JP4635447B2 - 半導体微粒子ペースト - Google Patents

半導体微粒子ペースト Download PDF

Info

Publication number
JP4635447B2
JP4635447B2 JP2004029158A JP2004029158A JP4635447B2 JP 4635447 B2 JP4635447 B2 JP 4635447B2 JP 2004029158 A JP2004029158 A JP 2004029158A JP 2004029158 A JP2004029158 A JP 2004029158A JP 4635447 B2 JP4635447 B2 JP 4635447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor
fine particle
titanium dioxide
dye
particle paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004029158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005222799A (ja
Inventor
直嗣 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2004029158A priority Critical patent/JP4635447B2/ja
Publication of JP2005222799A publication Critical patent/JP2005222799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4635447B2 publication Critical patent/JP4635447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

本発明は、半導体微粒子ペーストに関するものであり、より詳細には、色素増感型太陽電池の負極中の多孔質半導体層の形成に適した半導体微粒子ペーストに関する。
現在、地球規模の環境問題や化石エネルギー資源枯渇問題などの観点から太陽光発電に対する期待が大きく、単結晶及び多結晶シリコン光電変換素子が太陽電池として実用化されている。しかし、この種の太陽電池は、高価格であること、シリコン原料の供給問題などを有しており、シリコン以外の材料を用いた太陽電池の実用化が望まれている。
上記のような見地から、最近では、シリコン以外の材料を用いた太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目されている。この色素増感型太陽電池は、図1に示すように、透明ガラスや透明樹脂フィルムなどの透明基板1a上に透明導電膜1b(例えばITO膜)を電極基板1として使用し、この電極基板1の透明導電膜1b上に二酸化チタンなどの金属酸化物半導体の多孔質層3を設け、この多孔質層3の表面に増感色素(例えばRu色素)5を吸着させたものを負極7として有しており、このような負極7を、電解質液8を間に挟んで正極10に対峙させた構造を有している。
このような構造の色素増感型太陽電池では、負極7側から可視光を照射すると、色素5が励起され、基底状態から励起状態へと遷移し、励起された色素5の電子は、半導体の多孔質層3の伝導帯へ注入され、外部回路12を通って正極10に移動する。正極10に移動した電子は、電解液中のイオンによって運ばれ、色素5に戻る。このような過程の繰り返しにより電気エネルギーが取り出されるわけである。このような色素増感型太陽電池の発電メカニズムは、pn接合型光電変換素子と異なり、光の捕捉と電子伝導が別々の場所で行われ、植物の光電変換プロセスに非常に似たものとなっている。
ところで、上記のような色素増感型太陽電池の負極7は、透明基板1aの透明導電膜1b上に、例えば酸化チタンなどの半導体粒子のペーストを塗布し、焼成して酸化チタンからなる半導体の多孔質層3を形成し、この上に色素溶液を塗布し、色素を多孔質層3に吸着させた後、色素溶液の溶媒を除去することにより製造されている(特許文献1参照)。
また、酸化チタン半導体の多孔質層をゾル−ゲル法により形成する方法も知られている(特許文献2,3)。
特開2002−298646号 特許第2664194号 特公平8−15097号
しかしながら、上記のような方法で負極を製造する場合には、半導体多孔質層を形成するための焼成を高温で行わなければならないという問題があった。例えば、特許文献1では、水を溶媒として用いて半導体ペーストを調製しているため、可及的に低温で焼成を行ったとしても焼成温度は100℃以上でなければならない。また、特許文献2,3のゾル−ゲル法では、チタンアルコキシドを加水分解して焼成を行うため、やはり水を除去するため、少なくとも焼成温度は100℃以上で無ければならない。実際、特許文献1〜3の何れにおいても、その実施例では焼成が450℃〜約500℃で行われている。従って、このような高温で焼成を行うため、透明電極層を支持する透明基板として樹脂を用いた場合には、焼成時に変形等の不都合を生じ易いという問題があり、樹脂製基板の実用化が妨げられていた。
