JP2000026884A - 油性組成物を含有した粉末組成物 - Google Patents

油性組成物を含有した粉末組成物

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JP2000026884A
JP2000026884A JP19551498A JP19551498A JP2000026884A JP 2000026884 A JP2000026884 A JP 2000026884A JP 19551498 A JP19551498 A JP 19551498A JP 19551498 A JP19551498 A JP 19551498A JP 2000026884 A JP2000026884 A JP 2000026884A
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English (en)
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Satoshi Sakurada
敏 櫻田
Toshiko Yoshino
寿子 芳野
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性有効物質の味の低減させたり、徐放効果
をもたせたり、水性有効物質を劣化させにくい粉末組成
物を提供すること。 【解決手段】 水性有効物質、水又はアルコール水溶液
を含有する水相と、油性成分及びHLB10以下の乳化
剤を含有する油相とを乳化したW/O型乳化物を乾燥処
理することにより得られる、固体相微粒子が油相中に分
散した油性組成物であって、水性有効物質を含有する固
体相の水分含有量が30重量%以下で、且つ、該固体相
の平均粒子径が5μm以下で、好ましくは該固体相中に
多価アルコールを含有するものである上記油性組成物
と、粉末化基材とからなることを特徴する粉末組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、飼料、化粧
品、医薬品、農薬、機械その他各種工業分野において利
用できる。本発明は、水溶性有効物質及び/又は水分散
性有効物質(以下水性有効物質という)を含有し、場合
によっては多価アルコール等を含有する固体相微粒子
が、油相中に分散した油性組成物を含有する粉末組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性有効物質の味を低減したり、徐放性
機能を持たせたり、長期保存性を高めたりする目的で、
水性有効物質のカプセル化が行われている。水性有効成
分のカプセル化法として、コアソルベーション法、液中
乾燥法、多重乳化法等がある。コアソルベーション法
は、硬化剤としてホルムアルデヒドやグルタルアルデヒ
ド等の毒性のある溶剤を用いている。また、この調製方
法は実製造化が難しい。液中乾燥法を用いた水溶性薬剤
のカプセルとして特公平7−20859号公報等が提案
されている。しかし、一般に液中乾燥法は、壁膜ポリマ
ー溶解物質として、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、酢酸エチル等の毒性を有する溶剤を
用いている。また、液中乾燥法によるマイクロカプセル
調製では、水性有効物質を含有するW/O型乳化物を水
相に添加混合してW/O/W型乳化物としている。この
W/O/W型乳化物は、内水相中に水を含有するため、
調製時に内水相に溶解している水性有効物質が外水相中
へ溶出することは避けられなかった。よって液中乾燥法
により得られるマイクロカプセルでは、水溶性物質のカ
プセル化は満足できるものではなかった。また、特公平
4−24974号公報等では、W/O/W型乳化物を乾
燥してW/O/W型乳化性粉末を調製しているが、乾燥
後もW/O乳化物が保持されているため、内水相には水
を含有する。そのため、長期保存時に内水相が腐敗した
り、内水相中の水溶性物質が劣化したり、粉末基材に内
水相の水が溶出して粉末の流動性が低下する恐れがあ
る。このように、これまでの製法により得られる水性有
効物質含有カプセルは、使用する材料、製造方法、コス
ト、保存安定性等においてさまざまな規制や問題がある
ため、十分満足できるものではなかった。特に、使用す
る原材料が制限される食品、医薬品、化粧品分野におい
ては、その実用化が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、保存時に水性有効物の劣化や分解を抑え、水性有効
物質の味の低減効果や徐放性効果を有した粉末組成物を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、鋭意研究を行った結果、水溶性物質を含有するW
/O型乳化物を乾燥処理して得られる油性組成物であっ
て、水性有効物質を特定の固体微粒子状態で油相中に分
散させ、且つ固体相中の水分含有量又はアルコール水溶
液含有量を特定の量にした上記油性組成物を含有した粉
末組成物が上記目的を達成し得ることを知見した。本発
明において、固体相とは、水性有効物質を含有し、水分
含有量又はアルコール水溶液含有量が30重量%以下
で、場合によっては多価アルコール等を含有する相のこ
とである。本発明は、上記知見に基づいてなされたもの
で、水溶性物質を含有するW/O型乳化物を乾燥処理し
て得られる、固体相微粒子が油相中に分散した油性組成
物であって、水性有効物質を含有し、水分含有量又はア
ルコール水溶液含有量が30重量%以下で、場合によっ
ては多価アルコール等を含有する固体相と、油性成分及
び親油性乳化剤を含有してなる油相とからなる上記油性
組成物を含有することを特徴とする粉末組成物を提供す
るものである。親油性乳化剤が水相まわりに密に配列し
たW/O型乳化物を乾燥して固体相を形成させると、親
油性乳化剤の親水性部分が固体相に取り込まれた形で固
体相のまわりに密に配列するため、固体相の油中での分
散安定性が良くなると考えられる。本発明の粉末組成物
は、粉末基材に油性組成物粒子が吸着または内包してお
り、その粒子中には固体相微粒子が分散しているもので
ある。本発明の粉末組成物は、水性有効物質が水溶液状
態ではなく、固体状態として油性成分に被覆されている
ため、水性有効物質自体の劣化、分解、腐敗等を防止す
ることができる。また、W/O/W型乳化性粉末と違っ
て、油相から粉末基材への水の溶出が起こらないため、
長期保存を行っても粉末流動性は低下しない。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に用いられる油性組
成物について詳述する。本発明に用いられる油性組成物
は、水溶性物質を含有するW/O型乳化物を乾燥処理し
て得られる、固体相微粒子が油相中に分散した油性組成
物であって、水性有効物質を含有し、場合によっては多
価アルコール等を含有した固体相と、油性成分及びHL
Bが10以下の乳化剤を含有してなる油相とからなる。
【0006】まず、本発明に用いられる油性組成物の固
体相について説明する。本発明において用いられる水性
有効物質は、水に溶解するもの及び/又は水に分散する
ものであれば何でも良いが、水又はアルコール水溶液に
溶解するものが望ましい。また、水性有効物質の製造方
法に制限はない。例えば、酸味料、色素、着色料、香
料、抗酸化剤、酵素、菌類、調味料、無機塩類、澱粉、
澱粉加水分解物、ペプチド、生理活性を有するポリペプ
チド、アミノ酸、食物繊維、セルロース、栄養強化剤、
生薬エキス、糖尿病治療剤、解熱剤、消炎剤、鎮痛剤、
鎮静剤、抗アレルギー剤、抗生物質、抗潰瘍剤、抗腫瘍
剤、抗凝血剤、止血剤、強心剤、筋弛緩剤、麻酔剤、不
整脈治療剤、血管拡張剤等の薬剤、ワクチン、動植物抽
出物質が挙げられ、具体的には、クエン酸及びその塩
類、リン酸及びその塩類、メタリン酸及びその塩類、ク
チナシ青色色素、カラメル、カカオ色素、ブドウ果皮色
素、ストロベリー色素、シソ色素、フォスフォリパー
ゼ、アミラーゼ、デヒドロゲナーゼ、タカヂアスターゼ
N1、乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌、核酸、酵母、タ
ウリン、食塩、醤油、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリ
ウム、コーン澱粉、デキストリン、乳ペプチド、コーン
ペプチド、インスリン、ソマトスタチン、甲状腺刺激ホ
ルモン、副甲状腺ホルモン、成長ホルモン、黄体形成ホ
ルモン放出ホルモン、L−トリプトファン、塩化リジ
ン、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウ
ム、ポリデキストロース、微結晶セルロース、アスコル
ビン酸及びその塩類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、
リン酸L−アスコルビン酸マグネシウム、ビタミンB
類、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオ
チン、塩化カルシウム等のカルシウム塩類、乳性ミネラ
ル、乳酸カルシウム、カゼイン・カルシウム・ペプチド
(CCP)、カゼインホスホペプチド(CPP)、カル
シウムサイトレマート(CCM)、牛骨粉、貝殻粉、へ
ム鉄、亜鉛、アルブチン、コウジ酸、ニフェジピン、ユ
ビデカレノン、ニカルジピン、メソトレキセート、ソマ
トスタチン、塩酸フェンフォルミン、グリピザイド、塩
酸ブフォルミン、グリミジンナトリウム、サリチル酸ナ
トリウム、フルフェナム酸ナトリウム、スルピリン、プ
ロクロルペラジン、塩酸クロルプロマジン、塩酸ジフェ
ンヒドラミン、塩酸メトジラジン、マレイン酸クロルフ
ェニラミン、アミカシン、トブラマイシン、リビドマイ
シン、ゲンタマイシン、カネンドマイシン、塩酸テトラ
サイクリン、ジベカシン、アンピシリン、メトクロプロ
ミド、マイトマイシンC、塩酸ブレオマイシン、アクチ
ノマイシンD、メソトレキセート、塩酸ダウノルビシ
ン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビスブラスチン、アドリ
アマイシン、レンチナン、グリチルリチン、ヘパリンナ
トリウム、トロンビン、トロンボプラスチン、トランス
パイオキソカンファー、アミノフィリン、テオフィロー
ル、メタンスルホン酸プリジノール、塩化ツボクラリ
ン、塩酸ブフェトロール、塩酸ジルチアゼム、塩酸オキ
シフェドン、グリチルリチン酸ジカリウム、マレイン酸
クロフェニラミン、リン酸コデイン、アスピリン、アセ
トアミノフェノン、d−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、ヒベンズ酸チペピジン、ビスベンチアミン、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、クエン酸カルベタペンタ
ン、グアヤコールスルホン酸カリウム、インフルエンザ
ワクチン、ギムネマ、ギムネマシルベスタ抽出物、ハト
ムギエキス、蜂蜜、ローヤルゼリー、プロポリス、羅漢
果抽出物、ハーブエキス、ぶどう抽出物、ブルーベリー
抽出物、ブルーベリ葉抽出物、ローズマリー抽出物、茶
抽出物、カテキン、杜仲エキス、ロートエキス、ポーレ
ン、ナリンジン、香辛料抽出物、こけもも抽出物、カフ
ェイン、オウバク末、ヨード、コバルト、セレニウム、
オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ニンニク抽出物、シイタケ
エキス、わさび、たで、マツバエキス、バジル、コカ、
さんしょう、しそ、しそ抽出物、辛子、米糠酵素分解
物、クロレラ、タウリン、スピルリナ、エゾウコギ、キ
チン、キトサン、ルチン、紅花抽出物、生コーヒー豆抽
出物、ヒマワリ種子抽出物、アロエ、イソアルファー苦
味酸、ゲンチアナ抽出物、霊芝、霊芝抽出物、冬虫夏
草、マムシエキス、マローエキス、スッポンエキス、カ
キエキス、ヨモギ抽出物、クコシ、クコ、クマザサエキ
ス、高麗人参エキス、田七人参エキス、イチョウ葉エキ
ス、人参の葉エキス、オクタコサノール、シャクヤク、
エンゴサク、リョウキョウ、シュクシャ、ボレイ、エン
ゴサク、ケイヒエキス、ダイダイエキス、カキ葉エキ
ス、クズ花エキス、ウイキョウエキス、ショウガエキ
ス、エゾウコギエキス、サンザシエキス、ガラナエキ
ス、オウセイエキス、カンゾウエキス、イソロイシン、
トレオニン、フェニルアラニン、ナリンジン、ナイアシ
ンアミド、リジン、スレオニン、アルギニン、ガラナ、
カキニクエキス、ギムネマシルベスタエキス、トナカイ
ホーンエキス、ステビア、深海ザメエキス、オットセイ
エキス、しらこ蛋白、プラセンタエキス等が挙げられ
る。上記水性有効物質は、単独で用いても良く、又は2
種類以上を組み合わせて用いても良い。また、上記水性
有効物質の含有量は、油性組成物の固体相の全重量に対
して10〜100重量%であり、好ましくは20〜10
0重量%であり、更に好ましくは30〜100重量%で
ある。
【0007】本発明に用いられる多価アルコールは種々
のものを使用できるが、分子内に2個以上、より好まし
くは2〜12個、さらに好ましくは2〜6個の水酸基を
有する水溶性のものがよい。例えばグルコース、マルト
ース、マルチトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ
糖、乳糖、フルクトース、キシリトール、イノシトー
ル、エリスリトール、ペンタエリスリトール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレン
グリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリ
ン、ポリグリセリン(平均重合度:4〜10)、還元澱
粉糖化物、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖等を挙
げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合
わせて用いることができる。多価アルコールを固体相に
添加することにより、油性組成物の40℃での長期保存
性と耐冷凍性がより向上する。上記多価アルコールの固
体相中の含有量は、1〜90重量%、好ましくは5〜8
0重量%、更に好ましくは5〜70重量%である。
【0008】本発明に用いる水としては、特に制限はな
く、精製水、蒸留水及び水道水等を用いることができ
る。また、上記水にアルコールを加えることもできる。
該アルコールとしては、例えば、エタノール及びメタノ
ール等の一価アルコールが挙げられる。この場合のアル
コールの使用量は、水100重量部に対し、1〜300
重量部程度が好ましい。
【0009】本発明に用いられる油性組成物の固体相に
は、必要に応じて、HLBが10以上の乳化剤を添加す
ることができる。用いられる乳化剤のHLBは20以下
であることが好ましい。HLBが10以上の乳化剤とし
ては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、抽出レシチン、酵素分解レシチン、水添レシチ
ン、サポニン、糖脂質、蛋白質、蛋白加水分解物(ゼラ
チン、にかわを除く)、シリコーン系乳化剤、アルキレ
ンオキサイド付加乳化剤等が挙げられる。HLBが10
以上の乳化剤を添加する場合、その含有量は、油性組成
物の全重量に対して、好ましくは0.01〜5重量%で
ある。
【0010】更に、本発明に用いられる油性組成物の固
