JP4634886B2 - 高機能性健康食品の苦味低減化方法、及び低苦味組成物 - Google Patents

高機能性健康食品の苦味低減化方法、及び低苦味組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物等を含む高機能性健康食品の苦味含有物質を苦味低減化剤で被覆することで、苦味を低減する高機能性健康食品の苦味低減化方法、及び低苦味組成物に関する。
ウコンは、クルクミンや精油等の薬理成分を含んでいるため、古くから漢方薬の一種として、肝臓炎、腎臓炎、胆道炎、胆石症、及び胃炎等に対する治療薬として、あるいは強壮薬等として用いられている。
また、食品としても春ウコンや秋ウコンなどを乾燥させて粉砕した粉末や、打錠製品などが提供されている。
さらに、ウコン成分の濃度をより高めた製品を提供すべく、ウコン成分を湯で煮出して飲料にしたり、各種の効能を効果的に発揮可能なウコン成分の抽出方法(特許文献1参照)などが講じられている。
しかし、これらのウコンを用いた加工食品の薬理成分は苦味を有しており、経口摂取に際して苦痛を伴うものであった。このため、その苦味の低減は、製剤上の大きな課題となっていた。
現在行われているウコンの苦味低減化方法としては、例えば、有機溶媒にて苦味成分を除去する方法(特許文献2参照)や、イーストで発酵させることで苦味を除去する方法(特許文献3参照)などを挙げることができる。しかし、いずれの方法でも苦味を充分に抑制することが難しく、また苦味成分の除去や、発酵による苦味成分の分解によっては、期待される薬理効果は、十分に発揮できないと推定される。また、これらの方法では、食品に望ましくない有機溶媒を使用するという問題があることに加え、煩雑な発酵技術の必要性、製造工程の増加といった問題があり、相当の製造費用や時間が必要になってしまうのが現状である。
一方、近年、担糸菌類に対する健康効果に関心が高まってきている。特に、これらの抽出物には抗腫瘍活性、血圧効果物質やコレステロール低下作用などが認められ、機能性食品としても脚光を浴びている。
しかし、これらの担糸菌類を用いた機能性食品も、ウコンと同様に苦味を有しており、経口摂取に際して苦痛を伴うものであった。このため、その苦味の低減は、製剤上の大きな課題となっていた。
現在行われている担糸菌類の苦味低減化方法としては、多価アルコールや甘味剤を添加する方法(特許文献4参照)などが知られている。しかしながら、これらの方法では苦味を充分に抑えられなかったり、食品の味を変化させてしまうなどの多くの問題がある。
さらに、ウコンや担子菌抽出物以外にも、強い苦味物質が含まれる食品は多く、これらの苦味や渋味の低減は、食品加工の基盤技術上、大きな課題である。苦味や渋味を低減する方法としては、主として3つの方法が考案されている。
第一の方法は、苦味や渋味を低減可能な物質を添加する方法である。例えば、甘味剤及び香料剤を添加する方法(特許文献5,特許文献6参照)、分枝オリゴ糖を添加する方法(特許文献7参照)、有機酸を添加する方法(特許文献8,特許文献9参照)、大豆ホエー成分を添加する方法(特許文献10参照)、多孔質炭酸カルシウムを添加する方法(特許文献11参照)、シクロデキストリンを添加する方法(特許文献12参照)、塩基性アミノ酸を添加する方法(特許文献13参照)、吸着体を用いる方法(特許文献14参照)、界面活性剤を添加する方法(特許文献15参照)、包摂化合物を添加する方法(特許文献16参照)、レシチン(ホスファチジルコリン)やケファリンの単独又は混合物を添加する方法(特許文献17参照)、レシチン(ホスファチジルコリン)を添加する方法(特許文献18参照)、酸性リン脂質又はそのリゾ体を添加する方法(特許文献19,特許文献20参照)、リン脂質と水溶性糖類の混合物を添加する方法(特許文献21参照)などが提案されている。
一般に、苦味を有する物質は疎水基を有し、該疎水基の作用によって、舌の味細胞の味受容膜上に存在する脂質−脂質間及び脂質−蛋白質間へ吸着する傾向がある。そのため、苦味物質を摂取した場合、人はこの吸着作用を介して苦味を感じる。そして、強い苦味を呈する物質ほど脂質、特に可食物としてはリン脂質との親和性が強いことが確かめられている。また、リン脂質の種類によっては、味細胞の苦味受容膜へ直接吸着することにより苦味受容阻害を引き起こすことも確かめられている。
このような特性を利用して、上記のように、近年、酸性リン脂質やそのリゾ体を、苦味物質へ添加、あるいは苦味物質を混在させて、その苦味を低減しようとする方法等が提案されている(特許文献19,特許文献20参照)。しかし、酸性リン脂質やそのリゾ体は、天然リン脂質中での含量は低く、天然リン脂質から酵素処理など何らかの手法を使って合成するか、あるいは天然リン脂質から溶媒分画などにより高濃度化・精製化して調製しなければならず、簡便に利用できる素材とは言い難い。
