JP2010142849A - 電気ごて - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の電気ごては、銅からなる本体3と本体3の表面に施した磁性体製金属層4とを有するヒーター部2と、該ヒーター部2の外周に設けた誘導加熱用コイルとを有する電気ごて1であって、電気ごて1は本体3と磁性体製金属層4との間に、放電被覆加工により形成されかつ磁性体製金属層4と同質のアンカー層5を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この電気ごてには、通電によりヒーターを加熱して発熱させるものに加えて、昨今で高周波誘導加熱によりヒーター部を加熱する方式のもの(特許文献1)も用いられるようになってきている。
しかしながらこの構造の場合、長期に亘ってこの電気ごてを用いていると、経時的にヒーター温度が所望温度に上がり難くなる、という問題がある。
その理由を推測すると、内側の銅と外側の合金層の界面が、両者の熱膨張係数の差が一因となって、経時的に剥がれ、その結果、誘導加熱により外側の合金層で生じた熱が、内側の本体部分である銅に伝わり難くなって、ヒーター温度が所望温度に上がり難くなったのではないか、と考えられる。
具体的には、本体(銅製)とアンカー層は、アンカー層が前記放電被覆加工により銅からなる本体表面に形成(溶着)されたものであるため、銅に、例えば、放電ワイヤとして鉄を用いた場合、放電により溶融した鉄が銅に溶け込むため最初に銅―鉄合金層が形成されることもあって、銅本体とアンカー層の結合力は極めて強い。
尚、本発明でいう「磁性体製金属層と同質のアンカー層」とは、磁性体製金属層とアンカー層の金属組成が同一組成のものはいうに及ばず、その組成比が多少異なっていても組成金属名が同じく、かつその熱膨張係数がほぼ同じものも含まれるものとする。
図1は、本発明の電気ごての一実施形態例を示す要部の一部断面概略正面図、より具体的には、電気ごての先端のヒーター部の一部断面概略正面図、図2はそのヒーター部の一部断面拡大図である。
尚、前述したように図1、図2ともその一部を断面図にしたのは、内部の構成を判り易くするためである。
図1、図2に示す電気ごて1は、誘導加熱方式のヒーターを採用しているため、電気ごて1のヒーター部2は、銅製の本体(内部)3の外方に磁性体である鉄製の被覆、具体的には、鉄メッキの磁性体製金属層4が設けられている。
このようにアンカー層5が放電被覆加工により本体3の表面に形成されているため、例えば、アンカー層5として鉄を用いた場合には、溶融した鉄が銅製の本体3に溶着し、本体3との界面に鉄―銅合金層がまず形成され、その上に鉄層が形成された状態になっており、その結合力は極めて大きい。
他方、アンカー層5とこのアンカー層5上に、例えば、メッキ法で形成された磁性体製金属層4とは、お互いに同質であるため、その熱膨張係数もほぼ近い値になっている。それ故、長期間使用していても両者の界面が、その熱膨張係数の差が原因で剥離する、という恐れが少なくなる。
よって本発明の電気ごて1は、長期間使用しても、ヒーター本体が所望温度に上がり難くなる、という現象が起こり難くなる。
またコイルが形成されている部分にあって、コイルとヒーター部2の表面との間には優れた耐熱性絶縁材であって熱放散性の良いガラス繊維やセラミックス繊維を、テープまたは編組状にした耐熱性座床7が形成されている。
さらにコイル上にはガラス、セラミックスあるいは酸化ベリリウム等からなる耐熱被覆層8が施され、前記耐熱性座床7と耐熱被覆層8とでコイルを電気ごて1のヒーター部2にしっかりと固定するようになっている。
尚、これら耐熱性座床7や耐熱被覆層8は必ずしも必要ではなく、省略することもできる。
図3に示すようにアンカー層5は、本体3を一方の電極にし、例えば、鉄製の線状体10を他方の電極にして、これに高周波パルス電源11を結線する。
このようにして線状体10の鉄を本体3の銅表面に打ち込み溶着させ、アンカー層5を設ける。このようにしてアンカー層5を形成したため、本体3とアンカー層5の界面では本体3の銅とアンカー層5の鉄が溶着して合金層を形成する等、その結合力は前述したように極めて強くなっている。因みに、図3に示す方法は(SSD放電被覆:Spark Shot Deposition)という。
またアンカー層5の上に設ける磁性体製金属層4は、通常、メッキ法で形成される。
もちろん、例えば、アンカー層5が鉄で、磁性体製金属層4も鉄の如く両者が全く同じ組成のものが最適であることはいうまでもない。
このような組み合わせとしては、全く組成比率の同じ鉄/ニッケルと鉄/ニッケル、鉄/亜鉛と鉄/亜鉛のようなものがある。
この他には、例えば、アンカー層5が鉄で、メッキ層である磁性体製金属層4がアンカー層5とその熱膨張係数がほぼ近ければ、鉄合金、すなわち、鉄/ニッケルとか鉄/亜鉛であってもよいし、同じ鉄/ニッケルや鉄/亜鉛同士であって、かつその組成が多少違っているものでもよい。
その理由は、溶融状態の鉛フリー半田に超音波を加えると、その表面張力を低下させることができ、その結果、溶融状態の鉛フリー半田の流動性が増し、濡れ性の向上を図ることができる、といわれているからである。
また一説には、超音波は接合体表面の酸化被膜を破壊することで濡れ性を向上させている、ともいわれている。
いずれにせよ超音波を加えることで接合面の濡れ性が向上し、特別にフラックスを用いずとも配線基板の如き装着物に電子部品の如き被装着物を高い接合強度で接合することができる。
2 ヒーター部
3 本体
4 磁性体製金属層
5 アンカー層
6 電線
7 耐熱性座床
10 線状体
11 高周波パルス電源
Claims (1)
- 銅からなる本体と該本体の表面に施した磁性体製金属層とを有するヒーター部と、該ヒーター部の外周に設けた誘導加熱用コイルとを有する電気ごてであって、該電気ごては前記本体と前記磁性体製金属層との間に、放電被覆加工により形成されかつ前記磁性体製金属層と同質のアンカー層を有していることを特徴とする電気ごて。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008324076A JP2010142849A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 電気ごて |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008324076A JP2010142849A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 電気ごて |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010142849A true JP2010142849A (ja) | 2010-07-01 |
Family
ID=42563822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008324076A Pending JP2010142849A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 電気ごて |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010142849A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018104769A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | 白光株式会社 | 加熱工具の先端部材の製造方法及び加熱工具の先端部材 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11221670A (ja) * | 1998-02-02 | 1999-08-17 | Japan Yunikkusu:Kk | ハンダ鏝及び鏝先部材 |
JP2001038434A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-02-13 | Konitsuku:Kk | プレス金型 |
JP2007038280A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Tootsuu:Kk | 半田ごて用のこて先及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-12-19 JP JP2008324076A patent/JP2010142849A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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