JP6258812B2 - 水分散性プロポリス抽出物及びそれを含有するプロポリス含有飲料 - Google Patents

水分散性プロポリス抽出物及びそれを含有するプロポリス含有飲料 Download PDF

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本発明は、水溶液に対する分散安定性に優れる水分散性プロポリス抽出物及びそれを含有するプロポリス含有飲料に関する。
プロポリスは、巣の防御及び補強等を目的として、ミツバチが採取した植物の滲出液、新芽、及び樹脂等にミツロウを混ぜて作られる膠状ないしは蝋状の物質である。このプロポリスは、ミツバチが原料として巣箱周辺の種々の植物を採取して生産されるため、多種多様な成分を含有している。
プロポリスは、抗菌効果や抗炎症効果を有していることが古くから知られている。また、プロポリスの主要な生理活性として、抗酸化作用及び免疫賦活作用が知られている。そのため、プロポリスは、医薬品或いは健康食品の素材として古くから用いられてきた。プロポリス中に含まれる有効成分としては、極性の高い有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、さらには極性の低いテルペノイド類等の非常に多様な種類の有効成分が確認されている。
従来より、プロポリスの摂取を容易にするために、生体適用性に優れる抽出溶媒を用いて、プロポリス原塊よりプロポリス抽出物を得る方法が用いられてきた。例えば、特許文献1は、水や親水性有機溶媒を抽出溶媒として用い、プロポリス原塊からプロポリス抽出物を得る方法について開示する。
ところで、親水性有機溶媒を含有する溶媒を用いて抽出したプロポリス抽出物は、油性成分を多く含有するため、飲料等の水に対する溶解性が低く、水と混合すると分離や沈殿が生じたり、油性成分がヤニ状に析出することがあった。そのため、容易に水と混合して使用することができないという問題があった。そこで、従来より、特許文献2に開示されるように、プロポリス抽出物の乳化又は可溶化する方法が知られている。特許文献2は、特定の乳化剤を使用し、前記プロポリス抽出物の水への分散性を向上させた水分散性プロポリス抽出物について開示する。乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を使用している。
特開平8−317762号公報 特開2006−249037号公報
ところが、特許文献2に開示される水分散性プロポリス抽出物は、水に分散させた際の水溶液の分散安定性が未だ不十分であり、抽出成分の溶解性が経時的に低下する場合があるという問題があった。
本発明の目的とするところは、親水性有機溶媒を含有する溶媒を用いて抽出したプロポリス抽出物の水分散安定性を向上させた水分散性プロポリス抽出物及びそれを用いたプロポリス含有飲料を提供することにある。
本発明は、特定の乳化剤を使用したことにより、親水性有機溶媒を含有する溶媒を用いて抽出したプロポリス抽出物の水分散安定性を向上できることを見出したことに基づいてなされたものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、親水性有機溶媒を含有する溶媒により得られるプロポリス抽出物、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン及びクエン酸モノステアリン酸グリセリンの少なくともいずれか一方を含有する水分散性プロポリス抽出物が提供される。
前記水分散性プロポリス抽出物は、前記プロポリス抽出物及び有機溶媒含有溶液を混合することにより得られるプロポリス抽出物含有溶液と、水系溶媒含有溶液と、を混合することにより得られ、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリンは、前記プロポリス抽出物含有溶液及び水系溶媒含有溶液の少なくともいずれか一方に含有され、クエン酸モノステアリン酸グリセリンは、前記プロポリス抽出物含有溶液に含有される構成であってもよい。前記水分散性プロポリス抽出物は、酸性飲料に配合して適用されてもよい。
本発明の別の態様では、水分散性プロポリス抽出物を含有し、pHが酸性であるプロポリス含有飲料が提供される。前記プロポリス含有飲料は、さらに、増粘剤を含有してもよい。
本発明によれば、親水性有機溶媒を含有する溶媒を用いて抽出したプロポリス抽出物の水分散安定性を向上できる。
以下、本発明の水分散性プロポリス抽出物を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物に配合される乳化剤は、有機酸モノグリセリドとしてのジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン及びクエン酸モノステアリン酸グリセリンである。これらの乳化剤の中でも、水分散性の向上の観点からクエン酸モノステアリン酸グリセリンが好ましい。これらの乳化剤は単独で使用してもよく、これら2種を組み合わせて使用してもよい。水分散性の向上の観点から、これら2種の乳化剤を併用することが好ましい。乳化剤は、親水性有機溶媒を含有する溶媒により得られるプロポリス抽出物と混合される。