また、これらの発明では、上記リン脂質を、苦味を有する食品に対して、添加、あるいは混在させる、又は両者の吸着作用を利用して被覆すれば、苦味を低減できるとされている。しかしながら、上記のような苦味低減の原理から考えれば、苦味物質の量が多ければ、添加する低減剤の量も多くなる、あるいは苦味の低減が効率的に行われない可能性もあり、結果的に食品そのものの呈味を変質してしまう可能性もある。また、このような添加物を用いる手法では、添加物を調製する工程に加え、これらを対象食品に添加、混合あるいは被覆するために、浸漬やスプレー、ミキシング、パン・コーティングといったもう一段階の製造工程が発生する。
第二の方法は、何らかの手法で、苦味や渋味を含む成分を別の物質でカプセル化する、あるいは被覆錠剤化する方法である。例えば、苦味を発生する医薬品をマイクロカプセル化する方法や、胃溶性コーティング剤によって粉末をカプセル化する方法などが知られている。
第三の方法は、苦味や渋味を有する食品から、特殊な加工技術により、これらの成分を除去、あるいは分解除去する方法である。例えば、低温下でアルコール等の有機溶媒を用いて連続的に抽出・除去する方法(特許文献22参照)、酵素処理により分解する方法(特許文献23参照)などが提案されている。
特開2003−342183号公報 特開2000−228966号公報 特開平10−84908号公報 特開2002−363105号公報 特開昭60−9774号公報 特開平2−56416号公報 特開2005−137362号公報 特開2000−300190号公報 特願2000−599279号公報 特開2004−73196号公報 特開2002−50833号公報 特開平07−327602号公報 特開2003−144088号公報 特開昭55−108254号公報 特開平08−332050号公報 特開昭61−40260号公報 特公昭55−8966号公報 特開昭62−265234号公報 特開平8−9897号公報 特開平7−67552号公報 特開平7−300429号公報 特開2004−84号公報 特開平2−207768号公報
しかしながら、これら第二、及び第三の手法は、特別の製造施設や特殊な加工技術等を要したり、あるいは食品製造用には望ましくない有機溶剤類を必要とするなど、安価かつ簡便に食品の苦味や渋味を除去あるいは抑制するには不向きであり、産業上の優位性は高いとは言えない。
また、本発明者らの検討によれば、上記第一の方法にある各種の添加物を用いるような手法では、当該発明が対象とするウコンや、担子菌抽出エキスについては、依然として充分に苦味を低減化することはできない。すなわち、公知の苦味あるいは渋味の低減剤、あるいは低減効果を有する物質を、対象食品に単に添加する、あるいは対象食品成分と混在させるだけでは、期待する低減効果を得ることは困難であり、低減効果が見られた場合でも、添加物が原因となり味の変質を招く可能性がある。
そこで、本発明では、安価な食品素材を活用し、これらと目的食品に対して簡便な処理を施して、ウコン抽出物及び担子菌類抽出物の苦味を低減すること、及び苦味が低減されたウコン又は担子菌類抽出物を含有する組成物を完成することを目指した。
すなわち、本発明者らは、上記の苦味や渋味を有する物質が有する特性を利用し、苦味物質と脂質との相互作用に着目して、鋭意研究を行った。その結果、中性リン脂質を主要な有効成分とするリン脂質と、苦味や渋味の原因となる食品成分とを混在させた後、機械的分散処理を施すことにより、両者の複合体を作製することが、その食品の生理的な効果を損じることなく、苦味や渋味を効果的に低減させることに非常に有効であり、さらにはその分散処理液を粉末化又は顆粒化することでその効果が著しいことを見い出し、本発明を完成させた。
本発明は、苦味や渋味を有するウコン抽出物及び担子菌類抽出物を、中性リン脂質を主要な有効成分として含む苦味低減化剤でマスキングすることで、その苦味等を比較的安価で簡便、かつ安全に低減することの可能な高機能性健康食品の苦味低減化方法、及び低苦味組成物の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法は、苦味含有物質を含む高機能性健康食品に、天然物由来の中性リン脂質を混合して、得られた混合物を機械的に分散処理する高機能性健康食品の苦味低減化方法であって、機械的分散処理として、苦味含有物質を含む高機能性健康食品と天然物由来の中性リン脂質を混合して高速回転分散処理を行った後に、超音波分散処理又は超高圧ホモジナイザー分散処理を行う方法としてある。
本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法をこのような方法とすると、高機能性健康食品における苦味を、比較的安価で簡便、かつ安全に低減することが可能となる。
なお、本発明における苦味とは、いわゆる苦みに特に限定するものではなく、その他の不快な味、例えば、辛味、エグ味、渋み、収れんなど、服用に際して好ましくない味を含むものである。
また、本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法をこのような方法とすると、混合物を効果的に粉末化又は顆粒化し、あるいは微細又は超微細に粒子化することが可能となる。
また、本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法は、前記苦味含有物質が、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物より選ばれる少なくとも一種である方法としてある。
本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法をこのような方法とすると、高機能性健康食品におけるウコン抽出物や担子菌類抽出物などの苦味を、充分に低減化することが可能となる。
また、本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法は、混合物を、粉末化又は顆粒化させ、あるいは微細又は超微細な粒子にさせる方法としてある。
本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法をこのような方法とすると、苦味の低減効果を、より向上させることが可能となる。
また、本発明の低苦味組成物は、苦味含有物質と、天然物由来の中性リン脂質とが機械的に分散処理された混合物からなる低苦味組成物であって、苦味含有物質が、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物より選ばれる少なくとも一種であり、機械的分散処理として、苦味含有物質と天然物由来の中性リン脂質を混合して高速回転分散処理を行った後に、超音波分散処理又は超高圧ホモジナイザー分散処理を行って得られた構成としてある。
また、本発明の低苦味組成物は、混合物が、粉末化又は顆粒化されたもの、あるいは微細又は超微細な粒子状としてある。
本発明の低苦味組成物をこれらのような構成とすると、比較的安価で簡便、かつ安全に苦味を低減した組成物を提供することができる。また、混合物を粉末化、顆粒化、又は微細又は超微細な粒子状とすることで、その苦味低減効果を一層高めることが可能となる。
本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法、及び低苦味組成物によれば、ウコン抽出物及び担子菌類抽出物の苦味含有物質を、食品用リン脂質を苦味低減成分として含む苦味低減化剤でマスキングすることで、その苦味を低減できるため、ウコン抽出物及び担子菌類抽出物を含有する高機能性健康食品の服用がしやすくなる。
また、この苦味の低減効果は、粉末化、顆粒化により一層顕著となる。従って、非常に服用し易いウコン抽出物及び担子菌類抽出物の加工食品を提供することができる。
さらに、その苦味を比較的安価で簡便、かつ安全に低減することが可能となる。
本発明は、苦味を低減させる方法であって、苦味を有する健康食品素材に、リン脂質を加え、機械的分散処理を施すことを特徴とする。以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
なお、上述のように、本発明における苦味とは、いわゆる苦みに特に限定するものではなく、その他の不快な味、例えば、辛味、エグ味、渋み、収れんなど、服用に際して好ましくない味を含むものである。
本発明で使用する生理活性を有する苦味含有物質とは、ウコン抽出物、担子菌類抽出物であり、これらのうちの一を、又はこれらを合わせて使用することができる。また、これら以外の苦味含有物質を使用することもできる。
(ウコン)
本発明で使用するウコンは、例えば、秋ウコン,春ウコン,紫ウコン等とすることができ、特に秋ウコンとすることが好ましい。下記に秋ウコンの学名と生理活性を記載する。
[秋ウコン]
学名:Curcuma longa Linn
生理活性:蓄膿症,胆のう,黄疸,肺炎,胆石症,腎臓炎,肝炎,胃炎,関節炎,消化不良,浮腫(おきなわの薬草百科 新星図書出版 P66)
(担子菌類)
本発明に使用する担子菌類は、有用な菌種であれば特に制限されないが、例えば、アガリクス茸,メシマコブ,シイタケ,ヤマブシ茸,チョレイマイ茸,タモギ茸,オオシロアリ茸,レイシ等とすることができ、特にアガリクス茸菌糸体とすることが好ましい。下記にアガリクス茸の学名、生理活性を記載する。
