JP5154805B2 - 分散ヘスペレチン - Google Patents

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Description

本発明は、ヘスペレチンに関する。より詳細には、ヘスペレチン分散液、ヘスペレチン粒子を含む粉末およびこれらの製造方法に関する。
ヘスペリジンは、種々の生理活性を有することが公知である。ヘスペリジンは、例えば、血圧を下げる作用、抗アレルギー作用、LDL−コレステロールを減少させ血中コレステロール値を改善する作用、抗癌作用、毛細血管壁の透過性および脆弱性を低下させる作用、大腸炎抑制作用、関節炎抑制作用、血小板および細胞の凝集抑制作用などを有する。
ヘスペリジンは、天然の状態では、アグリコンであるヘスペレチンに糖が結合した配糖体の形で存在する。ヘスペリジンは、動物により摂取された後、腸管中に存在する細菌が産生する酵素により糖が加水分解されてアグリコンとなった後、大腸から体内に取り込まれると考えられている。
このように、ヘスペリジンおよびヘスペレチンは、非常に優れた生理作用を有する。しかも、ヘスペリジンは柑橘類の果実中に多量に存在することから、原料を容易にかつ安価に入手し得る。それにもかかわらず、ヘスペリジンおよびヘスペレチンの利用は非常に制限されている。なぜなら、ヘスペリジンおよびヘスペレチンは、水にはほとんど溶解しないからである。ヘスペリジンとヘスペレチンでは、ヘスペレチンの方が水への溶解度が低い。一般的なフラボノイドでは、アグリコンとその配糖体とでは、アグリコンの方が水への溶解度が低く、体内への吸収量は低い。しかし、ヘスペリジンとヘスペレチンとでは例外的に、アグリコンであるヘスペレチンの方が、配糖体であるヘスペリジンより容易に吸収されることが非特許文献1において示されている。そのため、ヘスペリジンよりもヘスペレチンを積極的に利用することが好ましい。
しかし、ヘスペレチンは水への溶解度が低いため、飲料などにヘスペレチンを添加するとすぐに沈澱してしまい、飲料の容器の底に大部分が残ってしまうために、有効に体内に取り込むことができない。従って、消費者に価値をアピールできる製品になりにくい。そのため、ヘスペレチンを飲料中に安定して分散させることが望ましい。
従来、種々の水不溶物に関して、水への分散が検討されている。例えば、特許文献1は、酵素分解レシチンおよび水不溶性ミネラルを含有してなるミネラル含有組成物を開示する。特許文献2は、乳化剤で被覆されたピロリン酸第二鉄を含有してなる抗酸化組成物を開示する。特許文献3は、従来の界面活性剤では不可能であった可溶化物または安定な乳化物の製造を可能にするポリグリセリン脂肪酸エステルを開示する。
しかし、特許文献1および特許文献2で分散させる対象として記載されているのは、それぞれ、水不溶性ミネラルおよびピロリン酸第二鉄という無機物であり、有機物であるヘスペレチンとは性質が全く異なる。
特許文献3で可溶化する対象として記載されているのは、ビタミンEなどの脂溶性ビタミン、βカロチンなどの油溶性色素、高度不飽和脂肪酸などの油溶性生理活性物質などの疎水性物質である。これらはいずれも常温で液体の物質であり、常温で固体のヘスペレチンとは性質が全く異なる。
このように、従来、ヘスペレチンを安定して水中に分散させることはできなかった。
国際公開第98/14072号パンフレット 特開2005−239693号公報 特開2006−111539号公報 Booth ANら,Metabolic fate of hesperidin,eriodictyol,homoeriodictyol and diosmin,J.Biol.Chem.230:661−668(1958)
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、安定なヘスペレチン分散液、ヘスペレチン粒子を含む粉末およびこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の界面活性剤を使用することにより、ヘスペレチン粒子が従来と比較して顕著に安定して分散した分散液が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する:
(項目1)
ヘスペレチン粒子、界面活性剤および溶媒を含むヘスペレチン分散液であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、ヘスペレチン分散液。
(項目2)
前記界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む、項目1に記載の分散液。
(項目3)
前記界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む、項目1に記載の分散液。
(項目4)
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと脂肪酸とがエステル化されることにより形成されたものであり、該ポリグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である、項目1に記載の分散液。
(項目5)
前記形成されたポリグリセリン脂肪酸エステルがデカグリセリンモノオレートである、項目4に記載の分散液。
(項目6)
前記界面活性剤が、デカグリセリンとオレイン酸とがエステル化されることにより形成されたデカグリセリンモノオレートと、クエン酸モノステリアン酸グリセリンと、酵素分解レシチンとを含み、該デカグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である、項目1に記載の分散液。
(項目7)
さらに多糖類を含む、項目1に記載の分散液。
(項目8)
前記多糖類が、アルギン酸およびアルギン酸エステルからなる群より選択される、項目7に記載の分散液。
(項目9)
前記多糖類がアルギン酸エステルである、項目7に記載の分散液。
(項目10)
前記ヘスペレチン粒子の平均粒子径が0.1μm〜10μmである、項目1に記載の分散液。
(項目11)
前記ヘスペレチン分散液中のヘスペレチン粒子の含有量が1重量%〜50重量%である、項目1に記載の分散液。
(項目12)
24時間静置後に沈澱が実質的に観察されない、項目1に記載の分散液。
(項目13)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む粉末であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、粉末。
(項目14)
前記界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む、項目13に記載の粉末。
(項目15)
前記界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む、項目13に記載の粉末。
(項目16)
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、ポリグリセリンと脂肪酸とがエステル化されることにより形成されたものであり、該ポリグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である、項目13に記載の粉末。
(項目17)
前記形成されたポリグリセリン脂肪酸エステルがデカグリセリンモノオレートである、項目16に記載の粉末。
(項目18)
前記界面活性剤が、デカグリセリンとオレイン酸とがエステル化されることにより形成されたデカグリセリンモノオレートと、クエン酸モノステリアン酸グリセリンと、酵素分解レシチンとを含み、該デカグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である、項目13に記載の粉末。
(項目19)
さらに多糖類を含む、項目13に記載の粉末。
(項目20)
前記多糖類が、アルギン酸およびアルギン酸エステルからなる群より選択される、項目19に記載の粉末。
(項目21)
前記多糖類がアルギン酸エステルである、項目19に記載の粉末。
(項目22)
前記ヘスペレチン粒子の平均粒子径が0.1μm〜10μmである、項目13に記載の粉末。
(項目23)
前記粉末中のヘスペレチン粒子の含有量が30重量%〜95重量%である、項目13に記載の粉末。
(項目24)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む飲食物であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、飲食物。
(項目25)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む医薬部外品であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、医薬部外品。
(項目26)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む医薬品であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、医薬品。
(項目27)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む皮膚外用剤であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、皮膚外用剤。
(項目28)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む入浴剤であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、入浴剤。
(項目29)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む飼料であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、飼料。
(項目30)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含むペットフードであって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、ペットフード。
(項目31)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む繊維であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、繊維。
(項目32)
ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む衣類であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される、衣類。
(項目33)
項目1に記載のヘスペレチン分散液の製造方法であって、該方法は、
ヘスペレチン原末と界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;および
該混合物を湿式磨砕機で粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程
を包含する、方法。
