JP3502762B2 - 油性組成物及びその製造方法 - Google Patents

油性組成物及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性組成物及びそ
の製造方法に関し、更に詳細には保存安定性に優れた油
性組成物及びその製造方法に関する。本発明の油性組成
物は保存安定性に優れるので、食品、飼料、化粧品、医
薬品、農薬、機械その他各種工業分野において利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】油に水
溶性及び/又は水分散性物質(以下、水性物質という)
を分散させる場合、乳化剤を溶解させた油に、物質を直
接添加・混合させる方法がある。しかし、この方法によ
り得られるものは、水性物質が直ちに凝集・沈殿してし
まい、油相中に水性物質が安定に均一分散し難い。一般
には、水性物質を水相に溶解したものと、油相とを混合
乳化して油中水型乳化組成物とする方法が多く用いられ
ている。水相に何らかの物質を含有させた油中水型乳化
組成物として、油脂難溶性抗酸化物質及び又はシネルギ
ストを含有するW/O型エマルジョン(特公平4−64
638号公報)、水溶性抗酸化物質を乳化した油中水型
親油性抗酸化剤(特開昭63−135483号公報)、
酸性物質及び/又はその塩類を含有する油中水型乳化組
成物(特開平6−343400号公報)等が提案されて
いる。しかしながら、上記のような油中水型乳化組成物
は調製直後には分離していなくても、水相中に存在する
塩類や酸性物質の影響により、保存中に水相の分離やオ
イルオフを生じるため、種々の用途において十分に満足
のいく目的を達成し得るものではなかった。
【0003】 従って、本発明の目的は、長期に保存し
た場合に、水性物質が沈殿しない、保存安定性に優れ
た、味のマスキング、耐熱性、水溶性成分の溶出コント
ロールができ、衛生性が高く、また、水性物質として抗
酸化剤を用いた場合に抗酸化機能がそのまま用いるより
も発揮でき、更に油性抗酸化剤との併用も可能となる等
の機能を持った油性組成物及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、水性物質を特定の微粒子状態で油相中に分散
させ、上記固体相中の水分含有量及び全体の水分含有量
を特定の量にした油性組成物が上記目的を達成し得るこ
とを知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされた
もので、水溶性及び/又は水分散性物質と、該水溶性及
び/又は水分散性物質100重量部に対して50〜40
00重量部のゼラチン及び/又はアラビアガムとを含有
してなる固体相と、油性成分及び乳化剤を含有してなる
油相とからなる油性組成物であって、上記固体相が、平
均粒子径5μm以下の微粒子状態で油相中に分散してお
り、上記固体相の水分含有量が30重量%以下であり、
且つ全体の水分含有量が20重量%以下であることを特
徴とする油性組成物を提供するものである。また、水溶
性及び/又は水分散性物質、ゼラチン及び/又はアラビ
アガム並びに水を含有する水相をゼラチン及び/又はア
ラビアガムの溶解温度以上の温度に加温し、該水相と、
油性成分及び乳化剤を含有する液体状態の油相とを混合
して最終的にW/O型乳化物とし、次いで全体の水分含
有量が20重量%以下となるように脱水処理することを
特徴とする油性組成物の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、先ず本発明の油性組成物に
ついて詳述する。本発明の油性組成物は、水性物質と、
ゼラチン及び/又はアラビアガムを含有してなる固体相
と、油性成分及び乳化剤を含有してなる油相とからな
る。本発明において用いられる水性物質としては、例え
ば、酸味料、抗酸化剤、酵素、菌類、調味料、無機塩
類、澱粉、澱粉分解物、ペプチド、アミノ酸、食物繊
維、セルロース、栄養強化剤、及び動植物抽出物質が挙
げられ、具体的には、クエン酸及びその塩類、リン酸及
びその塩類、メタリン酸及びその塩類、フォスフォリパ
ーゼ、アミラーゼ、デヒドロゲナーゼ、乳酸菌、酪酸
菌,食塩、醤油、炭酸ナトリウム、コーン澱粉、デキス
トリン、乳ペプチド、コーンペプチド、L−トリプトフ
ァン、塩化リジン、グルタミン酸ナトリウム、ポリデキ
ストロース、微結晶セルロース、アスコルビン酸及びそ
の塩類、ニコチン酸アミド、リン酸L−アスコルビルマ
グネシウム、ビタミンB類、ナイアシン、パントテン酸
カルシウム、葉酸、ビオチン、塩化カルシウム等のカル
シウム塩類、乳性ミネラル、乳酸カルシウム、カゼイン
・カルシウム・ペプチド(CCP)、カゼインホスホペ
プチド(CPP)、カルシウムサイトレートマート(C
CM)、牛骨粉、貝殻粉、ヘム鉄、アルブチン、コウジ
酸、グリチルリチン酸ジカリウム、マレイン酸クロフェ
ニラミン、ギムネマシルベスタ抽出物、ローヤルゼリ
ー、プロポリス、羅漢果抽出物、ハーブエキス、ぶどう
抽出物、ブルーベリー抽出物、ローズマリー抽出物、茶
抽出物及びこけもも抽出物等が挙げられる。上記水性物
は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。また、上記水性物質の含有量は、油性
組成物の固体相の全重量に対して好ましくは0.1〜80
重量%であり、更に好ましくは1〜70重量%である。
【0006】 本発明において用いられるゼラチンと
は、動物の骨や皮に多く含まれているコラーゲンを抽出
・精製し、化学的及び酵素的に分解処理したポリペプチ
ドのことをいい、食品、飼料、化粧品、医薬品、工業等
の分野で利用されているものを特に制限なく用いること
ができる。また、漂白精製等を行った精製ゼラチンも用
いることができる。また、本発明において用いられるア
ラビアガムとしては、食品、飼料、化粧品、医薬品、工
業等の分野で一般に利用されているものである。本発明
の油性組成物の固体相中には、ゼラチン及びアラビアガ
ムの双方を含有させてもよいし、ゼラチンのみ、又はア
ラビアガムのみを含有させてもよい。上記ゼラチン及び
/又はアラビアゴムの固体相中の含有量は、上記水性物
100重量部に対して50〜4000重量部であり、
80〜2000重量部であることが好ましい。また、上
記固体相中のゼラチン及び/又はアラビアガムの含有量
は、好ましくは10〜99重量%である。
【0007】本発明の油性組成物の固体相には、必要に
応じて、HLBが10を超える親水性界面活性剤を添加
することができる。用いられる親水性界面活性剤のHL
Bは18以下であることが好ましい。HLBが10を超
える親水性界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リゾレシチ
ン、サポニン、糖脂質、蛋白質、蛋白分解物(ゼラチン
を除く)、シリコーン系界面活性剤、アルキレンオキサ
イド付加界面活性剤等が挙げられる。HLBが10を超
える親水性界面活性剤を添加する場合、その添加量は、
油性組成物の全重量に対して、好ましくは0.01〜3重
量%である。
【0008】本発明の油性組成物の固体相には、必要に
応じて、ゼラチンの軟化剤として一般に用いられている
多価アルコールを添加することができる。多価アルコー
ルとしては種々のものを使用できるが、分子内に2個以
上、好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜6個
の水酸基を有する水溶性の多価アルコールを用いるのが
好ましい。そのような多価アルコールとしては、例えば
グルコース、マルトース、マルチトール、ソルビタン、
ソルビトール、ショ糖、フルクトース、キシリトール、
イノシトール、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン、ポリグリセリン(平均重合度:4〜1
0)還元澱粉糖化物、ブドウ糖果糖液糖及び果糖ブドウ
糖液糖等を挙げることができる。上記多価アルコール