[アガリクス茸]
学名:Agaricus blazei Murill
生理活性:抗腫瘍効果,制癌作用,血糖降下作用,血圧降下作用等(これでわかる薬用植物 新星図書出版 P313)
(リン脂質)
本発明で使用するリン脂質としては、例えば、卵黄リン脂質,大豆リン脂質等とすることができ、これらのうちいずれか一方を使用するほか、双方を合わせて使用することもできる。
また、本発明では、これらを所定の酵素で処理したもの、あるいはこれらの水素添加物を用いることもできる。
さらに、これらのリン脂質としては、一般に食品添加物として用いられているものが望ましい。また、その純度は30%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、特に中性リン脂質が50%以上で構成されているものが好ましい。
(製造方法)
次に、本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法について説明する。
本発明の高機能性健康食品の苦味低減化方法は、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物より選ばれる少なくとも一種からなる苦味含有物質を含む高機能性健康食品に、中性リン脂質を主要な有効成分とする天然物由来のリン脂質を混合して、得られた混合物を機械的に分散処理することが可能で有れば、特に限定されるものではないが、例えば以下のように、抽出工程、分散処理工程、並びに粉末及び顆粒化工程を有する方法とすることが好ましい。
[抽出工程]
まず、ウコン又は担子菌類の抽出物の調整を行う。
その方法としては、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物を得ることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ウコン又は担子菌類を、所定の抽出溶媒に加えることにより抽出することができる。
そして、所定の温度で所定時間抽出を行った後、抽出残渣を除いて得られた抽出エキスを凍結乾燥機で処理することにより、これらの抽出物を調整することができる。
抽出溶媒としては、食品衛生法上許容される溶剤であれば特に限定されないが、例えば、熱水、エタノール、アセトン、ヘキサン等を使用することができる。
また、本発明においては、これらの抽出溶媒のなかでは、安全性の点から、特に熱水及びエタノールが、好適に使用し得るものである。
また、これらの抽出溶媒を、単独で使用するのみならず、二以上を混合して用いることも好ましい。
[分散処理工程]
苦味含有物質の濃度としては、例えば、20g/100ml未満とすることができ、1〜10g/100mlとすることが好ましい。
機械的な分散処理によって、目的食品成分とリン脂質の複合体が得られる。この複合体は、使用する食品成分やリン脂質組成によっても異なるが、リポソーム,ゲル状化合物,高分子分散体,微粒子のいずれか、あるいはこれらの形態のうち、一又は二以上が混在したものである。
リポソーム等のナノサイズのカプセルは、ドラックデリバリーシステム(医薬品送達システム)等に広く利用が期待されている。
しかし、従来技術では、このような微小なカプセルを安価かつ簡便に、大量に供給することは困難であり、本手法を、医薬品に比べ製造価格が限られている食品の味覚改善へ適用するには大きな障壁があった。
本発明においては、機械的分散処理方法を用いることにより、充分に安価かつ効率的に、リポソームのようなナノサイズのカプセル状複合体が発生し得ることを確認している。
このような方法により、リポソームが形成されれば、高効率で目的食品成分がその中に封入されるため、リポソームの膜バリアを考慮すれば、従来より一層高い苦味低減効果が発揮されることが期待される。
苦味低減作用があるリン脂質としては、酸性リン脂質やそのリゾ体が報告されており、低減剤であるリン脂質中の中性リン脂質の存在量が減少すると、苦味低減効果が上昇することが知られている(特開平8−9897)。一方、酸性リン脂質(ホスファチジン酸)やリゾ体リン脂質は、天然リン脂質の主成分の一つであるホスファチジルコリン(レシチン)などの中性リン脂質とは異なり、リポソーム等の脂質複合体の形成に対して阻害的に作用することが広く知られている。
一方、本発明においては、リン脂質のうち、特にホスファチジルコリン等の中性リン脂質を混在させ、機械的処理を行ったときに、高い苦味低減効果があり、その効果と中性リン脂質濃度とに相関があることが判明している。