(項目34)
項目13に記載の粉末の製造方法であって、該方法は、
ヘスペレチン原末と界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;
該混合物を湿式磨砕機にかけて該混合物中の該ヘスペレチン原末を粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程;および
該ヘスペレチン分散液を乾燥して、ヘスペレチン粉末を得る工程
を包含する、方法。
(項目35)
前記乾燥がスプレードライにより行われる、項目34に記載の方法。
本発明のヘスペレチン分散液は、長期間にわたって保存しても沈澱が実質的に生じないという効果を有する。本発明のヘスペレチン分散液の製造工程において増粘の問題も生じないという効果も得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1.ヘスペレチン分散液の材料)
本発明のヘスペレチン分散液は、ヘスペレチン粒子、界面活性剤および溶媒を含む。本発明のヘスペレチン分散液の材料について、以下により詳細に説明する。
(1.1 ヘスペレチン粒子)
ヘスペレチンは、3’,5,7−トリヒドロキシ−4’−メトキシフラバノンとも呼ばれる。ヘスペレチンは、以下の構造を有する:
Figure 0005154805
ヘスペレチンは、ヘスペリジンのアグリコンである。ヘスペレチンは、ヘスペリジンをヘスペリジナーゼまたはナリンギナーゼによって分解することにより入手され得る。ヘスペリジンはフラボノイドの一種であり、柑橘類(例えば、温州みかん、夏みかん、伊予みかん、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ)に含まれており、特に温州みかんに多く含まれている。ヘスペリジンは、未熟期のみかんに多量に含まれる。ヘスペリジンは、ミカンの部位でも、黄色い外果皮と果肉との間にある、白い中果皮に最も多く含まれている。ヘスペリジンは、柑橘類の果皮、果汁または種子より抽出することができる。例えば、温州みかんの搾汁粕からヘスペリジンを抽出する場合は、水酸化カルシウムを加えてpHを11.5〜12.5に調整してから撹拌混合し、これを圧搾してから遠心分離する。この液に酸を加えてpHを5〜5.5にしてから加温し、遠心分離により沈澱しているヘスペリジンを回収する方法が示されている(特開平8−188593号公報)。その後、ヘスペリジン水溶液を調製し、糖部分を(例えば、ナリンギナーゼの作用または酸性条件での加水分解により)分解することにより、ヘスペレチンが得られ得る。柑橘類からヘスペリジンを得る方法の詳細は、例えば、King FEおよびRobertson A.,Natural glucosides,Part 3.J.Chem.soc.(II):1704−1709(1931)に記載される。あるいは、市販のヘスペリジンを原料として用いてもよい。ヘスペリジンは、例えば、ハマリ産業株式会社から販売される。ヘスペレチンは、ヘスペリジンのアグリコンである。ヘスペリジンから酸分解によってヘスペレチンを得る方法の詳細は、例えば、Asahina Y.ら,Flavanone glucosides(V):Reduction of flavanone and flavonol derivatives,J.Pharm.Soc−Japan 50:217−223(1931)に記載される。ヘスペレチンは、ヘスペリジンをラムノシダーゼおよびグルコシダーゼによって酵素分解することによっても入手され得る。
ヘスペレチンは無色針状または板状晶であり、融点は227〜228℃である。本明細書中では、「ヘスペレチン原末」とは、固体ヘスペレチンであって、粒子化処理が施されていないものをいう。針状または板状晶のヘスペレチンは、ヘスペレチン原末である。
本明細書中では、「ヘスペレチン粒子」とは、固体ヘスペレチンが粒状に分割されたものをいう。ヘスペレチン粒子の平均粒子径は、好ましくは約10μm以下であり、より好ましくは約5μm以下であり、さらに好ましくは約3μm以下であり、特に好ましくは約2μm以下であり、最も好ましくは約1μm以下である。ヘスペレチン粒子の平均粒子径に特に下限はないが、例えば、約0.01μm以上、約0.05μm以上、約0.1μm以上、約0.2μm以上、約0.3μm以上、約0.4μm以上、約0.5μm以上などであり得る。分散を容易にするためには、ヘスペレチン粒子の平均粒子径は可能な限り小さい方がよい。
ヘスペレチン粒子全体のうち、好ましくは約80体積%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上、最も好ましくは約99%以上の粒子の粒径が約1μm以下であることが好ましく、約0.8μm以下であることがより好ましく、約0.5μm以下であることが最も好ましい。
このような平均粒子径のヘスペレチン粒子は、ダイノーミル、レディミル、コボールミルなどの湿式粉砕機、ジェットミルなどの乾式粉砕機を用いた物理的粉砕方法によって入手され得る。ヘスペレチン粒子の平均粒径は、ベックマン・コールター社の湿式粒度分布計により測定され得る。
(1.2 界面活性剤)
本明細書中では、「界面活性剤」とは、分子内に親水基と親油基とを有し、かつ溶液の界面において、または液体と固体との界面において、界面活性を示す物質をいう。本発明で用いられる界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される。これらの界面活性剤を単独で使用してもより、2種以上組合せて用いてもよい。2種以上組合せて用いることが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンからなる群より選択される界面活性剤を含めば、さらに他の一般的な界面活性剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン誘導体等の非イオン性界面活性剤;両性界面活性剤;アニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;レシチン、酵素分解レシチン、サポニン、キラヤ抽出物等の天然物由来の界面活性剤)を併用してもよい。これらの一般的な界面活性剤についても1種で用いてもよく、または2種以上併用してもよい。
好ましくは、本発明で用いられる界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステルと酵素分解レシチンとを併用することにより、ヘスペレチン分散液の安定性が増す。
より好ましくは、本発明で用いられる界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンを併用することにより、ヘスペレチン分散液の安定性が極めて顕著に増す。
これら界面活性剤の分散液中での配合割合は特に限定されない。配合量が少なすぎると水中での分散状態が不安定になる場合があり、配合量が多すぎると分散液の粘度が高くなり取り扱いが不便になる場合がある。そのような観点からみると、界面活性剤の配合量は、好ましくは約0.01重量%以上であり、より好ましくは約0.05重量%以上であり、さらに好ましくは約0.1重量%以上であり、特に好ましくは約0.5重量%以上であり、最も好ましくは約1重量%以上である。分散液が、そのまま利用される飲料のような、比較的希薄なものである場合、界面活性剤の配合量は、好ましくは約0.01重量%以上であり、より好ましくは約0.02重量%以上であり、さらに好ましくは約0.03重量%以上であり、特に好ましくは約0.04重量%以上であり、最も好ましくは約0.05重量%以上である。分散液が、希薄な分散液を作製するためのストック溶液のような、比較的濃いものである場合、界面活性剤の配合量は、意図される濃縮度に応じて、例えば、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上などであり得る。
界面活性剤の配合量は、好ましくは約10重量%以下であり、より好ましくは約5重量%以下であり、さらに好ましくは約3重量%以下である。分散液が、そのまま利用される飲料のような、比較的希薄なものである場合、界面活性剤の配合量は、好ましくは約1重量%以下であり、より好ましくは約0.5重量%以下であり、さらに好ましくは約0.4重量%以下であり、さらにより好ましくは約0.3重量%以下であり、特に好ましくは約0.2重量%以下であり、最も好ましくは約0.1重量%以下である。分散液が、希薄な分散液を作製するためのストック溶液のような、比較的濃いものである場合、界面活性剤の配合量は、意図される濃縮度に応じて、例えば、約10重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下などであり得る。
(1.2.1 ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で用いられる「ポリグリセリン脂肪酸エステル」とは、グリセリンの縮合物と脂肪酸とをエステル化したものをいう。ポリグリセリンとは、グリセリンを脱水縮合するなどして得られる重合度2以上の化合物をいう。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステルであっても、ジエステルであっても、トリエステルであっても、それ以上エステル化されたものであってもよい。好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン脂肪酸モノエステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルは一般に種々の重合度のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物として市販される。このような市販の混合物は、どのような重合度のものが多いか、どのような脂肪酸のエステルが多いかなどによって種々のグレードのものが存在する。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、一般に、グリセリンの縮合度が2、3、4、5、6または10のものを主成分とするポリグリセリン脂肪酸エステル混合物が市販されており、これらのいずれかを利用することができる。なかでも親水性の高いグリセリン縮合度が5以上のものが好適に利用できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、1種類のポリグリセリン脂肪酸エステルからなるものを用いてもよく、複数種類のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物を用いてもよい。特定種類のポリグリセリン脂肪酸エステルの純度がなるべく高いものを使用することが好ましい。
さらに好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とがエステル化されることにより形成されたものであり、該ポリグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である。水酸基価とは、油脂およびロウの特性の1つである。「水酸基価」とは、試料油1gから得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。試料を過剰のアセチル化剤(例えば、無水酢酸)と加熱してアセチル化を行い、生成したアセチル化物のケン化価を測定したのち、次の式に従って計算する:
水酸基価={A/(1−0.00075A)}−B
(ただしAはアセチル化後のケン化価であり、Bはアセチル化前のケン化価を表す)。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの形成に使用されるポリグリセリンは、好ましくは、ポリグリセリン中の全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上であるポリグリセリンである。得られるポリグリセリン脂肪酸エステルの可溶化性能および乳化安定性の高さの観点から、1級水酸基の割合が約55%以上のポリグリセリンがより好ましく、約60%以上のポリグリセリンが最も好ましい。さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルの形成に使用されるポリグリセリンの水酸基価は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの親水性疎水性バランス(HLB)の観点から、約1100以下であることがより好ましく、約1000以下であることがさらに好ましく、約950以下であることが特に好ましく、約900以下であることが最も好ましい。作業性および脂肪酸とのエステル化の容易性の観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステルの形成に使用されるポリグリセリンの水酸基価は、約770以上であることが好ましく、約800以上であることが好ましく、約850以上であることが特に好ましいい。
親水性疎水性バランス(Hydrophile Lipophile Balance)をいい、一般に、20×M/Mにより計算され、ここで、M=親水基部分の分子量であり、M=分子全体の分子量である。HLB値は、分子中の親水基の量が0%のとき0であり、100%のとき20である。HLB値は、乳化剤では乳化剤分子を形成する親水性および疎水性の基の大きさと強さを表し、疎水性の高い乳化剤はHLB値が小さく、親水性の高い乳化剤はHLB値が大きい。
全ての水酸基のうちの1級水酸基の割合は、炭素原子に対する核磁気共鳴スペクトル(NMR)を測定する方法を用いて測定される。また、水酸基価は当該分野で公知の方法により測定することができる。炭素原子に対する核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、以下のようにして測定することができる。ポリグリセリン500mgを重水2.8mlに溶解し、ろ過後ゲートつきデカップリングにより13C−NMR(125MHz)スペクトルを得る。ゲートデカップルド測定手法によりピーク強度は炭素数に比例する。1級水酸基と2級水酸基の存在を示す13C化学シフトはそれぞれメチレン炭素(CHOH)が63ppm付近、メチン炭素(CHOH)が71ppm付近であり、2種それぞれのシグナル強度の分析により、1級水酸基と2級水酸基の存在比を算出する。但し、2級水酸基を示すメチン炭素(CHOH)は、1級水酸基を示すメチレン炭素に結合するメチン炭素にさらに隣接するメチレン炭素ピークと重なり、それ自体の積分値を得られないため、メチン炭素(CHOH)と隣り合うメチレン炭素(CH)の74ppm付近のシグナル強度により積分値を算出する。水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上であるポリグリセリンと脂肪酸とがエステル化されることにより形成されたポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、特開2006−111539号公報に記載の方法に従って製造され得る。形成されたポリグリセリン脂肪酸エステルは、好ましくはデカグリセリンモノオレートである。
最も好ましくは、界面活性剤は、デカグリセリンとオレイン酸とがエステル化されることにより形成されたデカグリセリンモノオレートと、クエン酸モノステリアン酸グリセリンと、酵素分解レシチンとを含み、このデカグリセリンの水酸基価が1200以下であり、かつ全ての水酸基のうち1級水酸基が50%以上である。
ポリグリセリンと反応してポリグリセリン脂肪酸エステルを形成するもう一つの構成成分である脂肪酸は、脂肪族モノカルボン酸であっても脂肪族ジカルボン酸であってもよい。好ましくは、脂肪族モノカルボン酸である。
脂肪酸は、天然の動植物より抽出した油脂を加水分解し、分離してあるいは分離せずに精製することにより入手され得る。脂肪酸はあるいは、石油などを原料にして化学的に合成することによって得られる脂肪酸であってもよい。脂肪酸はまた、これら脂肪酸を水素添加などして還元したもの、水酸基を含む脂肪酸を縮重合して得られる縮合脂肪酸、あるいは不飽和結合を有する脂肪酸を加熱重合して得られる重合脂肪酸であってもよい。これら脂肪酸の選択に当たっては所望の効果を勘案して適宜決めればよい。
脂肪酸は、炭素数3以上の脂肪酸である。脂肪酸の炭素数は、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上であり、殊に好ましくは12以上であり、特に好ましくは14以上であり、より好ましくは15以上であり、さらに好ましくは17以上である。脂肪酸の炭素数は好ましくは22以下である。脂肪酸は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい。二重結合を含まない脂肪酸を飽和脂肪酸という。飽和脂肪酸の例としては、酪酸(C4:0)、カプロン酸(C6:0)、カプリル酸(C8:0)、カプリン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、イソステアリン酸(C18:0)、12−ヒドロキシステアリン酸(C18:0)、リシノール酸(C18:0)、アラキジン酸(C20:0)、ベヘン酸(C22:0)、リグノセリン酸(C24:0)、セロチン酸(C26:0)、モンタン酸(C28:0)、メリシン酸(C30:0)などが挙げられる。飽和脂肪酸は好ましくは、酪酸(C4:0)、カプロン酸(C6:0)、カプリル酸(C8:0)、カプリン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、アラキジン酸(C20:0)およびベヘン酸(C22:0)からなる群より選択される。二重結合を含む脂肪酸を不飽和脂肪酸という。不飽和脂肪酸の例としては、ミリストレイン酸(C14:1)、パルミトオレイン酸(C16:1)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3)、γ−リノレン酸(C18:3)、エイコセン酸(C20:1)、ジホモ−γ−リノレン酸(C20:3)、アラキドン酸(C20:4)、エイコサペンタエン酸(C20:5)、エルカ酸(C22:1)、ドコサペンタエン酸(C22:5)、ドコサヘキサエン酸(C22:6)などが挙げられる。不飽和脂肪酸は好ましくは、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3)およびγ−リノレン酸(C18:3)からなる群より選択される。脂肪酸は好ましくはミリスチン酸(C14:0)またはオレイン酸(C18:1)である。
分散安定性の観点から、脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、縮合リシノール酸が好ましく、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸がより好ましい。
ポリグリセリン酸脂肪酸エステルのエステル化度については特に限定されないが、モノエステル含有量の高い、低エステル化度のものが好ましい。
(1.2.2 酵素分解レシチン)
本発明で用いられる「酵素分解レシチン」とは、レシチンを主成分として含むリン脂質混合物の脂肪酸エステル部分のみをホスホリパーゼによって限定的に加水分解することによって得られるものをいう。酵素分解レシチンを本発明において使用する際に、レシチンのホスホリパーゼ分解物のみからなる酵素分解レシチンを使用してもよく、レシチンのホスホリパーゼ分解物だけでなく、種々のリン脂質のホスホリパーゼ分解物をも含む混合物を使用してもよい。酵素分解レシチンは、ホスホリパーゼによる分解後に任意の精製方法によって精製されたものであってもよい。酵素分解レシチンはまた、既存添加物名簿に記載される酵素分解レシチン、すなわち、植物レシチンまたは卵黄レシチンから得られた、ホスファチジン酸およびリゾレシチンを主成分とするものであってもよい。既存添加物名簿では、「植物レシチン」とは、アブラナまたはダイズの種子から得られた、レシチンを主成分とするものをいう。既存添加物名簿では、「卵黄レシチン」とは、卵黄から得られた、レシチンを主成分とするものをいう。
狭義の「レシチン」とは、加水分解により、脂肪酸2分子とグリセロリン酸1分子とコリン1分子とを生じるリン脂質、すなわち、ホスファチジルコリンをいう。レシチンはまた、グリセリン骨格に脂肪酸残基とリン酸基、それに結合した塩基性化合物または糖からなっていてもよい。本発明においてレシチンを使用しようとする場合、純粋なレシチンを使用してもよく、レシチンを主成分とする混合物を使用してもよい。本明細書中では、「主成分とする」とは、その成分が、組成の好ましくは約5重量%以上、より好ましくは約10重量%以上、さらに好ましくは約15重量%以上、最も好ましくは約20重量%以上を占めることをいう。
酵素分解レシチンは、いずれもその親水基部分にリン酸基を有している。そのため、酵素分解レシチンは、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤と比較して、ヘスペレチンのような植物ステロール等の水難溶性有機化合物表面への吸着被覆力が著しく強い。そのため、酵素分解レシチンを用いると、ヘスペレチン表面に安定な吸着界面層が形成され、加熱処理を施した際にも剥離することなく、効果的に2次凝集を抑制することが可能となり、その結果として良好な分散性が得られる。
本発明で用いられる酵素分解レシチンとしては、一般的にはダイズ、ナタネなどの植物由来のレシチンから製造されたもの、ならびに鶏卵のような動物由来のレシチンから製造されたものが利用され得る。
本発明で用いられ得る酵素分解レシチンの例としては、植物レシチンまたは卵黄レシチンをホスホリパーゼAまたはホスホリパーゼDによって加水分解することで得られるものが挙げられる。このような酵素分解レシチンの例としては、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルイノシートルおよびリゾホスファチジルセリンを主成分とするモノアシルグリセロリン脂質混合物、ならびにホスファチジン酸、リゾホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロールおよびリゾホスファチジルグリセロールが挙げられる。それらの中では、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミンおよびリゾホスファチジルセリンが好ましく、リゾホスファチジルコリンがより好ましい。
