JP2004065176A - 乳化剤 - Google Patents

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JP2004065176A
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Kazuya Yamamoto
山本一也
Yoshifumi Okamura
岡村喜史
Shinji Matsumoto
松元慎治
Katsuma Seri
世利勝馬
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Ezaki Glico Co Ltd
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Abstract

【課題】飽和脂肪酸を構成要素とする融点の高い乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルを食品等に添加する際に、その乳化剤本来の融点よりも低い温度でも食品等への分散・混和が容易となる方法を提供し、それによって食品等の加熱・冷却工程でのエネルギー消費量の低減、乳化剤混合工程に要する時間の短縮、ならびに、加熱中の食品の品質劣化防止を達成する方法を提供するものである。
【解決手段】溶融状態とした、炭素数14〜22からなる飽和脂肪酸が少なくとも1分子結合した、重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルとリン脂質を混和することによって得られる乳化剤を使用する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、融点の高い乳化剤をフライ用油脂やチョコレート等の油脂性の食品に添加する際に、その乳化剤本来の融点よりも低い温度での食品等への分散・混和が容易となるようにした乳化剤を提供することを目的とする。また、この時に食品の加熱を抑える事でエネルギーや時間のロスを低減するとともに、食品の加熱による品質劣化を防止する方法を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品等の改質を目的として、乳化剤の添加が行われているが、乳化剤は通常、食品等の重量に対して数%以下の重量を添加するにすぎない。ところが、飽和脂肪酸をその構成成分とするポリグリセリン脂肪酸エステルは概して融点が高く、そのような乳化剤を食品等に十分に分散・混和させるためには、あらかじめ融点以上の温度にまで加温しておいた食品等へ融解した乳化剤を添加した後、十分な混合が必要である。食品等が十分に加温してあれば、乳化剤を融解しておく必要はないが、融解しておく場合よりも乳化剤の分散に長時間を要する。
【0003】
いずれにせよ、融点の高い乳化剤を食品等に分散・混和させるには、添加する乳化剤の融点以上に食品等を加熱する必要があり、さらに、乳化剤の混合後には食品等を冷却する必要もある。このような工程は、少量に過ぎない乳化剤を分散・混和するために多大なエネルギーを消費するだけでなく、加温・冷却のための設備が必要となり、さらに、長時間を要する事が多い。加えて、食品等の熱による品質劣化をも引き起こす可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、飽和脂肪酸を構成要素とする融点の高い乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルを食品等に添加する際に、その乳化剤本来の融点よりも低い温度でも食品等への分散・混和が容易となる方法を提供し、それによって食品等の加熱・冷却工程でのエネルギー消費量の低減、乳化剤混合工程に要する時間の短縮、ならびに、加熱中の食品の品質劣化防止を達成する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明において、溶融状態とした、炭素数14〜22からなる飽和脂肪酸が少なくとも1分子結合した、重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルとリン脂質を混和することによって得られる乳化剤を使用することで上記目的を達成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳述する。
【0007】
本発明にいう乳化剤とは、炭素数14〜22からなる飽和脂肪酸が少なくとも1分子結合した、重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルをいう。これら乳化剤は、常温でやや可塑性を有する不透明〜半透明の固体であり、その透明融点は45℃以上である。透明融点とは、非常に細い管中に該乳化剤を詰め、室温から徐々に昇温した時に乳化剤が透明となる時の温度をいう。しかし、透明融点においても、乳化剤の粘度は高く水飴状の物性である。このような物性では作業性が非常に悪いため、この温度よりもさらに高い温度とする事により、流動性が著しく改善される。本発明では、このような物性変化を生じる温度を、完全融点という。
【0008】
食品に乳化剤を添加する場合、乳化剤をあらかじめ完全融点以上で加熱融解しておくことが望ましい。これは、乳化剤は透明融点においても粘度が高く、非常に流動性が悪いために食品に添加した際の分散性が悪いためである。また、粘度が高いために、計量や投入作業も容易ではない。
【0009】
本発明にいう高分散性乳化剤とは、透明融点以上の温度とした乳化剤にリン脂質を混和することによって得られる混合物である。リン脂質としては、レシチン、特に大豆由来レシチンが好適であり、精製品であっても粗精製品であっても良い。高分散性乳化剤は、透明融点以上の温度、好ましくは完全融点以上の温度にて融解した乳化剤100重量部に対し、リン脂質を20〜200重量部混合することによって調製される。また、透明融点以下の乳化剤にリン脂質を混合した後、これらを攪拌しつつ透明融点以上の温度としてもよい。混和するリン脂質の量がこれより少ないと分散性が不十分となる。混和するリン脂質の量はこの範囲で十分であり、これより多くすることは本発明を妨げないが、さらなる分散性の向上はあまり見られない。
【0010】
混和するリン脂質は常温でも良いが、その場合、乳化剤の温度が高い方が好ましい。乳化剤とリン脂質との混和が完了するまでに乳化剤の温度が透明融点以下になると、未混和の乳化剤が固まってしまい、均質な高分散性乳化剤が得られず、これを食品に添加した時に、固まった状態の乳化剤が食品中に点在する可能性があるため、好ましくない。高分散性乳化剤を使用する時期は、調製後直ちに使用しても良いが、特に制限はない。