したがって、本発明は、酸性リン脂質、あるいはそのリゾ体を主要な成分とする苦味低減剤を利用する従来の食品の苦味改善技術とは、原理及び低減手法の点で明らかに異なるものである。
リン脂質の濃度としては、例えば、30g/100ml未満とすることができ、1〜20g/100mlとすることが好ましい。
このリン脂質と上記の苦味含有物質との混合物に対して、機械的攪拌による高速回転分散処理を行う。
この分散処理は、例えば、高速回転型分散機により4000〜20000rpmにて行うことができ、8000〜13000rpmで行うことが好ましい。
その処理時間としては、約10〜60分とすることができ、20〜40分とすることが好ましい。
その処理温度としては、約20〜70℃とすることができ、40〜60℃とすることが好ましい。
これによって、混合物における平均粒子サイズは、およそ200〜1000nmとなる。
超高圧ホモジナイザーを用いる場合は、上記の処理液について更に処理することが好ましい。
この超高圧ホモジナイザーの操作条件を次に示す。
まず、圧力としては、50〜250MPaに行うことができ、50〜150MPaで行うことが好ましい。
また、そのパス回数としては、1〜15パスとすることができ、1〜5パスとすることが好ましい。
さらに、その投入温度としては、約20〜70℃とすることができ、40〜60℃とすることが好ましい。
これによって、混合物における平均粒子サイズは、およそ50〜500nmとなる。
そして、この分散処理工程により得られた健康食品素材とリン脂質の懸濁液を、苦味低減化(マスキング)処理物(低苦味組成物)とすることができる。
なお、この懸濁液は、液状のまま食品として用いることができるが、さらに噴霧乾燥や凍結乾燥して粉末化することにより、さらには顆粒化することで苦味マスキング効果を高めることができる。
本発明におけるマスキング処理物の粉末化及び顆粒化に際しては、公知の方法を利用することができる。すなわち、粉末化及び顆粒化に際しては、従来から使用されている添加剤を一種及び/又は二種以上組み合わせて使用することができる。
この添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤、矯味剤、マスク化剤、香料、及び抗酸化剤を挙げることができる。また、製剤工程で用いる粉末機としては、スプレードライヤーや凍結乾燥機等が、造粒機としては、プラネタリーミキサー、攪拌造粒機、高速混合造粒機、押し出し造粒機、流動層造粒機、遠心転動流動造粒機、又はローラーコンパクター等を挙げることができる。
本発明の方法で調整された液体、粉末、及び顆粒は、チュアブルタブレットなどの固形の食品に利用することもできる。また、その食品に応じた食品素材、食品添加物などと組み合わせて、通常の方法により調製することも可能である。
本発明において使用する高速回転型分散機としては、ディゾルバー型、ホモミキサー型、櫛歯型等の種々の食品分野で汎用されている高速回転型分散機を挙げることができる。
さらに、上記分散処理工程における分散処理として、超高圧ホモジナイザーや超音波式ホモジナイザーによる精密分散を行うこともできる。また、このような精密分散を、高速回転型分散機による分散と組み合わせて使用することも好ましい。
以下、本発明の苦味を有するウコン抽出物及び担子菌類抽出物を、食品用リン脂質を苦味低減成分として含む苦味低減化剤でマスキングする苦味低減化方法により調整した試料について、実施例及び試験例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等により限定されるものではない。
<苦味に関する官能検査>
実施例1及び2は、苦味含有物質として、ウコンのうち、秋ウコンを使用したものである。実施例3及び4は苦味含有物質として担子菌類の一種であるアガリクス菌糸体を使用したものである。試験例1〜4は、各実施例の苦味低減化方法によって調整した試料を評価するものであり、試験例1及び2は、実施例1及び2に関するもの、試験例3及び4は、実施例3及び4に関するものである。
秋ウコン抽出物としては、沖縄県産秋ウコン200gを、市水1200mlとエタノール1200mlの混合溶媒によって、80℃で、1時間抽出を行った後に、抽出残渣を除き、減圧濃縮によってエタノールを除いたエキスを、固形率10重量%に調整したものを使用した。
アガリクス菌糸体抽出物としては、アガリクス菌糸体バガス培養物(株式会社沖縄発酵化学製)1kgを、市水3000mlとエタノール7000mlの混合溶媒によって、80℃で、1時間抽出を行った後に、抽出残渣を除き、減圧濃縮によってエタノールを除いたエキスを、固形率10重量%に調整したものを使用した。
(実施例1)
