ロール26を挿通してこの検出ロール26が自在に横ズレ出来るように、加えてロッド41周りに回転可能に軸支してある。
【0025】
尚、検出ロール26の横ズレ自在の機構に対して、横原点位置を保持する機構が設けてあり、これは図1に示す回転する検出ロール26の両端面に当接して回転摺動するスラスト軸受けを挟んで支持部材の両端に設けた基準位置用シリンダ43と押当て用シリンダ45によって検出ロールを両端から挟み付ける機構にしてあり、これによって、横原点位置に保持された検出ロール26を回動中のベルトスリーブBSの溝部Mに検出ロール26の山部Rを以下の移動機構18で押し付けて、その際に発生する横方向の横ズレ(差分δ)を検出ロール26のズレ移動で吸収出来る。
【0026】
次に測定センサ17は、ベルトスリーブBSの溝部Mに検出ロール26の山部Rを押し付けて、その際に発生する検出ロール26の横ズレ量δを測定して電気出力出来る計器が用いてあり市販されるリニアーゲージである。ゲージ前端部の回転部への直接の接触を避けて押し当てシリンダの前端部の非回転部で横ズレを測定するようにしてある。
【0027】
次いで検出移動機構18は、リニアレールと、リニアーベアリングを内臓してリニアレールを把持したリニアーヘッドと、リニアーレール端部にサーボモータを着設してその回転軸にボールネジを連結しこの回転を直線運動に代える駆動機器から構成されて市販品のスライドユニットが用いてあり、1図中X方向移動には検出ロール用スライドユニット21を、Y方向移動には検出ロール用スライドユニット22が用いられて、Y方向スライドユニット22のリニアーヘッドがX方向スライドユニット21のリニアーヘッド上に連接してある。このX、Y方向の移動によって検出ロール26は、回動するベルトスリーブの回動軸に平行移動並びに接離移動が出来る(これらの作動については後述する)。
【0028】
次に補正制御手段10は、前述の検出移動機構18で測定して電気出力された横ズレ量の電気信号をもとに位置決め用コントローラ11を用いて、横ズレ量に応じてカッタ刃位置を正確に補正するもので、その制御系統を図1のブロック図に示している。
【0029】
まず検出ロール26の設置状態は、その検出ロール26の両端面に当接して挟むように設けた押当てシリンダ45の前端部に測定センサ17の突き出し検出部を押し付けて検出ロール26の横ズレに応じて検出部を伸縮させて測定できるように配設してある。
【0030】
次に補正制御流れは、検出ロール26の横ズレ量をこれに伸縮出来る検出端を当接させて測定する測定センサ17で検出して、リニアーゲージ用のカウンタを介して信号変換して位置決め用コントローラ11の入力ユニットに入力し、入力された横ズレ量をコントローラ11内のCPUユニットで補正量として位置決め用データに演算変換し、位置決めユニットで補正量をパルス出力に変換し、そのパルス数に応じてサーボアンプを介してサーボモータSM1を回転させて、X方向スライドユニット47を移動させて検出ロール26が検出した横ズレ量を正確に補正する。
【0031】
続いて、ベルトスリーブBSを切断するカッタ手段7は、1枚刃による加工は知られており、ここでは本発明に係わる2枚刃について、図8で説明する。まず移動テーブル35上に突設されて、固定刃31と、刃間隔移動機構33を備えた可動刃32とからなり、これによって2枚の刃間隔が調整できる。カッタ手段7の構成については、2枚のカッタ刃14と、カッタホルダ36と、刃間設定機構33と、カッタ移動テーブル35とからなる。
【0032】
まずカッタ刃14は、2枚の丸刃から成りそれぞれカッタホルダーに止着されて、この丸刃の円盤面を軸の直角断面と平行に揃えて、2枚の丸刃が互いを平行にして向かい合わせて、カッタ移動テーブル35上にカッタホルダ36を介して固定刃31を、また可動刃32は刃間隔設定機構33を用いて可動出来る構成でカッタ移動テーブル35上に載置し、この上にカッタホルダ36を用いて配設してある。
【0033】
可動刃32の刃間隔設定機構33はリニアーガイドとボールネジと可動ヘッド54とサーボモータ55が一体でコンパクトに組み込まれて市販される一体構造アクチェータ38を用いてある。このように固定刃31に対して対面するもう一方の刃である可動刃32を遠近移動させて刃間隔の調整が行える。
【0034】
