JP4636821B2 - オルガノポリシロキサン顆粒、その製造方法及びその使用 - Google Patents

オルガノポリシロキサン顆粒、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサン顆粒、前記顆粒の製造方法及び熱可塑性プラスチック中の添加剤としての前記オルガノポリシロキサン顆粒の使用に関する。
シリコーンベースのモノマー及びポリマーはプラスチック工業において、ポリマー製造からポリマーコンパウンディングを経て最終生成物製造まで、ますます使用されている。1,000mm/sまでの粘度を有する低分子量オルガノポリシロキサンは、プラスチック工業において、例えば、外部離型剤として広く普及して使用されており、前記離型剤はこのために型の表面に塗布される。約30年来、10,000〜100,000mm/sの粘度範囲内のより高分子量のオルガノポリシロキサンが、内部添加剤として熱可塑性ポリマー中で使用されている。それにより、加工の利点及び表面特性の改善が達成され;これには、例えば、より低い摩擦係数、より良好なスリップ性、改善された耐摩耗性、より良好な摩耗値、改善された耐引っかき性及び表面光沢、より良好な離型性、より少ない不合格品、より容易な加工性、改善された処理量、加工の際のより低いエネルギー消費及び成形プロセスの際のより速いサイクル時間(Taktzeiten)が含まれる。
オルガノポリシロキサンは、さらにまた、従来の加工助剤及び潤滑剤(ろう、脂肪酸誘導体)としてより良好な安定性を有する。1,000,000〜100,000,000mm/sの粘度を有する超高分子量オルガノポリシロキサンは、通例、より良好な有効性及びより高い効率の場合に、より高分子量のオルガノポリシロキサンのように匹敵しうる添加剤特性を有する。この改善された性能プロフィールは、長鎖の超高分子量オルガノポリシロキサンと熱可塑性プラスチックのポリマー鎖との間のより高い機械的な相互作用に帰するものであり、かつより高い耐久度、低下された移行挙動並びにより良好な印刷適性、ラミネート適性(Beklebbarkeit)及び溶接適性をもたらす。
しかしながら、とりわけより高い粘度及び高い粘度を有する液状オルガノポリシロキサン添加剤は、これらの添加剤が、困難に、かつ特殊な工業用装置の使用下でのみ、押出プロセスの間に熱可塑性プラスチックメルト中へ導入されることができるという欠点を有する。好ましくは、押出プロセスの際に、固形成分及び特に好ましくは従来のプラスチック顆粒形もしくはペレット形の固形成分が使用される。粉末形の固形成分は、プラスチック顆粒及び粉末状の添加剤からなる均質なプリミックス(ドライブレンド;dry blends)を製造するのが、複数の異なる顆粒から製造されるプリミックスよりも困難であり、かつ貯蔵及び計量供給の間に、より簡単に偏折する傾向があるという欠点を有する。偏折過程及び不規則な計量供給は、通例僅少量で添加される粉末状の添加剤がポリマー顆粒とブレンドされる場合に特に問題が多い。不均一な計量供給は、不均質な製品品質をまねき、このことは望ましくない。この理由から、より高粘性及び超高粘性の液状オルガノポリシロキサンの濃縮物もしくはマスターバッチは、従来の顆粒形もしくはペレット形で開発されてきており、かつ今日、技術水準である。しかしながら、これらのオルガノポリシロキサン−濃縮物は多数の欠点を有する。例えば、オルガノポリシロキサン含量は20%ないし最大50%に過ぎない。この際、担持材料は、濃縮物中に50〜80%含まれている熱可塑性プラスチックである。担持材料は、顆粒の使用範囲を制限する、それというのも、この担持材料は、濃縮物が添加される各プラスチックに適合されていなければならないからである。多数の熱可塑性プラスチックを考慮すれば、このことは、当然の帰結として、多様な熱可塑性担持材料を有するオルガノポリシロキサンの多数の濃縮物を提供することを必要とする。このことは、とりわけ、多数の異なるプラスチックを配合するかもしくは加工し、その結果、多数の異なる担持されたオルガノポリシロキサン濃縮物を準備し持っていなければならないプラスチック配合業者又は最終加工業者にとって不利である。
オルガノポリシロキサン−粉末は、多様な担持材料の欠点を有しない。液状オルガノポリシロキサン、ケイ酸及び特殊なシリコーン樹脂を含有している粉末状の組成物並びに熱可塑性プラスチックの変性のためのその使用は、米国特許(US)第5,346,941号明細書に記載されている。米国特許(US)第5,391,594号明細書には、さらに、プラスチック及びポリジオルガノシロキサンとケイ酸をと含んでいる1〜1,000μmの粒度を有するシリコーン粉末を含有している組成物が記載されている。しかしながら、粉末状のオルガノポリシロキサン添加剤は、これらが顆粒との混合物で偏折及び不均一な計量供給する傾向があるという冒頭に記載された欠点を有し、このことは通例僅少量で添加される添加剤の場合に特に望ましくない、それというのも不均質な製品品質をまねくからである。
