JP4637182B2 - 調整装置及び車両シート - Google Patents

Description

本発明は、ボルトを用いて回転可能となるように取り付けられており、かつ力（Ｆ）が回転軸に対して半径方向に働く、第１のサブアセンブリ及び第２のサブアセンブリ上に配置されたボルトを備えた、調整装置、特に車両シートの背もたれの傾斜を調整する装置に関する。

包括的な調整装置が、独国特許出願公開第１９８４５６９８Ａ１号明細書より公知である。この文献に記載されている車両シートの背もたれの傾斜を調整する装置は、互いに回転可能に接続されている、背もたれに接続された第１の固定プレートとシート部上に配置された第２の固定プレートとからなる。第２の固定プレートの円弧状の周辺領域には、第１の固定プレート上に回転可能に取り付けられたラッチつめが係合される歯付き部分が設けられる。この係合は、調整のために解放され得るが、この係合により、背もたれとシート部との間の角位置が固定される。第１の固定プレート上にボルトを用いて回転可能に配置されたロッキングカムにより、ラッチつめの望ましくないロック解除が防止される。通常に使用されている場合もそうであるが、特に事故により過負荷となった場合に、力が、ロッキングカムの回転軸に対して半径方向にボルトに作用する。この場合、構造上の負荷制限が予め設定されており、この負荷制限までは、ロッキングカムのクランプ力が維持され、したがって、背もたれはその設定位置に固定されている。

本発明の目的は、包括的な調整装置の安全性を低い費用で向上させることである。

上記目的は、本発明に従って、包括的な装置によって達成され、これによれば、塑性変形を用いて作られる、ボルトと第１のサブアセンブリ及び／又は第２のサブアセンブリとの間の確実な接続により、第１のサブアセンブリに対する第２のサブアセンブリの回転可能性が減少し得る。したがって、事故により過負荷が発生すると、基本的に調整装置をロック解除しようとするが、同時に、このロック解除に対抗する（非可逆的な）手段が始動される。

ボルトは、この場合、第１のサブアセンブリと、回転に対して固定接続され、ボルトと第２のサブアセンブリとの間の確実な接続が作られ得る。代替形態として、ボルトを第２のサブアセンブリと、回転に対して固定接続し、ボルトと第１のサブアセンブリとの間の確実な接続を作ることも考えられる。

確実な接続は、第１の又は第２のサブアセンブリ内で、その内周の少なくとも一部分が歯付きである、穴の中に回転可能に取り付けられたボルトによって作られ得ることが好ましい。この場合、穴の内周は、少なくとも歯付き部分の領域内において、ボルトの外周より大きい硬さを有することが好都合である。過負荷が発生した場合には、歯がボルトの中に喰い込み、穴に対するその回転を防止する。しかし、通常の作業負荷の場合には、回転運動が中断されない。その上、基本的に、たとえば車両乗員が背もたれを前方に折り畳むことにより車両から出ることができるようにするために、過負荷が治まった後、再び調整装置をロック解除することができる。

歯付き部分は、穴の内周の区間内に配置されることが好ましく、過負荷の場合の力Ｆの加力点は、その円弧のほぼ中心に配置される。この場合、歯付き区間は、好都合には４５°未満、好ましくは約３０°の角度で、加力点のいずれかの側部に延在する。この角状の範囲内において、歯付き部分は、その最大の効果を発揮する。

本発明の好ましい実施形態によれば、調整装置は、自動車のシートの背もたれの傾斜を調整するためのロッキング装置であり、第１のサブアセンブリは、背もたれに接続された第１の固定プレートであり、第２のサブアセンブリは、ロッキングカムであり、これを用いて、第１の固定プレート上に回転可能に取り付けられたラッチつめが、第１の固定プレートに対して枢転される第２の固定プレートの歯付き部分に係合して保持され得る。

図は、本発明の実施形態を例として概略的に示したものである。

調整装置１は、背もたれ（図示せず）に装着するための第１の固定プレート２と、車両シート（これも図示せず）のシート部に固定するための第２の固定プレート３からなる。第２の固定プレート３の外周には、歯付き部分４が部分的に設けられる。逆の歯付き部分６を用いて歯付き部分４に確実に係合するラッチつめ５が、第１の固定プレート２（第１のサブアセンブリ）上に回転可能に配置される。ロックされた位置でのロッキング及びラッチつめ５のロック解除が、第１の固定プレート２から突出する強固なボルト８に枢転可能に取り付けられたロッキングカム７（第２のサブアセンブリ）によって行われる。ロッキングカム７は、歯付き部材９によって駆動される。このような調整装置の機能については、上記の独国特許出願公開第１９８４５６９８Ａ１号明細書において明確に言及されており、歯付き部材９の形態については、未公開の特許出願ＤＥ１０３１２１３６．６−１６号明細書において言及されている。