抽出原料となるプロポリスは、巣の防御及び補強等を目的として、セイヨウミツバチ等のミツバチが採取した植物の滲出液、新芽及び樹皮等に唾液を混ぜて作られる膠状ないしは蝋状の物質である。本実施形態において使用されるプロポリスの産地は、特に限定されず、例えば中国、日本等のアジア諸国、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ等の南米諸国、ハンガリー、ブルガリア等のヨーロッパ、カナダ等の北米、オーストラリア、ニュージーランド等のオセアニア等を使用することができる。プロポリス原塊は、そのままの形態で抽出原料として使用することができる。また、抽出原料として、プロポリス原塊から水を用いた抽出処理後の残渣を使用してもよい。かかる残渣中にも、親水性有機溶媒に溶解する有用成分が含まれていることが期待される。
プロポリス抽出物を得るための抽出溶媒として用いられる親水性有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの親水性有機溶媒の中でも、生体適用性に優れる観点から、エタノールが好ましく適用される。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、プロポリス抽出物を得るための抽出溶媒として親水性有機溶媒を含有する溶媒を使用してもよい。本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、水に不溶性の成分を含有する親水性有機溶媒を用いて抽出したプロポリス抽出物について、水への分散性を向上させる。したがって、プロポリス抽出物が水に対する不溶性の成分を含有する限りにおいて、例えば抽出溶媒の一部に水が含まれている溶媒を抽出溶媒として使用し、プロポリス抽出物を得てもよい。親水性有機溶媒を含有する溶媒として、例えば親水性有機溶媒を50容量%以上含有する含水親水性有機溶媒を使用してもよい。含水親水性有機溶媒として例えば含水エタノールが使用される場合、抽出溶媒中におけるエタノールの濃度は、有効成分の抽出効率の観点から、50〜99容量%が好ましく、80〜99容量%がより好ましく、90〜99容量%が最も好ましい。
プロポリス原塊から抽出溶媒を用いて抽出処理する際、抽出処理前にプロポリス採取時に混入するゴミ等の夾雑物を除去し、粗粉砕することが好ましい。それにより、抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量は、抽出原料の質量に対して好ましくは0.5〜20倍量、より好ましくは1〜15倍量である。抽出溶媒の使用容量が0.5倍量以上の場合には、目的成分の抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量が20倍量以下の場合には、抽出機材及び装置をより小さくすることができ、作業効率をより向上させることができる。抽出温度は抽出溶媒の種類により適宜設定されるが、5〜40℃であることが好ましく、より好ましくは室温環境により近い15〜30℃が採用される。抽出温度が5℃以上の場合には、有効成分の抽出率をより向上させることができる。逆に抽出温度が40℃以下の場合には、ロウ成分の抽出をより抑制することができ、抽出後の濾過性をより向上させることができる。なお、抽出操作は、抽出効率及び有効成分の抽出率等の観点から、前記抽出温度で攪拌しながら、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上行う。そして、上記の抽出条件で有効成分を十分に抽出した後、濾紙濾過、濾過助剤である珪藻土濾過等の濾過処理又は遠心分離処理し、不溶性成分を除去し、プロポリス抽出物を得ることができる。
次に、本実施形態の水分散性プロポリス抽出物の製造方法について説明する。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、前記プロポリス抽出物及び乳化剤を混合処理することにより得られる。プロポリス抽出物は、凍結乾燥等することにより、固体状(粉末状)の状態で乳化剤と混合してもよく、抽出処理により得られた液状のプロポリス抽出液又は濃縮処理したプロポリス抽出液に乳化剤を添加してもよい。水分散性プロポリス抽出物中における前記プロポリス抽出物の含有量に対する乳化剤の含有量の質量比の下限は、プロポリス抽出物の固形分1質量部に対して、乳化剤が好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上である。乳化剤の質量比を0.01質量部以上とすることにより、水分散性プロポリス抽出物を水溶液に添加した際の分散安定性をより向上させることができる。一方、質量比の上限は、プロポリス抽出物の固形分1質量部に対して、乳化剤が好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。乳化剤の質量比を10質量部以下とすることにより、水分散性プロポリス抽出物を水溶液に添加した際の分散安定性をより向上させることができる。