米国特許(US)第5,346,941号明細書 米国特許(US)第5,391,594号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開(DE)第38 39 900 A1号明細書 EP 1 028 140 A1
本発明の課題は、熱可塑性材料の工業的加工に適しており、かつ同時に良好な添加剤特性並びにオルガノポリシロキサンの高い濃度を有し、かつ従来の適用形(Darreichungsformen)である濃縮物及び粉末の欠点を有しない、オルガノポリシロキサンの固体適用形を提供することであった。
この課題は、本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒により解決される。
それに応じて、本発明の対象は、
(A)一般式I:
SiO(4−r/2) (I)
[式中、
Rは互いに独立して、置換又は非置換の炭化水素基を表し、かつ
rは0、1、2又は3を表すが、但し、rの平均値が1.9〜2.1の範囲内である]で示される単位からなる少なくとも1つのポリオルガノシロキサン、
(B)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤又は補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤の混合物1〜200質量部、
(C)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、顆粒を製造するための少なくとも1つの添加剤0.01〜20質量部及び
(D)場合により、加工助剤、可塑剤、顔料及び安定剤を含んでいる群から選択される別の助剤
を含有しているオルガノポリシロキサン顆粒であり、このオルガノポリシロキサン顆粒は、1〜100mmの粒度を有することにより特徴付けられている。
好ましい基Rは、例えばアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルケニル基又はシクロアルキル基であり、これらは置換又は非置換であってよく、並びに場合によりへテロ原子により中断されていてよい。
炭化水素基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基及びイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基、オクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基及びアントリル基及びフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基及びエチルフェニル基;アラルキル基、例えばベンジル基、α−及びβ−フェニルエチル基である。
置換された炭化水素基Rの例は、ハロゲン化アルキル基、例えば3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基及びペルフルオロヘキシルエチル基、ハロゲン化アリール基、例えばp−クロロフェニル基及びp−クロロベンジル基である。
好ましくは、基Rは、水素原子基及び炭素原子1〜8個を有する炭化水素基、特に好ましくはメチル基である。
基Rの別の例は、ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、ブタジエニル基、ヘキサジエニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、エチニル基、プロパルギル基及び1−プロピニル基である。
本発明による別の好ましい実施態様において、基Rは、炭素原子2〜8個を有するアルケニル基、特に好ましくはビニル基である。
炭素原子1〜8個を有する置換されていてよい炭化水素基の場合に、メチル基、ビニル基、フェニル基及び3,3,3−トリフルオロプロピル基が特に好ましい。
好ましくは、式(I)の単位からなるポリオルガノシロキサン(A)中に含まれているケイ素原子の少なくとも70mol%に、アルキル基、特にメチル基が結合している。ポリオルガノシロキサンが、ケイ素に結合したメチル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基並びに双方の基の組合せに加えて、さらにケイ素に結合したビニル基又はフェニル基並びに双方の基の組合せを有する場合には、後者は好ましくは0.001〜30mol%の量である。