体相には、公知の防腐剤、着色料、香料、又はpH調製
剤等の添加剤を添加することができる。該添加剤を添加
する場合、その含有量は、油性組成物の固体相の全重量
に対して、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0011】本発明に用いられる油性組成物の固体相
は、その水分含有量又はアルコール水溶液含有量が30
重量%以下であり、好ましくは20重量%以下であり、
さらに好ましくは10重量%以下であり、最も好ましく
は5重量%以下である。固体相中の水分含有量が又はア
ルコール水溶液含有量が30重量%より多い場合、油性
組成物の保存安定性が低下し、水性有効物質が劣化した
りする。この油性組成物を用いて粉末組成物を調製した
場合、油相粒子中に水性有効物質を安定に分散させるこ
とは難しい。本発明に用いられる油性組成物の固体相の
水分含有量又はアルコール水溶液含有量を30重量%以
下にする方法に特に制限はないが、例えば、減圧乾燥、
加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法により実
施することができる。
【0012】本発明に用いられる油性組成物の固体相
は、平均粒子径5μm以下の微粒子状態で、後述する油
相中に分散している。固体相の平均粒子径は好ましくは
3μm以下であり、さらに好ましくは0.05〜2μm
である。固体相の平均粒子径が、5μmより大きい場
合、油性組成物の保存安定性が著しく低下する。この油
性組成物を用いて粉末組成物を調製した場合、油相粒子
中に固体相微粒子を安定に分散させることは難しい。油
相中に分散する固体相を平均粒子径5μm以下の微粒子
状態にする方法に特に制限はないが、例えば、油相と水
相とをゆっくり混合しながらホモミキサーを用いて約3
0分間混合、乳化させるか、又は、高圧ホモジナイザ
−、マイクロフルイダイザー等の乳化機を用いて最終的
にW/O型乳化物を得、これを乾燥処理することにより
得られる。ここで、「最終的にW/O型乳化物を得」と
は、乳化初期段階でW/O型やO/W型であっても、O
/W型及びW/O型の混合物であっても、最終的にW/
O型になれば良いという意味である。なお、本発明にお
いて、固体相の平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分
布測定装置(LA−500型、(株)堀場製作所製)を
用いて測定した値である。
【0013】次に、本発明に用いられる油性組成物の油
相について説明する。該油相は、乳化剤及び油性成分を
含有してなるものである。上記乳化剤としては、食品、
飼料、化粧品、医薬品及び工業等の分野で利用される公
知の乳化剤を下記に述べる以外は特に制限なく用いるこ
とができる。本発明において用いられる乳化剤として
は、HLBが10以下の乳化剤を用いるのが好ましい。
またHLBが1以上の乳化剤を用いるのが好ましい。H
LBが10より大きい乳化剤のみを用いた場合、W/O
型乳化物の調製ができないため油性組成物が得られな
い。
【0014】HLBが10以下の乳化剤としては、例え
ば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、有機酸モノグリセライド、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ジグリセライド、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、水添レシチン、レ
シチン、シリコーン系乳化剤、アルキレンオキサイド付
加界面活性剤等が挙げられ、具体的にはソルビタンモノ
オレート、ソルビタンジステアレート、ポリオキシエチ
レン(6モル)ソルビタンモノステアレート、グリセリ
ンモノステアレート、グリセリンモノリノレート、クエ
ン酸とグリセリンモノオレートのエステル化物、プロピ
レングリコールモノステアレート、グリセリンジオレー
ト、グリセリンジリノレート、なたね油とグリセリンの
エステル交換により得られたジグリセライド、サフラワ
ーとグリセリンのエステル交換により得られたジグリセ
ライド、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリント
リステアレート、ヘキサグリセリントリオレート、ヘキ
サグリセリンペンタステアレート、テトラグリセリン縮
合リシノレート、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、ショ糖トリないしペンタステアリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレン(5モル)セチルエーテル、ポ
リオキシエチレン(3モル)ノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン(6モル)ステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレン(5モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシ
エチレン(15モル)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレ
ン(20モル)ソルビトールテトラオレート、レシチン
(日清製油(株)製、レシチンDX、ベイシスLP−2
0)、水添レシチン(日清製油(株)製、ベイシスLP
−20H)、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシ
エチレン5モル付加)シロキサン共重合体、ジメチルシ
ロキサン・メチル(ポリオキシエチレン5モル付加)シ
ロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン5モル付加)
シロキサン共重合体等が挙げられる。本発明において
は、上記乳化剤を単独で用いてもよく、又は2種以上を
組み合わせてもよい。
【0015】また、本発明においては、HLB10以下
の乳化剤にHLBが10以上の乳化剤を併用してもよ
い。そのような乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、抽出レシチ
ン、酵素分解レシチン、水添レシチン、サポニン、糖脂
質、蛋白質、蛋白加水分解物(ゼラチン、にかわを除
く)、シリコーン系界面活性剤、アルキレンオキサイド
付加界面活性剤等がある。具体的には、ショ糖ステアリ
ン酸モノエステル、ヘキサグリセリンオレイン酸モノエ
ステル、デカグリセリンステアリン酸モノエステル、抽
出レシチン(日清製油(株)製、ベイシスLS−6
0)、酵素分解レシチン(日清製油(株)製、ベイシス
LG−10K、ベイシスLP−20E)、水添レシチン
(日清製油(株)製、ベイシスLS−60H)、キラヤ
サポニン、大豆蛋白加水分解物、カゼインナトリウム、
小麦グルテン加水分解物、ジメチルシロキサン・メチル
(ポリオキシエチレン60モル付加)シロキサン共重合
体、ポリオキシエチレン(25モル)硬化ヒマシ油、ポ
リオキシエチレン(80モル)硬化ヒマシ油等が挙げら
れる。本発明ではとりわけポリグリセリン縮合リシノル
酸エステル単独、又はこれとポリグリセリン脂肪酸エス
テルあるいはグリセリンモノ脂肪酸エステルやレシチン
との併用が望ましい。本発明においては、上記乳化剤の
単独又は2種以上を組み合わせたものを親油性乳化剤と
併用することができる。
【0016】本発明で用いられる油性成分としては、食
品、飼料、化粧品、医薬品、工業等の分野で利用される
公知の油性成分を特に制限なく用いることができる。該
油性成分としては、液体状態のものを用いるが、常温で
液体状態のものでもよく、また、加温により溶解するも