また、本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、乳化剤等の含有成分の溶解性が溶媒により異なるため、含有成分を全て同時に混合するよりも、親水性有機溶媒含有溶液と水系溶媒含有溶液を用い、まず各溶媒に配合成分を溶解させた後、かかる2つの溶媒を混合することにより水分散性プロポリス抽出物を製造してもよい。かかる工程を経て製造することにより、水分散性プロポリス抽出物を水溶液に添加した場合、分散安定性をより向上させることができる。
例えば、まず前記プロポリス抽出物及び親水性有機溶媒含有溶液を混合することによりプロポリス抽出物含有溶液を調製する工程と、水を含む水系溶媒含有溶液を調製する工程が行われる。次に、前記プロポリス抽出物含有溶液と水系溶媒含有溶液とを混合する工程を経ることにより水分散性プロポリス抽出物が得られる。前記2種類の乳化剤のうち1種のみが用いられる場合、前記乳化剤は、親水性有機溶媒含有溶液を含むプロポリス抽出物含有溶液の側に配合されることが好ましい。一方、2種類の乳化剤が併用される場合、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリンは、前記プロポリス抽出物含有溶液及び水系溶媒含有溶液の少なくともいずれか一方に含有され、クエン酸モノステアリン酸グリセリンは、プロポリス抽出物含有溶液に含有されることが好ましい。水分散性プロポリス抽出物が添加されたプロポリス含有飲料が、高温環境下で保存される場合、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリンは、前記水系溶媒含有溶液の側に配合されることが好ましい。
プロポリス抽出物含有溶液を調製する際に用いられる親水性有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。親水性有機溶媒含有溶液は、親水性有機溶媒のみからなる溶液の他、含水親水性有機溶媒を使用してもよい。含水親水性有機溶媒として例えば含水エタノールが使用される場合、プロポリス抽出物及び乳化剤の溶解性等の観点から、溶媒中におけるエタノールの濃度は、80〜99.9容量%が好ましく、90〜99.5容量%がより好ましい。
水系溶媒含有溶液は、溶媒としての水の他、粘度付与のため水溶性の多価アルコールを配合してもよい。多価アルコールを配合することにより、次工程におけるプロポリス抽出物含有溶液との混合性をより向上させることができる。多価アルコールとしては、例えば糖アルコール、グリセリン類、及びグリコール類が挙げられる。糖アルコールとしては、例えばエリトリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、シクリトール、アルジトール、及び還元水飴が挙げられる。グリセリン類としては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。グリコール類としては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。これらの多価アルコールを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水系溶媒含有溶液中における多価アルコールの配合量は、粘度等の観点から適宜設定可能であるが、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは50〜95質量%である。
混合処理は、例えば前記プロポリス抽出物及び乳化剤が混合された混合液を手動又は撹拌装置を用いて混合することにより行われる。手動で混合する方法としては、例えば密閉容器内に前記混合液を投入し、振とうする方法、撹拌棒及び手動式攪拌機等を用いて混合する方法が挙げられる。撹拌装置を用いて混合する方法としては、例えば加振機及び撹拌子等を用いて混合する方法、超音波を用いる方法、ミキサー等の攪拌機を用いて撹拌処理する方法、市販のホモジェナイザーを用いて所定圧力下で加圧処理する方法が挙げられる。攪拌機は、高速回転する撹拌羽根の剪断力により対象物を均質乳化させる。
市販のホモジェナイザーの具体例として、高圧雰囲気下において、1又は2以上の小径穴と特定流路を有するノズル内を流体が高速移動することにより対象物を混合する高圧ホモジェナイザー等が挙げられる。高圧ホモジェナイザーは、成分をマイクロ〜ナノオーダーレベルまでさらに微細化する際にも用いられる。さらに、高速回転するホモミクサー型タービン、ステータの強剪断により、インラインにて短時間で処理することができる連続式乳化分散機を適用してもよい。連続式乳化分散機の具体例として、例えば、プライミクス社製のパイプラインホモミクサーが挙げられる。これら撹拌処理の中で、乳化物の剪断性及び混合性に優れ、短時間に処理が可能な連続式乳化分散機が好ましく適用される。
高圧ホモジェナイザーは、液状の原料、又は液体の溶媒に原料を溶解若しくは分散した処理溶液(処理対象物)を適用対象とする湿式が適用される。湿式処理する際、前記混合液に適宜溶媒を配合してもよい。高圧ホモジェナイザーにおいて、ノズルのタイプは特に限定されず、対向衝突型、貫通型、だまとり型のいずれを適用してもよい。また、ホモジェナイザーを用いた加圧処理の回数は、必要に応じて、1回(パス)のみならず2回(パス)以上の複数回繰り返されてもよい。前記プロポリス抽出物及び乳化剤の混合性の向上の観点から、複数回の処理が行われることが好ましい。