好ましくは、ポリオルガノシロキサン(A)は主にジオルガノシロキサン単位からなる。ポリオルガノシロキサンの末端基は、トリアルキルシロキシ基、特にトリメチルシロキシ基又はジメチルビニルシロキシ基であってよく;しかしまた、これらのアルキル基の1つ又はそれ以上が、ヒドロキシ基又はアルコキシ基、例えばメトキシ基又はエトキシ基により置換されていてよい。
ポリオルガノシロキサン(A)は、液体又は高粘性物質であってよい。好ましくは、ポリオルガノシロキサン(A)は25℃で10〜10mPasの粘度を有する。
ポリオルガノシロキサン(A)は1種類であってよく、また少なくとも2つの異なる種類のポリオルガノシロキサン(A)からなる混合物も使用されてよい。
好ましくは、本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒の場合に架橋剤は使用されない。
さらに、本発明によるポリオルガノシロキサン(A)は、好ましくは補強性充てん剤及び/又は非補強性充てん剤を含有する。
補強性充てん剤の例は、少なくとも50m/gのBET表面積を有する熱分解法ケイ酸又は沈降ケイ酸である。
挙げられたケイ酸充てん剤は、親水性を有するか、又は公知方法により疎水化されていてよい。このためには、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開(DE)第38 39 900 A1号明細書を指摘することができ、該明細書のこれに関する開示は、本明細書の一部であるはずである。一般的に、疎水化は、その都度ポリオルガノシロキサン(A)の全質量に対して、ヘキサメチルジシラザン又はジビニルテトラメチルジシラザン又は双方の混合物1〜20質量%及び水0.5〜5質量%で行われ、その際、これらの試薬は有利には適している混合装置、例えばニーダー又は密閉式混合機中で、既に装入されたポリオルガノシロキサン(A)に添加されてから、親水性ケイ酸は順次材料へ混和される。
非補強性充てん剤の例は、石英粉、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、金属酸化物粉末、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄又は酸化亜鉛、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、セッコウ、ポリテトラフルオロエチレン粉末である。さらに、充てん剤として繊維質成分、例えばガラス繊維及びプラスチック繊維が使用されることができる。これらの充てん剤のBET表面積は、好ましくは50m/g未満である。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、充てん剤(B)を、その都度ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、特に好ましくは30〜100質量部の量で含有する。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、さらに、オルガノポリシロキサンからなる顆粒を製造するための添加剤(C)を含有する。添加剤(C)は、EP 1 028 140 A1に記載されており、該明細書のこれに関する開示は、本明細書の一部であるはずであり、かつ前記添加剤は完全流動性の(voll rieselfaehiges)オルガノポリシロキサン顆粒を製造することを可能にする。本発明による添加剤は、ホウ酸及び、好ましくは脱イオンされたか又はより高い純度である、水並びに場合により脂肪酸塩を含有し、かつ好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.1〜4質量%及び極めて特に好ましくは0.1〜2質量%の量でオルガノポリシロキサン(A)に添加される。
好ましい一実施態様において、本発明による添加剤は、オルガノポリシロキサンを含有している添加剤組成物の形で使用される。この好ましい実施態様において、ホウ酸は、添加剤(C)の組成物中に、好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜14質量%、極めて特に好ましくは8〜9質量%の量で含まれている。オルガノポリシロキサンは、好ましくは線状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン、ビニルメチルポリシロキサン及びトリフルオロプロピルポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサンは、好ましくは10〜10mPas及び特に好ましくは10〜10mPasの25℃で測定された粘度を有する。オルガノポリシロキサンは、この好ましい実施態様の組成物中に、好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは40〜80質量%及び極めて特に好ましくは60〜70質量%の量で含まれている。
