JP2015060879A - 回路基板ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】EMCを改善すると共に、設置箇所が接地電位の領域に限定されない。【解決手段】電磁波を発生する素子を備えた回路が実装された基板22の素子が実装された側の面を覆う導体で形成された導電性ケース28と、一端が基板22の接地電位の領域に接続されると共に他端に接地用の配線が接続される接地端子24Bと、導電性ケース28と接地端子24Bとの間に圧縮された状態で配置され導電性ケース28と接地端子24Bとを電気的に接続する導電性のばね32と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、回路基板ユニットに関する。
モータの駆動制御装置にはFET(電解効果トランジスタ)等のスイッチング素子を用いたインバータ回路が実装されている。当該インバータ回路は、車載のバッテリ等の電源から供給される大電流をスイッチングするので、動作時には電磁波が発生しやすい。
特許文献1には回路基板に電磁波を遮蔽する保護金網を設けることによりEMC(電磁適合性)を改善したモータコントローラが開示されている。また、特許文献2には回路基板の接地電位の領域を当該回路基板を覆う金属製のケースに電気的に接続させ、さらに当該ケースを車両の接地電位の箇所に固定することによりEMCを改善した制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているモータコントローラは、保護金網が接地されていないので、電磁波を受けたことで保護金網に蓄積された電気エネルギーが保護金網の外に電磁波として再放射されてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示されている制御装置は、基板を樹脂で封止するので、樹脂が基板と金属製ケースとを電気的に接続するばねに回り込んで基板と県属性ケースとの導通が不完全になるおそれがあった。さらに特許文献2に開示されている制御装置は、設置箇所が車両において接地電位を示す領域に限定されるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、EMCを改善すると共に、設置箇所が接地電位の領域に限定されない回路基板ユニットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の回路基板ユニットは、電磁波を発生する素子を備えた回路が実装された基板と、前記基板の前記素子が実装された側の面を覆う導体で形成された第1のケースと、一端が前記基板の接地電位の領域に電気的に接続されると共に他端に接地用の配線が電気的に接続された接地端子と、前記第1のケースと前記接地端子との間に圧縮された状態で配置され前記第1のケースと前記接地端子とを電気的に接続する導電性の弾性体と、を備えている。
この回路基板ユニットは、電磁波を発生する素子を備えた回路が実装された基板の素子が実装された側の面を覆う導体で形成された第1のケースを備えている。これにより、基板上の素子から生ずる電磁波を第1のケースの導体で遮蔽できる。
また、この回路基板ユニットは、基板の接地電位の領域と電気的に接続されると共に他端に接地用の配線が電気的に接続される接地端子と、当該接地端子と第1のケースとを電気的に接続する弾性体を備えている。当該接地端子及び当該弾性体を介して、電磁波の遮蔽によって導体内部に生じた電気エネルギーを接地用の配線に放出するので、導体内に蓄積された電気エネルギーによる電磁波の再放射を抑止でき、EMCを改善することができる。
また、第1のケースと接地端子との間には、弾性体が介在しているので、第1のケースの荷重及び第1のケースに作用した応力が、接地端子及び基板に及ぼす影響を軽減できる。
請求項2に記載の回路基板ユニットは、請求項1記載の回路基板ユニットにおいて、前記基板の前記素子が実装された側の面の裏面を覆う第2のケースをさらに備え、前記第1のケースは、前記基板の前記素子が実装された側の面を覆い、前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に前記基板が前記第2のケースに固定されると共に前記弾性体が前記第1のケースと前記接地端子とに接触する。
この回路基板ユニットによれば、第1のケースと第2のケースとで基板を挟んだ場合に基板が前記第2のケースに固定され、かつ第1のケースと接地端子との間には、弾性体が設けられている。これにより、第1のケースの荷重及び第1のケースに作用した応力が、接地端子及び基板に及ぼす影響を軽減できる。
請求項3に記載の回路基板ユニットは、前記接地端子は、前記基板の接地電位の領域に電気的に接続される一端及び前記接地用の配線が接続される他端を除く一部が絶縁体で覆われると共に、前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に該絶縁体の前記第1のケースと相対する部分に前記接地端子を露出させた穴部を有し、前記弾性体は、前記穴部に収まって前記接地端子と接触すると共に、前記弾性体が前記穴部に収まった状態で前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に前記第1のケースと接触する。
この回路基板ユニットによれば、絶縁体に設けられた穴部により、弾性体の位置決めが正確に行えると共に、第1のケースと第2のケースとで基板を挟んだ場合に、弾性体を確実に第1のケースに接触させることができる。
請求項4に記載の回路基板ユニットは、請求項2又は3に記載の回路基板ユニットにおいて、前記第2のケースは導体を絶縁体で被覆して形成されると共に、前記第1のケースと組み合わされた場合に該導体が前記第1のケースと電気的に接続する。
この回路基板ユニットによれば、第2のケースを、導体を絶縁体で被覆して形成することにより、基板に実装された素子から発生する電磁波をより効果的に遮蔽してEMCを改善することができる。
請求項5の回路基板ユニットは、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の回路基板ユニットにおいて、前記第2のケースの前記基板が固定された側の裏面に前記基板に実装された回路によって制御されるモータが設けられる。
この回路基板ユニットによれば、第2のケースにモータ等の機器を実装した場合でも、第1のケース及び弾性体を取り付けることにより、基板に実装された素子から発生する電磁波を遮蔽してEMCを改善することができる。
図1は、本実施の形態に係る回路基板ユニットを用いたモータユニット10の構成を示す概略図である。図1の本実施の形態に係るモータユニットは、一例として車載用エアコンの送風に用いられる、いわゆるブロアモータのユニットである。
本実施の形態に係るモータユニット10は、ステータ18の外側にロータ12が設けられた、アウターロータ構造の三相モータに係るものである。ステータ18はコア部材に導線が巻かれた電磁石であって、U相、V相、W相の三相を構成している。
ステータ18のU相、V相、W相の各々は、基板22に実装されたモータの駆動制御回路の制御で電磁石で発生する磁界の極性が切り替えられることにより、いわゆる回転磁界を発生する。
ロータ12の内側にはロータマグネットが設けられており、ロータマグネットは、ステータ18で生じた回転磁界に対応することにより、ロータ12を回転させる。
ロータ12にはシャフト14が設けられており、ロータ12と一体になって回転する。図1には示していないが、本実施の形態ではシャフト14には、いわゆるシロッコファン等の多翼ファンが設けられ、当該多翼ファンがシャフト14と共に回転することにより、車載用エアコンにおける送風が可能となる。
基板22には、基板22上の素子から生じる熱を放散するヒートシンク20が設けられる。ヒートシンク20が設けられた基板22は、樹脂製の回路カバー26に収められ、さらにヒートシンク20の冷却用突起20Aを除きセンターピース16及びフォルダ30に覆われ、センターピース16を介してステータ18が基板22に取り付けられる。センターピース16は、基板22の上面を保護するケースも兼ねている。
回路カバー26は導電性ケース28で覆われる。導電性ケース28は、鉄、銅、黄銅、ステンレス若しくは軽合金等の金属又は炭素繊維若しくは導電性樹脂等の非金属の導電体で出来た導電性のケースであり、基板22上の素子から発生する電磁波を遮蔽する。センターピース16、回路カバー26及び導電性ケース28は、各々、センターピース固定部16A、回路カバー固定部26A及び導電性ケース固定部28Aを介してフォルダ30と共にボルト等で固定される。この場合、基板22は、フォルダ30を介して回路カバー26及び導電性ケース28とセンターピース16とに挟まれて、センターピース16に固定される。なお、本実施の形態では、ボルト以外にリベット等のファスナーによって、センターピース16、回路カバー26、導電性ケース28及びフォルダ30を固定してもよい。
また、基板22には、外部接続コネクタ24が設けられている。外部接続コネクタ24を構成する端子のうち、接地端子24A,24Bは車両の接地電位の箇所に接続される接地用の端子であり、基板22側の一端が基板22の接地電位になっている領域(接地領域)に接続されている。電力供給端子24Cは車載バッテリから略12Vの直流の電力が供給される端子である。
ばね32は、圧縮コイルスプリングとされ、外部接続コネクタ24の接地端子24Bと接触するように外部接続コネクタ24のばね収容孔24D(図4に図示)に取り付けられ、回路カバー26のばね貫通孔26Bを介して導電性ケース28に接触している。かかる接触により、導電性ケース28と接地端子24Bとを導通し、導電性ケース28が電磁波を遮蔽した際に導電性ケースに生じた電気エネルギーを、ばね32と接地端子24Bと接地端子24Bに接続された配線とを介して車両の接地電位の領域に放出する。なお、ばね32は、鉄、ステンレス、銅合金若しくはベリリウム合金等の金属又は炭素繊維等の導電性を有する弾性体で構成されている。ばね32の形状は、一般的には図示したようなコイルスプリングであるが、板状の弾性体で構成された板ばね、又は竹の子ばねであってもよい。
また、本実施の形態では、センターピース16を、導体を絶縁体で被覆して形成し、センターピース固定部16A及び導電性ケース固定部28Aをボルト等で固定した場合に、センターピース16の導体と導電性ケースとが電気的に接続するようにしてもよい。かかる構成により、基板22に実装された素子から発生する電磁波をより効果的に遮蔽してEMCを改善することができる。
また、本実施の形態では、基板22を、フォルダ30を介して回路カバー26及び導電性ケース28と共にセンターピース16に固定したものを本実施の形態に係る回路基板ユニット34とする。なお、フォルダ30は、モータユニット10を車両に固定するための台座である。
続いて本実施の形態に係る回路基板ユニット34を組み込んだモータユニット10の構成を断面図を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る回路基板ユニット34を用いたモータユニット10の構成の一例を示す断面図である。
図2に示すように、 シャフト14には一対の軸受け14Aが設けられ、軸受け14Aは支持部14Bに固定されている。軸受け14Aによってシャフト14は支持部14Bに対して回転自在に支持されている。
ステータ18にはコイル18Aが巻回されている。コイル18Aは、電気的な位相が120度ずれたU相、V相、W相の三相を構成するように設けられており、コイル18AのU相、V相、W相へ所定の周期で交互に通電することにより、ステータ18の周囲に所定の回転磁界を形成する。
また、ロータ12の内面にはロータマグネット12Aが設けられている。ロータマグネット12Aは、ロータ12の半径方向の一方の側はN極で他方の側がS極となるように形成されている。
ロータマグネット12Aは、ロータ12の半径方向に沿ってステータ18の外側でステータ18と対向するように設けられており、上述したコイル18Aが通電されてステータ18の周囲に回転磁界が形成されると、当該回転磁界とロータマグネット12Aが形成する磁界との相互作用でシャフト14周りの回転力がロータマグネット12Aに生じ、これにより、シャフト14が回転する。
ばね32は、外部接続コネクタ24のばね収容孔24Dと回路カバー26のばね貫通孔26Bとを介して、外部接続コネクタ24の接地端子24Bと導電性ケース28とを電気的に接続する。
また、図2に示したように、本実施の形態では、センターピース16の基板22が固定された側の裏面に基板22に実装された回路によって制御されるモータが設けられている。これにより、センターピース16にモータ等の機器を実装した場合でも、導電性ケース28及びばね32を取り付けることにより、基板22に実装された素子から発生する電磁波を遮蔽してEMCを改善することができる。
図3は、本実施の形態に係る回路基板ユニットの外部接続コネクタ24の接地端子24Bと導電性ケース28とがばね32を介して導通している部分の拡大図である。外部接続コネクタ24は、ファスナー24Eにより、基板22に取り付けられている。ファスナー24Eは、ボルト又はリベット等である。
図3に示したように、導電性ケース28及び外部接続コネクタ24は、ボルト等のファスナーで緊結されていない。導電性ケース28をボルト等で基板22又は外部接続コネクタ24に緊結すると、導電性ケース28の荷重が基板22又は外部接続コネクタ24に作用し、基板22又は外部接続コネクタ24を損傷するおそれがある。本実施の形態では、柔軟なばね32を介して外部接続コネクタ24と導電性ケース28を接続し、導電性ケース28は、上述のようにセンターピース16及びフォルダ30に緊結されているので、導電性ケース28の荷重は基板22又は外部接続コネクタ24に作用しない。また、導電性ケース28に何らかの応力が作用した場合でも、ばね32が当該応力を緩衝するので外部接続コネクタ24及び基板22への負荷を軽減できる。
図4は、本実施の形態に係る外部接続コネクタの一例を示す図である。外部接続コネクタ24は、導電性ケース28とセンターピース16とで基盤22を挟んだ場合に、樹脂製の絶縁部材24Fの導電性ケース28に相対する部分に、接地端子24Bにまで達するばね収容孔24Dが設けられている。ばね32は、ばね収容孔24Dに挿入されると、接地端子24Bと電気的に接続されるようになっている。このばね収容孔24Dにより、ばね32の位置決めが正確に行えると共に、導電性ケース28とセンターピース16とで基板22を挟んだ場合に、ばね32を確実に導電性ケース28に接触させることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、基板22上の素子から発生する電磁波を導電性ケース28で遮蔽し、電磁波の遮蔽によって導電性ケース28に生じた電気エネルギーを、ばね32及び接地端子24Bを介して接地させている。基板22上の素子から発生する電磁波を導電性ケース28で遮蔽することにより、EMCを改善できる。また、電磁波の遮蔽によって導電性ケース28に生じた電気エネルギーは接地端子24Bを介して接地されるので、回路基板ユニット34の設置個所が車両の接地電位の領域に限定されない。さらに、導電性ケース28及び外部接続コネクタは、ばね32で互いに支えられているので、導電性ケース28の荷重及び導電性ケース28にかけられた応力が、外部接続コネクタ24及び基板22に影響するリスクを軽減できるという効果を奏する。
10・・・モータユニット、12・・・ロータ、12A・・・ロータマグネット、14・・・シャフト、14A・・・軸受け、14B・・・支持部、16・・・センターピース、16A・・・センターピース固定部、18・・・ステータ、18A・・・コイル、20・・・ヒートシンク、20A・・・冷却用突起、22・・・基板、24・・・外部接続コネクタ、24A,24B・・・接地端子、24C・・・電力供給端子、24D・・・ばね収容孔、24E・・・ファスナー、24F・・・絶縁部材、26・・・回路カバー、26A・・・回路カバー固定部、26B・・・ばね貫通孔、28・・・導電性ケース、28A・・・導電性ケース固定部、30・・・フォルダ、32・・・ばね、34・・・回路基板ユニット
Claims (5)
- 電磁波を発生する素子を備えた回路が実装された基板と、
前記基板の前記素子が実装された側の面を覆う導体で形成された第1のケースと、
一端が前記基板の接地電位の領域に電気的に接続されると共に他端に接地用の配線が電気的に接続された接地端子と、
前記第1のケースと前記接地端子との間に圧縮された状態で配置され前記第1のケースと前記接地端子とを電気的に接続する導電性の弾性体と、
を備えた回路基板ユニット。 - 前記基板の前記素子が実装された側の面の裏面を覆う第2のケースをさらに備え、
前記第1のケースは、前記基板の前記素子が実装された側の面を覆い、前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に前記基板が前記第2のケースに固定されると共に前記弾性体が前記第1のケースと前記接地端子とに接触する請求項1に記載の回路基板ユニット。 - 前記接地端子は、前記基板の接地電位の領域に電気的に接続される一端及び前記接地用の配線が接続される他端を除く一部が絶縁体で覆われると共に、前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に該絶縁体の前記第1のケースと相対する部分に前記接地端子を露出させた穴部を有し、
前記弾性体は、前記穴部に収まって前記接地端子と接触すると共に、前記弾性体が前記穴部に収まった状態で前記第1のケースと前記第2のケースとで前記基板を挟んだ場合に前記第1のケースと接触する請求項2に記載の回路基板ユニット。 - 前記第2のケースは導体を絶縁体で被覆して形成されると共に、前記第1のケースと組み合わされた場合に該導体が前記第1のケースと電気的に接続する請求項2又は3に記載の回路基板ユニット。
- 前記第2のケースの前記基板が固定された側の裏面に前記基板に実装された回路によって制御されるモータが設けられた請求項2〜4のいずれか1項に記載の回路基板ユニット。
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Cited By (1)
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2013
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CN111034373A (zh) * | 2017-09-12 | 2020-04-17 | 美蓓亚三美株式会社 | 电路基板、电动机组件以及风扇 |
US11336155B2 (en) | 2017-09-12 | 2022-05-17 | Minebea Mitsumi Inc. | Circuit board, motor unit, and fan |
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