JP4632524B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リボン装着軸に取り付けた印刷用リボンがリボン巻き取り軸へ移動する移動経路をはさんで、発熱体を有するサーマルヘッドと、前記発熱体に対向して位置するようにプラテンとを配置し、前記発熱体と前記プラテンとの間に用紙を導き、この用紙に印刷する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ラベルにバーコードなどを印刷する場合、テープ状の印刷用リボンを使用する。この印刷用リボンには冷時剥離タイプと、熱時剥離タイプとがある。冷時剥離タイプは、サーマルヘッドの発熱体によって加熱され、ラベルに転写されたインクが冷めて固まった状態になったとき、リボンをラベルから剥離する。一方、熱時剥離タイプは、サーマルヘッドの発熱体によって加熱され、ラベルに転写されたインクが熱い溶融状態のとき、リボンをラベルから剥離する(特許第3032403号公報)。
【0003】
このように、リボンの剥離時期が異なるため、冷時剥離タイプのリボンを使用する印刷装置のサーマルヘッドと、熱時剥離タイプのリボンを使用する印刷装置のサーマルヘッドとは、異なる構造に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱時剥離タイプのリボンを使用する印刷は、冷時剥離タイプのリボンを使用する印刷と比べて作業性が高いため、最近では熱時剥離タイプのリボンを使用する傾向にある。ところが、市中には冷時剥離タイプのリボンが多数出回っているため、両者を併用できる印刷装置の要請がある。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは冷時剥離タイプのリボンと、熱時剥離タイプのリボンとを併用できる印刷装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、熱時剥離タイプの印刷用リボン又は冷時剥離タイプの印刷用リボンのいずれかの印刷用リボンを取り付けるリボン装着軸と、リボン巻き取り軸と、前記リボン装着軸から前記リボン巻き取り軸へ前記いずれかの印刷用リボンが移動する移動経路をはさんでそれぞれ配置した、発熱体を有するサーマルヘッド及び前記発熱体に対向して位置するプラテンとを備え、前記発熱体と前記プラテンとの間に用紙を導き、この用紙に印刷する印刷装置であって、前記発熱体よりも前記移動経路の下流側となる位置に配置し前記用紙から印刷用リボンを剥離する転向ローラを備え、前記サーマルヘッドを支持するフレームと、前記フレームの設けた長孔と、を有し、前記転向ローラを前記長孔に沿ってサーマルヘッドの発熱体からの距離を調整するように設け、前記熱時剥離タイプの印刷用リボンを前記リボン装着軸に取り付けた場合には、前記転向ローラを経由しない第1の経路を介して移動し、前記冷時剥離タイプの印刷用リボンを前記リボン装着軸に取り付けた場合には、前記転向ローラを経由する第2の経路を選択することを特徴とする、印刷装置に存する
請求項記載の発明の要旨は、前記転向ローラは、実質的に水平方向へ移動可能に前記フレームに取り付けられたことを特徴とする、印刷装置に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
本発明に係る印刷方法は、印刷装置の概略の側面を示す図1を参照すると、リボン装着軸10に取り付けた印刷用リボン12がリボン巻き取り軸14へ移動する移動経路16をはさんで、発熱体18を有するサーマルヘッド20と、発熱体18に対向して位置するようにプラテン22とを配置し、発熱体18とプラテン22との間に、ラベル(図示せず)を上側に有する台紙24を導き、前記ラベルに印刷する方法である。
【0009】
図示の実施形態では印刷用リボン12は熱時剥離タイプであり、発熱体18は、移動経路16の下流側に位置する、サーマルヘッド20のエッジに設けられている。発熱体18は、従来使用されている公知の構造のものである。
【0010】
発熱体18よりも移動経路16の下流側となる位置に転向ローラ26を配置する。その結果、発熱体18より下流側ではリボン12の移動経路は、発熱体18からリボン巻き取り軸14へ向く第1の経路28か、又は発熱体18から転向ローラ26を経てリボン巻き取り軸14へ向く第2の経路29をとることができる。すなわち、転向ローラ26を配置した結果、熱時剥離タイプのリボン12を使用する場合、リボン12が転向ローラ26を経由しない状態の第1の経路28をとるように、また、冷時剥離タイプのリボンを使用する場合、このリボンが転向ローラ26を経由する状態の第2の経路29をとるように、いずれかの経路28,29を発熱体18より下流におけるリボンの移動経路として選択することができる。
【0011】