レシチンの酵素分解に用いられるホスホリパーゼは、ホスホリパーゼAおよび/またはD活性を有するものであればよい。ホスホリパーゼは、ホスホリパーゼ活性を有すれば、ブタの膵臓などの動物起源、キャベツなどの植物起源、カビ類などの微生物起源などの任意のものに由来し得る。
酵素分解レシチンの分解率は、特に限定されない。分解率は、使用する目的に応じて適切に調整され得る。ヘスペレチンの2次凝集を抑える目的から、酵素分解レシチンの分解率は約20%〜約95%であることが好ましく、約30%〜約80%であることがより好ましい。酵素分解レシチンの分解率は、当該分野で公知の任意の方法によって測定され得る。例えば、分解率は、ホスファチジルコリンとリゾホスファチジルコリンとの比率をHPLCなどで測定することにより求められ得る。
本明細書では、「酵素分解レシチンの分解率」とは、酵素分解レシチン中のグリセリン骨格上の遊離水酸基のモル数の合計を、グリセリン骨格の総モル数の3倍で除算して100を乗ずることにより計算される。
(1.2.3 グリセリン脂肪酸有機酸エステル)
本発明で用いられる「グリセリン脂肪酸有機酸エステル」とは、グリセリン骨格に脂肪酸と脂肪酸以外の有機酸とがエステル結合したものをいう。グリセリン脂肪酸有機酸エステルは通常、有機酸と脂肪酸モノグリセリドのエステル反応によって得られる。グリセリン脂肪酸有機酸エステルの形成に使用され得る有機酸の例としては、酢酸、乳酸、ジアセチル酒石酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられる。ヘスペレチンの水溶液中での安定性の観点から、クエン酸およびコハク酸が好ましい。
グリセリン脂肪酸有機酸エステルの形成に使用される脂肪酸としては、上記「1.2.1 ポリグリセリン脂肪酸エステル」において詳述した炭素数6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が利用可能である。
(1.3 多糖類)
本発明の分散液は、さらに多糖類を含むと、より一層安定性の高い分散液となる。このような目的で使用される多糖類の例としては、アルギン酸、アルギン酸エステル、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガムおよびペクチンが挙げられる。多糖類は、好ましくはアルギン酸エステルである。多糖類は、単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。多糖類の中でも、アルギン酸およびアルギン酸の誘導体であるアルギン酸エステルは、本発明の分散液の安定化に特に好適に利用でき、さらにはアルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したものは本発明の分散液に最も好適に利用できる。アルギン酸エステルのエステル化度は好ましくは約75%以上であり、最も好ましくは約80%以上である。
この多糖類の分散液への配合割合は特に限定されない。配合量が少なすぎると、分散液の分散安定性が低下する場合があり、配合量が多すぎると分散液の粘度が著しく高くなるため取り扱いに支障を来たす場合がある。分散液中での多糖類の配合量は、好ましくは約0.1重量%以上であり、より好ましくは約0.5重量%以上である。分散液中での多糖類の配合量は、好ましくは約5重量%以下であり、より好ましくは約1重量%以下である。
(1.4 溶媒)
本発明のヘスペレチン分散液に用いられる溶媒は、任意の溶媒であり得る。溶媒は好ましくは、水または水と混和性の任意の有機溶媒であり、より好ましくは水またはエタノールであり、最も好ましくは水である。水と有機溶媒とを混合して用いてもよい。
水と有機溶媒とを混合する場合、溶媒全体のうちの水の割合は、約50容積%以上であることが好ましく、約60容積%以上であることが好ましく、約70容積%以上であることが好ましく、約80容積%以上であることが好ましく、約90容積%以上であることが好ましく、約95容積%以上であることが最も好ましい。水と混合される有機溶媒は、1種類であっても2種類以上であってもよい。環境への影響および人体への影響などを考慮すると、溶媒は水であるかまたは主に水からなることが好ましい。用語「主に水からなる」とは、溶媒の約80容積%以上が水であることをいう。
本発明の分散液は、取り扱いを容易にする程度に粘度が低いことが好ましい。
(1.5 ヘスペレチン粒子を製造する際に用いられる分散媒)
本発明のヘスペレチン分散液は、その製造時において、後述するように湿式粉砕装置を使用することが望ましい。湿式粉砕装置による処理を行うためには、上述した原料を分散させる分散媒が必要となる。分散媒は、任意の分散媒であり得る。分散媒は好ましくは、水または水と混和性の任意の有機溶媒であり、より好ましくは水またはエタノールであり、最も好ましくは水である。水と有機溶媒とを混合して用いてもよい。
水と有機溶媒とを混合する場合、分散媒全体のうちの水の割合は、約50容積%以上であることが好ましく、約60容積%以上であることが好ましく、約70容積%以上であることが好ましく、約80容積%以上であることが好ましく、約90容積%以上であることが好ましく、約95容積%以上であることが最も好ましい。水と混合される有機溶媒は、1種類であっても2種類以上であってもよい。環境への影響および人体への影響などを考慮すると、分散媒は水であるかまたは主に水からなることが好ましい。
これらの分散媒は、ヘスペレチン粒子の製造後、ヘスペレチン分散液の製造前に蒸発させてもよく、あるいは、そのままヘスペレチン分散液の溶媒として利用されてもよい。
産業上の安全性を考慮すると、菌の繁殖を防止できる多価アルコールまたは液糖を防腐剤として分散媒に添加することが望ましい。この目的で使用できる防腐剤の例としては、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、乳糖、砂糖、カップリングシュガー、ブドウ糖、酵素水飴、酸糖化水飴、麦芽糖水飴、麦芽糖、異性化糖、果糖、還元麦芽糖水飴、還元澱粉糖水飴、蜂蜜、果糖ブドウ糖液糖、およびこれらの水溶液が挙げられる。これらの防腐剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの防腐剤の中でも、ヘスペレチン分散液の調製のしやすさおよび安定性の観点から、グリセリン、還元澱粉糖水飴および果糖ブドウ糖液糖が好適に使用され得る。
(1.6 他の材料)
本発明の分散液は、必要に応じて、本発明のさらなる価値向上のために、上述の材料の作用を阻害しない範囲で、他の材料を含み得る。本発明の分散液の品質の安定化のために、チャ抽出物、カテキン、トコフェロールといった抗酸化剤を含んでもよい。
(2.ヘスペレチン分散液の製造方法)
本発明のヘスペレチン分散液の調製方法は特に限定されないが、好ましくは、本発明のヘスペレチン分散液は、ヘスペレチン原末と界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;および該混合物を湿式磨砕機にかけて該混合物中の該ヘスペレチン原末を粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程を包含する、方法により製造される。
ヘスペレチン分散液が多糖類を含む場合、本発明のヘスペレチン分散液は、例えば次のような工程で調製できる。まず、溶媒および必要に応じて防腐剤(例えば、グリセリン、液糖類など)に界面活性剤を添加し、約70℃以上に加熱してよく分散させる。次いで、予め粉体混合したヘスペレチン原末と多糖類とを、この界面活性剤分散液に加えて混合物を得る。この混合物を湿式磨砕機によって粉砕し、ヘスペレチン分散液を得る。この工程において、ヘスペレチン原末が湿式磨砕機でせん断力を受けた際、ヘスペレチンの表面に新たに現出する露出面に速やかに界面活性剤が吸着することが、ヘスペレチン粒子同士の凝集を阻害するために望ましい。そのため、湿式磨砕の工程では、ヘスペレチンと界面活性剤とが共存することが好ましい。
本発明のヘスペレチン分散液の製造に用いる機器は特に限定されない。ヘスペレチンを微細な粒子とするためには、湿式磨砕機を使用することが望ましい。湿式磨砕機とは、粉砕媒体としてガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ等を用い、粉砕室(ベッセル容器)中でディスクまたはローターを回転させることにより粉砕媒体同士を衝突させ、この粉砕室中に供給される被粉砕物スラリーに対してせん断力を生じさせ、スラリー中の固形分を粉砕する機械である。本発明で好適に用いられる粉砕媒体の例としては、アルミナビーズ、ジルコニアビーズおよびチタニアビーズが挙げられる。
粉砕媒体の粒径は特に限定されない。粉砕媒体の粒径は、好ましくは約1mm以下であり、より好ましくは約0.8mm以下であり、さらに好ましくは約0.5mm以下である。粉砕媒体の充填量は特に限定されない。粉砕媒体の充填量は、通常、粉砕室の有効容積に対して約50%以上であり、磨砕効率から好ましくは約70%以上であり、さらに好ましくは約80%以上である。
本発明で用いられる湿式磨砕機は特に限定されない。湿式磨砕機の例としては、一般的にコボールミル、ダイノーミル、サンドミル、レディミルなどと呼称されているものが挙げられる。本発明で用いられる湿式磨砕機は、縦型、横型、バッチ式、連続式などのいずれのタイプでも差し支えない。生産効率の観点から、連続式湿式磨砕機が推奨される。磨砕室の材質は任意の材質であり得るが、余分な異物が混入しないよう、金属製ではなくセラミック製であることが望ましい。
(3.ヘスペレチン分散液)
本発明のヘスペレチン分散液は、ヘスペレチン粒子、界面活性剤および溶媒を含む。本発明のヘスペレチン分散液は、ヘスペレチンを水に容易に安定的に分散させることができ、かつ取り扱いが容易なように設計されている。本発明のヘスペレチン分散液に用いられるヘスペレチン粒子、界面活性剤および溶媒については、上記1で説明したとおりである。
本発明のヘスペレチン分散液中には、ヘスペレチンが安定して分散している。「ヘスペレチンが安定して分散している」とは、ヘスペレチン分散液を室温(好ましくは約20℃)に少なくとも24時間放置した場合に、ヘスペレチンによる沈澱が実質的に観察されないことをいう。
本発明のヘスペレチン分散液は、24時間静置後に沈澱が実質的に観察されない。本発明の分散液は、好ましくは36時間静置後に、より好ましくは3日間後静置後に、さらに好ましくは4日間静置後に、なおさらに好ましくは5日間静置後に、ひときわ好ましくは6日間静置後に、いっそう好ましくは7日間静置後に、よりいっそう好ましくは2週間静置後に、特に好ましくは3週間静置後に、最も好ましくは1ヶ月静置後に沈澱が実質的に観察されない。
好ましくは、本発明のヘスペレチン分散液は、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌してから24時間静置後に沈澱が実質的に観察されず、さらに好ましくは36時間静置後に、より好ましくは3日間後静置後に、さらに好ましくは4日間静置後に、ひときわ好ましくは5日間静置後に、いっそう好ましくは6日間静置後に、よりいっそう好ましくは7日間静置後に、さらにいっそう好ましくは2週間静置後に、特に好ましくは3週間静置後に、最も好ましくは1ヶ月静置後に沈澱が実質的に観察されない。