好ましくは、添加剤(C)の本発明による組成物中に脂肪酸塩がさらに含まれている。脂肪酸塩は、好ましくは、金属:Al、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Li、Mg、Mn、Ni、Pb、Sn、Sr、Znと高級脂肪酸、樹脂酸及びナフテン酸との塩、例えばステアレート、パルミテート、オレエート、リノレエート、レジネート、ラウレート、オクタノエート、リシノレエート、12−ヒドロキシステアレート、ナフテネート、タレート等々である。炭素原子12個を上回り炭素原子30個までを有する脂肪酸が好ましく、炭素原子16個を上回り炭素原子26個までを有する脂肪酸が特に好ましく、その際、ステアレートが特に好ましく、殊にステアリン酸カルシウムである。脂肪酸塩は、組成物中に、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.2〜6質量%、極めて特に好ましくは0.3〜4質量%の量で含まれている。
それぞれの用途に相応して、添加剤(D)、例えば加工助剤、例えば可塑剤、顔料及び安定剤、例えば熱安定剤が添加されることができる。
添加剤(D)として使用されることができる可塑剤の例は、25℃で最大5,000mm/sの粘度を有するトリメチルシロキシ基又はヒドロキシル基末端ジポリオルガノシロキサンであるか、又はジフェニルシランジオールである。ジポリオルガノシロキサンは、好ましくはジメチルシロキサン単位及び/又はビニルメチルシロキサン単位から構成されている。
添加剤(D)として使用されることができる熱安定剤の例は、遷移金属脂肪酸塩、例えば鉄オクトエート又はセリウムオクトエート、チタンブチラート、遷移金属シラノラート、例えば鉄シラノラート、セリウム(IV)化合物、カーボンブラック、又は金属酸化物もしくは金属酸化物水和物、例えば酸化鉄もしくは酸化チタン及びその混合物である。
さらにまた、本発明による材料は好ましくは別の物質を含有しない。
本発明による材料の製造に使用されるそれぞれの成分は、その都度、そのような成分の個々の種類、並びにそのような成分の少なくとも2つの異なる種類からなる混合物であってよい。
組成物の個々の成分を一つにまとめた後に、これらは、常用の粒状化手段、例えば穴あき板及び回転ナイフを用いて粒状化されて、完全流動性の顆粒が得られる。生じるオルガノポリシロキサン顆粒は、1〜100mm、好ましくは2〜50mmの粒度を有する。好ましくは、本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、好ましくは3〜10mm、特に好ましくは4〜8mmの直径及び好ましくは2〜10mm、特に好ましくは3〜8mmの高さを有する典型的な円柱形の顆粒構造を有する。
好ましくは、オルガノポリシロキサン顆粒は、粒状化プロセスに引き続いて粉付けされる(bepudert)。打ち粉(Bepuderungsmittel)は、好ましくは未処理又は表面処理された鉱物質粉末からなり、特に好ましくは、この場合に、タルクが使用される。
さらに、本発明の対象は、本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒の製造方法であり、前記方法は、混合装置中で、
(A)一般式I:
SiO(4−r/2) (I)
[式中、
Rは互いに独立して、置換又は非置換の炭化水素基を表し、かつ
rは0、1、2又は3を表すが、但し、rの平均値が1.9〜2.1の範囲内である]で示される単位からなる少なくとも1つのポリオルガノシロキサン、
(B)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤又は補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤の混合物1〜200質量部、
(C)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、顆粒を製造するための少なくとも1つの添加剤0.01〜20質量部及び
(D)場合により、加工助剤、可塑剤、顔料及び安定剤を含んでいる群から選択される別の助剤
を混合し、引き続いて粒状化手段を用いてオルガノポリシロキサン顆粒を成形することにより特徴付けられる。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒の製造の好ましい実施態様は、次に記載される。
ジメチルシロキサン単位70〜100%、特に好ましくは90〜100%及びアルケニルメチルシロキサン単位、特に好ましくはビニルメチルシロキサン単位0〜30%、特に好ましくは0〜10%からなり、25℃で好ましくは10〜10mPas、25℃で特に好ましくは10〜10mPasの粘度を有する、トリアルキルシロキシ基、特に好ましくはトリメチルシロキシ基により末端ブロックされた1つ又はそれ以上のジポリオルガノシロキサン100部は、好ましくは100〜250℃で、特に好ましくは120〜200℃で運転されるニーダー中で、添加剤(D)好ましくは0〜50部、特に好ましくは0.1〜30部と、及び1つ又はそれ以上の補強性又は非補強性充てん剤(B)又は双方の混合物好ましくは1〜200部、特に好ましくは30〜100部と混合され、好ましくは10分間ないし12時間、特に好ましくは30分間ないし6時間、混練される。
補強性充てん剤の場合に、好ましくは、少なくとも50m/g、特に好ましくは少なくとも100m/gのBET表面積を有する熱分解法ケイ酸又は沈降ケイ酸が使用される。非補強性充てん剤の場合に、好ましくは石英粉、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、金属酸化物粉末及び金属酸化物水和物粉末、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛もしくはこれらの水和物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、セッコウ、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ガラス繊維及びプラスチック繊維が使用される。
添加剤(D)として、好ましくは加工助剤、例えば可塑剤、顔料及び安定剤、例えば熱安定剤が添加される。特に好ましい一実施態様において、可塑剤として、25℃で最大5,000mm/sの粘度を有するトリメチルシリル基又はヒドロキシル基末端ポリジオルガノシロキサンが使用される。
引き続いて、EP 1 028 140 A1に記載された添加剤好ましくは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.1〜4質量%及び極めて特に好ましくは0.1〜2質量%が添加され、かつ好ましくは常用の粒状化手段、例えば穴あき板及び回転ナイフを用いて粒状化される。穴あき板の直径は、特に好ましくは3〜10mm、極めて特に好ましくは4〜8mmである。
好ましくは、オルガノポリシロキサン顆粒は、粒状化プロセスに引き続いて粉付けされる。打ち粉は、好ましくは未処理又は表面処理された鉱物質粉末からなり、特に好ましくは、この場合に、タルクが使用される。
好ましくは、オルガノポリシロキサン顆粒の製造はまた、ニーダーの代わりに連続的な加熱混合装置を用いて実施される。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、少なくとも6ヶ月間の貯蔵安定性、ひいては完璧な加工性を有する。
熱可塑性プラスチック中の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒の使用は、同様に本発明の対象である。熱可塑性プラスチックの例は、ポリオレフィン、例えば低密度及び高密度のポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE)、プロピレンのホモポリマー及び例えばエチレン、ブテン、ヘキセン及びオクテンとのコポリマー(PP)、ポリブチレン、例えばポリイソブチレン(PIB)、オレフィンコポリマー、例えばエチレン−メチルアクリレート−コポリマー(EMA)及びエチレン−酢酸ビニル−コポリマー(EVA);さらにポリ塩化ビニル(PVC)、酢酸ビニル−塩化ビニルのポリマー(PVCA)並びにポリスチレン(PS、HIPS、EPS)及びスチレンコポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、アクリルエステル−アクリロニトリル−スチレン(ASA)及びアクリロニトリル−スチレン(SAN)のポリマー;さらにエンジニアリングプラスチック、例えばポリアセタール(POM)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(例えばPA 6、PA 6.6、PA 12)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸メチル−スチレン(MABS)、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル(AMMA)、アクリル酸エステル−エチレン(EEA)、アクリル酸メチル−塩化ビニル(VC/MA)及びメタクリル酸メチル−塩化ビニル(VC/MMA)のポリマー、並びにポリフェニレンエーテル(PPE)及びブレンド、例えばPC/ABS、PC/ASA、PPE/PS、PPE/PA、PBT/PET、PBT/PC、PA/ABS、PA/PP;さらに高性能プラスチック、例えば液晶ポリエステル(LCP)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエステルイミド(PEI)、ポリエーテル−ブロック−アミド(PEBA)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);さらに熱可塑性ポリウレタン(PUR)及びスチレン及びオレフィンベース(TES、TEO)の熱可塑性エラストマー(TPE)である。