JP2019104712A - 阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原材料の成分比率を維持しつつ、簡便に摂取することができ、経口摂取に優れた阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法を提供すること。【解決手段】質量平均分子量が10000〜500000である阿膠と、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤と、を含み、阿膠に対する包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末。【選択図】なし
Description
本発明は、阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法に関する。
阿膠(アキョウ)とは、ウマ科のロバの乾皮又は未加工の皮膚を煮てから、その煎出物を濃縮することによって作られる固体のゼラチンである(2010年版中国薬典)。
阿膠は、血液を補い、気を養うのに有効な薬物として知られており、高名な薬物書「神農本草経」においては、後漢の時代より、「上品」、「長期間服用すると、気を補い、身体を軽く感じるようになる」と記載されている。阿膠の特徴は「甘」、「平」であり、その主な機能は、血液を補うとともに、陰を養って、乾燥状態を改善し、止血することである。このような機能を有することから、阿膠は、血液不足による皮膚の黄化、めまい、動悸、筋委縮及び脱力、情緒的過敏、不眠、虚風内動、肺の乾燥による咳、労咳、喀血、吐血及び血尿、血便、切迫流産等の治療に使用されてきた。
阿膠は、血液を補い、気を養うのに有効な薬物として知られており、高名な薬物書「神農本草経」においては、後漢の時代より、「上品」、「長期間服用すると、気を補い、身体を軽く感じるようになる」と記載されている。阿膠の特徴は「甘」、「平」であり、その主な機能は、血液を補うとともに、陰を養って、乾燥状態を改善し、止血することである。このような機能を有することから、阿膠は、血液不足による皮膚の黄化、めまい、動悸、筋委縮及び脱力、情緒的過敏、不眠、虚風内動、肺の乾燥による咳、労咳、喀血、吐血及び血尿、血便、切迫流産等の治療に使用されてきた。
従来使用されていた阿膠は、上述したように固体であるため、経口摂取する際に工夫を施す必要がある。具体的には、板状に成形された阿膠を削り取る、お湯で煮出す等の処理が必要とされている。また、阿膠は独特の風味を有するため、上述したような処理を行わずに経口摂取しやすくすることを目的として、飲料、製菓等の加工食品も販売されている。しかしながら、これらの加工食品における阿膠の含有率は上述のような効能を得る観点では不十分であり、市場では更なる改善が求められている。
また、阿膠は分子量が高いため、経口摂取による体内吸収性、製造適性に課題があるとして特許文献1ないし3にそれぞれ以下のような発明が開示されている。特許文献1には、酵素による加水分解により体内吸収性を高めた液状の阿膠の調製方法が開示されている。特許文献2には、特定の複合酵素により加水分解した、平均分子量が1000D〜7000D、主に3000D〜5000Dにある活性ゼラチンコラーゲンペプチド組成物が開示されている。特許文献3には、活性小分子阿膠混合物であって、混合物の質量平均分子量が580〜1300Daであり、ペプチドの分子量が200〜3000Da、主に200〜1000Daに分布しており、複合プロテアーゼを用いて阿膠液の酵素加水分解を行うことによって調製され、複合プロテアーゼがパパイン及びプロリンプロテアーゼを含む活性小分子阿膠混合物が開示されている。
ところで、阿膠が有する機能を効果的に得る観点からは、原材料である阿膠の成分比率を維持した素材状態、すなわち、できるだけ加工を施さない状態で経口摂取することが望ましいとされている。特許文献1ないし3に記載の方法では、いずれも阿膠を分解して低分子化させるため、阿膠が有する効能が十分に発揮されない恐れがある。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、原材料の成分比率を維持しつつ、簡便に摂取することができ、経口摂取に優れた阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
[1] 阿膠と、包括剤と、を含み、
上記阿膠は、質量平均分子量が10000〜500000であり、
上記包括剤が、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
上記阿膠に対する上記包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、
平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末。
[2] さらに、分散剤を含む[1]に記載の阿膠含有粉末。
[3] 阿膠含有粉末全量に対する、上記阿膠の含有率が質量比で60質量%以上である[1]または[2]に記載の阿膠含有粉末。
[4] さらに、酸化防止剤として、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類、およびビタミンE類から選ばれる少なくとも1種を含む[1]〜[3]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末。
[5] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有錠剤。
[6] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有食品。
[7] 上記阿膠含有食品が固形状である[6]に記載の阿膠含有食品。
[8] 上記阿膠含有食品の表面が、コーティング層を有する[6]または[7]に記載の阿膠含有食品。
[9] 質量平均分子量が10000〜500000である阿膠を含む粉体の製造方法であって、
阿膠を溶解する溶解工程と、
阿膠を粉末化する乾燥工程と、を含む製造方法。
[10] さらに、上記乾燥工程の前に分散工程を含む[9]に記載の製造方法。
上記阿膠は、質量平均分子量が10000〜500000であり、
上記包括剤が、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
上記阿膠に対する上記包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、
平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末。
[2] さらに、分散剤を含む[1]に記載の阿膠含有粉末。
[3] 阿膠含有粉末全量に対する、上記阿膠の含有率が質量比で60質量%以上である[1]または[2]に記載の阿膠含有粉末。
[4] さらに、酸化防止剤として、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類、およびビタミンE類から選ばれる少なくとも1種を含む[1]〜[3]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末。
[5] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有錠剤。
[6] [1]〜[4]のいずれか1つに記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有食品。
[7] 上記阿膠含有食品が固形状である[6]に記載の阿膠含有食品。
[8] 上記阿膠含有食品の表面が、コーティング層を有する[6]または[7]に記載の阿膠含有食品。
[9] 質量平均分子量が10000〜500000である阿膠を含む粉体の製造方法であって、
阿膠を溶解する溶解工程と、
阿膠を粉末化する乾燥工程と、を含む製造方法。
[10] さらに、上記乾燥工程の前に分散工程を含む[9]に記載の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、原材料の成分比率を維持しつつ、簡便に摂取することができ、経口摂取に優れた阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を適用した阿膠含有粉末の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示では、段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、阿膠含有粉末中の各成分の量は、各成分に該当する物質が阿膠含有粉末中に複数存在する場合には、特に断らない限り、阿膠含有粉末中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示では、段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、阿膠含有粉末中の各成分の量は、各成分に該当する物質が阿膠含有粉末中に複数存在する場合には、特に断らない限り、阿膠含有粉末中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
[阿膠含有粉末]
本開示の阿膠含有粉末は、質量平均分子量が10000〜500000である阿膠と、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤と、を含み、阿膠に対する包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末である。
本開示の阿膠含有粉末は、質量平均分子量が10000〜500000である阿膠と、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤と、を含み、阿膠に対する包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末である。
本発明者らが、阿膠独特の風味の他、高分子量体であることに起因した成形加工性の難しさに基づく製造適性および摂取方法の煩雑さを解消するために種々の検討を行ったところ、質量平均分子量が10000〜500000である阿膠と、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤と、を含み、阿膠に対する包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末が有効であることが明らかとなった。
詳細な理由は定かではないが、本発明者らはその理由について以下の通り推測している。
本発明者らは、阿膠と包括剤とを含む粉末中によって、阿膠の溶解性が向上し、より簡便に経口摂取が可能となるという新たな知見を見出した。この点について本発明者らは、阿膠が包括剤に付着または包まれた状態となっていることで、高分子量体の分子同士または分子内での相互作用が低減され、凝集が抑制されるため、得られる阿膠含有粉末の溶解性が向上し、より簡便な方法で経口摂取が可能となったと推測した。
本発明者らは、阿膠と包括剤とを含む粉末中によって、阿膠の溶解性が向上し、より簡便に経口摂取が可能となるという新たな知見を見出した。この点について本発明者らは、阿膠が包括剤に付着または包まれた状態となっていることで、高分子量体の分子同士または分子内での相互作用が低減され、凝集が抑制されるため、得られる阿膠含有粉末の溶解性が向上し、より簡便な方法で経口摂取が可能となったと推測した。