通常に使用されている場合もそうであるが、特に事故による過負荷の場合に、ボルト８を介して第１の固定プレート２へと流れがそれた力Ｆが、ロッキングカム７の回転軸１０に対して半径方向に、既に（図２の拡大図に示されている）ロッキングカム７に働いている。ボルト８がその中に押される、ロッキングカム７に挿入される穴１１には、その内周の区間１２内に歯付き部分１３が設けられる。この区間１２は、それぞれ３０°の角度ａで、ボルト８とロッキングカム７との間の移動中、加力点１４の方向のいずれかの側部に延在する。

図３から分かるように、個々の歯１５は、穴１１の内周の他方の側の窪み１６によって形成される。即ち、その中へと突出しない。したがって、通常に使用されている場合には、ボルト８に対するロッキングカム７の回転可能性は妨げられない。しかし、半径方向の力Ｆが通常の量を超えると、比較的硬い歯１５は、比較的柔らかいボルト８の外周の中に喰い込み、確実な接続により、ロッキングカム７の回転に対して作用する。これにより、システムの望ましくないロック解除が打ち消される。

本発明による傾斜を調整する装置を示す側面図である。 図１の傾斜を調整する装置のロッキングカムを示す拡大図である。 図１及び図２のロッキングカム内の歯付き部分を示すさらなる拡大図である。

符号の説明

１ 調整装置
２、３ 固定プレート
４ 歯付き部分
５ ラッチつめ
６ 逆の歯付き部分
７ ロッキングカム
８ ボルト
９ 歯付き部材
１０ 回転軸
１１ 穴
１２ 区間
１３ 歯付き部分
１４ 加力点
１５ 歯
１６ 窪み

Claims (9)

1. ボルトを用いて回転可能となるように取り付けられており、かつ力（Ｆ）が回転軸（１０）に対して半径方向に働く、第１のサブアセンブリ及び第２のサブアセンブリ上に配置された前記ボルト（８）を備えた、調整装置（１）、特に車両シートの背もたれの傾斜を調整する装置であって、
   前記第１のサブアセンブリに対する前記第２のサブアセンブリの回転可能性が、塑性変形を用いて作られる、前記ボルト（８）と前記第１のサブアセンブリ及び／又は前記第２のアセンブリとの間の確実な接続によって減少し得ることを特徴とする調整装置。
2. 前記ボルト（８）が、前記第１のサブアセンブリと、回転に対して固定接続され、前記確実な接続が、前記ボルトと前記第２のサブアセンブリとの間に作られ得ることを特徴とする請求項１に記載の調整装置。
3. 前記ボルト（８）が、前記第２のサブアセンブリと、回転に対して固定接続され、前記確実な接続が、前記ボルトと前記第１のサブアセンブリとの間に作られ得ることを特徴とする請求項１に記載の調整装置。
4. 前記ボルト（８）が、前記第１の又は第２のサブアセンブリ内で、該内周の少なくとも一部分が歯付きである、穴（１１）の中に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の調整装置。
5. 前記穴（１１）の前記内周が、少なくとも前記歯付き部分（１３）の領域内において、前記ボルト（８）の外周より大きい硬さを有することを特徴とする請求項４に記載の調整装置。
6. 前記歯付き部分（１３）が、前記穴（１１）の前記内周の区間（１２）内に配置され、過負荷の場合の前記力（Ｆ）の加力点（１４）が、該円弧のほぼ中心に配置されることを特徴とする請求項４又は５に記載の調整装置。
7. 前記歯付き区間（１２）が、４５°未満、好ましくは約３０°の角度で、前記力（Ｆ）の加力点（１４）のいずれかの側部に延在することを特徴とする請求項６に記載の調整装置。
8. 前記調整装置（１）が、自動車のシートの背もたれの傾斜を調整するロッキング装置であり、前記第１のサブアセンブリが、前記背もたれに接続された第１の固定プレート（２）であり、前記第２のサブアセンブリが、ロッキングカム（７）であり、これを用いて、前記第１の固定プレートに回転可能に取り付けられたラッチつめ（５）が、前記第１の固定プレートに対して枢転される第２の固定プレート（３）の前記歯付き部分（４）と係合して保持され得ることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載の調整装置。
9. 請求項１〜８のいずれか一項に記載の調整装置を備えた車両シート。

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