従って、本発明の目的は、色素増感型の負極における半導体多孔質層形成材料として使用され、100℃未満の低温での焼成で多孔質層を形成することが可能な半導体微粒子ペーストを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の半導体微粒子ペーストを用いて透明電極基板上に半導体多孔質層を形成する方法を提供することにある。
本発明によれば、二酸化チタン微粒子とテトライソプロポキシチタンと有機溶媒とからなり、該テトライソプロポキシチタンを二酸化チタン微粒子100重量部当り10乃至40重量部の量で含有し、且つ固形分濃度が25乃至50重量%の範囲にあると共に、前記有機溶媒としてブタノールが使用されていることを特徴とする半導体微粒子ペーストが提供される。
本発明によれば、また、上記の半導体微粒子ペーストを、透明電極基板の表面に塗布し、100℃未満の温度で焼成することにより透明電極基板の表面に半導体多孔質層を形成する方法が提供される。
本発明においては、
(1)二酸化チタン微粒子が5〜500nmの範囲にあること、
が好ましい。
本発明の半導体微粒子ペーストは、水を全く含有していない非水系で調製されるため、多孔質化のための焼成を100℃未満の低温領域で行うことが可能となる。また、半導体微粒子ペースト中のテトライソプロポキシチタンは、分散剤的な機能を有し、二酸化チタン微粒子を有機溶媒中に均一に分散させる。この場合、このテトライソプロポキシチタンは、焼成時に容易に酸化されて酸化チタンを形成するため、かかる成分を分解除去するために焼成を高温で行う必要はなく、100℃未満での焼成を妨げない。
このように、本発明の半導体微粒子ペーストを用いれば、100℃未満の低温での焼成により半導体多孔質層を形成することができるため、透明電極層を支持する透明基板として樹脂を有効に使用することが可能となる。
本発明の半導体微粒子ペーストは、二酸化チタンを半導体として使用するものであり、この二酸化チタン微粒子を有機溶媒に分散させたものである。二酸化チタン微粒子は、表面積が大きく、多孔質の層を形成させるという点で、その粒径が5〜500nm、特に5〜350nmの範囲にあるのがよい。
また、二酸化チタン微粒子を分散させる有機溶媒としては、ブタノール、例えば、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールなどが単独または2種以上の組み合わせで使用される。これらは易揮発性であり、低温で容易に揮発して除去できるばかりか、二酸化チタン微粒子に対する分散性が優れているからである。
さらに、上記の半導体微粒子ペースト中には、二酸化チタン微粒子100重量部当り、10乃至40重量部、特に10乃至30重量部の量でテトライソプロポキシチタンTi(OPr(Pr:イソプロポキシ基)を含有する。先に述べたとおり、テトライソプロポキシチタンは、所謂分散剤としての機能を有しており、有機溶媒(特に前記低級アルコール)中に金属酸化物半導体粒子を均一且つ安定に分散させることができ、更に、半導体粒子同士を連結させるように硬化し、均一な半導体多孔質層を形成するのに有利となる。しかも、テトライソプロポキシチタンは、後述する多孔質化のための焼成によって容易に対応する酸化チタンを形成するため、焼成時にかかる成分を除去する必要はなく、従って焼成温度の高温化をもたらすものではない。
また、テトライソプロポキシチタンが上記範囲よりも多量に使用されると、分散効果は上昇せず、かえって太陽電池としたときの変換効率を低下する等の不都合を生じ易く、また、上記範囲よりも少量とすると、所望の分散効果を得ることができず、均質な二酸化チタン多孔質層(以下、チタニア多孔質層と呼ぶ)を形成することが困難となってしまう。
さらに、上述した半導体微粒子ペーストの固形分濃度は、20乃至50重量%、特に25乃至30重量%の範囲にあるべきである。溶媒量が多すぎると、ペーストが低粘性となり、垂れ等により安定な厚みのコーティング層を形成することが困難となり、また、溶媒量が少ないと、ペーストが高粘性となり作業性が低下してしまう。
尚、上述した本発明の半導体微粒子ペーストは、1〜3モル程度のテトライソプロポキシチタンを含有する有機溶媒溶液を調製し、この有機溶媒溶液を二酸化チタン微粒子とともに前述した有機溶媒(即ち、ブタノール)に分散させることにより調製される。
上述した本発明の半導体微粒ペーストは、非水系で調製され、水を実質上含有しておらず、しかも除去すべき格別の分散剤を含有していないため、多孔質化のための焼成を低温、特に100℃未満で行うことができ、特に樹脂フィルムなどを用いた透明電極基板を有する色素増感型電池の負極の製造に好適に使用される。
以下、本発明の半導体微粒子ペーストを用いての色素増感型太陽電池における負極の製造プロセスを、図1を参照して説明する。
先ず、図1で示されている透明電極基板1を用意する。この透明電極基板1は、透明基板1a上に透明導電膜1bを設けたものであり、透明基板1aとしては、透明なガラス板や透明樹脂フィルムが使用される。透明樹脂フィルムとしては、透明である限り任意のものが使用されるが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、或いはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム乃至ブロック共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキサイド;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;酸化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉;及びこれらの混合物からなる樹脂;などからなるフィルムを用いることができる。一般的には、強度や耐熱性等の見地から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に使用される。また、透明基板1aの厚みや大きさは、特に制限されず、最終的に使用される色素増感型太陽電池の用途に応じて適宜決定される。
透明導電膜1bとしては、酸化インジウム−酸化錫合金からなる膜(ITO膜)や酸化錫にフッ素をドープした膜(FTO膜)が代表的であるが、電気抵抗が低いことから、特にITO膜が好適である。これらは蒸着により上記の透明基板1a上に形成され、その厚みは、通常、0.5乃至0.7μm程度である。
次いで、透明基板1の透明導電膜1b上に、前述した本発明の半導体粒子ペーストを塗布する。このペースト層は、焼成により図1における半導体多孔質層(チタニア多孔質層)3を形成するものである。
半導体微粒子ペーストのコーティングは、ドクターブレード法、スピンコート法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の周知の方法で行うことができ、その厚みは、焼成後の厚みが5乃至20μm程度、半導体重量としては、0.001乃至0.005g/cm程度となるようにするのがよい。
上記のようにして本発明の半導体微粒子ペーストを透明基板1の透明導電膜1b上にコーティングした後に、焼成を行う。この焼成は、既に述べたように、100℃未満、特に70乃至95℃の温度で行うことができ、これにより、チタニア多孔質層3が形成される。即ち、このような低温領域で焼成を行うことができるため、前述した透明ガラスは、勿論のこと、透明な樹脂フィルムを透明基板1aとして用いた場合にも、焼成時の変形を防止することができ、樹脂フィルムも基板材料として好適に使用することが可能となる。また、この焼成は、ペースト中の金属酸化物粒子が適度に焼結する程度でよく、例えばアルキメデス法による相対密度が50乃至90%に達する程度に緻密化されていればよく、通常、大気中で5乃至30分程度行えばよい。
上記のようにして形成されたチタニア多孔質層3に色素溶液を接触させることにより、増感色素5を吸着させる。色素溶液の接触は、通常は、ディッピングにより行われ、吸着処理時間(浸漬時間)は、通常、30分〜24時間程度であり、吸着後、乾燥して色素溶液の溶媒を除去することにより、表面に増感色素5が形成された半導体多孔質層3を有する負極7を得ることができる。
用いる増感色素は、カルボキシレート基、シアノ基、ホスフェート基、オキシム基、ジオキシム基、ヒドロキシキノリン基、サリチレート基、α−ケト−エノール基などの結合基を有するそれ自体公知のものが使用され、前述した特許文献1〜3等に記載されているもの、例えばルテニウム錯体、オスミウム錯体、鉄錯体などを何ら制限なく使用することができる。特に幅広い吸収帯を有するなどの点で、ルテニウム−トリス(2,2’−ビスピリジル−4,4’−ジカルボキシラート)、ルテニウム−シス−ジアクア−ビス(2,2’−ビスピリジル−4,4’−ジカルボキシラート)などのルテニウム系錯体が好適である。このような増感色素の色素溶液は、溶媒としてエタノールやブタノールなどのアルコール系有機溶媒を用いて調製され、その色素濃度は、通常、3×10−4乃至5×10−4mol/l程度である。
また、上記の製造プロセスでは、本発明の半導体微粒子ペーストをコーティングし、焼成を行った後に色素の吸着を行っているが、本発明の半導体微粒子ペーストを用いると、100℃未満の低温領域で焼成を行うことができるため、焼成を色素の吸着処理を行った後に行うこともできる。即ち、半導体微粒子ペーストを塗布し、乾燥を行った後に、ディッピング等により色素溶液を接触させて増感色素を吸着させ、この後に、焼成を行うことも可能である。この場合の乾燥は、大気中に放置するのみでの自然乾燥でよいが、必要により、100℃未満の温度に加熱してもよい。
上記のように、色素の吸着を焼成に先立って行う場合には、ペースト中の半導体微粒子(二酸化チタン微粒子)が焼結しておらず、ばらばらの状態で存在しているため、吸着処理を短時間で行うことができるという大きな利点がある。即ち、色素溶液が迅速に半導体微粒子中に浸透し、増感色素の吸着が速やかに行われ、例えば、10〜15分程度の短時間で吸着処理を行うことができ、焼成後に吸着処理を行う場合の1/2以下の時間で吸着処理を完了することが可能となり、生産性、量産性の点で極めて優れている。
上記のようにして得られた負極7は、図1に示すように、電解質液8を間に挟んで対極である正極10に対峙させることにより、色素増感型太陽電池として使用に供される。
尚、電解質液8としては、通常、リチウムイオン等の陽イオンや塩素イオン等の陰イオンを含む種々の電解質溶液を使用することができる。また、この電解質溶液中には、酸化型構造及び還元型構造を可逆的にとり得るような酸化還元対を存在させることが好ましく、このような酸化還元対としては、例えばヨウ素−ヨウ素化合物、臭素−臭素化合物、キノン−ヒドロキノンなどを挙げることができる。また、この電解質液8は、一般に、電気絶縁性の樹脂等により封止され、電極間から漏洩しないように構成されている。