【0011】
本発明に言う食品とは、乳化剤又は高分散性乳化剤が添加される工程において流動性を有する油脂性の液体であって、それ自体可食物である場合をいう。本食品は、さらにその後の工程において粉末化、固形化等して液状でなくなる加工を経て食されることもあるし、あるいは、他の可食物にスプレー、塗布するなどに使用された後に食用に供されることもある。具体的には、スナック菓子用スプレーオイル、食用オイル、ショートニング、マーガリン、ココアバター代用脂、チョコレート等をいう。
【0012】
食品に乳化剤を添加する場合、食品の温度を食品の完全融点にできるだけ近づけるほど乳化剤の分散が良い。例えば、透明融点が約55℃、完全融点が約85℃である乳化剤を食品に添加するには、食品の温度が80℃であれば融解していない乳化剤であっても容易に食品中に均一に融解、分散させることができ、70℃であっても比較的容易に食品への添加ができる。しかしこの場合、食品を加熱するために相当のエネルギーと時間を要するだけでなく、この食品をその後冷却するためにも相当のエネルギーと時間を要する。加えて、食品の温度を高くするほど、そして、食品を高い温度に維持するほど、食品の品質劣化を招くため好ましくない。
【0013】
また、食品の加熱温度が60℃と透明融点に近い場合は、乳化剤は容易には分散・融解せずに非常に長時間を要する。現実的には、乳化剤をあらかじめ透明融点以上に、好ましくは完全融点以上に加熱しておかなければ、食品中への十分な分散は期待できない。食品の温度がさらに低く乳化剤の透明融点よりも低い場合は、乳化剤を完全融点以上で融解した後に添加しても、食品との接触により温度が下がるために固まってしまい分散しない。
【0014】
一方、高分散性乳化剤を食品に添加する場合、例えば、添加する乳化剤の透明融点が約55℃、完全融点が約85℃であっても、食品の温度を、乳化剤の融点以下である40〜45℃とすれば容易に食品中に均一に融解・分散させることができるのである。これは、乳化剤の分散・溶解性が、リン脂質と混和されることにより向上しているためであり、これは、特に30〜50℃付近での固体脂含量が著しく低下していることによる。
【0015】
高分散性乳化剤を添加する時の食品の温度は、上述のように、透明融点よりも5〜10℃低い温度よりも高ければよい。食品の温度をこれ以上に高くしても分散性乳化剤の分散・溶解性には大きく影響することはないが、食品の品質劣化防止、エネルギーや時間のロス抑制の観点からは好ましくない。
【0016】
食品に添加する時の高分散性乳化剤の温度は室温(20℃〜30℃)程度で良いが、透明融点程度とすることが好ましい。通常、食品に添加する乳化剤の量は、食品の量と比較して非常に少ないので、高分散性乳化剤を加温しなくても食品自体の熱で食品中に分散・融解する。高分散性乳化剤をあらかじめ加熱することで溶融状態としておくことは、食品中に分散・融解を更に容易にするので好適である。
【0017】
以下に実施例を示す。
【0018】
(実施例1)
ジグリセリンモノパルミチン酸エステル(太陽化学株式会社製商品名「サンソフトQ−16D」、透明融点55〜60℃、完全融点約80℃)を100重量部に対し、粗精製大豆レシチン(味の素株式会社製)を50、100、200重量部混合して高分散性乳化剤を調製した。この時の固体脂含量(SFC)の変化を表1と図1に示す。固体脂含量は、試料を混合後、各温度(0,10,20,30,40,50,60,70℃)にて30分保持し、パルスNMR(ダイレクト法)により測定した。ジグリセリンモノパルミチン酸エステルの固体脂含量と比較すると、40〜50℃付近において、顕著に固体脂含量が低下していた。
【表1】
Figure 2004065176
【図1】
Figure 2004065176
【0019】
(実施例2)
100部のサンソフトQ−16Dに50部レシチンを混和した高分散性乳化剤を、実施例1と同様の方法で調製した。この高分散性乳化剤3部を45℃に加温した後、45℃のココアバター100部に添加し混合したところ、均一に分散融解し、透明な液体となった。
【0020】
(比較例1)
2部のサンソフトQ−16Dを100℃で融解し、100部の45℃のココアバター100部に添加したところ、直ちにサンソフトQ−16Dが固まった。
【0021】
【発明の効果】
本発明により、融点の高い乳化剤をフライ用油脂やチョコレート等の油脂性の食品に添加する際に、その乳化剤本来の融点よりも低い温度での食品等への分散・混和が容易となるようにした乳化剤を提供することができる。また、これにより、食品等の加熱・冷却工程でのエネルギー消費量を低減し、乳化剤を食品に混合する工程に要する時間の短縮、ならびに、加熱中の食品の品質劣化防止を達成することができる。

Claims (6)

  1. 溶融状態とした、炭素数14〜22からなる飽和脂肪酸が少なくとも1分子結合した、重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルとリン脂質を混和することによって得られる乳化剤。
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステル100重量部に対し、リン脂質20〜200重量部を混和することを特徴とする請求項1に記載の乳化剤。
  3. ポリグリセリン脂肪酸エステルが、炭素数16〜18からなる飽和脂肪酸が1分子結合した、重合度2〜4のポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の乳化剤。
  4. リン脂質の由来が大豆レシチン、あるいは、卵黄レシチン、あるいはそれらが任意の割合で混合された物であることを特徴とする請求項1〜3に記載の乳化剤。
  5. 請求項1〜4に記載の乳化剤を含有する食品。
  6. 請求項5に記載の食品がチョコレートであることを特徴とする、乳化剤を含有する食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184385A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Ezaki Glico Co Ltd 分散ヘスペレチン
JP2010030967A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Ezaki Glico Co Ltd 分散ヘスペレチン
JPWO2013146387A1 (ja) * 2012-03-28 2015-12-10 味の素株式会社 乳化分散剤及び乳化組成物

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