「沈澱が実質的に観察されない」とは、沈澱がまったく観察されないか、または肉眼ではほとんど観察されないか、または観察されたとしてもごくわずかであることをいう。
ヘスペレチン分散液は、着色物質などを特に添加しなければ、乳白色を呈する。分散が不十分な分散液では、長時間静置すると、上部にある分散液の呈色が薄くなり、ひどい場合には透明になり、底部にある分散液の呈色が濃くなる。これに対して、本発明のヘスペレチン分散液は安定しているので、長時間静置しても、この呈色が実質的に均質なままである。本発明の分散液は、24時間静置後に、好ましくは36時間静置後に、より好ましくは3日間後静置後に、さらに好ましくは4日間静置後に、なおさらに好ましくは5日間静置後に、ひときわ好ましくは6日間静置後に、いっそう好ましくは7日間静置後に、よりいっそう好ましくは2週間静置後に、特に好ましくは3週間静置後に、最も好ましくは1ヶ月静置後に観察しても呈色が実質的に均質である。
好ましくは、本発明のヘスペレチン分散液は、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌してから24時間静置後に観察しても呈色が実質的に均一であり、さらに好ましくは36時間静置後に、より好ましくは3日間後静置後に、さらに好ましくは4日間静置後に、ひときわ好ましくは5日間静置後に、いっそう好ましくは6日間静置後に、よりいっそう好ましくは7日間静置後に、さらにいっそう好ましくは2週間静置後に、特に好ましくは3週間静置後に、最も好ましくは1ヶ月静置後に観察しても呈色が実質的に均質である。
「呈色が実質的に均質である」とは、分散液の上部の呈色と底部の呈色とが肉眼で区別がつかないことをいう。
ヘスペレチン分散液中のヘスペレチン粒子の含有量は、好ましくは約1重量%以上であり、より好ましくは約3重量%以上であり、さらに好ましくは約5重量%以上である。ヘスペレチン分散液が、より希薄なヘスペレチン分散液を製造するための原液として製造される場合、この濃厚なヘスペレチン分散液中のヘスペレチン粒子の含有量は、例えば、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上などであり得る。
ヘスペレチン分散液中のヘスペレチン粒子の含有量に特に上限はない。例えば、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下などであり得る。
ヘスペレチン分散液中の水の量は、好ましくは約90重量%以下であり、より好ましくは約80重量%以下であり、さらに好ましくは約70重量%以下であり、特に好ましくは約60重量%以下であり、最も好ましくは約50重量%以下である。ヘスペレチン分散液が、より希薄なヘスペレチン分散液を製造するための原液として製造される場合、この濃厚なヘスペレチン分散液中の水の量は、例えば、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下などであり得る。
ヘスペレチン分散液中の水の量に特に下限はない。例えば、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約30重量%以上、約50重量%以上などであり得る。
本発明のヘスペレチン分散液は、固形分量が低い場合、液体状を呈する。本発明のヘスペレチン分散液は、固形分量が多い場合、スラリー状を呈する。スラリー状の本発明のヘスペレチン分散液を水などの溶媒で薄めた場合もまた、安定したヘスペレチン分散液を得ることができる。
本発明のヘスペレチン分散液中に含まれるヘスペレチンは非常に微細な粒子となっている。ヘスペレチン粒子の粒子径は微細であるほど分散安定性が高い。本発明のヘスペレチン分散液は非常に濃厚でそのままでは粒度が測定できないことがあるので、そのような場合には、本発明のヘスペレチン分散液を水で薄めて、より希薄な分散液を作製し、その希薄な分散液中の粒径を測定する。例えば、本発明のヘスペレチン分散液を水で希釈し、例えばベックマン・コールター社の湿式粒度分布計で水中での粒度を測定した場合、平均粒子径が10μm以下であり、好ましくは1μm以下であることが望ましい。
本発明のヘスペレチン分散液は、そのまま飲食物として用いられてもよく、あるいは、より希薄なヘスペレチン分散液、飲食物などを製造するための原液として用いられてもよい。
(4.ヘスペレチン粒子、界面活性剤および多糖類を含む粉末の製造方法)
本発明のヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む粉末の製造方法は、ヘスペレチン原末と界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;該混合物を湿式磨砕機にかけて該混合物中の該ヘスペレチン原末を粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程;および該ヘスペレチン分散液を乾燥して、ヘスペレチン粉末を得る工程を包含する。
ヘスペレチン原末と界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程および該混合物を湿式磨砕機にかけて該混合物中の該ヘスペレチン原末を粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程については、上記「2.ヘスペレチン分散液の製造方法」に記載の通りである。
このようにして得られたヘスペレチン分散液を乾燥することにより、ヘスペレチン粉末が得られる。この乾燥は、当該分野で公知の任意の方法によって行われ得る。乾燥方法の例としては、スプレードライ、凍結乾燥、真空乾燥、ドラム乾燥などが挙げられる。スプレードライが好ましい。
(5.ヘスペレチン粒子、界面活性剤および多糖類を含む粉末)
本発明の粉末は、ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む粉末である。本発明の粉末に用いられるヘスペレチン粒子および界面活性剤については、上記1で説明したとおりである。
本発明の粉末中のヘスペレチン粒子の含有量は、好ましくは、約30重量%以上であり、より好ましくは約40重量%以上であり、さらに好ましくは約50重量%以上である。本発明の粉末中のヘスペレチン粒子の含有量に特に上限はない。例えば、約95重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下などであり得る。
本発明の粉末を水に添加して混合することにより、容易に安定なヘスペレチン分散液を得ることができる。
本発明の粉末を摂取した場合、本発明の粉末は、従来のヘスペレチン粉末よりも顕著に優れた効能を発揮する。
(6.ヘスペレチン粒子、界面活性剤および多糖類を含む飲食物)
本発明の飲食物は、ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む。本発明の飲食物に用いられるヘスペレチン粒子および界面活性剤については、上記1で説明したとおりである。
本発明の飲食物は、飲食物は、任意の飲食物であり得る。飲食物は、固体であっても、半固体であっても、液体であってもよいが、好ましくは液体である。飲食物は、好ましくは、健康食品であり、より好ましくは健康飲料であるが、これらに限定されない。健康食品は、その健康食品に含まれるヘスペレチンと同じ通常の用途に用いられ得る。健康食品の用途・効能の例としては、血流改善および冷え性改善用、肌状態改善用、コレステロール低下用、アレルギー症状改善用、ならびに抗炎症用が挙げられる。本発明の飲食物がこのような効能を有することは当該分野で公知の方法に従って確認され得る。本発明の飲食物は、摂取された場合、従来のヘスペレチン含有飲食物よりも顕著に優れた効能を発揮する。
飲食物の例としては、例えば、以下が挙げられる:即席食品(例えば、即席麺、カップ麺、レトルト食品、調理済み食品、調理済み缶詰、電子レンジ用食品、即席スープ、即席シチュー、即席みそ汁、即席吸い物、スープ缶詰、フリーズドライ食品);嗜好飲料類(例えば、炭酸飲料(サイダー、ラムネ等)、天然果汁、果汁飲料、清涼飲料、果汁入り清涼飲料水、果肉飲料、果粒入り果実食品、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、薬味飲料);小麦粉食品(例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、麺類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉、ギョーザの皮、春巻の皮);小麦粉食品以外の麺類(例えば、そば);菓子類(例えば、洋菓子(例えば、キャラメル、キャンディー、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、カステラ、パイ、スナック、クラッカー)、和菓子(例えば、ねりきり、あんこ、羊羹、饅頭)、米菓子(例えば、煎餅、あられ、餅)、豆菓子、デザート菓子(例えば、杏仁豆腐、ゼリー、寒天)、錠菓);冷菓(例えば、アイスミルク、氷菓);基礎調味料(例えば、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類、甘味料、魚醤、ニョクマム);複合調味料(例えば、風味調味料、調理ミックス、カレーの素、たれ類、ドレッシング、麺つゆ、スパイス);油脂食品(例えば、バター、マーガリン、マヨネーズ);乳および乳製品(例えば、牛乳、加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、バター、マーガリン、チーズ、ホイップクリーム、アイスクリーム、調製粉乳、クリーム);冷凍食品(例えば、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品);水産加工品(例えば、水産缶詰、ペースト類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、水産練り製品(例えば、蒲鉾、ちくわ)、水産珍味類、水産乾物類、佃煮);畜産加工品(例えば、畜産缶詰、畜産ペースト類、畜肉ハム、畜産ソーセージ、畜産珍味類);農産加工品(例えば、農産缶詰、果実缶詰、ジャム、マーマレード、果実ソース、漬物、煮豆、農産乾物類、シリアル);ベビーフード、離乳食;ふりかけ、お茶漬けのり;サプリメント、ドリンク剤。
本発明の飲食物を製造するには特別な工程を必要とせず、飲食物の製造工程の初期においてヘスペレチン粒子および界面活性剤、あるいは本発明のヘスペレチン分散液および粉末を飲食物の原料と共に添加するか、製造工程中に添加するか、あるいは製造工程の終期に添加する。添加方式は混和、混練、溶解、浸漬、散布、噴霧、塗布等通常の方法を飲食物の種類および性状に応じて選択する。本発明の飲食物は、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
(7.本発明のヘスペレチン分散液および粉末の用途)
本発明のヘスペレチン分散液および粉末は、飲食物、医薬部外品、医薬品、入浴剤、飼料、ペットフード等に幅広く利用できる。本発明のヘスペレチン分散液および粉末の用途はこれらに限定されない。
本発明のヘスペレチン分散液および粉末を利用し得る飲食物の好ましい具体例は、例えば、上記「6.ヘスペレチン粒子、界面活性剤および多糖類を含む飲食物」に記載の飲食物である。