尚、検出ロール26と上記の固定刃31と可動刃32から成る2枚刃の設定位置関係については、図2にカット幅が三つの山RRからなる場合を示しており、検出ロール26の三つの山Rが図中、ベルトスリーブの四つの溝Mに対して固定刃31が切り込む予定の溝位置を基準にして、可動刃32が切り込む溝との間に位置させて嵌着出来、カット位置の溝を常に検出できるように配設してある。カット幅が広くなり更に山数が増えれば、検出ロールの山数を増やし対応できる。
【0035】
次にスリーブ回動手段3については、図7に示すように全周にわたる溝を幅方向に複数有した筒状のベルトスリーブBSを、主軸63と従動軸65からなる回動軸4で張架して、主軸63に近接させて配設した山付きの案内ロール67で主軸上に回動してくるベルトスリーブBSの溝部Mに案内ロール67の山部Rを嵌着させて蛇行を防止できる蛇行防止機構61を備えて用いられる。
【0036】
続いて、以上の構成からなるカット装置1を用いての伝動ベルト用スリーブのカット方法について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。まずスリーブ挿入(S11)は、手前側が開放された片持ち状の主軸63と従動軸65から成り、2軸間隔を縮小させた軸架機構にベルトスリーブBSを挿入する(図7参照)。次にカット条件入力し自動スタート(S12)では、ベルト種・ベルトピッチ周長等をタッチパネルに入力してスタート釦を押す。
【0037】
以下自動で進行し、スリーブ伸張(S13)では各軸63,65の開放端を開閉可能な軸支機構であるテールストックを閉じて両持ち支持とし、従動軸を離間させて2軸間隔を拡げてベルトスリーブを伸張させて、引き続いてスリーブ走行(S14)に入り、他方では刃間隔設定(S13‘)で可動刃32を一体構造アクチェータでサーボ制御して2枚の刃間隔を所定値に設定し、続いて溝検出ロール・カッタ刃のN回目カット位置へ横移動(S15)に入り、溝検出ロール・カッタ刃がそれぞれ退避し待機した位置からX、Y方向の2次元移動して予めプログラムされた初回カット位置に制御移動して、次カット位置:有/無?(S21)の指令を待つ。
【0038】
一方スリーブ走行(S14)後に、走行準備完了:Y/N?(S15‘)がNOでは引き続きスリーブ走行(S14)を行い、YESになると他方で溝ロール下降(S16)が起動してベルトスリーブの溝に3つの山を設けた溝ロールを下降させて押し付けて山と溝を嵌着させる。次いで溝ロール変位量測定(S17)で嵌着時の横ズレ差をリニアーゲージの変位出力で検出測定する。
【0039】
次に溝ロール上昇(S18)は、測定を終えた溝ロールを上方に退避させて順次繰り返して輪切りする次のカット位置への移動を待って待機する。ついでカッタ刃位置補正(S19)では測定した溝ロールの変位量に応じて位置決めコントローラがカッタ移動用スライドユニットをサーボ制御させて先の設定制御位置に補正制御を行わせて、これによって正確にカット位置が決定出来る。
【0040】
一方、スリーブ走行(S14)により主軸が駆動回転されてフリー回転の従動軸との間で周回回転を始めるとともに山付きの案内ロールが溝付きのベルトスリーブに押し付けられて回動中のベルトスリーブの蛇行を防止しており、他方ではカット作動(S20)に入り、カッタ移動用Y方向スライドユニット48が作動して回動中のベルトスリーブにカッタ刃を押し込んで切り込み周回させてベルトスリーブを輪切りして所定の幅を有した1本のベルトになる。
【0041】
以下、次カット位置:有/無?(S21)では繰り返しに当たってカット残りがないか設定カット数から累積カット数を比較演算させて判定を行い、残りがあれば再度繰り返してN回目カット位置へ移動(S15)に戻って溝ロールでN回目カット位置の測定を行いカッタ刃の位置補正を繰り返して順次輪切りを行う。
【0042】
ついにはカット残りがなくなりスリーブ走行停止(S22)に移行し走行停止する一方で、溝検出ロール・カッタ刃の原点位置へ移動(S22‘)で、溝検出ロール・カッタ刃は退避位置に移動して待機状態となる。次いでカットベルト開放(S23)で、前述のスリーブ伸張(S13)の逆動作を行って2軸間隔を縮めて両持ち支持の各軸のテールストックを開放させて片持ち状態に戻して、カットベルト取り外し(S24)つまり輪切りされてベルト1本ごとにカットされたベルトスリーブを軸架手段から外して、次の新たなベルトスリーブのカットに移行する。このように1スリーブを幅カットし、繰り返して行う。