発熱体18をサーマルヘッド20の下流側のエッジに配置してあるため、リボンが第1の経路28をとるとき、リボンは発熱体18を通過した直後に剥離可能となることから、発熱体18によって加熱され、ラベルに転写されたインクが熱い溶融状態のとき、リボン12をラベルから剥離することができる。
【0012】
一方、冷時剥離タイプのリボンを使用する場合は次のようである。発熱体18と転向ローラ26との間の距離は、発熱体18によって加熱され、ラベルに転写されたインクが冷めて固まることができる長さに定めておく。そうすると、冷時剥離タイプのリボンを使用するとき、リボンが発熱体18から転向ローラ26に至る間に、発熱体18によって加熱され、ラベルに転写されたインクが冷めて固まった状態になるため、転向ローラ26の部位でリボンをラベルから剥離することができる。
【0013】
印刷されたラベルを有する台紙30は、熱時剥離タイプのリボンを使用する場合、発熱体18からラベル取り出し口(図示せず)に向けて移動し、また冷時剥離タイプのリボンを使用する場合、転向ローラ26からラベル取り出し口に向けて移動し、それ自体公知のやり方で、ラベル取り出し口に印刷されたラベルを送りだす。台紙そのものは巻き取られる。ちなみに、熱時剥離タイプのリボンを使用する場合、転向ローラ26はラベル及び台紙30を押さえる機能を果たす。
【0014】
転向ローラ26を発熱体18に対して接近及び離反する方向へ移動可能に取り付け、発熱体18から転向ローラ26までの距離を調整することが好ましい。前述のように、発熱体18から転向ローラ26に至る距離は、冷時剥離タイプのリボンを使用する場合に、インクが冷めて固まることができる距離である必要がある。転向ローラ26を移動可能にすることにより、前記距離を最適に調整することができる。
【0015】
印刷装置は、図1と、要部の側面を示す図2及び図3とを参照すると、印刷用リボン12を取り付けるリボン装着軸10と、リボン巻き取り軸14と、リボン装着軸10からリボン巻き取り軸14へリボン12が移動する移動経路16をはさんでそれぞれ配置した、発熱体18を有するサーマルヘッド20と、発熱体18に対向して位置するプラテン22とを備える。この印刷装置は、発熱体18とプラテン22との間にラベルを有する台紙24を導き、前記ラベルに印刷するものである。
【0016】
なお、図1ないし図3には本発明に係る印刷装置の要部のみを示してあるが、印刷装置のその他の構造は、従来使用されている印刷装置と実質的に同じ構造を使用できる。
【0017】
発熱体18は、リボンの移動経路16の下流側となるサーマルヘッド20のエッジに設けられている。発熱体18やサーマルヘッド20は、それ自体公知の構造のものでよい。
【0018】
本発明に係る印刷装置では、発熱体18よりも移動経路16の下流側となる位置に転向ローラ26が取り付けられている。転向ローラ26は、発熱体18より下流の移動経路として図2に示した第1の経路28と、図3に示した第2の経路29とを選択的にとることを可能にする。図2の態様では、リボンの第1の経路28は、発熱体18の直後で立ち上がっている。これに対して、図3の態様では、リボンの第2の経路29は発熱体18から転向ローラ26まで実質的に水平に伸び、転向ローラ26から立ち上がっている。
【0019】
転向ローラ26はローラをシャフトに回転可能に取り付け、シャフトを印刷装置のフレームにボルト止めなどによって取り付けることができる。または、ローラを固定的に有するシャフトをフレームにジャーナル軸受けを介して取り付けることができる。
【0020】
転向ローラを取り付ける1つの実施形態を斜視状態で示す図4を参照すると、転向ローラ26は、一対のブラケット34を介して印刷装置のフレーム36に取り付けられ、発熱体18に対して位置が調整可能に形成されている。
【0021】
ブラケット34は、転向ローラ26の各端部から軸線方向へ突出した軸部27を緩く貫通させる穴38と、長穴39とを有する。フレーム36は、リボン装着軸10と、リボン巻き取り軸14と、サーマルヘッド20と、プラテン22とを支持するもので、水平方向に開けた長穴40を有する。転向ローラ26の軸部27をブラケット34の穴38に差し込み、さらに長穴40に差し込む。一方、ブラケット34の長穴39にボルト42を差し込み、このボルト42をフレーム36の穴44に差し込んでフレーム36から突出させ、ボルト42にナット(図示せず)をねじ込む。
【0022】
ボルト42のナットを緩めて転向ローラ26の位置を調整することができる。フレーム36に長穴40を設け、転向ローラ26の軸部27を長穴40に差し込んであるため、転向ローラ26は、実質的に水平方向へ移動可能にフレーム36に取り付けられている。
【0023】
転向ローラ26を水平方向へ移動可能、かつ、固定可能にフレーム36に取り付けるには、フレーム36の長穴40に軸部27を差し込んで、軸部をナットで固定するだけでよい。図示の実施形態のように、ブラケット34を設けると、転向ローラ26の各端部を2箇所で固定できるため、転向ローラ26をフレーム36に堅固に固定することができる。ブラケット34の長穴39を設けることによって、転向ローラ26をフレーム36の長穴40に沿って移動するとき、フレーム36の穴44から軸部27までの距離が変動するのに対処することができる。
【0024】
発熱体18とプラテン22との接触圧力は、側面状態の図5に示すように、サーマルヘッド20を揺動ないし回動させるようにして、リボンの移動経路に関係なく実質的に一定に保つことが好ましい。
【0025】
サーマルヘッド20は支点50の周りを回動可能にフレーム36に取り付けられており、ロッド52がサーマルヘッド20に回動可能に連結されている。ロッド52はシャフト54に連結され、シャフト54はプーリ列56と電動機58とによって上下方向へ移動される。一対のコイルばね60がシャフト54の上下に配置されている。図示しない厚みセンサなどによってレベルと台紙の厚みを検出し、電動機58に信号を送ってシャフト54を上下に移動させ、サーマルヘッド20を回動して接触圧力を調整する。
【0026】
本発明は前述の実施形態に限定されない。例えば、転向ローラは水平方向へ移動可能にフレームに取り付けられているが、これは斜め方向へ移動可能にすることもできる。転向ローラをフレームに着脱可能に取り付けるようにし、冷時剥離タイプのリボンを使用するとき、転向ローラをフレームに取り付けるような使い方もできる。
【0027】
前述の実施形態では、ラベルを有する台紙を発熱体18とプラテン22との間に導き、ラベルに印刷している。これに代えて、ラベル無しの紙に印刷することもできる。用紙とは、両者を含む意味である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、熱時剥離タイプのリボンを使用する場合と、冷時剥離タイプのリボンを使用する場合とにおいて、発熱体からリボン巻き取り軸に至るリボンの移動経路を異ならせることができる。その結果、熱時剥離タイプのリボンを使用して印刷の作業性を高めることができる。一方、市中に多数出回っている冷時剥離タイプのリボンを使用することが可能であるため、別個の印刷装置を用意するような無駄を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る印刷方法を模式的に示す側面図である。
【図2】 本発明に係る印刷装置の要部の側面図で、リボンが第1の経路にある状態を示している。
【図3】 本発明に係る印刷装置の要部の側面図で、リボンが第2の経路にある状態を示している。
【図4】 転向ローラを取り付ける実施形態を示す分解斜視図である。
【図5】 サーマルヘッドを回動させる機構を模式的に示す側面図である。
【符号の説明】
10 リボン装着軸
12 リボン
14 リボン巻き取り軸
16 移動経路
18 発熱体
20 サーマルヘッド
22 プラテン
24,30 台紙
26 転向ローラ
27 軸部
28 第1の経路
29 第2の経路
34 ブラケット
36 フレーム
38,44 穴
39,40 長穴
42 ボルト
50 支点
52 ロッド
54 シャフト
56 プーリ列
58 電動機
60 コイルばね

Claims (2)

  1. 熱時剥離タイプの印刷用リボン又は冷時剥離タイプの印刷用リボンのいずれかの印刷用リボンを取り付けるリボン装着軸と、リボン巻き取り軸と、前記リボン装着軸から前記リボン巻き取り軸へ前記いずれかの印刷用リボンが移動する移動経路をはさんでそれぞれ配置した、発熱体を有するサーマルヘッド及び前記発熱体に対向して位置するプラテンとを備え、
    前記発熱体と前記プラテンとの間に用紙を導き、この用紙に印刷する印刷装置であって、
    前記発熱体よりも前記移動経路の下流側となる位置に配置し前記用紙から印刷用リボンを剥離する転向ローラを備え、
    前記サーマルヘッドを支持するフレームと、前記フレームの設けた長孔と、を有し、
    前記転向ローラを前記長孔に沿ってサーマルヘッドの発熱体からの距離を調整するように設け
    前記熱時剥離タイプの印刷用リボンを前記リボン装着軸に取り付けた場合には、前記転向ローラを経由しない第1の経路を介して移動し、前記冷時剥離タイプの印刷用リボンを前記リボン装着軸に取り付けた場合には、前記転向ローラを経由する第2の経路を選択することを特徴とする、印刷装置。
  2. 前記転向ローラは、実質的に水平方向へ移動可能に前記フレームに取り付けられたことを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
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