本発明のヘスペレチン分散液は特に、長期間保存される飲食物への用途に適している。ヘスペレチン分散液が使用される飲食物の保存期間は好ましくは約1週間以上であり、より好ましくは約2週間以上であり、さらに好ましくは約1ヶ月以上であり、特に好ましくは約3ヶ月以上であり、最も好ましくは約6ヶ月以上である。ヘスペレチン分散液が使用される飲食物の保存期間に特に上限はなく、例えば、約5年以下、約3年以下、約2年以下、約1年以下、約6ヶ月以下、約3ヶ月以下などであり得る。
本発明の粉末は特に、分散液を作製した後短期間保存されて、その後摂取することが想定される用途(例えば、粉末飲料)、消費期限が比較的短い製品への用途(例えば、乳飲料などのチルド品)に適している。本発明の粉末が使用される飲食物の保存期間に特に下限はなく、例えば、約12時間以上、約1日以上、約2日以上、約3日以上、約4日以上、約5日以上などであり得る。本発明の粉末が使用される飲食物の保存期間は、好ましくは約2週間以下であり、より好ましくは約10日間以下であり、さらに好ましくは約1週間以下である。
本発明のヘスペレチン分散液および粉末を利用し得る医薬部外品および医薬品は、任意の医薬部外品および医薬品であり得る。医薬部外品および医薬品は、固体であっても、半固体であっても、液体であってもよいが、好ましくは液体である。
本発明のヘスペレチン分散液および粉末は、好ましくは、皮膚外用剤に用いられる。皮膚外用剤の例としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、養毛剤、育毛剤、パック、口紅、リップクリーム、メイクアップベースローション、メイクアップベースクリーム、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、シャンプー、リンス、ヘアーリキッド、ヘアートニック、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー、トリートメント、浴用剤、ハンドクリーム、レッグクリーム、ネッククリーム、ボディローションなどが挙げられる。
本発明のヘスペレチン分散液および粉末はまた、本発明のヘスペレチン分散液および粉末を繊維材料に混合したり、繊維に含浸させたり、または布帛の表面に塗布したりすることにより、その繊維または布帛から製造した衣類(例えば、肌着など)と皮膚とが接触したときにヘスペレチンが経皮吸収されるような利用方法におけるヘスペレチンを含む衣類の製造にも用いられ得る。
本発明のヘスペレチン分散液または粉末を含むこれらのものは、身体に利用した場合、従来のヘスペレチンを含むものよりも顕著に優れた効能を発揮する。
(8.本発明のヘスペレチン分散液またはヘスペレチン粉末の吸収性の確認方法)
本発明のヘスペレチン分散液および粉末は、安定したヘスペレチン分散液であるかまたはそのような分散液を形成し得るので、体内に摂取した場合に、単なるヘスペレチン粉末、安定でない従来のヘスペレチン分散液などと比較して顕著に吸収性が向上している。
本発明のヘスペレチン分散液またはヘスペレチン粉末の吸収性は、当該分野に公知の方法を用いて確認され得る。本発明のヘスペレチン分散液またはヘスペレチン粉末の吸収性は、例えば、以下のようにして測定され得る。予備飼育(例えば、約3日〜1週間)した動物(例えば、7週齢のオスddYマウス)を絶食(例えば、約14時間)させ、所定濃度のヘスペレチン分散液(例えば、200μl)を経口投与する。ゾンデを用いて胃に直接投与してもよい。投与後、経時的に(例えば、心臓から)採血し、血清を分離する。次いで、血清に対し、スルファターゼ、グルクロニダーゼを含む溶液を添加して反応させた後、アセトニトリルを添加して遠心分離し、上清を濃縮遠心により乾固する。これをアセトニトリル/メタノール/水(50:20:30、v/v/v)で溶解し、攪拌した後、ソニケーションし、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて電気化学検出器で検出することにより、得られた血清中のヘスペレチン誘導体量を定量する。
あるいは、得られた血液をJ.A.Boutinらの方法(The American
society for Pharmacology and Experimental Therapeutics,21,1157−1166(1993))によって前処理したのちに、HPLCを用いてそれに含まれるヘスペレチンの量を定量してもよい。J.A.Boutinらの方法は以下のとおりである。採取された血液500μlにアセトニトリル1000μlを添加し、充分振とうした後、15分間静置する。5500rpmで20分間遠心した後、その上清をとり、凍結乾燥する。凍結乾燥した試料をアセトニトリル/蒸留水(20/80;V/V,0.01M NaOH)溶液100μlで溶解し、HPLCで分析する。基本的なHPLCの条件は以下のとおりである:カラム:ODS、カラム温度:40℃、溶離液:アセトニトリル/蒸留水(20/80;V/V)、流速:0.5ml/min、検出:UV 280nm。血液中のヘスペレチン濃度は濃度既知のヘスペレチンを用いて検量線を作成し求める。なお、実験動物としてはマウスの他、ラットなどを用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1;ヘスペレチン分散液の製造)
還元澱粉糖化物(東和化成工業(株)製;商品名アマミール;固形分70%)715.5gに、界面活性剤であるデカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製;商品名サンソフトQ−17Y;デカグリセリンモノオレート;水酸基価868;1級水酸基の割合59.6%)10g、クエン酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学(株)製;商品名サンソフトNo.621B;クエン酸モノステアリン酸グリセリン10gおよび酵素分解レシチン(太陽化学(株)製;商品名サンレシチンA−1;酵素分解レシチンの含有量33.3%;ホスホリパーゼAにより分解;分解率50%以上)5gを加え、80℃に加熱してよく混合した。ここへヘスペレチン(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)170gとアルギン酸エステル((株)キミカ製;商品名キミロイドNLS−K;アルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したもの;エステル化度80%)10gを予め十分に粉体混合したものを添加し、さらに水79.5gを加え80℃で均一に攪拌した。これを連続式湿式磨砕機であるダイノーミル((株)シンマルエンタープライゼス)に投入して連続的に30分間粉砕し、本発明のヘスペレチン分散液710gを得た。なお、本ダイノーミルの粉砕室容量は0.6リットルであり、粉砕媒体として直径0.8mmのジルコニアビーズ0.48Lを使用した。
この分散液を測定時に水で適宜希釈してベックマン・コールター社の湿式粒度分布計にて粒度を測定したところ、分散液中の粒子の平均粒子径は0.7μmであった。
(比較例1;ヘスペレチン分散液の製造)
還元澱粉糖化物(東和化成工業(株)製;商品名アマミール;固形分70%)715.5gに、酵素分解レシチン(太陽化学(株)製;商品名サンレシチンA−1;酵素分解レシチンの含有量33.3%;ホスホリパーゼAにより分解;分解率50%以上)5gを加え、80℃に加熱してよく混合した。ここへヘスペレチン(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)170gとアルギン酸エステル((株)キミカ製;商品名キミロイドNLS−K;アルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したもの;エステル化度80%)10gを予め十分に粉体混合したものを添加し、さらに水99.5gを加え80℃で均一に攪拌した。これを連続式湿式磨砕機であるダイノーミル((株)シンマルエンタープライゼス)に投入して連続的に30分間粉砕し、ヘスペレチン分散液710gを得た。なお、本ダイノーミルの粉砕室容量は0.6リットルであり、粉砕媒体として直径0.8mmのジルコニアビーズ0.48Lを使用した。
この分散液を測定時に水で適宜希釈してベックマン・コールター社の湿式粒度分布計にて粒度を測定したところ、分散液中の粒子の平均粒子径は0.7μmであった。
(実施例2:ヘスペレチン分散液の製造)
還元澱粉糖化物(東和化成工業(株)製;商品名アマミール;固形分70%)715.1gに乳化剤であるデカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製;商品名サンソフトQ−17Y;デカグリセリンモノオレート;水酸基価868;1級水酸基の割合59.6%)10g、クエン酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学(株)製;商品名サンソフトNo.621B;クエン酸モノステアリン酸グリセリン10g、酵素分解レシチン(太陽化学(株)製;商品名サンレシチンA;酵素分解レシチンの含有量100.0;ホスホリパーゼAにより分解;分解率50%以上)5gおよび炭酸水素Na(純度100%)0.5gを加え、80℃に加熱してよく混合した。ここへヘスペレチン(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)170gとアルギン酸エステル((株)キミカ製;商品名キミロイドNLS−K;アルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したもの;エステル化度80%)10gを予め十分に粉体混合したものを添加し、さらに水79.4gを加え80℃で均一攪拌した。これを連続式湿式磨砕機であるダイノーミル((株)シンマルエンタープライゼス)に投入して連続的に30分間粉砕し、本発明のヘスペレチン分散液714gを得た。なお、本ダイノーミルの粉砕室容量は0.6リットルであり、粉砕媒体として直径0.8mmのジルコニアビーズ0.48Lを使用した。
この分散液を測定時に水で適宜希釈してベックマン・コールター社の湿式粒度分布計にて粒度を測定したところ、分散液中の粒子の平均粒子径は0.5μmであった。
(実施例3:ヘスペレチン分散液の製造)
グリセリン(日本油脂(株)製;商品名グリセリンS;純度100%)400.0g、還元澱粉糖化物(サンエイ糖化(株)製;商品名ダイヤトールN;固形分70%)315.5gに乳化剤であるデカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製;商品名サンソフトQ−17Y;デカグリセリンモノオレート;水酸基価868;1級水酸基の割合59.6%)10g、クエン酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学(株)製;商品名サンソフトNo.621B;クエン酸モノステアリン酸グリセリン)10gおよび酵素分解レシチン(太陽化学(株)製;商品名サンレシチンA−1;酵素分解レシチンの含有量 33.3%;ホスホリパーゼAにより分解;分解率50%以上)5gを加え、80℃に加熱してよく混合した。ここへヘスペレチン(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)170gとアルギン酸エステル((株)キミカ製;商品名キミロイドNLS−K;アルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したもの;エステル化度80%)10gを予め十分に粉体混合したものを添加し、さらに水79.5gを加え80℃で均一攪拌した。これをバッチ式湿式磨砕機であるレディミル((株)アイメックス)に一度に投入して90分間粉砕し、本発明のヘスペレチン分散液632.5gを得た。なお、本レディミルの粉砕室容量は2リットルであり、粉砕媒体として直径0.8mmのジルコニアビーズ1Lを使用した。
