JP4631285B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関し、詳しくは、記録ヘッドのノズル内にあるインクを、吐出の有無に係わらず、常に、微振動させてインクを攪拌することにより、ポリマーや顔料等を含む粘度が高めのインクの間欠吐出性に優れ、特に、低温、低湿環境における高粘度インクの間欠吐出性に優れ、環境条件によらず、常に高品位な画像を高速で信頼性高く記録することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット画像はインク滴のドット径が小さい程、画像の解像度が向上する。一つのノズルから、大、中、小滴を吐出したり、一つのノズルから、小滴を連続吐出させ、飛行中、或いは、記録媒体上で合体させて、大、中、小滴を作り出したりすることにより、バイナリープリンタであるインクジェットプリンタでも、高解像度で高階調の画像が形成されるようになった。
また、インクも進歩し、顔料インクを使用することで、染料に比べて耐水性や耐光性が著しく向上した。インクにラテックス等のポリマーを添加することで、或いは、紫外線硬化インクを使用することで、インクを吸収できない記録媒体、例えば、PETベースや塩ビシート上でも、滲みや混色の無い高品質な画像が形成できるようになった。更に、顔料分散剤にポリマー分散剤を使用することにより、超微粒子顔料を安定に分散して、染料のように鮮やかな色彩を持つ顔料インクが出現した。
最近のプリンタは、ノズル数が増え、また、キャリッジの走査速度が40〜70cm/secと速くなり、高速記録が可能になり、これらの技術を組み合わせて、インクジェット法により、写真に近い画像を高速で得られるようになった。
しかし、記録ヘッドの移動速度が速くなったため、記録ヘッドに当たる風が強くなり、記録ヘッドから水分や溶剤の蒸発が促進されるようになった。また、インク中に顔料やポリマー等を加えたのでインクの粘度が高めになり、吐出休止時、ノズル表面から水分や有機溶剤が蒸発すると、ノズル表面のインク粘度が局所的に増大して、吐出開始時或いは吐出再開時、ノズル内で増粘したインクのために初発滴や最初の数発滴の重量、飛翔速度や飛翔方向が変化して、画質、特に、エッジの画質が著しく低下するようになった。
このように、吐出休止中に、ノズルの開口面からインク中の水分や溶剤が蒸発すると、局所的にインクの粘度が増大し、吐出開始時或いは吐出再開時、最初から正常に吐出せず、画像エッジの画質が損なわれたり、バンディングが発生する恐れがある。
ポリマーを含む水系、溶剤系インクは、極く微量の水分や溶剤が蒸発しても、ノズルの開口面に薄い皮膜を形成し易く、吐出量が大幅に低下したり、次の滴の吐出ができなくなったりすることがある。また、顔料を含む水系、溶剤系インクは、ノズル開口から極く微量の水分や溶剤が蒸発すると、局所的に顔料の凝集が起こることがある。
高解像度の画像を得るため、吐出滴の大きさが従来の20〜30pl(ピコリットル)から、2〜3plと、1/5〜1/10に微小化した。このため、ノズル開口で局所的に増粘したインクが、吐出滴により持ち去られる速度が遅くなり、ノズル内で増粘したインクが、記録ヘッド内の粘度の低いインクで置換されにくく、吐出中断によって生じた吐出不良が簡単には解消しなくなった。
低湿環境では、水や溶剤などが揮発し易いので吐出を一時的に休止して再開する時、吐出不良を起こし易い。
低温環境では、インク粘度が上昇するので、一時的に休止して再開する時、吐出不良を起こし易い。
低温、低湿、環境では、一時的休止による粘度上昇が極めて速く起こる。特に、常温、常湿で、粘度が高めのインクは、このような環境で記録中に吐出を中断すると、ノズル開口面にあるインクの粘度が急上昇するので、記録不能になることすらある。
インクに顔料やポリマーを添加し、インク滴を微粒子化し、更に、記録ヘッドの走査速度を速めたことにより、高画質の画像を高速で得られるようになったが、インクが高粘度化したので極く短時間吐出を休止しても、吐出再開時、最初から正常に吐出せず、特に低温、低湿環境においてこれが起こり易く、画像劣化に繋がるので、その対策が必要となった。 このように、ノズル内にあるインクの粘度がインク滴の吐出性に大きく影響するので、吐出前、ノズル内にあるインクの粘度を記録ヘッド内部にあるインクの粘度まで低下させる必要がある。
その方法として、長時間記録を止める時は、記録ヘッドをホームポジションに移して、記録ヘッド表面をキャップで覆って、ノズル開口からの水分や溶剤の蒸発を防止する方法がある。しかし、キャップをしても、長期間停止するとインク粘度が上昇するので、記録直前にノズルからインクを吸引して、ノズル内の増粘したインクを取り除いて、記録ヘッドをクリーニングする操作が必要となる。
記録を開始すると、記録ヘッドが印刷領域外にある時、例えば待機ポジションに停止している時は、増粘したインクをインク受け器にパージ(吐き捨て)することができる。しかし、キャリッジが移動を開始して印刷領域内に入り、定速走行に入ると、増粘したインクをパージすることができない。このため、待機位置やキャリッジの加速領域等の印刷領域外で、増粘したインクを十分に吐き捨ててから記録を行う必要がある。
従来の、ポリマーや顔料等を殆ど含まない粘度が低いインク、例えば淡色系の染料インクのように増粘しにくいインクは、この方法で問題はなかった。しかし、濃色系の染料インクや顔料インクは、増粘し易く、この方法では問題となることがわかった。
ここで、粘度が高めのインクとは、25℃で測定して、5cp以上の粘度を持つインクを言い、粘度が低めのインクとは5cp未満のインクをいう。
ここで、常温、常湿環境とは、温度25℃、湿度60%の環境をいう。低温とは20℃以下、低湿とは50%以下の環境をいう。
しかし、粘度が高めの増粘し易いインク、或いは、粘度が低めの増粘しにくいインクでも、低温、低湿環境では、待機位置で増粘したインクを十分パージしても、キャリッジの移動中にノズル内のメニスカスに風が当たるので、メニスカス表面にあるインクが直ぐに増粘してしまい、画像に応じて吐出しようとする時、最初から正常に吐出しなくなることがある。更に、画像に応じて吐出を一時休止してから再開しようとしても、最初の数滴は正常に吐出せず、画像のエッジ部が不良となり易い。画像のエッジ部の不良は、特に目につきやすいので好ましくない。
このように、キャリッジが高速で運動するので、ノズル面からのインク成分の揮発が促進され、休止ノズルの表面にあるインクが増粘し易く、顔料やポリマーを含む粘度が高めのインクや、顔料やポリマーを殆ど含まない粘度が低めのインクでも、低温、低湿環境では休止後の吐出が大きな問題となる。特に、常温、常湿環境で粘度が高めのインクを、低温、低湿環境で安定して記録することは特に難しい。このような吐出の休止は次のケースで起こる。
(1)記録ヘッドが印刷領域外にあり、記録待機ポジションにある時は、全ノズルが吐出を休止している。この時は、キャリッジが停止しているので、ヘッドに強い風が当たることはないが、停止期間が長くなることがあるので、この間に、粘度が徐々に増大する。
(2)記録ヘッドが印刷領域外にあるが、キャリッジが加速中や減速中は、全ノズルが休止している。この時は、記録ヘッドに強い風が当たるので、ノズル表面からインク成分の蒸発が加速される。
(3)記録ヘッドが印刷領域内にあり、キャリッジが定速走行を始めると、画像データに応じてインクを吐出するので、休止ノズルと吐出ノズルが現れる。この時は、記録ヘッド表面に強い風があたるので、休止ノズル表面のインクが増粘し易い。
インク吐出を休止中のノズル表面から水分や溶剤が蒸発すると、ポリマーや顔料等を含む粘度が高めの水系インクは、簡単に増粘して、画像データに応じてインクを吐出しようとする時、正常に吐出できなくなる。このため、非吐出ノズルのメニスカスを、インク滴が吐出しない程度に微振動させて、ノズル表面で増粘したインクをチャネル内の増粘していないインクと攪拌、混合して、粘度を下げる必要がある。増粘したインクを正常に吐出させる方法は、微振動により粘度を低下させる方法の他に、駆動電圧を高める方法がある。しかし、駆動電圧で制御する方法は、増粘程度に応じて電圧設定を変更せねばならず、また、ノズル内の増粘したインクを吐出すれば粘度が下がるので、電圧の設定が難しい。