のであれば、特に制限なく用いることができる。該油性
成分としては、例えば、炭化水素類、エステル類、動植
物性油脂類、ワックス類、ハゼ脂、高級脂肪酸類、高級
アルコール類、シリコーン系物質、ステロール類、樹脂
類等、これらを酵素的処理(加水分解、エステル交換
等)や化学的処理(エステル交換、水素添加等)したも
の等が該当する。製造上及び取り扱い面から油相は、常
温で液状か流動性を有する状態のものを用いるのが好ま
しい。これらの例として大豆油、なたね油、コーン油、
ごま油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、落花生
油、米胚芽油、小麦胚芽油、玄米胚芽油、ハトムギ油、
マカダミアンナッツ油、ガーリックオイル、ツバキ油、
パーム油、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ
油、アボガド油、ヒマシ油、アマニ油、シソ油、ユーカ
リ油、月見草油、タートル油、ミンク油、豚脂、牛脂、
馬油、蛇油、魚油、卵油、卵黄油、流動パラフィン、イ
ソパラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、テ
レピン油、ミリスチン酸イソプロピルエステル、ミリス
チン酸イソパルミチルエステル、ミリスチン酸2−オク
チルドデシルエステル、2−エチルヘキサン酸セチルエ
ステル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルエステ
ル、トリ−カプリル酸グリセリルエステル、カプリル酸
及びカプリン酸の混合脂肪酸のトリグリセリド、ジ−2
−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールエステル、
リンゴ酸ジイソステアリルエステル、イソノナン酸イソ
ノニルエステル(3,5,5−トリメチルヘキシル−
3’,5’,5’−トリメチルヘキサノエート)、12
−ヒドロキシステアリン酸コレステリルエステル、エメ
リー社製イソステアリン酸及び/又は高級脂肪酸とジペ
ンタエリスリトールとのモノエステルないしヘキサエス
テル、パラメトキシケイ皮酸及び2−エチルヘキサン酸
のグリセリンエステル、パラメトキシケイ皮酸イソオク
チルエステル等をあげることができる。
【0017】また大豆硬化油、なたね硬化油、パーム硬
化油、魚硬化油、トリステアリン酸グリセリルエステ
ル、ロジン、コレステロール、フィトステロール(カン
ペステロール、スチグマステロール、シトステロール
等)、オレンジラフィー油、ラノリン、ミリスチン酸、
パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、エメ
リー社製イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリ
ン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、エル
シン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸、ミリスチルアルコール、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシ
ンワックス、ミツロウ、ワセリン、ハードファット、カ
ルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワッ
クス、米ぬかワックス、木ろうセラック、ジメチルポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、動植物由
来の精油成分等も対象とすることができる。これら油性
成分は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。本発明に用いられる油性組成物の油
相中の上記乳化剤の含有量は、好ましくは0.5〜50
重量%であり、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0018】また、本発明に用いられる油性組成物の油
相には、公知の防腐剤、着色料又は香料等の添加剤を添
加することができる。該添加剤を添加する場合、その添
加量は、油性組成物の油相の全重量に対して、好ましく
は0.01〜5重量%である。本発明に用いられる油性
組成物においては、油相に油溶性有効物質を含有させて
もよい。上記油溶性有効物質とは、例えば、抗酸化剤、
栄養強化剤、薬剤及び動植物抽出物質が挙げられ、具体
的には、ミックストコフェロール、dl−α−トコフェ
ロ−ル、酢酸−dl−α−トコフェロ−ル、トコトリエ
ノール、EPA、DHA、ゴマ油抽出物、β−カロチ
ン、ビタミンA、ローズマリー油、ビタミンD類、ビタ
ミンK類、必須脂肪酸、米ぬか油抽出物、γ−オリザノ
ール、センブリエキス、プロポリス抽出物、セージ抽出
物、ペパー抽出物、スクワレン、スッポンオイル、肝油
等が挙げられる。上記油溶性有効物質は、単独で用いて
もよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。上
記油溶性有効物質を油相に含有させる場合、その含有量
は、油相の全重量に対しては、好ましくは0.1〜99
重量%であり、更に好ましくは0.2〜40重量%であ
る。
【0019】本発明に用いられる油性組成物は、上記固
体相を5〜75重量%、好ましくは10〜60重量%、
上記油相を95〜25重量%、好ましくは90〜40重
量%含有するものがよい。
【0020】本発明に用いられる油性組成物の製造方法
には特に制限はないが、例えば、後述する方法によって
製造することができる。本発明に用いられる油性組成物
の製造方法は、水性有効物質、水を含有する水相を10
〜90℃に調整し、該水相と、油性成分及び乳化剤を含
有する油相とを混合して最終的にW/O乳化物とし、次
いで固体相中の水分含有量又はアルコール水溶液含有量
が30重量%以下となるように乾燥処理することからな
る。また、多価アルコール、一価アルコール等を添加す
る場合は、上記水相に混合溶解する。上記水性有効物
質、多価アルコール、水、一価アルコール、油性成分及
び乳化剤としては、本発明に用いられる油性組成物に含
有されるものと同様のものが用いられる。本発明に用い
られる油性組成物の製造方法においては、先ず水性有効
物質を水に混合し水相とする。上記水相に、多価アルコ
ール、一価アルコール等を添加する場合は、ここで水相
に混合する。また、上記水相には、本発明に用いられる
油性組成物の固体相に含有させることができる添加剤等
を添加してもよい。次いで、上記水相を10〜90℃の
温度に調整する。また、乳化剤及び油性成分を混合して
油相とする。該油相中の乳化剤の混合割合は、油相の全
重量に対して、0.5〜50重量%であることが好まし
く、1〜30重量であることが更に好ましい。また、上
記油相には、本発明に用いられる油性組成物の油相に含
有させることができる油性有効物質及び添加剤等を添加
してもよい。次いで、上記油相と、上記水相を混合して
最終的にW/O型乳化物とする。この場合、上記油相も
10から90℃の温度に調整することが好ましい。油相
を加温することにより、常温で固体状態の油性成分を添
加することが可能となる。また、上記水相及び上記油相
の混合割合(上記水相の重量部/上記油相の重量部)
は、好ましくは95/5〜1/99であり、更に好まし
くは、85/15〜20/80である。
【0021】上記水相と油相との混合物を最終的にW/
O型乳化物とする方法としては、従来公知の方法を特に
制限なく用いることができ、例えば、上記水相と油相と
の混合物を、プロペラ、ホモミキサー、ホモディスパ
ー、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等の
乳化機を用いて乳化する方法が挙げられる。次いで、上
記W/O型乳化物を、乾燥処理することにより、固体相
中の水分含有量又はアルコール水溶液含有量が30重量
%以下、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは
0〜10重量%、最も好ましくは0〜5重量%となるよ
う処理し、油性組成物とする。このように親油性乳化剤
が水相まわりに密に配列したW/O型乳化物を乾燥して
固体相を形成させると、親油性乳化剤の親水性部分が固
体相に取り込まれた形で固体相のまわりに密に配列する
ため、固体相の油中での分散安定性が良くなると考えら
れる。親油性乳化剤を含有した油に水性有効物質を入れ
た後粉砕攪拌を行っても、水性有効物質の分散安定性の
良いものは得られない。これは、W/O乳化物を脱水し
て調製した場合と違って、親油性乳化剤が水性有効物質
のまわりに密に配列しにくいためと考えられる。上記W
/O型乳化物を、乾燥する方法としてはに特に制限され
ないが、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及
び凍結乾燥等の方法が挙げられる。また、上記W/O型
乳化物を加温したままの状態で行ってもよく、上記W/
O型乳化物を冷蔵温度〜室温まで冷却した後に行っても
よい。
【0022】次に、本発明の粉末組成物について詳述す
る。本発明の粉末組成物は、水性有効物質を含有する上
記油性組成物と粉末化基材、場合によって乳化剤とから
なるもので、油性組成物を粉末化基材に吸着又は内包さ
せたものである。本発明の粉末組成物は、先に説明した
油性組成物を1〜80重量%、好ましくは5〜60重量
%、より好ましくは10〜50重量%含有し、上記粉末
化基材を99〜20重量%、好ましくは95〜40重量
%、より好ましくは90〜50重量%を含有する。
【0023】本発明の粉末化組成物の粉末化基材は、油
を吸着又は内包させることのできる物質で、澱粉、澱粉
加水分解物、サイクロデキストリン、蛋白、蛋白加水分
解物、複合蛋白質、加工澱粉、多価アルコール、アラビ
アガム、増粘安定剤、澱粉微生物培養物、ヘミセルロー
ス、水溶性皮膜形成合成高分子等が挙げられる。上記粉
末化基材は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み
合わせて用いてもよい。上記粉末化基材として用いられ
る澱粉、澱粉加水分解物、加工澱粉、サイクロデキスト
リン、蛋白、蛋白加水分解物、複合蛋白質は、例えば、
コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ
澱粉、又はこれら澱粉の加水分解物、コーン澱粉加水分
解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物、β−サイ
クロデキストリン、コーン蛋白、大豆蛋白、カゼインナ
トリウム、糖蛋白、脱脂乳、及びこれら蛋白の加水分解
物、ゼラチン、にかわ、小麦グルテン加水分解物、レシ
チン蛋白複合体等が挙げられる。上記粉末化基材に用い
られる加工澱粉とは、澱粉又は澱粉加水分解物を加工処
理したもので、例えば、酸化澱粉、一澱粉リン酸エステ
ル、二澱粉リン酸エステル、リン酸化二澱粉リン酸エス
テル、アセチル化二澱粉リン酸エステル、アセチル化澱
粉、アセチル化二澱粉アジピン酸、ヒドロキシプロピル
二澱粉リン酸エステル、オクテニルコハク酸澱粉ナトリ
ウム、オクテニルコハク酸澱粉加水分解物ナトリウム等
である。上記粉末化基材に用いられる多価アルコール
は、先に述べた油性組成物に用いることができる多価ア
ルコールと同じものを用いることができる。上記粉末化
基材に用いられる増粘安定剤は、例えば、キサンタンガ
ム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナ
ン、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェラン
ガム等が挙げられる。上記粉末化基材に用いられる澱粉
微生物培養物は、澱粉を微生物培養した後、抽出・精製
・乾燥等の処理をした中性多糖類で、食品、飼料、化粧
品、医薬品、工業等の分野で一般に利用されているもの
である。澱粉微生物培養物として、例えば、プルランが
挙げられる。上記粉末化基材に用いられるヘミセルロー
スとは、針葉樹、広葉樹、イネ科植物、種子、種子皮等
から抽出・精製した水溶性多糖質であり、また、これら
を、酸、アルカリ等による化学的処理や、熱、圧力等に
よる物理的処理、酵素等による生物的処理によって加水
分解したものである。上記ヘミセルロースは、食品、飼
料、化粧品、医薬品、工業等の分野で一般に利用されて
いるものである。ヘミセルロースとして、例えば、カラ
マツ属樹木中から抽出・精製したアラビノガラクタン、
トウモロコシの種皮から抽出・精製したコーンファイバ
ー(例えば、日本食品化工(株)製、セルエース#4
0)、大豆から抽出・精製したファイバー(不二製油
(株)製、ソヤファイブ−S)、小麦粉のキシラン等が
挙げられる。上記粉末化基材に用いられる水溶性被膜形
成合成高分子とは、例えば、カルボキシルメチルセルロ
ース、メチルセルロース、セルロースアセテートフタレ
ート、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ
ル、カルボキシビニルポリマー、ハイドロキシエチルセ
ルロース、ハイドロキシプロピルメチルセルロース、カ
ーボポール、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイ
ン酸)で、化粧品、医薬品、工業等の分野で一般に利用
されているものである。上記、粉末化基材は、単独で用
いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。上記粉末化基材の含有量は、粉末状組成物全重量に
対して、20〜99重量%、好ましくは40〜95重量
%、さらに好ましくは50〜90重量%である。
【0024】また、粉末組成物に、乳化剤を配合させる
ことにより、さらに流動性及び水分散性の良いものを得
ることができる。該乳化剤は、先に述べた油性組成物に
用いることができるHLB10以下の乳化剤及びHLB
10以上の乳化剤と同じものを用いることができる。上
記乳化剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み
合わせて用いてもよい。該乳化剤の好ましい配合量は、
粉末状組成物全重量に対して、0.01〜15重量%、
好ましくは0.01〜10重量%である。
【0025】更に、本発明品の粉末組成物には、公知の
粉末流動性向上剤(乳酸カルシウムやシリカゲル等)、
着色料、香料、pH調整剤等を配合又は添加することが
できる。該添加剤を添加する場合、その配合又は添加量
は、粉末重量に対して、好ましくは0.01〜5重量%
である。
【0026】本発明の乳化組成物の製造方法には特に制
限はないが、例えば、後述する方法によって製造するこ
とができる。上記粉末化基材を水に溶解ないし分散させ
た後、水性有効物質を含有する上記油性組成物を加え、
プロペラ、ホモミキサー、ホモディスパー、高圧ホモジ
ナイザー、マイクロフルイダイザー等の乳化機を用い
て、油性組成物を内相、粉末化基材溶液を外相とする乳
化液を調製する。乳化時の温度は、10〜90℃に調整
されているのが好ましい。この乳化液を、減圧乾燥、加
熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法を用いて水
分を蒸発させることにより本発明の粉末組成物を得る。
ここで、HLB10以下の乳化剤を添加する場合は、該
乳化剤を油性組成物に添加するのが好ましく、HLB1
0以上の乳化剤を添加する場合は、水に添加するのが好
ましい。上記油性組成物及び上記粉末化基材の混合割合
(上記油性組成物の重量部/上記粉末化基材の重量部)
は、1/99〜80/20であり、好ましくは、5/9
5〜60/40であり、さらに好ましくは10/90〜
50/50である。また、簡便な製造法として、次に述
べる粉体吸着法が挙げられる。上記粉末化基材を、ホバ
ートミキサー、ヘンシェルミキサー等の攪拌機に投入
後、流動している粉末化基材中に、上記油性組成物をゆ
っくり投入、混合することにより、本発明の粉末組成物
を得る。
【0027】本発明の粉末組成物は、水及び/又は一価
アルコールで希釈した状態や、そのままの状態で食品、
飼料、化粧品、工業製品、医薬品等に用いることができ
る。本発明の粉末組成物は、ラーメン、タンメン、うど
ん、そば、マカロニ、スパゲティ、フライ麺、ノンフラ
イ麺等の麺や、粉末及び液状スープ、たれ、ヨーグル
ト、調製乳、育児粉乳、アイスクリーム、ヨーグルト、
クリーム、ホイップクリーム等の乳製品、せんべい、ス
ナック、ビスケット、ウエハース、チョコレート、飴、
キャラメル、ガム、キャンディー、グミ等の菓子類、ち
くわ、かまぼこ、魚肉ソーセージ、魚肉ハム等の水産練
り製品、冷凍天ぷら、冷凍唐揚げ、冷凍フライ、冷凍餃
子、冷凍シュウマイ等の冷凍食品、みそ、ハンバーグ、
ハム、ソーセージ、餃子、シュウマイ、パン、食用油、
バター、マーガリン、ショートニング、チーズ、マヨネ
ーズ、ドレッシング、飲料、健康食品、治療食等の食
品、口紅、化粧用クリーム、乳液、シャンプー、リン
ス、パック剤、パップ剤等の化粧品、栄養ドリンク剤、
粉末薬、錠剤薬、軟膏、ビタミン薬等の医薬品及び医薬
部外品、肥料、潤滑油等の工業製品、その他飼料等に用
いることができる。
【0028】本発明の粉末組成物を水へ投入すると、水
性有効物質微粒子を含有する油粒子が分散した水溶液が
得られる。旨味や甘み又は香りを有する水性有効物質を
含有させた本発明の粉末組成物は、その旨味や甘み又は
香りを徐々に外部へ放出するため、味の持続効果を有す
る。苦みや渋みを有する水性有効物質を含有させた本発
明の粉末組成物は、その味を低減させるため、上記食品
や医薬品に利用した場合その味を低減させる。本発明の
粉末組成物は、錠剤や顆粒状の形態にして健康食品や薬
としての利用もできる。本発明の粉末組成物は、公知の
カプセル剤(ゼラチンカプセルや寒天カプセル等)へ封
入した形態での利用も可能である。また、従来は、水性
有効物質と油性有効物質とは、別々に食品、飼料、化粧
品、工業製品、医薬品へ添加されていたが、本発明の乳
化組成物及び粉末組成物においては、水性有効物質と油
性有効物質とを両方同時に添加することが可能となる。
また、水性有効物質が水溶液状態でなく、固体状態とし
て油性成分に被覆されているため、水性有効物質自体の
劣化、分解、腐敗等を防止することができる。
【0029】
〔固体相中の水性有効物質含有量〕
固体相中の水性有効物質含有量(重量%)=(水性有効
物質重量/(油性組成物中の水又はアルコール水溶液重
量+水又はアルコール水溶液を除いた固体相重量))×
100 〔固体相中の多価アルコール含有量〕 固体相中の多価アルコール含有量(重量%)=(多価ア
ルコール重量(固形分)/(油性組成物中の水又はアル
コール水溶液重量+水又はアルコール水溶液を除いた固
体相重量))×100 〔固体相の平均粒子径〕油性組成物の固体相の平均粒子
径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−500
型、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
【0030】参考例1 ギムネマシルベスタ抽出物70.0gと水550.0g
を混合して60℃に加温したものを水相とし、大豆油3
50.0g、デカグリセリンデカオレイン酸エステル
(阪本薬品工業(株)製、SYグリスターDAO−75
0、HLB:3)30gを混合して60℃で溶解させた
ものを油相とした。この油相に前記水相をゆっくり添加
しながらホモミキサーを用いて6000rpmで20分
間、60℃で混合乳化することによりW/O乳化物を得
た。次いで、得られた乳化物をオイルポンプを用いて減
圧脱水することにより、ギムネマシルベスタ抽出物を1
5.5重量%含有する液状茶色の油性組成物を得た。油
性組成物中の水分含有量は0.2重量%であった。油相
中に分散している固体相中の水分含有量は1.3重量
%、ギムネマシルベスタ抽出物の含有量は98.7重量
%であった。固体相の平均粒子径は2.3μmであっ
た。得られた油性組成物の保存安定性について、以下に
示す方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0031】〔油性組成物の保存安定性〕得られた油性
組成物を、5℃及び40℃の恒温槽に入れ、1ヶ月、3
ヶ月及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観を肉眼で
観察した。また、油性組成物を、室温に、1ヶ月、3ヶ
月及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観の肉眼によ
る観察も行った。それぞれ、下記評価基準に従って評価
を行った。なお、製造直後の肉眼観察についても表に記
載した。 ◎:油性組成物に異常が全く認められなかった。 ○:全体積の1%未満の油相分離が認められた。 △:全体積の1〜5%の油相分離が認められた。 ▲:全体積の5%以上の油相分離が認められた。 □:全体積の1%未満の固体相(又は水相)分離が認め
られた。 ■:全体積の1%以上の固体相(又は水相)分離が認め
られた。 ×:カビが発生した。
【0032】参考例2 ギムネマシルベスタ抽出物70.0g、グリセリン13
0.0g、水420.0gを混合して60℃に加温した
ものを水相とし、大豆油300.0g、トコフェロール
(日清製油(株)製、トコフェロール100)50.0
g、SYグリスターDAO−750、30gを混合して
60℃で溶解させたものを油相とした。以下参考例1の
方法と同様にして、ギムネマシルベスタ抽出物を12.
0重量%含有する液状茶色の油性組成物を得た。油性組
成物中の水分含有量は0.4重量%であった。油相中に
分散している固体相中の水分含有量は1.2重量%、ギ
ムネマシルベスタ抽出物の含有量は34.6重量%、グ
リセリン含量は64.3重量%であった。固体相の平均
粒子径は0.3μmであった。得られた油性組成物の保
存安定性について、以下に示す方法により評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0033】参考例3 ギムネマシルベスタ抽出物70.0g、D−ソルビトー
ル液(東和化成工業(株)製、ソルビットL−70、水
分含有量:30重量%)70.0g、水480.0gを
混合して60℃に加温したものを水相とし、大豆油34
0.0g、大豆硬化油(日清製油(株)製、大豆硬化油
34°)10.0g、テトラグリセリン縮合リシノレー
ト(理研ビタミン(株)製、ポエムPR−100、HL
B:0.3)28.0g、クエン酸モノグリセライド
(理研ビタミン(株)製、ポエムK−30、HLB:
3.0)2.0gを混合して60℃で溶解させたものを
油相とした。以下参考例1の方法と同様にしてギムネマ
シルベスタ抽出物13.5重量%含有する液状茶色の油
性組成物を得た。油性組成物中の水分含有量は3.8重
量%であった。油相中に分散している固体相中の水分含
有量は14.4重量%、ギムネマシルベスタ抽出物の含
有量は50.4重量%、D−ソルビット含有量は35.
3重量%であった。固体相の平均粒子径は0.7μmで
あった。得られた油性組成物の保存安定性について、参
考例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0034】参考例4 ローズマリー抽出物60.0g、10重量%エタノール
水溶液590.0gを混合溶解したものを水相(60
℃)とし、中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清製油(株)
製、ODO)300.0g、ポエムPR−100、3
0.0g、レシチン(日清製油(株)製、レシチンD
X)20.0gを混合して60℃で溶解させたものを油
相とした。この油相に前記水相をゆっくり添加しながら
ホモミキサーを用いて6000rpmで20分間、60℃
で混合乳化後、高圧ホモジナイザーを用いて100kg/
cm2の圧力で乳化処理することによりW/O乳化物を得
た。次いで、得られた乳化物をオイルポンプを用いて減
圧脱水することによりローズマリー抽出物14.6重量
%を含有する液状茶色の油性組成物を得た。油性組成物
中の水分含有量は0.2重量%であった。油相中に分散
している固体相中の水分含有量は1.4重量%、ローズ
マリー抽出物含有量は98.7重量%であった。固体相
の平均粒子径は1.0μmであった。得られた油性組成
物の保存安定性について、参考例1と同様の評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0035】参考例5 ビタミンB250.0g、テトラオレイン酸ポリオキシ
エチレン(40モル)ソルビット(花王(株)製、レオ
ドール440、HLB:11.8)1.0g、グリセリ
ン42.0g、水502.0gを混合溶解したものを水
相(60℃)とし、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリ
ル(日清製油(株)製、TIO)300.0g、流動パ
ラフィン50.0g、スクワラン5.0g、ポエムPR
−100、50.0gを混合して60℃で溶解させたも
のを油相とした。以下参考例1の方法と同様にしてビタ
ミンB2を10.0重量%を含有した液状黄色の油性組
成物を得た。油性組成物中の水分含有量は0.2重量%
であった。油相中に分散している固体相中の水分含有量
は1.1重量%、ビタミンB2の含量は53.2重量
%、グリセリン含有量は44.7重量%であった。固体
相の平均粒子径は0.5μmであった。得られた油性組
成物の保存安定性について、参考例1と同様の評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0036】比較参考例1 ギムネマシルベスタ抽出物140.0g、大豆油70
0.0g、SYグリスターDAO−750、140.0
gを混合して60℃に加温した。ホモミキサーを用いて
6000rpmで20分間、60℃で混合攪拌後、サンド
グラインダーで粉砕処理することにより液状茶色のギム
ネマシルベスタ抽出物含有油性組成物を得た。油性組成
物中の水分含有量は0.3重量%であった。油相中に分
散している固体相中の水分含有量は2.1重量%、ギム
ネマシルベスタ抽出物の含量は97.9重量%であっ
た。固体相の平均粒子径は2.1μmであった。得られ
た油性組成物の保存安定性について、参考例1と同様の
評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0037】比較参考例2 ギムネマシルベスタ抽出物140.0g、グリセリン8
0.0gを60℃で混合したものを、大豆油700.0
g、SYグリスターDAO−750、140.0gを6
0℃で混合した油相にゆっくり添加した。ホモミキサー
を用いて6000rpmで20分間、60℃で混合攪拌
後、サンドグラインダーで粉砕処理することにより液状
茶色のギムネマシルベスタ抽出物含有油性組成物を得た
が、ギムネマシルベスタ抽出物とグリセリンのペースト
状混合物が底に沈澱していた。
【0038】比較参考例3 ギムネマシルベスタ抽出物70.0g、水550.0g
を混合して60℃に加温したものを水相とし、大豆油3
50.0g、SYグリスターDAO−750、30.0
gを混合して60℃で溶解させたものを油相とした。こ
の油相に前記水相をゆっくり添加し、攪拌棒で20分間
攪拌乳化することによりW/O乳化物を得た。次いで、
得られた乳化物をオイルポンプを用いて減圧脱水するこ
とにより、ギムネマシルベスタ抽出物15.5重量%含
有する液状茶色の油性組成物を得た。油性組成物中の水
分含有量は0.3重量%であった。油相中に分散してい
る固体相中の水分含有量は1.9重量%、ギムネマシル
ベスタ抽出物含有量は98.1重量%であった。固体相
の平均粒子径は6.8μmであった。得られた油性組成
物の保存安定性について、参考例1と同様の評価を行っ
た。評価結果を表2に示す。
【0039】比較参考例4 ギムネマシルベスタ抽出物70.0g、水550.0g
を混合して60℃に加温したものを水相とし、大豆油3
50.0g、SYグリスターTS−310、30.0g
を混合して60℃で溶解させたものを油相とした。この
油相に前記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを
用いて6000rpmで20分間、60℃で混合乳化する
ことによりギムネマシルベスタ抽出物7.0重量%含有
する液状茶色のW/O乳化物を得た。乳化物中の水分含
有量は55.0重量%であった。水相中の水分含有量は
88.7重量%、ギムネマシルベスタ抽出物の含有量は
11.3重量%であった、乳化粒子の平均粒子径は2.
3μmであった。得られた乳化組成物の保存安定性につ
いて、参考例1と同様の評価を行った。評価結果を表2
に示す。
【0040】比較参考例5 ビタミンB250.0g、レオドール440、1.0
g、グリセリン42.0g、水502.0gを混合溶解
したものを水相(60℃)とし、TIO、300.0
g、流動パラフィン50.0g、スクワラン5.0g、
ポエムPR−100、50.0gを混合して60℃で溶
解させたものを油相とした。この油相に前記水相をゆっ
くり添加しながらホモミキサーを用いて6000rpmで
20分間、60℃で混合乳化することによりW/O乳化
物を得た。次いで、得られた乳化物をオイルポンプを用
いて参考例5よりも短い時間乾燥することにより、ビタ
ミンB 2を9.2重量%含有し、参考例5よりも水分含
有量が多い液状黄色のW/O乳化物を得た。乳化物中の
水分含有量は8.7重量%であった。水相中の水分含有
量は33.7重量%、ビタミンB2の含有量は35.6
重量%、グリセリン含有量は29.9重量%であった。
乳化粒子の平均粒子径は1.0μmであった。得られた
乳化組成物の保存安定性について、参考例1と同様の評
価を行った。評価結果を表2に示す。
【0041】比較参考例6 ギムネマシルベスタ抽出物70.0g、デカグリセリン
モノオレート(阪本薬品工業(株)製、SYグリスター
MO−750、HLB:13)30.0g、水550.
0gを混合して60℃に加温したものを水相とし、大豆
油350.0gを60℃で溶解させたものを油相とし
た。この油相に前記水相をゆっくり添加しながらホモミ
キサーを用いて6000rpmで20分間、60℃で混合
乳化を行ったが、W/O乳化物が転相してO/W乳化物
となってしまい、油性組成物は得られなかった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】実施例1 参考例1で得た油性組成物40gを60℃に加温した。
アラビアガム(三栄薬品貿易(株)製、アラビックコー
ルSS)60g、澱粉加水分解物(松谷化学工業(株)
製、パインデックス#3)100g、水400gを混合
して60℃に加温したものを水相とした。この水相に、
前記油性組成物をゆっくり添加しながらホモミキサーを
用いて4000rpmで20分間混合乳化することによ
り、乳化液を得た。この乳化液をスプレードライ乾燥す
ることにより、ギムネマシルベスタ抽出物を含有する流
動性の良い粉末組成物を得た。また、得られた粉末組成
物1gを水99gに添加することにより、白色の乳化液
を得た。この乳化液を顕微鏡で観測すると、油粒子中に
は5μm以下の固体相微粒子が存在していた。
【0045】実施例2 参考例2で得た油性組成物40gを60℃に加温した。
アラビックコールSS、60g、パインデックス#3、
100g、水400gを混合して60℃に加温したもの
を水相とした。以下実施例1と同様に操作することによ
り、ギムネマシルベスタ抽出物を含有する流動性の良い
粉末組成物を得た。また、得られた粉末組成物1gを水
99gに添加することにより、白色の乳化液を得た。こ
の乳化液を顕微鏡で観測すると、油粒子中には5μm以
下の固体相微粒子が存在していた。
【0046】実施例3 参考例3で得た油性組成物40gを60℃に加温した。
アラビックコールSS60g、パインデックス#3、1
00g、水400gを混合して60℃に加温したものを
水相とした。。以下実施例1と同様に操作することによ
り、ギムネマシルベスタ抽出物を含有する流動性の良い
粉末組成物を得た。また、得られた粉末組成物1gを水
99gに添加することにより、白色の乳化液を得た。こ
の乳化液を顕微鏡で観測すると、油粒子中には5μm以
下の固体相微粒子が存在していた。
【0047】実施例4 参考例4で得た油性組成物30g、グリセリン脂肪酸モ
ノエステル(理研ビタミン(株)製、エマルジーMU)
0.5gを混合し、60℃に加温した。化工澱粉(松谷
化学工業(株)製、エマルスター#30A)20g、パ
インデックス#3、149.5g、水400gを混合し
て60℃に加温したものを水相とした。以下実施例1と
同様に操作することにより、ローズマリー抽出物を含有
する流動性の良い粉末組成物を得た。また、得られた粉
末組成物1gを水99gに添加することにより、白色の
乳化液を得た。この乳化液を顕微鏡で観測すると、油粒
子中には5μm以下の固体相微粒子が存在していた。
【0048】実施例5 澱粉加水分解物(松谷化学工業(株)製、パインデック
ス#1)160gをホバートミキサーに投入し、粉末を
回転流動させているところへ、参考例5で得た油性組成
物40g(50℃)をゆっくり滴下後、20分間攪拌す
ることにより、ビタミンB2を含有する流動性の良い粉
末組成物を得た。また、得られた粉末組成物1gを水9
9gに添加することにより、白色の乳化液を得た。この
乳化液を顕微鏡で観測すると、油粒子中には5μm以下
の固体相微粒子が存在していた。
【0049】比較例1 パインデックス#1、160gをホバートミキサーに投
入し、粉末を回転流動させているところへ、参考例1で
得た油性組成物40g(50℃)をゆっくり滴下後、2
0分間攪拌することにより、ギムネマシルベスタ抽出物
を含有する流動性の良い粉末組成物を得た。また、得ら
れた粉末組成物1gを水99gに添加することにより、
白色の乳化液を得た。この乳化液を顕微鏡で観測した
が、油粒子中に微粒子は存在していなかった。
【0050】比較例2 パインデックス#1、160gをホバートミキサーに投
入し、粉末を回転流動させているところへ、参考例2で
得た油性組成物40g(50℃)をゆっくり滴下後、2
0分間攪拌することにより、ギムネマシルベスタ抽出物
を含有する粉末組成物を得た。得られた粉末は、沈澱し
ていたグリセリンを吸着させたため、塊を多く含む粉体
性状の悪いものであった。また、得られた粉末組成物1
gを水99gに添加することにより、白色の乳化液を得
た。この乳化液を顕微鏡で観測したが、油粒子中に微粒
子は存在していなかった。
【0051】比較例3 比較参考例3で得た油性組成物40gを60℃に加温し
た。アラビックコールSS、60g、パインデックス#
3、100g、水400gを混合して60℃に加温した
ものを水相とした。以下実施例1の方法と同様にするこ
とにより、ギムネマシルベスタ抽出物を含有する流動性
の良い粉末組成物を得た。また、得られた粉末組成物1
gを水99gに添加することにより、白色の乳化液を得
た。この乳化液を顕微鏡で観測したが、油粒子中に微粒
子は存在していなかった。
【0052】比較例4 比較参考例4で得た油性組成物40gを60℃に加温し
た。アラビックコールSS、60g、パインデックス#
3、100g、水400gを混合して60℃に加温した
ものを水相とした。以下比較例1と同様に操作すること
により、ギムネマシルベスタ抽出物を含有する粉末組成
物を得た。得られた粉末組成物は小さい塊を多く含有
し、湿り気のある粉体性状の悪いものであった。また、
得られた粉末組成物1gを水99gに添加することによ
り、白色の乳化液を得た。この乳化液を顕微鏡で観測し
たが、油粒子中に微粒子は存在していなかった。
【0053】比較例5 パインデックス#1、160gをホバートミキサーに投
入し、粉末を回転流動させているところへ、参考例5で
得た油性組成物40g(50℃)をゆっくり滴下後、2
0分間攪拌することにより、ビタミンB2を含有する粉
末組成物を得た。得られた粉末組成物は、湿り気のある
流動性の低い粉末であった。また、得られた粉末組成物
1gを水99gに添加することにより、白色の乳化液を
得た。この乳化液を顕微鏡で観測したが、油粒子中に微
粒子は存在していなかった。
【0054】(特定の油性組成物を含有する粉末組成物
の味覚試験)実施例1〜5、比較例1〜5で調製した各
種水性有効物質を含有する粉末組成物の味覚試験を健常
人20名に対して実施した。また、粉末組成物30gを
100gの水に混合した直後及び3時間プロペラ攪拌後
の溶液の味覚試験も実施した。それらの結果を表3に示
す。
【0055】
【表3】
【0056】[水性有効物質の保存安定性試験]実施例
5、比較例5の粉末組成物を、40℃の恒温槽で1ヶ月
間保存したときのビタミンB2残存率(%)を調べた。
ビタミンB2残存率の測定は、高速液体クロマトグラフ
ィー法を用いて行った。その結果を表4示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の粉末組成
物は、特定の油性組成物を、粉末基材に吸着・内包させ
たものである。特定の油性組成物とは、水性有効物質を
含有するW/O型乳化物を乾燥処理することにより得ら
れる、固体相微粒子が油相中に分散した油性組成物であ
る。前記固体相とは、水性有効物質を含有する平均粒子
径5μm以下の微粒子で、且つ、水分含有量が30重量
%以下で、好ましくは多価アルコールを含有するもので
ある。前記油相とは、油性成分及びHLBが10以下の
乳化剤を含有したものである。そのため、上記特定の油
性組成物を含有する粉末組成物は、水性有効物質の味が
低減されており、且つ水性有効物質が劣化しにくい。ま
た、本発明の粉末組成物は、水性有効物質の味の低減や
徐放効果を有するため、食品、飼料、医薬品、農薬にお
いて利用することができる。また、水性有効物質が劣化
しにくいため、機械その他各種工業分野において利用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA29 CC01 CC03 CC04 CC06 CC09 CC11 CC16 CC21 CC27 CC32 DD34 DD37 DD38 DD45 DD46 DD63F DD67 DD68F DD70 EE23F EE27F EE30 EE38 EE41F EE53 EE54 EE58 FF31 FF39 FF43 4H059 AA04 BA12 BA13 BC03 BC13 DA16 DA24 DA30 EA11 EA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性有効物質及び/又は水分散性有効物
    質、水又はアルコール水溶液を含有する水相と、油性成
    分及びHLBが10以下の乳化剤を含有してなる油相と
    を乳化したW/O型乳化物を乾燥処理して得られる、固
    体相微粒子が油相中に分散した油性組成物であって、該
    水溶性有効物質及び/又は該水分散性有効物質を含有す
    る該固体相が平均粒子径5μm以下で、且つ、該固体相
    中の水分含有量又はアルコール水溶液含有量が30重量
    %以下のものである上記油性組成物と、粉末化基材とか
    らなることを特徴とする粉末組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油性組成物と粉末化基材に
    さらに加えて乳化剤からなることを特徴とする粉末組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の油性組成物が、固体
    相の全重量に対して、分子内に2つ以上の水酸基を有す
    る多価アルコールを1〜90重量%含有するものであ
    る、請求項1又は2記載の粉末組成物。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の油性組成物が、油相
    に油溶性有効物質を含有するものである、請求項1〜3
    の何れか1項記載の粉末組成物。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の油性組成物が、固体
    相を5〜75重量%含有し、油相を95〜25重量%含
    有するものである、請求項1〜4の何れか1項記載の粉
    末組成物。
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