【0043】
次に、本発明に係わる幅狭カットについて、図4を用いて説明する。(b)図中のW1が標準カット幅を示し、ベルトスリーブBSの溝の中央をベルト幅端としてベルト山部Rを3山、4山と山数を増やしてベルト幅が増えて伝達馬力を増して選択される。次に図中でW2で示すカット幅が幅狭カットであり、前記に比してベルト両端面でのカット位置が溝中央部よりベルト内側に切り込まれてつまり溝底の円弧部を残さず実質、幅狭にカットしたものである。
【0044】
このように、幅狭にカットするには1枚のカッタ刃で順次輪切りしようとすれば図中N1とN2、N3とN4、N5とN6間は大凡0.3ミリの厚み(リブピッチ3.56ミリでリブ山数6山のケース等)の薄切りスライス状の輪切りが必要であり、実質的には一枚刃のカットでは薄肉幅が均一にならず困難であり、以下のような工夫が取られている。
【0045】
2枚のカッタ刃を図4(b)中のN2とN3、N4とN5、、、にそれぞれ幅を設定して、図4(a)に示すように、カッタ刃14の刃先のシノギ形状を調整して切り込み時の刃厚による圧迫を左右バランスをとって且つ2枚刃間にカットベルトを挟み込んで均一幅を確保しながら幅カットを行うものである。このような2枚刃の位置決めにおいて、前述のベルトスリーブの溝位置を正確に検出補正して左右のカット刃31,32の山部Rへの刃当たりを左右対象に維持することで、好適に精度に優れた幅狭カットが出来る。
【0046】
また、左右刃の内面側の形状は、一段シノギで、シノギ角θ1は5〜10°、シノギ厚みT1は0.02〜0.1ミリにしてある。このように左右の両刃先がベルトスリーブBSに食い込んでシノギ厚みに相当する圧縮を受けて左右がバランスして横ズレを阻止できる。左右刃の外面側の形状は、2段シノギで、刃先に成る1段目は内面と同等のシノギ角θ2は5〜20°、シノギ厚みT2は0.15〜0.25ミリで、2段目はシノギ角θ3は3〜10°、刃の厚みT3は0.5〜2.5ミリが用いてある。
【0047】
尚、本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置及びそのカット方法では、図1〜図8に示すものに限定されず、例えば次の様な形態をとることが出来る。
1)スリーブ回動手段3は、必ずしも本例の主軸61と従動軸65の2軸間に軸架されるものに限定されものでなく、例えば少なくとも主軸61或いは従動軸65の何れか片方の一軸で回動される形態にも検出ロールを用いて溝位置を補正して好適に用いることが出来る。
【0048】
2)本例では、改良機に対する追加補正制御手段において便宜的に設定制御と補正制御を分割説明したが、新たに制作時は一括補正制御で対応出来る。
【0049】
3)全周にわたる溝については、必ずしも連続した山に限定されず、その不連続山間を跨いで案内できる溝形状については、本実施例と同様に実施できる。
4)本実施例では、溝位置を検出補正するカッタは固定刃31のみとして、可動刃32の位置は直接検出する方式にしていないが、検出ロール部を左右に分割設置して、測定センサーを増設して同様に実施できる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の構成では、高精密で高価な電子画像手段にかえて機構部を取り込んで簡便な仕組みで対応できるから、安価な仕組みで且つメンテナンス費用も少なく、加えて測定の信頼性が向上してカッタ位置決めが正確で容易に出来るから、生産性向上の効果を奏する。また、複数の溝を検出対象にしてバラツキの少ない横ズレ量の測定が出来るから、その測定結果に基づきカット位置を補正して行うベルト幅カットのバラツキが少なくなり品質が向上する効果を奏する。更には、2枚刃でカットベルトを挟み込んでカットされたカット幅はとりわけカット幅精度が高いベルトが得られるから、少なくとも一山以上を有したベルト等でそのベルト端面を山斜面部で切断するような幅狭カット等を高精度に行うことが出来る効果を奏する。
【0054】
請求項2に記載の方法では、ベルトスリーブの溝位置に対してカッタ刃の設置位置精度が高く、加えて少なくとも2枚のカット刃でベルトスリーブの溝に切り込んでベルト幅を挟んでカット出来るからカット幅のバラツキは無視できる。このように高性能カットが出来るからベルト幅の両端部が溝部の斜面裾をカットする幅狭カット品への対応が可能になる効果を奏する。
【0055】
以上の様に本願の請求項1〜2記載の伝動ベルト用スリーブのカット装置及びその方法に係わる発明では、変形や加工バラツキ等により寸法が定まらないベルトスリーブのカット位置を制御補正を直接検出することで、簡便で安価で高信頼性を備えた機能を発揮する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置の全体構成図である。
【図2】本発明の溝位置検出方法を表す概要図である。
【図3】本発明の伝動ベルト用スリーブのカット装置の作動フロー図である。
【図4】本発明の幅狭カットの説明図であり、(a)2枚刃による幅狭カット状態、(b)幅狭と標準のカット位置を示す。
【図5】全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブである伝動ベルトを表す図であり、(a)Vリブドベルト、(b)ダブルVリブドベルト、(c)多本掛けローエッジベルトである。
【図6】従来技術のカット位置の補正を説明する制御ブロック図である。
【図7】従来技術のカット装置の全体正面図である。
【図8】従来技術のカット装置でその間隔を調節可能にする2枚カッタ刃を示した部分図である。
【符号の説明】
1 カット装置
5 カッタ移動手段
7 カッタ手段
8 溝位置検出手段
10 補正制御手段
11 コントローラ
12 回転体
14 カッタ刃
16 検出機構
17 測定センサ
26 検出ロール
31 基準刃(固定刃)
32 移動刃(可動刃)
BS ベルトスリーブ
δ 横ズレ量
M 溝(ベルトスリーブの)
R 山部(検出ロールの)
RR ベルトスリーブの山部
W1 標準幅
W2 幅狭幅
Claims (2)
- 全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブを軸上に掛架して蛇行を防ぎながら走行させるスリーブ回動手段と、
走行軸上のスリーブに対峙して軸方向に平行移動し走行中のベルトスリーブの溝に複数の山部を備えた回転体を嵌着することによって溝位置を検出する溝位置検出手段と、
検出位置の横ズレ量を測定してカッタ刃位置を補正する補正制御手段とを備えたカット位置決めを行ってカット切り込みをするカッタ移動手段と、
ベルトスリーブの溝側からベルト幅をカットする2枚刃を配置し、2枚のカッタ刃間にカットベルトを挟み込んでカット幅を幅狭に切り込む、スリーブを切断するカッタ手段と、
からなることを特徴とする伝動ベルト用スリーブのカット装置。 - 全周にわたる溝を幅方向に複数有したベルトスリーブを軸上に掛架して蛇行を防ぎながら走行させて、軸上を走行するベルトスリーブの幅方向に軸と平行に移動して所定のカット幅に位置決めしてカッタ刃を切り込んで輪切りするベルトのカット方法であって、
前記軸上を走行するベルトスリーブの幅方向に軸と平行に移動して所定のカット位置とする位置決めが、複数の山を備えた溝検出体を前記軸と平行で横ズレ可能に軸支するとともに前記軸に離間可能に架設し、走行中の前記ベルトスリーブの溝部に前記複数の山を備えた溝検出体の山を嵌着させて発生する横ズレ量を測定し、カッタ刃の切り込み位置を補正して行い、
前記カッタ刃をベルトスリーブの溝に切り込んで行う輪切りが、少なくとも2枚のカッタ刃を用い、同時にベルト両端面部を溝部中央部よりベルト内側になるようにし、2枚のカッタ刃間にカットベルトを挟み込んで幅狭に切り込むこと、
を特徴とした伝動ベルト用スリーブのカット方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002223744A JP4639028B2 (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 伝動ベルト用スリーブのカット装置及びカット方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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