メニスカスを微振動させて、増粘したインクの粘度を低下させる技術は、インクジェット記録装置では公知となっている。例えば、特許文献1には、非記録時、ノズル先端よりインクが吐出しない振幅又はパルス幅の信号電圧を印加する技術が公開されている。また、特許文献2〜5には、伸縮変形型或いは撓み変形型の圧電材料を使用するインクジェットヘッドのメニスカスを微振動させる技術が公開されている。更に、特許文献6には、長時間吐出を停止した後、矩形波を80〜100パルス分印加して、増粘したインクをノズル外に押し出し、その後、パルスを停止して、インクをノズル内に引き戻してから吐出させる技術が公開されている。
特開昭55−139271号公報 特開平9−29996号公報 特開平10−81012号公報 特開平11−300966号公報 特開2000−94669号公報 特開2000−168103号公報
しかし、上記の従来の技術は、吐出する直前にだけノズルメニスカスを微振動させる吐出直前の微振動か、又は、吐出を休止する期間にだけ微振動を掛ける不吐出時の微振動である。吐出直前に微振動を掛けると安定して吐出できるが、不吐出期間が長くなり、この間に増粘が激しく起こると、直前の微振動だけでは不十分である。また、不吐出時に微振動を掛けて増粘を防ぐ方法は有効な方法であるが、増粘し易いインクを、低温、低湿のような厳しい環境で安定に吐出させるには、吐出直前にも微振動を掛けることが好ましい。
また、上記先行技術のいずれにも、低湿、低温環境下での画像記録時に見られる上記した問題点を解決することについては具体的に触れられていない。また、インク種類や環境に応じて増粘の速度や程度が異なるので、微振動を弱、中、強と選択することは公知であるが、全て台形波で駆動する場合であり、矩形波では知られていない。結局、上記同様に、ノズル内のインクの増粘により記録不能になる問題は解決されていない。
本発明は、吐出直前に微振動を掛けるだけでなく、吐出休止中にも微振動を掛ける方法である。微振動用と吐出用の2種類の簡単な矩形波パルスを用意しておき、ゲートパルスで切り替える方法である。即ち、吐出の有無に係わらず、常に、微振動用パルスをヘッドに送り、メニスカスを微振動させておき、画像信号が来ると、吐出するチャネルの電極に送るパルスを、吐出用パルスに切り替え、この吐出用パルスと、隣接するチャネルの電極に送られる微振動用パルスから、吐出パルスを作り出す方法である。即ち、吐出の有無に係わらず、全画素に、微振動を掛けることを特徴とする。簡単な矩形波のパルス列を、2種類用意して、画像信号に応じて、ゲートパルスで切り替える、簡単な方法である。
本発明の微振動は、印刷領域内で掛ける微振動と印刷領域外で掛ける微振動の2種類がある。印刷領域内の微振動は、微振動パルスを、各画素に一回掛けるシングルパルス微振動と、2回続けて掛けるダブルパルス微振動がある。印刷領域内の微振動は、すぐその後に吐出するので、吐出に悪影響しないように、メニスカスを弱く押し出し、引き込む微振動を掛ける。印刷領域外微振動は、吐出を行わないので、また、印刷領域内より休止時間が長くなるので、メニスカスを強く押し出し、引き込む微振動を掛ける。この微振動の強い、弱いは、微振動によりノズルから押し出されるインク柱の長さを観察して、ノズル半径以下の押し出し長さであれば、弱い微振動となり、ノズル半径以上の押し出しであれば、強い微振動となる。
そこで、本発明の課題は、記録ヘッドのノズル内にあるインクを常時効果的に微振動させてインクを攪拌することにより、ポリマーや顔料等を含む粘度が高めのインクの間欠吐出性に優れ、特に、低温、低湿環境における間欠吐出性に優れ、環境条件によらず、常に高品位な画像を高速で信頼性高く記録することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、記録ヘッドのノズル内にあるインクを、そのインクの増粘し易さに応じて、微振動の強度を変えてインクを攪拌することにより、環境条件によらず、インクの粘度に応じて、常に高品位な画像を高速で信頼性高く記録することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
記録ヘッドのチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段に対し、チャネル内のインクをノズルより吐出させて記録媒体に画像記録を行うインク吐出信号を印加すると共に、前記電気・機械変換手段に対し、ノズルからチャネル内のインクを吐出させない程度にノズル内のメニスカスを微振動させる微振動信号を印加する駆動信号発生手段を備え、前記駆動信号発生手段は、画像データの有無に係わらず、全チャネルの電気・機械変換手段に対して連続して微振動信号を印加すると共に、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成するインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させる移動手段を有し、
前記駆動信号発生手段は、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域内にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以下となるように弱く押し出させる第1の微振動信号又は第2の微振動信号と、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域外にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように強く押し出させる第3の微振動信号とを、前記電気・機械変換手段に対して連続して印加するものであって、前記第1の微振動信号と前記第2の微振動信号による最大押し出し量は、第2の微振動信号の方が大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項
前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも矩形波であることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも同電圧であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記第1の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の1つのパルスを繰り返し掛けるシングルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記第2の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態まで戻し、(2n+1)AL時間休止後、チャネルの容積を再び縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の2つのパルスを繰り返し掛けるダブルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記第3の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を2(N1)AL時間維持した後、チャネルの容積を縮小させてチャネルを拡大させる前の状態まで戻し、その戻した状態を2(N2)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させ、その収縮した状態を2(N3)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを最初に拡大させる前の状態まで戻し、この状態を2(N4)AL時間保持するパルスであって、極性の異なる2つのパルスを繰り返し掛けるパルスからなる(但し、N1、N2、N3、N4は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記インク吐出信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させる前の容積に戻し、更にその容積より小さくなるように収縮させ、その収縮した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルの容積を最初に拡大させる前の状態まで戻すパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