また、正極10は、透明、不透明に関係なく、種々の電極基板を用いることができ、例えばガラス基板や透明樹脂フィルムなどの透明基板表面に白金層やITO等の透明電極層を蒸着させたもの、或いは透明基板表面にITO等の透明電極層を蒸着させ、さらにその上に白金層を蒸着させたものなど、任意の構造を採ることができる。
チタンイソプロポキシドを2mol/Lになるように、有機溶剤ブタノールで希釈したチタンアルコキシド溶液を調製し、この溶液と二酸化チタン粒子(構成粒子径は、15〜350nmの汎用チタニア粒子)とを混合し、二酸化チタン微粒子100重量部当り20重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が30重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、ポリエチレンテレフタレートフィルムに導電膜としてITO膜を設けた導電性フィルム(トービ社製、製品名「OTEC」)に、上記で調製した二酸化チタンのペーストを塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約5μmで、半導体重量は約0.002g/cmであった。
その後、純度99.5%のエタノールに分散させたルテニウム錯体色素[Ru(dcbpy)2(NCS)2]・2H2Oからなる色素溶液を、ITO膜上に形成された半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、LiI/I2 (0.5mol/0.05mol)をメトキシプロピオニトリルに溶かしたものに4-tert-butyl pyridine(ターシャリーブチルピリジン)を添加して作製した電解質を、白金を蒸着したITO/PETフィルムで構成される正極と上記負極とで挟み込んで、色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、約3%であり、太陽電池として機能することが確認された。
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り10重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が45重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約5μmで、半導体重量は約0.003g/cmであった。
その後、実施例1と同様に、色素溶液を、ITO膜上の半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、実施例1と同様にして、該負極と正極との間に電解質を挟み込んだ色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、約2%であり、太陽電池として機能することが確認された。
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り40重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が30重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約5μmで、半導体重量は約0.002g/cmであった。
その後、実施例1と同様に、色素溶液を、ITO膜上の半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、実施例1と同様にして、該負極と正極との間に電解質を挟み込んだ色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、約2%であり、太陽電池として機能することが確認された。
(比較例1)
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り20重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が55重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約5μmで、半導体重量は約0.002g/cmであった。
その後、実施例1と同様に、色素溶液を、ITO膜上の半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、実施例1と同様にして、該負極と正極との間に電解質を挟み込んだ色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、殆ど機能しておらず、機能しない原因は、負極の二酸化チタンの分散が不十分であったためである。
(比較例2)
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り5重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が25重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約5μmで、半導体重量は約0.002g/cmであった。