は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、本発明の油性組成物の固体相に
は、必要に応じて、アラビアガム以外の増粘多糖類を添
加することもできる。該増粘多糖類としては、例えば、
キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、
カラギーナン、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウ
ム、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース及び
メチルセルロース等が挙げられる。上記増粘剤は、単独
で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いても
よい。更に、本発明の油性組成物の固体相には、公知の
防腐剤、着色料、香料又はpH調製剤等の添加剤を添加
することができる。上記多価アルコール、増粘多糖類又
は添加剤を添加する場合、その好ましい添加量は、油性
組成物の固体相の全重量に対して、多価アルコールの場
合は0.1〜40重量%、増粘多糖類の場合は0.01〜5
重量%である。
【0009】本発明の油性組成物の固体相は、その水分
含有量が30重量%以下であり、好ましくは20重量%
以下であり、更に好ましくは15重量%以下である。本
発明の油性組成物の固体相の水分含有量を30重量%以
下にする方法に特に制限はないが、例えば、減圧乾燥、
加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法により実
施することができる。本発明の油性組成物の固体相は、
平均粒子径5μm以下の微粒子状態で、後述する油相中
に分散している。固体相の平均粒子径は、好ましくは3
μm以下である。油相中に分散する固体相を平均粒子径
5μm以下の微粒子状態にする方法に特に制限はない
が、例えば、油相と水相とをゆっくり混合しながらホモ
ミキサーを用いて約30分間混合、乳化させるか、又
は、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等の
乳化機を用いて最終的にW/O型乳化物を得、これをオ
イルポンプ等を用いて減圧脱水することにより得られ
る。ここで、「最終的にW/O型乳化物を得」とは、乳
化段階でO/W型であっても、O/W型及びW/O型の
混合物であっても、最終的にW/O型になれば良いとい
う意味である。なお、本発明において、固体相の平均粒
子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−5
00型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した値であ
る。
【0010】本発明の油性組成物の油相について説明す
ると、該油相は、乳化剤及び油性成分を含有してなるも
のである。上記乳化剤としては、食品、飼料、化粧品、
医薬品及び工業等の分野で利用される公知の乳化剤を特
に制限なく用いることができる。本発明において用いら
れる乳化剤としては、HLBが10以下の界面活性剤を
用いるのが好ましい。また、HLBが1以上の界面活性
剤を用いるのが好ましい。HLB値が10以下の界面活
性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ジグリセライド、
ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、レシチン、シリコーン系界面活性剤及びアルキレン
オキサイド付加界面活性剤等が挙げられ、具体的にはソ
ルビタンモノオレート、ソルビタンジステアレート、ポ
リオキシエチレン(6モル)ソルビタンモノステアレー
ト、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノリノ
レート、クエン酸とグリセリンモノオレートのエステル
化物、プロピレングリコールモノステアレート、グリセ
リンジオレート、グリセリンジリノレート、なたね油と
グリセリンのエステル交換により得られたジグリセライ
ド、サフラワーとグリセリンのエステル交換により得ら
れたジグリセライド、ジグリセリンジステアレート、ジ
グリセリントリステアレート、ヘキサグリセリントリオ
レート、ヘキサグリセリンペンタステアレート、テトラ
グリセリン縮合リシノレート、ポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステル、ショ糖トリないしペンタステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレン(5モル)セチルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(3モル)ノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン(6モル)ステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(5モル)硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン(15モル)硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレン(20モル)ソルビトールテトラオレー
ト、レシチン(日清製油(株)製、レシチンDX、ベイ
シスLP−20)及びジメチルシロキサン・メチル(ポ
リオキシエチレン5モル付加)シロキサン共重合体等が
挙げられる。また、本発明においては、HLB値が10
以下の界面活性剤にHLBが10以上の乳化剤を併用し
てもよく、そのような乳化剤としては、例えば、ショ糖
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リゾ
レシチン、サポニン、糖脂質、蛋白質、蛋白分解物(ゼ
ラチンを除く)、シリコーン系界面活性剤、アルキレン
オキサイド付加界面活性剤等がある。具体的には、ショ
糖ステアリン酸モノエステル、ヘキサグリセリンオレイ
ン酸モノエステル、デカグリセリンステアリン酸モノエ
ステル、酵素分解レシチン(日清製油(株)、ベイシス
LG−10K、ベイシスLP−20E)、キラヤサポニ
ン、大豆蛋白分解物、カゼインナトリウム、ジメチルシ
ロキサン・メチル(ポリオキシエチレン60モル付加)
シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン(25モル)
硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン(80モル)硬化
ヒマシ油等が挙げられる。本発明ではとりわけポリグリ
セリン縮合リシノル酸エステル単独、又はこれとポリグ
リセリン脂肪酸エステルあるいはグリセリンモノ脂肪酸
エステルやレシチンとの併用が望ましい。本発明におい
ては、上記乳化剤を単独で用いてもよく、又は2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0011】上記油性成分としては、食品、飼料、化粧
品、医薬品及び工業等の分野で利用される公知の油性成
分を特に制限なく用いることができる。該油性成分とし
ては、液体状態のものを用いるが、常温で液体状態のも
のでもよく、また、加温により溶解するものであれば、
特に制限なく用いることができる。該油性成分として
は、例えば,炭化水素類、エステル類、動植物性油脂
類、ワックス類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、シ
リコーン系物質、ステロール類及び樹脂類等、又はこれ
らを酵素的処理(加水分解、エステル交換等)又は化学
的処理(エステル交換、水素添加等)したもの等を挙げ
られる。製造上及び取り扱いの面から、油性成分として
は、常温で液状又は流動性を示すものを用いるのが好ま
しい。常温で液状又は流動性を示す油性成分としては、