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、熱可塑性プラスチック中へ当業者に公知の技術水準に従って混和される。混和は、高められた温度で熱可塑性プラスチック中への固体の添加剤成分を分配するための従来の方法により実施される。そのためには、例えば、オルガノポリシロキサン顆粒と熱可塑性プラスチック顆粒とのプレブレンドが、ドライブレンダー中で行われてよい。その後の混和に適している装置の例は、連続的な混和のための一軸スクリュー−及び二軸スクリュー押出機であるか、又は不連続な混和のためのニーダーである。混和のための温度及び他の条件は、それぞれの熱可塑性プラスチックに依存し、かつ当業者に公知であるかもしくは日常試験により算出されうるものであり;一般的に、混和温度は、熱可塑性プラスチックの軟化温度と分解温度の間である。適している加工装置での高められた温度での混和後に、得られたコンパウンドは、相応するプラスチック部材を製造するために、従来の技術を用いて、例えば射出成形、ブロー成形、圧縮成形又は真空深絞りによりさらに加工されることができる。
本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒は、添加剤として、熱可塑性プラスチックに対して、好ましくは0.05〜50質量%、特に好ましくは0.1〜30質量%の量で添加される。本発明によるオルガノポリシロキサン顆粒の添加により、加工の利点及びプラスチック部材の表面特性の改善が達成され;これには、例えば、トルクの低下、改善された処理量、低下された摩耗並びに加工の際のより低いエネルギー消費;さらにより容易な加工性、溶融粘度の低下、より良好な離型性、より少ない不合格品及び成形プロセスの際のより速いサイクル時間;さらにまたより低い摩擦係数、より良好なスリップ性、改善された耐摩耗性、より良好な防炎性と結びついた改善された燃焼挙動、並びにコンパウンド及び成形部材の場合の改善された耐引っかき性及び表面光沢が含まれる。
例1
オルガノポリシロキサン顆粒の製造
ジメチルシロキサン単位70〜100mol%及びビニルメチルシロキサン単位0〜30mol%からなり、25℃で10〜10mPasの粘度を有するトリメチルシロキシ基により末端ブロックされたジオルガノポリシロキサン100部に、120〜200℃で運転されるニーダー中で、ジメチルシロキサン単位及びビニルメチルシロキサン単位からなり、25℃で1,000〜5000mm/sの粘度を有するヒドロキシル基末端ジポリオルガノシロキサン10部並びに300m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素35部及び150m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素18部を添加し、2時間混練する。混合物に、引き続いてホウ酸0.13部及び完全脱塩水0.3部を混合し、150℃でさらに3時間混練し、その際、ホウ酸用の溶剤として利用された水を除去し、引き続いて完全流動性のオルガノポリシロキサン顆粒へ加工する。このための製造装置として、スプレーヘッドの上に取り付けられた回転ナイフを有する押出機が利用される。オルガノポリシロキサン顆粒を、粒状化プロセスに引き続いて、タルクで粉付けする。生じるオルガノポリシロキサン顆粒は、約3mmの直径及び2〜4mmの高さを有する均一な円柱形の顆粒構造を有する。
比較例1
例1を繰り返すが、但し、混合物にホウ酸0.13部及び完全脱塩水0.3部を添加する。得られたオルガノポリシロキサンは、粒状化可能ではなくて、むしろ単に穴あき板及びナイフを汚すだけである。
例2
オルガノポリシロキサン顆粒の製造