その後、実施例1と同様に、色素溶液を、ITO膜上の半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、実施例1と同様にして、該負極と正極との間に電解質を挟み込んだ色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、殆ど機能しておらず、機能しない原因は、比較例1と同様、負極の二酸化チタンの分散が不十分であったためである。
(比較例3)
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り40重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が20重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。乾燥後の半導体ペースト(半導体コーティング層)の厚みは約3μmで、半導体重量は約0.01g/cmであった。
その後、実施例1と同様に、色素溶液を、ITO膜上の半導体コーティング層(チタニア膜)上に滴下・吸着し(吸着時間10分)、大気雰囲気の電気オーブンで70℃×10分の条件で焼成を行って、負極を得た。
以上のようにして得られた負極を用い、実施例1と同様にして、該負極と正極との間に電解質を挟み込んだ色素増感型太陽電池を作成した。この電池の変換効率を測定したところ、殆ど機能しておらず、機能しない原因は、負極の二酸化チタン多孔質層を3μm以上の厚みに厚膜化できなかったためである。
(比較例4)
実施例1で調製されたチタンアルコキシド溶液を使用し、実施例1と同様にして、二酸化チタン微粒子100重量部当り50重量部の量でチタンイソプロポキシドを含有し、且つ固形分濃度が30重量%の二酸化チタン微粒子ペーストを調製した。
そして、上記で調製された二酸化チタン微粒子ペーストを用いて、実施例1と同様の導電性フィルムに塗布し、その後、室温での大気放置にて、5分間乾燥を行った。その結果、半導体ペーストのコーティング層に多数の亀裂が入り、焼成による多孔質層の形成ができなくなった。
色素増感型太陽電池の概略構造を示す図。
符号の説明
1:透明電極基板
1a:透明基板
1b:透明導電層
3:半導体多孔質層(チタニア多孔質層)
5:増感色素
7:負極
8:電解質液
10:正極

Claims (3)

  1. 二酸化チタン微粒子とテトライソプロポキシチタンと有機溶媒とからなり、該テトライソプロポキシチタンを二酸化チタン微粒子100重量部当り10乃至40重量部の量で含有し、且つ固形分濃度が25乃至50重量%の範囲にあると共に、前記有機溶媒としてブタノールが使用されていることを特徴とする半導体微粒子ペースト。
  2. 二酸化チタン微粒子が5〜500nmの範囲にある請求項1に記載の半導体微粒子ペースト。
  3. 請求項1に記載の半導体微粒子ペーストを、透明電極基板の表面に塗布し、100℃未満の温度で焼成することにより透明電極基板の表面に半導体多孔質層を形成する方法
JP2004029158A 2004-02-05 2004-02-05 半導体微粒子ペースト Expired - Fee Related JP4635447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004029158A JP4635447B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 半導体微粒子ペースト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004029158A JP4635447B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 半導体微粒子ペースト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005222799A JP2005222799A (ja) 2005-08-18
JP4635447B2 true JP4635447B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=34998269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004029158A Expired - Fee Related JP4635447B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 半導体微粒子ペースト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4635447B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4807020B2 (ja) * 2005-09-21 2011-11-02 東洋製罐株式会社 半導体微粒子分散用バインダー組成物の製造方法
JP2007242544A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Sony Corp 光電変換装置及びその製造方法、並びに金属酸化物多孔質層の表面処理液

