JP4637328B2 - 多層コレステリック薄膜iiの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層コレステリック薄膜(multilayer cholesteric film) の製造方法に関する。本発明はまた、本発明の方法によって得られる多層薄膜、およびこの方法の使用およびこの方法によって製造される薄膜を、例えば偏光板、補償膜、配向膜、カラーフィルターまたはホログラフイ素子(holographic elements)などの光学素子、化粧品および液晶顔料、装飾および偽造防止用途において使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】
コレステリック液晶(CLC)材料は、プレーナ配向を有する薄膜、すなわちコレステリック螺旋軸が層平面に対して実質的に垂直に配向されている薄膜に形成された場合、反射光の波長がコレステリック螺旋のピッチに依存するという公知の光の選択的反射効果を示す。重合性CLC材料を用いることによって、配向されたCLC層は、原材料の選択的反射物性を保有する付着性ポリマー薄膜に変換することができる。
CLCポリマー薄膜は、従来技術で周知であり、種々の用途、例えば広帯域偏光板またはノッチ(notch) 偏光板として、ディスプレイまたはプロジェクション装置におけるカラーフィルターとして、また着色像薄膜またはコレステリック顔料薄片の製造などの装飾および偽造防止の目的に提供されている。
或る種の用途の場合、2枚または3枚以上のコレステリック層、例えば相違する反射波長を示す2枚または3枚以上のコレステリック層を有する多層コレステリック薄膜の形成が望まれる。
【0003】
従来技術において、多層コレステリックポリマー薄膜が開示されている。例えば、EP 0 634 674では、一対のカイラルネマティック液晶ポリマー薄膜を一緒に合せ、加圧し、次いでこのポリマーを、それらのガラス転移温度以上に加熱し、これらの薄膜を接着させることによって、多層コレステリックポリマー薄膜を製造する方法が示唆されている。
Maurer等による SID 90 Digest,Vol.21,110 頁(1990)は、相違する反射波長を有する数枚の偏光性薄膜を組合わせることにより得られる偏光性カラーフィルターを開示している。各薄膜の製造に際して、カイラル側鎖基および非カイラル側鎖基を有するCLC側鎖ポリシロキサンの層を、2枚のガラス板間に配置し、次いで高温で剪断することによって配向させる。
【0004】
JP 01-133003-A(Sumitomo Chem.Ind.)および JP 08-271731-A(Nitto Denko)は、1枚または2枚以上のCLCポリマー層を四分の一波長板上に積層することによって得られる偏光板を開示している。
しかしながら、上記刊行物に記載されているような多層コレステリック薄膜の製造方法は、幾つかの欠点を有する。すなわち、CLCポリマー薄膜に均一配向を得ることは、しばしば非常に困難であり、また高温を必要とする。一例として、Maurer等は、150℃の配向温度を記載しており、またJP 01-133003-Aおよび JP 08-271731-A は、CLCポリマーのガラス転移温度よりもかなり高い温度が必要であることを開示している。この条件は、アクリレート類、スチレン類またはメタアクリレート類などの高いガラス転移温度を有するポリマーが用いられる場合に特に不利であり、また特に大量生産には全く適していない。
【0005】
さらにまた、例えばJP 01-133003-Aに記載されているような多層形成方法による場合、相違するポリマー層が相違するガラス転移温度を示すように、ポリマーを選択しなければならない。すなわち、例えば第一層の表面上に第二層を積層し、次いで配向させる場合、第二層の配向温度(すなわち、ガラス転移温度)を、第一層のガラス転移温度よりも低くし、第一層などの均一配向に有害な作用をもたらさないようにしなければならない。このことは、適当な材料の選択を重大に制限し、また製造方法をさらに複雑にする。
従って、上記欠点を有しておらず、反射波長の良好な制御を可能にし、また大量生産に適する、効果的であって、価格的に有効な様相で、多層コレステリック薄膜を製造する方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記欠点を有しておらず、反射波長の良好な選択を可能にし、また大量生産に適する、効果的であって、価格的に有効な多層コレステリック薄膜の製造方法およびこのような方法によって得られる多層コレステリック薄膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の目的の一つは、上記要件を満たす多層コレステリック薄膜の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、下記の説明から当業者にとってすぐに明白になるものと見做される。
多層コレステリック薄膜を製造するための簡単な方法は、先ず、一つの波長のコレステリック層をコーティングし、次いで重合させ、引続いてこの上に、第二のコレステリック層、例えば相違する波長の第二層を直接にコーティングし、次いで重合させることによる方法である。
この場合、どちらかの層の螺旋ピッチ、すなわち反射波長が、制御不能の様相で変化しないことを確実なものとすることが重要である。
しかしながら、幾つかの場合に、この螺旋ピッチの変化を制御することができると有利である。
【0008】
本発明の発明者は、隣接する層間の未重合材料を、制御移動させることによって、特に第一の重合した層から第二の未重合の層に、未重合カイラル材料を制御移動させることによって、第一層の螺旋ピッチを実質的に無変化のまま保持しながら、第二層の螺旋ピッチを、第一層の重合程度および架橋密度に依存して変えることができることを見出した。
さらにまた、本発明者は、多層コレステリック薄膜を製造する場合、以下で詳細に説明する本発明による方法を用いることによって、未重合カイラル材料の移動を制御することができ、これによりそれらの重合以前の単独コレステリック層の螺旋ピッチを変えることができることを見出した。
【0009】
本発明の目的の一つは、プレーナ配向を有する重合したコレステリック液晶(CLC)材料の2枚または3枚以上の層を有する多層コレステリック薄膜の製造方法であって、
*基体上に重合性CLC材料の層を適用し、任意に、このCLC材料をプレーナ配向で配向させ、次いでこの配向されたCLC材料を重合させることによって、第一層を形成し、次いで
*基体としての先に重合された層の1枚の上に、第一層について記載のとおりに、第二層および第三層以上の層を形成するにあたり、
隣接する層のコレステリック螺旋ピッチを、各層間に存在する未重合カイラル材料の制御移動により変化させることを特徴とする製造方法にある。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、上記および後記の方法によって得られる多層コレステリック薄膜にある。
本発明のもう一つの目的は、上記および後記の方法の使用、およびこの方法によって得られる多層コレステリック薄膜を、偏光板、補償膜、配向膜、カラーフィルターまたはホログラフィー素子などの光学素子、化粧品および液晶顔料、ならびに装飾および偽造防止用途に使用することにある。
図1は、相違する反射波長を有する2種の重合性CLC混合物から種々の順序で形成された二層コレステリック薄膜の可視光線吸収スペクトルを、CLC混合物から形成された単層薄膜のスペクトルと比較して示すグラフである。
図2は、相違する反射波長を有する2種の重合性CLC混合物から形成された二層コレステリック薄膜であって、その第二層が、重合以前の種々の時点でアニーリングされた場合の可視光線吸収スペクトルを、CLC混合物から製造された単層薄膜のスペクトルと比較して示すグラフである。
【0011】
「プレーナ配向を有するコレステリック液晶材料の層」の用語は、コレステリック相を有する液晶材料、すなわちメソゲンが、それらの主分子軸に沿って分子構成層(sublayers )内で好適方向で配向されており、この相違する構成層の好適配向方向が、層平面に対して実質的に垂直である、すなわち層法線に対して実質的に平行である、螺旋軸の周囲でねじれている液晶材料を意味する。この定義にはまた、螺旋軸が層法線に対して2゜までの角度で傾斜している配向が包含される。
隣接する層が相違する螺旋ピッチを有する多層コレステリック薄膜は、特に好ましい。
重合したCLC材料、特に第一層の重合したCLC材料が、三次元ポリマーネットワークを形成している多層コレステリック薄膜はまた、好ましい。