さらに本発明者らが、包括剤と溶解性との相関性について上記知見に基づき検討を重ねた結果、未加工の阿膠に含有されるコラーゲン等の水溶性物質以外の難溶性物質に着目した。その結果、包括剤の比率を特定量とすることで、溶解性に優れた粉末となりうること、さらに驚くべきことに阿膠特有の風味が改善され、経口摂取しやすくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。この点に関して詳細な機構は定かではないが、阿膠が小さな粒子となって分散される他、包括剤との相互作用により阿膠特有の風味の原因となりうる物質がマスキングされたと推測している。
上述したように、分解によって阿膠を低分子化する場合、分解の程度をコントロールする必要があることから製造適性上の管理が難しいが、本開示の阿膠含有粉末であれば、簡便な方法で経口摂取性に優れた粉末を得ることができる。また、本開示の阿膠含有粉末であれば、上述したように製造適性付与等の目的で、阿膠の低分子化、濾過等の工程によって阿膠が含有する種々の成分の低減を防ぐことができる。すなわち、本来の阿膠の成分比率を大きく変更しないため、効果的に阿膠本来の機能を奏しうる素材として、商品価値の向上にも寄与し得ると考えられる。
なお、上記の推測は、本発明の一実施形態の効果を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
以下、本開示の阿膠含有粉末の各成分について、詳細に説明する。
〔阿膠〕
本開示の阿膠含有粉末に用いられる阿膠は、ウマ科のロバより抽出される質量平均分子量が10000〜500000である、コラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチンを含有する、固体の抽出物である。由来がロバであれば特に限定されないが、ロバの乾皮又は未加工の皮膚を煮てから、その煎出物を濃縮することによって作られる固体の阿膠であることが好ましい。
本開示の阿膠含有粉末に用いられる阿膠は、ウマ科のロバより抽出される質量平均分子量が10000〜500000である、コラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチンを含有する、固体の抽出物である。由来がロバであれば特に限定されないが、ロバの乾皮又は未加工の皮膚を煮てから、その煎出物を濃縮することによって作られる固体の阿膠であることが好ましい。
阿膠が含有するコラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチンは、2種類以上のアミノ酸から構成されており、例えば、リジン、ヒスチジン、アルギニン、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニンが挙げられる。これらの中でも、リジン、トリプトファン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、スレオニン、バリンおよびフェニルアラニンは、体内で合成することができないため食物から摂取する必要があり、「必須アミノ酸」と呼ばれている。
その他、 阿膠はミネラル(例えば、微量元素カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、アルミニウム、マンガン、亜鉛、クロム、白金、錫、銀、臭素、モリブデン、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム)、グリコサミノグリカン、デルマタン硫酸成分(デルマタン硫酸)、及びデルマタン硫酸等の成分が含まれることもある。特に、デルマタン硫酸は皮膚保護作用と抗血栓効果を有するため、心臓血管疾患の治療のために国際社会で高価で販売されている。
本開示の阿膠含有粉末に用いられる阿膠は、質量平均分子量が10000〜500000であるコラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチンを含有していれば、例えば上述したようなその他の成分を含有していても、していなくともよい。漢方学上の知見より、ロバより抽出した後、精製などの処理を行っていない阿膠であることが、上述したアミノ酸およびその他の成分との相乗効果が期待されるため、好ましい。
なお、本開示において質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた方法により測定できる。より詳細には、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記装置、及びカラムを使用し、下記条件で測定したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、溶媒NMP(N−メチルピロリドン)、示差屈折計(Refractive Index Detector:RI検出器)によるポリスチレン換算で表した値を用いることが好ましいが、この装置に限定されるものではない。
[装置名] TOSOH HC−8320GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super AWM−H
[試料濃度] 0.02質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw(質量平均分子量)=706000〜590までの6サンプルによる校正曲線を使用。
[装置名] TOSOH HC−8320GPC
[カラム] TOSOH TSKgel Super AWM−H
[試料濃度] 0.02質量%
[流速] 0.35ml/min
[校正曲線] TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw(質量平均分子量)=706000〜590までの6サンプルによる校正曲線を使用。
原料としての阿膠の供給形態としては、固体の抽出物そのものでも良いし、本開示の効果を奏する範囲であれば、少量の植物油、糖類、酒類等を含んでもよい。
〔包括剤〕
本開示において、「包括剤」とは、水に易溶性(40℃における水への溶解度が100mlあたり1g以上であるもの)の有機化合物であり、かつ阿膠の一次粒子の凝集を妨げる機能を有するものを意味する。なお、阿膠の一次粒子の凝集を妨げる機能を有するか否かは、水に対する溶解速度によって判断することができる。
本開示の阿膠含有粉末は、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤(以下、「特定包括剤」とも称する。)を含む。阿膠含有粉末において、特定包括剤は阿膠および/または阿膠が含有する種々の成分の凝集の抑制に寄与する。
本開示において、「包括剤」とは、水に易溶性(40℃における水への溶解度が100mlあたり1g以上であるもの)の有機化合物であり、かつ阿膠の一次粒子の凝集を妨げる機能を有するものを意味する。なお、阿膠の一次粒子の凝集を妨げる機能を有するか否かは、水に対する溶解速度によって判断することができる。
本開示の阿膠含有粉末は、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む包括剤(以下、「特定包括剤」とも称する。)を含む。阿膠含有粉末において、特定包括剤は阿膠および/または阿膠が含有する種々の成分の凝集の抑制に寄与する。
溶解性をより向上させる観点からは、本開示に使用しうる包括剤としては、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の包括剤であって、かつ、水溶性包括剤が好ましい。
なお、水溶性包括剤とは、40℃における水への溶解度が100mlあたり3g以上であるものを意味する。
なお、水溶性包括剤とは、40℃における水への溶解度が100mlあたり3g以上であるものを意味する。
(多糖類)
本開示における多糖類は、糖の繰り返し単位(以下、「糖単位」とも称する。)が10個以上結合した糖を意味し、1種の多糖類であっても複数種を組み合わせたものであってもよい。糖単位の上限は、阿膠の凝集を抑制するものであれば特に制限はないが、10000個以下とすることができる。
多糖類としては、グリコーゲン、アミロース、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、デキストリン、スタキオース、イヌリン、ガム類(例えば、アラビアガム、グアーガム、ペクチン、プルラン、アルギン酸ナトリウム)等が挙げられる。
本開示における多糖類は、糖の繰り返し単位(以下、「糖単位」とも称する。)が10個以上結合した糖を意味し、1種の多糖類であっても複数種を組み合わせたものであってもよい。糖単位の上限は、阿膠の凝集を抑制するものであれば特に制限はないが、10000個以下とすることができる。
多糖類としては、グリコーゲン、アミロース、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、デキストリン、スタキオース、イヌリン、ガム類(例えば、アラビアガム、グアーガム、ペクチン、プルラン、アルギン酸ナトリウム)等が挙げられる。
(オリゴ糖類)
本開示におけるオリゴ糖は、糖単位が二個以上九個以下結合した糖を意味する。すなわち、糖単位が二個結合した二糖類をも包含する。
オリゴ糖類としては、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース等の二糖類、イヌリン、ラフィノース、パノース、マルトトリオース、ゲンチアノース、ケストース、GF2等の三糖類、スタキオース、フラクトシルニストース等の四糖類、ベルバスコース(verbascose)等の五糖類、マルトヘキサオース等の六糖類、デキストリン等が挙げられる。
本開示におけるオリゴ糖は、糖単位が二個以上九個以下結合した糖を意味する。すなわち、糖単位が二個結合した二糖類をも包含する。
オリゴ糖類としては、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース等の二糖類、イヌリン、ラフィノース、パノース、マルトトリオース、ゲンチアノース、ケストース、GF2等の三糖類、スタキオース、フラクトシルニストース等の四糖類、ベルバスコース(verbascose)等の五糖類、マルトヘキサオース等の六糖類、デキストリン等が挙げられる。
(単糖類)
単糖類としては、グルコース、マンノース、キシロース、リボース、アラビノース、フ
ルクトース、ガラクトース等が挙げられる。
単糖類としては、グルコース、マンノース、キシロース、リボース、アラビノース、フ
ルクトース、ガラクトース等が挙げられる。
(糖アルコール)
糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトール等が挙げられる。
糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクトース、マルトトリイトール、キシリトール等が挙げられる。
本開示に用いる包括剤としては、デキストリン、クラスターデキストリン、イヌリン、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコース、トレハロース、蔗糖(スクロース)およびマルトースからなる群から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、入手の容易性等の観点からイヌリン、ラフィノースおよびトレハロースからなる群から選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、乾燥時の収率の観点からイヌリンまたはトレハロースがさらに好ましい。
イヌリンは広く自然界に存在することが知られており、チコリ、キクイモ、ダリア、ニンニク、ニラ、タマネギ、アガベ等に多く含まれる。一般に、ブドウ糖単位をG、果糖単位をFとして鎖長を表現する。本開示のイヌリンには、GFで表記されるスクロースは含まれない。通常天然から抽出されるイヌリンは、GF2(ケストース)、GF3(ニストース)、GF4(フラクトシルニストース)からGF60程度までのポリマー又はオリゴマー、或は、ポリマー及びオリゴマーの混合物である。
本開示の特定包括剤として使用できる市販されているイヌリンとしては、Frutafit(商品名、SENSUS社)ベネオ(商品名、オラフティ社)、ダリア根由来イヌリン試薬((株)和光純薬工業)、チコリ根抽出イヌリン試薬(シグマアルドリッチ社)、フジFF(商品名、フジ日本精糖(株)GF15相当)、GF2(商品名、明治製菓(株))などを挙げることができる。
本開示の阿膠含有粉末における特定包括剤の含有率は、阿膠全量に対して質量比で1質量%〜500質量%である。特定包括剤の含有率が、このような範囲であると、風味および溶解性に優れた、阿膠含有粉末を実現することができる。
なお、特定包括剤の含有率を高め(例えば、100質量%〜500質量%)とすると、乾燥工程での収量をより高めることができる観点で好ましい。一方、特定包括剤の含有率を低め(例えば、10質量%〜100質量%)とすると、阿膠の有効成分を高濃度に含んだ粉末を製造することができる。
なお、特定包括剤の含有率を高め(例えば、100質量%〜500質量%)とすると、乾燥工程での収量をより高めることができる観点で好ましい。一方、特定包括剤の含有率を低め(例えば、10質量%〜100質量%)とすると、阿膠の有効成分を高濃度に含んだ粉末を製造することができる。
本開示の阿膠含有粉末は、特定包括剤を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の阿膠含有粉末中における特定包括剤の含有率は、阿膠全量に対して、好ましくは10質量%以上300質量%以下であり、10質量%以上200質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上100質量%以下である。特定包括剤の含有率は、阿膠含有粉末全量に対して1質量%以上80質量%以下が好ましい。
本開示の阿膠含有粉末中において、特定包括剤によって阿膠の粒子の表面の一部が被覆されていることが好ましく、阿膠の粒子の表面が被覆されていることがより好ましい。
本開示の阿膠含有粉末は、上記の配合成分の他、通常用いられる他の成分を含有してもよい。このような成分としては、例えば分散剤、酸化防止剤、賦形剤等を挙げることができる。
〔分散剤〕
本開示の阿膠含有粉末は、溶解した際の透明性を向上させる観点で、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択された少なくとも1種の分散剤を含有することが好ましい。
分散剤は、阿膠が含有する水に難溶性の成分を分散することができ、得られる阿膠含有粉末の平均粒子径を低減することに寄与すると考えられる。このため、たとえば阿膠含有粉末を飲料等に用いた場合に、沈殿物の発生の抑制、阿膠が含有する成分を効率的に摂取することができる。
本開示の阿膠含有粉末は、溶解した際の透明性を向上させる観点で、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンから選択された少なくとも1種の分散剤を含有することが好ましい。
分散剤は、阿膠が含有する水に難溶性の成分を分散することができ、得られる阿膠含有粉末の平均粒子径を低減することに寄与すると考えられる。このため、たとえば阿膠含有粉末を飲料等に用いた場合に、沈殿物の発生の抑制、阿膠が含有する成分を効率的に摂取することができる。
(ショ糖脂肪酸エステル)
ショ糖脂肪酸エステルは、界面活性の観点から脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。炭素数12以上とすることにより、阿膠の一時平均粒子径をより小さい粒子にすることができる場合がある。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。
本開示においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、界面活性の観点から脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。炭素数12以上とすることにより、阿膠の一時平均粒子径をより小さい粒子にすることができる場合がある。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。
本開示においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が4以上、好ましくは6〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸とのエステルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が4以上、好ましくは6〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸とのエステルである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。
(レシチン)
レシチンは、グリセロリン脂質の一種で、自然界の動植物のすべての細胞中に存在しており、生体膜の主要構成成分である。従って、あらゆる動植物からレシチンを取り出すことは可能であるが、工業的には大豆と卵黄を原料として得られたレシチンが一般的である。以下、大豆由来のレシチンを大豆レシチン、卵黄由来のレシチンを卵黄レシチンと称することがある。
レシチンは安全性が高く、油を水に分散させてエマルションを作る乳化力が良好であることから、食品や化粧品用の乳化剤としてよく用いられる。また、医薬品においても、皮膚や粘膜から物質を透過吸収する浸透作用を利用して、医薬用リポソームの材料、静脈注射用脂肪乳剤、痔や皮膚病の治療薬などに利用されている。食品や化粧料用途には、主にコストの観点から大豆レシチンが多く用いられている。
本開示に用いられるレシチンは、大豆レシチン、卵黄レシチンをはじめ、いずれの動植物由来レシチンを使うことができるが、なかでも、植物由来のレシチンが好ましく、大豆レシチンが特に好ましい。
レシチンは、グリセロリン脂質の一種で、自然界の動植物のすべての細胞中に存在しており、生体膜の主要構成成分である。従って、あらゆる動植物からレシチンを取り出すことは可能であるが、工業的には大豆と卵黄を原料として得られたレシチンが一般的である。以下、大豆由来のレシチンを大豆レシチン、卵黄由来のレシチンを卵黄レシチンと称することがある。
レシチンは安全性が高く、油を水に分散させてエマルションを作る乳化力が良好であることから、食品や化粧品用の乳化剤としてよく用いられる。また、医薬品においても、皮膚や粘膜から物質を透過吸収する浸透作用を利用して、医薬用リポソームの材料、静脈注射用脂肪乳剤、痔や皮膚病の治療薬などに利用されている。食品や化粧料用途には、主にコストの観点から大豆レシチンが多く用いられている。
本開示に用いられるレシチンは、大豆レシチン、卵黄レシチンをはじめ、いずれの動植物由来レシチンを使うことができるが、なかでも、植物由来のレシチンが好ましく、大豆レシチンが特に好ましい。
大豆レシチンは、大豆油精製工程で副生する油滓を乾燥、精製することにより製造される。通常、リン脂質含有率70質量%以下のペースト状レシチンは、大豆粗油を30質量%程度含むレシチンではあるが、安価なため、特に食品分野ではレシチンとして、ペースト状レシチンが汎用されている。
近年、リン脂質自体の生理活性や、より高度な乳化剤へのニーズから、レシチンに対して高度精製、分別、改質などの技術が加えられ、性能、機能の異なる種々のレシチン、例えば、高度精製レシチン、分別レシチン、改質レシチン等が作られており、本開示ではこのような高度精製レシチン等の使用が好ましい。
高度精製レシチンは、上記ペースト状レシチンから、アセトン等の溶媒を用いて脱油し、粉末化したレシチンであり、ペースト状レシチンを精製して得られた、一般にレシチン含有率が90質量%以上であるレシチンを高度精製レシチンと称する。
高度精製レシチンは市販品としても入手可能である。高度精製レシチンの市販品の例としては、フォスフォリポン20(商品名、リポイド社)、レシオンP(商品名、理研ビタミン)、SLPホワイト(商品名、辻製油)、エマルメティック300(商品名、ルーカスマイヤーコスメティックス社)などが市販されている。
通常の精製レシチンの他に、主にPC含有率を高めた分別レシチン、酵素分解により一本鎖化した酵素分解(リゾ)レシチンも本開示におけるレシチンとして用いることができる。
近年、リン脂質自体の生理活性や、より高度な乳化剤へのニーズから、レシチンに対して高度精製、分別、改質などの技術が加えられ、性能、機能の異なる種々のレシチン、例えば、高度精製レシチン、分別レシチン、改質レシチン等が作られており、本開示ではこのような高度精製レシチン等の使用が好ましい。
高度精製レシチンは、上記ペースト状レシチンから、アセトン等の溶媒を用いて脱油し、粉末化したレシチンであり、ペースト状レシチンを精製して得られた、一般にレシチン含有率が90質量%以上であるレシチンを高度精製レシチンと称する。
高度精製レシチンは市販品としても入手可能である。高度精製レシチンの市販品の例としては、フォスフォリポン20(商品名、リポイド社)、レシオンP(商品名、理研ビタミン)、SLPホワイト(商品名、辻製油)、エマルメティック300(商品名、ルーカスマイヤーコスメティックス社)などが市販されている。
通常の精製レシチンの他に、主にPC含有率を高めた分別レシチン、酵素分解により一本鎖化した酵素分解(リゾ)レシチンも本開示におけるレシチンとして用いることができる。
分別レシチンは、上記高度精製レシチンから、各種溶媒への溶解度差を利用したり、蒸留等の操作により特定のリン脂質の含有率を高めたりしたレシチンであり、一般にはPC含有率を高めたレシチンを指し、分別レシチンとして市販されている。PC含有率を高めた分別レシチンの市販品の例としては、フォスフォリポン50(商品名、PC含有率45%)、フォスフォリポン85G(商品名、PC含有率80%)、フォスフォリポン90G(商品名、PC含有率94%)(以上、リポイド社)、エマルメティック900(商品名、PC含有率50%)、エマルメティック930(商品名、PC含有率95%)(以上、ルーカスマイヤーコスメティックス社)、SLP−PC70、SLP−PC90(以上、商品名、辻製油)などが市販されている。
改質レシチンとしては酵素分解レシチンが好ましい。酵素分解レシチンとは、通常グリセリンに結合している2位の脂肪酸のエステル結合を酵素によって選択的に分解したレシチンであり、I型と称することがある。酵素分解レシチンは、通常のレシチンと区別するためにリゾレシチンと呼ばれる。リゾレシチンは元の、即ち、酵素分解前のレシチンと比較して、水溶性がより向上し、一般に乳化力もより向上する。酵素分解(リゾ)レシチンの市販品としては、SLP−ホワイトリゾ(商品名、辻製油(株))、レシチンPWL(商品名、J−オイルミルズ)が挙げられる。本開示では酵素分解レシチンをさらに分別して高純度酵素分解分別レシチンを用いることが好ましい。この例としてはSLP−LPC70(商品名、辻製油(株))などがある。
本開示の阿膠含有粉末には、レシチンを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本開示の阿膠含有粉末に使用される上記分散剤の含有比率は、阿膠全量に対して1質量%から20質量%の範囲で用いることができる。
〔酸化防止剤〕
酸化防止剤は、ラジカルの発生を抑えるとともに、生成したラジカルをできる限り速やかに捕捉し、連鎖反応を断つ役割を担う添加剤である(出典:「油化学便覧 第4版」、日本油化学会編 2001)。
酸化防止剤は、ラジカルの発生を抑えるとともに、生成したラジカルをできる限り速やかに捕捉し、連鎖反応を断つ役割を担う添加剤である(出典:「油化学便覧 第4版」、日本油化学会編 2001)。
上記酸化防止剤としての機能を確認する直接的な方法としては、試薬と混合して、ラジカルを捕捉する様子を分光光度計やESR(電子スピン共鳴装置)によって測定する方法が知られている。これらの方法では、試薬として、DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)や、ガルビノキシルラジカルが使用される。
本開示においては、以下の実験条件下で、油脂の自動酸化反応を利用して、油脂の過酸化物価(POV値)を60meq/kgに引き上げるまでに要する時間が、ブランクに対し2倍以上である化合物を「酸化防止剤」と定義する。油脂の過酸化物価(POV値)は常法により測定する
<条件>
油脂:オリーブ油
検体添加量:油脂に対し0.1質量%
試験方法:試料を190℃にて加熱し、時間を追ってPOV値を常法により測定し、60meq/kgとなる時間を算出した。
<条件>
油脂:オリーブ油
検体添加量:油脂に対し0.1質量%
試験方法:試料を190℃にて加熱し、時間を追ってPOV値を常法により測定し、60meq/kgとなる時間を算出した。
本開示における酸化防止剤は、阿膠含有粉末の酸化に対する安定性の観点から、上記POV値60meq/kgになるまでに要する時間がブランクに対し5倍以上である酸化防止剤が好ましい。
本開示の酸化防止剤として使用できる化合物は、「抗酸化剤の理論と実際」(梶本著、三書房、1984)や、「酸化防止剤ハンドブック」(猿渡、西野、田端著、大成社、1976)に記載の各種酸化防止剤のうち、酸化防止剤として機能するものであればよく、具体的には、フェノール性OHを有する化合物、フェニレンジアミン等のアミン系化合物、また、アスコルビン酸及びエリソルビン酸の油溶化誘導体等を挙げることができる。
好ましい酸化防止剤(酸化防止剤)としては、例えば、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。
(アスコルビン酸類)
アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体またはその塩が挙げられる。具体例としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸K、L−アスコルビン酸Ca、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等が挙げられる。これらのうち、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、テトライソパルミチン酸L−アスコルビルが特に好ましい。
アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸またはアスコルビン酸誘導体またはその塩が挙げられる。具体例としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸K、L−アスコルビン酸Ca、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等が挙げられる。これらのうち、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、テトライソパルミチン酸L−アスコルビルが特に好ましい。
(エリソルビン酸類)
エリソルビン酸類としては、エリソルビン酸またはエリソルビン酸誘導体またはその塩が挙げられる。具体例としては、エリソルビン酸、エリソルビン酸Na、エリソルビン酸K、エリソルビン酸Ca、エリソルビン酸リン酸エステル、エリソルビン酸硫酸エステル、エリソルビン酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸エリソルビル、等が挙げられる。これらのうち、エリソルビン酸、エリソルビン酸Naが特に好ましい。
エリソルビン酸類としては、エリソルビン酸またはエリソルビン酸誘導体またはその塩が挙げられる。具体例としては、エリソルビン酸、エリソルビン酸Na、エリソルビン酸K、エリソルビン酸Ca、エリソルビン酸リン酸エステル、エリソルビン酸硫酸エステル、エリソルビン酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸エリソルビル、等が挙げられる。これらのうち、エリソルビン酸、エリソルビン酸Naが特に好ましい。
本開示に用いることのできるアスコルビン酸類またはエリソルビン酸類に属する酸化防止剤は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、L−アスコルビン酸(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、L−アスコルビン酸Na(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、アスコルビン酸2−グルコシド(商品名 AA−2G:林原生物化学研究所)、L−アスコルビン酸燐酸Mg(商品名 アスコルビン酸PM「SDK」(昭和電工)、商品名 NIKKOL VC−PMG(日光ケミカルズ)、商品名 シーメート(武田薬品工業))、パルミチン酸アスコルビル(DSM ニュートリション ジャパン、金剛薬品、メルク、ほか)等が挙げられる。
(ポリフェノール類)
ポリフェノール類として、フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、フェノール酸類(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル)、リグナン類、クルクミン類、クマリン類などを挙げることができる。また、これらの化合物は、以下のような天然物由来の抽出物中に多く含まれるため、抽出物という状態で利用することができる。
ポリフェノール類として、フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、フェノール酸類(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル)、リグナン類、クルクミン類、クマリン類などを挙げることができる。また、これらの化合物は、以下のような天然物由来の抽出物中に多く含まれるため、抽出物という状態で利用することができる。
例えば、カンゾウ抽出物、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、コレステロール及びその誘導体、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、羅漢果抽出物等が挙げられる(かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらのポリフェノール類のうち、特に好ましいものとしては、カテキン、ローズマリー抽出物、グルコシルルチン、エラグ酸、没食子酸を挙げることができる。
本開示に用いるポリフェノール類に属する酸化防止剤は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、エラグ酸(和光純薬ほか)、ローズマリー抽出物(商品名 RM−21A、RM−21E:三菱化学フーズほか)、カテキン(商品名 サンカトールW−5、No.1:太陽化学、ほか)、没食子酸Na(商品名 サンカトール:太陽化学、ほか)、ルチン・グルコシルルチン・酵素分解ルチン(商品名 ルチンK−2、P−10:キリヤ化学、商品名 αGルチン:林原生物化学研究所、ほか)等が挙げられる。
(ビタミンE類)
ビタミンE類としては、特に限定されず、例えばトコフェロール及びその誘導体からなる化合物群、並びにトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群から選ばれるものを挙げることができる。これらは単独で用いても、複数併用して用いてもよい。またトコフェノール及びその誘導体からなる化合物群とトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群からそれぞれ選択されたものを組み合わせて使用してもよい。
ビタミンE類としては、特に限定されず、例えばトコフェロール及びその誘導体からなる化合物群、並びにトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群から選ばれるものを挙げることができる。これらは単独で用いても、複数併用して用いてもよい。またトコフェノール及びその誘導体からなる化合物群とトコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群からそれぞれ選択されたものを組み合わせて使用してもよい。
トコフェロール及びその誘導体からなる化合物群としては、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等が含まれる。これらの内で、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、及び、これらの混合物(ミックストコフェロール)がより好ましい。また、トコフェロール誘導体としては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。
トコフェロール及びその誘導体からなる化合物群としては、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等が含まれる。これらの内で、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、及び、これらの混合物(ミックストコフェロール)がより好ましい。また、トコフェロール誘導体としては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。
トコトリエノール及びその誘導体からなる化合物群としては、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が含まれる。また、トコトリエノール誘導体としては、これらの酢酸エステルが好ましく用いられる。トコトリエノールは麦類、米糠、パーム油等に含まれるトコフェロール類似化合物で、トコフェロールの側鎖部分に二重結合が3個含まれ、優れた酸化防止性能を有する。
阿膠含有粉末における酸化防止剤の含有率は、阿膠含有粉末全質量に対して0.001〜5.0質量%であり、好ましくは0.01〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%である。
〔阿膠含有粉末の製造方法〕
本発明の阿膠含有粉末組成物は、予め上述した各成分を含む組成物を調製し、得られた組成物を乾燥することで製造することができる。
即ち、本開示の機能性油性成分を含有する阿膠含有粉末の製造方法は、質量平均分子量が10000〜500000である阿膠、および特定包括剤を、阿膠を溶解させる溶媒を用いて混合し、阿膠含有混合物を得ること(混合工程)、阿膠含有混合物を乾燥し、粉末化すること(乾燥工程)を含む。商品付加価値を高める観点から、原料とする阿膠の純度が高いことが好ましい。
本発明の阿膠含有粉末組成物は、予め上述した各成分を含む組成物を調製し、得られた組成物を乾燥することで製造することができる。
即ち、本開示の機能性油性成分を含有する阿膠含有粉末の製造方法は、質量平均分子量が10000〜500000である阿膠、および特定包括剤を、阿膠を溶解させる溶媒を用いて混合し、阿膠含有混合物を得ること(混合工程)、阿膠含有混合物を乾燥し、粉末化すること(乾燥工程)を含む。商品付加価値を高める観点から、原料とする阿膠の純度が高いことが好ましい。
(混合工程)
混合工程では、予め溶解させた阿膠と特定包括剤を混合するか、阿膠を特定包括剤と共に溶媒中で溶解して混合すること(溶解工程)により、阿膠含有混合物を調製する。阿膠を溶解させる方法としては、阿膠の主成分であるコラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチン(以下「コラーゲン誘導体」とも称する。)の溶解方法を採用することができる。一般的に、コラーゲン誘導体を溶解させる方法としては、「膨潤溶解法」と「直接溶解法」の2つが知られている。以下に示す作業要因から、これらの方法のどちらを採用するか、適宜判断することができる。
混合工程では、予め溶解させた阿膠と特定包括剤を混合するか、阿膠を特定包括剤と共に溶媒中で溶解して混合すること(溶解工程)により、阿膠含有混合物を調製する。阿膠を溶解させる方法としては、阿膠の主成分であるコラーゲン、コラーゲンペプチドまたはゼラチン(以下「コラーゲン誘導体」とも称する。)の溶解方法を採用することができる。一般的に、コラーゲン誘導体を溶解させる方法としては、「膨潤溶解法」と「直接溶解法」の2つが知られている。以下に示す作業要因から、これらの方法のどちらを採用するか、適宜判断することができる。
<作業要因>
・粒度
・溶液濃度
・時間的制約
・溶解作業の規模
・溶解設備(容器形状、撹拌装置など)
・粒度
・溶液濃度
・時間的制約
・溶解作業の規模
・溶解設備(容器形状、撹拌装置など)
(1)溶解工程
(i)膨潤溶解法
膨潤溶解法とは、粉末状のコラーゲン誘導体を予め水中で膨潤したのち、加熱溶解する方法であり、小規模の溶解作業に適している。溶解させるコラーゲン誘導体の量が多い場合、膨潤したコラーゲン誘導体の攪拌が困難になったり、冷水を加温するのに長時間を要する。特にコラーゲン誘導体が細粉のゼラチンを含む場合、膨潤作業において、攪拌および/または分散が十分でないと、部分的に膨潤しないことがある。ゼラチンを、むらなく、十分に吸水させることができれば、コラーゲン誘導体を溶解することができる。
(i)膨潤溶解法
膨潤溶解法とは、粉末状のコラーゲン誘導体を予め水中で膨潤したのち、加熱溶解する方法であり、小規模の溶解作業に適している。溶解させるコラーゲン誘導体の量が多い場合、膨潤したコラーゲン誘導体の攪拌が困難になったり、冷水を加温するのに長時間を要する。特にコラーゲン誘導体が細粉のゼラチンを含む場合、膨潤作業において、攪拌および/または分散が十分でないと、部分的に膨潤しないことがある。ゼラチンを、むらなく、十分に吸水させることができれば、コラーゲン誘導体を溶解することができる。
本開示の阿膠混合物を得るための溶解条件は、以下の通りである。
膨潤時間: 30〜60分
膨潤温度: 10〜25℃
溶解温度: 40〜70℃
膨潤時間: 30〜60分
膨潤温度: 10〜25℃
溶解温度: 40〜70℃
(ii)直接溶解法
直接融解法とは、粉末状のコラーゲン誘導体を、温水に、攪拌しながら直接投入してコラーゲン誘導体を溶解させる方法である。粉末状のコラーゲン誘導体を容器中で十分に分散されれば、上述した膨潤溶解法に比べて溶解時間を大きく短縮できる。粉末上のコラーゲン誘導体を完全に分散させ、かつ攪拌による気泡の巻き込みを防ぐため、容器および/または攪拌機を考慮しなければならない。
本開示の阿膠混合物を得るための溶解条件は、以下の通りである。
溶解温度: 40〜70℃
溶解時間: 15〜60分
直接融解法とは、粉末状のコラーゲン誘導体を、温水に、攪拌しながら直接投入してコラーゲン誘導体を溶解させる方法である。粉末状のコラーゲン誘導体を容器中で十分に分散されれば、上述した膨潤溶解法に比べて溶解時間を大きく短縮できる。粉末上のコラーゲン誘導体を完全に分散させ、かつ攪拌による気泡の巻き込みを防ぐため、容器および/または攪拌機を考慮しなければならない。
本開示の阿膠混合物を得るための溶解条件は、以下の通りである。
溶解温度: 40〜70℃
溶解時間: 15〜60分
なお、溶解工程の後に得られた阿膠含有混合物に不溶物が見られる場合は、添加剤(例えば、分散剤)の添加、ろ過、分散等の不溶物を除去するための工程を追加してもよい。
(分散工程)
得られる阿膠含有粉末の平均粒子径を小さくすることで、溶解性または風味が向上される観点からは、分散工程を含むことが好ましい。
特定包括剤の添加は、分散工程の前後のいずれであってもよく、分散工程の前に阿膠に添加されていてもよいし、分散工程の後に得られた組成物に添加されてもよく、分散の前後の双方において一部ずつ添加してもよい。ここで使用可能な分散手段は、機械的分散法、超音波分散法等一般に知られている分散法のいずれも使うことができる。
特定包括剤の添加は、分散工程の前後のいずれであってもよく、分散工程の前に阿膠に添加されていてもよいし、分散工程の後に得られた組成物に添加されてもよく、分散の前後の双方において一部ずつ添加してもよい。ここで使用可能な分散手段は、機械的分散法、超音波分散法等一般に知られている分散法のいずれも使うことができる。
また、汎用的に用いられる分散法として、機械力を用いた方法、すなわち外部から強い剪断力を与えることで油滴を分裂させる方法が適用されている。機械力として最も一般的なものは、高速、高剪断攪拌機である。このような攪拌機としては、ホモミキサー、ディスパーミキサーおよびウルトラミキサーと呼ばれるものが市販されている。
また、微細化に有用な別な機械的な分散装置として高圧ホモジナイザーがあり、種々の装置が市販されている。高圧ホモジナイザーは、攪拌方式と比べて大きな剪断力を与えることが出来るために、特定包括剤の量を比較的少なくしても微細化が可能である。
高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
高圧ホモジナイザーには大きく分けて、固定した絞り部を有するチャンバー型高圧ホモジナイザーと、絞りの開度を制御するタイプの均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
チャンバー型高圧ホモジナイザーの例としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
比較的エネルギー効率のよい分散装置で、簡単な構造を有する分散装置として超音波ホモジナイザーがある。製造も可能な高出力超音波ホモジナイザーの例としては、超音波ホモジナイザーUS−600、同US−1200T,同RUS−1200T、同MUS−1200T(以上、(株)日本精機製作所製)、超音波プロセッサーUIP2000,同UIP−4000、同UIP−8000,同UIP−16000(以上、ヒールッシャー社製)等が挙げられる。これらの高出力超音波照射装置は25kHz以下、好ましくは15〜20kHzの周波数で使用される。
分散工程の温度条件は、特に限定されるものでないが、阿膠の安定性の観点から40〜95℃であることが好ましく、取り扱う阿膠に応じて、適宜好ましい範囲を選択することができる。また、高圧ホモジナイザーを用いる場合には、その圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50〜300MPa、更に好ましくは100〜250MPaで処理することが好ましい。また、分散された阿膠含有混合物は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、分散粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
分散工程は複数の装置を組み合わせて行ってもよく、分散工程の後に得られた阿膠含有混合物に不溶物が見られる場合は、ろ過等の不溶物を除去するための工程を追加してもよい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、混合工程を経て得られた阿膠含有混合物を乾燥して粉末化することにより、本開示の阿膠含有粉末とする。上述した特定包括剤により阿膠の凝集が抑制されるため、乾燥工程において阿膠含有混合物を良好な乾燥状態に調製することができる。
乾燥工程では、混合工程を経て得られた阿膠含有混合物を乾燥して粉末化することにより、本開示の阿膠含有粉末とする。上述した特定包括剤により阿膠の凝集が抑制されるため、乾燥工程において阿膠含有混合物を良好な乾燥状態に調製することができる。
乾燥方法としては、公知の乾燥方法を用いることができ、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、熱風乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよいが、2種以上の方法を組み合わせて用いることもできる。
原料となる阿膠の成分比率を維持する観点からは、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましい。また、真空乾燥の一つであるが、0℃以下氷結温度以上の温度を保ちながら真空(減圧)乾燥する方法も好ましい。真空乾燥又は減圧乾燥する場合、突沸による阿膠含有混合物の飛散を回避するため、徐々に減圧度を上げながら濃縮を繰り返しつつ、乾燥させることが好ましい。
本開示の阿膠含有混合物の乾燥方法としては、味、色、栄養価、形状、テクスチャーなどが乾燥以前の状態に復元し易い観点から、凍結状態にある材料から氷を昇華させて水分を除去する凍結乾燥が好ましい。この凍結乾燥方法では、通常、乾燥過程が0℃以下、通常は−20℃〜−50℃程度で進行するため、素材の熱変性が起こらず、復水過程で上述のようなメリットを得られる。
市販の凍結乾燥機の例としては、凍結乾燥機VD−800F(タイテック(株))、フレキシドライMP(FTSシステムズ社)、デュラトップ・デュラストップ(FTSシステムズ社)、宝真空凍結乾燥機A型((株)宝エーテーエム)、卓上凍結乾燥機FD−1000(東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機FD−550(東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機((株)宝製作所)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
市販の凍結乾燥機の例としては、凍結乾燥機VD−800F(タイテック(株))、フレキシドライMP(FTSシステムズ社)、デュラトップ・デュラストップ(FTSシステムズ社)、宝真空凍結乾燥機A型((株)宝エーテーエム)、卓上凍結乾燥機FD−1000(東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機FD−550(東京理化器械(株))、真空凍結乾燥機((株)宝製作所)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、本開示では、乾燥方法として、生産効率と品質を両立する観点から噴霧乾燥法が好ましい。噴霧乾燥は対流熱風乾燥の一種である。液状の阿膠含有混合物が熱風中に数100μm以下の微小な粒子として噴霧され、乾燥されながら塔内を落下して行くことで固体粉末として回収される。素材は一時的に熱風に曝されるが、曝されている時間が非常に短いことと水の蒸発潜熱のため余り温度が上がらないことから、凍結乾燥同様に素材の熱変性が起きにくく、復水による変化も小さいものである。非常に熱に弱い素材の場合、熱風の代わりに冷風を供給することも可能である。その場合、乾燥能力は落ちるが、よりマイルドな乾燥を実現できる点で好ましい。
市販の噴霧乾燥機の例としては、噴霧乾燥機スプレードライヤSD−1000(東京理化器械(株))、スプレードライヤL−8i(大川原化工機(株))、クローズドスプレードライヤCL−12(大川原化工機(株))、スプレードライヤADL310(ヤマト科学(株))、ミニスプレードライヤB−290(ビュッヒ社)、PJ−MiniMax(パウダリングジャパン(株))、PHARMASD(ニロ社)等が挙げられるがこれに限定されることはない。また、例えば流動層造粒乾燥機MP−01((株)パウレック)、流動層内蔵型スプレードライヤFSD(ニロ社)等のように。乾燥と造粒とを同時に行える装置で、乾燥と同時に取り扱い性の優れた顆粒状にすることも好ましい。
(成形工程)
本開示の阿膠含有粉末は、圧縮成形等の成形工程を適宜加えることにより、所望の形状および/または見た目を付与することができる。具体的な成形方法としては、打錠法(シリンダー・ピストン式)、ロールプレス等法が挙げられる。
本開示の阿膠含有粉末は、圧縮成形等の成形工程を適宜加えることにより、所望の形状および/または見た目を付与することができる。具体的な成形方法としては、打錠法(シリンダー・ピストン式)、ロールプレス等法が挙げられる。
(1)打錠法
打錠法は、主に錠剤形状の成形物を製造するために用いられており、寸法、質量精度が高い成形物が得られるという特徴がある。一般的に打錠法では、打錠機を使用し、臼に充填された粉粒体を上杵・下杵により圧縮形成する操作を意味し、打錠に供する粉粒体等の製法等により、直接粉末圧縮法または顆粒(湿式、乾式)圧縮法等の区分がある。
打錠法は、主に錠剤形状の成形物を製造するために用いられており、寸法、質量精度が高い成形物が得られるという特徴がある。一般的に打錠法では、打錠機を使用し、臼に充填された粉粒体を上杵・下杵により圧縮形成する操作を意味し、打錠に供する粉粒体等の製法等により、直接粉末圧縮法または顆粒(湿式、乾式)圧縮法等の区分がある。
打錠機には、多段式、有核錠、減圧、外部滑沢剤添加等、種々のタイプのものが開発さ れている。また、基本的な機構としては、ロータリー式(二段圧縮型)打錠機が主流と なっているが、極少量の生産には単発式打錠機が選定される場合がある。打錠機の制御 (打錠生産)にあたっては、目標質量範囲の制御を作業者が適宜行う場合(マニュアル 操作)と、打錠機に質量自動制御装置を装備して、打錠工程を自動制御する場合がある。 また、質量自動制御装置は、質量設定範囲外の錠剤に対して、系外に自動排除する機能 を持っている場合が多い。さらに、打錠圧による錠剤質量制御だけでなく、一定間隔(時間)で錠剤を自動サンプリングして、錠剤特性(平均質量、錠径、錠厚、硬度)を測定 し、メインの質量制御に対してフィードバックできる機能を装備している場合もある。 さらに、打錠用粉粒体の自動供給装置、錠剤粉取機、金属検知器等、多くの付帯設備 が開発されている。 最新式の打錠機には、上記の様な多くの制御装置が設置されている場合が多い。
また、本開示の阿膠含有粉末は、粉末の流動特性及びその後の打錠適性や顆粒化適性を持たせる場合に、必要に応じて滑沢剤を更に含んでいてもよい。
本発明の錠剤作成時に用いられる滑沢剤、崩壊剤などを用いることができる。
本発明の錠剤作成時に用いられる滑沢剤、崩壊剤などを用いることができる。
1.滑沢剤
滑沢剤としては、脂肪酸系(例えば、ステアリン酸)、高級アルコール(例えば、ステアリルアルコール)、脂肪族アミド系(例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドのアルキレン脂肪酸アミド)、金属石鹸系(例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩)、エステル系(例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート、硬化油)の他、無機塩(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム)、有機粒子(例えば、結晶性セルロース)等が挙げられる。
滑沢剤としては、脂肪酸系(例えば、ステアリン酸)、高級アルコール(例えば、ステアリルアルコール)、脂肪族アミド系(例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドの脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドのアルキレン脂肪酸アミド)、金属石鹸系(例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩)、エステル系(例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート、硬化油)の他、無機塩(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム)、有機粒子(例えば、結晶性セルロース)等が挙げられる。
2.崩壊剤
本開示の阿膠含有粉末を錠剤として成形する場合、必要に応じセルロース及びその誘導体、デンプン及びその誘導体等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース(置換度53.4〜77.5%)、メチルセルロース、ビニルピロリドン、部分α化デンプン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム、硬化油、グリセリン又はその誘導体等の滑沢剤、天然高分子化合物、合成高分子化合物、脂肪酸又はその誘導体、アルコール、多価アルコール又はこれらの誘導体、界面活性剤(特にノニオン)等の賦形剤、その他崩壊助剤、色素、矯味剤などを常用量で配合することができる。
本開示の阿膠含有粉末を錠剤として成形する場合、必要に応じセルロース及びその誘導体、デンプン及びその誘導体等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース(置換度53.4〜77.5%)、メチルセルロース、ビニルピロリドン、部分α化デンプン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム、硬化油、グリセリン又はその誘導体等の滑沢剤、天然高分子化合物、合成高分子化合物、脂肪酸又はその誘導体、アルコール、多価アルコール又はこれらの誘導体、界面活性剤(特にノニオン)等の賦形剤、その他崩壊助剤、色素、矯味剤などを常用量で配合することができる。
なお、阿膠含有粉末を配合する態様は特に制限されるものではなく、そのまま配合してもよく、乾式法或いは湿式法等の常法に従い、造粒、あるいは、有機化合物または無機化合物等で被覆または表面改質したものを使用することができる。有機化合物としては、脂肪酸、グリセリン又はこれらの誘導体、結晶性高分子(水溶性、水不溶性、腸溶性、胃溶性等)等、無機化合物としては、1価〜3価の金属塩であるケイ酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物等を使用することができる。このように被覆または表面改質する場合、使用する造粒物としては平均粒子径1000μm以下、特に850〜50μmに形成したものを使用することが成形しやすさ、得られる錠剤の均一性の観点から好ましい。
本開示の阿膠含有粉末を錠剤に適用する場合、錠剤全体における阿膠含有粉末の配合量は特に制限されるものではなく、製剤化される錠剤の用途によって適宜調整されるが、通常は、錠剤全体に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。
なお、打錠後は、必要に応じて糖衣錠としたり、フィルムコーティングを行うことができる。
なお、打錠後は、必要に応じて糖衣錠としたり、フィルムコーティングを行うことができる。
本開示の阿膠含有粉末を上述のような方法で錠剤とすれば、経口摂取した場合の溶解性に優れる他、色味を均一にすることができる。
(2)ロールプレス法
ロールプレス法とは、反対方向に阿膠含有粉末を喰い込み、回転する2個のロール間で原料粉体を圧縮し成形する方法で、ブリケッティングとコンパクティングがある。ブリケッティングはロール表面に成形物の母形であるポケットが刻まれており、ロールの回転にともない所定の形に成形する。そして、成形物をブリケットと称する。
ブリケットの大きさは0.3cc程度から200cc以上のものまである。また処理能力は、小型機では数十kg/hr、大型機では数十t/hrになっている。コンパクティングは、平滑、またば波形ロールで、原料粉体をフレーク状に成形し,さらにグラニレータで解砕し,数mm以下の顆粒をつくる方法である。
ロールプレス法とは、反対方向に阿膠含有粉末を喰い込み、回転する2個のロール間で原料粉体を圧縮し成形する方法で、ブリケッティングとコンパクティングがある。ブリケッティングはロール表面に成形物の母形であるポケットが刻まれており、ロールの回転にともない所定の形に成形する。そして、成形物をブリケットと称する。
ブリケットの大きさは0.3cc程度から200cc以上のものまである。また処理能力は、小型機では数十kg/hr、大型機では数十t/hrになっている。コンパクティングは、平滑、またば波形ロールで、原料粉体をフレーク状に成形し,さらにグラニレータで解砕し,数mm以下の顆粒をつくる方法である。
ロールプレスの特徴としては、
1)高い成形圧力をかけることができ、高密度で強度のある成形物が得られる。
2)タブレッティングに比較し、操作が連続的で生産量が多い。
3)高い成形圧力で,バインダなしで多くの種類の粉末を成形することができ、この場合には前処理としての加湿、混練また、後処理の乾燥操作がないことから、工程が単純で、乾燥時における性状の変化、有効成分の飛散,装置の腐食などによる問題の発生がない。硬い原料でバインダを必要とする場合にも、バインダ添加量を少なくすることができる。
4)800〜900℃の高温成形が可能である。
1)高い成形圧力をかけることができ、高密度で強度のある成形物が得られる。
2)タブレッティングに比較し、操作が連続的で生産量が多い。
3)高い成形圧力で,バインダなしで多くの種類の粉末を成形することができ、この場合には前処理としての加湿、混練また、後処理の乾燥操作がないことから、工程が単純で、乾燥時における性状の変化、有効成分の飛散,装置の腐食などによる問題の発生がない。硬い原料でバインダを必要とする場合にも、バインダ添加量を少なくすることができる。
4)800〜900℃の高温成形が可能である。
例えば、ロールプレス法により本開示の阿膠含有粉末を板状に成形し、原料である阿膠と類似した色および/または光沢性を有する素材(例えば、チョコレート等)を用いたコーティング層で表面を被覆することで、阿膠を模した見た目を有する阿膠含有粉末を含む食品にすることができる。また、板状であっても経口摂取を容易とするために、板状チョコレートのように表面に溝を有する阿膠含有粉末を含む板状の食品とすることもできる。
上述のような方法により、風味、色、光沢および形状等の総合的な外観から、従来の阿膠と認知可能であり、かつ摂食しやすい阿膠含有食品を得ることができる。
上述のような方法により、風味、色、光沢および形状等の総合的な外観から、従来の阿膠と認知可能であり、かつ摂食しやすい阿膠含有食品を得ることができる。
〔阿膠含有粉末の平均粒子径〕
本開示の阿膠含有粉末の粒子径は、平均粒子径が1.0μm〜50.0μmである。このような粒子径とすることで、溶解性および風味が改善される。また、平均粒子径を調整することで、阿膠特有の色味(濃い褐色)ではなく、白色〜乳白色状の粉末とすることもできる。このような色味は、後述する各種用途に本開示の阿膠含有粉末を用いる場合、見た目を大きく損なわずに利用できる観点の他、摂取する際の消費者に対する見た目の印象を改良する上で好ましい。
本開示の阿膠含有粉末の粒子径は、平均粒子径が1.0μm〜50.0μmである。このような粒子径とすることで、溶解性および風味が改善される。また、平均粒子径を調整することで、阿膠特有の色味(濃い褐色)ではなく、白色〜乳白色状の粉末とすることもできる。このような色味は、後述する各種用途に本開示の阿膠含有粉末を用いる場合、見た目を大きく損なわずに利用できる観点の他、摂取する際の消費者に対する見た目の印象を改良する上で好ましい。
本開示の阿膠含有粉末の平均粒子径は通常知られている方法を用いることができる。すなわち、直接観察法(光学顕微鏡、電子顕微鏡)、レーザー回折・散乱法、遠心沈降法、電気的検知帯法、光子相関法などを用いて測定することができる。また、測定の際に空気または他のガス中で測定する乾式法、適当な溶媒中に粒子を分散させて測定する湿式法がある。上記測定法において、直接観察法は乾式、レーザー回折・散乱法は乾式、湿式の両方、遠心沈降法、電気的検知帯法、光子相関法は湿式で、それぞれ一般的に測定されている。
これらの測定法の中で、湿式レーザー回折・散乱法が、精度、再現性、測定の簡便さから好ましい。湿式レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定器は各社から市販されており、例えば、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD(島津製作所)、マスターサイザー(マルバーン)、マイクロトラックMT(マイクトラックベル)、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置LS13(ベックマンコールター)、レーザーマイクロンサイザー(セイシン企業)、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LAシリーズ(HORIBA)などが挙げられる。本開示では、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA950(HORIBA)を用いて測定した値を記載しているが、この装置に限定されるものではない。
なお、本開示の阿膠含有粉末の平均粒子径を湿式で測定する場合、粒子径分布測定に用いる溶媒は、正確に測定を行うために本開示の阿膠を溶解させる、および/または膨潤させるもの以外の溶媒から選択する。このような溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、シリコン油類などを用いることができるが、安全性、屈折率等の観点から、アルコール類が好ましく、なかでもイソプロパノールが特に好ましい。
湿式によるレーザー回折・散乱法で測定される粒子径は、球相当径に換算した粒子径分布の形で表される。
なお、本開示における阿膠含有粉末の平均粒子径とは、特に説明が無い限りメジアン径(50%径)を表し、測定温度は特に表記しない限り、25℃(±3℃)で測定されたものである。また、メジアン径の他に10%径、90%径も粒子の特性に用いることができるが、これらはいずれも湿式レーザー回折・散乱法で測定された粒子径分布から求めたものである。
湿式によるレーザー回折・散乱法で測定される粒子径は、球相当径に換算した粒子径分布の形で表される。
なお、本開示における阿膠含有粉末の平均粒子径とは、特に説明が無い限りメジアン径(50%径)を表し、測定温度は特に表記しない限り、25℃(±3℃)で測定されたものである。また、メジアン径の他に10%径、90%径も粒子の特性に用いることができるが、これらはいずれも湿式レーザー回折・散乱法で測定された粒子径分布から求めたものである。
本開示の阿膠含有粉末は、復水性、すなわち再び水の中に再溶解させたとき、乾燥前阿膠含有混合物の状態を復元する性質を有しうるため、容易に飲料、機能性食品、化粧品等を製造することができる。 特に、本開示の阿膠含有粉末は溶解性に優れていることから、透明性など外観の安定性も良好にできる。さらに、原料とする阿膠から成分比率を大きく調整していないため、阿膠そのものの効能をより効果的に発揮させることが期待される。
本開示の阿膠含有粉末における再溶解時の透明性は、再溶解時の阿膠が含有する不溶性成分の分散粒径によって評価することができる。この評価では、1質量%の水溶液としたときに(復水時)の阿膠が含有する不溶性成分の分散粒径を、透明性の観点及び吸収性の観点から10nm〜200nmにすることが好ましく、更に良好な透明性及び分散安定性並びに上記各種保存安定性の観点から10nm〜150nmとすることが特に好ましい。
本開示の分散液の粒径(体積平均粒径)は市販の粒度分布計等で計測することができる。分散液の粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
本開示における粒径範囲および測定の容易さから、本開示の分散液粒径測定では動的光散乱法が好ましい。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。
本開示における粒径範囲および測定の容易さから、本開示の分散液粒径測定では動的光散乱法が好ましい。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。
本開示において、分散液の体積平均粒径は、ナノトラックUPA(日機装(株))を用いて25℃で測定した値を採用する。
前記体積平均粒径の測定方法は、分散液の固形分濃度が0.5〜3質量%の範囲内になるように純水で希釈を行い、測定用ガラス管を用いて測定を行う。体積平均粒径は、分散媒屈折率として1.3313(純水)、分散媒の粘度として0.8846mPa・S(純水)に設定して測定した時の累積(50%)値として求めることができる。
前記体積平均粒径の測定方法は、分散液の固形分濃度が0.5〜3質量%の範囲内になるように純水で希釈を行い、測定用ガラス管を用いて測定を行う。体積平均粒径は、分散媒屈折率として1.3313(純水)、分散媒の粘度として0.8846mPa・S(純水)に設定して測定した時の累積(50%)値として求めることができる。
〔阿膠含有粉末の用途〕
本開示の阿膠含有粉末の用途としては、例えば、化粧品(例えば、化粧水、美容液等のスキンケア化粧料)、医薬部外品、医薬品、食品(例えば、サプリメント、飲料、製菓)の用途が挙げられる。但し、本開示の阿膠含有粉末の用途は、これらに制限されない。
本開示の阿膠含有粉末が有する効果を活かし、より付加価値の高い製品を製造する観点からは、経口摂取される医薬部外品または医薬品、食品が好ましい。
本開示の阿膠含有粉末の用途としては、例えば、化粧品(例えば、化粧水、美容液等のスキンケア化粧料)、医薬部外品、医薬品、食品(例えば、サプリメント、飲料、製菓)の用途が挙げられる。但し、本開示の阿膠含有粉末の用途は、これらに制限されない。
本開示の阿膠含有粉末が有する効果を活かし、より付加価値の高い製品を製造する観点からは、経口摂取される医薬部外品または医薬品、食品が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.測定試料の作製
下記に示す成分を、70℃に加熱した水へ加えて1時間混合して溶解させ、阿膠含有混合物を得た。
下記に示す成分を、70℃に加熱した水へ加えて1時間混合して溶解させ、阿膠含有混合物を得た。
<成分>
阿膠:板状阿膠(質量平均分子量:21000,山東東阿阿膠股▲分▼有限公司)12.0g
包括剤:トレハロース(トレハ(登録商標)、(株)林原)22.0g
分散剤:リゾレシチン(PC含量70%)(SLP−PC70、辻精油(株))3.0g
阿膠:板状阿膠(質量平均分子量:21000,山東東阿阿膠股▲分▼有限公司)12.0g
包括剤:トレハロース(トレハ(登録商標)、(株)林原)22.0g
分散剤:リゾレシチン(PC含量70%)(SLP−PC70、辻精油(株))3.0g
次に、超音波ホモジナイザー(超音波ホモジナイザーUS600−AT,(株)日本精機製作所)を用いて3分間粗分散を行った。続いてナイロンメッシュ(234mesh/目開き70μm,21P−70型,田中三次郎商店)にて溶液を濾過し、阿膠分散液を得た。阿膠分散液を超高圧乳化装置(スターバーストミニ、(株)スギノマシン社)を用いて乳化処理(圧力:245MPa、パス方式にて3パス)を行い、得られた溶液を80℃、30分加熱して滅菌した。
続いて、噴霧乾燥(スプレードライヤ ADL310,ヤマト科学(株))を用いて乾燥出口温度70〜85℃にて乾燥を行い、試料1−1の阿膠含有粉末を得た。
試料1−1をイソプロピルアルコールに分散させ、試料溶液を調製した。レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置( LA―950、(株)HORIBA製作所)を用いて平均粒子径を測定したところ、7.2μmであった。
試料1−1の成分を下記に変更した以外は、同様の方法で試料1−2の阿膠含有粉末を作製した。
<成分>
阿膠:板状阿膠(質量平均分子量:21000,山東東阿阿膠股▲分▼有限公司)12.0g
包括剤:トレハロース(トレハ(登録商標)、(株)林原)6.0g
<成分>
阿膠:板状阿膠(質量平均分子量:21000,山東東阿阿膠股▲分▼有限公司)12.0g
包括剤:トレハロース(トレハ(登録商標)、(株)林原)6.0g
試料1−1と同様の方法で試料1−2の平均粒子径を測定したところ、5.7μmであった。
以下に記載の方法で比較例1−1の阿膠含有粉末を作製した。
ハンマーを用いて板状阿膠を1cm程度以下に砕き、粉砕機(アブソルートミル、大阪ケミカル(株))にて撹拌粉砕(回転数:10000rpm)、粉砕時間:5分間)した後、1mm目開きの篩を通した。篩上に残った阿膠については再度、同条件にて粉砕機による粉砕を行い、全て1mm以下の粉末とした。その後、粉砕した阿膠粉末12.0gに対してショ糖(日新製糖(株))6.0gを加えて混合した。続いて、得られた粉末を乾式粉砕機(ドライバースト、(株)スギノマシン)を用いて微粉砕(回転数:16000rpm)を行った
ハンマーを用いて板状阿膠を1cm程度以下に砕き、粉砕機(アブソルートミル、大阪ケミカル(株))にて撹拌粉砕(回転数:10000rpm)、粉砕時間:5分間)した後、1mm目開きの篩を通した。篩上に残った阿膠については再度、同条件にて粉砕機による粉砕を行い、全て1mm以下の粉末とした。その後、粉砕した阿膠粉末12.0gに対してショ糖(日新製糖(株))6.0gを加えて混合した。続いて、得られた粉末を乾式粉砕機(ドライバースト、(株)スギノマシン)を用いて微粉砕(回転数:16000rpm)を行った
試料1−1と同様の方法で比較例1−1の平均粒子径を測定したところ、298.3μmであった。
2.評価
2−1.質量平均分子量の評価
各試料に含まれているコラーゲンタンパク質の質量平均分子量をゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)により定量し、各試料に含まれる阿膠の質量平均分子量とした。結果を表1に示す。なお、測定条件は、上述した通りとした。
2−1.質量平均分子量の評価
各試料に含まれているコラーゲンタンパク質の質量平均分子量をゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)により定量し、各試料に含まれる阿膠の質量平均分子量とした。結果を表1に示す。なお、測定条件は、上述した通りとした。
2−2.風味の評価
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表1に示す。
1)比較例1−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:臭みが感じられず、経口摂取しやすい
2:臭みが僅かに感じられるが、経口摂取には全く問題がない
3:臭みが感じられるが、経口摂取は可能
4:臭みがやや強く感じられ、経口摂取が難しい
5:臭みが強く、経口摂取が困難
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
なお、AまたはBが製品として許容範囲である。
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表1に示す。
1)比較例1−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:臭みが感じられず、経口摂取しやすい
2:臭みが僅かに感じられるが、経口摂取には全く問題がない
3:臭みが感じられるが、経口摂取は可能
4:臭みがやや強く感じられ、経口摂取が難しい
5:臭みが強く、経口摂取が困難
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
なお、AまたはBが製品として許容範囲である。
2−3.溶解性の評価
温度40℃の水に対して阿膠の濃度が2.5質量%となるように各試料を添加した後、撹拌してから溶解するまでの時間を測定した。
測定された時間を下記に示す基準で評価した。結果を表1に示す。
A:10秒未満
B:10秒以上60秒未満
C:60秒以上または、溶け残りもしくは沈殿が発生する
温度40℃の水に対して阿膠の濃度が2.5質量%となるように各試料を添加した後、撹拌してから溶解するまでの時間を測定した。
測定された時間を下記に示す基準で評価した。結果を表1に示す。
A:10秒未満
B:10秒以上60秒未満
C:60秒以上または、溶け残りもしくは沈殿が発生する
2−4.透明性の評価
2−3にて調製した溶液を目視にて評価し、下記に示す基準で評価した。結果を表1に示す。
A:溶け残りおよび沈殿が確認されない。
B:溶け残りおよび沈殿が確認されないが僅かに濁っている。
C:溶け残りまたは沈殿が僅かに確認される。
D:溶け残りまたは沈殿が確認される。
2−3にて調製した溶液を目視にて評価し、下記に示す基準で評価した。結果を表1に示す。
A:溶け残りおよび沈殿が確認されない。
B:溶け残りおよび沈殿が確認されないが僅かに濁っている。
C:溶け残りまたは沈殿が僅かに確認される。
D:溶け残りまたは沈殿が確認される。
3.錠剤の作製
試料1−2、比較例1−1の阿膠含有粉末をそれぞれ0.4g秤量し、卓上打錠機(HANDTAB―100,市橋精機(株))を用いて5kNの圧力をかけて圧縮成型して試料2−1および比較例2−1の錠剤を作製した。なお、金型には10mmΦ用杵臼を使用した。
試料1−2、比較例1−1の阿膠含有粉末をそれぞれ0.4g秤量し、卓上打錠機(HANDTAB―100,市橋精機(株))を用いて5kNの圧力をかけて圧縮成型して試料2−1および比較例2−1の錠剤を作製した。なお、金型には10mmΦ用杵臼を使用した。
4.評価
4−1.風味の評価
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表2に示す。
1)比較例2−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:臭みが感じられず、経口摂取しやすい
2:臭みが僅かに感じられるが、経口摂取には全く問題がない
3:臭みが感じられるが、経口摂取は可能
4:臭みがやや強く感じられ、経口摂取が難しい
5:臭みが強く、経口摂取が困難
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
なお、AまたはBが製品として許容範囲である。
4−1.風味の評価
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表2に示す。
1)比較例2−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:臭みが感じられず、経口摂取しやすい
2:臭みが僅かに感じられるが、経口摂取には全く問題がない
3:臭みが感じられるが、経口摂取は可能
4:臭みがやや強く感じられ、経口摂取が難しい
5:臭みが強く、経口摂取が困難
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
なお、AまたはBが製品として許容範囲である。
4−2.口溶感の評価
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表2に示す。
1)比較例2−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:口腔内での粘着性および溶け残りを感じず、経口摂取しやすい。
2:口腔内での粘着性または溶け残りを感じるが、経口摂取には全く問題がない。
3:口腔内での粘着性または溶け残りを感じるが、経口摂取は可能。
4:口腔内での粘着性または溶け残りを感じ、経口摂取が難しい。
5:口腔内での粘着性および溶け残りを感じ、経口摂取が困難。
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
被験者10名により、以下の手順にて評価を行った。結果を表2に示す。
1)比較例2−1を基準5とし、各被験者にて以下の基準に沿って評価した。
1:口腔内での粘着性および溶け残りを感じず、経口摂取しやすい。
2:口腔内での粘着性または溶け残りを感じるが、経口摂取には全く問題がない。
3:口腔内での粘着性または溶け残りを感じるが、経口摂取は可能。
4:口腔内での粘着性または溶け残りを感じ、経口摂取が難しい。
5:口腔内での粘着性および溶け残りを感じ、経口摂取が困難。
2)1)の値を、各実施例について算術平均し、以下の基準に沿って評価した。
A:1.0以上2.0未満
B:2.0以上3.5未満
C:3.5以上5.0以下
4−3.成形加工適性の評価
得られた各錠剤の成形性は、打錠後の錠剤を3粒ステンレス製のビーカーに入れ、別の同じサイズのビーカーと開口部同士を合わせてビニールテープで目止めし、上下に20回振り、錠剤のカケ、割れの発生を評価した。従来の知見から製造工程上と製品輸送中の問題程度が判定できる評価方法である。結果を表2に示す。
A:錠剤のカケ、割れがほとんど発生せず、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
B:錠剤のカケ、割れがわずかに発生するが、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
C:錠剤のカケ、割れが発生するが、製造工程上で破片を除去すれば良いレベルで、製品輸送中は問題ない範囲。
D:錠剤のカケ、割れがやや多く発生するが、製造工程上で破片を除去し、製品輸送中に配慮すれば許容可能な範囲にある。
E:錠剤のカケ、割れの発生頻度が高く、許容できない範囲。
得られた各錠剤の成形性は、打錠後の錠剤を3粒ステンレス製のビーカーに入れ、別の同じサイズのビーカーと開口部同士を合わせてビニールテープで目止めし、上下に20回振り、錠剤のカケ、割れの発生を評価した。従来の知見から製造工程上と製品輸送中の問題程度が判定できる評価方法である。結果を表2に示す。
A:錠剤のカケ、割れがほとんど発生せず、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
B:錠剤のカケ、割れがわずかに発生するが、製造工程、製品輸送中で全く問題ない。
C:錠剤のカケ、割れが発生するが、製造工程上で破片を除去すれば良いレベルで、製品輸送中は問題ない範囲。
D:錠剤のカケ、割れがやや多く発生するが、製造工程上で破片を除去し、製品輸送中に配慮すれば許容可能な範囲にある。
E:錠剤のカケ、割れの発生頻度が高く、許容できない範囲。
Claims (10)
- 阿膠と、包括剤と、を含み、
前記阿膠は、質量平均分子量が10000〜500000であり、
前記包括剤が、多糖類、オリゴ糖類、単糖類、および糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記阿膠に対する前記包括剤の含有率が質量比で10〜500質量%であり、
平均粒子径が1.0〜50.0μmである、阿膠含有粉末。 - さらに、分散剤を含む請求項1に記載の阿膠含有粉末。
- 阿膠含有粉末全量に対する、前記阿膠の含有率が質量比で60質量%以上である請求項1または請求項2に記載の阿膠含有粉末。
- さらに、酸化防止剤として、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、ポリフェノール類、およびビタミンE類から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の阿膠含有粉末。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有錠剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の阿膠含有粉末を含む阿膠含有食品。
- 前記阿膠含有食品が固形状である請求項6に記載の阿膠含有食品。
- 前記阿膠含有食品の表面が、コーティング層を有する請求項6または請求項7に記載の阿膠含有食品。
- 質量平均分子量が10000〜500000である阿膠を含む阿膠含有粉末の製造方法であって、
阿膠を溶解する溶解工程と、
阿膠を粉末化する乾燥工程と、
を含む製造方法。 - さらに、前記乾燥工程の前に分散工程を含む請求項9に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2017239800A JP2019104712A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法 |
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ID=67061788
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JP2017239800A Abandoned JP2019104712A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 阿膠含有粉末、これを含む錠剤及び食品、並びに阿膠含有粉末の製造方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110973605A (zh) * | 2019-12-12 | 2020-04-10 | 东阿县康美阿胶制品有限公司 | 一种阿胶糕及其制备方法和应用 |
CN112472721A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-03-12 | 东阿阿胶股份有限公司 | 一种阿胶制品及其制备方法 |
CN115336748A (zh) * | 2022-08-24 | 2022-11-15 | 东阿阿胶保健品有限公司 | 一种阿胶糕在肌肤健康调理中的应用 |
CN117050888A (zh) * | 2023-10-09 | 2023-11-14 | 山东中膏生命科学集团有限公司 | 复合菌剂及其在发酵阿胶制备阿胶多肽和阿胶膏中的应用 |
CN117085107A (zh) * | 2023-10-20 | 2023-11-21 | 山东中膏生命科学集团有限公司 | 一种阿胶小分子肽及其制备方法 |
-
2017
- 2017-12-14 JP JP2017239800A patent/JP2019104712A/ja not_active Abandoned
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CN112472721A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-03-12 | 东阿阿胶股份有限公司 | 一种阿胶制品及其制备方法 |
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