(請求項
前記電気・機械変換手段は、隣接するチャネル間の隔壁を形成し、且つ、電界を印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
(請求項
記録ヘッドのチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段に対し、インク吐出信号を印加してチャネル内のインクをノズルより吐出させて記録媒体に画像記録を行うと共に、前記電気・機械変換手段に対し、微振動信号を印加してノズルからチャネル内のインクを吐出させない程度にノズル内のメニスカスを微振動させるものであり、画像データの有無に係わらず、全チャネルの電気・機械変換手段に対して連続して微振動信号を印加すると共に、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を印加するインクジェット記録方法であって、
前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させると共に、
前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域内にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以下となるように弱く押し出させる第1の微振動信号又は第2の微振動信号と、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域外にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように強く押し出させる第3の微振動信号とを、前記電気・機械変換手段に対して連続して印加するものであって、前記第1の微振動信号と前記第2の微振動信号による最大押し出し量は、第2の微振動信号の方が大きいことを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項10
前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも矩形波であることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録方法。
(請求項11
前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも同電圧であることを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェット記録方法。
(請求項12
前記第1の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の1つのパルスを繰り返し掛けるシングルパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のインクジェット記録方法。
(請求項13
前記第2の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態まで戻し、(2n+1)AL時間休止後、チャネルの容積を再び縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の2つのパルスを掛けるダブルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のインクジェット記録方法。
(請求項14
前記第3の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を2(N1)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させてチャネルを拡大させる前の状態まで戻し、その戻した状態を2(N2)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させ、その収縮した状態を2(N3)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを最初に拡大させる前の状態まで戻し、この状態を2(N4)AL時間保持するパルスであって、極性の異なる2つのパルスを繰り返し掛けるパルスからなる(但し、N1、N2、N3、N4は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(請求項15
前記インク吐出信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させる前の容積に戻し、更にその容積より小さくなるように収縮させ、その収縮した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルの容積を最初に拡大させる前の状態まで戻すパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(請求項16
前記電気・機械変換手段は、隣接するチャネル間の隔壁を形成し、且つ、電界を印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、記録ヘッドのノズル内にあるインクを、画像信号の有無に係わらず、常時微振動させてインクを攪拌し、吐出命令に応じて微振動を止めて吐出するので、ポリマーや顔料等を含む粘度が高めのインクの間欠吐出性に優れる。
また、記録ヘッドのノズル内にあるインクを、そのインクの増粘し易さに応じて、微振動強度を変えてインクを攪拌し、吐出命令に応じて微振動を止めて吐出するので、インクによらず、環境条件によらず、間欠吐出性が優れ、常に高品位な画像を高速で信頼性高く記録することが可能なインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。このインクジェット記録装置1において、記録媒体Pは、搬送機構3の搬送ローラ対32に挟持され、更に、搬送モータ33によって回転駆動される搬送ローラ31により図示Y方向に搬送されるようになっている。
搬送ローラ31と搬送ローラ対32の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように記録ヘッド2が設けられている。この記録ヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って掛け渡されたガイドレール4に沿って、不図示の駆動手段によって、上記記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)と略直交する図示X−X’方向(主走査方向)に沿って往復移動可能に設けられたキャリッジ5に、該記録ヘッド2のノズル面が記録媒体Pの記録面PSと対向するように配置されて搭載されており、フレキシケーブル6を介して、後述する吐出信号や微振動信号を発生するための回路が設けられる駆動信号発生手段としての駆動信号発生部100(図3参照)に電気的に接続されている。
かかる記録ヘッド2は、キャリッジ5の移動に伴って記録媒体Pの記録面PSを図示X−X’方向に移動し、この移動過程で記録媒体Pに向けてインク滴を吐出することによって、記録媒体Pの記録面PSに所望のインクジェット画像が記録される。
なお、図中、7、8はインク受け器であり、記録媒体Pの両脇にそれぞれ配置されている。記録ヘッド2がこのインク受け器7、8上に位置している時(停止中、移動中を問わない。)に、このインク受け器7、8に向けてインク滴を少量パージするようにする。また、記録ヘッド2がホームポジションにおいて長期間作動停止している時は、図1には示されていないが、記録ヘッド2のノズル面にキャップを被せることにより保護するようになっている。
図2は記録ヘッド2の一例を示す図であり、図2(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。また、図3はインク吐出時の作動を示す図である。
図2において、21はインクチューブ、22はノズル形成部材、23はノズル、24はカバープレート、25はインク供給口、26は基板、27は隔壁である。そして、インク室となるチャネル28が、隔壁27、カバープレート24及び基板26によって形成されている。
記録ヘッド2は、ここでは特に図3に詳細に示されるように、カバープレート24と基板26の間に、電気・機械変換手段であるPZT等の圧電材料からなる複数の隔壁27A、27B、27Cで隔てられたチャネル28が多数並設されたせん断モード(シェアモード)タイプの記録ヘッドを示している。このような記録ヘッド2では、隔壁27が変形することによってチャネル28内に圧力変化を発生させる。
図3では多数のチャネル28の一部である3室(28A、28B、28C)が示されているが、チャネル28の数は限定されない。チャネル28の一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はインク供給口25を経て、インクチューブ21によって図示されていないインクタンクに接続されている。そして、各チャネル28内の隔壁27表面には両隔壁27の上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは駆動信号発生手段である駆動信号発生部100に接続している。
この駆動信号発生部100は、複数の駆動パルスを含む一連の駆動信号を各画素周期毎に発生する駆動信号発生回路と、各チャネル毎に前記駆動信号発生回路から供給された駆動信号の中から各画素のデータに応じて駆動パルスを選択して各チャネルに供給する駆動パルス選択回路とからなり、各画素のデータに応じて電気・機械変換手段としての隔壁27を駆動するための駆動パルスを供給する。この駆動パルスには、微振動信号による微振動パルスとインク吐出信号による吐出パルスとを含んでいる。
各隔壁27は、ここでは図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、隔壁27の少なくとも一部にあればよい。
各隔壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに駆動信号発生部100の制御により図4に示すようなインク吐出信号が印加されると、以下に例示する動作によってインク滴をノズル23から吐出する。なお、図3ではノズルは省略してある。
まず、電極29A、29B、29Cのいずれにもインク吐出信号が印加されない時は、隔壁27A、27B、27Cのいずれも変形しないが、図3(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに駆動信号発生部100からインク吐出信号を印加すると、隔壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、各隔壁27B、27C共に、それぞれ隔壁27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図3(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、チャネル28Bの容積を拡大してチャネル28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む(Draw)。また、この状態を(2n+1)AL時間維持した後、電位を0に戻すと、隔壁27B、27Cは図3(b)に示す膨張位置から図3(a)に示す中立位置に戻り、チャネル28B内のインクに高い圧力が掛かる(Release)。引き続いて、図3(c)に示すように、隔壁27B、27Cを互いに逆方向に変形するようにインク吐出信号を印加して、チャネル28Bの容積を収縮させると、チャネル28B内に正の圧力が生じる(Reinforce)。これによりチャネル28Bを満たしているインクの一部によるノズル23内のメニスカスがノズル23から押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズル23から吐出する程に大きくなると、インク滴はノズル23から吐出する。この状態を2(n+1)AL時間維持した後、電位を0に戻し、隔壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻し、残留する圧力波をキャンセルする(Cancel)と、次のインク滴の吐出が可能となる。
これはせん断モードで駆動する記録ヘッドの基本的な駆動法であり、Draw(チャネルを拡大させる)→Release(元に戻す)→ Reinforce(チャネルを収縮させる)→ Cancel(元に戻す)操作を繰り返すので、DRRC駆動と呼ばれ、本発明においても吐出信号として好ましく用いることができる。なお、nは0又は1以上の整数である。
ここで、AL(Acoustic Length)とは、チャネルの音響的共振周期の1/2である。このALは、電気・機械変換手段である圧電材料で構成された隔壁27に矩形波の電圧パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。また、パルス幅とは、電圧の立ち上がり10%と立ち下がり10%との間の時間と定義する。さらに、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。
上記2(n+1)AL時間はALの偶数倍とすることで、パルス波形の立ち上がりで残留振動による残留圧力をキャンセルできる。すなわち、パルス波形が立ち下がってチャネル28が収縮すると、チャネル28内に正の圧力波が発生する。発生した正の圧力波は、音響理論に従ってAL時間毎に圧力反転を繰り返しながら減衰してゆく。電圧が立ち下がってから例えば2AL後、チャネル28内のインク圧力が正→負→正と反転したタイミングで、電圧を立ち上げて、チャネル28の収縮を元に戻せば、負の圧力が発生して、チャネル内に残留する正の圧力がキャンセルされ、その後、インク滴を吐出する必要があるような場合でも、直ちに吐出することができるようになる。好ましい一例を挙げると、チャネルを膨張させて1AL保持し、チャネルを収縮して2AL保持することである。
インク吐出信号は、図4(a)に示したように矩形波からなるが、本発明におけるインク吐出信号も、このように矩形波であることが好ましい。なお、この矩形波とは、上記した通りである。
矩形波は、電圧の立ち上がり、立ち下がりが急激なため、これが傾斜状となる台形波よりインクの圧力変動が大きくなるように思われるが、実際は、本実施形態に示す記録ヘッド2は、チャネル28を構成する隔壁27を圧電材料により構成し、この隔壁27をせん断変形させることによりインク滴をノズル23から吐出させるための圧力を作り出すせん断モードタイプの記録ヘッドであるため、発生した圧力波の共振を利用して吐出するので、せん断変形する隔壁27の変位量はnmオーダーで済み、伸縮モードで作動する積層型圧電素子で振動板を変形させるタイプの記録ヘッドに比べて、チャネル28の変形は1/10〜1/100と極めて小さい。このため、矩形波を使用して隔壁27を急激に変位させても、メニスカスが上記積層型のように大きく振動することはなく、空気を吸い込んだり、メニスカス振動の静定に時間がかかるような問題はない。
また、本実施形態に示すように吐出、非吐出を問わず、各隔壁27には常に電圧が掛かるので、低い駆動電圧は、記録ヘッド2の発熱を抑え、インク滴を安定的に吐出させる上で重要である。また、矩形波を使用すると、台形波に比べて、電圧の立ち上がり、立ち下がり傾斜が急なので、駆動波形の長さが半分以下と短くて済む。
更に、矩形波は、簡単なデジタル回路を用いることで容易に生成可能であるため、傾斜波を有する台形波を用いるものに比べ、回路構成も簡素化できる利点がある。
かかるせん断モードタイプの記録ヘッド2では、隔壁27の変形は隔壁27の両側に設けられる電極29に掛かる電圧差で起こるので、インク吐出を行うチャネル28の電極29に負電圧を掛ける代わりに、図4(b)に示すように、例えばインク吐出を行うチャネル28Bの電極29Bを接地して、その両隣のチャネル28A、28Cの電極29A、29Cに正電圧を掛けるようにしても同様に動作させることができる。この後者の方法によれば、正電圧だけで駆動させることができる。
また、せん断モードタイプの記録ヘッド2は、チャネル28の隔壁27を隣りのチャネル28と共有するので、両側に隣接するチャネル28からは同時には吐出できない。このため、全チャネル28を2つおきにA、B、Cの3組のチャネル群に分割して駆動する3サイクル駆動を行うことが好ましい。また、後述する微振動信号を掛ける場合も、1つのチャネル28に微振動を掛けると、その両隣りのチャネル28にも強度が1/2であるが微振動が自動的に掛かるので、全てのチャネル28に電圧を掛ける必要はない。或いは、ノズル密度は低下するが、チャネルとインクを含まない空気室とを交互に設けることにより、各チャネルを独立させて駆動させるようにしてもよい。
次に、かかるインクジェット記録装置1において、本発明の特徴となるメニスカスを微振動させる構成について説明する。ここでは、一例として、A、B、Cの3つのチャネルに微振動を掛けてインクを吐出する方法について説明する。
本発明では、駆動信号発生部100より、画像データの有無に係わらず、全チャネルの隔壁に対して連続して微振動信号を印加すると共に、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成することを特徴としている。
従来のように吐出を中断した時だけ、または吐出再開直前にだけ微振動を掛ける方法と異なり、常に全ノズルに微振動を掛けておくので、インクに高画質と高耐久性を与えるポリマーや顔料を含む高粘度で且つ増粘し易いインクを使用する時、常温、常湿環境だけでなく、低温、低湿等の厳しい環境でも安定に吐出を行うことができる。しかも、画像データの有無に係わらず、すなわちインク吐出信号の有無に係わらず、全ノズルに常に微振動を掛けるため、吐出の直前にタイミングをとって微振動信号を印加するような複雑な制御も不要となる利点がある。
本実施形態に示すインクジェット記録装置1のように、記録ヘッド2が主走査方向に沿って移動することにより画像を記録するものにおいては、記録ヘッド2の動作位置は、図10に示すように、主走査方向に沿って、ホームポジション、第一待機ポジション、加(減)速領域、印刷領域、加(減)速領域、第二待機ポジションから構成されており、これを大きく分けると、記録ヘッド2が記録媒体Pに対して画像記録を行う印刷領域内と、記録ヘッド2がホームポジション、第一待機ポジション、各加(減)速領域及び第二待機ポジションのいずれかにあって画像記録を行わない印刷領域外とに分けられる。
本発明では、これら印刷領域内及び印刷領域外のいずれにおいても、画像データの有無に係わらず、全チャネルの隔壁に対して、駆動信号発生部100から連続して微振動信号を印加する。
図5は本発明による印刷領域内微振動の例であり、全チャネルA、B、Cの隔壁に対して印加する第1の微振動信号の例である。この第1の微振動信号は、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の1つのパルスを掛けるシングルパルスからなる。但し、nは0又は1以上の整数である。このシングルパルスからなる第1の微振動信号は、粘度が少し高めの増粘し易いインクを、通常環境下で使用する時の増粘防止に有効である。
ここでは、n=0とし、2AL幅のシングルパルスにより、画素毎に微振動を掛けながら吐出する例を示している。せん断モードヘッドはチャネルの隔壁を隣接するチャネルと共有し、隔壁の両側に設けた電極に掛ける電圧差に応じて隔壁が変形するので連続するA、B、C3つのチャネルを一組にして説明する。3チャネルの内2チャネルに電圧を掛けて残りのチャネルを接地すれば、隔壁に電圧差が生じて変形する。また、隔壁を共有しているので、A、B、C3チャネルから同時には吐出できず、順番に吐出することになる。図5はA、B、C3チャネルの画素毎に微振動を掛けながら、A、B、C3チャネルから順番に吐出する例を示している。
図5のON波形及びOFF波形は駆動信号発生部100が生成する2種類の駆動信号を示す。この駆動信号は、微振動パルス(OFF波形)と、この微振動パルスと組み合わせて吐出パルスとするための吐出用パルス(ON波形)の2種類の駆動パルスで構成されている。ON波形、OFF波形は、各チャネルの駆動パルス選択回路にそれぞれ供給されており、各チャネルの印字データに応じたパルス選択ゲート信号の制御により、各チャネルの電極に選択的に供給される。駆動パルス選択回路は、パルス選択ゲート信号がHighの時には、ON波形を電極に供給し、パルス選択ゲート信号がLowの時には、OFF波形を電極に供給する。図5では、A組、B組、C組の各チャネル駆動の1周期分を表しているが、A組チャネル駆動のタイミングを例として説明する。
微振動パルスを掛ける期間と吐出パルスを掛ける期間は、パルス分割信号で制御する。画素を印字するデータが与えられると、それに応じてパルス分割信号に同期したパルス選択ゲート信号がHighとなる。A組のチャネルに対応するパルス選択ゲート信号がHighである期間、A組チャネルの電極には駆動波形のON波形が印加される。この時、B組、及びC組チャネルに対応するパルス選択ゲート信号はLowであるから、OFF波形が選択される。B組、C組チャネル駆動のタイミングも同様に作用する。従って、A組のチャネルの隔壁に掛かる差電圧は図5の最下段のようになり、インクの吐出の有無に係わらず、各画素毎に微振動が掛かることが分かる。また、この微振動パルスが掛かる期間は2AL幅であってALの偶数倍であるため、残留圧力はキャンセルされ、次にインクを吐出する場合でも直ちにインク滴の吐出が可能となる。
図6は、各チャネルの各画素に微振動を掛けるが、吐出しない例を示している。図5と異なる点は、ON波形を選択する期間に吐出パルスを含ませないようにすることで、A、B、C3チャネルに順番に微振動を掛ける。図6の最下段にAチャネルの隔壁に掛かる差電圧を示す。
図7は、本発明による印刷内微振動の更に別の例であり、全チャネルA、B、Cの隔壁に対して連続して印加する第2の微振動信号の例である。この第2の微振動信号は、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態まで戻し、(2n+1)AL時間休止後、チャネルの容積を再び縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の2つのパルスを掛けるダブルパルスからなる。但し、nは0又は1以上の整数である。このダブルパルスからなる第2の微振動信号は、粘度が高い増粘し易いインクを、低温、低湿等の厳しい環境下で使用する時の増粘防止に有効である。
ここでは、n=0とし、インクの吐出の有無に係わらず、各画素毎に1AL+2ALのダブルパルスの微振動を掛ける例を示している。駆動方法や制御方法は、図5で説明したシングルパルスの場合と同じであるから、Aチャネルの隔壁の電極に掛かる差電圧だけを示す。
また、図8(a)〜(h)は、図7中のa〜hにおける微振動によるノズルメニスカスの動きの模式図を示す。
この微振動は、上記第1の微振動信号によるものに比べて相対的に大きい微振動である。シングルパルスより最大押し出し量は大きいが、印刷領域内であるので、その大きさはノズル半径以下である。すなわち、ここではパルス幅が1AL幅の信号と2AL幅の信号とを、間に1AL幅の間隔をおいて印加することによってメニスカスに微振動を与えるが、最初の1AL幅のパルスを印加すると、パルスの立ち下がりでチャネルが縮小し、該チャネル中に正圧が発生して、ノズルからインクを押し出し、1AL経過後、インク圧力が負圧に反転したタイミングでパルスが立ち上がり、大きな負圧となり、ノズル内にインクを引き込む。これを2回繰り返すので、ノズル内のメニスカスが上記第1の微振動信号の場合に比べて大きく微振動する。1AL幅のパルスに引き続いて2AL幅のパルスを印加するので、メニスカスが大きく微振動するが、最後が2AL幅なので、その立ち上がりで残留圧力をキャンセルすることができる。