秋ウコン抽出物2000g、大豆由来のリン脂質(SLP−WHITE、ツルーレシチン工業株式会社製)200g、及び市水1800mlを、10000mlステンビーカーに入れて、高速回転型分散機(T.K.ホモミキサーMARK II fmodel 特殊機化工業株式会社。以下同様。)により、常温、大気圧下(開放)、回転数13000rpmで、60℃、30分間運転した。
この処理物をさらに、超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー)によって、分散処理し、この処理物をサンプル1とした。
超高圧ホモジナイザーの操作条件としては、圧力を100MPaとして、合計3パス行った。1〜3パスにおける投入温度・取り出し温度は、ともに35℃であった。
(実施例2)
実施例1で調整したサンプル1を、スプレードライヤー及び流動層造粒機を用いて顆粒化し、サンプル2とした。最終的な配合比を図1に示す。ここで、表中の秋ウコンエキスとは、秋ウコン抽出物の固形分を指す。
(実施例3)
アガリクス菌糸体抽出物2000g、大豆由来のリン脂質(SLP−WHITE、ツルーレシチン工業株式会社製)200g、及び市水1800mlを、10000mlステンビーカーに入れて、高速回転型分散機により、常温、大気圧下(開放)、回転数13000rpmで、60℃、30分間運転した。
この処理物をさらに、超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー)によって、分散処理し、この処理物をサンプル3とした。
超高圧ホモジナイザーの操作条件としては、圧力を100MPaとして、合計3パス行った。1〜3パスにおける投入温度・取り出し温度は、ともに35℃であった。
(実施例4)
実施例1で調整したサンプル3を、スプレードライヤー及び流動層造粒機を用いて顆粒化し、サンプル4とした。最終的な配合比を図2に示す。ここで、表中のアガリクス菌糸体エキスとはアガリクス菌糸体抽出物の固形分を指す。
試験例1〜4で使用した試料は、実施例1〜4で使用及び調整した、秋ウコン抽出物,サンプル1,サンプル2,アガリクス菌糸体抽出物,サンプル3,サンプル4のそれぞれを、各苦味含有物質が5重量%になるように精製水で溶解して調整したものである。それぞれの試験液剤を図3に示す。
(試験例1)
秋ウコン抽出物未処理液、秋ウコン(分散)処理液、秋ウコン(分散及び顆粒化)処理顆粒液について、官能評価試験を行った。測定は、味認識測定装置法(SA402B、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)によって苦味と渋味を評価した。その結果を図4に示す。
味認識測定装置とは、人間の舌表面の味覚認識メカニズムをモデル化したもので、装置のセンサーを試料に浸して得られる味覚情報を数値化する装置である。それらを2次元散布図にてグラフ化することで、各試料の特性を明示・比較することができる。2次元散布図の1.0目盛は人が認識可能な限界濃度差に相当するために、1.0目盛以上の差であれば、人が識別する味覚情報として有意であると判断できる。
図4から明らかなように、秋ウコン未処理液に比べて、本発明による苦味低減方法を用いて調整した秋ウコン処理液、秋ウコン処理顆粒液が顕著に苦味と渋味を低減していることがわかる。特に、この苦味と渋味の低減効果は、顆粒化により、一層顕著であることが分かる。
(試験例2)
また、秋ウコン抽出物未処理液、秋ウコン処理液、秋ウコン処理顆粒液について、正常な味覚を有する健常人男女15名を選んでパネラーとし、官能評価試験を行った。官能評価では、飲みやすさを以下の基準により数値化して、苦みの程度を評価した。その結果を図5に示す。同図においては、苦みの評価基準として、非常に飲みにくいを4点、飲みにくいを3点、少し飲みにくいを2点、飲みやすいを1点としている。
図5から明らかなように、秋ウコン未処理液では「非常に飲みにくい」又は「飲みにくい」と評価された割合が多かったのに対し、本発明による苦味低減方法を用いて調整した秋ウコン処理液、秋ウコン処理顆粒液では「非常に飲みにくい」又は「飲みにくい」の評価が極めて少なかった。特に、この苦味と渋味の低減効果は、顆粒化により、一層顕著であることが分かる。
(試験例3)
アガリクス未処理液、アガリクス処理液、アガリクス処理顆粒液について、官能評価試験を行った。測定は、試験例1と同様の味認識測定装置を用いて、苦味と渋味を評価した。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、アガリクス未処理液に比べて、本発明による苦味低減方法を用いて調整したアガリクス処理液、アガリクス処理顆粒液が顕著に苦味と渋味を低減していることがわかる。特に、この苦味と渋味の低減効果は、顆粒化により、一層顕著であることが分かる。