例えば、大豆油、なたね油、コーン油、ごま油、綿実
油、サフラワー油、ひまわり油、落花生油、米胚芽油、
小麦胚芽油、ツバキ油、パーム油、オリーブ油、ホホバ
油、マカデミアンナッツ油、アボガド油、ヒマシ油、ア
マニ油、シソ油、ユーカリ油、月見草油、タートル油、
ミンク油、豚脂、牛脂、魚油、流動パラフィン、イソパ
ラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、テレピ
ン油、ミリスチン酸イソプロピルエステル、ミリスチン
酸イソパルミチルエステル、ミリスチン酸2−オクチル
ドデシルエステル、2−エチルヘキサン酸セチルエステ
ル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルエステル、
トリ−カプリル酸グリセリルエステル、カプリル酸及び
カプリン酸の混合脂肪酸のトリグリセリド、ジ−2−エ
チルヘキサン酸ネオペンチルグリコールエステル、リン
ゴ酸ジイソステアリルエステル、イソノナン酸イソノニ
ルエステル(3,5,5−トリメチルヘキシル−3’,
5’,5’−トリメチルヘキサノエート)、12−ヒド
ロキシステアリン酸コレステリルエステル、エメリー社
製イソステアリン酸及び/又は高級脂肪酸とジペンタエ
リスリトールとのモノエステルないしヘキサエステル、
パラメトキシケイ皮酸及び2−エチルヘキサン酸のグリ
セリンエステル、パラメトキシケイ皮酸イソオクチルエ
ステル、大豆硬化油、なたね硬化油、パーム硬化油、魚
硬化油、トリステアリン酸グリセリルエステル、ロジ
ン、コレステロール、フィトステロール(カンペステロ
ール、スチグマステロール、シトステロール等)、オレ
ンジラフィー油、ラノリン、ミリスチン酸、パルミチン
酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、エメリー社製イ
ソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、1
0−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、エルシン酸、
アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
ン酸、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコール、ラノリンアルコール、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワック
ス、ミツロウ、ワセリン、ハードファット、カルナウバ
ワックス、キャンデリラワックス、米ぬかワックス、セ
ラック、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリ
シロキサン及び動植物由来の精油成分等が挙げられる。
これら油性成分は、単独で用いてもよく、又は2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0012】 本発明の油性組成物の油相中の上記乳化
剤の含有量は、好ましくは0.5〜50重量%であり、更
に好ましくは1〜30重量%である。また、本発明の油
性組成物の油相には、公知の防腐剤、着色料又は香料等
の添加剤を添加することができる。該添加剤を添加する
場合、その添加量は、油性組成物の油相の全重量に対し
て、好ましくは0.01〜3重量%である。本発明の油性
組成物においては、油相に油溶性物質を含有させてもよ
い。上記油溶性性物質としては、例えば、抗酸化剤、
養強化剤、及び動植物抽出物質等が挙げられ、具体的に
は、ミックストコフェロール、dl−α−トコフェロー
ル、酢酸−dl−α−トコフェロ−ル、β−カロチン、
ビタミンA、ビタミンD類、ビタミンK類、必須脂肪
酸、γ−オリザノール及びセンブリエキス等が挙げられ
る。上記油溶性物質は、単独で用いてもよく、または2
種以上を組み合わせて用いてもよい。上記油溶性物質
油相に含有させる場合、その含有量は、油相の全重量に
対して、好ましくは0.1〜99重量%であり、更に好ま
しくは0.2〜40重量%である。本発明の油性組成物
は、上記固体相を0.5〜70重量%、上記油相を99.5
〜30重量%含有することが好ましい。
【0013】 本発明の油性組成物は、その全体の水分
含有量が20重量%以下であり、好ましくは10重量%
以下であり、更に好ましくは5重量%以下であり、最も
好ましくは3重量%以下である。本発明の油性組成物の
全体の水分含有量を20重量%以下にする方法に特に制
限はないが、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、薄膜蒸留乾
燥及び凍結乾燥等の方法により実施することができる。
本発明の油性組成物の製造方法に特に制限はないが、例
えば、後述する方法によって製造することができる。本
発明の油性組成物は、そのままの状態で用いたり、油性
成分やエタノール及びキシレン等の有機溶剤で希釈した
組成物の状態で、麺、育児粉乳、乳製品、冷凍食品、魚
肉ソーセージ、水産練り製品、食用油、ドレッシング、
マーガリン、ショートニング、健康食品、治療食等の食
品、スナック、チョコレート、キャラメル、ガム、キャ
ンディ及びグミ等の菓子類、口紅及び化粧用クリーム等
の化粧品、肥料及び潤滑油等の工業製品、飼料、飲料、
栄養ドリンク剤、粉末薬、錠剤薬及び軟膏等に用いるこ
とができる。上記油性組成物を有機溶剤で希釈する場
合、油性組成物1に対して、希釈倍率は0. 01〜10
000倍であることが好ましく、0. 1〜1000倍で
あることが更に好ましい。希釈する油性成分が常温で固
体の硬化油やワックスである場合には、本発明の油性組
成物が液状であっても、固体状、顆粒状又は粉末状とす
ることができる。また、本発明の油性組成物の油性成分
に、予め固形脂や硬化油、ワックス等を含有させること
によっても、固体状、顆粒状又は粉末状とすることがで
きる。また、本発明の油性組成物は、水をほとんど含有
していないため、公知のカプセル(ゼラチンカプセルや
寒天カプセル等)へ本発明の油性組成物を封入した形態
での利用も可能である。また、従来は、水性物質油溶
性物質とは、別々に食品、飼料、化粧品、工業製品及び
医薬品等へ添加されていたが、本発明の油性組成物にお
いては、水性物質油溶性物質とを両方含ませることが
できる。また、本発明の油性組成物を油や油脂等に添加
することにより、水性物質が油性物質中に均一に分散さ
れたものを得ることができる。また、本発明の油性組成
物は、油相中に水溶液やゲルが分散した油中水型乳化物
とは異なり、保存時の離水や水性物質の分離等を生じな
い。また、水性物質が水や外気と接触しないため、水性
物質の劣化、分解及び腐敗等を防止することができる。
また、すっぱい、苦い又は渋い等の味を感じる水性物質
を本発明の油性組成物中に含有させたものを食した場
合、その味をほとんど感じないので、食品や医薬品等へ
添加することにより、水性物質の味をマスキングするこ
とができる。更に、本発明の油性組成物に含まれる水性
物質の徐放効果もある。例えば、本発明の油性組成物を
肥料に含有させた場合、遅効性の肥料として用いること
ができ、ガムに含有させた場合、口の中で味が長期にわ
たって持続するという効果を発揮することができる。
【0014】 次に、本発明の油性組成物の製造方法に
ついて説明する。本発明の油性組成物の製造方法は、水
溶性及び/又は水分散性物質、ゼラチン及び/又はアラ
ビアガム並びに水を含有する水相をゼラチン及び/又は
アラビアガムの溶解温度以上の温度に加温し、該水相
と、油性成分及び乳化剤を含有する液体状態の油相とを
混合して最終的にW/O型乳化物とし、次いで全体の水
分含有量が20重量%以下となるように脱水処理するこ
とからなる。上記水性物質、ゼラチン、アラビアガム、
油性成分及び乳化剤としては、本発明の油性組成物に含
有されるものと同様のものが用いられる。また、上記水
としては、特に制限はなく、精製水、蒸留水及び水道水
等を用いることができる。また、上記水にアルコールを
加えることもできる。該アルコールとしては、例えばエ
タノール及びメタノール等の一価のアルコールが挙げら
れる。この場合のアルコールの使用量は、水100重量
部に対し、1〜300重量部程度が好ましい。本発明の
油性組成物の製造方法においては、先ず水性物質と、ゼ
ラチン及び/又はアラビアガムを水に混合し水相とす
る。該水相中のゼラチン及び/又はアラビアガムの混合
割合は、水相の全重量に対して0.05〜60重量%であ
ることが好ましく、1〜40重量%であることが更に好
ましい。また、上記水相には、本発明の油性組成物の水
相に含有させることができる多価アルコールや他の添加
剤等を添加してもよい。次いで、上記水相をゼラチン及
び/又はアラビアガムの溶解温度以上の温度、好ましく
は1〜90℃の温度に加温して、上記水相を溶融状態と
する。
【0015】 また、乳化剤及び油性成分を混合して油
相とする。該油相中の乳化剤の混合割合は、油相の全重
量に対して0.5〜50重量%であることが好ましく、1
〜30重量%であることが更に好ましい。また、上記油
相には、本発明の油性組成物の油相に含有させることが
できる油溶性物質及び添加剤等を添加してもよい。次い
で、上記油相と、上記水相とを混合して最終的にW/O
型乳化物とする。この場合、上記油相を、上記水相の加
温温度以上に加温することが好ましい。このように、油
相を加温することにより、常温で固体状態の油性成分を
添加することが可能となる。また、上記水相及び上記油
相の混合割合(上記水相の重量部/上記油相の重量部)
は、好ましくは95/5〜1/99であり、更に好まし
くは85/15〜5/95である。上記水相と油相との
混合物を最終的にW/O型乳化物とする方法としては、
従来公知の方法を特に制限はなく用いることができ、例
えば、上記水相と油相との混合物を、プロペラ、ホモミ
キサー、ホモディスパー、高圧ホモジナイザー又はマイ
クロフルイダイザー等の乳化機を用いて乳化する方法が
挙げられる。
【0016】次いで、上記W/O型乳化物を、全体の水
分含有量が20重量%以下、好ましくは10重量%以
下、更に好ましくは5重量%以下、最も好ましくは3重
量%以下となるように脱水処理し、油性組成物とする。
上記W/O型乳化物の全体の水分含有量を20重量%以
下とする方法としては特に制限されないが、例えば、減
圧乾燥、加熱乾燥、薄膜蒸留乾燥及び凍結乾燥等の方法
が挙げられる。また、上記脱水処理は、上記W/O型乳
化物を加温したままの状態で行ってもよく、上記W/O
型乳化物を室温まで冷却した後に行ってもよい。
【0017】
【実施例】本発明を、以下の実施例を用いて更に具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。下記実施例において、油性組成物の水分含有
量、固体相中の水分含有量及び固体相の平均粒子径は、
以下の方法により測定及び算出した値である。 〔油性組成物の水分含有量〕油性組成物約2g及び海砂
約20gを量り取り、均一に混合したものを105℃の
温度で2時間乾燥し、減少した重量より、水分含有量を
求めた。 〔固体相中の水分含有量〕油性組成物中の水分は、全て
固体相中に含まれているので、上記〔油性組成物の水分
含有量〕の項において求めた水分含有量から、下記計算
式により求めた。 固体相中の水分含有量(重量%)=(油性組成物中の水
重量/(油性組成物中の水分含有量+水を除いた固体相
重量))×100 〔固体相の平均粒子径〕油性組成物の固体相の平均粒子
径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−500
型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
【0018】実施例1 クエン酸6g、ゼラチン(宮城化学工業(株)製、ゼラ
チンAU−S)、10g及び水39gを混合して60℃
で溶解させたものを水相とし、大豆油40g及びヘキサ
グリセリン縮合リシノレイン酸エステル(理研ビタミン
(株)製、ポエム PR−300、HLB:1.7)5g
を混合して60℃で溶解させたものを油相とした。該油
相に上記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを用
いて60℃で、6000rpm 、20分間混合乳化し、W
/O型乳化物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイ
ルポンプを用いて減圧脱水することにより、本発明の油
性組成物を得た。得られた油性組成物の水分含有量は
0.3重量%、固体相中の水分含有量は1.1重量%、
油相中に分散している固体微粒子(以下、単に固体微粒
子と略記する)の平均粒子径は0.8μmであった。得
られた油性組成物の保存安定性について、下記方法に従
って評価を行った。その結果を表1に示す。
【0019】〔油性組成物の保存安定性〕得られた油性
組成物を、5℃及び40℃の恒温槽に入れ、1ヶ月、3
ヶ月及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観を肉眼で
観察した。また、油性組成物を室温に、1ヶ月、3ヶ月
及び6ヶ月保存した後の油性組成物の外観の肉眼による
観察も行った。また、低温での保存安定性についても下
記の方法により調べた。即ち、油性組成物を−30℃の
急速冷凍庫に24時間静置し、次いで−20℃の冷凍庫
に移し6ヶ月保存した後、油性組成物を25℃の温度に
昇温させ、その外観を肉眼で観察した。それぞれ、下記
評価基準に従って評価を行った。なお、製造直後の肉眼
観察についても表1に記載した。 ◎:油性組成物に異常が全く認められなかった ○:全体積の5%未満の油相分離が認められた △:全体積の5%以上の油相分離が認められた □:離水が認められた ×:沈殿物が認められた ▲:色が濃黄色に変化した ■:カビが発生した
【0020】 参考例2 食塩6g、ゼラチン(宮城化学工業(株)製、ゼラチン
A−U)、5g、D−ソルビトール液(東和化成工業
(株)製、ソルビットL−70、水分含有量:30重量
%)5g及び水38gを混合して60℃で溶解させたも
のを水相とし、大豆油40g、ポエム PR−300、
4g及びレシチン(日清製油(株)、レシチンDX)2
gを混合して60℃で溶解させたものを油相とした。以
下実施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成物を
得た。得られた油性組成物の水分含有量は7.3重量
%、固体相中の水分含有量は24.7重量%、油相中に
分散している固体微粒子の平均粒子径は1.3μmであ
った。得られた油性組成物の保存安定性について、実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。 実施例3 L−グルタミン酸ナトリウム1g、ゼラチン(新田ゼラ
チン(株)製、ゼラチンAP−250)3g、グアーガ
ム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップB−
20)0.1g及び水48.4gを混合して60℃で溶
解させたものを水相とし、大豆油25g、オレイン酸ジ
グリセライド18g及びヘキサグリセリン縮合リシノレ
イン酸エステル(阪本薬品工業(株)製、SYグリスタ
ーCR−500、HLB:2)4.5gを混合して60
℃で溶解させたものを油相とした。該油相に上記水相を
ゆっくり添加しながらホモミキサーを用いて60℃で、
6000rpm 、20分間混合乳化し、更に高圧ホモジナ
イザーを用いて500kg/cm2 の圧力で乳化し、W/O
型乳化物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポ
ンプを用いて減圧脱水することにより、本発明の油性組
成物を得た。得られた油性組成物の水分含有量は1.6
重量%、固体相中の水分含有量は17.0重量%、固体
微粒子の平均粒子径は1.1μmであった。得られた油
性組成物の保存安定性について、実施例1と同様の評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0021】 参考例4 L−アスコルビン酸ナトリウム1g、ゼラチンAP−2
50、3g、寒天(伊那食品工業(株)製、伊那寒天S
−7)0.1g及び水48.4gを混合して60℃で溶
解させたものを水相とし、大豆油25g、オレイン酸ジ
グリセライド18g及びSYグリスターCR−500、
4.5gを混合して60℃で溶解させたものを油相とし
た。該油相に上記水相をゆっくり添加しながらホモミキ
サーを用いて60℃で、6000rpm 、20分間、混合
乳化し、更に高圧ホモジナイザーを用いて200kg/cm
2 の圧力で乳化し、W/O型乳化物を得た。次いで、該
W/O型乳化物をオイルポンプで脱水することにより、
本発明の油性組成物を得た。得られた油性組成物の水分
含有量は0.3重量%、固体相中の水分含有量は3.6
重量%、固体微粒子の平均粒子径は0.3μmであっ
た。得られた油性組成物の保存安定性について、実施例
1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。 実施例5 L−アスコルビン酸10g、ゼラチン(新田ゼラチン
(株)製、ゼラチンMJ)、17g、酵素分解レシチン
(日清製油(株)、ベイシスLG−10K)1g及び水
39.8gを混合して60℃で溶解させたものを水相と
し、大豆油25g、β−カロチン0.2g、テトラグリ
セリントリステアレート(阪本薬品工業(株)製、SY
グリスターTS−310、HLB:4)5g及びグリセ
リン脂肪酸モノエステル(理研ビタミン(株)製、エマ
ルジーMU、HLB:4.2)2gを混合して60℃で
溶解させたものを油相とした。以下実施例1と同様に操
作を行い、本発明の油性組成物を得た。得られた油性組
成物の水分含有量は0.4重量%、固体相中の水分含有
量は0.9重量%、固体微粒子の平均粒子径は0.6μ
mであった。得られた油性組成物の保存安定性につい
て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に
示す。
【0022】 実施例6 L−アスコルビン酸10g、ゼラチンMJ、17g、ベ
イシスLG−10K、1g及び水39.8ggを混合し
て60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油25g、
β−カロチン0.2g、SYグリスターTS−310、
5g及びエマルジーMU2gを混合して60℃で溶解さ
せたものを油相とした。該油相に上記水相をゆっくり添
加しながらホモミキサーを用いて60℃で、6000rp
m 、20分間混合乳化し、W/O型乳化物を得た。次い
で、該W/O型乳化物をエバポレーターで脱水処理する
ことにより、本発明の油性組成物を得た。得られた油性
組成物の水分含有量は2.6重量%、固体相中の水分含
有量は5.4重量%、固体微粒子の平均粒子径は1.2
μmであった。得られた油性組成物の保存安定性につい
て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に
示す。
【0023】 実施例8 ビタミンB1 5g、アラビアガム(三栄薬品貿易(株)
製、アラビックコールSS)15g、還元澱粉糖化物
(東和化成工業(株)製、アマミール、水分含有量:3
0重量%)5g及び水35gを混合して60℃で溶解さ
せたものを水相とし、精製魚油15g、中鎖脂肪酸トリ
グリセリド(日清製油(株)製、ODO)15g、ポエ
ム PR−300、4g及びグリセリン脂肪酸モノエス
テル(理研ビタミン(株)製、エマルジーMS、HL
B:4.3)1gを混合して60℃で溶解させたものを
油相とした。以下、実施例1と同様に操作を行い、本発
明の油性組成物を得た。得られた油性組成物の水分含有
量は0.2重量%、固体相中の水分含有量は0.5重量
%、固体微粒子の平均粒子径は0.6μmであった。得
られた油性組成物の保存安定性について、実施例1と同
様の評価を行った。評価結果を表1に示す。参考例9 塩化カルシウム8g、ゼラチンA−U5g、アラビック
コールSS5g、アマミール5g及び水40.9gを混
合して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油33
g、牛脂2g、アスコルビン酸ステアレート0.2g、
エマルジーMS、0.5g、クエン酸モノグリ(理研ビ
タミン(株)製及びポエムKー30、HLB:3)0.
3gを混合して60℃で溶解させたものを油相とした。
以下、実施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成
物を得た。得られた油性組成物の水分含有量は12.1
重量%、固体相中の水分含有量は26.9重量%、固体
微粒子の平均粒子径は1.5μmであった。得られた油
性組成物の保存安定性について、実施例1と同様の評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0024】 実施例10 クエン酸1g、ゼラチンA−U3g及び水51gを混合
して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油40g
及びポエム PR−300、5gを混合して60℃で溶
解させたものを油相とした。以下、実施例1と同様に操
作を行い、本発明の油性組成物を得た。得られた油性組
成物の水分含有量は0.2重量%、固体相中の水分含有
量は2.4重量%、固体微粒子の平均粒子径は0.7μ
mであった。得られた油性組成物の保存安定性につい
て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に
示す。参考例11 クエン酸0.5g、ゼラチンA−U0.6g及び水5
3.9gを混合して60℃で溶解させたものを水相と
し、大豆油40g及びポエム PR−300、5gを混
合して60℃で溶解させたものを油相とした。以下、実
施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成物を得
た。得られた油性組成物の水分含有量は0.1重量%、
固体相中の水分含有量は4.0重量%、固体微粒子の平
均粒子径は0.4μmであった。得られた油性組成物の
保存安定性について、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。参考例12 クエン酸4g、アスコルビン酸4g、ゼラチンAU−S
10g及び水40gを混合して60℃で溶解させたもの
を水相とし、大豆油35g及びポエム PR−300、
7gを混合して60℃で溶解させたものを油相とした。
以下、実施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成
物を得た。得られた油性組成物の水分含有量は8.4重
量%、固体相中の水分含有量は23.4重量%、固体固
体微粒子の平均粒子径は1.9μmであった。得られた
油性組成物の保存安定性について、実施例1と同様の評
価を行った。評価結果を表1に示す。
【0025】 実施例13 L−アスコルビン酸8g、ゼラチンAU 10g及び水
40gを混合して60℃で溶解させたものを水相とし、
ミックストコフェロール(日清製油(株)製、トコフェ
ロール100)37g及びポエムPR−300 5gを
混合して60℃で溶解させたものを油相とした。以下、
実施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成物を得
た。得られた油性組成物の水分含有量は1.5重量%、
固体相中の水分含有量は4.8重量%、固体微粒子の平
均粒子径は1.1μmであった。得られた油性組成物の
保存安定性について、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1に示す。参考例14 クエン酸10g、L−アスコルビン酸10g、ローズマ
リー抽出物(東京田辺製薬(株)製、RM21C)0.
3g、茶抽出物(三共(株)製、サンフード粉末(30
%))0.2g、ゼラチンAU 20g及び水33.5
gを混合して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆
油20g及び及びポエムPR−3006gを混合して6
0℃で溶解させたものを油相とした。該油相に上記水相
をゆっくり添加しながらホモミキサーを用いて60℃
で、6000rpm 、20分間混合乳化し、W/O型乳化
物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを
用いて減圧脱水することにより、本発明の油性組成物を
得た。得られた油性組成物の水分含有量は18.7重量
%、固体相中の水分含有量は27.4重量%、固体微粒
子の平均粒子径は0.9μmであった。得られた油性組
成物の保存安定性について、実施例1と同様の評価を行
った。評価結果を表1に示す。
【0026】 参考例15 塩化カルシウム6g、カゼイン・カルシウム・ペプチド
(太陽化学(株)製、CCP)2g、ゼラチンAU 1
5g及び水45gを混合して60℃で溶解させたものを
水相とし、大豆油26g及びポエムPR−300 6g
を混合して60℃で溶解させたものを油相とした。以
下、実施例1と同様に操作を行い、本発明の油性組成物
を得た。得られた油性組成物の水分含有量は12.1重
量%、固体相中の水分含有量は24.8重量%、固体微
粒子の平均粒子径は0.8μmであった。得られた油性
組成物の保存安定性について、実施例1と同様の評価を
行った。評価結果を表1に示す。
【0027】比較例1 大豆油40g及びポエム PR−300、5gを混合し
て60℃で溶解させたものに、ゼラチンAU−S10g
及びクエン酸6gの混合粉末を添加し、ホモミキサーで
攪拌(6000rpm )を行い、油性組成物を得た。この
ようにして得られた油性組成物には、ゼラチンが溶解せ
ずに凝集物が生じていた。得られた油性組成物の水分含
有量は0.1重量%、固体相中の水分含有量は0.4重
量%であった。また、凝集したため、粒子径は測定不能
であり、調製して1日後には、ほとんどの固体が沈殿
し、油相部が透明になった。 比較例2 クエン酸6g及び水39gを60℃で溶解させたものを
水相とし、大豆油40g及びポエム PR−300、5
gを混合して60℃で溶解させたものを油相とした。該
油祖に上記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを
用いて60℃で、6000rpm 、20分間混合乳化し、
W/O型乳化物を得た。次いで、該W/O型乳化物をオ
イルポンプを用いて減圧脱水し、乳化剤が溶解した油性
組成物を得た。脱水の途中に、クエン酸結晶の沈殿が生
じた。得られた油性組成物の水分含有量は3.2重量
%、固体相中の水分含有量は21.9重量%であった。
また、凝集したため、粒子径は測定不能であり、調製し
て1日後には、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明
になった。
【0028】比較例3 クエン酸6g、ゼラチンA−U 2g及び水39gを混
合して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油40
g及びポエム PR−300、5gを混合して60℃で
溶解させたものを油相とした。該油相に上記水相をゆっ
くり添加しながらホモミキサーを用いて60℃で、60
00rpm 、20分間混合乳化し、W/O型乳化物を得
た。該W/O型乳化物を、オイルポンプを用いて減圧脱
水し油性組成物を得た。得られた油性組成物の油相中に
はクエン酸ナトリウムの沈殿物が生じていた。得られた
油性組成物の水分含有量は5.6重量%、固体相中の水
分含有量は28.2重量%であった。また、凝集したた
め、粒子径は測定不能であり、調製して1日後には、ほ
とんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。 比較例4 クエン酸1g、カゼインナトリウム3g及び水51gを
混合して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油4
0g及びポエム PR−300、5gを混合して60℃
で溶解させたものを油相とした。該油相に上記水相をゆ
っくり添加しながらホモミキサーを用いて60℃で、6
000rpm 、20分間混合乳化し、W/O型乳化物を得
た。該W/O型乳化物を、オイルポンプを用いて減圧脱
水し油性組成物を得た。得られた油性組成物の油相中に
はカゼインナトリウム及びクエン酸の沈殿が生じてい
た。得られた油性組成物の水分含有量は0.1重量%、
固体相中の水分含有量は1.2重量%であった。また、
凝集したため、粒子径は測定不能であり、調製して1日
後には、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になっ
た。
【0029】比較例5 カゼインナトリウム3gを乾燥卵白(キューピー(株)
製、乾燥卵白K)3gに代えた以外は比較例4と同様に
操作を行い油性組成物を得た。脱水の途中に、油相中に
クエン酸及び卵白の沈殿を生じた。得られた油性組成物
の水分含有量は2.7重量%、固体相中の水分含有量は
25.4重量%であった。また、凝集したため、粒子径
は測定不能であり、調製して1日後には、ほとんどの固
体が沈殿し、油相部が透明になった。 比較例6 カゼインナトリウム3gを大豆蛋白分解物(日清製油
(株)製、ソルピー2000)3gに代えた以外は比較
例4と同様に操作を行い油性組成物を得た。脱水の途中
に油相中にクエン酸及び大豆蛋白の沈殿を生じた。得ら
れた油性組成物の水分含有量は0.2重量%、固体相中
の水分含有量は2.4重量%であった。また、凝集した
ため、粒子径は測定不能であり、調製して1日後には、
ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。
【0030】比較例7 クエン酸0.5g、ビストップB−20、0.6g及び
水53.9gを混合して60℃で溶解させたものを水相
とし、大豆油40g及びポエム PR−300、5gを
混合して60℃で溶解させたものを油相とした。該油相
に上記水相をゆっくり添加しながらホモミキサーを用い
て60℃で、6000rpm 、20分間混合乳化し、W/
O型乳化物を得た。得られたW/O型乳化物を、オイル
ポンプを用いて減圧脱水し油性組成物を得た。得られた
油性組成物の油相中にはクエン酸及びグアーガムの沈殿
物が生じていた。得られた油性組成物の水分含有量は
0.6重量%、固体相中の水分含有量は20.2重量%
であった。また、凝集したため、粒子径は測定不能であ
り、調製して1日後には、ほとんどの固体が沈殿し、油
相部が透明になった。 比較例8 ビストップB−20、0.6gをキサンタンガム(三栄
源エフ・エフ・アイ(株)製、サンエース)0.6gに
代えた以外は比較例6と同様に操作を行い油性組成物を
得た。脱水の途中にキサンタンガムの沈殿を生じた。得
られた油性組成物の水分含有量は0.8重量%、固体相
中の水分含有量は25.3重量%であった。また、凝集
したため、粒子径は測定不能であり、調製して1日後に
は、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。
【0031】比較例9 ビストップB−20、0.6gをローカストビーンガム
(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップd−3
0)0.6gに代えた以外は比較例6と同様に操作を行
い油性組成物を得た。脱水の途中にローカストビーンガ
ムの沈殿を生じた。得られた油性組成物の水分含有量は
0.7重量%、固体相中の水分含有量は22.8重量で
あった。また、凝集したため、粒子径は測定不能であ
り、調製して1日後には、ほとんどの固体が沈殿し、油
相部が透明になった。 比較例10 ビストップB−20、0.6gをカラギーナン(三栄源
エフ・エフ・アイ(株)製、カラギニンCSI−1)
0.6gに代えた以外は比較例6と同様に操作を行い油
性組成物を得た。脱水の途中にカラギーナンの沈殿を生
じた。得られた油性組成物の水分含有量は0.3重量
%、固体相中の水分含有量は11.2重量%であった。
また、凝集したため、粒子径は測定不能であり、調製し
て1日後には、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明
になった。
【0032】比較例11 ビストップB−20、0.6gを伊那寒天S−7、0.
6gに代えた以外は比較例6と同様に操作を行い油性組
成物を得た。脱水の途中に寒天の沈殿を生じた。得られ
た油性組成物の水分含有量は0.6重量%、固体相中の
水分含有量は20.2重量%であった。また、凝集した
ため、粒子径は測定不能であり、調製して1日後には、
ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。 比較例12 ビストップB−20、0.6gをペクチン(三晶(株)
製、GENU PECTIN LM−104AS)0.
6gに代えた以外は比較例6と同様に操作を行い油性組
成物を得た。脱水の途中ペクチンの沈殿を生じた。得ら
れた油性組成物の水分含有量は0.2重量%、固体相中
の水分含有量は7.7重量%であった。また、凝集した
ため、粒子径は測定不能であり、調製して1日後には、
ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。
【0033】比較例13 ビストップB−20、0.6gをアルギン酸(株式会社
紀文フードケミファ製、ダックアルギン)0.6gに代
えた以外は比較例6と同様に操作を行い油性組成物を得
た。脱水の途中にアルギン酸の沈殿を生じた。得られた
油性組成物の水分含有量は0.5重量%、固体相中の水
分含有量は17.4重量%であった。また、凝集したた
め、粒子径は測定不能であり、調製して1日後には、ほ
とんどの固体が沈殿し、油相部が透明になった。 比較例14 ビストップB−20、0.6gをジェランガム(大日本
製薬(株)製、ケルコゲル)0.6gに代えた以外は比
較例6と同様に操作を行い油性組成物を得た。脱水の途
中にジェランガムの沈殿を生じた。得られた油性組成物
の水分含有量は0.8重量%、固体相中の水分含有量は
25.3重量%であった。また、凝集したため、粒子径
は測定不能であり、調製して1日後には、ほとんどの固
体が沈殿し、油相部が透明になった。
【0034】比較例15 クエン酸6g及び水39gを混合して60℃で溶解させ
たものを水相とし、大豆油40g及びポエム PR−3
00、5gを混合して60℃で溶解させたものを油相と
した。該油相に上記水相をゆっくり添加しながらホモミ
キサーを用いて6000rpm で20分間、60℃で混合
乳化し、W/O型乳化物を得た。得られたW/O型乳化
物の水分含有量は39.0重量%で、乳化粒子の平均粒
径は1.8μmであった。得られたW/O型乳化物の保
存安定性について、実施例1と同様の評価を行った。評
価結果を表2に示す。 比較例16 クエン酸6g及び水39gを混合して60℃で溶解させ
たものを水相とし、大豆油40g及びポエム PR−3
00、5gを混合して60℃で溶解させたものを油相と
した。該油相に上記水相をゆっくり添加しながらホモミ
キサーを用いて60℃で、6000rpm 、20分間混合
乳化し、更に高圧ホモジナイザーを用いて500kg/cm
2 の圧力で乳化し、W/O型乳化物を得た。得られたW
/O型乳化物の水分含有量は39.1重量%で、乳化粒
子の平均粒径は0.7μmであった。得られたW/O型
乳化物の保存安定性について、実施例1と同様の評価を
行った。評価結果を表2に示す。
【0035】比較例17 実施例14と同様に操作を行い、W/O型乳化物を得
た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用いて
実施例14よりも短い時間減圧脱水することにより、実
施例14よりも水分含有量の多い油性組成物を得た。得
られた油性組成物の水分含有量は21.8重量%、固体
相中の水分含有量は31.4重量%、固体微粒子の平均
粒子径は1.1μmであった。得られた油性組成物の保
存安定性について、実施例1と同様の評価を行った。評
価結果を表2に示す。 比較例18 実施例15と同様に操作を行い、W/O型乳化物を得
た。次いで、該W/O型乳化物をオイルポンプを用いて
実施例15よりも短い時間減圧脱水することにより、実
施例15よりも水分含有量の多い油性組成物を得た。得
られた油性組成物の水分含有量は19.1重量%、固体
相中の水分含有量は36.1重量%、固体微粒子の平均
粒子径は1.1μmであった。得られた油性組成物の保
存安定性について、実施例1と同様の評価を行った。評
価結果を表2に示す。
【0036】 比較例19〜24及び26〜31 実施例又は参考例1〜6及び8〜13 において、脱水処
理を行う前のW/O型乳化物を、それぞれ比較例19〜
24及び26〜31とした。それぞれのW/O型乳化物
の水分含量は、40.1、40.0、48.8、48.
6、41.5、41.6、37.9、42.4、51.
1、53.9、40.0及び40.1重量%であり、乳
化粒子の平均粒径はそれぞれ、1.2、0.8、0.5、1.
2、2.2、2. 0、 2. 、2.3、1.1、1.6、2.0及び1.
8μmであった。上記W/O型乳化物の保存安定性につ
いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2
(比較例19〜21)、表3(比較例22〜24及び2
)及び表4(比較例27〜31)に示す。 比較例32 クエン酸6g、ゼラチンAU−S10g及び水39gを
混合して60℃で溶解させたものを水相とし、大豆油4
0g及びポエム PR−300、5gを混合して60℃
で溶解させたものを油相とした。該油相に上記油相をゆ
っくり添加し、20分間スパチュラで攪拌乳化した。乳
化後、オイルポンプを用いて減圧脱水し油性組成物を得
た。油性組成物の水分含有量は0.3重量%で、固体微
粒子の平均粒径は6.1μmであった。調整して1ヶ月後
には、ほとんどの固体が沈殿し、油相部が透明になっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】 比 較 例 17 18 19 20 21 調製直後 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5℃1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 6ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 室温1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□ ○□ ○□ ■ ○□ ■ ○□ ■ 6ヶ月 ○□ ○□ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 40℃1ヶ月 ○□ ○□ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 3ヶ月 ○□ ○□ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 6ヶ月 ○□▲ ○□▲ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 冷凍6ヶ月 ○□ ○□ △□ △□ △□
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】 比 較 例 27 28 29 30 31 調製直後 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 5℃1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 3ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□ ○□ 6ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□▲ ○□▲ 室温1ヶ月 ○□ ○□ ○□ ○□▲ ○□▲ 3ヶ月 ○□ ■ ○□ ■ ○□ ■ △□▲■ △□▲■ 6ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 40℃1ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 3ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 6ヶ月 △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ △□▲■ 冷凍6ヶ月 △□ △□ △□ △□ △□
【0041】 上記実施例又は参考例1〜6及び8〜1
、及び比較例1〜18の油性組成物について、油性組
成物中の固体相の含有量(重量%)、水性物質100重
量部に対するゼラチン及び/又はアラビアガムの量(重
量部)、及び固体相中のゼラチン及び/又はアラビアガ
ムの量(重量%)を計算により求めた。その結果を表5
(実施例又は参考例1〜6及び8〜15)及び表6(比
較例1〜18)に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】〔マスキング効果の評価〕実施例1、10
及び11、比較例1〜3のクエン酸含有油性組成物を2
0名の健常人が食し、クエン酸の味を感じるか否かによ
り、マスキング効果の評価を行った。実施例1、10及
び11の油性組成物を食した20名は、何れもクエン酸
の味を感じなかったが、比較例1〜3の油性組成物を食
した20名は、何れもクエン酸の味を感じた。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の油性組成
物は、水溶性及び/又は水分散性物質に対するゼラチン
及び/又はアラビアガム量を特定の量とし、固体相の平
均粒子径を5μm以下とし、該油性組成物の水分含有量
を3重量%以下とすることで、長期に保存した場合にも
ゼラチン及び/又はアラビアガムの沈殿しない、保存安
定性に優れたものとなる。また、本発明の油性組成物の
製造方法によれば、保存安定性に優れた油性組成物を得
ることができる。また、本発明の油性組成物は保存安定
性に優れるため、保存安定性が要求される食品、飼料、
化粧品、医薬品、農薬、機械その他各種工業分野におい
て利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 13/00 B01J 13/00 B C08L 5/00 C08L 5/00 89/00 89/00 // C11B 5/00 C11B 5/00 C11C 3/00 C11C 3/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 7/00 - 9/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性及び/又は水分散性物質と、該水
    溶性及び/又は水分散性物質100重量部に対して50
    〜4000重量部のゼラチン及び/又はアラビアガムと
    を含有してなる固体相と、油性成分、及び乳化剤を含有
    する油相とを含有し、かつ該固体相の平均粒子径が5μ
    m以下であり、該油性組成物の水分含有量が3重量%以
    下であることを特徴とする油性組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性及び/又は水分散性物質が、酸味
    料、抗酸化剤、酵素、菌類、調味料、無機塩類、澱粉、
    澱粉分解物、ペプチド、アミノ酸、食物繊維、セルロー
    ス、栄養強化剤及び動植物抽出物質からなる群から選択
    される1種又は2種以上を組み合わせたものであること
    を特徴とする請求項に記載の油性組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性及び/又は水分散性物質が、クエ
    ン酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、メタリン酸及
    びその塩類、フォスフォリパーゼ、アミラーゼ、デヒド
    ロゲナーゼ、乳酸菌、酪酸菌,食塩、醤油、炭酸ナトリ
    ウム、コーン澱粉、デキストリン、乳ペプチド、コーン
    ペプチド、L−トリプトファン、塩化リジン、グルタミ
    ン酸ナトリウム、ポリデキストロース、微結晶セルロー
    ス、アスコルビン酸及びその塩類、ニコチン酸アミド、
    リン酸L−アスコルビルマグネシウム、ビタミンB類、
    ナイアシン、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチ
    ン、塩化カルシウム、乳性ミネラル、乳酸カルシウム、
    カゼイン・カルシウム・ペプチド(CCP)、カゼイン
    ホスホペプチド(CPP)、カルシウムサイトレートマ
    ート(CCM)、牛骨粉、貝殻粉、ヘム鉄、アルブチ
    ン、コウジ酸、グリチルリチン酸ジカリウム、マレイン
    酸クロフェニラミン、ギムネマシルベスタ抽出物、ロー
    ヤルゼリー、プロポリス、羅漢果抽出物、ハーブエキ
    ス、ぶどう抽出物、ブルーベリー抽出物、ローズマリー
    抽出物、茶抽出物、及びこけもも抽出物からなる群から
    選択される1種又は2種以上を組み合わせたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の油性組成物
  4. 【請求項4】 油相中に油溶性物質を含有することを特
    徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の油性組成
    物。
  5. 【請求項5】 油溶性物質が、抗酸化剤、栄養強化剤及
    び動植物抽出物質からなる群から選択される1種又は2
    種以上を組み合わせたものであることを特徴とする請求
    に記載の油性組成物。
  6. 【請求項6】 水溶性及び/又は水分散性物質該水溶
    性及び/又は水分散性物質100重量部に対して50〜
    4000重量部のゼラチン及び/又はアラビアガム、並
    びに水を含有する水相を、ゼラチン及び/又はアラビア
    ガムの溶解温度以上の温度に加温し、該水相と、油性成
    分及び乳化剤を含有する油相とを混合して最終的にW/
    O型乳化物とし、次いで該W/O乳化物全体の水分含有
    量が3重量%以下となるように脱水処理することを特徴
    とする、固体相、油性成分、及び乳化剤を含有する油性
    組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 水溶性及び/又は水分散性物質が、酸味
    料、抗酸化剤、酵素、菌類、調味料、無機塩類、澱粉、
    澱粉分解物、ペプチド、アミノ酸、食物繊維、セルロー
    ス、栄養強化剤、及び動植物抽出物質からなる群から選
    択される1種又は2種以上を組み合わせたものであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の油性組成物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 水溶性及び/又は水分散性物質が、クエ
    ン酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、メタリン酸及
    びその塩類、フォスフォリパーゼ、アミラーゼ、デヒド
    ロゲナーゼ、乳酸菌、酪酸菌,食塩、醤油、炭酸ナトリ
    ウム、コーン澱粉、デキストリン、乳ペプチド、コーン
    ペプチド、L−トリプトファン、塩化リジン、グルタミ
    ン酸ナトリウム、ポリデキストロース、微結晶セルロー
    ス、アスコルビン酸及びその塩類、ニコチン酸アミド、
    リン酸L−アスコルビルマグネシウム、ビタミンB類、
    ナイアシン、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビオチ
    ン、塩化カルシウム、乳性ミネラル、乳酸カルシウム、
    カゼイン・カルシウム・ペプチド(CCP)、カゼイン
    ホスホペプチド(CPP)、カルシウムサイトレートマ
    ート(CCM)、牛骨粉、貝殻粉、ヘム鉄、アルブチ
    ン、コウジ酸、グリチルリチン酸ジカリウム、マレイン
    酸クロフェニラミン、ギムネマシルベスタ抽出物、ロー
    ヤルゼリー、プロポリス、羅漢果抽出物、ハーブエキ
    ス、ぶどう抽出物、ブルーベリー抽出物、ローズマリー
    抽出物、茶抽出物、及びこけもも抽出物からなる群から
    選択される1種又 は2種以上を組み合わせたものである
    ことを特徴とする、請求項6に記載の油性組成物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 油相に油溶性物質を添加することを特徴
    とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の油性組成物
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 油溶性物質が、抗酸化剤、栄養強化
    剤、及び動植物抽出物質からなる群から選択される1種
    又は2種以上を組み合わせたものであることを特徴とす
    る請求項9項に記載の油性組成物の製造方法
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