JPH11221670A - ハンダ鏝及び鏝先部材 - Google Patents

ハンダ鏝及び鏝先部材

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JPH11221670A
JPH11221670A JP10035423A JP3542398A JPH11221670A JP H11221670 A JPH11221670 A JP H11221670A JP 10035423 A JP10035423 A JP 10035423A JP 3542398 A JP3542398 A JP 3542398A JP H11221670 A JPH11221670 A JP H11221670A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鏝先部の伝熱性及び耐腐食性をバランス良く
高めると同時に、ハンダの濡れ性も高めたハンダ鏝を得
る。 【解決手段】 ヒーターと、該ヒーターからの熱により
ハンダを溶融させて対象物に塗布する純銅製の鏝先部材
10とを備えたハンダ鏝において、該鏝先部材10の鏝
先部17におけるハンダと接触する第2部分17bを、
銅と鉄の合金からなるチップにより形成して、銅による
良好な伝熱性と鉄による良好な耐腐食性との両方の性質
をバランス良く保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品などをハ
ンダ付けするのに使用されるハンダ鏝に関するものであ
り、更に詳しくは、伝熱性及び耐久性に勝れたハンダ鏝
とそれに用いる鏝先部材とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品等のハンダ付けに使用するハン
ダ鏝には、それを手に持ってハンダ付け作業を行う手動
式のものや、ハンダ付けロボットのアームに取り付けて
使用する自動機用のものなどがある。図5は従来の一般
的なハンダ鏝の要部を示すもので、このハンダ鏝は、糸
状ハンダを溶融させてハンダ付け対象物に付着させるた
めの鏝先部40aを有する銅製の鏝先部材40と、該鏝
先部材40を加熱するためのコイルヒーター41とを有
している。上記ヒーター41は、ステンレス製の伝熱パ
イプ42の外周に電気絶縁製シートを介して巻き付けら
れていて、この伝熱パイプ42内に上記鏝先部材40が
収容され、伝熱パイプ42の外側に保護用パイプ44が
絶縁状態で取り付けられている。
【0003】上記鏝先部材40は一般に、伝熱性の良い
純銅で形成されているが、銅はハンダと接触すると腐食
し易いため、耐腐食性を高めるために図6に示すように
鉄メッキ層45で被覆している。即ち、該鏝先部材40
の表面全体を10〜1000μmの厚さの鉄メッキ層4
5で覆い、鏝先部40aにおけるハンダと接触する先端
部分40bを除くその他の部分に、ハンダが付着しない
ようにするため、上記鉄メッキ層45の上からクロムコ
ーティング層46と耐熱用のセラミックコーティング層
47とを順次施している。図中48は、先端部分40b
に鉄メッキ層45の上から施した防錆用の予備ハンダで
ある。ところが、鏝先部40aに鉄メッキ層45を形成
する上記従来の方法は、次のような欠点があった。
【0004】(1)鉄に不純物が多く含まれているた
め、ハンダの濡れ性が悪く、ハンダ付け作業に支障を来
し易い。
【0005】(2)鉄の熱伝動率が低いため、伝熱性が
低下して作業能率が悪くなる。特に耐腐食性を高めるた
めに鉄メッキ層の厚さを100μm以上にすると、伝熱
性が極端に低下し、例えば、1つのポイントをハンダ付
けしたあと1秒以上の間隔をおかないと、鏝先部の温度
が回復しないため次のポイントをハンダ付けすることが
できないことが多い。
【0006】(3)図7に示すように、先端部が尖った
鏝先部40aを有する鏝先部材40に鉄メッキをすると
き、上記先端部にメッキ層45が厚く付着し易く、この
ため該鉄メッキ層45を均一化するための再加工が必要
となり、ハンダ鏝の製造が非常に面倒である。特に、精
密部品のハンダ付けを行うハンダ鏝の鏝先部は微細で複
雑な形状をしているため、実質的に上記再加工を行うこ
とができない場合が多い。
【0007】(4)鉄メッキ層45が消耗すると使用で
きないため、鏝先部40aに付着したハンダを除去する
のにやすり掛けを行うことができず、ハンダの除去が面
倒である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な技術的
課題は、鏝先部の伝熱性及び耐腐食性が勝れると共に、
ハンダの濡れ性にも勝れた鏝先部材と、それを用いたハ
ンダ鏝とを提供することにある。
【0009】本発明の他の技術的課題は、鏝先部におけ
るハンダと接触する部分に鉄メッキ層を形成する必要が
なく、従って該鉄メッキ層を均一厚さに再加工する必要
がない、構造が簡単で製造が容易な鏝先部材と、それを
用いたハンダ鏝とを提供することにある。
【0010】本発明の更に他の技術的課題は、鏝先部に
付着したハンダの除去が簡単で、やすり掛けすることも
可能な鏝先部材と、それを用いたハンダ鏝とを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の鏝先部材は、ヒータにより加熱される銅製
の本体部と、該本体部からの熱によりハンダを溶融させ
てハンダ付け箇所に付着させるための鏝先部とを有して
いて、該鏝先部における少なくともハンダと接触する部
分が、銅と鉄の合金からなるチップにより形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0012】上記構成を有する鏝先部材は、ハンダと接
触する部分が、伝熱性に勝れる銅の性質と耐腐食性に勝
れる鉄の性質の両方を合わせ持つことになるため、伝熱
性と耐腐食性の両方が調和良く高められる共に、ハンダ
の濡れ性も良くなる。また、ハンダと接触する上記チッ
プの部分だけが銅−鉄合金により形成され、その他の部
分は伝熱性の良い銅製であるため、鉄を含むことにより
伝熱性が低下する影響が最小限に抑えられ、ヒーターか
らの熱を効率よくハンダに伝達することができる。
【0013】また、鏝先部の表面に鉄メッキ層を形成す
る必要がないため、該鉄メッキ層が不均一な厚さに形成
されることがなく、従ってそれを均一厚さに再加工する
必要も全くなく、構造が簡単で製造が容易である。従っ
て、例えば鏝先部の先端の厚みが0.1mm程度といっ
た精密な鏝先部材の製造も可能である。更に、鏝先部に
付着したハンダをやすり掛けで除去することもでき、ハ
ンダの除去作業が簡単である。
【0014】本発明の具体的な構成態様によれば、上記
鏝先部が、銅製の本体部と一体の第1部分と、上記チッ
プからなる先端側の第2部分とに分かれていて、上記第
1部分の外表面に、ハンダとの接触による腐食を防止す
るための保護層が形成されている。この保護層は、耐腐
食性を持たせるための鉄メッキ層と、該鉄メッキ層への
ハンダの付着を防止するためのクロムコーティング層と
からなっていて、必要に応じて該クロムコーティング層
の上に耐熱性を高めるためのセラミックコーティング層
が施される。
【0015】このような保護層を設けることにより、鏝
先部における第1部分の腐食を確実に防止することがで
きるばかりでなく、チップからなる第2部分だけをハン
ダの濡れ面として設定することができるため、精密なハ
ンダ付け作業を行うことができる。しかも、鉄を含むこ
とにより伝熱性が低下する部分を必要最小限の範囲に抑
え、伝熱効率の低下を極力防止することができる。
【0016】上記保護層は、上記第1部分だけでなく、
第2部分との接合部を越えてチップからなる該第2部分
の一部を覆うように形成しておくことが望ましい。これ
により、ハンダが上記第1部分と第2部分との接合面か
ら浸透して銅製の第1部分を腐食させるのを確実に防止
することができる。
【0017】また、上記鏝先部におけるチップからなる
第2部分の表面には、防錆のための予備ハンダを付着さ
せておくことが望ましい。
【0018】本発明において、上記チップを構成する合
金中の銅と鉄との混合比は、銅95〜5%:鉄5〜95
%であることが好ましく、より好ましくは、銅80〜2
0%:鉄20〜80%である。この場合、上記チップの
酸化を防止するため、合金中に少量のセラミックスを混
合することもできる。
【0019】本発明においてはまた、上記鏝先部材とヒ
ータとを有するハンダ鏝が提供される。上記ヒーターと
して好ましくは、ニクロム線のような電気抵抗線からな
るコイルヒーターか、又は高周波誘導加熱式のヒーター
が用いられる。上記コイルヒーターの場合は、それが電
気絶縁性シートを介して鏝先部材に直接巻き付けられ
る。高周波誘導加熱式ヒーターの場合は、低抵抗で非磁
性を示す導体の外周を高抵抗の磁性体層で覆った発熱部
材と、該発熱部材の回りに巻かれた誘導コイルとで構成
される。
【0020】そして、上記ヒーターと鏝先部材とがパイ
プ内に収容されることにより発熱ヘッドが形成され、こ
の発熱ヘッドが、ヘッドホルダに上記パイプを介して着
脱自在に取り付けられる。この場合、上記発熱ヘッドに
おけるパイプの後端部とヘッドホルダとに、相互に係合
し合う突部と窪みとを設けておくことにより、上記発熱
ヘッドを軸線回りに正確に位置決めした状態でヘッドホ
ルダに取り付けることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明をハンダ付けロボ
ットのアームに取り付けて使用する自動機用のハンダ鏝
に適用した場合の一例を示すもので、図中1はハンダ付
けロボットのアーム、2Aは該アーム1に着脱自在のハ
ンダ鏝、3は該ハンダ鏝2Aの鏝先部17に糸状ハンダ
4を順次供給するためのハンダ供給手段である。
【0022】上記ハンダ鏝2Aは、上記ロボットアーム
1に取り付けるためのヘッドホルダ6と、該ヘッドホル
ダ6に着脱自在の発熱ヘッド7とからなっている。上記
発熱ヘッド7は、図2からも分かるように、ハンダを溶
融させてハンダ付け対象物に付着させるための上記鏝先
部17を備えた純銅製の鏝先部材10と、この鏝先部材
10を加熱するためのヒーター11Aと、鏝先部材10
の温度を検出するための温度センサ12と、これらの鏝
先部材10とヒーター11A及び温度センサ12を内蔵
するパイプ13とからなるもので、該パイプ13が螺子
部材14で上記ヘッドホルダ6に着脱自在に取り付けら
れている。
【0023】上記鏝先部材10は、図3からも分かるよ
うに、円柱形をした本体部16の先端に、ハンダ付け対
象物に応じた形状に加工された上記鏝先部17を有する
もので、該鏝先部17は、上記本体部16と一体である
銅製の第1部分17aと、銅と鉄との合金からなるチッ
プにより形成された先端の第2部分17bとを備えてい
る。このチップからなる第2部分17bは、ハンダと直
接接触して該ハンダを溶融させると共に対象物に付着さ
せるための部分で、上記第1部分17aに嵌合又は接着
等の適宜手段により結合、一体化されている。
【0024】上記チップを形成する銅−鉄合金は、例え
ば銅と鉄との微粉末を均一に混合して溶融させたあと、
固化することにより得られるもので、銅と鉄の両方の性
質、即ち、銅による良好な伝熱性及び濡れ性と、鉄によ
る良好な耐腐食性及び濡れ性とを合わせ持つものであ
る。従って、鏝先部17のハンダと接触する第2部分1
7bをこのような銅−鉄合金で形成することにより、該
第2部分17bに、ハンダ付けに必要な伝熱性と耐腐食
性及び濡れ性とをバランス良く保持させることができ
る。しかも、上記チップが鏝先部17の第2部分17b
だけに取り付けられていて、その他の部分は伝熱性の良
い純銅製であるため、鉄を含むことによる伝熱性の低下
を最小範囲に抑え、ヒーター11Aからの熱を効率よく
ハンダ付け部位に伝達することができる。
【0025】上記チップにおける伝熱性と耐腐食性との
バランスは、銅と鉄との混合比を変えることによって自
由に調整することができる。即ち、銅の割合を多くすれ
ば、耐腐食性は低くなるが伝熱性と濡れ性は高くなり、
鉄の割合を多くすれば、伝熱性は低くなるが耐腐食性は
高くなる。銅と鉄との好ましい混合比は、ハンダ付け条
件に応じて適当に調整されるが、好ましくは銅95〜5
%:鉄5〜95%の範囲で調整することであり、より好
ましくは、銅80〜20%:鉄20〜80%の範囲で調
整することである。この場合、合金中に珪素等のセラミ
ックスを少量(1%前後)添加することにより、チップ
の酸化を防止することができる。
【0026】上記鏝先部17における第1部分17aの
外表面には、耐腐食性を高めるための鉄メッキ層21
と、ハンダを付着しにくくするための硬質クロムコーテ
ィング層22と、耐熱性の向上とクロムコーティング層
22の保護とを行うためのセラミックコーティング層2
3とからなる保護層20が形成されている。この保護層
20は、純銅製の第1部分17aにハンダが付着するの
を防止してその腐食を防ぐことを目的とするもので、第
2部分17bを含む鏝先部材10の全体を覆うように一
旦形成したあと、該第2部分17bを覆う保護層20を
除去する方法や、第2部分17bにマスキングを施した
状態で各層を被設する方法等により、形成することがで
きる。この場合に上記保護層20は、第2部分17b全
体が完全に露出するように形成しても良いが、図示した
ように、該第2部分17bの一部をも覆うように形成す
ることが望ましく、これにより、ハンダが第1部分17
aと第2部分17bとの接合部18内に浸透して銅製の
第1部分17aを腐食させるのを確実に防止することが
できる。
【0027】このような保護層20を設けることによ
り、第1部分17aの腐食を防止することができるばか
りでなく、チップからなる第2部分17bだけを確実に
ハンダに接触させることができ、その接触範囲の大きさ
や形状も自由に設定することができるため、精密なハン
ダ付け作業を行うことが可能になる。
【0028】なお、上記鏝先部17の第2部分17bの
保護層20で覆われていない表面には、必要に応じて防
錆のための予備ハンダ24が付着される。また、上記セ
ラミックコーティング層23には、例えば珪素やアルミ
ナ等の素材が使用されるが、このセラミックコーティン
グ層は必ずしも必要ではなく、クロムコーティング層2
2が施されていれば所期の保護効果は十分得られる。
【0029】一方、上記ヒーター11Aは、ニクロム線
のような電気抵抗線からなるコイルヒーターであって、
このコイルヒーターが、ポリエステルフィルムのような
電気絶縁性を持った薄いシート26を介して上記鏝先部
材10の本体部16に直接巻き付けられている。そし
て、上記鏝先部材10の外面の鏝先部17にできるだけ
近い位置に、電気絶縁性シート26を介して上記温度セ
ンサ12が取り付けられている。
【0030】このように、発熱用のヒーター11Aを鏝
先部材10に直接巻き付けるようにすると、該ヒーター
11Aからの熱が直接鏝先部材10に伝わるため、伝熱
効率が非常に良くなり、銅−鉄合金からなるチップの使
用により鏝先部17の伝熱性及び濡れ性が良くなったこ
とと相俟って、該鏝先部17における温度の立ち上がり
が非常に早くなり、1秒以下の短い時間間隔で連続的に
ハンダ付けを行うことができる。鉛が含まれない高温用
ハンダにも好適に使用することができる。
【0031】上記鏝先部材10の、ヒーター11Aが巻
かれると共に温度センサ12が取り付けられた部分を覆
う上記パイプ13は、スレンレス等の金属製である。こ
のパイプ13の側面には、冷却用の通気穴27が複数設
けられ、パイプ13の後端部には、ヘッドホルダ6の取
付部6aに形成した突部29と係合し合う窪み28が1
つ又は複数形成され、これらの窪み28と突部29との
係合によって発熱ヘッド7が、軸線回りに位置決めされ
た状態でヘッドホルダ6に取り付けられるようになって
いる。
【0032】このように、発熱ヘッド7とヘッドホルダ
6とに窪み28と突部29を設けることにより、ロボッ
トアーム1に取り付けたハンダ鏝2Aの発熱ヘッド7を
鏝先部17の形状が異なるものと交換する場合に、該発
熱ヘッド7を常に決められた一定の向きに取り付けるこ
とができるため、発熱ヘッド7を交換する度にロボット
のティーチングを行う必要がなくなる。なお、上記窪み
28をヘッドホルダ6側に設け、突部29を発熱ヘッド
7側に設けても良い。
【0033】上記ヒーター11A及び温度センサ12か
ら延びるリード線11a,12aの先端には、図示しな
いコネクタが接続されていて、このコネクタをヘッドホ
ルダ6に設けたコネクタに接続するようになっている。
【0034】図4は本発明のハンダ鏝の第2実施例を示
すもので、このハンダ鏝2Bは、ヒーター11Bが高周
波誘導加熱式のヒーターである点で、上記第1実施例と
相違している。即ち、このヒーター11Bは、低抵抗で
非磁性を示す導体31の外周を高抵抗の磁性体層32で
覆った発熱部材30と、該発熱部材30の回りに巻かれ
た誘導コイル33とにより構成されている。上記発熱部
材30における導体31は銅製の部材であって、鏝先部
材10とは別に形成されて該鏝先部材10に密に接合さ
れているが、該鏝先部材10と一体に形成することもで
きる。
【0035】そして、上記第1実施例のハンダ鏝2Aと
同様に、上記ヒーター11Bと、鏝先部材10の本体部
16と、該鏝先部材10の温度を検出するための温度セ
ンサ12とが、パイプ13内に収容されることにより発
熱ヘッド7が形成され、この発熱ヘッド7が、ヘッドホ
ルダ6に上記パイプ13を介して着脱自在に取り付けら
れている。この場合、上記パイプ13の後端部とヘッド
ホルダ6における取付部とに、相互に係合し合う突部と
窪みとが形成されることも第1実施例と同じである。な
お、この第2実施例における鏝先部材10の構造につい
ては第1実施例と同じであるため、同一構成部分に第1
実施例と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0036】上記各実施例においては、温度センサ12
をパイプ13内の鏝先部17にできるだけ近い位置に配
設しているが、鏝先部17に溶接等の手段によって直接
取り付けても良い。また、上記各実施例のハンダ鏝は、
ロボットアームに取り付けて使用する自動機用のハンダ
鏝であるが、本発明は、握持用のハンドルを備えた手動
式のハンダ鏝にも適用できることは当然である。
【0037】
【発明の効果】このように本発明によれば、鏝先部のハ
ンダと接触する部分を銅−鉄合金からなるチップで形成
したことにより、従来のように該部分に鉄メッキ層を形
成することなく、その部分の伝熱性と耐腐食性とをバラ
ンス良く高めることができると同時に、ハンダの濡れ性
も高めることができる。また、従来のように鉄メッキ層
を均一厚さに再加工する必要がないため、ハンダ鏝の構
造が簡単でその製造も容易であり、更に、鏝先部に付着
したハンダをやすり掛けで除去することもできるため、
ハンダの除去作業を簡単且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンダ鏝の第1実施例を示す側面
図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係るハンダ鏝の第2実施例を示す要部
断面図である。
【図5】従来のハンダ鏝の要部断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【図7】鏝先部材に鉄メッキ層を形成した場合の断面図
である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム 2A,2B ハン
ダ鏝 4 ハンダ 6 ヘッドホルダ 7 発熱ヘッド 10 鏝先部材 11A,11B ヒーター 12 温度センサ 13 パイプ 16 本体部 17 鏝先部 17a 第1部分 17b 第2部分 20 保護層 21 鉄メッキ層 22 クロムコー
ティング層 23 セラミックコーティング層 24 予備ハンダ 26 絶縁性シート 28 窪み 29 突部 30 発熱部 31 導体 32 磁性体層 33 誘導コイル
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 28/00 C23C 28/00 B 28/02 28/02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータにより加熱される銅製の本体部と、
    該本体部からの熱によりハンダを溶融させてハンダ付け
    箇所に付着させるための鏝先部とを有し、該鏝先部にお
    ける少なくともハンダと接触する部分が、銅と鉄の合金
    からなるチップにより形成されていることを特徴とする
    鏝先部材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の鏝先部材において、上記
    鏝先部が、本体部と一体の第1部分と、上記チップから
    なる先端側の第2部分とに分かれていて、上記第1部分
    の外表面に、ハンダとの接触による腐食を防止するため
    の保護層が形成されていることを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の鏝先部材において、上記
    保護層が、耐腐食性を持たせるための鉄メッキ層と、該
    鉄メッキ層へのハンダの付着を防止するためのクロムコ
    ーティング層とからなることを特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の鏝先部材において、上記
    クロムコーティング層の上に耐熱性を高めるためのセラ
    ミックコーティング層が設けられていることを特徴とす
    るもの。
  5. 【請求項5】請求項2ないし4の何れかに記載の鏝先部
    材において、上記保護層が、鏝先部における上記第1部
    分と第2部分との接合部を越えて該第2部分の一部を覆
    うように形成されていることを特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項2ないし5の何れかに記載の鏝先部
    材において、上記鏝先部におけるチップからなる第2部
    分の表面に、防錆のための予備ハンダが付設されている
    ことを特徴とするもの。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れかに記載の鏝先部
    材において、上記チップを構成する合金中の銅と鉄との
    混合比が、銅95〜5%:鉄5〜95%であることを特
    徴とするもの。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6の何れかに記載の鏝先部
    材において、上記チップを構成する合金中の銅と鉄との
    混合比が、銅80〜20%:鉄20〜80%であること
    を特徴とするもの。
  9. 【請求項9】請求項8又は9に記載の鏝先部材におい
    て、上記チップを構成する合金中にセラミックスが混合
    されていることを特徴とするもの。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9の何れかに記載の鏝先
    部材と、該鏝先部材を加熱するためのヒータとを有する
    ことを特徴とするハンダ鏝。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のハンダ鏝において、
    上記ヒーターが発熱用のコイルからなっていて、このコ
    イルが、電気絶縁性シートを介して鏝先部材に直接巻き
    付けられ、このコイルを巻いた鏝先部材をパイプに取り
    付けることにより発熱ヘッドが形成され、この発熱ヘッ
    ドが、ヘッドホルダに上記パイプを介して着脱自在に取
    り付けられていることを特徴とするもの。
  12. 【請求項12】請求項10に記載のハンダ鏝において、
    上記ヒーターが、高周波誘導加熱式のヒーターであっ
    て、低抵抗で非磁性を示す導体の外周を高抵抗の磁性体
    層で覆った発熱部材と、該発熱部材の回りに巻かれた誘
    導コイルとにより構成され、このヒーター及び鏝先部材
    をパイプに取り付けることにより発熱ヘッドが形成さ
    れ、この発熱ヘッドが、ヘッドホルダに上記パイプを介
    して着脱自在に取り付けられていることを特徴とするも
    の。
  13. 【請求項13】請求項11又は12に記載のハンダ鏝に
    おいて、上記発熱ヘッドにおけるパイプの後端部とヘッ
    ドホルダとに、相互に係合し合う突部と窪みとが形成さ
    れ、これらの突部と窪みとによって発熱ヘッドを軸線回
    りに位置決めした状態で取付可能であることを特徴とす
    るもの。
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