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002075477A (ja) * 2000-08-31 2002-03-15 Tdk Corp 光電変換膜、光電変換用電極、および光電変換素子
WO2002036689A1 (fr) * 2000-11-02 2002-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition a base de pigment d'aluminium
JP2002280327A (ja) * 2001-03-21 2002-09-27 Lintec Corp 半導体電極の製造方法及び光化学電池
JP2003281947A (ja) * 2002-03-25 2003-10-03 Tayca Corp 導電性酸化チタンポーラス厚膜の低温合成
JP2005085500A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Tsukasa Yoshida 色素増感型太陽電池の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002075477A (ja) * 2000-08-31 2002-03-15 Tdk Corp 光電変換膜、光電変換用電極、および光電変換素子
WO2002036689A1 (fr) * 2000-11-02 2002-05-10 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition a base de pigment d'aluminium
JP2002280327A (ja) * 2001-03-21 2002-09-27 Lintec Corp 半導体電極の製造方法及び光化学電池
JP2003281947A (ja) * 2002-03-25 2003-10-03 Tayca Corp 導電性酸化チタンポーラス厚膜の低温合成
JP2005085500A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Tsukasa Yoshida 色素増感型太陽電池の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005222799A (ja) 2005-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW516242B (en) Photoelectric conversion element
CN101521114B (zh) 染料敏化太阳能电池叠层光阳极膜的制备方法
US8455295B2 (en) Low temperature sintering of dye-sensitised solar cells
US20100229949A1 (en) Dye-sensitized solar cell
KR101470680B1 (ko) 색소 증감형 태양 전지와 그 전극 기판, 전극 기판 제조 방법, 및 반도체 다공질층 형성용 페이스트
JP4807020B2 (ja) 半導体微粒子分散用バインダー組成物の製造方法
JP5266524B2 (ja) 色素増感型太陽電池用電極基板及び色素増感型太陽電池
JP5122121B2 (ja) 半導体電極および色素増感型太陽電池
JP2005251591A (ja) 色素増感型太陽電池における負極の製造方法
JP2004164950A (ja) 電極基板、光電変換素子、並びに色素増感太陽電池
JP2008053140A (ja) 半導体微粒子ペースト
Kiran et al. Preparation and thickness optimization of TiO2/Nb2O5 photoanode for dye sensitized solar cells
JP5332358B2 (ja) 逆電子防止層形成用コーティング液
JP5661965B1 (ja) 有機系太陽電池用材料及びそれを用いた有機系太陽電池、並びに、その材料の製造方法
JP4595337B2 (ja) 色素増感型太陽電池における負極の製造法
JP2007242544A (ja) 光電変換装置及びその製造方法、並びに金属酸化物多孔質層の表面処理液
JP5109308B2 (ja) 色素増感型太陽電池
JP4635447B2 (ja) 半導体微粒子ペースト
JP4608897B2 (ja) 色素増感型太陽電池における負極の製造方法
JP4904698B2 (ja) 色素増感型太陽電池における負極の製造方法
JP2010020938A (ja) 色素増感太陽電池
JP5396757B2 (ja) 電子還元層形成用コーティング組成物及び電子還元層を形成する方法
JP2009129574A (ja) 色素増感型太陽電池
JP5286496B2 (ja) 半導体多孔質層形成用ペースト
US20130160843A1 (en) Ultra-low temperature sintering of dye-sensitesed solar cells

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees