JP4634003B2 - コテ先チップ及び電気ハンダゴテ - Google Patents

コテ先チップ及び電気ハンダゴテ Download PDF

Info

Publication number
JP4634003B2
JP4634003B2 JP2002516390A JP2002516390A JP4634003B2 JP 4634003 B2 JP4634003 B2 JP 4634003B2 JP 2002516390 A JP2002516390 A JP 2002516390A JP 2002516390 A JP2002516390 A JP 2002516390A JP 4634003 B2 JP4634003 B2 JP 4634003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
soldering iron
iron
particles
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002516390A
Other languages
English (en)
Inventor
一郎 川勝
孝司 上谷
充彦 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hakko Corp
Original Assignee
Hakko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hakko Corp filed Critical Hakko Corp
Priority claimed from PCT/JP2001/005735 external-priority patent/WO2002010477A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634003B2 publication Critical patent/JP4634003B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Description

技 術 分 野
本発明は電気ハンダゴテのコテ先に関し、特に、高温環境下での耐酸化性を付加させるために、基材表面をAl濃度の高いCu−Al合金の表面に改質した電気ハンダゴテ用コテ先チップ及びハンダゴテに関する。
背 景 技 術
電子工業を初めとする接続・接合にはハンダ付け法によって行なわれるのが一般的である。このハンダ付け法を大別するとマスソルダリング法(一括ハンダ付け法)とマニュアルソルダリング法とになる。
マスソルダリング法には素子や部品をプリント基板に搭載した後、溶融ハンダ中に浸漬するフローソルダリング法と、ハンダ粒子とフラックスをバインダー等によって混練したハンダペーストをプリント基板の接合部分に印刷した後、部品を搭載して加熱ハンダ付けするリフローソルダリング法(SMT)があり、いずれも多数個所を同時にハンダ付け出来る特長がある。
一方、マニュアルソルダリング法はハンダゴテによって行なわれるのが主で、同時に多数個所のハンダ付けは不可能であるが、古くから行なわれている方法であり、誰でも手軽に作業が出来る特長がある。また、マスソルダリング法で行なったハンダ付け不良継手個所の手直しにはハンダゴテによる手法が不可欠である。特に、最近公害問題からPbフリーハンダの使用が増加して、従来のSn−Pbハンダに比べハンダ付け性が悪いことに起因して不良継手を多発しているため、ハンダゴテによる修正が欠かせなくなっており、従来よりも増してハンダゴテは重要な役割を担わなければならなくなった。
従来の電気ハンダゴテの装置について述べる。図1は、従来の一般的な電気ハンダゴテの先端側主要部の分解斜視図である。この図に示されるように、コテ先チップ3に形成された基端側に開口した中空部(胴体部分8(図3参照))を、セラミックヒーター5に差し込んで装填し、そのコテ先チップ3に保護パイプ2を外嵌した後、その保護パイプ2に嵌め込んだ袋ナット1をニップル6に締め込んで固定していた。この際、コテ先チップ3の中空部にはセラミックヒーター5と同じ長さのステンレス鋼製インサートパイプ4が嵌め込まれている。このようにして、図2の組立て状態となり、使用に供されることになる。このような構造であるから、コテ先チップ3が長時間使用によって損耗した場合、新しいチップに容易に交換が可能である。
ところで、従来のコテ先チップ3の断面を図3に示す。コテ先チップの素材にはセラミック製加熱ヒーター5からの熱を瞬時にチップ先端部3aに伝える必要があることから、熱伝導の優れる純銅もしくは高熱伝導性銅合金が用いられている。
銅製のコテ先チップ3の表面には数十μm以上の膜厚のFeメッキ7が施され、さらにその上には先端部3a以外には数μmの膜厚のCrメッキ10が施されている。そして先端部3aにはハンダ合金9がコーティングされており、この部分でハンダ付け作業が行なわれる。なお、この際のFeメッキ7は、純銅や銅合金素材の著しいハンダ食われを抑止する目的で施され、Crメッキ10は、Feメッキ後の表面の防食と高温酸化の防止の目的で施されている。
一方、先端部3aとは反対側の後端部3bには棒状のセラミックヒーター5が内蔵される円筒状の胴体部分8が形成されており、前述のように加熱ヒーター5から抜き差し自由な構造になっている。また胴体部分8には内面に沿ってステンレス鋼製のインサートパイプ4が嵌め込まれており、内面の酸化スケールの発生によるセラミックヒーター5との接触から保護している。
しかしながら、従来の構造では以下のような多くの問題点があり、その改良が要望されていた。
まず、コテ先チップ3の最表面にメッキされるCrメッキ10は、6価クロムのメッキ液が廃水処理等から環境公害の規制対象に含まれ、Crメッキ以外のメッキやメッキ以外の表面処理法等への転換が求められている。
また、構造上、上記のコテ先チップ3がセラミックヒーター5に装填・加熱された際、コテ先チップ3の胴体部分内面が空気層の存在によって激しく酸化され、CuOやCuO等の酸化スケールを発生し、熱伝導の劣化を来たす他、短絡等の故障の原因ともなっていた。
また、コテ先チップが自在に抜き差し可能な構造であることから、インサートパイプ4の内面とセラミックヒーター5の外周部との間に狭い間隙が生じ、これによって生じる温度差によって精度の高い温度制御が出来にくくなっていた。なお、その改善策として前述したように、コテ先チップ3の胴体部分8とセラミックヒーター5の間に、肉厚の薄いステンレス鋼製のインサートパイプ4を設置しているが、この場合でも基材銅の激しい酸化は避けられず、またステンレス鋼製パイプは熱伝導性が悪い上に熱伝達を遮蔽する構造となって、温度センサーの応答性を鈍化させる要因となっていた。
発 明 の 開 示
上記課題を解決するために、本発明の第1の電気ハンダゴテ用コテ先チップは、銅または銅合金からなるハンダゴテのコテ先チップにおいて、先端部のハンダコーティング部分を除く該表面にAl粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし該表面をAl濃度の高いCu−Al合金被覆層に表面改質した電気ハンダゴテ用コテ先チップである。
また、本発明の第2の電気ハンダゴテ用コテ先チップは、銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップにおいて、棒状セラミックヒーターを内蔵する円形胴体部分の中空部内面を有する該内面にAl粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をAl濃度の高いCu−Al合金被覆層に表面改質した電気ハンダゴテ用のコテ先チップである。
また、本発明の第3の電気ハンダゴテ用コテ先チップは、Feメッキを施した銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップにCuメッキを約10〜50μmの膜厚の範囲でメッキし、該表面にAl粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該表面をAl濃度の高いCu−Al合金被覆層に表面改質した電気ハンダゴテ用のコテ先チップである。
なお、銅又は銅合金からなるハンダゴテのコテ先チップをAl濃度の高いCu−Al合金被覆層に表面改質し、該表面に酸化アルミニウム(Al)の強固な皮膜を形成させ、高温の耐酸化性を付加させることを特徴とした上記ハンダゴテ用のコテ先チップとすることもできる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の電気ハンダゴテ用コテ先チップは、その素材となる銅製のコテ先チップ3の表面に、Al粒子とフラックスの混合物をバインダーによって混練してペースト状にして均一に塗布する。そして、その乾燥後、不活性ガス雰囲気中で加熱し、Al粒子だけを溶融させ、表面をAl濃度の高い表面に改質する。
この際、Al粒子の粒径・酸素含有量は被覆層の性質にも影響し150μm以下の粒子が好ましく、粒子の酸素含有量は1重量パーセント以下が望ましい。なお、以下においては、成分組成を表すには全て重量パーセントによるものとし、単に%で記述することにする。
フラックスにはフッ化物を主体とするハロゲン化合物が用いられる。Al粒子80%−フラックス20%から成る混合物をバインダーによって混練した後、コテ先チップ3に2〜5mg/cmを塗布して、それを700℃の窒素ガス雰囲気中で加熱処理を行ない、Al粒子を溶かす。Cu−Al系合金は548℃で、共晶反応により溶融するが、AlとCuを十分に反応させるためAl融点の660℃以上に上昇させて、炉中より取り出し自然冷却する。
このようにして表面を改質したコテ先チップはAl濃度の高いCu−Al合金の被覆層に改質され、黄金色のきれいな表面となる。この表面改質したコテ先チップ3を図1、図2に示す装置に装着し、250〜400℃に加熱して、実際にハンダ付け作業を行った結果、酸化によるスケールの発生等は全く見られなかった。
図4は表面改質の基礎実験の結果を示すが、寸法:25×40×0.5mmtの純銅板(リン脱酸銅板:DCuP)とそれを表面改質したものを300〜600℃の大気中で1Hr加熱した後の酸化増量を測定した結果のグラフである。純銅板は300℃を越すと急激に酸化され酸化増量を増大するのに対し、表面改質銅板は600℃まで全く酸化増量がなく、従って優れた耐酸化性を示している。
この原因を究明するためにEPMA等によって分析した結果、表面改質層の成分はAl:8〜15%が含まれ、極表面には酸化アルミニウム(Al)が生成し、これが耐酸化性の改善に大きく貢献していることが分かった。この際の改質層の厚さはAl粒子の塗布量によって自由に調節できるが、20〜100μmの範囲内であれば十分にその効果がある。また表面改質後のフラックス残渣には腐食性がなく、したがって水洗浄等の処理が不要であり、環境を汚さない点においても従来のメッキ法等に比べて有利な特長を持ち合わせている。
本発明によれば、銅製のコテ先チップの表面及び胴体部の内面をAl濃度の高いCu−Al合金組成に表面改質することによって、表面には極めて安定な酸化アルミニウム(Al)が生成され、大気中の高温環境下での耐酸化性が付与される。
また表面改質層は数十μmの厚さであるため基材の銅及び銅合金の優れた電気・熱伝導性を殆ど損なわない。そのため本発明による表面改質によって、以下の作用効果が期待できる。
(1)非常に耐酸化性が改善され、700℃の大気中で1Hr加熱しても酸化スケールが発生しない。従ってハンダゴテの常用温度が400℃以下であることから、十分コテ先チップの被覆材として使用可能である。
(2)従来まではコテ先を加熱する棒状ヒーターの挿入部には前述の理由からステンレス鋼製のインサートパイプが嵌め込まれて使用されており、そのため熱伝導性や温度制御の精度等に悪影響を及ぼしていたが、このインサートパイプを不要にする構造により著しく性能を改善する効果が期待される。
(3)優れた耐酸化性を有することから、従来行なわれていたCrメッキを施した製品の代替が可能となり、これにより環境問題の一部を解決する手段となり得ると期待される。
以下、本発明の電気ハンダゴテ用コテ先チップについて、更に詳細に説明する。なお、図面の参照符号は、図1〜図3の従来のものと同様の部分については、同じ番号を付して説明する。
[実施例1]
本発明の表面改質法の適用個所は従来のハンダゴテ先チップのCrメッキの代替となすものである。或いは、銅製コテ先チップの銅素材が露出する胴体部分8の内面部分にある。現在この部分はインサートパイプ4によって保護されている。この実施例で使用したコテ先3は純銅素材であり、その形状寸法を図5に示す。
まず、最初は従来までCrメッキを施した部分の表面改質に関わる。図6はその一実施例で、予めコテ先チップ3の先端部3aにFeの局部メッキ7を行なう。この部分へのFeメッキ7の目的は前述のように、コテ先チップ3の素材である銅や銅合金のハンダ食われを防止する目的であって、全表面にFeメッキ7を施す必要は全くない。ただ作業性の観点から全面Feメッキ7も有利な場合があるので、この件に関しては実施例3で詳しく述べる。
本実施例ではFeメッキ7はコテ先チップ3の先端部3aのみとし、それ以外の表面(先端部3aを除くコテ先チップ外周面)にAl粒子80%−フッ化物系フラックス20%をバインダーで混練した後、約4mg/cm2の密度で羽毛等によって塗布して、700℃の窒素ガス雰囲気中で加熱処理を施し、約40μmの厚さの表面改質層10−1を得た。同試料を図1及び図2に示す電気ハンダゴテ装置に装着し250〜400℃で実際に運転した。その結果、24Hrsの範囲内では表面の酸化も殆どなく、当然酸化スケールの発生は皆無で、優れた耐酸化性を示すことが分かった。これにより従来のCrメッキの役割を十分果たすことが分かったが、コテ先チップ3の先端部3aのFeメッキを施さず、全表面を改質した場合は、全体がAlの安定な酸化皮膜で覆われるため、通常のフラックスではハンダが乗らなくなるため、これは厳に避けられなければならない。
[実施例2]
次に銅製コテ先チップ3の胴体部分8の内面の表面改質に関わる。この部分の改善が今まで進まなかったのは耐酸化性を付加するためのCrメッキ等が技術的に困難であったことが大きな要因として挙げられる。以下実施例によって説明する。
試料形状は実施例と同様であるが、胴体部分の直径は4.2mm、深さ23mmである。
図7はその実施例で先ず予めコテ先チップ3の外周面、実施例1の10−1部分に実施例1と同様な方法でAl粒子とフッ化物系フラックスの混合物を塗布した後、さらに胴体部分8の内面に均一に塗布して、その後実施例1と同じ条件下で加熱処理を行なった表面改質層が10−2である。処理後、内面の状態を観察するため同試料を半割に切断して観察した結果、外周面の表面改質層10−1と変わらない外観が得られた。
さらに表面改質層の耐酸化性を明らかにするため、次の実験を行なった。この方法は図4と同様に酸化増量を測定する方法で、実施例2で作製したコテ先チップと無処理チップを300〜600℃の大気中の炉中で1Hr加熱しその酸化増量から耐酸化性の比較を行なった。その結果を図8に示す。試験温度によるコテ先チップ1個当たりの酸化増量を示すが、表面改質したコテ先チップは600℃まで全く酸化増量がなく、優れた耐酸化性を有することを確認した。なおコテ先温度は通常の作業では400℃以下で使用されるため、それ以上の温度にならないように設定されているが、本実験では試験時間の短縮を図って600℃の高温まで上昇させて試験を行なった。
[実施例3]
銅製のコテ先チップを無処理で使用するとハンダ食われが著しく、急速にその先端部が消耗する。そのため通常はFeメッキによって改善を図っている。前述の実施例1ではその先端部3aのみにFeメッキを施した場合である。しかしこのような先端部だけの部分メッキではマスキング等によってメッキ以外の部分をメッキ浴から保護する必要があり、そのため製造工程が煩雑になるとか、製品コストの上昇を招く等、かえって全面メッキの方が有利になる場合もある。
そこで本実施例ではコテ先チップの全表面にFeメッキを施した場合を示す。まず図9に示すように、全表面にFeメッキ7を施した後、先端部3aを除いた表面にCuメッキ11を施す。次に、図10に示すように、前記Cuメッキ11を、実施例1と同様な方法で表面改質すればよい。
これにより、Cuメッキ層11はAl粒子と合金化し、Cu−Al合金の表面改質層10−3が生成される。この改質層は実施例1及び2の銅素材を改質したものと性質・性能が変わらず、優れた耐酸化性を示した。この際、Cuメッキ11を施さないで直接Feメッキ層に処理を行なうと、Feメッキ層とAl粒子が加熱処理の際、反応によって脆弱な合金層を界面に生成するので適当でない。またこの際のCuメッキの厚さは10μm以上が必要で、それ以下ではFeメッキと類似する合金層を生成する。
〔実施例4〕
続いて、実施例1〜3に説明した表面改質層を設けたコテ先チップを具備してなるハンダゴテについて説明する。図11は、第4実施例に係るハンダゴテ30の概略構成図(a)と、分離状態の各構成部材である。図示のハンダゴテ30は、ハンドル部材31と、加熱部材32と、固定部材33と、交換部材34とで構成されており、所定回数使用する毎に、交換部材34を新しいものと交換するようになっている。
半田ごて30の組み付けに際しては、加熱部材32をハンドル部材31に挿入した後、固定部材33をハンドル部31にねじ込んで加熱部材32をハンドル部材31に固定する。その後、固定部材33の先端に設けられた円柱突起35に、交換部材34の切り込み溝36を係合させて交換部材34を固定部材33に固定する。図12(a)に示すように、切り込み溝36は、軸方向溝36aと径方向溝36bとでL字状に形成されており、軸方向溝36aに円柱突起35を案内して交換部材34を固定部材33に押し込んだ後、交換部材34を回転させて径方向溝36bの終端で円柱突起35を保持するようになっている。
この実施例では、コテ先チップは、第1部材37と第2部材38とに分離可能に構成されており、それぞれ、交換部材34の先端と、加熱部材32の先端に固定されている(図11(b))。図12は、交換部材34を詳細に図示したものであり、交換部材34は、略円筒状のパイプ部材39と、パイプ部材39の先端に圧入された銅製の第1部材37とが一体化されて構成されている。
第1部材37は、図14(a)に示すように、平坦に形成された作業面40を有して全体として略円錐形状に形成されており、後端側には、破線で示すように円錐状に浅く削り込まれた当接面41が形成されている。図14(d)は、第1部材37の断面構成を図示したものであり、後端側は、当接面41の部分も含めてCu−Al合金の改質層37aが生成されている。一方、第1部材37のそれ以外の部分は、鉄メッキ層37bが先ず設けられ、その外側は、先端側の半田メッキ層37cを除きクロムメッキ層37dで覆われている。
図13(a)に示すように、加熱部材32は、有底円筒状に形成された銅製の第2部材38と、第2部材38の基端側外周に嵌合されたパイプ部材42と、第2部材38に内挿された棒状のヒーター43とで構成されている。なお、第2部材38の後端側からヒーター43が挿入された後、電気絶縁性と熱伝導性に優れたセラミック接着材によって第2部材38とヒーター43とが一体化されている。
図13(b)は、第2部材38の断面構造を図示したものである。第2部材38は、第1部材37の当接面41に対応する円錐状の先端部44が形成されている。そして、この先端部44を含めて第2部材38の外周には、Cu−Al合金の改質層38aが生成されている。
この半田ごての場合、第1部材37と第2部材38を接触させて使用するが、当接面41,44は、Al濃度の高いCu−Al合金被膜層に表面改質されているので、優れた熱伝導性を示し、満足できる温度制御特性を示す。また、当接面を金メッキや銀メッキした場合のように両当接面が溶着することもない。
分離タイプのハンダゴテとしては、1988年8月29日出願の実公平6−46617号の技術が典型的であり、その後ずっと遅れて、1997年1月17日出願のPCT/EP97/00220(WO97/26108)の技術が提案されている。しかし、いずれの発明も当接面に工夫がなく、本発明のような優れた熱伝導性や温度制御特性を発揮することができない。
[実施例5]
図15は、実施例1〜3の変形例を図示したものである。この実施例5では、コテ先チップ3の胴体部分に、略6角柱形状の開口部80を形成している。また、開口部80の形状に合わせてセラミックヒータ50も略6角柱形状に形成している。実施例4の場合には、セラミックヒータを角柱形状にしているので、円柱形状の場合に比べ、コテ先チップ3とセラミックヒータ50の接触面積が大きくなり、熱伝導性を更に向上させることができる。
産業上の利用可能性
以上詳述したとおり本発明によれば、高温環境下での耐酸化性に優れ、熱伝導性も高いので精度の高い温度制御も可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の電気ハンダゴテの構造を示す分解斜視図である。
図2は、図1の電気ハンダゴテの組立て状態を示す図である。
図3は、従来のハンタゴテのコテ先チップの概略断面図である。
図4は、表面改質した銅板と無処理銅板を大気中の600℃までの1Hr加熱した後の酸化量の比較を示す図である。
図5は、本発明の各実施例のコテ先チップの断面形状寸法を示す図である。
図6は、本発明のコテ先チップの第1実施例を示し、Feメッキをコテ先チップの先端部のみに施し、それ以外の表面を本発明によって表面改質した断面概略図である。
図7は、本発明のコテ先チップの第2実施例を示し、棒状のセラミックヒーターが内蔵されているコテ先チップの胴体部分の内面を本発明によって表面改質した断面概略図である。
図8は、実施例2の表面改質したコテ先チップと、無処理のコテ先チップを大気中の600℃まで1Hr加熱した後の酸化増量の比較を示す図である。
図9は、本発明のコテ先チップの第3実施例の製造途中の状態を示し、Feメッキをコテ先チップの全面に施した後、先端部を除いてCuメッキを施した断面概略図である。
図10は、本発明のコテ先チップの第3実施例の製造完了後の状態を示し、図9に示すCuメッキ層を本発明によって表面改質した断面概略図である。
図11は、第4実施例に係るハンダゴテを図示したものである。
図12は、図11の交換部材を詳細に図示したものである。
図13は、図11の加熱部材(a)を第2部材(b)と共に詳細に図示したものである。
図14は、第1部材を詳細に図示したものである。
図15は、実施例5を説明する図面である。

Claims (13)

  1. Feメッキを施した銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップにおいて、先端部のハンダコーティング部分を除いた外表面に、Cuメッキ約10〜50μmの膜厚の範囲で施され、該表面にAl粒子とフラックスからなる混合物塗布された後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみ溶かされ、該表面Cu−Al合金被覆層に表面改質されたことを特徴とする電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
  2. 銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップにおいて、棒状ヒーターを内蔵するための円形穴に形成された中空部が基端側に開口して胴体部分が形成され、この胴体部分の中空部内面に、Al粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をCu−Al合金被覆層に表面改質したことを特徴とする請求項1に記載の電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
  3. 銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップの表面に、そのコテ先チップの先端側のハンダ付け作業部を少なくとも除いて、Cu−Al合金被覆層が形成されて、該被覆層表面には酸化アルミニウムAl2O3の強固な皮膜の形成により高温の耐酸化性が付与されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気ハンダゴテ用コテ手先チップ。
  4. 前記コテ先チップには、棒状ヒーターが差し込まれる円形穴に形成された中空部が胴体部分の基端側に開口して形成されており、この胴体部分の中空部内面に、Al粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をCu−Al合金被覆層に表面改質されて、酸化アルミニウムAl2O3の強固な皮膜の形成により高温の耐酸化性を備えることを特徴とする請求項3に記載の電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
  5. 前記コテ先チップのハンダ付け作業部は、銅または銅合金の基材表面にFeメッキが施されると共に、そのFeメッキの表面にハンダコーティングされていることを特徴とする請求項3又は4に記載の電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
  6. 表面改質された前記コテ先チップの胴体部分に、インサートパイプを介さずに、棒状ヒーターが直接的に挿入されて使用されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
  7. Feメッキを施した銅または銅合金からなるコテ先チップを備えた電気ハンダゴテにおいて、前記コテ先チップが、棒状ヒーターを内蔵するための中空部が基端側に開口して胴体部分が形成され、先端部の外表面に、ハンダコーティング部分を除いてCuメッキ約10〜50μmの膜厚の範囲で施され、該表面にAl粒子とフラックスからなる混合物塗布された後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみ溶かされ、該表面Cu−Al合金被覆層に表面改質されたことを特徴とする電気ハンダゴテ。
  8. 銅または銅合金からなるハンダゴテ用のコテ先チップに、棒状ヒーターを内蔵するための円形穴に形成された中空部が基端側に開口して胴体部分が形成され、この胴体部分の中空部内面に、Al粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をCu−Al合金被覆層に表面改質したことを特徴とする請求項7に記載の電気ハンダゴテ。
  9. 銅または銅合金からなるコテ先チップの表面に、そのコテ先チップの先端側のハンダ付け作業部を少なくとも除いて、Cu−Al合金被覆層が形成されて、該被覆層表面には酸化アルミニウムAl2O3の強固な皮膜の形成により高温の耐酸化性が付与されることを特徴とする請求項7又は8に記載の電気ハンダゴテ。
  10. 前記コテ先チップには、棒状ヒーターが差し込まれる円形穴に形成された中空部が胴体部分の基端側に開口して形成されており、この胴体部分の中空部内面に、Al粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をCu−Al合金被覆層に表面改質されて、酸化アルミニウムAl2O3の強固な皮膜の形成により高温の耐酸化性を備えることを特徴とする請求項9に記載の電気ハンダゴテ。
  11. 前記コテ先チップのハンダ付け作業部は、銅または銅合金の基材表面にFeメッキが施されると共に、そのFeメッキの表面にハンダコーティングされていることを特徴とする請求項9又は10に記載の電気ハンダゴテ。
  12. 表面改質された前記コテ先チップの胴体部分に、インサートパイプを介さずに、棒状ヒーターが直接的に挿入されて使用されることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の電気ハンダゴテ。
  13. 基端側に開口して角柱穴を形成してなるコテ先チップの胴体部分の中空部内面に、Al粒子とフラックスからなる混合物を塗布した後、不活性ガス雰囲気中でAl粒子のみを溶かし、該内面をCu−Al合金被覆層に表面改質されて、酸化アルミニウムAl2O3の強固な皮膜の形成したことを特徴とする請求項1に記載の電気ハンダゴテ用コテ先チップ。
JP2002516390A 2000-08-01 2001-07-02 コテ先チップ及び電気ハンダゴテ Expired - Fee Related JP4634003B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233475 2000-08-01
PCT/JP2001/005735 WO2002010477A1 (fr) 2000-08-01 2001-07-02 Pointe de fer de soudage electrique et fer de soudage electrique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP4634003B2 true JP4634003B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=36086207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002516390A Expired - Fee Related JP4634003B2 (ja) 2000-08-01 2001-07-02 コテ先チップ及び電気ハンダゴテ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4634003B2 (ja)
TW (1) TWI230639B (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54104439U (ja) * 1978-01-06 1979-07-23
US4424930A (en) * 1981-06-29 1984-01-10 Cooper Industries, Inc. Carbon-based soldering and de-soldering tip and method of manufacturing same
JPS6142481A (ja) * 1984-08-01 1986-02-28 Hideo Sugimori 電気ごて
JPH01172452U (ja) * 1988-05-24 1989-12-06
JPH0255665A (ja) * 1988-08-22 1990-02-26 Tokin Corp 電気はんだこて先及び電気はんだ工具
JPH11221670A (ja) * 1998-02-02 1999-08-17 Japan Yunikkusu:Kk ハンダ鏝及び鏝先部材
JP2001071127A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Hakko Kk 半田ごてのこて先及び半田吸い取り用ノズル

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54104439U (ja) * 1978-01-06 1979-07-23
US4424930A (en) * 1981-06-29 1984-01-10 Cooper Industries, Inc. Carbon-based soldering and de-soldering tip and method of manufacturing same
JPS6142481A (ja) * 1984-08-01 1986-02-28 Hideo Sugimori 電気ごて
JPH01172452U (ja) * 1988-05-24 1989-12-06
JPH0255665A (ja) * 1988-08-22 1990-02-26 Tokin Corp 電気はんだこて先及び電気はんだ工具
JPH11221670A (ja) * 1998-02-02 1999-08-17 Japan Yunikkusu:Kk ハンダ鏝及び鏝先部材
JP2001071127A (ja) * 1999-09-02 2001-03-21 Hakko Kk 半田ごてのこて先及び半田吸い取り用ノズル

Also Published As

Publication number Publication date
TWI230639B (en) 2005-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6818862B2 (en) Iron tip and electric soldering iron
Suganuma et al. Heat resistance of Sn–9Zn solder/Cu interface with or without coating
KR100419274B1 (ko) Pb를 함유하지 않은 솔더 조성물 및 솔더링된 물품
EP1889683B1 (en) Lead-free solder paste
EP2181795B1 (en) Heat transferring member for solder handling device with an inner copper tube coated with alumina ; Electric soldering and desoldering tool with such heat transferring member
JPS62179889A (ja) クリ−ムはんだ
JP4135268B2 (ja) 無鉛はんだ合金
DE60107670D1 (de) Bleifreie lötlegierung und deren verwendung in elektronischen bauelementen
GB2263430A (en) Bonded metal/ceramics
EP2671666B1 (en) Lead-free solder alloy for vehicle glass
JP4634003B2 (ja) コテ先チップ及び電気ハンダゴテ
US20090255825A1 (en) Method of producing a temperature sensor
US20060011702A1 (en) Solder and packaging therefrom
JP2004154864A (ja) 鉛フリーはんだ合金
JP2008042071A (ja) 無電解めっき方法
CN108367394B (zh) 防Fe腐蚀用软钎料合金、包芯软钎料、焊丝、包芯焊丝、覆助焊剂软钎料、钎焊接头和软钎焊方法
JP2014069194A (ja) はんだペースト
JP2009195939A (ja) 筒状半田鏝
JPH07122406A (ja) チップ状ヒューズ抵抗器とその製造方法
JPS6219264B2 (ja)
JP4769136B2 (ja) セラミック接合体およびセラミックヒータの製造方法
JP2668569B2 (ja) ロウ付け用材料
JP3403993B2 (ja) フラックス付きヒュ−ズ
JP2007038228A (ja) はんだ合金
JPH0124599B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101019

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees