JP4633776B2 - 端子箱を備える電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、各国の異なる電源事情あるいは規格に対応できる端子箱を備える電動機に関するものである。
従来、端子箱を備える電動機の端子箱として、図6,7に示すようなものがある。
図6は従来の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。
なお、図6に示す従来の端子箱については、後述する本発明の実施例に係る端子箱と対応する部分には同一の符号を用い、実質的に同一構成部分はその説明を省略する。
そして、図6に示す従来の端子箱が後述する本発明の実施例に係る端子箱11と相違する点は、導電板22に電気的に接続される各内部リード線26の先端部に熱収縮性絶縁チューブ28が取り付けられていないことである。
図7は別の従来の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。
なお、図7に示す別の従来の端子箱についても、後述する本発明の実施例に係る端子箱と対応する部分には同一の符号を用い、実質的に同一構成部分はその説明を省略する。
そして、図7に示す別の従来の端子箱が後述する本発明の実施例に係る端子箱11と相違する点は、本発明の実施例においては電磁ブレーキの電源モジュール41は固定板42を介して端子台21と共に端子箱本体12内に固定されているのに対して、図7に示す別の従来の端子箱においては電磁ブレーキの電源モジュール41'は単に端子箱本体12内に収容されているだけで端子箱本体12内に固定されていないことである。
また、従来、端子箱を備える回転電機として、次のようなものが提案されている。
すなわち、固定子枠(本発明の電動機のハウジングに対応する)外周部にパッキンを介して端子箱(本発明の端子箱本体に対応する)を配設し、この端子箱内に接地端子(本発明のアース端子ねじに対応する)を有する回転電機(本発明の電動機に対応する)において、導体製の棒形状で胴部一端に段差部を有しこの段差部端面を接地接触面にしてこの接地接触面から長手方向に突出するネジ部を有すると共に前記胴部内部にタップ穴が穿穴され胴部他端部を締付部とすると共に胴部他端部の端面に接地端子取付面を有する接地端子取付座があって、前記パッキンと端子箱壁を前記段差部で貫通させながら固定子枠表面に前記接地接触面を接触させ固定子枠のタップ穴に前記ネジ部を螺合させて接地端子取付座を端子箱内に取付け、この接地端子取付座の接地端子取付面に接地端子を取付けることを特徴とする回転電機、が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−117458号公報
ところで、図6に示す従来の端子箱は、口出し線(内部リード線)26の圧着端子26aの取り付け方によっては規定の絶縁距離が確保できない場合を考慮して図6に示す絶縁距離d'を大きくとる必要があり、そのため端子台を小型化することができない、という問題点がある。
また、図7に示す別の従来の端子箱は、電磁ブレーキの電源モジュール41'は単に端子箱本体12内に収容されているだけで端子箱本体12内に固定されていないので、電源モジュール41'を端子箱本体12内に固定することが要求される欧州規格ENの指令に適合しないため、欧州向けの輸出品に必要なCEマーキングを取得することができない、という問題点がある。
なお、CEマーキングとは、欧州規格ENの指令に適合したものに表示されるマークである。
また、特許文献1(特開平10−117458号公報)に開示された回転電機においては、前記パッキンと端子箱壁を前記段差部で貫通させながら固定子枠表面に前記接地接触面を接触させ固定子枠のタップ穴に前記ネジ部を螺合させて接地端子取付座を端子箱内に取付けているので、接地端子取付座は、端子箱を固定子枠に固定する一つのボルトの役割を兼用している。そのため、接地端子取付座を固定子枠に取り付けた後にこの接地端子取付座の接地端子取付面にアース配線を接続することを忘れる可能性がある、という問題点がある。
また、固定子枠と端子箱との間にパッキンを介在させてはいるものの、端子カバー(本発明の蓋に対応する)と端子箱(本発明の端子箱本体に対応する)との間にはパッキンが介在されておらず、密閉性が十分でない、という問題点がある。また、回転電機からの発熱に対する対応が明らかでない。
また、端子箱を備える電動機を北米に輸出するにはUL規格に適合する必要がある。
なお、ULとは、米国の保険会社の団体である米国保険業者安全試験所が審議制定した団体規格である。
また、端子箱を備える電動機を中国に輸出するにはCCC(中国強制性製品認証制度)に適合する必要がある。
なお、CCCマークとは、「中国強制性製品認証制度」に適合したものに表示される認証マークである。
さらに、各国により電源電圧が異なっている。例えば、各国の電源電圧は以下のとおりである。
国内では、200V(50Hz)、200V(60Hz)、220V(60Hz)、400V(50Hz)、400V(60Hz)、440V(60Hz)、欧州では220V(50Hz)、230V(50Hz)、240V(50Hz)、380V(50Hz)、400V(50Hz)、415V(50Hz)、米国では230V(60Hz)、460V(60Hz)、中国では220V(50Hz)、380V(50Hz)である。
また、以下に記載する200V級とは、上記電源電圧のうち、200V、220V、230V、240Vを表わすものとし、400V級とは、上記電源電圧のうち、380V、400V(50Hz)、400V(60Hz)、415V(50Hz)、440V(60Hz)、460V(60Hz)を表わす。
このように各国により電源電圧が異なっているため、電動機を各国に輸出する場合、基本的には各国別に電動機の固定子の巻線を設計して対応している。そのため、各国毎に異なる電動機を用意する必要があり、物量や在庫の面でコストが高くなる、という問題点がある。
そこで、本発明は、各国の異なる電源事情あるいは規格に対応できる端子箱を備える電動機を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、端子箱を備える電動機において、前記端子箱は導電板を組み込んだ絶縁性の合成樹脂製端子台を内蔵した金属製端子箱本体と金属製蓋とを有し、前記金属製蓋が前記金属製端子箱本体の開口部にパッキンを介して取り付けられ、前記金属製端子箱本体は両面にそれぞれパッキンを配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座を介して前記電動機のフレームに取り付けられ、前記導電板に電気的に接続される各内部リード線の先端部とブレーキ用交流リード線の先端部に熱収縮性絶縁チューブが取り付けられ、アースリード線の一端は金属製アース端子ねじにより前記金属製端子箱本体の内部に前記合成樹脂製端子台とは独立して設けられた立ち上がり部に取り付けられると共に他端は前記金属製端子箱本体の引出孔を通して引き出されて金属製アース端子ねじにより前記電動機のフレームに電気的に接続され、前記電動機の固定子は200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能であり、電磁ブレーキの電源モジュールは固定板を介して前記絶縁性の合成樹脂製端子台の取付穴を使用して端子台取付ねじによって共に前記金属製端子箱本体内に固定されているものである。
請求項2記載の発明は、端子箱を備える電動機において、前記端子箱は導電板を組み込んだ絶縁性の合成樹脂製端子台を内蔵した金属製端子箱本体と金属製蓋とを有し、前記金属製蓋が前記金属製端子箱本体の開口部にパッキンを介して取り付けられ、前記金属製端子箱本体は両面にそれぞれパッキンを配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座を介して前記電動機のフレームに取り付けられ、前記導電板に電気的に接続される各内部リード線の先端部とブレーキ用交流リード線の先端部に熱収縮性絶縁チューブが取り付けられ、アースリード線の一端は金属製アース端子ねじにより前記金属製端子箱本体の内部に前記合成樹脂製端子台とは独立して設けられた立ち上がり部に取り付けられると共に他端は前記金属製端子箱本体の引出孔を通して引き出されて金属製アース端子ねじにより前記電動機のフレームに電気的に接続され、前記電動機は200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子または400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子を有し、電磁ブレーキの電源モジュールは固定板を介して前記絶縁性の合成樹脂製端子台の取付穴を使用して端子台取付ねじによって共に前記金属製端子箱本体内に固定されているものである。
請求項1記載の発明によれば、次のような効果を有する。
端子箱は金属製端子箱本体と金属製蓋とで構成しているので、強度的に優れている。
金属製蓋が金属製端子箱本体の開口部にパッキンを介して取り付けられ、金属製端子箱本体は両面にそれぞれパッキンを配置した絶縁性の端子箱取付座を介して電動機のフレームに取り付けられているので、端子箱の密閉性と絶縁性が向上する。そして、このように構成した端子箱はIP55に適合するものである。
導電板に電気的に接続される各内部リード線の先端部とブレーキ用交流リード線の先端部に熱収縮性絶縁チューブが取り付けられているので、絶縁距離を従来の絶縁距離より短縮でき、その結果、絶縁性の合成樹脂製端子台の長手方向長さを短くすることができる。
アースリード線の一端は金属製アース端子ねじにより金属製端子箱本体の内部に前記合成樹脂製端子台とは独立して設けられた立ち上がり部に取り付けられると共に他端は前記金属製端子箱本体の引出孔を通して引き出されて金属製アース端子ねじにより電動機のフレームに電気的に接続されているので、電動機のフレームはアースリード線および外部アース配線を介してアースすることができるので、アースの導通性が向上する。
電動機の固定子は200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能であるので、一種類の固定子を有する電動機を用意すればよく、用意する電動機の種類を減少でき、物量や在庫の面でコストを低減できる。
電磁ブレーキの電源モジュールは固定板を介して絶縁性の合成樹脂製端子台の取付穴を使用して端子台取付ねじによって共に前記金属製端子箱本体内に固定されているので、電源モジュールを金属製端子箱本体内に固定することが要求される欧州規格ENの指令に適合している。
そして、請求項1記載の端子箱を備える電動機は、各国の異なる電源事情あるいは規格(欧州規格EN、UL規格、CCC規格)に対応できる。
請求項2記載の発明によれば、次のような効果を有する。
上述した請求項1記載の発明の効果と同様な効果を有するとともに、電動機は200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子または400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子を有するので、二種類の固定子を有する電動機をそれぞれ用意すればよく、用意する電動機の種類を減少でき、物量や在庫の面でコストを低減できる。
そして、請求項2記載の端子箱を備える電動機は、各国の異なる電源事情あるいは規格(欧州規格EN、UL規格、CCC規格)に対応できる。
本発明の端子箱を備える電動機の最良の形態としては、次のように構成されている。
すなわち、端子箱11を備える三相誘導電動機1において、端子箱11は導電板22を組み込んだ絶縁性の合成樹脂製端子台21を内蔵したアルミダイキャスト製端子箱本体12と金属製蓋13とを有し、金属製蓋13はアルミダイキャスト製端子箱本体12の開口部12aにNBR製パッキン15を介して取り付けられ、アルミダイキャスト製端子箱本体12は両面にそれぞれNBR製パッキン16,17を配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座18を介して電動機1のフレーム1aに取り付けられ、導電板22に電気的に接続される各内部リード線26,27の先端部に熱収縮性絶縁チューブ28が取り付けられ、アースリード線32の一端は金属製アース端子ねじ31によりアルミダイキャスト製端子箱本体12の内部に取り付けられると共に他端は金属製アース端子ねじ31により電動機1のフレーム1aに電気的に接続され、電動機1の固定子は200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能であり、電磁ブレーキの電源モジュール41は固定板42を介して絶縁性の合成樹脂製端子台21と共にアルミダイキャスト製端子箱本体12内に固定されているものである。
その各実施例を以下に説明する。
本発明の実施例1に係る端子箱を備える三相誘導電動機を図1〜5を参照して以下に説明する。
図1は本発明の実施例1の端子箱を備える三相誘導電動機の一部を示す外観図である。図2は図1の端子箱の端子箱本体を断面で示す電磁ブレーキの電源モジュールを取り付ける前の断面図である。図3は図1の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す電磁ブレーキの電源モジュールを取り付ける前の平面図である。図4は本発明の実施例1の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。図5は図4の電磁ブレーキの電源モジュールおよび固定板を示す正面図である。
本発明の実施例1に係る端子箱を備える三相誘導電動機1(以下、単に電動機1という。)は、図1に示すように、端子箱11を備えている。
電動機1は内部に図示しない難燃性の合成樹脂製冷却用ファン(以下、単にファンという。)を有し、このファンは鋼板製または難燃性の合成樹脂製ファンカバー1b(以下、単にファンカバー1bという。)で覆われている。
端子箱11はアルミダイキャスト製端子箱本体12(以下、単に端子箱本体12という。)と金属製蓋13(以下、単に蓋13という。)とを有している。そして、蓋13は端子箱本体12の開口部12aを覆うようにNBR製パッキン15を介して蓋取付ねじ14を端子箱本体12のねじ穴12eにねじ込むことにより取り外し可能に取り付けられている。
また、図1に示すように、端子箱本体12は両面にそれぞれNBR製パッキン16,17を配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座18(以下、単に端子箱取付座18という。)を介して端子箱本体12の取付け穴12fに挿入される図示しない取付ねじで電動機1のフレーム1aに取り付けられている。
そして、端子箱本体12は端子箱取付座18を介して電動機1のフレーム1aに取り付けられているので、端子箱本体12の下面は、電動機1のファンカバー1bの外周面より上方に位置している。すなわち、図1に示すように、電動機1の回転軸中心から端子箱本体12の下面までの距離h2は電動機1の回転軸中心からファンカバー1bの外周面までの距離h1より大きくなっている。
図2,3,4に示すように、端子箱本体12は底面12bに一体的に複数の立ち上がり部12cを有し、絶縁性の合成樹脂製端子台21(以下、単に端子台21という。)が端子台取付ねじ24で立ち上がり部12cの上に取り付けられ、端子箱本体12の内部に内蔵されている。
図2,3,4に示すように、端子台21は、上面の中央部に長手方向に仕切り壁21aを一体的に有し、仕切り壁21aの上面に薄い短冊状の端子記号表示片23が取り外し可能に取り付けられている。
また、端子台21は、仕切り壁21aを挟んで両側に仕切り壁21aと直交する方向に複数の絶縁隔壁21bが間隔を置いて一体的に有している。
隣合う絶縁隔壁21bの間には仕切り壁21aを横切って各相毎の短冊状の導電板22(以下、単に導電板22という。)(図2参照)組み込まれている。各導電板22は長方形状の導電性の平板で、その両端部にはそれぞれ後述する金属製端子ねじ25をねじ込むための図示しないねじ穴が形成されている。
図2,3,4に示すように、隣合う絶縁隔壁21bの間には各金属製端子ねじ25(以下、単に端子ねじ25という)および各座金(角座)29が配置されている。
図2に示すように、口出し線(内部リード線)26は電動機1の固定子巻線を引出孔12dから引き出したものである。そして、図2,3,4に示すように、各口出し線(内部リード線)26はそれぞれU相、V相、W相の各導電板22に電気的に接続される。
すなわち、仕切り壁21aを挟んで一方側(図2,3,4において右側)の各座金(角座)29と各導電板22との間に各口出し線(内部リード線)26のそれぞれの圧着端子26aを挿入し、各端子ねじ25を各導電板22のねじ穴に締結することにより、各口出し線(内部リード線)26はそれぞれU相、V相、W相の各導電板22に電気的に接続される。
また、口出し線(内部リード線)26の先端部には熱収縮性絶縁チューブ28が取り付けられている。
図3,4に示すように、ブレーキ用交流リード線(内部リード線)27はB1相とU相の各導電板22、およびB2相とW相の各導電板22をそれぞれ電気的に接続するものである。
すなわち、仕切り壁21aを挟んで一方側(図3,4において右側)の各座金(角座)29と各導電板22との間に各ブレーキ用交流リード線(内部リード線)27のそれぞれ両端の圧着端子27aを挿入し、各端子ねじ25を各導電板22のねじ穴に締結することにより、B1相とU相の各導電板22、およびB2相とW相の各導電板22はそれぞれ電気的に接続される。
また、ブレーキ用交流リード線(内部リード線)27の先端部には熱収縮性絶縁チューブ28が取り付けられている。
仕切り壁21aを挟んで他方側(図2において左側)の各座金(角座)29と各導電板22との間に、外部電源配線51のそれぞれの圧着端子51aが挿入され、各端子ねじ25を各導電板22のねじ穴に締結することにより、外部電源配線51が各導電板22に電気的に接続される。
なお、図3,4においては、外部電源配線51を各導電板22に接続していない状態(すなわち、外部電源配線51を図示しない状態)を示している。
図2に示すように、アースリード線32の一端の圧着端子32aと外部アース配線52の圧着端子52aは、金属製アース端子ねじ31(以下、単にアース端子ねじ31という。)を立ち上がり部12cにねじ込むことによって電気的に接続される。また、アースリード線32は端子箱本体12の引出孔12dを通して電動機のフレーム1a側に引き出されており、アースリード線32の他端の圧着端子32aがアース端子ねじ31により電動機のフレーム1aに電気的に接続される。したがって、電動機のフレーム1aはアースリード線32および外部アース配線52を介してアースすることができる。
電動機1の固定子は固定子の巻線を工夫することにより、200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な構造になっている。
図5に示すように、電磁ブレーキの電源モジュール41は固定板42が取り付けられている。そして、図4に示すように、電磁ブレーキの電源モジュール41は固定板42とともに端子箱本体12内に内蔵され、電源モジュール41は固定板42を介して取付穴42aを使用して端子台取付ねじ24で端子台21と共に端子箱本体12内に固定されている。
本発明の実施例1に係る端子箱を備える電動機によれば、次のような効果を有する。
端子箱11はアルミダイキャスト製端子箱本体12と金属製蓋13とで構成しているので、強度的に優れている。
電動機1の内部の図示しないファンは難燃性の合成樹脂製であり、このファンを覆うファンカバー1bは鋼板製または難燃性の合成樹脂製であるので、難燃性に優れている。
蓋13が端子箱本体12の開口部12aにNBR製パッキン15を介して取り付けられ、端子箱本体12は両面にそれぞれNBR製パッキン16,17を配置した絶縁性の端子箱取付座18を介して電動機1のフレーム1aに取り付けられているので、端子箱11の密閉性と絶縁性が向上する。そして、このように構成した端子箱11はIP55に適合するものである。
なお、IP55は、JISC4034−5:1999(回転電気機械−第5部:外被構造による保護方式の分類)及びIEC60034−5:1991に規定されている。
口出し線(内部リード線)26の先端部およびブレーキ用交流リード線(内部リード線)27の先端部には熱収縮性絶縁チューブ28が取り付けられているので、図3に示す絶縁距離dを図6に示す従来の絶縁距離d'より短縮でき、その結果、端子台21の長手方向長さを短くすることができる。
アースリード線32の一端の圧着端子32aと外部アース配線52の圧着端子52aは、アース端子ねじ31を立ち上がり部12cにねじ込むことによって電気的に接続される。また、アースリード線32は端子箱本体12の引出孔12dを通して電動機のフレーム1a側に引き出されており、アースリード線32の他端の圧着端子32aがアース端子ねじ31により電動機のフレーム1aに電気的に接続される。したがって、電動機のフレーム1aはアースリード線32および外部アース配線52を介してアースすることができるので、アースの導通性が向上する。
電動機1の固定子は200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能であるので、一種類の固定子を有する電動機を用意すればよく、用意する電動機1の種類を減少でき、物量や在庫の面でコストを低減できる。
電源モジュール41は固定板42を介して取付穴42aを使用して端子台取付ねじ24で端子台21と共に端子箱本体12内に固定されているので、電源モジュール41を端子箱本体12内に固定することが要求される欧州規格ENの指令に適合している。
そして、本発明の実施例1の端子箱11を備える三相誘導電動機1は各国の異なる電源事情あるいは規格(欧州規格EN、UL規格、CCC規格)に対応できる。
次に、本発明の実施例2に係る端子箱を備える三相誘導電動機について説明する。本発明の実施例2に係る端子箱を備える三相誘導電動機は、電動機1が、200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子または400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子を有する点で、本発明の実施例1と相違するのみで、端子箱11を含めてその他の点は同一である。
したがって、端子箱11等の同一部分についての説明は省略する。
電動機1は、それぞれ固定子の巻線を工夫することにより、二種類の固定子を有している。そして、二種類の固定子の内の一方の固定子は200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な構造になっており、他方の固定子は400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な構造になっている。
本発明の実施例2に係る端子箱を備える電動機によれば、次のような効果を有する。
上述した本発明の実施例1の効果と同様な効果を有するとともに、電動機は200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子または400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子を有するので、二種類の固定子を有する電動機をそれぞれ用意すればよく、用意する電動機の種類を減少でき、物量や在庫の面でコストを低減できる。
そして、本発明の実施例2に係る端子箱を備える電動機は、各国の異なる電源事情あるいは規格(欧州規格EN、UL規格、CCC規格)に対応できる。
本発明の実施例1の端子箱を備える電動機の一部を示す外観図である。 図1の端子箱の端子箱本体を断面で示す電磁ブレーキの電源モジュールを取り付ける前の断面図である。 図1の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す電磁ブレーキの電源モジュールを取り付ける前の平面図である。 本発明の実施例1の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。 図4の電磁ブレーキの電源モジュールおよび固定板を示す正面図である。 従来の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。 別の従来の端子箱の蓋を取り外した端子箱本体の内部を示す平面図である。
1 三相誘導電動機
1a 電動機のフレーム
1b 電動機のファンカバー
11 端子箱
12 アルミダイキャスト製端子箱本体
12a 開口部
12b 底面
12c 立ち上がり部
12d 引出孔
12e ねじ穴
12f 取付け穴
13 金属製蓋
14 蓋取付ねじ
15 NBR製パッキン
16 NBR製パッキン
17 NBR製パッキン
18 絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座
21 絶縁性の合成樹脂製端子台
21a 仕切り壁
21b 絶縁隔壁
22 導電板
23 薄い短冊状の端子記号表示片
24 端子台取付ねじ
25 金属製端子ねじ
26 口出し線(内部リード線)
26a 圧着端子
27 ブレーキ用交流リード線(内部リード線)
27a 圧着端子
28 熱収縮性絶縁チューブ
29 座金(角座)
31 金属製アース端子ねじ
32 アースリード線
32a 圧着端子
41 電磁ブレーキの電源モジュール
42 固定板
42a 取付穴
51 外部電源配線
51a 圧着端子
52 外部アース配線
52a 圧着端子
d,d' 絶縁距離
h1 電動機の回転軸中心からファンカバーの外周までの距離
h2 電動機の回転軸中心から端子箱本体の下面までの距離

Claims (2)

  1. 端子箱を備える電動機において、
    前記端子箱は導電板を組み込んだ絶縁性の合成樹脂製端子台を内蔵した金属製端子箱本体と金属製蓋とを有し、
    前記金属製蓋が前記金属製端子箱本体の開口部にパッキンを介して取り付けられ、
    前記金属製端子箱本体は両面にそれぞれパッキンを配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座を介して前記電動機のフレームに取り付けられ、
    前記導電板に電気的に接続される各内部リード線の先端部とブレーキ用交流リード線の先端部に熱収縮性絶縁チューブが取り付けられ、
    アースリード線の一端は金属製アース端子ねじにより前記金属製端子箱本体の内部に前記合成樹脂製端子台とは独立して設けられた立ち上がり部に取り付けられると共に他端は前記金属製端子箱本体の引出孔を通して引き出されて金属製アース端子ねじにより前記電動機のフレームに電気的に接続され、
    前記電動機の固定子は200V級(50/60Hz)及び400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能であり、
    電磁ブレーキの電源モジュールは固定板を介して前記絶縁性の合成樹脂製端子台の取付穴を使用して端子台取付ねじによって共に前記金属製端子箱本体内に固定されていることを特徴とする端子箱を備える電動機。
  2. 端子箱を備える電動機において、
    前記端子箱は導電板を組み込んだ絶縁性の合成樹脂製端子台を内蔵した金属製端子箱本体と金属製蓋とを有し、
    前記金属製蓋が前記金属製端子箱本体の開口部にパッキンを介して取り付けられ、
    前記金属製端子箱本体は両面にそれぞれパッキンを配置した絶縁性の合成樹脂製端子箱取付座を介して前記電動機のフレームに取り付けられ、
    前記導電板に電気的に接続される各内部リード線の先端部とブレーキ用交流リード線の先端部に熱収縮性絶縁チューブが取り付けられ、
    アースリード線の一端は金属製アース端子ねじにより前記金属製端子箱本体の内部に前記合成樹脂製端子台とは独立して設けられた立ち上がり部に取り付けられると共に他端は前記金属製端子箱本体の引出孔を通して引き出されて金属製アース端子ねじにより前記電動機のフレームに電気的に接続され、
    前記電動機は200V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子または400V級(50/60Hz)の電源電圧に対応可能な固定子を有し、
    電磁ブレーキの電源モジュールは固定板を介して前記絶縁性の合成樹脂製端子台の取付穴を使用して端子台取付ねじによって共に前記金属製端子箱本体内に固定されていることを特徴とする端子箱を備える電動機。
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