図9は、印刷領域外微振動の例であり、印刷領域外において全チャネルA、B、Cの隔壁に対して連続して印加する第3の微振動信号の例である。この第3の微振動信号は、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を2(N1)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させてチャネルを拡大させる前の状態まで戻し、その戻した状態を2(N2)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させ、その収縮した状態を2(N3)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを最初に拡大させる前の状態まで戻し、この状態を2(N4)AL時間保持するパルスであって、極性の異なる2つのパルスを繰り返し掛けるパルスからなる。但し、N1、N2、N3、N4は1以上の整数である。
ここではN1、N2、N3、N4=2とした場合を例示している。この場合は、インク吐出を行わないので、A、B、C3チャネル内の2チャネルに、同じ電圧を同じタイミングで掛け、残りのチャネルを接地して、これを繰り返せば良い。すなわち、例えば同図に示すように、チャネルA、Cに同じタイミングで4AL幅の矩形波からなるパルスを12AL間隔をあけて連続して掛け、チャネルBにはチャネルA、Cのパルスとの間に4AL間隔をあけてタイミングをずらして同じく4AL幅の矩形波からなるパルスを12AL間隔をあけて連続して掛ける。隔壁に掛かる差電圧は、正負の電圧が掛かるので、正電圧又は負電圧だけが掛かる印刷内微振動よりもメニスカスが大きく押し出される。但し、正電圧と負電圧が連続して掛からないので、インクが吐出されることはない。
この印刷領域外に掛ける第3の微振動信号では、正と負の差電圧が生じるようにパルス電圧を繰り返し印加するので、印刷領域内で正の差電圧パルスを1〜2パルス印加するだけの印刷領域内における第1及び第2の微振動信号より大きな振幅の微振動を掛けることができるので、長期間吐出を休止して著しく粘度が増大したインクでも効率良く減粘させることができる。従って、記録終了後、キャリッジが減速を始めると、上記した印刷領域内の第1の微振動信号又は第2の微振動信号からこの印刷領域外の第3の微振動信号に切り替えて、記録ヘッドが待機ポジションに移動して停止している間、この印刷領域外の第3の微振動信号を連続して印加しておくと、長期間停止しても、インク粘度の上昇を防ぐことができる。
このように、印刷領域内では第1の微振動信号又は第2の微振動信号と印刷領域外では第3の微振動信号を区別して用いることが好ましい。
印刷領域内で掛ける上記第1の微振動信号及び第2の微振動信号は、ノズル23内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以下となるように弱く押し出させて引き込み、印刷領域外で掛ける上記第3の微振動信号は、ノズル23内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように強く押し出させて、引き込めることが好ましい。
印刷領域内では、画像データに応じて、インク吐出を行う必要があることから、ノズル23内のメニスカスのノズル先端からの最大押し出し量をノズル半径以下となるように押し出させることで、比較的弱い微振動が与えられることとなり、メニスカスの静定が速くなって、インク吐出への影響を抑えることができる。なお、第1の微振動信号と第2の微振動信号とでは、いずれも最大押し出し量がノズル半径以下であるが、第1の微振動信号よりも第2の微振動信号の方が、メニスカスの押し出し量は相対的に大きい。
また、印刷領域外では、インク吐出への影響はないため、印刷領域内よりも強い微振動を掛けることができる。ノズル23内のメニスカスのノズル先端からの最大押し出し量をノズル半径以上となるように押し出させると、メニスカスを強い力で引き戻さなくてはならないので、強い微振動が掛けられ、インクを効率良く攪拌させることができる。
ここで、最大押し出し量とは、1回のメニスカス押し出し動作におけるノズル先端からのメニスカスの押し出し量の最大値である。ノズル23からのメニスカスの押し出し量は、例えば、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」を用いてストロボ同期により測定することができる。押し出し量は、図11に示すように、メニスカスMの略ノズル23の中央部におけるノズル先端からの突出量を、ノズル形成部材22と略垂直方向に測定した値である。
また、ノズル23の開口形状は真円に限らず楕円形等様々であるが、このノズル半径とは、ノズル23の先端(ノズル形成部材22の表面)側の最長径の1/2のことである。
上記のいずれの微振動信号も、矩形波を使用すると、台形波を使用するものに比べて、微振動信号波形の長さが半分以下と短くて済み、非吐出のノズルのみならず、吐出中の休止ノズルに微振動を掛けても、記録速度が大きく低下しないので、各画素毎に微振動を掛けて記録を行うことができる。
また、本発明における微振動を掛ける矩形波は最短で2ALであり、インク吐出信号は最短で5ALである。一方、従来の台形波による微振動は、最短でも5ALかかるので、本発明の矩形波は記録速度の低下を防ぐことができる。
以上のインク吐出信号、第1の微振動信号、第2の微振動信号及び第3の微振動信号は、図示したように、いずれも同電圧であることが好ましい。これにより電源を複数用意する必要がない。特に印刷領域外の場合には、第3の微振動信号を連続して印加していることによりインク粘度の上昇が防止されているため、吐出時と同じ電圧でインクをインク受け器7、8にパージすることができる。
全てのパルスを同電圧で掛けるが、インク吐出信号は正の差電圧と負の差電圧を連続して印加するので、隔壁27の両側の電極29を通して、倍の電圧が隔壁27に掛かることになる。印刷領域外で掛ける第3の微振動信号は、正の差電圧と負の差電圧を掛けるので倍の電圧が掛かるが、間隔をおいて印加するので、同時に掛かることがなくメニスカスが強く振動するが、インク滴を吐出することはない。これに対して、印刷領域内の微振動信号は、正の差電圧しか掛からないのでメニスカスが弱く振動するだけである。
なお、これらの微振動信号は矩形波を用いているが、本発明において微振動信号にこのような矩形波を用いることは好ましい。本発明のように画像データに係わらず微振動信号を印加すると、常に各チャネルを駆動するので、圧電素子のヒステリシス損による発熱が問題になる。しかし、矩形波は台形波に比べて、微振動を効率的に掛けられるので、駆動電圧が台形波の1/2〜1/3と低くてすみ、発熱は電圧の二乗に比例するので、大きな問題にはならない。また、画像データの有無に係わらず、常に微振動を掛けると、記録速度が遅くなるが、矩形波は効率が良く、台形波の半分以下の時間ですむので、記録速度の大きな低下は起こらない。
また、印刷領域内及び印刷領域外のいずれにおいても、メニスカスを微振動させるための矩形波からなる微振動信号には少なくともパルス幅がALの偶数倍の信号を含むことが好ましい。これによれば、パルス波形の立ち下がりで微振動を開始し、波形の立ち上がりで残留振動による残留圧力をキャンセルできる。すなわち、微振動信号のパルス波形が立ち下がってチャネル28が収縮すると、チャネル28内に正の圧力波が発生する。発生した正の圧力波は、音響理論に従ってAL時間毎に圧力反転を繰り返しながら減衰してゆく。電圧が立ち下がってから例えば2AL後、チャネル28内のインク圧力が正→負→正と反転したタイミングで、電圧を立ち上げて、チャネル28の収縮を元に戻せば、負の圧力が発生して、チャネル内に残留する正の圧力をキャンセルできる。これにより、その後、インク滴を吐出する必要があるような場合でも、直ちに吐出することができるようになる。このように、微振動信号のパルス幅をALの偶数倍にとると、パルスの立ち下がりで微振動を掛け、立ち上がりで微振動を停止して残留圧力をキャンセルできるので好ましい。