次に、上記のように構成された水分散性プロポリス抽出物の作用を説明する。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、特定の乳化剤を使用したことにより、水分散性プロポリス抽出物を水溶液に添加した場合、分散安定性をより向上させることができる。特に、水溶液が酸性水溶液の場合であっても、分散安定性の低下を抑制することができる。また、水分散性プロポリス抽出物を添加した水溶液を所定条件下において加熱処理したとしても、水溶液の分散安定性の低下を抑制することができる。
プロポリス中に含まれる有効成分としては、極性の高い有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、さらには極性の低いテルペノイド類等の非常に多様な種類の有効成分が含有されている。親水性有機溶媒を含有する溶媒により得られるプロポリス抽出物中には、それらの成分が含有されている。それらの有効成分の摂取、投与、又は塗布等により、これまでプロポリスにおいて見出されている効能、例えば抗菌効果、抗炎症効果、抗酸化作用、免疫賦活作用等の発揮が期待される。本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、水溶液に対する分散安定性に優れるため、水溶液の形態で投与等された場合、プロポリスの有効成分によってもたらされる効能を有効に発揮することができる。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、水溶液からなる飲食品、医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、化粧品、研究用試薬等に添加して使用することができる。飲食品に添加して使用する場合、飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、ゲル状等のいずれであってもよく、また剤形としては、飲料、内容物が液状のカプセル剤等が挙げられる。その他の食品添加物として、例えば糖類、香料、甘味料、油脂、基材等を適宜配合してもよい。
これらの中で、摂取容易性の観点から水分散性プロポリス抽出物を飲料に添加したプロポリス含有飲料として構成されることが好ましい。飲料の具体例としては、清涼飲料、スポーツドリンク、乳酸菌発酵飲料、茶飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料等が挙げられる。飲料のpHは、特に限定されないが、水分散性プロポリス抽出物は、pHが酸性の水溶液(例えばpH4.0以下)に対する分散安定性に優れるため、酸性飲料に適用されることが好ましい。酸性飲料のpHの下限は、好ましくはpH2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは3.5以上である。酸性飲料のpHを2以上とすることにより、水分散性プロポリス抽出物の水溶液に対する分散安定性をより向上させることができる。水分散性プロポリス抽出物を飲料に添加したプロポリス含有飲料は、殺菌処理等の必要性により、加熱処理してもよい。加熱処理の条件は、公知の条件を適宜採用することができるが、プロポリス抽出物の分散安定性の低下を抑制する観点から、好ましくは低温殺菌の条件が採用される。低温殺菌条件として、好ましくは60℃以上、より好ましくは65℃以上の温度で、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上処理される。
プロポリス含有飲料は、さらに、増粘剤を配合してもよい。増粘剤を配合することにより、プロポリス抽出物の分散安定性をより向上させることができる。増粘剤として、例えばキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロース、及びセルロース繊維をアセトバクター・キシリナムを用いて発酵処理することにより得られる発酵セルロースが挙げられる。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物を水溶液からなる医薬品、医薬部外品に添加して使用する場合、医薬品等の剤型は、特に限定されないが、例えば、液剤、内容物が液状のカプセル剤、注射剤、点滴剤等が挙げられる。また、添加剤として上記以外の乳化剤、溶剤、安定剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物を水溶液からなる化粧品、皮膚外用剤に添加する場合、化粧品等の剤型は、液状、乳液状、クリーム状等が挙げられる。化粧品等の基剤は、一般に化粧品に共通して配合されるものであって、例えば、水を主要成分として、アルコール、油性成分、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、増粘剤、抗脂漏剤、血行促進剤、美白剤、pH調整剤、色素顔料、防腐剤及び香料を適宜配合してもよい。
本実施形態の水分散性プロポリス抽出物によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、親水性有機溶媒を含有する溶媒により得られるプロポリス抽出物、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン及びクエン酸モノステアリン酸グリセリンの少なくともいずれか一方を混合することにより水分散性プロポリス抽出物を得た。したがって、水分散性プロポリス抽出物を水に添加した際のプロポリス抽出物の分散安定性を向上させることができる。よって、例えば、水分散性プロポリス抽出物を配合したプロポリス含有飲料において、長期の保存安定性に優れるため、経時的に抽出成分の析出等により、外観特性が低下するおそれがない。
また、例えば、水分散性プロポリス抽出物を水に添加した水溶液を低温(0℃)〜常温(25℃)、さらには常温(25℃)〜高温(60℃)の環境下で長期間保存した場合であっても、プロポリス抽出物の水に対する乳化状態を安定に維持することができる。
(2)本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、好ましくは飲料に配合され、より好ましくは酸性の飲料に配合されて使用される。飲料中においても、プロポリス抽出物の水に対する乳化状態を安定に維持することができる。
(3)本実施形態において、水分散性プロポリス抽出物を適用したプロポリス含有飲料は、低温殺菌処理してもよい。低温殺菌処理又はその後保存した場合であっても、ヤニ等が析出することなく、プロポリス抽出物の水に対する乳化状態を安定に維持することができる。
(4)本実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、水に添加した場合の分散安定性に優れる。したがって、水溶液として構成される飲食品、医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、化粧品、研究用試薬の各分野において好ましく適用することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、分散剤として、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン及びクエン酸モノステアリン酸グリセリンを使用した。しかしながら、本発明の効果を阻害しない範囲内において、上記以外の乳化剤が含有されてもよい。
・上記実施形態において、水分散性プロポリス抽出物は、酸性の水溶液に適用することができる。しかしながら、水分散性プロポリス抽出物が添加される水溶液のpHは、特に限定されず、酸性の水溶液の他、pHが中性又はアルカリ性の水溶液に適用してもよい。
・上記実施形態において、水分散性プロポリス抽出物は、好ましくは酸性飲料に適用される。しかしながら、pHが酸性の飲食品の他、pHが酸性の水溶液として構成される医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、化粧品、研究用試薬の各分野における製品にも好ましく適用することができる。
・上記実施形態において、水分散性プロポリス抽出物は、飲食品及び医薬品等の分野において、水溶液に滴下して使用されるチンキ剤として構成してもよい。
・上記実施形態のプロポリス抽出物は、これまでプロポリスにおいて見出されている効能、例えば抗菌作用、抗炎症作用、抗酸化作用、免疫賦活作用等の発揮を目的とした各種用途に適用することができる。しかしながら、上記実施形態の水分散性プロポリス抽出物は、これらの効能の発揮を目的とした剤又は使用に限定されるものではない。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(試験例1:水分散性プロポリス抽出物の分散安定性試験)
(1)プロポリス抽出物
まず、原料としてプロポリス原塊の粉砕物150kgに、親水性有機溶媒を含有する溶媒としてエタノール濃度が95容量%の含水エタノール530Lを加えて室温(約25℃)で12時間攪拌して抽出した。そして、プロポリス粉砕物を含む抽出液を遠心分離することによって、固液分離、濃縮し、プロポリス抽出液110kg(固形分55質量%)を得た。
(2)水分散性プロポリス抽出物
上記プロポリス抽出物を、表1の各例に示される乳化剤と混合することにより、水分散性プロポリス抽出物を調製した。混合撹拌処理は、連続式乳化分散機であるプライミクス社製のパイプラインホモミクサーを用いて行った。パイプラインホモミクサーと攪拌羽根を有する撹拌機は、パイプラインにより結ばれ、対象物を連続的に乳化処理することができる。乳化剤として、実施例1〜3は、それぞれ有機酸モノグリセリドとしてのジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリンを使用した。実施例4〜6は、それぞれ有機酸モノグリセリドとしてのクエン酸モノステアリン酸グリセリンを使用した。実施例7〜12は、上記両乳化剤をそれぞれ使用した。各比較例は、それぞれ各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した。
まず、プロポリス抽出液(6.18kg)、親水性有機溶媒含有溶液としてエタノール濃度が99容量%の含水エタノール(8.72kg)をステンレスバケツに投入し、60℃まで昇温する。そして、60℃に昇温後、必要により表1に記載の各例の乳化剤を必要量投入し、撹拌溶解することにより、親水性有機溶媒を含有するプロポリス抽出物含有溶液を調製した。
次に、連続式乳化分散機の撹拌容器内に、水分含有量が30質量%の還元水飴(154kg)を投入し、60℃まで昇温する。そして、60℃に昇温後、必要により表1に記載の各例の乳化剤を必要量投入し、撹拌溶解することにより、水を含有する水系溶媒含有溶液を調製した。
次に、連続式乳化分散機の撹拌容器内に前記プロポリス抽出物含有溶液も投入し、連続式乳化分散機(処理能力600L/1時間)で50分間循環処理することにより、プロポリス抽出物(固形分)約2質量%含有する各例の水分散性プロポリス抽出物を得た。
(3)プロポリス含有飲料の製造及び分散安定性の評価
上記のように得られた各例の水分散性プロポリス抽出物からプロポリス含有飲料を調製した。まず、各例の水分散性プロポリス抽出物4g、ブドウ糖果糖液糖30gを、水に混合し、クエン酸を添加して表1に示されるpHにそれぞれ調整した。その後、全量が100mLとなるように水を改めて添加することにより、プロポリス含有飲料を調製した。得られたプロポリス含有飲料を75℃20分間の殺菌処理を行うことにより、各例のプロポリス含有飲料を製造した。尚、殺菌処理後のプロポリス含有飲料のpHが表1記載の値から変動していないことを確認している。
上記のように得られた各例のプロポリス含有飲料について、室温(25℃)、40℃、冷蔵(4℃)の各温度環境下において1週間、1ヶ月、4ヶ月間それぞれ保存した。
保存後のプロポリス含有飲料について、外観特性について以下の基準により評価した。保存期間1週間の試験結果を表1に示し、保存期間1ヶ月、4ヶ月の各試験結果を表2に示す。尚、評価試験を行っていない場合を「−」として示す。各比較例は、1週間の保存安定性の評価に劣るため、保存期間1ヶ月、4ヶ月の試験は行っていない。
<外観特性>
目視にて外観特性を評価した。“5”は、沈殿及びネックリング(液面に浮上した乳化粒子が飲料容器の上部壁面にリング状に付着する現象)が全く見られない場合、“4”は、微量の沈殿が見られるが容器の振とうにより再分散する場合、“3”は、沈殿が見られるが容器の振とうにより再分散する場合、“2”は、沈殿、ネックリング、油滴が生じ、容器の振とうしても析出成分が僅かに残る場合、“1”は、ヤニ状の沈殿、ネックリングが生じ、容器の振とうしても析出成分が残る場合として評価した。
表1に示されるように、有機酸モノグリセリドとしてのジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン又はクエン酸モノステアリン酸グリセリンを使用する各実施例において、各温度条件下における長期保存の安定性が得られることが確認された。一方、乳化剤として各種ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した各比較例は、各実施例の構成に対し、分散安定性が劣ることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記プロポリス含有飲料は、60℃以上の温度で5分以上処理されている前記プロポリス含有飲料。従って、この(a)に記載の発明によれば、同条件で例えば加熱殺菌処理したとしても、ヤニ等析出することがなく、外観特性を低下させることがない。

Claims (5)

  1. 親水性有機溶媒を含有する溶媒により得られるプロポリス抽出物、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン及びクエン酸モノステアリン酸グリセリンの少なくともいずれか一方を含有する水分散性プロポリス抽出物。
  2. 前記水分散性プロポリス抽出物は、前記プロポリス抽出物及び親水性有機溶媒含有溶液を混合することにより得られるプロポリス抽出物含有溶液と、水系溶媒含有溶液と、を混合することにより得られ、
    ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリンが、前記プロポリス抽出物含有溶液及び水系溶媒含有溶液の少なくともいずれか一方に含有され、
    クエン酸モノステアリン酸グリセリンが、前記プロポリス抽出物含有溶液に含有される請求項1に記載の水分散性プロポリス抽出物。
  3. 前記水分散性プロポリス抽出物は、酸性飲料に配合して適用される請求項1又は請求項2に記載の水分散性プロポリス抽出物。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水分散性プロポリス抽出物を含有し、pHが酸性であるプロポリス含有飲料。
  5. 前記プロポリス含有飲料は、さらに、増粘剤を含有する請求項4に記載のプロポリス含有飲料。
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