この分散液を測定時に水で適宜希釈して、ベックマン・コールター社の湿式粒度分布計にて粒度を測定したところ、分散液中の粒子の平均粒子径は0.8μmであった。
(実施例4:ヘスペレチン粉末の製造)
水795.0gに乳化剤であるデカグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製;商品名サンソフトQ−17Y;デカグリセリンモノオレート;水酸基価868;1級水酸基の割合59.6%)10g、クエン酸モノステアリン酸グリセリン(太陽化学(株)製;商品名サンソフトNo.621B;クエン酸モノステアリン酸グリセリン10gおよび酵素分解レシチン(太陽化学(株)製;商品名サンレシチンA−1;酵素分解レシチンの含有量33.3%;ホスホリパーゼAにより分解;分解率50%以上)5gを加え、80℃に加熱してよく混合した。ここへヘスペレチン(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)170gとアルギン酸エステル((株)キミカ製;商品名キミロイドNLS−K;アルギン酸をプロピレングリコールとエステル化したもの;エステル化度80%)10gを予め十分に粉体混合したものを添加し、80℃で均一攪拌した。これを連続式湿式磨砕機であるダイノーミル((株)シンマルエンタープライゼス)に投入して連続的に30分間粉砕し、本発明のヘスペレチン分散液714gを得た。なお、本ダイノーミルの粉砕室容量は0.6リットルであり、粉砕媒体として直径0.8mmのジルコニアビーズ0.48Lを使用した。
この分散液を測定時に水で適宜希釈して、ベックマン・コールター社の湿式粒度分布計にて粒度を測定したところ、分散液中の粒子の平均粒子径は、0.8μmであった。
さらに本分散液をL−8型スプレードライヤー(大川原加工機(株))で噴霧乾燥を行い、粉末製剤146gを得た。
(評価例1:ヘスペレチン分散液から製造した希薄な分散液の分散安定性の確認)
実施例1のヘスペレチン分散液1.765g(ヘスペレチン含量0.3g)、果糖ブドウ糖液糖(加藤化学(株)商品名 ハイフラクトーカ75)10gおよびクエン酸0.1gを約50mlの水に加え良く撹拌した後、さらに水を加え100mlにメスアップして希薄な分散液を得た。この希薄な分散液をガラス瓶に入れ金属キャップで密封した後、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌した。加熱殺菌後の希薄な分散液に沈澱はみられず、またこの分散液は均質な乳白色を呈していた。このガラス瓶を2群に分け、一方を室温(20〜30℃程度)に、他方を冷蔵庫(5℃程度)に静置したところ24時間後も沈澱は見られず、またこれらの分散液は均質な乳白色を呈していた。さらに同じ条件で静置を続けたところ、静置1ヵ月後たっても、室温の条件でも冷蔵庫の条件でも沈澱はみられず、またこれらの分散液は均質な乳白色を呈していた。
このことから、本発明のヘスペレチン分散液を用いて製造される希薄な分散液は、非常に優れた分散安定性を有することがわかった。
(評価例2:本発明のヘスペレチン粉末製剤から製造したヘスペレチン分散液の分散安定性の確認)
実施例4のヘスペレチン粉末製剤0.36g(ヘスペレチン含量0.3g)、果糖ブドウ糖液糖(加藤化学(株)商品名 ハイフラクトーカ75)10gおよびクエン酸0.1gを約50mlの水に加え良く撹拌した後、さらに水を加え100mlにメスアップして分散液を得た。この分散液をガラス瓶に入れ金属キャップで密封した後、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌した。加熱殺菌後の希薄な分散液に沈澱はみられず、またこの分散液は均質な乳白色を呈していた。このガラス瓶を2群に分け、一方を室温(20〜30℃程度)に、他方を冷蔵庫(5℃程度)に静置したところ24時間後も沈澱は見られず、またこの分散液は均質な乳白色を呈していた。さらに同じ条件で静置を続けたところ、静置1ヵ月後には、室温の条件でも冷蔵庫の条件でも、うっすらと少量の沈澱が認められたが、この沈澱の量は比較評価例1および2で観察される沈澱の量と比較すると極めて少なかった。また、静置1ヵ月後の分散液は均質な乳白色を呈していた。
このことから、本発明のヘスペレチン粉末を用いて製造される分散液は、非常に優れた分散安定性を有することがわかった。
(比較評価例1:従来のヘスペレチン粉末から製造したヘスペレチン分散液)
ヘスペレチン粉末(江崎グリコ(株)製;平均粒径20μm程度の粉末;純度90%)0.3g、果糖ブドウ糖液糖(加藤化学(株)商品名 ハイフラクトーカ75)10g、クエン酸0.1gを約50mlの水に加え良く撹拌した後、さらに水を加え100mlにメスアップした溶液をガラス瓶に入れ金属キャップで密封した後、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌した。このガラス瓶を2群に分け、一方を室温(20〜30℃程度)に、他方を冷蔵庫(5℃程度)に静置したところ静置直後からヘスペレチンの沈澱が見られた。
(比較評価例2:スペレチン分散液から製造した希薄な分散液の分散安定性の確認)
比較例1のヘスペレチン分散液1.765g(ヘスペレチン含量0.3g)、果糖ブドウ糖液糖(加藤化学(株)商品名 ハイフラクトーカ75)10gおよびクエン酸0.1gを約50mlの水に加え良く撹拌した後、さらに水を加え100mlにメスアップして希薄な分散液を得た。この希薄な分散液をガラス瓶に入れ金属キャップで密封した後、90℃の熱水中で20分間加熱殺菌した。このガラス瓶を2群に分け、一方を室温(20〜30℃程度)に、他方を冷蔵庫(5℃程度)に静置したところいずれにおいても静置直後からヘスペレチンの沈澱が見られた。
このことから、ヘスペレチン粒子の粒径を細かくしても、界面活性剤を用いなければ、安定なヘスペレチン分散液を得ることはできないことがわかった。
(評価例3:マウスにおける本発明のヘスペレチン分散液の吸収性試験)
ヘスペレチン濃度が5mg/mlとなるように実施例1のヘスペレチン分散液を水に分散したものをヘスペレチン分散液とする。
7週齢のddYマウス(雄)に飼料としてMF(オリエンタル酵母(株)製)を与えて3日間予備飼育した後、試験物質投与前14時間絶食下においた。その後、ヘスペレチン分散液(ヘスペレチン濃度:5mg/ml)を200μl経口投与した。投与15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後および8時間後にそれぞれ5〜7匹のマウスの心臓より採血し、常法により血清を分離した。
採取した血清試料中のヘスペリジン誘導体量を定量するために、各血清試料50μlに対し、スルファターゼH−2(シグマアルドリッチ ジャパン株式会社製)を酢酸緩衝液(0.1M、pH5.0)で10倍希釈したものを50μl加えて37℃で2時間反応させた。次いで、この反応液にアセトニトリル750μlを加え十分に攪拌した後、遠心分離し、上清を濃縮遠心により乾固して固体を得た。この固体を100〜400μlのアセトニトリル/メタノール/水(50:20:30、v/v/v)で溶解し、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。それぞれの血清試料中のヘスペレチンの濃度を、ヘスペレチンを標準として換算することによって求めた。結果を表1および図1に示す。また、このグラフの0時間〜4時間の曲線下面積(AUC)を計算した。結果を表2に示す。
(比較評価例3:マウスにおける従来のヘスペレチンの吸収性試験)
蒸留水10mlにヘスペレチン(シグマアルドリッチ ジャパン株式会社製)50mgを加えてヘスペレチン懸濁液を調製した(ヘスペレチン濃度5mg/ml)。この溶液をよく撹拌した後すばやく200μlとり、評価例3と同様の条件の47匹のddYマウス(雄)に経口投与し、評価例3と同様の方法で吸収性を測定した。結果を表1および図1に示す。また、このグラフの0時間〜4時間の曲線下面積(AUC)を計算した。結果を表2に示す。
(比較評価例4:マウスにおけるヘスペリジンの吸収性試験)
蒸留水10mlにヘスペリジン(シグマアルドリッチ ジャパン株式会社より購入;純度80%)を126mg(ヘスペリジン換算101mg)加えてヘスペリジン懸濁液を調製した(ヘスペレチン濃度5mg/ml)。この溶液をよく撹拌した後すばやく200μlとり、評価例3と同様の条件の47匹のddYマウス(雄)に経口投与し、評価例3と同様の方法で吸収性を測定した。結果を表1および図1に示す。また、このグラフの0時間〜4時間の曲線下面積(AUC)を計算した。結果を表2に示す。
(比較評価例5:酵素処理ヘスペリジンの吸収性試験)
蒸留水10mlに酵素処理ヘスペリジン(ヘスペリジンにさらにグルコース残基が1個付加されたもの;江崎グリコ株式会社より購入;商品名αGヘスペリジンPA−T;純度70%)182mgを加えて酵素処理ヘスペリジン溶液を調製した(ヘスペレチン濃度5mg/ml)。この溶液を200μlとり、評価例3と同様の条件の47匹のddYマウス(雄)に経口投与し、評価例3と同様の方法で吸収性を測定した。結果を表1および図1に示す。また、このグラフの0時間〜4時間の曲線下面積(AUC)を計算した。結果を表2に示す。
(評価例3および比較評価例3〜5の結果のまとめ)
以下の表1は、評価例3および比較評価例3〜5において得られた血清ヘスペレチン濃度(ng/ml)を示す。
Figure 0005154805
これらの結果、本発明のヘスペレチン分散液の投与から15分後の血清中ヘスペレチン濃度は、ヘスペレチン、ヘスペリジンおよび酵素処理ヘスペリジンを投与した場合の血清中ヘスペレチン濃度に比べてそれぞれ、約2.8倍、約310倍および約80倍の高濃度であることが示された。
以下の表2は、分散した状態のヘスペレチンを投与したときの投与0時間〜4時間の曲線下面積(AUC)を示す。
Figure 0005154805
表2において相対比は、ヘスペレチンのAUCを1.0としたときの比を示す。本発明のヘスペレチン分散液を投与したときの投与0〜4時間のAUC(血中濃度下面積)は、ヘスペレチン、ヘスペリジンおよび酵素処理ヘスペリジンを投与した場合のAUCと比べてそれぞれ、約1.4倍、約55倍および約15倍と顕著に高い値を示した。この結果から、ヘスペレチンを安定して分散することにより体内への吸収効率が高くなることが分かった。
(実施例5:ヘスペレチン分散物飲料の作製)
以下の表3に記載の割合で以下の表3に記載の材料を混合して、ヘスペレチン分散物飲料を作製した。
Figure 0005154805