(試験例4)
また、アガリクス抽出物未処理液、アガリクス処理液、アガリクス処理顆粒液について、正常な味覚を有する健常人男女15名を選んでパネラーとし、官能評価試験を行った。官能評価では、飲みやすさを以下の基準により数値化して、苦みの程度を評価した。その結果を図7に示す。同図においては、苦みの評価基準として、非常に飲みにくいを4点、飲みにくいを3点、少し飲みにくいを2点、飲みやすいを1点としている。
図7から明らかなように、アガリクス未処理液では「非常に飲みにくい」又は「飲みにくい」と評価された割合が多かったのに対し、本発明による苦味低減方法を用いて調整したアガリクス処理液、アガリクス処理顆粒液では「非常に飲みにくい」又は「飲みにくい」の評価が極めて少なかった。特に、この苦味と渋味の低減効果は、顆粒化により、一層顕著であることが分かる。
<クルクミン導入率と苦味の検査>
今回使用するウコン抽出物としては、秋ウコンを使用しているが、この秋ウコンの成分の中には性質の異なる多種類の成分が含まれており、一説には4000〜5000もの成分が含まれているとの研究もある。一般的には、健康増進に効果のあるクルクミンが約0.2〜6%、精油が0.1〜1%含まれており、その他の成分に苦味を有するものが含有されると考えられる。
しかし、これらの苦味成分は特定できるものではなく、本発明による脂質複合体の形成、特にリポソーム化によって、どの程度リポソームに苦味成分が導入されているかを直接定量することができない。
ここで、ウコン抽出物には、上述のように比較的多量のクルクミンが含まれている。このため、ウコン抽出物をリポソーム化して、そのクルクミンの導入率を測定し、ウコン抽出物の苦味成分は、リポソームへのクルクミン導入率相当量がリポソームに導入されていると仮定することができる。
また、この仮定が成り立つのであれば、本発明による苦味低減化方法に、リポソーム形成に対して阻害的に働くリン脂質、例えば、酸性リン脂質やリゾリン脂質を主構成としたリン脂質を使用した場合、苦味成分を被覆するリポソーム形成が不充分であるため、期待される苦味低減化効果が得られないと考えられる。
そこで、以下に示す実施例5及び実施例6により調整したウコン抽出物の処理物(濃度1−1〜7−1及び濃度1−2〜7−2)に対して、試験例5に示すクルクミンのリポソームへの導入率の測定、及び、試験例6に示す官能評価試験を行うことにより、苦味成分のリポソームへの導入率と苦味低減化効果の関係を評価した。
(実施例5)
秋ウコン抽出物と、図8に示す組成で構成される大豆由来の中性リン脂質(SLP−PC70、ツルーレシチン工業株式会社製)、及び市水を、図9の配合比で設定し、実施例1の方法で処理した。
ここで、リン脂質名にあるPC、PE、PI、PA、LPCはそれぞれリン脂質の種類の略号であり、PC及びPEは中性リン脂質、PI及びPAは酸性リン脂質、LPCがリゾ体リン脂質に分類される。
(実施例6)
秋ウコン抽出物と、図10に示す組成で構成される大豆由来の酸性リン脂質,リゾ体リン脂質(SLP−LPC70、ツルーレシチン工業株式会社製)、及び市水を、図11の配合比で設定し、実施例1の方法で処理した。
(試験例5)
実地例5及び実施例6と同様に調整したサンプル(濃度1−1〜7−1及び濃度1−2〜7−2)について、リポソームへの苦味成分の導入量の指標となるリポソーム中のクルクミン量を次の方法を用いて測定した。
まず、調整した各サンプルを、分子量5000を分画する遠心膜フィルター(Vivaspin 20、VIVA SCIENCE社製)を用いて、3000rpm、16時間遠心分離した。各サンプルの残留物を回収し、10mlメスフラスコに加え、メタノールを用いて標線までメスアップした。このサンプルにつき高速液体クロマトグラフ法にてクルクミン量を測定した。そして、このクルクミン量にもとづいて、リポソームに導入されたクルクミンの導入率を次の式から算出した。
導入率=(遠心分画した残留物のクルクミン濃度/ウコン抽出物のクルクミン濃度)×100
(試験例6)
実地例5及び実施例6と同様に調整したサンプル(濃度1−1〜7−1及び濃度1−2〜7−2)について、正常な味覚を有する健常人男女15名を選んでパネラーとし、官能評価試験を行った。官能評価では、飲みやすさを以下の基準により数値化して、苦みの程度を評価した。その評価基準としては、非常に飲みにくいを4点、飲みにくいを3点、少し飲みにくいを2点、飲みやすいを1点とした。
試験例5及び試験例6について、測定したクルクミン導入率及び呈味試験におけるパネラーの総合得点の結果を図12及び図13に示す。
図12(中性リン脂質を苦味低減化成分として調整した組成物におけるクルクミン導入率と苦味の評価)を参照すると、リポソームのクルクミン導入率が高くなるほど、苦味の低減効果が明確であることが示されている。