本発明による重合性CLC材料は、1種または2種以上の重合性非カイラルメソゲン化合物を含有し、および当該混合物にコレステリック液晶相を誘発させる1種または2種以上の重合性カイラルメソゲン化合物および/または1種または2種以上の非重合性カイラルドープ剤をさらに含有する混合物である。
本発明の第一の好適態様は、請求項1に記載の方法に関し、第一層の重合性CLC材料が、一定量の非重合性カイラルドープ剤を含有する場合である。
重合性CLC材料の第二層を、非重合性カイラルドープ剤を含有する第一の重合した層の表面上にコーティングした場合、このドープ剤は、第二層が重合される以前に、第一層から第二層に移動される。このドープ剤の移動は、第二層のコレステリックピッチを、より短い波長に移動させる。
【0012】
このドープ剤の移動速度、すなわち第二層の究極のピッチ長さは、温度、アニーリング時間およびアニーリング温度によって制御され、また第二層のCLC材料を溶剤中に溶解または分散させる場合、コーティング操作に用いられる溶剤の種類によっても制御される。
第二層を次いで、また重合させ、コレステリック構造を固定させる。
少なくとも第一層の重合した材料が、三次元ネットワークを形成していると好ましい。カイラルドープ剤が第一層から移動した結果として、第一層は、その螺旋ピッチが変化しないか、または僅かに変化するのみであるのに充分に大きい架橋度を有すると特に好ましい。しかしながら、同時に、この架橋度は、例えば巨視的相分離により、当該層からのカイラルドープ剤の移動が助長されないようにするために、あまり大き過ぎないようにすべきである。
【0013】
さらにまた、第二層および第三層以上の層のCLC材料はまた、重合させると三次元ネットワークを形成すると好ましく、このようにすると、その上に次の層がコーティングされた場合、この層の重合後にも、それらの螺旋ピッチは変化しないか、または変化しても少ない程度のみである。
特に、層間を移動する未重合カイラル化合物は、未重合層の螺旋ピッチ(従って、反射波長)を変える。この反射波長の変化は、カイラル材料の量の増加および螺旋ねじれ力(HTP)(helical twisting power)の増加の両方に付随して増大する。
ネマティック液晶ホスト混合物にコレステリック相を誘発させるカイラルドープ剤の螺旋ねじれ力(HTP)は、下記方程式(1)で規定される:
【数1】
式中、pは、コレステリック螺旋のピッチであり、およびcは、カイラルドープ剤の濃度である。
【0014】
上記方程式(1)のネマティックホストおよびカイラルドープ剤を含有するCLC材料の反射波長λは、第一近似値で方程式(2)で与えられる:
λ=n・p (2)
式中、pは、ピッチであり、およびnは、コレステリック材料の平均屈折率である。
方程式(1)と(2)とを組合わせることによって、下記式が得られる:
λ=n・HTP-1・c-1 (3)
CLC材料の2枚の隣接層間の未重合材料の移動は、層中のカイラル材料の濃度cを変え、これによりCLC材料が重合されないかぎり、反射波長の変化を導く。
しかしながら、重合したCLC層の場合、上記したように層のねじれたコレステリック構造は、重合によって固定されることから、例えば未重合カイラル材料の消失は、反射波長の重大な変化を導かないものと見做される。
本発明の場合、未重合材料の第二層中への、または第二層の外部への移動によって生じる、重合したCLC材料の第一層上にコーティングされた重合性CLC材料の第二層における反射波長の相対変化は、次式で定義される:
|λ−λ0 |/λ0
式中、λ0 は、基体上に単層として重合された場合の第二層のCLC材料の反射ピークの中心波長であり、およびλは、上記第一層上に重合された場合の上記第二層のCLC材料の反射ピークの中心波長である。
λ0 を決定するために、第二層を単層として形成するために用いられる基体は、重合したCLC材料の反射波長に対して重大な影響を有していないことを示した。標準的基体としては、ポリイミドがコーティングされているガラス基体を使用した。
第一層および第二層は、同一または相違する重合性CLC材料から形成することができる。
好ましくは、本発明による方法において、2枚の隣接層間のカイラル材料の移動は、|λ−λ0 |/λ0 ≦0.2、特に≦0.1、非常に好ましくは≦0.05、最も好ましくは≦0.02であるように、最低にする。
カイラル重合性メソゲン化合物および非重合性カイラルドープ剤の両方を含有する重合性CLC材料の場合、未反応カイラル重合性メソゲン化合物および非重合性カイラルドープ剤の両方が、第一の重合した層から、第二の未重合層に移動する。
第一層が完全に重合されるほど、重合性であるが、重合後にも反応せず、第二層に移動することができる材料の量は減少する。同時に、これは、第二の依然として未重合のままの層からの材料、例えば溶剤に対して、第一の重合した層をさらに不浸透性にし、この結果として、重合した第一層は、さらに密着される。
従って、本発明の好適態様は、第一層の架橋の重合度を最高にし、これにより未反応重合性材料の移動を最低にする、請求項1に記載の方法に関する。この方法では、非重合性材料の種類および量を適当に選択することによって、移動プロセスがより良好に制御されるとともに、未反応の重合性材料の無制御移動が減少される。
【0015】
重合の程度は、好ましくは≧60%、特に≧80%、最も好ましくは≧95%である。
架橋最低度は、代表的に5〜10%である。好ましくは、架橋度は、10〜40%、最も好ましくは40〜60%である。
本発明のもう一つの好適態様において、重合性CLC材料は、低度または中程度のHTPを有するカイラル重合性メソゲン化合物および高度のHTPを有する非重合性カイラルドープ剤を含有する。この場合、第二層の波長に対する未重合ドープ剤の効果は、未反応の重合性材料の効果に比較して、相当に強力であるが、後者の効果は、かなり少ない。
従って、第一層から第二層中に移動し、第二層の反射波長を変更する非重合性カイラルドープ剤の効果は、カイラルドープ剤の量および種類を選択することによって制御することができ、このカイラルドープ剤は、例えばそのHTPまたは移動速度により選択する
高HTPを有するドープ剤の場合、その少量が未重合コレステリック層に移動した場合でも、その反射波長の格別の変更を導くことができる。従って、本発明の方法に従い、ドープ剤の量およびHTPの両方は、相互に対して均衡させなければならない。
【0016】
好ましくは、第一層の重合性CLC材料は、非重合性カイラルドープ剤を、0.1〜15重量%、特に0.2〜10重量%、非常に好ましくは0.5〜5重量%の割合で含有する。
HTP>20μm-1、非常に特にHTP>50μm-1を有するドープ剤は、特に好適である。
非重合性カイラルドープ剤に加えて、重合性CLC材料はまた、重合性基を有していない別種の成分、例えば光開始剤、染料、界面活性剤、抑制剤およびその他の添加剤を含有することができる。これらの非重合性成分の総量は、総混合物重量に基づき、好ましくは5%よりも少なく、特に3%よりも少なく、非常に好ましくは1%よりも少ない。
本発明の第二の好適態様は、先に重合させた層に対して一定の浸透作用を有するように選択される溶剤と組合わせて、第二層および第三層以上の層の少なくとも1枚に重合性CLC材料を用いることによって移動を制御する、請求項1に記載の方法に関する。
この場合、CLC材料を、コーティング操作用の溶剤に溶解または分散させる。この溶剤が第一の重合した層に浸透することによって、第一層から第二層への材料の移動は、大きく増大される。これは、第二層の螺旋ピッチの変更を導くことができる。
【0017】
他方で、第一層中の重合した材料が溶剤により、または第二層からの低分子量成分により膨潤されると、層の膨張が生じ、その結果として、反射帯のより長い波長への移動を伴いピッチ長さは増長される。
従って、第一の重合した層に対して一定の浸透作用を有する溶剤を選択することによって、第二層中への材料の移動を制御することができる。この溶剤の浸透作用は、第一層の重合した材料の溶剤中における膨潤程度を測定することによって測定することができる。
先に重合させた層中の重合したCLC材料に対して高度の膨潤性を有する溶剤を使用すると好ましい。
溶剤の浸透作用を測定するためのもう一つの方法は、溶剤で処理する前と処理した後に、本発明によるCLC材料の重合層の反射波長の変化を測定する方法である。これは、例3に例示されている。
大きい浸透力を有する溶剤は、ポリマー薄膜からの未重合材料の除去に効果的であり、これによりポリマー薄膜は収縮し、その反射波長は短くなる。従って、溶剤処理後の反射波長の変化が小さい場合、この溶剤は、小さい浸透作用を有する。