メニスカスを微振動させることによるインクの攪拌は、インクの粘度、表面張力、ヘッド温度、環境湿度の影響を大きく受けるので、実際に使用するインクを実際の環境条件でメニスカスを微振動させて、メニスカスの微振動の大きさを、ノズルからヘッドの外に押し出されるインク柱を観察して、第1の微振動信号か第2の微振動信号を選択することが好ましい。
次に、インクジェット記録装置の具体的な動作の流れについて、図12に示すフロー図を用いて説明する。
まず、長期間停止した後、画像記録のため電源を入れると、記録ヘッド2がホームポジションから第一待機ポジションに移動し(S1)、全ノズルに上記した図7に示す印刷領域外の微振動信号を連続して印加する(S2)。この印刷領域外の微振動信号の印加は、画像データが送られてくるまで継続する。
1スワス(swath;記録ヘッド2の多数のノズル23により構成されるノズル列の先頭ノズルから最終ノズルまでの長さ=記録幅)分の画像データが送られてくると(S3)、この印刷領域外の微振動信号の印加を停止し、メニスカスの微振動を止める(S4)。次いで、キャリッジ5が更に走行を開始して加速領域に入る(S5)。この記録ヘッド2を加速している間、駆動信号発生部100から全チャネル28に対してインク吐出信号を印加して、全ノズル23内の増粘したインクを所定滴数インク受け器7又は8にパージする(S6)。
引き続いて、記録ヘッド2が印刷領域内に入ると、全ノズルに上記した図6(a)又は(b)に示す印刷領域内の微振動信号を連続して印加する。この間、画像データが来るとこれに応じて、微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成することによりインク滴を記録媒体Pに向けて吐出し、画像記録を行う(S7)。
1スワス分の記録が終わると、キャリッジ5が減速領域に入り(S8)、反対側に設けられた第二待機ポジションで記録ヘッド2を停止させる(S9)。ここでは、全てのノズル23からインク滴は吐出されないため、全ノズルに上記した図7に示す印刷領域外の微振動信号を再び連続して印加する(S10)。これにより1パスの画像記録を終了する。
以上は1パスで画像記録を行う場合であるが、nパスのマルチパス記録を行う場合は、記録媒体Pをスワス長さの1/nだけ送ってから、次の1スワス分の画像データが送られてくると、印刷領域外のメニスカスの微振動を止める。そして、キャリッジ5が走行を開始し、記録ヘッド2が加速している間、インク受け器7又は8に少量のインクをパージする。次いで、印刷領域内に入ってキャリッジ5が定速になると、印刷領域内の微振動信号を再び連続して印加すると共に、微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成することでインクを吐出し、次のスワスの記録を開始する。以下、この操作を繰り返す。
(実施例1)
11℃、35%RHの、低温、低湿環境における印刷領域内微振動(第1の微振動信号)の効果を試験した。
本発明の微振動によるデキャップ効果を試験した。ここでいうデキャップとは、吐出を止めて記録ヘッドのノズル面にキャップ゜をしないで放置した後、吐出を再開して、初発の速度が低下するまでの最短の停止時間をいい、ノズル表面のインクの乾燥、増粘による初発速度の低下し易さを表わす。
使用する微振動信号は、2AL幅のシングルパルスである。使用する記録ヘッドのALは、2μsecで、ノズル径は23μmである。使用するインクは、粘度5.5mPs*Sの増粘し易いインクで、その表面張力は41mN/m2である。
液滴速度を6m/secに保って、記録停止時間の変化による、記録再開時の液滴速度を測定したところ、微振動電圧は10Vで、メニスカスの押し出し量は8μmであった。差電圧20Vで、6m/secの飛翔速度が得られた。
吐出停止時間を10秒以上延ばしたが、吐出再開しても初発滴の飛翔速度が低下することは無かった。
(比較例1)
実施例1と同一条件で、微振動信号を印加しなかった場合、停止時間が0.1秒以下で、初滴の速度が3m/sec以下に低下した。
(実施例2)
11℃、35%RHの低温、低湿環境における、本発明のもう一つの印刷領域内微振動(第2の微振動信号)の効果を試験した。
使用する微振動信号は、1AL幅と2AL幅のダブルパルスを1AL間隔をあけて掛けた。使用する記録ヘッドALは2μsecで、ノズル径は23μmである。使用するインクは、粘度6.5mPs*Sの増粘し易いインクで、その表面張力は40mN/m2である。
液滴速度を6m/secに保って、記録停止時間の変化による記録再開時の液滴速度の測定を行ったところ、微振動電圧は10Vで、メニスカスの押し出し量が10μmであった。差電圧20Vで吐出して、6m/secの飛翔速度が得られた。
吐出停止時間を10秒以上延ばしたが、吐出再開すると、初発滴の飛翔速度が低下することは無かった。
(比較例2)
実施例2と同じ条件で、微振動を印加しなかったところ、吐出停止時間が0.1秒で、初発滴の飛翔速度が5m/sec以下に低下した。
(実施例3)
11℃、35%RHの低温、低湿環境における、本発明の印刷領域外の微振動(第3の微振動信号)の効果を試験した。
使用した微振動波形は、差電圧の極性が異なる4AL幅のパルスを12AL間隔をあけて掛けた。使用する記録ヘッドのALは2μsecで、ノズル径は23μmである。使用するインクは、粘度6.5mPs*Sの増粘し易いインクで、その表面張力は40mN/m2である。
微振動電圧は10Vで、メニスカスの押し出し量は15μmであった。この微振動を掛けてから吐出すると、差電圧20Vで吐出して、6m/secの飛翔速度が得られた。
(比較例3)
実施例3と同じ条件で、微振動を印加しなかったところ、吐出停止時間が10秒を越えると増粘して、駆動電圧が30Vとなった。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図 記録ヘッドの一例を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図 インク吐出時の作動を示す図 (a)(b)はそれぞれ吐出信号の例を示す波形図 第1の微振動信号を説明する波形図 第1の微振動信号の他の例を説明する波形図 第2の微振動信号を説明する波形図 (a)〜(h)は第2の微振動信号による微振動及びインク吐出の様子を示す模式図 第3の微振動信号を説明する波形図 インクジェット記録装置における記録ヘッドの動作位置の説明図 ノズル先端からのメニスカスの押し出し量を説明する図 インクジェット記録装置の具体的な動作を示すフロー図
符号の説明
1:インクジェット記録装置
2:記録ヘッド
21:インクチューブ
22:ノズル形成部材
23:ノズル
24:カバープレート
25:インク供給口
26:基板
27:隔壁
28:チャネル
3:搬送機構
31:搬送ローラ
32:搬送ローラ対
33:搬送モータ
4:ガイドレール
5:キャリッジ
6:フレキシケーブル
7、8:インク受け器
100:駆動信号発生部
P:記録媒体
PS:記録面

Claims (16)

  1. 記録ヘッドのチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段に対し、チャネル内のインクをノズルより吐出させて記録媒体に画像記録を行うインク吐出信号を印加すると共に、前記電気・機械変換手段に対し、ノズルからチャネル内のインクを吐出させない程度にノズル内のメニスカスを微振動させる微振動信号を印加する駆動信号発生手段を備え、前記駆動信号発生手段は、画像データの有無に係わらず、全チャネルの電気・機械変換手段に対して連続して微振動信号を印加すると共に、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を生成するインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させる移動手段を有し、