ジメチルシロキサン単位70〜100mol%及びビニルメチルシロキサン単位0〜30mol%からなり、25℃で10〜10mPasの粘度を有するトリメチルシロキシ基により末端ブロックされたジオルガノポリシロキサン100部に、120〜200℃で運転されるニーダー中で、ジメチルシロキサン単位及びビニルメチルシロキサン単位からなり、25℃で10〜1,000mm/sの粘度を有するヒドロキシル基末端ジポリオルガノシロキサン15部、ホウ酸0.13部及び完全脱塩水0.3部を、並びに引き続いて300m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素30部及び150m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素30部を添加し、150℃で3時間混練し、その際、ホウ酸用の溶剤として利用された水を除去する。混合物を、引き続いて完全流動性のオルガノポリシロキサン顆粒へ加工する。このための製造装置として、スプレーヘッドの上に取り付けられた回転ナイフを有する押出機が利用される。オルガノポリシロキサン顆粒を、粒状化プロセスに引き続いて、タルクで粉付けする。生じるオルガノポリシロキサン顆粒は、約5mmの直径及び4〜7mmの高さを有する均一な円柱形の顆粒構造を有する。
比較例2
例2を繰り返すが、但し、混合物に、ホウ酸0.13部及び完全脱塩水0.3部を添加する。得られたオルガノポリシロキサンは、粒状化可能ではなくて、むしろ単に穴あき板及びナイフを汚すだけである。
例3
オルガノポリシロキサン顆粒の製造
ジメチルシロキサン単位70〜100mol%及びビニルメチルシロキサン単位0〜30mol%からなり、25℃で10〜10mPasの粘度を有するトリメチルシロキシ基により末端ブロックされたジオルガノポリシロキサン100部に、120〜200℃で運転されるニーダー中で、ジメチルシロキサン単位及びビニルメチルシロキサン単位からなり、25℃で10〜1,000mm/sの粘度を有するヒドロキシル基末端ジポリオルガノシロキサン14部並びに300m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素10部及び200m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素41部を添加し、2時間混練する。25℃で6×10〜8×10mPasの粘度を有するジメチルポリシロキサン100部を、ホウ酸13部、150m/gの表面積を有する熱分解法により気相中で製造された二酸化ケイ素46部並びにステアリン酸カルシウム5部及び完全脱塩水30部とニーダー中で混合し、150℃で3時間窒素雰囲気下に混練し、その際、ホウ酸用の溶剤として利用された水を除去することによって製造された添加剤1.5%を、混合物に添加し、引き続いて完全流動性のオルガノポリシロキサン顆粒へ加工する。このための製造装置として、スプレーヘッドの上に取り付けられた回転ナイフを有する押出機が利用される。オルガノポリシロキサン顆粒を、粒状化プロセスに引き続いて、タルクで粉付けする。生じるオルガノポリシロキサン顆粒は、約6mmの直径及び4〜7mmの高さを有する均一な円柱形の顆粒構造を有する。
比較例3
例3を繰り返すが、但し、ジメチルポリシロキサン、ホウ酸、二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム及び完全脱塩水から製造された添加剤を添加する。得られたオルガノポリシロキサンは、粒状化可能ではなくて、むしろ単に穴あき板及びナイフを汚すだけである。
例4
熱可塑性プラスチック及びオルガノポリシロキサン顆粒からなるコンパウンドの製造
例4における試験のために、例3からのオルガノポリシロキサン顆粒を使用する。製造されるコンパウンドの組成は、第1表に記載されている。
次の熱可塑性プラスチックが使用される:
低密度ポリエチレン(LDPE):Lupolen 2420 H (Basell社)
高密度ポリエチレン(HDPE):Lupolen 5031 L (Basell社)
ポリプロピレン(PP):Moplen HP 456 H (Basell社)。
コンパウンドの製造のために、プラスチック顆粒及びオルガノポリシロキサン顆粒をまず最初に第1表による量割合で混合し、引き続いて同方向回転型(gleichlaufenden)二軸スクリュー押出機(ZE 25、Berstorff社)で押し出す。そのためのプロセスパラメーターは次に記載されている:
・処理量:5kg/時
・スクリュー回転数:400rpm
・L/D−比:33D
・LDPE及びHDPE用の温度プロフィール:110℃〜200℃、6個の加熱帯域。
・PP用の温度プロフィール:220℃〜240℃、6個の加熱帯域。
Figure 0004636821
例5
熱可塑性プラスチックとオルガノポリシロキサン顆粒とからなるコンパウンドのトルクの測定(オルガノポリシロキサン顆粒添加によるトルク低下)
トルクの測定は、一軸スクリュー押出機(Goettfert社)で実施する。プロセスパラメーターは、次に記載されている:
・充てん度:100%;処理量:可変。
・スクリュー回転数:30rpm
・L/D−比:30D
・温度プロフィール 160℃〜200℃;4個の加熱帯域
・運転時間:コンパウンドもしくは熱可塑性プラスチックあたり30分間