上記材料を混合溶解後、外から中身が識別できないように、100ml容量のアルミボトル缶に充填し、密封後、90℃の熱水中で10分間加熱殺菌した。
(評価例4および比較評価例6〜7:血流および冷え性改善効果の確認)
(1.試験内容)
年齢19〜22歳の健康な女子学生12名を対象者とした。なお、対象者には、試験内容および試験方法に関する説明を行い、文書による同意を得た。試験を各対象者の月経終了後2週間以内に実施した。試験時間は、午後3時〜午後5時または午後5時〜午後7時であった。
試験食品は、(1)実施例5で作製したヘスペレチン分散物飲料(ヘスペレチンに換算して175mg分)100ml(評価例4)、(2)αGヘスペリジン入り飲料(ヘスペレチンの代わりにαGヘスペリジンをヘスペレチンに換算して175mg分含むこと以外は(2)と同じ成分の飲料)100ml(比較評価例6)、または(3)プラセボ(αGヘスペリジンもヘスペレチンも含まないこと以外は(1)、(2)と同じ成分の飲料)100ml(比較評価例7)のいずれかであった。試験食品を37℃で試験に供した。対象者および測定者にはどの試験食品を摂取したかの違いがわからないように工夫した(二重盲検とした)。
(2.測定方法)
体表温測定および血流測定を実施した。体表温測定には、皮膚温測定装置(安立計器)を用い、「左手中指背側」および「左足首」の2箇所について測定した。血流測定には、半導体レーザー血流装置((株)ADVANCE)を用い、「左手中指腹側第二関節」で連続的に測定した。
(3.試験スケジュール)
試験の被験者を、食事摂取後3時間以上空けて空腹状態で前室へ入室させた。その後、室温に順応させるために30分間安静にさせた。被験者には指定の衣服(ジャージの上下+Tシャツ)に着替えてもらった。試験室入室後、測定機械を装着し、体表温測定、鼓膜温測定および血流測定を開始した。入室から10分以内に装置を装着後、入室から10分後に試験食品)を摂取し、その後72分間連続して測定を行った。このスケジュールを図2に示す。
(4.測定室の環境条件)
前室の室温は23℃±0.5℃であり、試験室の室温は21.5(20.7〜21.5)℃であり、前室および試験室のいずれも相対湿度50%±10%であった。
(5.その他の指示事項)
対象者には試験中安静にするよう指示し、私語および居眠りを厳しく禁じた。また、特に左手の安静を厳守させた。試験中、左手の先端が机および布に触れないように注意した。
(6.結果)
代表的な結果として、左手中指腹側第二関節の血流変化量(ml/min)を表4に、左手の指先(中指背側)の表面温度の変化量(℃)を表5に、そして左足首の表面温度の変化量(℃)を表6に示す。これらの数値はいずれも、12人の対象者の平均である。
Figure 0005154805
Figure 0005154805
Figure 0005154805
手の指先血流に関して、摂取から9分後、14分後および30分後では、ヘスペレチン分散物を用いた場合、αGヘスペリジンおよびプラセボに比べ血流増加量が多かった。
手の指先の表面温度に関して、摂取から9分後、14分後、30分後および60分後のいずれの時点でも、ヘスペレチン分散物を用いた場合にプラセボまたはαGヘスペリジンを用いた場合に比べて温度上昇が高かった。60分後には、αGヘスペリジンを用いた場合にはプラセボとほぼ同じ温度上昇であったのと比較して、ヘスペレチン分散物を用いた場合は、プラセボに対して高い値を保っていた。
足首の表面温度において、摂取から9分後および14分後では、ヘスペレチン分散物を用いた場合、プラセボまたはαGヘスペリジンを用いた場合に比べて、体温低下が抑制されている。摂取から30分後にはαGヘスペリジンを用いた場合もヘスペレチン分散物を用いた場合と同程度にプラセボに比べ体温低下が抑制されている。60分後では、ヘスペレチン分散物またはαGヘスペリジンを用いた場合にプラセボに比べ体温低下が抑制されているが、ヘスペレチン分散物を用いた場合の方が、αGヘスペリジンを用いた場合よりも顕著に体温低下が抑制されている。
(評価例5:本発明のヘスペレチン分散液のヒト吸収性試験)
実施例1に従って調製したヘスペレチン分散液(ヘスペレチン含量17%)を水でヘスペレチン濃度3mg/mlとなるように希釈後よく撹拌混合し、分散ヘスペレチン溶液とした。
健康な成人男性を被験者とし、前日の午後9時30分以降絶食し、朝9時30分に分散ヘスペレチン溶液100ml(ヘスペレチン含有量300mg)を摂取させる。摂取前および摂取後の所定の時間に、上腕部静脈から約5mlの血液を経時的に採取し、遠心分離により血清を分離する。
採取した血清試料中のヘスペリジン誘導体量を定量するために、各血清試料500μlに対し、酢酸緩衝液(0.1M、pH4.5)を500μl加える。さらに、スルファターゼH−2(シグマアルドリッチ ジャパン株式会社製)を酢酸緩衝液(0.1M、pH5.0)で10倍希釈したものを100μl加えて37℃で2時間反応させる。次いで、シュウ酸(0.01M)を500μl添加し、十分に攪拌した後遠心分離し、上清を平衡化したOasis HLB 30mg/1cc(日本ウォーターズ株式会社製)にロードする。シュウ酸(0.01M)1ml、水1mlで洗浄後、メタノール1mlで溶出回収する。これを濃縮遠心により乾固する。ここに200μlのアセトニトリルを添加、撹拌後15分程度ソニケーションし、溶解させ、遠心分離後、上清を高速液体クロマトグラフィーにかけ、電気化学検出器(ESA社製 クーロケムIII)を使用して分析する。それぞれの血清試料中のヘスペレチンの濃度を、ヘスペレチンを標準として換算することによって求める。この結果、分散ヘスペレチン溶液を摂取した場合のヘスペレチン吸収量は、ヘスペレチンを摂取した場合に比べ、有意に高い値を示す。それゆえ、ヒトにおいても、評価例3におけるマウスの結果同様、ヘスペレチンを安定して分散させることにより吸収性が向上することがわかる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明のヘスペレチン分散液は、安定したヘスペレチン分散液であるので、長期保存される食品、特に飲料などに好適に使用され得る。本発明の粉末は、このようなヘスペレチン分散液を製造するために有効に使用され得るので、広範囲に利用され得る。本発明のヘスペレチン分散液および粉末は、従来のヘスペレチンよりも生体への吸収性が向上しているので、種々の用途に好適に使用され得る。
図1は、実施例1のヘスペレチン分散液(評価例3)、従来のヘスペレチン懸濁液(比較評価例3)、ヘスペリジン(比較評価例4)または酵素処理ヘスペリジン(比較評価例5)を投与したマウスの血清中ヘスペレチン濃度を示すグラフである。 図2は、評価例4および比較評価例6〜7で使用した試験スケジュールを模式的に示す図である。

Claims (18)

  1. ヘスペレチン粒子、界面活性剤および溶媒を含むヘスペレチン分散液であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、ヘスペレチン分散液。
  2. 前記ヘスペレチン粒子の平均粒子径が0.1μm〜10μmである、請求項1に記載の分散液。
  3. 前記ヘスペレチン分散液中のヘスペレチン粒子の含有量が1重量%〜50重量%である、請求項1に記載の分散液。
  4. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む粉末であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、粉末。
  5. 前記ヘスペレチン粒子の平均粒子径が0.1μm〜10μmである、請求項に記載の粉末。
  6. 前記粉末中のヘスペレチン粒子の含有量が30重量%〜95重量%である、請求項に記載の粉末。
  7. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む飲食物であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、飲食物。
  8. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む医薬部外品であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、医薬部外品。
  9. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む医薬品であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、医薬品。
  10. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む皮膚外用剤であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、皮膚外用剤。
  11. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む入浴剤であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、入浴剤。
  12. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む飼料であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、飼料。
  13. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含むペットフードであって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、ペットフード。
  14. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む繊維であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、繊維。
  15. ヘスペレチン粒子および界面活性剤を含む衣類であって、該界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸有機酸エステルおよび酵素分解レシチンである、衣類。
  16. 請求項1に記載のヘスペレチン分散液の製造方法であって、該方法は、
    ヘスペレチン原末と前記界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;および
    該混合物を湿式磨砕機で粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程
    を包含する、方法。
  17. 請求項に記載の粉末の製造方法であって、該方法は、
    ヘスペレチン原末と前記界面活性剤と溶媒とを混合して混合物を得る工程;
    該混合物を湿式磨砕機にかけて該混合物中の該ヘスペレチン原末を粉砕して、ヘスペレチン分散液を得る工程;および
    該ヘスペレチン分散液を乾燥して、ヘスペレチン粉末を得る工程
    を包含する、方法。
  18. 前記乾燥が凍結乾燥により行われる、請求項17に記載の方法。
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