|△λ−λ|≧0.05、特に≧0.1、非常に好ましくは≧0.2の反射波長の変化を生じさせる溶剤は、特に好ましい。ここで、△λ=(λbefore − λafter )は、溶剤処理前(λbefore)と溶剤処理後(λafter )の重合したCLC層の中心反射波長間の差である。
好適溶剤は、例えばトルエン、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルおよびブタノンである。
本発明の第三の好適態様は、この移動をアニーリングによって制御する請求項1に記載の方法に関し、この態様においては、第二層および第三層以上の層の少なくとも1枚中の重合性CLC材料を一定の時間にわたり、重合前の当該CLC材料のコレステリック−アイソトロピック相転移温度以下の一定の温度で、アニーリングする。
【0018】
従って、良好な配向を得るために、第二層を、硬化に先立ち、高められた温度でアニーリングする必要があることがある。この場合、層間の材料移動は、アニーリング温度および時間を変えることによって制御することができる。すなわち、移動は、アニーリング操作の温度および時間の両方を増加することによって促進される(例2参照)。アニーリング時間が、充分に長い場合、第二層の反射波長を、格別に変更することができる。
アニーリング温度は好ましくは、重合性CLC材料のコレステリック−アイソトロピック相転移温度以下の、1〜40℃、特に1〜30℃、非常に好ましくは1〜10℃である。
アニーリング時間は、好ましくは5分間まで、特に3分間まで、非常に好ましくは10〜60秒間である。特別の用途に対しては、1〜30秒間、特に1〜10秒以上、非常に好ましくは5秒までの短いアニーリング時間が、好適である。
【0019】
本発明の第四の好適態様は、先に形成される層のCLC材料のピッチが、次に形成される層のCLC材料のピッチよりも短くなるような順序で、隣接する層を形成する、請求項1に記載の方法に関する。
隣接層間のピッチの正確な差は、当該コレステリック薄膜を使用しようとする最終用途に依存する。代表的に、この差は、30〜300nmの範囲である。
第五の好適態様において、第一層および第二層は、反対のねじれ巻方向を有するカイラルドープ剤を含有する。例えば、第一層は、右巻のねじれ方向を有するねじれ構造を誘発させるドープ剤を含有しており、また第二層は、左巻のねじれ方向を有するねじれ構造を誘発させるドープ剤を含有している。第一層からのドープ剤の移動は、次の第二層の反射波長を長い方の波長に移動させ、次いでこれらの隣接層が、一定の波長で、反対のねじれの円偏光された光を反射する。
本発明の第六の好適態様は、コレステリック層のパターニング方法に関する。
一例として、その反射が紫外部領域にあるようなピッチ長さを有する、第一コレステリック層を、コーティングし、次いで重合させる。赤色または赤外部領域にピッチを有する第二層を、第一層の表面上にコーティングする。
【0020】
この第二層を次いで、そのピッチ長さが新しい、短い方の数値に移動するまで、指定期間にわたり、指定温度でアニーリングする。この第二層を次いで、マスクを介して照射し、材料を重合させる。これによりコレステリック螺旋は固定されるが、マスクにより覆われていない一定の領域のみは照射線にさらされる。
次いで、アニーリング操作を反復し、重合されていない領域のピッチ長さをさらに移動させる。次いで、相違するマスクを通して追加の照射を行い、相違する螺旋ピッチを有する薄膜の、先立って露光されていない領域を固定する。
この操作は、相違するピッチの長さ範囲が、試料の全領域にわたり分布しているようにするのに必要な回数で反復することができる。追加の作業は、第三層、第四層または第五層以上の層のコーティングおよびこの操作の反復を包含する。
【0021】
パターニングされたコレステリック薄膜は、カラーフィルターとして、また装飾および偽造防止用途に、特に適している。
本発明の第七の好適態様は、広帯域の波長を連続して反射する広帯域コレステリック薄膜の製造方法に関する。好ましくは、このような薄膜は、可視光線範囲の実質的部分を包含する波長域を反射する。理想的な場合、可視スペクトル全体を包含する波長域を反射する。
このような広帯域薄膜は、カイラルドープ剤の濃度に勾配を付けることによって得られ、これによりピッチ長さにおける勾配が、多層状薄膜の厚さ全体を通して作り出される。
このような広帯域薄膜は、特に広帯域円偏光板として有用であると見做される。広帯域円偏光板は、例えば EP 0 606 940 、WO 97/35219 およびWO 97/16762 に記載されている。
【0022】
上記好適態様で使用されるものとして、特に溶剤とともに使用される場合、重合性CLC材料の拡散は、当該材料の低い粘度により、典型的に迅速である。
従って、第七の好適態様に従うCLC材料は、好ましくは増大した粘度を示すべきである。これは、1枚の層内における拡散を低下させ、従って制御をさらに良好にする。これは、CLC材料にオリゴマーまたはポリマーを添加することによって、好ましくは重合性混合物との良好な適応性を確保するために、液晶側鎖ポリマーを添加することによって、達成することができる。適当なオリゴマーおよびポリマーは、例えば後記する式I〜Vおよびそれらの好適付属式に示されているように、メソゲン側鎖を有する、オリゴ−またはポリ−アクリレート、−メタアクリレート、−エチレンまたは−エポキシドである。これらのオリゴマーまたはポリマーの添加量は、好ましくは総材料重量に基づき≦25%である。
また、アニーリング温度を最適化して、正しい拡散速度を得ることができ、および/または層厚さを最適化することができる。すなわち、拡散プロセスを良好に制御するためには、層厚さは厚いほど好ましく、アニーリング時間は長いほど好ましく、および/またはアニーリング温度は低いほど好ましい。
【0023】
本発明による多層薄膜の1枚の層の厚みは、好ましくは5μmよりも薄く、特に1〜5μm、非常に好ましくは3〜5μmである。
本発明の追加の態様において、第一層はそれ自体が、コレステリック層である必要はない。第一層は、アイソトロピックポリマー層であることもできる。すなわち、例えば重合性または架橋性の非液晶モノマーまたはオリゴマーを含有する重合性または架橋性の非液晶ポリマー先駆材料の層を基体上に適用することができ、この場合、上記非液晶ポリマー先駆材料には、第一層の重合条件下に非反応性であるか、または完全には反応しない、1種または2種以上のカイラルドープ剤を特定量で含有させる。次いで、この第一層を重合または架橋させる。次いで、重合性CLC材料の第二層を、この第一層上にコーティングし、配向させ、次いで重合させる。この場合、第一層であるアイソトロピック層の非重合性カイラル化合物は、第二層であるコレステリック層中に、その重合の前に、移動し、これにより上記第二のCLC層のピッチが変更される。重合性CLC材料の第二層はまた、2枚のアイソトロピック層間に挿入されていてもよい。
【0024】
別法として、1種または2種以上の未重合カイラル化合物を含有するアイソトロピックポリマーの層を、第一層として使用することもでき、このポリマーは次いで、架橋させることもできる。このカイラル成分は、重合前に、ポリマー中に分散させることができ、または当該ポリマーをカイラル成分の溶液、例えば有機溶剤中の溶液で膨潤させることによって分散させることができる。
この場合、第一の重合した層は、第二層または第三層以上の層中に移動するカイラル成分を備えた貯蔵槽としての役目を果たすのみである。上記および後記の好適態様に記載のカイラル化合物の移動速度の制御方法はまた、アイソトロピックポリマー層に同様に適用することができる。この態様は、上記第六および第七の好適態様に特に適しており、これらの態様に使用すると好ましい。
適当な重合性アイソトロピック材料、すなわち非メソゲン材料は、例えばエチルヘキシルアクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのアクリレート、メタアクリレートまたはエポキシドのような市販モノマー、およびアクリル化オリゴマーである。二官能性非メソゲンモノマーの例には、炭素原子1〜20個を有するアルキル基を含有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタアクリレートがある。2個以上の重合性基を有する非メソゲンモノマーの代表例には、トリメチルプロパントリメタアクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートがある。
【0025】
好適態様において、CLC混合物は、2個または3個以上の重合性官能基を有する少なくとも1種の重合性メソゲン化合物(二反応性または多反応性化合物、もしくは二官能性または多官能性化合物)を含有する。このような混合物を重合させると、三次元ポリマーネットワークが生成される。このようなネットワークから形成されたポリマー薄膜は、自己支持性であり、また高度の機械的安定性および熱に対する安定性を示し、さらにその液晶性物性の低温依存性を示す。理想的な場合、このポリマー薄膜の液晶材料は、温度非依存性である。
多官能性メソゲン化合物または非メソゲン化合物の濃度を変えることによって、生成するポリマー薄膜の架橋密度およびこれによる物理的性質および化学的性質、例えばガラス転移温度(この温度は、当該薄膜の光学的性質の温度依存性にとって重要である)、熱に対する安定性および機械的安定性または溶剤耐性を容易に変えることができる。
【0026】
特に好ましくは、重合性CLC混合物は、多官能性メソゲン化合物を、5〜100重量%、特に25〜80重量%、非常に好ましくは45〜70重量%の割合で含有する。二反応性メソゲン化合物は、特に好適である。
本発明によるCLC材料の重合性成分は、式Iから選択すると好ましい:
P−(Sp−X)n−MG−R I
式中、
Pは、下記基であり:
【化1】
Spは、炭素原子1〜25個を有するスペーサー基であり、
【0027】
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH2 CH2 −、−OCH2 −、−CH2 O−、−SCH2 −、−CH2 S−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C C−または単結合であり、
nは、0または1であり、
MGは、メソゲン基であり、および
Rは、H、CNまたはハロゲンであるか、もしくは25個までの炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基であり、この基は、未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のハロゲンまたはCNを有し、この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個以上のCH2 基はまた、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3 )−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−または−C C−により置き換えられていてもよく、またはRはまた、P−(Sp−X)n−を表わす。
【0028】
式I中に存在するMGは、好ましくは式IIから選択される:
−A1 −Z1 −(A2 −Z2 )m−A3 − II
式中、
Z1 およびZ2 は、それぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2 −、−OCH2 −、−CH2 O−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C C−または単結合であり、
A1 、A2 およびA3 は、それぞれ独立して、1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個または2個以上のCH基はNにより置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個のCH2 基は、Oおよび/またはSにより置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ(2.2.2)オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、
【0029】
デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル基であり、これらの基は全部が未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のF、Cl、OH、CNまたはNO2 、もしくは炭素原子1〜7個を有するアルキル基、アルコキシ基またはアルカノイル基を有することができ、これらの基中の1個または2個以上の水素原子はFまたはClにより置換されていてもよく、および
mは0、1または2である。
式IIで表わされる好適メソゲン基の狭い群を下記に挙げる。簡潔にするために、これらの基において、Pheは1,4−フェニレンであり、PheLは1〜4個の基Lで置換されており、LがF、Cl、OH、CNまたはNO2 、もしくは炭素原子1〜7個を有し、フッ素化されていてもよいアルキル、アルコキシまたはアルカノイル基である1,4−フェニレンであり、またCycは1,4−シクロヘキシレンである。好適メソゲン基の下記リストは、付属式II−1〜II−24、およびそれらの鏡像基を包含する:
【0030】
【化2】
【0031】
付属式II−1、II−2、II−4、II−6、II−7、II−8、II−11、II−13、II−14、II−15およびII−16は、特に好適である。
これらの好適基において、Zは、それぞれ相互に独立して、式IにおけるZ1 にかかわる意味の一つを有する。好ましくは、Zは、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2 −、−C≡C−または単結合である。
非常に好ましくは、メソゲン基MGは、下記式およびそれらの鏡像基から選択される:
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】
各式中、Lは上記の意味を有し、およびrは0、1または2である。
これらの好適式中に存在する基:
【化5】
【0035】
付属式IId、IIg、IIh、IIi、IIkおよびIIo、特に付属式IIdおよびIIkは、特に好適である。
Lは好ましくは、F、Cl、CN、OH、NO2 、CH3 、C2 H5 、OCH3 、OC2 H5 、COCH3 、COC2 H5 、COOCH3 、COOC2 H5 、CF3 、OCF3 、OCHF2 、OC2 F5 、特にF、Cl、CN、CH3 、C2 H5 、OCH3 、COCH3 およびOCF3 、最も好ましくは、F、Cl、CH3 、OCH3 およびCOCH3 である。
末端極性基を有する重合性メソゲン化合物の場合、Rは好ましくは、15個までの炭素原子を有するアルキルまたは炭素原子2〜15個を有するアルコキシである。
【0036】
式I中に存在するRがアルキル基またはアルコキシ基、すなわちその末端CH2 基が−O−により置き換えられている基である場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の炭素原子を有し、従って好ましくは、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシまたはオクトキシであり、さらにまたメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシであることができる。
【0037】
オキサアルキル基、すなわち基中に存在する1個のCH2 基が−O−により置き換えられている基の例には、好ましくは直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニル、もしくは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルがある。
【0038】
末端に極性基を有する重合性メソゲン化合物の場合、Rは、CN、NO2 、ハロゲン、OCH3 、OCN、SCN、COR1 またはCOOR1 、もしくは炭素原子1〜4個を有し、モノ−、オリゴ−またはポリ−フッ素化アルキルまたはアルコキシ基から選択される。R1 は、炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜3個を有する、フッ素化されていてもよいアルキルである。ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。これらの化合物中に存在するRは、特に好ましくはF、Cl、CN、NO2 、OCH3 、COCH3 、COC2 H5 、COOCH3 、COOC2 H5 、CF3 、C2 F5 、OCF3 、OCHF2 およびOC2 F5 、特にF、Cl、CN、OCH3 およびOCF3 から選択される。
式Iで表わされる化合物において、Rは、非カイラル基またはカイラル基であることができる。カイラル基の場合、この基は、式IIIに従い選択される:
【0039】
【化6】
式中、
X1 は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合であり、
Q1 は、炭素原子1〜10個を有するアルキレン基またはアルキレン−オキシ基もしくは単結合であり、
【0040】
Q2 は、炭素原子1〜10個を有するアルキル基またはアルコキシ基であり、この基は、未置換であるか、または置換基として、1個または2個以上のハロゲンまたはCNを有し、この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個以上のCH2 基はまた、それぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3 )−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−SCO−または−CO−S−により置き換えられていてもよく、
Q3 は、ハロゲン、シアノ基またはQ2 と相違している、炭素原子1〜4個を有するアルキル基またはアルコキシ基である。
式III中に存在するQ1 が、アルキレン−オキシ基である場合、この酸素原子は、好ましくはカイラル炭素原子に隣接している。
【0041】
好適カイラル基Rは、例えば2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、2−オクチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシである。
【0042】
さらに、非カイラル分枝鎖状基Rを有する式Iで表わされる化合物は、例えば結晶化に対する傾向が小さいことに基づいて、場合により重要であることがある。この種の分枝鎖状基は一般に、1個よりも多くない分枝鎖を有する。好適非カイラル分枝鎖状基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシである。
本発明のもう一つの好適態様は、式Iにおいて、Rが、P−(Sp−X)n−を表わす化合物に関する。
式I中に存在するPは好ましくは、アクリレート基、メタアクリレート基、ビニル基またはビニルオキシ基、エポキシ基、スチレン基もしくはプロペニルエーテル基、特にアクリレート基、メタアクリレート基、ビニル基またはエポキシ基である。
【0043】
式I中に存在するスペーサー基Spの場合、この目的に当業者に知られている全部の基を使用することができる。スペーサー基Spは好ましくは、炭素原子1〜20個、特に炭素原子1〜12個を有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であり、この基中に存在する1個のCH2 基または隣接していない2個以上のCH2 基は、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3 )−、−CO−、−O−CO−、−S−CO−、−O−COO−、−CO−S−、−CO−O−、−CH(ハロゲン)−、−CH(CN)−、−CH=CH−または−C C−により置き換えられていてもよい。
代表的スペーサー基には、例えば−(CH2 )O −、−(CH2 CH2 O)p −CH2 CH2 −、−CH2 CH2 −S−CH2 CH2 −または−CH2 CH2 −NH−CH2 CH2 −(これらの基において、oは2〜12の整数であり、またpは1〜3の整数である)である。
【0044】
好適スペーサー基は、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
式Iにおいて、Spが炭素原子2〜8個を有するアルキル基またはアルコキシ基を表わす本発明による化合物は特に好適である。直鎖状アルキル基またはアルコキシ基は特に好ましい。
本発明のもう一つの好適態様において、式Iで表わされるカイラル化合物は、下記式IVで表わされるカイラル基である少なくとも1個のスペーサー基Spを含有する:
【0045】
【化7】
式中、
Q1 およびQ3 は式IIIについて記載の意味を有し、および
Q4 は、Q1 とは相違しており、炭素原子1〜10個を有するアルキレン基またはアルキレン−オキシ基、もしくは単結合である。
【0046】
式III中に存在するQ1 が、アルキレン−オキシ基である場合、その酸素原子は、好ましくはカイラル炭素原子に隣接している。
Rが、P−Sp−X−を表わす場合、式Iで表わされる化合物中に存在する2個のスペーサー基Spは、同一または相違していてもよい。
上記の好適化合物の中で、nが1である化合物は、特に好適である。
nが0である基P−(Sp−X)n−およびnが1である基P−(Sp−X)n−の両方を有する化合物はまた、好適である。
式Iで表わされる化合物は、それ自体公知であり、また例えば Houben-Weylによる Methoden der organischen Chemie,Thieme出版社、Stuttgart などの有機化学の標準的学術書に記載されているような方法により、または当該方法と同様の方法により合成することができる。いくつかの特定の製造方法は、例に見出すことができる。
【0047】
重合性CLC材料の成分として使用することができる適当な重合性メソゲン化合物の例は、例えば WO 93/22397: EP 0,261,712; DE 195,04,224; WO 95/22586および WO 97/00600に記載されている。しかしながら、これらの刊行物に記載されている化合物は、単に例として挙げられているものであり、本発明の範囲を制限するものではない。好ましくは、重合性CLC材料は、1個の重合性官能基を有する、少なくとも1種の重合性メソゲン化合物および2個または3個以上の重合性官能基を有する、少なくとも1種の重合性メソゲン化合物を含有する。
特に有用な一反応性カイラルおよび非カイラル重合性メソゲン化合物の例を、下記化合物リストに示す。しかしながら、これらの化合物は、例示のものと考えられるべきであり、制限するものではなく、本発明を説明するものである:
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
各式中、Pは、上記式Iの意味およびその好適意味の一つを有し、xは、1〜12の整数であり、Aは、1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、vは、0または1であり、Yは、上記定義のとおりの極性基であり、R0 は、非極性アルキル基またはアルケニル基であり、Terは、テルペノイド基、例えばメンチル基であり、Cholは、コレステリル基であり、またL1 およびL2 は、それぞれ独立して、H、F、Cl、CN、OHまたはNO2 であるか、もしくは炭素原子1〜7個を有するハロゲン化されていてもよいアルキル、アルコキシまたはカルボニル基である。
この場合、非極性基の用語は好ましくは、炭素原子1個または2個以上、好ましくは1〜15個を有するアルキル基または炭素原子2個または3個以上、好ましくは2〜15個を有するアルコキシ基を表わす。
有用な二反応性カイラルおよび非カイラル重合性メソゲン化合物の例を、下記化合物リストに示す。しかしながら、これらの化合物は、例示するものと解釈されるべきであり、制限するものではなく、本発明を説明するものである。
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
各式中、P、x、D、L1 およびL2 は、上記意味の一つを有し、およびyは、xと同一または相違する、1〜12の整数である。
上記第一の好適態様に従う重合性CLC材料は、それら自体が液晶相を示す必要はなく、それら自体が良好なプレーナ配向を付与する1種または2種以上のカイラルドープ剤、特に非重合性カイラルドープ剤を含有する。
大きい螺旋ねじれ力(HTP)を有するカイラルドープ剤、特に WO 98/00428に記載されている化合物は、特に好適である。さらにまた、代表的に用いられるカイラルドープ剤には、例えば市販のS1011、R811またはCB15(これらは、 Merck KGaA,Darmstadt,Germany から入手できる) がある。
下記式から選択されるカイラル非重合性ドープ剤は、特に好適である:
【0054】
【化12】
【0055】
上記式VIIIは、(S,S)エナンチオマーを包含する。
上記各式において、EおよびFは、それぞれ独立して、1,4−フェニレンまたはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、vは、0または1であり、Z0 は、−COO−、−OCO−、−CH2 CH2 −または単結合であり、またRは、炭素原子1〜12個を有するアルキル、アルコキシまたはアルカノイルである。
式VIIおよびそれらの付属式で表わされる化合物は、WO 98/00428 に記載されている。式VIIIおよびそれらの付属式で表わされる化合物は、GB 2,328,207に記載されている。
上記式VIIおよび式VIIIで表わされるカイラル化合物は、大きい螺旋ねじれ力(HTP)を示し、従って本発明の目的に特に有用である。
【0056】
上記第二の好適態様に従う重合性CLC材料は、それら自体が良好なプレーナ配向を示さなければならない、1種または2種以上のカイラルメソゲン化合物、特にこの種の重合性カイラル化合物を含有する。これらの化合物は、式Iにおいて、Spおよび/またはRがカイラル分子を含有する化合物から選択すると好ましい。上記式Va〜Vmから選択されるカイラル化合物は、特に好適である。
上記第四の好適態様に従う重合性CLC材料は、1種または2種以上の界面活性剤を含有する界面活性成分を含有する。
適当な界面活性剤は、例えば J.Cognardによる Mol.Cryst.Liq.Cryst.,78,Supplement 1,1 〜77(1981)に記載されている。下記式から選択される非イオン性フルオロアルキルアルコキシレート界面活性剤の混合物などの非イオン性界面活性剤は、特に好適である:
【0057】
【化13】
各式中、nは、4〜12の整数であり、またxは、5〜15の整数である。
これらの界面活性剤を使用すると、0〜1度の範囲、特に0〜0.5度の範囲の小さいチルト角を有する重合した薄膜を生成させることができる。最良の場合、このチルト角は、ほぼ0度である。
式IXで表わされる界面活性剤は、フルオラド(Fluorad) 171( これは、3M CO.から入手できる) の登録商品名で市販されており、また式Xで表わされる界面活性剤は、ゾニル(Zonyl) FSN( これは、DuPontから入手できる) の登録商品名で市販されている。
【0058】
界面活性剤を使用する場合、CLC材料は、界面活性剤を、好ましくは500〜2500ppm、特に1000〜2500ppm、非常に好ましくは1500〜2500ppmの量で含有する。さらに好ましい材料は、界面活性剤を、0.01〜5重量%、特に0.1〜3重量%、非常に好ましくは0.2〜2重量%の割合で含有する。
第一の好適態様に従う特に好適な重合性CLC混合物は、下記成分を含有する:
a)5種まで、好ましくは1種、2種または3種の極性末端基を有する一反応性メソゲン化合物を、5〜80重量%、非常に好ましくは10〜65重量%、
b)4種まで、好ましくは1種または2種の二反応性重合性メソゲン化合物を、10〜90重量%、非常に好ましくは25〜75重量%、
【0059】
c)3種まで、好ましくは1種または2種の非重合性カイラルドープ剤を、0.1〜15重量%、非常に好ましくは0.2〜9重量%、
d)重合開始剤を、0.5〜10重量%、非常に好ましくは1〜7重量%、
e)1種または2種以上の界面活性剤を、0〜5重量%、非常に好ましくは0.1〜2重量%。
成分a)の化合物は、上記式Vaおよび式Vbから選択すると好ましい。
成分b)の化合物は、上記式VIaおよび式VIbから選択すると好ましい。
成分c)のカイラルドープ剤は、上記式VIIおよび式VIIIから選択すると好ましい。
成分e)の界面活性剤は、上記式IXおよび式Xから選択すると好ましい。
本発明の方法に従い、重合性CLC材料は、基体上にコーティングし、次いで均一配向に配向させる。次いで、引続いて重合させ、当該コレステリック材料の配向を永続的に固定する。
【0060】
基体としては、例えばガラスまたは石英のシートまたはプラスティック薄膜またはシートを使用することができる。重合性材料の場合、この基体は、重合後に取り除くことができ、または取り除かなくてもよい。重合後に、重合した薄膜から基体を取り除かない場合、アイソトロピック基体を使用すると好ましい。
好ましくは、この基体は、プラスティック基体、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)などの薄膜であり、特に好ましくはPET薄膜またはTAC薄膜である。複屈折性基体としては、例えば単軸延伸プラスティック薄膜を使用することができる。一例として、PET薄膜は、メリネックス(Melinex) の登録商品名でICI社から市販されている。
【0061】
CLC材料はまた、溶剤、好ましくは有機溶剤に溶解することができる。この溶液を次いで、例えばスピンコーティングまたはその他の公知技術により基体上にコーティングすることができ、次いで大部分の場合、溶剤を蒸発除去することができる。大部分の場合、この混合物を加熱して、溶剤の蒸発を容易にすることができる。
上記方法に加えて、このCLC材料のコーティング層のプレーナ配向はまた、この材料を剪断することによって、例えばドクターブレードを用いて剪断することによって、増強することができる。基体の表面上に、配向層、例えばラビングしたポリイミドまたはスパッタリングしたSiOxの層を適用することもでき、または別法として、基体を直接に、すなわち追加の配向層を適用することなく、ラビングすることもできる。
【0062】
一例として、ラビングは、ラビング布、例えばベルベット布を用いて、もしくはラビング布を被覆した平坦な棒を用いて達成することができる。本発明の好適態様において、ラビングは、少なくとも1個のラビングローラー、例えば基体を横切ってブラッシングするスピンローラーなどを用いて、もしくは少なくとも2個のローラー間に基体を配置することによって(この場合、ローラーの少なくとも1個は、ラビング布で覆うことができる)行われる。本発明のもう一つの好適態様において、ラビングは、ラビング布で覆われていると好ましいローラーの周囲に、一定の角度で少なくとも部分的に、基体を巻き付けることによって達成される。
重合性CLC材料の重合は、熱または活性線照射にさらすことによって行う。活性線照射の用語は、紫外部光、赤外部光または可視部光などの光の照射、X−線またはガンマ線の照射、もしくはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子の照射を意味する。好ましくは、重合は、紫外線照射により行う。
【0063】
活性線照射の供給源としては、例えば紫外線灯または一連の紫外線灯を使用することができる。高い光力を用いる場合、硬化時間は、短縮される。もう一つの使用可能な活性線照射の供給源は、レーザー、たとえば紫外部レーザー、赤外部レーザーまたは可視部レーザーなどである。
重合は、活性線照射の波長を吸収する開始剤の存在下に行う。一例として、紫外部光により重合させる場合、紫外線照射下に分解し、重合反応を開始させるフリーラジカルまたはイオンを発生する光開始剤を使用することができる。
アクリレートまたはメタアクリレート基を有する重合性メソゲンを硬化させる場合、ラジカル開始剤を用いると好ましく、またビニルおよびエポキシ基を有する重合性メソゲンを硬化させる場合、カチオン性開始剤を用いると好ましい。
【0064】
加熱すると分解して、重合を開始させるフリーラジカルまたはイオンを発生する重合開始剤を使用することもできる。
ラジカル重合用光開始剤としては、例えば市販のイルガキュア(Irgacure)651、イルガキュア184、ダロキュア(Darocure)1173またはダロキュア4205(これらは全部、 Ciba Geigy AGから入手できる)を使用することができ、またカチオン性光重合の場合、市販のUVI6974( Union Carbide)を使用することができる。
重合性CLC混合物は、重合開始剤を、好ましくは0.01〜10%、非常に好ましくは0.05〜5%、特に0.1〜3%の割合で含有する。紫外線光開始剤、特にラジカル紫外線光開始剤は好適である。
【0065】
硬化時間は、中でも、重合性メソゲン材料の反応性、コーティング層の厚さ、重合開始剤の種類、および紫外線灯の灯力に依存する。本発明による硬化時間は、好ましくは10分よりも長くない時間、特に好ましくは5分よりも長くない時間、非常に特に好ましくは2分よりも短い時間である。大量生産の場合、3分またはそれ以下、非常に好ましくは1分またはそれ以下、特に30秒またはそれ以下の短い硬化時間が好ましい。
重合開始剤に加えて、重合性材料はまた、1種または2種以上の別の適当な成分、例えば触媒、安定剤、連鎖移動剤、共反応性モノマーまたは界面活性化合物を含有することができる。特に、保存期間中における重合性材料の望ましくない自発的重合を防止するために、安定剤を添加すると好ましい。
【0066】
安定剤としては、原則的に、この目的に当業者に知られている化合物の全部を使用することができる。これらの化合物は、広く種々にわたり市販されている。代表的安定剤の例には、4−エトキシフェノールまたはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)がある。
その他の添加剤、例えば連鎖移動剤を重合性材料に添加することができ、これにより本発明によるポリマー薄膜の物理的性質を変えることができる。連鎖移動剤、例えばドデカンチオールなどの一官能性チオール化合物または例えばトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)などの多官能性チオール化合物などを、重合性材料に添加する場合、本発明によるポリマー薄膜中の2個の架橋間のポリマー鎖の長さおよび/または遊離ポリマー鎖の長さを制御することができる。連鎖移動剤の量を増加すると、えられたポリマー薄膜の鎖長は、減少する。
【0067】
ポリマーの架橋度を増大させるために、二官能または多官能重合性化合物の代わりに、またはこれらの化合物に加えて、重合性材料に、2個または3個以上の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を20%までの量で添加することができる。
二官能性非メソゲンモノマーの代表例には、炭素原子1〜20個を有するアルキル基を含有するアルキルジアクリレートまたはアルキルジメタアクリレートがある。2個よりも多くの重合性基を含有する非メソゲンモノマーの代表的例には、トリメチルプロパントリメタアクリレートまたはペンタエリスリトールテトラアクリレートがある。
もう一つの好適態様において、重合性CLC混合物は、1個の重合性官能基を有する非メソゲン化合物を、70%まで、好ましくは3〜50%の割合で含有する。
【0068】
一官能性非メソゲンモノマーの代表例には、アルキルアクリレートまたはアルキルメタアクリレートがある。
光学リターデーション薄膜の光学的性質を適合させるために、非重合性液晶化合物を20重量%までの量で添加することもできる。
本発明の好適態様において、重合性CLC材料の重合は、不活性気体雰囲気下に、好ましくは窒素雰囲気下に行う。
適当な重合温度の選択は、重合性材料の透明点および特に、基体の軟化点に主として依存する。好ましくは、この重合温度は、重合性メソゲン混合物の透明点温度以下の少なくとも30度である。
【0069】
【発明の実施の形態】
さらに説明するまでもなく、当業者が、前記説明を用いて本発明を最高程度に利用することができるものと信じる。従って、下記の例は、単に説明しようとするものであって、如何なる点でも記載の残りの部分を制限するものではない。
前記および下記の例において、別段の記載がないかぎり、温度は全部が未補正であって、摂氏度で示されおり、そして部およびパーセンテージはいずれも重量による。
下記の略号を使用して、化合物の液晶相挙動を示す:K=結晶;N=ネマティック;S=スメクティック;Ch=コレステリック;I=アイソトロピック。これらの記号間の数値は相転移温度を℃で示すものである。
【0070】
例1
大きいねじれを有し、また青色光を反射する重合性CLC混合物1と小さいねじれを有し、また赤色光を反射する重合性CLC混合物2とを調合した:
【表1】
【0071】
【化14】
【0072】
化合物(1)および(2)は、D.J.Broer 等により Makromol.Chem.,190,3201〜3215(1989)に記載された方法に従い、またはこの方法と同様にして製造することができる。化合物(3)および(4)の製造は、DE 195,04,224 に記載されている。カイラルドープ剤(5)の製造は、WO 98/00428 に記載されている。イルガキュア(Irgacure)369は、市販の光開始剤である(これは、Ciba Geigyから入手できる)。FC171は、市販の非イオン性フルオロカーボン界面活性剤である(これは、3M Corp.から入手できる)。
各混合物は、キシレンに溶解し、50%溶液を得た。
青色混合物1は、ラビングしたポリイミド配向層を有するガラス基体上に、3000rpmのスピン速度でスピンコーティングした。このコレステリック層を、60℃で30秒間、アニーリングし、次いで窒素雰囲気下に、紫外線照射(波長360nm、強度13mW/cm2 )に1分間さらすことによって重合させ、一層状ポリマー薄膜1Aを生成した。
【0073】
赤色混合物2についても、この操作を反復し、一層状ポリマー薄膜1Cを生成した。
さらにまた、赤色混合物2のキシレン溶液を、上記したとおりに、青色混合物1の重合層の表面上にコーティングし、次いで重合させ、二層状ポリマー薄膜1Bを生成した。
操作を反復するが、ここでは赤色混合物2の重合層の表面上に青色混合物1をコーティングし、次いで重合させ、二層状ポリマー薄膜1Dを生成した。
薄膜1A〜1Dのそれぞれの可視光線吸収スペクトルを、円偏光した光を用いて測定した(Hitachi U2000分光光度計) 。コレステリック層からの反射は、スペクトラムにおける吸収ピークとして現れる。これらのスペクトルを、図1に示す(曲線A〜D)。表1には、薄膜1A〜1Dの反射ピークの中心波長(λ)、二層状薄膜のピークとそれらの相当する一層状薄膜との間のλの差(△λ)およびλの相対変化(|△λ/λ|)が示されている。
【0074】
表1−例1の一層状および二層状コレステリック薄膜にかかわる中心反射波長
【表2】
【0075】
カイラル成分(3)および(4)を含有し、さらに高HTPドープ剤(5)を含有する青色混合物1の薄膜1Aは、青色光の選択的反射を伴い、短いピッチ(すなわち、大きいねじれ)を示す。追加のドープ剤(5)を含有していない赤色混合物2の薄膜1Cは、赤色光の選択的反射を伴い、長いピッチ(すなわち、小さいねじれ)を示す。それぞれ混合物1および2の重合層の一方に相当する二層状薄膜1Bおよび1Dは、2個の反射ピークを示す。
単層状薄膜1Aおよび1Cの相当するピークと比較した二層状薄膜1Bおよび1Dの2個のピークの反射波長の移動△λが、反射波長の相対変化|△λ/λ|とともに、表1に示されている。青色混合物1が最初にコーティングされている薄膜1Bの場合、一層状薄膜1Cにおける同一ピークに比較して、長い方の波長ピーク(ピーク2)から短い方の波長への相当な移動△λが存在することを見ることができる。これは、第二層のアニーリング期間中に、混合物1の第一重合層から混合物2の第二非重合層中に、非重合性カイラルドープ剤(5)が移動することによって説明することができる。第二層中のカイラル材料の濃度を増加させると、その反射ピークは、短い方の波長に移動する結果をもたらす。
【0076】
他方、一層状薄膜1Aにおける同一ピークに比較して、薄膜1Bの短い方の波長ピーク(ピーク1)は、長い方の波長に僅かな量で移動するのみである。このピーク1の移動は、ピーク2に見出される移動よりもかなり少ない。これは、短い波長ピーク(ピーク1)を有する第一層(混合物1)では、そのコレステリック構造が、架橋によってすでに固定されている結果である。この場合、ピーク1の移動は主として、第二層の未重合材料により第一層が膨潤され、これにより層厚さが増加し、従ってピッチが増大する。他方、第一層から移動するカイラルドープ剤の消失は、その螺旋ピッチおよび反射波長に対しては、格別の影響力を有していない。
混合物2が先ずコーティングされている薄膜1Dの場合、長い方の波長を有するピーク(ピーク2)および短い方の波長を有するピーク(ピーク1)の両方の移動は、薄膜1Bに比較してかなり小さい。これは、この場合、第一層(混合物2)が、第二層に移動することができる非重合性カイラル材料(化合物(5))を全く含有していない結果である。
【0077】
例2
大きいねじれを有し、また青色光を反射する重合性CLC混合物3と小さいねじれを有し、また赤色光を反射する重合性CLC混合物4とを調合した:
【表3】
【0078】
【化15】
【0079】
化合物(6)および(7)は、D.J.Broer 等により Makromol.Chem.,190,3201〜3215(1989)に記載された方法に従い、またはこの方法と同様にして製造することができる。カイラルドープ剤(8)の製造は、WO 98/00428 に記載されている。イルガキュア(Irgacure)651は、市販の光開始剤である( これは、Ciba Geigyから入手できる) 。
各混合物は、キシレンに溶解し、50%溶液を得た。
青色混合物3は、ラビングしたポリイミド配向膜を有するガラス基体上に、3000rpmのスピン速度でスピンコーティングした。このコレステリック層を、84℃で30秒間、アニーリングし、次いで窒素雰囲気下に1分間、紫外線照射(波長360nm、強度13mW/cm2 )にさらすことによって重合させ、一層状ポリマー薄膜2Aを生成した。
【0080】
赤色混合物4についても、この操作を反復し、一層状ポリマー薄膜2Bを生成した。
さらにまた、赤色混合物4のキシレン溶液を、青色混合物3の重合層上に、上記のとおりにスピンコーティングした。この混合物4の未重合層を次いで、84℃で各種経過時間にわたりアニーリングし、次いで上記のとおりに重合させ、二層状薄膜2C〜2Gを生成した。
薄膜2A〜2Gのそれぞれの可視光線吸収スペクトルを、円偏光した光を用いて測定した(Hitachi U2000分光光度計) 。コレステリック層からの反射は、スペクトラムにおける吸収ピークとして現れる。薄膜2B〜2Gにかかわるスペクトルを、図2に示す(曲線B〜G)。表2には、薄膜2A〜2Gの反射ピークの中心波長(λ)、二層状薄膜2C〜2Gのピークとそれらの相当する一層状薄膜との間のλの差(△λ)およびλの相対変化(|△λ/λ|)が示されている。
【0081】
表2−例2の一層状および二層状コレステリック薄膜にかかわる中心反射波長
【表4】
【0082】
図2および表2から見ることができるように、アニーリング時間を長くするほど、第二層のλは、連続的に短い方の波長に移動することがわかる。同時に、第一層のλは、実質的な影響を受けずにとどまる。
この効果は、非重合性カイラルドープ剤(8)が第一層から第二層中に拡散することによるものと説明することができる。他方、第一層のλは、その架橋度が大きいことによって、格別には変化しない。従って、この層から移動するカイラルドープ剤(8)の消失は、その螺旋ピッチおよび反射波長に対して重大な影響を及ぼさない。
【0083】
例3
例2の重合性青色CLC混合物3の一層状ポリマー薄膜の数枚の試料を、例2に記載のとおりに製造した。各試料について紫外線スペクトルを記録し、中心反射波長を計算した。試料をスピンコーター上に置き、3000rpmで30秒間スピンコーティングされた試料上に、4滴の溶剤を添加した。次いで、各試料について紫外線スペクトルを再記録し、中心反射波長を再度、計算した。溶剤が薄膜に対していずれの有害な作用も及ぼさない場合、理想的には、これら2つの反射波長は同一でなければならない。
生じる反射波長の変化を、表3に示す。
【0084】
表3−溶剤処理前および処理後の例3の一層状コレステリック薄膜の中心反射波長
【表5】
【0085】
表3から、溶剤a〜dによる処理が、反射波長λの無視できる変化を生じさせるのみであるのに対して、溶剤e〜iによる処理は、λの重大な変化を導くことを見ることができる。従って、溶剤e〜iは、溶剤a〜dに比較して、ポリマー薄膜に対して大きい浸透作用を有する。
上記例で用いられている反応剤および/または操作条件の代わりに、本発明の一般的または特定的に記載されている反応剤および/または操作条件を使用することによって、同様な成功をもって前記例を反復することができる。
上記説明から、当業者は本発明の基本的特徴を容易に確認することができ、また本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の用途および条件に応じて、本発明の種々の変更または修正をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】相違する反射波長を有する2種の重合性CLC混合物から種々の順序で形成された二層コレステリック薄膜の可視光線吸収スペクトルを、CLC混合物から形成された単層薄膜のスペクトルと比較して示すグラフ。
【図2】相違する反射波長を有する2種の重合性CLC混合物から形成された二層コレステリック薄膜であって、その第二層が、重合以前の種々の時点でアニーリングされた場合の可視光線吸収スペクトルを、CLC混合物から製造された単層薄膜のスペクトルと比較して示すグラフ。
Claims (16)
- プレーナ配向を有する重合したコレステリック液晶(CLC)材料の2枚または3枚以上の層を有する多層コレステリック薄膜の製造方法であって、
基体上に重合性CLC材料の層を適用し、次いでこの配向されたCLC材料を重合させることによって、第一層を形成し、次いで
基体としての先に重合された層の1枚の上に、第一層について記載のとおりに、第二層および第三層以上の層を形成するにあたり、
各層間に存在する非重合性カイラル材料の制御された移動により、隣接する層のコレステリック螺旋ピッチを変化させることを特徴とする、前記製造方法。 - プレーナ配向を有する重合したコレステリック液晶(CLC)材料の2枚または3枚以上の層を有する多層コレステリック薄膜の製造方法であって、
基体上に重合性CLC材料の層を適用し、このCLC材料をプレーナ配向で配向させ、次いでこの配向されたCLC材料を重合させることによって、第一層を形成し、次いで
基体としての先に重合された層の1枚の上に、第一層について記載のとおりに、第二層および第三層以上の層を形成するにあたり、
各層間に存在する非重合性カイラル材料の制御された移動により、隣接する層のコレステリック螺旋ピッチを変化させることを特徴とする、前記製造方法。 - 多層コレステリック薄膜における隣接する層が、相違する螺旋ピッチを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 第一層の重合した材料が、三次元ネットワークを形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 第一層のCLC材料が、1種または2種以上の非重合性カイラルドープ剤を、0.5〜10重量%の割合で含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 第一層のCLC材料が、>20μm-1の螺旋ねじれ力(HTP)を有する、1種または2種以上のカイラルドープ剤を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 先に重合した層に対して一定の浸透作用を有するように選択される溶剤と組合わせて、第二層および第三層以上の層の少なくとも1枚に重合性CLC材料を用いることによって、移動を制御することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 第二層および第三層以上の層の少なくとも1枚の重合性CLC材料を、その重合に先立ち、一定の時点および当該CLC材料のコレステリック−アイソトロピック相転移温度以下の一定の温度において、アニーリングすることによって移動を制御することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- アニーリング温度が、重合性CLC材料のコレステリック−アイソトロピック相転移温度以下の1〜10℃であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- アニーリング時間が、10秒〜3分であることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
- 先に形成される層のCLC材料のピッチが、次に形成される層のCLC材料のピッチよりも短くなる順序で、隣接する層を形成することを特徴とする、請求項3〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 隣接する層のCLC材料が、反対のねじれ方向を示すことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- CLC材料の第二層を、ホトマスクにより覆うことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- カイラル材料の濃度勾配を、薄膜の厚み全体にわたり生じさせることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法よって得られる多層コレステリック薄膜。
- 偏光板、補償膜、配向膜、カラーフィルターまたはホログラフイ素子などの光学素子、化粧品および液晶顔料、ならびに装飾および偽造防止用途における、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法および請求項15に記載の多層コレステリック薄膜の使用。
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