結果は第2表に記載されている。この場合に、コンパウンドのトルクは、オルガノポリシロキサン顆粒添加なしでのそれぞれの熱可塑性プラスチックのトルク(100%)に対してであり、かつ%で(100%に対して)記載される。
Figure 0004636821
例6
EN ISO 1133による熱可塑性プラスチック及びオルガノポリシロキサン顆粒からなるコンパウンドのメルトマスフローレイトの測定
メルトマスフローレイトの測定は、メルトインデックス−試験装置(Goettfert社)で、EN ISO 1133に従って実施する。測定のためには、その都度、コンパウンドもしくは熱可塑性プラスチック6gを使用する。結果は第3表に記載されている。プロセスパラメーターは以下に記載されている:
・シリンダ温度:190℃
・加熱時間:4分間
・公称荷重:21.6kg
Figure 0004636821
例7
DIN 53 754に従った摩耗輪法による、熱可塑性プラスチックとオルガノポリシロキサン顆粒とからなるコンパウンドの摩耗の測定
DIN 53 754に従った耐摩耗性の測定は、摩耗輪装置TABER ABRASER Modell 5131(Erichsen社)で実施する。結果は第4表に記載されている。試験片の製造のために、コンパウンドNo.3〜8から並びにLDPE、HDPE及びPPから、2mmの厚さを有するプレス板を製造する。これらのプレス板から、90mmの直径及び7mmの穴内径を有する円形の試験片を打ち抜く。試験パラメーターは、以下に列挙されている:
・回転数:200・負荷 摩耗輪あたり5.4±0.2N(2つの摩耗輪)
・摩耗輪:H-18 CALIBRADE-摩耗輪
Figure 0004636821

Claims (6)

  1. (A)一般式I:
    rSiO(4-r/2) (I)
    [式中、
    Rは互いに独立して、置換又は非置換の炭化水素基を表し、かつ
    rは0、1、2又は3を表すが、但し、rの平均値が1.9〜2.1の範囲内である]で示される単位からなる少なくとも1つのポリオルガノシロキサン、ただし、ポリオルガノシロキサン(A)は、ジオルガノシロキサン単位[その際、場合により1つ又はそれ以上のアルキル基は、ヒドロキシ基又はアルコキシ基により置換されていてよい]を有しており、前記シロキサンは、トリアルキルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、ジメチルヒドロキシルシロキシ基及びジメチルビニルシロキシ基を含んでいる群から選択される末端基を有しており、かつ架橋されていない、
    (B)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤又は補強性充てん剤もしくは非補強性充てん剤の混合物1〜200質量部、
    (C)ポリオルガノシロキサン(A)100質量部に対して、顆粒を製造するための添加剤としての、ホウ酸、水及び場合により脂肪酸塩を含有している少なくとも1つの組成物0.01〜20質量部及び
    (D)場合により、加工助剤、可塑剤、顔料及び安定剤を含んでいる群から選択される別の助剤
    を含有している、熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒において、
    オルガノポリシロキサン顆粒が1〜100mmの粒度を有することを特徴とする、熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
  2. ポリオルガノシロキサン(A)が液体又は高粘性物質である、請求項記載の熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
  3. 可塑剤として、25℃で最大5,000mm2/sの粘度を有するトリメチルシロキシ基又はヒドロキシル基末端ジポリオルガノシロキサン、又はジフェニルシランジオールを使用する、請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
  4. オルガノポリシロキサン顆粒が、3〜10mmの直径及び2〜10mmの高さを有する円柱形の顆粒構造を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
  5. オルガノポリシロキサン顆粒が穴あき板及び回転ナイフを用いて得られる、請求項1からまでのいずれか1項記載の熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
  6. オルガノポリシロキサン顆粒を、粒状化プロセスに引き続いて粉付けする、請求項1からまでのいずれか1項記載の熱可塑性樹脂用の添加剤としてのオルガノポリシロキサン顆粒。
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