クルクミン導入率は、ウコンエキスの苦味成分の導入率の指標となり得るため、ウコンエキスの苦味成分もクルクミン導入率の相当量で導入されていると考えられる。
このことから、ウコンエキスの苦味成分をリポソームでマスキングすることにほぼ比例して、顕著に苦味が改善されていることが分かる。
一方、図13(酸性リン脂質及びリゾ体リン脂質を苦味低減化成分として調整した組成物におけるクルクミン導入率と苦味の評価)を参照すると、リン脂質にリゾ体リン脂質を用いた場合には、リポソーム形成が不十分であり、クルクミン導入率がほとんどないことがわかる。また、それに相関して、苦味の低減効果はほとんど示されていない。
すなわち、苦味の低減化効果と、脂質複合体、特に、リポソームへの苦味成分の導入には相関があり、リポソームの形成を阻害する酸性リン脂質やリゾリン脂質の使用は望ましくないことが示されている。
このように、本発明は、従来の酸性リン脂質、あるいはそのリゾ体を主要な成分とする苦味低減剤を利用した食品の苦味改善技術とは、原理及び低減手法の点で明らかに相違するものであるとともに、このような従来技術に比較して、より一層苦味成分を低減することの可能なものである。
本発明の方法で調整された液体、粉末、及び顆粒等の組成物は、チュアブルタブレットなどの固形の食品に利用することが可能である。また、その食品に応じた食品素材、食品添加物などと組み合わせ、通常の方法により調製して利用することも可能である。
本発明の実施例2で調整したサンプル2の最終的な配合比を示す図である。 本発明の実施例4で調整したサンプル4の最終的な配合比を示す図である。 本発明の試験例1〜4で使用した各試料の試験液剤を示す図である。 本発明の試験例1における味認識測定装置法による官能評価試験結果を示す図である。 本発明の試験例2におけるパネラーによる官能評価試験結果を示す図である。 本発明の試験例3における味認識測定装置法による官能評価試験結果を示す図である。 本発明の試験例4におけるパネラーによる官能評価試験結果を示す図である。 本発明の実施例5における大豆由来の中性リン脂質の組成を示す図である。 本発明の実施例5における各試料の配合比を示す図である。 本発明の実施例6における大豆由来の酸性リン脂質,リゾ体リン脂質の組成を示す図である。 本発明の実施例6における各試料の配合比を示す図である。 本発明の試験例5における中性リン脂質を苦味低減化成分として調整した組成物におけるクルクミン導入率と苦味の評価結果を示す図である。 本発明の試験例6における酸性リン脂質及びリゾ体リン脂質を苦味低減化成分として調整した組成物におけるクルクミン導入率と苦味の評価結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 苦味含有物質を含む高機能性健康食品に、天然物由来の中性リン脂質を混合して、得られた混合物を機械的に分散処理する高機能性健康食品の苦味低減化方法であって、
    前記機械的分散処理として、前記苦味含有物質を含む高機能性健康食品と天然物由来の中性リン脂質を混合して高速回転分散処理を行った後に、超音波分散処理又は超高圧ホモジナイザー分散処理を行う
    ことを特徴とする高機能性健康食品の苦味低減化方法。
  2. 前記苦味含有物質が、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の高機能性健康食品の苦味低減化方法。
  3. 前記混合物を、粉末化又は顆粒化させることを特徴とする請求項1又は2記載の高機能性健康食品の苦味低減化方法。
  4. 前記混合物を、微細又は超微細な粒子にさせることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の高機能性健康食品の苦味低減化方法。
  5. 苦味含有物質と、天然物由来の中性リン脂質とが機械的に分散処理された混合物からなる低苦味組成物であって、
    前記苦味含有物質が、ウコン抽出物又は担子菌類抽出物より選ばれる少なくとも一種であり、前記機械的分散処理として、前記苦味含有物質と天然物由来の中性リン脂質を混合して高速回転分散処理を行った後に、超音波分散処理又は超高圧ホモジナイザー分散処理を行って得られた
    ことを特徴とする低苦味組成物。
  6. 前記混合物が、粉末化又は顆粒化されたものであることを特徴とする請求項記載の低苦味組成物。
  7. 前記混合物が、微細又は超微細な粒子状であることを特徴とする請求項5又は6に記載の低苦味組成物。
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