    前記駆動信号発生手段は、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域内にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以下となるように弱く押し出させる第1の微振動信号又は第2の微振動信号と、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域外にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように強く押し出させる第3の微振動信号とを、前記電気・機械変換手段に対して連続して印加するものであって、前記第1の微振動信号と前記第2の微振動信号による最大押し出し量は、第2の微振動信号の方が大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも矩形波であることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも同電圧であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の1つのパルスを繰り返し掛けるシングルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第2の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態まで戻し、(2n+1)AL時間休止後、チャネルの容積を再び縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の2つのパルスを繰り返し掛けるダブルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第3の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を2(N1)AL時間維持した後、チャネルの容積を縮小させてチャネルを拡大させる前の状態まで戻し、その戻した状態を2(N2)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させ、その収縮した状態を2(N3)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを最初に拡大させる前の状態まで戻し、この状態を2(N4)AL時間保持するパルスであって、極性の異なる2つのパルスを繰り返し掛けるパルスからなる(但し、N1、N2、N3、N4は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インク吐出信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させる前の容積に戻し、更にその容積より小さくなるように収縮させ、その収縮した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルの容積を最初に拡大させる前の状態まで戻すパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記電気・機械変換手段は、隣接するチャネル間の隔壁を形成し、且つ、電界を印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 記録ヘッドのチャネルの容積を変化させる電気・機械変換手段に対し、インク吐出信号を印加してチャネル内のインクをノズルより吐出させて記録媒体に画像記録を行うと共に、前記電気・機械変換手段に対し、微振動信号を印加してノズルからチャネル内のインクを吐出させない程度にノズル内のメニスカスを微振動させるものであり、画像データの有無に係わらず、全チャネルの電気・機械変換手段に対して連続して微振動信号を印加すると共に、画像データに応じて、該微振動信号と組み合わせてインク吐出信号を印加するインクジェット記録方法であって、
    前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して相対的に移動させると共に、
    前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域内にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以下となるように弱く押し出させる第1の微振動信号又は第2の微振動信号と、前記記録ヘッドが前記記録媒体に対する印刷領域外にあるときに、ノズル内のメニスカスを、該ノズル先端からの最大押し出し量がノズル半径以上となるように強く押し出させる第3の微振動信号とを、前記電気・機械変換手段に対して連続して印加するものであって、前記第1の微振動信号と前記第2の微振動信号による最大押し出し量は、第2の微振動信号の方が大きいことを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも矩形波であることを特徴とする請求項記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記インク吐出信号、前記第1の微振動信号、前記第2の微振動信号及び前記第3の微振動信号は、いずれも同電圧であることを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記第1の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の1つのパルスを繰り返し掛けるシングルパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記第2の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を縮小させ、その縮小した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態まで戻し、(2n+1)AL時間休止後、チャネルの容積を再び縮小させ、その縮小した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを縮小する前の状態にまで戻すパルスであって、同一極性の2つのパルスを掛けるダブルパルスの連続からなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記第3の微振動信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を2(N1)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させてチャネルを拡大させる前の状態まで戻し、その戻した状態を2(N2)AL時間維持した後、チャネルの容積を収縮させ、その収縮した状態を2(N3)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルを最初に拡大させる前の状態まで戻し、この状態を2(N4)AL時間保持するパルスであって、極性の異なる2つのパルスを繰り返し掛けるパルスからなる(但し、N1、N2、N3、N4は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記インク吐出信号は、チャネルの音響的共振周期の1/2をAL(Acoustic Length)としたとき、チャネルの容積を拡大させ、その拡大した状態を(2n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させる前の容積に戻し、更にその容積より小さくなるように収縮させ、その収縮した状態を2(n+1)AL時間維持した後、チャネルの容積を拡大させてチャネルの容積を最初に拡大させる前の状態まで戻すパルスからなる(但し、nは0又は1以上の整数)ことを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記電気・機械変換手段は、隣接するチャネル間の隔壁を形成し、且つ、電界を印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
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